JPH10338845A - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JPH10338845A
JPH10338845A JP9149078A JP14907897A JPH10338845A JP H10338845 A JPH10338845 A JP H10338845A JP 9149078 A JP9149078 A JP 9149078A JP 14907897 A JP14907897 A JP 14907897A JP H10338845 A JPH10338845 A JP H10338845A
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JP
Japan
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pressure
sensitive adhesive
weight
sheet
release paper
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JP9149078A
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English (en)
Inventor
Kenji Asada
健次 麻田
Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カット性およびアプリケーション粘着シートへ
の転写性が共に良好な、装飾用に好適な粘着シートを提
供することを目的とする。 【解決手段】合成樹脂シートの片面に粘着剤および離型
紙がこの順で積層されている粘着シートにおいて、上記
離型紙の表面に積層されている離型剤が、それぞれ特定
構造を有するシリコーン樹脂および非反応型剥離コント
ロール剤からなり、更に、上記合成樹脂シートと粘着剤
からなる粘着テープの上記離型紙に対する、高速剥離で
の180°ピール粘着力が20〜60g/50mm幅で
あることを特徴とする粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッティングマシ
ンによるカット性に優れると同時に、アプリケーション
粘着シートへの転写性に優れている、屋内・屋外の装飾
もしくはマーキング用途に好適な粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、顔料が含まれた透明、半透
明、不透明の主として塩化ビニル系樹脂シート、アクリ
ル系樹脂シート、フッ素系樹脂シートなどの合成樹脂シ
ートの一面に粘着剤層が積層されてなる装飾用粘着シー
トが知られている。この装飾用粘着シートは、装飾を施
したい材料に粘着剤層を利用して貼り付け、表面側の色
や模様などによって装飾効果を発揮させるものであっ
て、近年、塗装に代わり、ラベルやステッカー類、公告
や看板などのディスプレー分野、車両の装飾などのフリ
ートマーキング分野などに使われている。
【0003】上記従来の装飾用粘着シートは、合成樹脂
シートの裏面に粘着剤層、離型紙が順次積層された構成
を有するものであり、通常はこれをコンピューター制御
のカッティングマシンや人手により所望の図形や文字な
どの形状にカットし、不要部分を予め剥がして必要部分
のみを残すという「カス取り」作業の後、更にアプケー
ション粘着シートに転写し、装飾すべき被着体に転着さ
せるという方法により施工される。
【0004】しかし、従来の装飾用粘着シートでは、カ
ッティングマシンや人手によりカットした後のカス取り
作業において必要な部分まで剥がしてしまうという問題
があり、これまでこの問題に対する対処法として、離型
紙を重剥離のものに変更し、粘着剤と離型紙との剥離強
度を高くする方法が取られていた。
【0005】また、特開平2−84476号公報には、
粘着剤層と離型紙の剥離層との間の動的剥離抵抗におい
て、低速剥離と高速剥離での剥離強度をそれぞれ特定範
囲に限定することにより速度依存性を持たせた、カット
部分に生じる「めくれ上がり」を防止したカッティング
マシン用感圧接着シートが開示されている。
【0006】しかし、上記剥離強度を高くする方法で
は、不要部分を予め剥がした後、必要部分のみをアプケ
ーション粘着シートに転写する際に、転写性が著しく低
下するという問題があると共に、剥離強度が経時で低下
し、カス取り作業性が低下するという問題があった。ま
た、上記特開平2−84476号公報記載のカッティン
グマシン用感圧接着シートも同様の問題を完全に解決し
たものではなかった。
【0007】また、最近では印刷技術が進歩しており、
合成樹脂シートの表面に所望の図形や文字などを印刷
し、カットなどをせずにそのまま被着体全面に貼付する
ことにより装飾することも行われてきている。
【0008】このときの施工方法は、通常、広幅の粘着
シートの上部の離型紙を全幅に渡って予め数十センチ剥
離してまず貼付し、次いで裏側の離型紙を下方に引き剥
がしながら上部から順次貼付するというものであるが、
この貼付の際に離型紙と粘着シート部分との剥離強度が
高すぎて引き剥がす際に合成樹脂シートが延びてしまう
といった問題があった。
【0009】また、シリコーン離型剤のブリードアウト
に起因する経時後の被着体への接着力低下も問題となっ
ており、残留接着率の低下のない経時安定性の良好な粘
着シートも望まれている。
【0010】本発明は上記問題を解決するためになされ
たものであり、鋭意検討した結果、離型紙に用いられて
いる離型剤に非反応型剥離コントロール剤を特定量添加
することにより、粘着シートをカットした際にカッター
刃に付着した非反応型剥離コントロール剤が粘着剤のカ
ット面を被覆し、粘着剤のカット面の再合着を抑制する
ことを見い出したことによりなされたものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カッ
ト性、アプリケーション粘着シートへの転写性および広
幅で貼付する際の貼付作業性が共に良好な、装飾用に好
適な粘着シートを提供することである。また、本発明の
別の目的は、カット性、アプリケーション粘着シートへ
の転写性および経時後の品質安定性が共に良好な、装飾
用に好適な粘着シートを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】まず、請求項1記載の発
明(以下、本発明1という)の粘着シートについて詳細
に説明する。本発明1の粘着シートは、合成樹脂シート
の片面に粘着剤および離型紙がこの順で積層されている
