JPH10338661A - 新規化合物又はその塩及びカテプシンl阻害剤 - Google Patents

新規化合物又はその塩及びカテプシンl阻害剤

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JPH10338661A
JPH10338661A JP15072897A JP15072897A JPH10338661A JP H10338661 A JPH10338661 A JP H10338661A JP 15072897 A JP15072897 A JP 15072897A JP 15072897 A JP15072897 A JP 15072897A JP H10338661 A JPH10338661 A JP H10338661A
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compound
cathepsin
present
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Application number
JP15072897A
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English (en)
Inventor
Kinya Hayata
錦矢 早田
Masatoshi Taniguchi
昌要 谷口
Koji Nagai
浩二 永井
Kayou Yamaji
加容 山地
Nami Niimura
奈美 新村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 新規化合物又はその塩及びカテプシンL阻害剤 【課題】 本発明は,カテプシンL阻害作用を有する新
規化合物又はその製薬学的に許容される塩,該化合物の
製造方法及び該化合物又はその塩を有効成分とする医薬
を提供することを目的とするものである。 【解決手段】カテプシンL阻害作用を有し,骨粗鬆症,
悪性腫瘍性カルシウム血症,骨ページェット症等の骨疾
患の予防又は治療に有用な下記一般式(I)で示される
化合物又はその製薬学的に許容される塩,それらの製造
方法並びにそれらを有効成分とする医薬組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,カテプシンL阻害作用
を有し,骨粗鬆症,悪性腫瘍性高カルシウム血症,骨ペ
ージェット病等の骨疾患に有用な新規化合物又はその製
薬学的に許容される塩に関する。また本発明は,ペリコ
ニア(Periconia)属に属する微生物を培養
し,培養物中から上記の新規化合物を採取することを特
徴とする,当該化合物の製造方法に関する。更に本発明
は,上記の新規化合物又はその塩及び製薬学的に許容さ
れる担体とからなる医薬組成物,特にカテプシンL阻害
剤,又は骨粗鬆症,悪性腫瘍性高カルシウム血症若しく
は骨ページェット症の予防又は治療剤として有用な医薬
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,高齢者人口の急激な増加,女性の
閉経年齢の延長,腎透析性骨粗鬆症又は悪性腫瘍性高カ
ルシウム血症患者の増加に伴い,骨形成不全又は骨崩壊
促進を内容とする骨疾患の予防又は治療が増々重要にな
ってきている。なかでも骨粗鬆症は骨折を多発し,寝た
きり老人の原因になることから,その有効な予防又は治
療薬の開発が望まれている。骨は,一旦形成された後は
全く変化しないものではない。骨は常に骨芽細胞と破骨
細胞により造られては壊されていて,骨形成と骨吸収の
バランスの上に成り立っているのである。また骨の支持
組織は,主に有機質であるコラーゲン繊維と無機質であ
るカルシウム塩とであり,この両者が結びついて軽くて
強固な骨を形成しているのである。骨崩壊の起こる原因
は多種多様であるが,最近の研究から,骨崩壊の起こる
分子レベルの要因は2種であることが明らかにされてき