という構成を有し、上記離型紙の表面に積層されている
離型剤が、それぞれ特定の構造を有するシリコーン樹脂
100重量部および重量平均分子量100〜10,00
0の非反応型剥離コントロール剤0.05〜5重量部か
らなり、更に、上記合成樹脂シートと粘着剤からなる粘
着層の上記離型紙に対する、引き剥がし速度1000m
m/minでの180°ピール粘着力が20〜60g/
50mm幅であることを特徴とするものである。
【0013】合成樹脂シート 本発明1で用いられる合成樹脂シートについては、従来
より装飾シートやマーキングフィルムなどに用いられて
いる適宜の合成樹脂シート基材を用いることができ、特
に限定されるわけではない。このような合成樹脂シート
の例としては、塩化ビニル系樹脂シート、アクリル系樹
脂シート、ウレタン系樹脂シート、フッ素系樹脂シート
などが挙げられるが、柔軟性や耐候性の要求される装飾
用途としては塩化ビニル系樹脂シートが好適である。
【0014】上記合成樹脂シートには、種々の性能を改
善するために、可塑剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、充填
剤、着色剤などが添加されていてもよい。
【0015】上記可塑剤は、合成樹脂シートに柔軟性を
付与する目的で添加されるものであり、例えば、フタル
酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチ
ルデシル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸系可塑
剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ
イソノニル、アジピン酸ジイソデシルなどのアジピン酸
系可塑剤、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバ
シン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、
リン酸トリキシリル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−
2−エチルヘキシル、リン酸オクチルジフェニル、塩素
化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、エポキシ化大豆
油などが挙げられる。中でもエポキシ化大豆油は熱安定
剤の作用も兼ね備えており、押出成形、カレンダー成形
により合成樹脂シートを製造する場合には好適なもので
ある。
【0016】上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリ
チル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤が挙
げられる。
【0017】上記熱安定剤としては、例えば、金属石鹸
系熱安定剤、有機スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤、アン
チモン系熱安定剤、非金属熱安定剤などが挙げられる。
上記金属石鹸系熱安定剤としては、例えば、Pb、C
d、Ba、Zn、Caなどとステアリン酸、ラウリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸、2−エチルヘキソイン
酸などからなる金属石鹸が挙げられ、具体的には、Cd
/Ba系熱安定剤、Ba/Zn系熱安定剤、Ca/Zn
系熱安定剤、Ba/Pb系熱安定剤、Cd/Ba/Zn
系熱安定剤、Cd/Mg/Zn系熱安定剤などが挙げら
れる。
【0018】上記有機スズ系熱安定剤としては、例え
ば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエー
ト、ジブチルスズメルカプチドなどが挙げられる。上記
鉛系熱安定剤としては、例えば、鉛白、塩基性亜硫酸
鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、二塩基性フ
タル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、シリカゲル共沈珪酸
鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛などが挙
げられる。
【0019】上記非金属熱安定剤としては、例えば、
(i)エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエ
ポキシ化植物油、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ
化脂環式化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、エポキシ化ポリブタジエンなどのエポキシ化合物、
(ii)トリブチルホスファイト、トリイソオクチルホス
ファイト、トリイソデシルホスファイト、トリラウリル
ホスファイトなどのトリアルキルホスファイト、モノイ
ソオクチルジフェニルホスファイト、モノイソデシルジ
フェニルホスファイト、ジイソオクチルモノフェニルホ
スファイトなどのアルキルアリールホスファイト、トリ
フェニルホスファイト、トリス(p−フェニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(o−シクロヘキシルフェニ
ル)ホスファイトなどのホスファイト、(iii )アセチ
ルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルプロピオ
ニルメタンなどのβ−ジケトンなどが挙げられる。
【0020】上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、タルク(塩基性ケイ酸マグネシウム)、カオリン
(ケイ酸アルミニウム)、シリカ、酸化チタンなどが挙
げられる。
【0021】上記着色剤としては、例えば、アゾ系、フ
タロシアニン系、スレン系、染料レーキ系などの有機顔
料、酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セレ
ン化物系、フェロシアン化物系などの無機顔料などが挙
げられる。
【0022】合成樹脂シートの製造方法は、従来公知の
任意の方法が採用され、塩化ビニル系樹脂の場合は、例
えば、構成成分を有機溶剤に分散させることにより塩化
ビニル系樹脂ゾルを得、工程紙上に塗布乾燥後、加熱キ
ュアーさせるゾルキャスティング法や、構成成分を加熱
溶融させてシート状に成形するカレンダー法などが挙げ
られる。上記ゾルキャスティング法で使用される分散媒
となる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレ
ン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられ、
市販品としては、例えば、「ソルベッソ」(三菱化学社
製)などが挙げられる。
【0023】合成樹脂シートの厚みについても特に限定
されるものではないが、通常、30〜200μm、より
好ましくは40〜100μm程度とされる。合成樹脂シ
ートの厚みが薄すぎると、腰がなくなり、装飾シートや
マーキングフィルムとして用いた場合の施工性が低下す
ることがあり、厚すぎると剛性のあるシートとなり、コ
ルゲート板などの3次元曲面を有する被着体に対して貼
付する際の追従性が低下することがある。
【0024】粘着剤 本発明1で用いられる粘着剤としては、例えば、アクリ
ル系粘着剤、天然ゴム系、合成ゴム系などのゴム系粘着
剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げ
られるが、特に耐候性が良好であるという理由からアク
リル系粘着剤が好適に用いられる。
【0025】以下に、アクリル系粘着剤について詳細に
述べる。上記アクリル系粘着剤は、アクリル系共重合体
を主成分とするものであり、架橋剤により架橋されたも
のが好ましい。
【0026】上記アクリル系共重合体は、通常、アルキ
ル(メタ)アクリレートおよび極性基含有ビニルモノマ
ーを主成分とする混合モノマーを共重合して得られる。
【0027】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、アルキル基の炭素数4〜14のアルキル(メタ)ア
クリレートが好ましく、これらはホモポリマーのガラス
転移温度が−50℃以下なので、主成分として用いるこ
とにより、得られるアクリル系粘着剤の感圧接着性と剪
断強度の粘着物性バランスを高度に保つことが可能とな
る。上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例え
ば、n−ブチルアクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n
−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、
イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレートなどが挙げられ、これらは単独で使用されて
もよいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0028】上記アルキル(メタ)アクリレートの含有
量は、少なくなると凝集力が高くなり充分な感圧接着性
が得られにくくなり、また多くなると凝集力が低くなり
充分な剪断強度が得られにくくなるため、混合モノマー
中、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは70
〜95重量%である。
【0029】上記極性基含有ビニルモノマーとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、カルボキシエチル
(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有ビニル
モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレートなどの水酸基含有ビニルモノ
マー、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラ
クタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)ア
クリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
窒素含有ビニルモノマーなどが挙げられ、これらは単独
で使用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよ
い。
【0030】上記極性基含有ビニルモノマーの含有量
は、少なくなると凝集力が低下し剪断強度が得られにく
くなり、また多くなると凝集力が高くなり感圧接着性が
得られにくくなるため、混合モノマー中、好ましくは2
〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
【0031】上記混合モノマーには、上記アルキル(メ
タ)アクリレート及び極性基含有ビニルモノマー以外
に、他のビニルモノマーが含有され、共重合されてもよ
く、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレ
ン、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0032】上記他のビニルモノマーの含有量は、多く
なると凝集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、上記極性基含有ビニルモノマーとの合計量
が混合モノマー中、好ましくは50重量%以下、より好
ましくは30重量%以下である。
【0033】上記混合モノマーを共重合する方法として
は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などの全
ての重合方法が挙げられるが、(メタ)アクリル酸やヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどのカルボキ
シル基含有ビニルモノマーの共重合性が良好であり、更
に塗工粘度を制御し易く、かつ架橋剤、粘着付与樹脂な
どとも混合し易いという理由から溶液重合が好適であ
る。
【0034】上記溶液重合には、一般に熱重合開始剤が
用いられる。熱重合開始剤としては、例えば、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどの
ケトンパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベン
ゾイルパーオキサイド、P−クロロベンゾイルパーオキ
サイドなどのジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイド
ロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ドなどのジアルキルパーオキサイド類、1,1−ジ−t