ている。その第1はカルシウムの吸収と沈着不全に関す
るものであり,その第2は骨支持組織であるコラーゲン
繊維の分解亢進を原因とするものである。前者はカルシ
ウムの供給量,転送,吸収並びに沈着を内容としてお
り,ビタミンD誘導体,女性ホルモン等が主に関与して
いる。このような疾患の予防又は治療にはカルシウムを
補うか,又は維持する療法が採用され,活性型ビタミン
3製剤やカルシウム製剤等が用いられている。更に骨
からの脱灰を抑制する目的でエストロゲン製剤及びカル
シトニン製剤のようなホルモン剤等が用いられている。
一方,後者は骨支持組織の主成分をなすコラーゲン繊維
の分解を要因としており,従来はコラーゲンを分解する
プロテアーゼであるコラゲナーゼが着目されてきた。し
かし,最近の研究から,これらのコラーゲン繊維は通常
のコラゲナーゼでは分解されないで,リソゾーム中のプ
ロテアーゼの一種であるカテプシンLにより,きわめて
よく分解されることが明らかにされ,カテプシンLが骨
におけるコラーゲン繊維分解の役割を担っているものと
考えられてきている(BIOmedica629,7(6),(1992))。
【0003】ここ数年の間,吸収性骨疾患に対する新規
な治療法として,カルシウムを補給又は維持する従来の
療法に代えて,カテプシンLを阻害する新規化合物の利
用が着目されてきた。以上の背景より,骨粗鬆症,悪性
腫瘍性高カルシウム血症,骨ページェット病等の骨疾患
に対する予防又は治療薬として,カテプシンLを有効に
阻害する化合物の有効性が期待されている。天然物より
単離されたカテプシンL阻害作用を有する化合物として
は,エポキシコハク酸構造を有するシステインプロテア
ーゼ阻害物質であるE64,エスタチン(estati
n)類及びカテスタチン(cathestatin)類
が,いずれもカテプシンL阻害活性を有することが報告
されている[Agric.Biol.Chem,42,523(1978),J.A
ntibiotics.42,1369(1989)及び特開平7−7009
8号]。また国際公開WO/940417号や特開平8
−151394号には,カテプシンL阻害剤であるジペ
プチド化合物が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の各従来技術の存
在にもかかわらず,優れた新規カテプシンL阻害剤の創
製は,医療上の重要な課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は,カテプシ
ンL阻害作用を有する化合物に関して鋭意研究を行った
結果,ペリコニア(Periconia)属に属する新
規微生物を培養することにより製造される化合物が,従
来報告されていない新規化合物であり,且つ優れたカテ
プシンL阻害作用を有することを見出し,本発明を完成
した。即ち,本発明は,カテプシンL阻害作用を有し,
骨粗鬆症,悪性腫瘍性高カルシウム血症,骨ページェッ
ト病等の骨疾患に有用な下記一般式(I)で示される新
規化合物又はその製薬学的に許容される塩に関する。
【0006】
【化2】 また,本発明はペリコニア(Periconia)属に
属し,かつ,上記一般式(I)の化合物を生産する能力
を有する微生物,特に新規なペリコニア エスピー(
ericonia sp.)Q47630株を培地に培
養し,当該微生物により生産される当該化合物(I)を
培養物中に蓄積させ,当該培養物から当該化合物(I)
を採取することを特徴とする,一般式(I)の化合物の
製造方法に関する。更に本発明は上記一般式(I)で示
される化合物又はその塩と製薬学的に許容される担体と
からなる医薬組成物,特にカテプシンL阻害剤,又は骨
粗鬆症,悪性腫瘍性カルシウム血症若しくは骨ページェ
ット症の予防又は治療薬として有用な医薬組成物に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明を更に詳細に説明す
る。本発明化合物(I)は,不斉炭素原子,水酸基及び
カルボニル基を有しており,これらに基づき,光学異性
体(光学活性体,ジアステレオマー等)やケトーエノー
ル互変異性体が存在する。本発明には,これらの異性体
の分離されたもの及びそれらの混合物が全て包含され
る。本発明化合物(I)は塩基と塩を形成することがで
きる。塩基との塩としてはナトリウム,カリウム,マグ
ネシウム,カルシウム,アルミニウム等の無機塩基,メ
チルアミン,エチルアミン,エタノールアミン,リジ
ン,アルギニン,オルニチン等の有機塩基との塩やアン
モニウム塩が挙げられる。
【0008】更に,本発明化合物(I)は,製造条件や
単離精製する際の条件によって,水和物,エタノール等
との溶媒和物,あるいは結晶多形をなす種々の結晶形を
有する物質として得られることがある。本発明にはこれ
ら水和物,エタノール等との溶媒和物,及び種々の結晶
形の物質の全てが包含される。本発明化合物(I)を生
産する,ペリコニア(Periconia)属に属する
微生物としては,例えば,高知県高岡郡東津野村で採取
した枯れ木より分離されたペリコニア エスピー(Pe
riconia sp.)Q47630株を挙げること
ができる。本菌株は不完全糸状菌であり,以下その菌学
的性質について説明する。 1.各種培地における性状 (1)バレイショ・ブドウ糖寒天培地 24℃,14日間の培養でコロニーは直径54mmにな
る。気生菌糸はゆるく盛り上がり羊毛状で,灰色から暗
オリーブ灰色を帯びる。分生子はまばらに形成される。
コロニー裏面は暗オリーブ灰色から黒色になる。 (2)麦芽エキス寒天培地 24℃,14日間の培養でコロニーは直径54mmにな
る。気生菌糸はゆるく盛り上がり羊毛状で,白色から茶
白色を帯びる。分生子は形成されない。コロニー裏面は
うす黄茶色,中心部は黒色になる。 (3)ツァペック寒天培地 24℃,14日間の培養でコロニーは直径52mmにな
る。気生菌糸はゆるく盛り上がり羊毛状で,白色から灰
白色を帯びる。分生子は形成されない。コロニー裏面は
白色,中心部は暗い茶灰色になる。 (4)サブロー寒天培地 24℃,14日間の培養でコロニーは直径56mmにな
る。気中菌糸は密生した綿毛状でゆるく盛り上がり,は
じめ白色から後にうす黄茶色を帯びる。分生子は形成さ
れない。コロニー裏面はうす黄茶色を呈す。
【0009】2.生理学的性質 生育温度:5〜32℃の範囲で生育し,最適生育温度は
20〜25℃である。 3.形態的特徴 バレイショ・ブドウ糖寒天培地に生育した菌株を顕微鏡
下で観察した。分生子柄:基生菌糸から単独に直立して
形成される。長さ400〜800μm,直径12〜20
μm,滑面,隔壁あり,分枝せず,淡褐色,直径50〜
100μmの分生子頭を形成する。小型分生子柄は認め
られない。 分生子形成細胞:褐色,球形〜卵形 分生子:出芽型分生子,直径14〜16μm,球形,褐
色,表面はいぼ状,短い連鎖となる。 以上の菌学的性質から,本菌株の分類学上の位置をザ・
ジェネラ・オブ・ファンジャイ・スポルレイティング・
イン・ピュア・カルチャー第3版(Arx,J.A.von,19
81,The Genera of Fungi Sporulating in Pure Cultur
e,3rd ed.,Cramer,Vaduz)に従って検索した。その
結果,本菌株は不完全菌類のペリコニア(Perico
nia)属に属するものと判断された。更にエリスの文
献(Ellis,M.B.,1971,“Dematiaceous hyphomycete
s,”Commomw.Mycol.Inst.,Kew.608p.)等に従って
既知菌種との比較検討を行ったところ,本菌株の性状は
既知菌種のものとは完全には一致しなかった。そこで本
菌株をペリコニア エスピー(Periconia
p.)Q47630と命名した。本菌株は工業技術院生
命工学工業技術研究所に受託番号FERM P−162
45号として寄託されている。なお,一般に微生物は,
人工的に又は自然に変異を起こしやすいが,本発明に使
用する微生物は,天然から分離されたペリコニア エス