−(ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサンなどのパーオキシケタール類、t−ブチル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレ
ートなどのアルキルパーエステル類、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどの
パーカーボネート類などの有機過酸化物の他に、2,
2’−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2’−アゾ
ビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビ
ス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−
2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビ
ス−4−シアノバレリックアシッド、2,2’−アゾビ
ス−(2−アミノプロパン)ジヒドロクロライドなどの
アゾビス系化合物が挙げられる。
【0035】上記アクリル系共重合体を得る際に、重合
反応のばらつきを抑え、分子量を適切に調節する目的
で、モノマー溶液中に連鎖移動剤が添加されてもよい。
上記連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカ
プタン、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプ
ロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸オクチル、β
−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、トリメチロ
ールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、チオ
グリコール酸ブチル、プロパンチオール類、ブタンチオ
ール類、チオホスファイト類などのチオール化合物や四
塩化炭素などのハロゲン化合物などが挙げられる。
【0036】上記で得られたアクリル系共重合体の重量
平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフ(GPC)法により標準ポリスチレン換算分子量
として測定される。具体的には、架橋前のアクリル系共
重合体をテトラヒドロフラン(以下「THF」という)
に溶解して0.5〜1.0重量%の溶液を作製し、TH
Fを分散媒として用いてゲル充填カラムで分離し、その
溶出時間と溶出溶液の屈折率の関係から求められる。
【0037】上記アクリル系共重合体の重量平均分子量
(Mw)は、小さいと充分な凝集力が得られにくくな
り、大きいと初期接着性が低下し、コルゲート板などへ
の押込み貼りが困難になるため、40万〜100万が好
ましい。
【0038】上記アクリル系共重合体を架橋する際に使
用される架橋剤は、アクリル系共重合体中に共重合され
ている極性基含有ビニルモノマーの種類によって異な
る。極性基含有ビニルモノマーとしてカルボキシル基含
有ビニルモノマーを共重合した場合は、エポキシ系架橋
剤、アジリジン系架橋剤などが好適に使用され、水酸基
含有ビニルモノマーを共重合した場合にはイソシアネー
ト系架橋剤が好適に使用される。
【0039】上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、上記アジ
リジン系架橋剤としては、例えば、N,N−ヘキサメチ
レン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド)などが挙げられ、上記イソシアネート系架橋剤とし
ては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、
ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、キシレンジイソシアネート(XD
I)、トリメチロールプロパン変成TDIなどが挙げら
れる。
【0040】架橋剤の添加量は、少なくなると充分な架
橋度が得られにくくなり、このため凝集力の低下に伴い
充分な剪断強度が得られにくくなり、また多くなると架
橋密度が高くなり柔軟性が損なわれ、充分な感圧接着性
が得られにくくなる。このため、添加量は上記アクリル
系共重合体の固形分100重量部に対して好ましくは
0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.05〜
3重量部である。
【0041】上記アクリル系粘着剤のゲル分率は、低す
ぎると凝集力が得られず、特に曲面板などに貼付した際
に剥がれや膨れが生じやすく、高すぎると初期接着力が
得られにくくなるでため、40〜65重量%となるよう
に架橋することが好ましい。
【0042】アクリル系粘着剤中には、他の物性を低下
させない範囲において必要に応じて他の添加物が添加さ
れてもよく、例えば、粘着付与樹脂、充填剤などが挙げ
られる。
【0043】上記粘着付与樹脂としては、例えば、C5
系及びC9系石油樹脂、ロジン樹脂、ロジンエステル樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン
・インデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエス
テル樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂も
しくはこれらの水添物といった全ての粘着付与樹脂が挙
げられる。上記粘着付与樹脂は単独で使用されてもよい
し、また2種類以上併用されてもよい。
【0044】粘着付与樹脂はアクリル系粘着剤中では未
架橋成分となるため、添加量が多くなると凝集力が低く
なり、充分な剪断強度が得られない。このため添加量は
アクリル系共重合体100重量部に対して30重量部以
下とすることが好ましい。
【0045】上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、タルク(塩基性ケイ酸マグネシウム)、カオリン
(ケイ酸アルミニウム)、シリカなどが挙げられる。
【0046】上記アクリル系粘着剤のガラス転移温度
は、低いと夏場の施工時にベタつき感があり、高いと冬
場の接着性が低下すると共に、後述する離型紙表面に積
層される離型剤中の非反応型剥離コントロール剤がブリ
ードアウトすることに起因する残留接着率の低下が大き