ピー Q47630株のほかに,これを紫外線,X線,
化学薬剤等で人工的に変異されたもの及びそれらの自然
変異株についても全て包含するものである。
【0010】(製造法)本発明化合物はペリコニア属に
属し,本発明化合物生産能を有する微生物を培養するこ
とによって得られる。培養は一般微生物の培養方法に準
じて行われる。培養に用いられる培地としては,ペリコ
ニア エスピー Q47630株が利用する栄養源を含
有する培地であればよく,合成培地,半合成培地又は天
然培地が用いられる。培地の組成は,例えば炭素源とし
てはL−アラビノース,D−キシロース,D−グルコー
ス,D−フラクトース,シュークロース,イノシトー
ル,L−ラムノース,ラフィノース,D−マンニトー
ル,マンノース,メリビオース,ラクトース,D−ガラ
クトース,マルトース,トレハロース,サリシン,キサ
ンチン,キチン,デンプン,ブドウ糖,デキストリン,
グリセリン,植物油等が,窒素源としては肉エキス,ペ
プトン,グルテンミール,綿実粕,大豆粉,落花生粉,
魚粉,コーンスチーブリカー,乾燥酵母,酵母エキス,
塩化アンモニウム,硫酸アンモニウム,硝酸アンモニウ
ム,尿酸その他の有機,無機の窒素源が用いられる。ま
た,金属塩としては,ナトリウム,カリウム,マグネシ
ウム,カルシウム,亜鉛,鉄,コバルト等の硫酸塩,硝
酸塩,炭酸塩,リン酸塩等が必要に応じて添加される。
更に,必要に応じてメチオニン,システイン,シスチ
ン,チオ硫酸塩,オレイン酸メチル,ラード油,シリコ
ン油,界面活性剤等の生成促進物質又は消泡剤を添加す
ることもできる。培養条件としては好気的条件下で培養
するのが一般的に有利で,培養温度は10〜30℃の範
囲,好ましくは20〜25℃付近で行われる。培地のp
Hは約4.5〜8.5,好ましくは約5〜7.5の範囲
に調整すると好結果が得られる。培養期間は培地の組
成,温度条件に応じて適宜設定されるが,通常2〜14
日程度,好ましくは4〜7日程度である。培養物より本
発明化合物を単離精製するには通常の微生物の培養物よ
り生理活性物質を単離精製する方法が適用される。培養
物からアセトン,酢酸エチル等の適当な有機溶媒で抽出
し,その抽出物から有効物質の単離精製を行う。即ち,
カテプシンL阻害活性を指標として,適当な溶剤に対す
る溶解性及び溶解度の差や種々の吸着剤に対する吸着親
和性の差等を利用して,一般の生理活性物質の製造に用
いられる抽出,濃縮,各種クロマトグラフィー等通常の
化学操作による手段を適用して分離,精製される。これ
らの方法は必要に応じて単独に用いられ,又は任意の順
序に組合せ,反復して適用できる。このようにして製造
された本発明化合物は遊離のまま,あるいはその塩とし
て単離される。本発明化合物の塩は,本発明化合物を通
常の造塩反応に付すことにより製造できる。各種の異性
体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法に
より単離できる。例えば,ラセミ化合物は一般的なラセ
ミ分割法により[例えば,一般的な光学活性酸(酒石酸
等)とのジアステレオマー塩に導き,光学分割する方法
等]立体化学的に純粋な異性体に導くことができる。ま
た,ジアステレオマーの混合物は常法,例えば分別結晶
化又はクロマトグラフィー等により分離できる。
【0011】
【発明の効果】本発明化合物は,カテプシンL阻害作用
を有するので,カテプシンLが関与する骨疾患,特に骨
粗鬆症,悪性腫瘍性高カルシウム血症,骨ページェット
病等の骨疾患の予防又は治療に有用である。本発明化合
物のカテプシンL阻害活性を以下の方法で確認した。 カテプシンL阻害活性測定法 ヒトの腎臓に由来するカテプシンLを用いて,Methods
in Enzymology Vol.80p.540-541 記載の方法を一部改変
してカテプシンL阻害活性を測定した。酢酸ナトリウム
(340mM),酢酸(60mM),エチレンジアミン
4酢酸2ナトリウム(4mM)を含む緩衝液(pH5.