くなるため、−20〜10℃が好ましい。
【0047】粘着剤層の厚みは、薄いと被着体に対する
粘着力が充分に得られず、厚いとサイドスティックや粘
着剤層内での凝集破壊の原因となるため、20〜100
μmが好ましい。
【0048】離型紙 本発明1で用いられる離型紙は、通常の基材の少なくと
も片面に離型剤が積層されたものであり、特に上記離型
剤が下式(1)で表されるシリコーン樹脂100重量部
および下式(2)で表される重量平均分子量100〜1
0,000の非反応型剥離コントロール剤0.05〜5
重量部からなることを特徴とするものである。
【0049】
【化3】
【0050】上記基材としては、例えば、上質紙、クラ
フト紙、グラシン紙などの紙基材;織布;不織布;合成
繊維;ネット;プラスチックフィルム;ポリエチレンな
どのポリオレフィンからなるフィルムと紙との積層物な
どが挙げられる。
【0051】上記離型剤は、特定構造を有するシリコー
ン樹脂および非反応型剥離コントロール剤からなるもの
であり、シリコーン樹脂としては、下式(1)で表され
るものが用いられる。
【0052】
【化4】
【0053】上記シリコーン樹脂の市販品としては、
「信越シリコーンKS−770」、「信越シリコーンK
S−775」、「信越シリコーンKS−776A」、
「信越シリコーンKS−778」、「信越シリコーンK
S−843」(全て信越化学社製)などが挙げられる。
【0054】上記非反応型剥離コントロール剤は、離型
紙の剥離強度を制御するために添加するものであり、下
式(2)で表される重量平均分子量100〜10,00
0のものが使用される。
【0055】
【化5】
【0056】非反応型剥離コントロール剤の重量平均分
子量は、小さいと粘着剤層との界面にブリードアウト
し、経時で粘着力が低下し易くなり、また大きいと塗工
性能が得られにくくなるため、100〜10,000の
ものが使用される。
【0057】非反応型剥離コントロール剤の市販品とし
ては、例えば「信越シリコーンX−92−128」(信
越化学社製、重量平均分子量:2000)などが挙げら
れる。
【0058】非反応型剥離コントロール剤の添加量は、
少ないと剥離強度が低くなり、カス取り性が低下し、多
くなると剥離強度が高くなりアプリケーション粘着シー
トへの転写性が低下すると共に、広幅で貼付する際の展
開力が重く、貼付作業性が低下するため、上記シリコー
ン樹脂100重量部に対し、0.05〜5重量部であ
る。
【0059】また、上記シリコーン樹脂100重量部に
対する非反応型剥離コントロール剤の好適な添加量は、
前述した粘着剤のガラス転移温度により異なる。粘着剤
のガラス転移温度が−20〜−5℃の場合は好適には
0.2〜5重量部であり、より好適には0.5〜1.5
重量部である。また、ガラス転移温度が−5〜10℃の
場合は好適には0.05〜2重量部であり、より好適に
は0.1〜1.0重量部であり、特に好適には0.5〜
0.9重量部である。
【0060】上記離型剤中のシリコーン樹脂は、非反応
型剥離コントロール剤との混合物として基材に塗布、乾
燥された後、加熱により硬化させられる必要があるが、
このときに用いられる硬化触媒としては、白金系触媒、
スズ系触媒などが挙げられ、上記白金系触媒の市販品と
しては、品番「CAT−PL−50T」(信越化学社
製)などが挙げられる。
【0061】上記離型剤の基材への塗布方法としては、
例えば、通常の液状物の塗工方法が全て挙げられ、例え
ば、グラビヤコーター、メイヤーバーコーター、多段ロ
ール、エアナイフコーターなどが挙げられる。
【0062】また、硬化のための加熱条件としては、8
0℃で60秒以上、100℃で40秒以上、120℃で
30秒以上が好ましい。
【0063】離型剤層の厚みは、薄いと離型性能が得ら
れにくくなり、厚いと硬化不良に伴い離型剤層の脱落が
発生しやすくなるため、0.5〜2μmが好ましい。
【0064】離型剤層を積層した後の離型紙のトータル
厚みは、薄すぎるとシート全体の取扱いが困難となるこ
とがあり、厚すぎると離型紙を剥離する際の作業性が低
下することがある。従って、通常、離型紙の厚みは80
〜300μm、好ましくは100〜200μmとされ
る。
【0065】粘着シートの製造方法 本発明1の粘着シートは、合成樹脂シートの片面に粘着
剤および離型紙がこの順で積層されている。上記粘着シ
ートの製造方法は特に限定されるものではなく、合成樹
脂シートの片面に粘着剤溶液を塗布した後、乾燥するこ
とで粘着剤層を積層し、次いで離型紙とラミネートして
もよいし、また、離型紙の片面に粘着剤溶液を塗布した
後、乾燥し、合成樹脂シートとラミネートしてもよい。
【0066】本発明1の粘着シートは、前述の合成樹脂
シートと粘着剤からなる粘着テープ部分の上記離型紙に
対する、引き剥がし速度1000mm/minでの18
0°ピール粘着力が20〜60g/50mm幅でなけれ
ばならない。上記180°ピール粘着力が20g/50
mm幅未満であると、カット後のカス取り性が低下し、
また60g/50mm幅を越えるとアプリケーション粘
着シートへの転写性が低下すると共に、離型紙との剥離
強度が高くなり、広幅で貼付する際の貼付作業性が低下
する。
【0067】次に、請求項2記載の発明(以下、本発明
2という)の粘着シートについて詳細に説明する。本発
明2の粘着シートは、合成樹脂シートの片面に粘着剤お
よび離型紙がこの順で積層されているという構成を有
し、上記合成樹脂シートのJIS K 7128に規定
されているエルメンドルフ引裂法での引裂強度が80〜
280gf/16枚であり、上記粘着剤のガラス転移温
度が−10〜0℃であり、上記離型紙の表面に積層され
ている離型剤が、下式(1)で表されるシリコーン樹脂
100重量部および下式(2)で表される重量平均分子
量100〜10,000の非反応型剥離コントロール剤
0.05〜5重量部からなることを特徴とするものであ
る。
【0068】合成樹脂シート 本発明2で用いられる合成樹脂シートは、前述した本発
明1で用いられる合成樹脂シートの中でも特にJIS
K 7128に規定されているエルメンドルフ引裂法で
の引裂強度が80〜280gf/16枚であることを特
徴とするものである。
【0069】上記合成樹脂シートのエルメンドルフ引裂
法での引裂強度は、低くなると脆く傷つき易くなり、ま
た高くなるとコンピューターなどによるカット性が低下
するため、80〜280gf/16枚に限定され、好ま
しくは100〜250gf/16枚である。
【0070】合成樹脂シートの引裂強度を効果的に80
〜280gf/16枚とする具体的方法としては、例え
ば、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、フッ素系樹脂などに炭酸カルシウム、炭酸バリウム
などの無機充填剤を添加し、シート化する方法などが挙
げられる。具体的な添加量としては、合成樹脂として塩
化ビニル系樹脂を用いた場合は、通常は塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して5〜40重量部が好ましい。
【0071】粘着剤 本発明2で用いられる粘着剤は、前述した本発明1で用
いられる粘着剤の内、特にガラス転移温度が−10〜0
℃であることを特徴とするものである。上記粘着剤のガ
ラス転移温度は、−10℃より低くなると常温でサイド
スティックなどの問題を起こしやすくなり、また0℃よ
り高くなると経時での剥離力低下が起き、カット性が低
下することがある。
【0072】上記粘着剤のガラス転移温度を効果的に−
10〜0℃とする具体的方法としては、通常はガラス転
移温度の高い粘着付与樹脂を適量添加する方法が一般的
だが、ベースとなる粘着剤としてアクリル系粘着剤を用
いた場合は、前述の極性基含有ビニルモノマーの共重合
比率をコントロールすることなども挙げられる。具体例
としては、例えば、n−ブチルアクリレート70重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート21.8重量部、
アクリル酸8重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート0.2重量部を溶液重合で共重合した場合にはガラ
ス転移温度−7℃のアクリル系共重合体が得られ、n−
ブチルアクリレート70重量部、2−エチルヘキシルア
クリレート18.8重量部、アクリル酸11重量部、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート0.2重量部を溶液
重合で共重合した場合にはガラス転移温度0℃のアクリ
ル系共重合体が得られる。
【0073】離型紙 本発明2で用いられる離型紙は、通常の基材の少なくと
も片面に離型剤が積層されたものであり、特に上記離型
剤が下式(1)で表されるシリコーン樹脂100重量部
および下式(2)で表される重量平均分子量100〜1
0,000の非反応型剥離コントロール剤0.05〜5
重量部からなることを特徴とするものであり、前述した
本発明1で用いられる離型紙と同じものが使用される。
【0074】
【化6】
【0075】粘着シートの製造方法 本発明2の粘着シートは、合成樹脂シートの片面に粘着
剤および離型紙がこの順で積層されており、その製造方
法は前述した本発明1の粘着シートの場合と同様に特に
限定されるものではなく、合成樹脂シートの片面に粘着
剤溶液を塗布した後、乾燥することで粘着剤層を積層
し、次いで離型紙とラミネートしてもよいし、また、離
型紙の片面に粘着剤溶液を塗布した後、乾燥し、合成樹
脂シートとラミネートしてもよい。
【0076】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の非限定的な実施
例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。 (実施例1〜12および比較例1〜10)合成樹脂シート(塩化ビニル系樹脂シート) 合成樹脂シ─トA 塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製、商品名「PSH−1
0」、重合度1,200)100重量部、アジピン酸系
可塑剤(旭電化社製、商品名「PN−250」)30重
量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバガイギ
ー社製、「Tinuvin P」)1重量部、キシレン
100重量部を均一に混合した後、工程紙上に塗工し、
乾燥後、加熱キュアーして厚み50μmの塩化ビニル系
樹脂シートを得た。
【0077】合成樹脂シ─トB 塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製、商品名「PSH−1
0」、重合度1,200)100重量部、アジピン酸系
可塑剤(旭電化社製、商品名「P−300」)30重量
部、金属石鹸系熱安定剤(旭電化社製、「MARKAR
−551」)5重量部、紫外線吸収剤(旭電化社製、
「MARK1413」)1重量部、溶剤(三菱化学社
製、「ソルベッソ」)60重量部および酸化チタン40
重量部を均一に混合した後、工程紙上に塗工し、乾燥
後、加熱キュアーして厚み50μmの塩化ビニル系樹脂
シートを得た。
【0078】合成樹脂シ─トC 塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製,商品名「PSH−1
0」、重合度1,200)100重量部、アジピン酸系
可塑剤(旭電化社製、商品名「P−300」)30重量
部、金属石鹸系熱安定剤(旭電化社製、「MARKAR
−551」)5重量部、紫外線吸収剤(旭電化社製、
「MARK1413」)1重量部、溶剤(三菱化学社
製、「ソルベッソ」)60重量部、酸化チタン40重量
部および炭酸カルシウム10重量部を均一に混合した
後、工程紙上に塗工し、乾燥後、加熱キュアーして厚み
50μmの塩化ビニル系樹脂シートを得た。
【0079】合成樹脂シ─トD 塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製,商品名「PSH−1
0」、重合度1,200)100重量部、アジピン酸系
可塑剤(旭電化社製、商品名「P−300」)30重量
部、金属石鹸系熱安定剤(旭電化社製、「MARKAR
−551」)5重量部、紫外線吸収剤(旭電化社製、
「MARK1413」)1重量部、溶剤(三菱化学社
製、「ソルベッソ」)60重量部、酸化チタン40重量
部および炭酸カルシウム15重量部を均一に混合した
後、工程紙上に塗工し、乾燥後、加熱キュアーして厚み
50μmの塩化ビニル系樹脂シートを得た。
【0080】アクリル系粘着剤 表1および表2の配合組成に従って、還流冷却管、温度
計、攪拌機を備えたセパラブルフラスコ中に、n−ブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ア
クリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび
n−ドデシルメルカプタンを酢酸エチルとともに添加
し、窒素ガスパージを行いながら還流するまで昇温し保
持した。次いでベンゾイルパーオキサイドの5重量%酢
酸エチル溶液を、最初に0.1重量部、30分後に0.
1重量部、1時間30分後に0.2重量部の割合で一括
添加し、次いで3時間後に0.8重量部を30分かけて
滴下しながら添加し、全量添加後、更に5時間かけて重
合しアクリル系共重合体の溶液を得た。上記各アクリル
系共重合体の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエー
ションクロマトグラフ(GPC)法により求めた結果を
表1および表2に示した。
【0081】また、上記アクリル系共重合体の固形分1
00重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(日本ポ
リウレタン社製、商品名「コロネートL−55E」)を
固形分1.5重量部となるように添加し均一混合し、ア
クリル系粘着剤1〜11の溶液を得、乾燥後のアクリル
系粘着剤のガラス転移温度を粘弾性スペクトル法により
求めた結果を表1および表2に示した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】離型紙 表3〜5の配合組成に従って、シリコーン樹脂(信越化
学社製、品番「信越シリコーンKS−778」)に、非
反応型剥離コントロール剤として「信越シリコーンX−
92−128」(信越化学社製、重量平均分子量2,0
00)を、また反応型剥離コントロール剤として、下式
(3)で表される「信越シリコーンX−92−183」
(信越化学社製、重量平均分子量5,000)を混合
し、この混合物に硬化触媒(信越化学社製、品番「CA
T−PL−50T」)を固形分換算で100:1で混合
し離型剤の溶液を得た。
【0085】
【化7】
【0086】次いで、120μmの上質紙の両面に25
μmのポリエチレンをラミネートした後、グラビアコー
ターを用いて上記離型剤の溶液を乾燥後の厚みが1μm
となるように両面にコーティング後、加熱キュアーし、
両面離型処理された各離型紙を得た。
【0087】粘着シート 表3〜5に従って、上記離型紙にアクリル系粘着剤を乾
燥後の厚みが30μmとなるように塗布し、120℃の
オーブン中で5分間乾燥し、この粘着面に上記塩化ビニ
ル系樹脂シートA〜Dを40℃の加熱下で貼り合わせる
ことにより各粘着シートを得た。
【0088】(実施例および比較例の評価)上記実施例
および比較例で得られた粘着シートについて、以下に記
載する方法で、実施例1〜8および比較例1〜7につい
てはカット性、アプリケーション粘着シート転写
性、離型紙と粘着剤間の剥離強度および広幅粘着シ
ートの貼付作業性の4項目を測定し、表3および表4に
示した。また実施例9〜12および比較例8〜10につ
いてはカット性、アプリケーション粘着シート転写
性、カット時のめくれ性、加熱老化後のカット性お
よび加熱老化後の剥離強度低下率の5項目をそれぞれ
測定し、表5に示した。
【0089】カット性 得られた粘着シートをカッティングマシン「CG−4
5」(ミマキ社製)を用いて、30mm×30mmサイ
ズで文字「積水化学工業」を4セット、計24文字カッ
トし、1分間後、30分間後、3時間後にそれぞれカス
取りを行い、必要な文字の残り数を求めることによりカ
ット性を評価した。
【0090】アプリケーション粘着シート転写性 得られた粘着シートについて、カス取りにより離型紙上
に残った12文字について、アプリケーション粘着シー
ト(積水化学社製、品番「AP217」)をスキージを
用いて充分に圧着し、10分間放置した後に剥離した際
の転写状況を以下の5段階で評価した。 〔評価基準〕 5 : 12文字全部転写 4 : 11文字転写、もしくは点などの未転写 3 : 7〜10文字転写 2 : 1〜6文字転写 1 : 文字転写せず
【0091】離型紙と粘着剤間の剥離強度 得られた粘着シートを50mm幅にカットし、引っ張り
試験機を用いて剥離速度1000mm/minでの離型
紙と粘着剤の間の剥離強度を測定した。
【0092】広幅粘着シートの貼付作業性 得られた粘着シートを幅1100mm、長さ1800m
mに切断した広幅の粘着シートに切断し、全幅に渡って
上部の離型紙を予め約100mm剥離して貼付し、次い
で裏側の離型紙を下方に引き出しながら上部から順次貼
付することにより、広幅粘着シートの貼付作業を行い、
その作業性を以下の3段階で評価した。 〔評価基準〕 ○ : 粘着シートの伸びがなく、作業性良好 △ : 僅かに粘着シートの伸びあり、やや時間もかか
る × : 作業中、粘着シートの伸びがあり、作業性不良
【0093】カット時のめくれ性 でカット性を評価した際に、カット部分のめくれ上が
りを目視で観察し以下の5段階で評価した。 〔評価基準〕 5 : めくれ、浮きなど全くなし。 4 : めくれ、浮きが1個所。 3 : めくれ、浮きが2個所。 2 : めくれ、浮きが3個所。 1 : めくれ、浮きが4個所以上。
【0094】加熱老化後のカット性 得られた粘着シートを70℃の恒温室内で10日間加熱
老化させた後、と同様に1分間後、30分間後、3時
間後にそれぞれカット性を評価した。
【0095】加熱老化後の剥離強度低下率 得られた粘着シートを50mm幅にカットし、引っ張り
試験機を用いて剥離速度300mm/minでの離型紙
と粘着剤の間の剥離強度を測定し、次いで70℃の恒温
室内で10日間加熱老化させた後、同一条件での離型紙
と粘着剤の間の剥離強度を測定し、「加熱老化後の剥離
強度/加熱老化前の剥離強度」から加熱老化後の剥離強
度低下率(%)を計算により求めた。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【発明の効果】本発明1によれば、上記離型紙に積層さ
れている離型剤が、特定のシリコーン樹脂および非反応
型剥離コントロール剤を特定量配合したものからなり、
かつ上記合成樹脂シートと粘着剤からなる粘着層の離型
紙に対する高速剥離条件下での180°ピール粘着力が
20〜60g/50mm幅であるため、コンピューター
制御のカッティングマシンなどで高速でカットした後
に、放置しておいても粘着剤カット面の再合着が起きに
くく、カス取り作業性が良好なものとなっており、同時
にアプリケーション粘着シートへの転写性も良好なもの
となっている。また、所望の図形や文字などを合成樹脂
シートに直接印刷した粘着シートをカットせずに広幅の
まま被着体全面に貼付する際にも、高速での剥離強度が
低いために引き剥がしのときのシートの伸びなどがな
く、施工性の良好なものとなっている。
【0100】本発明2によれば、上記合成樹脂シートの
引裂強度およびこれに積層される粘着剤層のガラス転移
温度が共に特定範囲内にあり、また上記離型紙に積層さ
れている離型剤が、特定のシリコーン樹脂および非反応
型剥離コントロール剤を特定量配合したものからなるも
のなので、コンピューター制御のカッティングマシンな
どで高速でカットした後に、放置しておいても粘着剤カ
ット面の再合着が起きにくくカス取り作業性が良好で、
かつカット時のめくれ上がりもないものとなっている。
また同時にアプリケーション粘着シートへの転写性も良
好なものとなっている。更に加熱老化後のカット性も良
好で、離型紙との剥離強度もほとんど低下のない経時で
の品質安定性の良好なものとなっている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂シートの片面に粘着剤および離
    型紙がこの順で積層されている粘着シートにおいて、上
    記離型紙の表面に積層されている離型剤が、下式(1)
    で表されるシリコーン樹脂100重量部および下式
    (2)で表される重量平均分子量100〜10,000
    の非反応型剥離コントロール剤0.05〜5重量部から
    なり、更に、上記合成樹脂シートと粘着剤からなる粘着
    テープの上記離型紙に対する、引き剥がし速度1000
    mm/minでの180°ピール粘着力が20〜60g
    /50mm幅であることを特徴とする粘着シート。 【化1】
  2. 【請求項2】 合成樹脂シートの片面に粘着剤および離
    型紙がこの順で積層されている粘着シートにおいて、上
    記合成樹脂シートのJIS K 7128に規定されて
    いるエルメンドルフ引裂法での引裂強度が80〜280
    gf/16枚であり、上記粘着剤のガラス転移温度が−
    10〜0℃であり、上記離型紙の表面に積層されている
    離型剤が、下式(1)で表されるシリコーン樹脂100
    重量部および下式(2)で表される重量平均分子量10
    0〜10,000の非反応型剥離コントロール剤0.0
    5〜5重量部からなることを特徴とする粘着シート。 【化2】
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