5)に,ヒト腎由来カテプシンL(プロトーゲン社製)
を加え,20ng/mlの酵素液を調製した。一方,上
記の緩衝液にジチオトレイトールを8mMの濃度となる
ように加え,基質液を調製した。酵素液100μl,基
質液100μl及び測定試料のジメチルスルホキシド溶
液2μlを混合し,37℃で30分間インキュベートし
た。反応液にモノクロロ酢酸ナトリウム(100m
M),酢酸ナトリウム(30mM)及び酢酸(70m
M)を含む反応停止液(pH4.3)50μlを加えて
反応を停止した後,遊離した4−メチル−クマリル−7
−アミドを含む反応液の蛍光度を励起波長355nm,
観測波長460nmで測定し,次式によって阻害率を求
めた。また,測定試料のジメチルスルホキシド溶液2μ
lに蒸留水250μlを加えてインキュベートしたもの
の蛍光度を測定しブランク値とした。 阻害率(%)=[1−(試料値−ブランク値)/(コン
トロール値−ブランク値)]×100 上記の方法により算出した,本発明化合物のカテプシン
L阻害活性のIC50値は2.5×10-7Mであった。
【0012】本発明化合物,又はその塩や水和物等を上
記の目的で用いるには,通常,経口又は非経口で投与さ
れる。投与量は年齢,体重,症状,治療効果,投与方
法,処理時間等により異なるが,通常成人ひとり当た
り,1日につき0.1mg〜100mg,好ましくは1
mg〜10mgの範囲で1日1回から数回に分け経口投
与されるか,若しくは,成人ひとり当たり,1日につき
0.1mg〜100mgの範囲で,1日1回から数回に
分け非経口投与されるか,又は,1日1時間〜24時間
の範囲で静脈内持続投与される。投与量は種々の条件で
変動するので,上記投与量範囲より少ない量で十分な場
合もある。本発明による経口投与のための固体組成物と
しては,錠剤,散剤,顆粒剤等が用いられる。このよう
な固体組成物においては,一つ又はそれ以上の活性物質
が,少なくとも一つの不活性な希釈剤,例えば乳糖,マ
ンニトール,ブドウ糖,ヒドロキシプロピルセルロー
ス,微結晶セルロース,デンプン,ポリビニルピロリド
ン,メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合され
る。組成物は,常法に従って,不活性な希釈剤以外の添
加剤,例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤
や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤,ラク
トースのような安定化剤,グルタミン酸又はアスパラギ
ン酸のような溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又
は丸剤は必要によりショ糖,ゼラチン,ヒドロキシプロ
ピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレート等の糖衣又は胃溶性あるいは腸溶性物質のフ
ィルムで被膜してもよい。経口投与のための液体組成物
は,薬剤的に許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤,シロ
ップ剤,エリキシル剤等を含み,一般的に用いられる不
活性な希釈剤,例えば精製水,エタノールを含む。この
組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤,懸濁剤のような
補助剤,甘味剤,風味剤,芳香剤,防腐剤を含有してい
てもよい。
【0013】非経口投与のための注射剤としては,無菌
の水性又は非水性の,溶液剤,懸濁剤,及び乳濁剤を包
含する。水性の溶液剤,懸濁剤としては,例えば注射剤
用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液
剤,懸濁剤としては,例えばプロピレングリコール,ポ
リエチレングリコール,オリーブ油の様な植物油,エタ
ノールのようなアルコール類,ポリソルベート80(商
品名)の様な界面活性剤等がある。このような組成物
は,更に防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散剤,安定化剤
(例えば,ラクトース),溶解補助剤(例えば,グルタ
ミン酸,アスパラギン酸)のような補助剤を含んでもよ
い。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾
過,殺菌剤の配合,又は照射によって,無菌化される。
これらはまた無菌の固体組成物を製造し,使用前に無菌
水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもでき
る。
【0014】
【実施例】以上,本発明化合物及びその製造法について
説明したが,以下,実施例により本発明化合物の製造例
を更に詳細に説明する。但し,本発明はこれらの実施例
により何等制限されるものではない。
【0015】(実施例)グルコース10g,ポテトスタ
ーチ20g,ポリペプトン5g,酵母エキス5g,炭酸
カルシウム4g,蒸留水1Lを含む培地(pH7.0)
を100mlずつ500ml容のへそ付き三角フラスコ
に分注し,120℃で20分間滅菌した。バレイショ・
ブドウ糖寒天培地に良く生育させたペリコニア エスピ
ー Q47630株を掻き取って接種し,24℃,20
0回転/分の条件で4日間振とう培養し,種培養液とし
た。次に500ml容三角フラスコに玄米30g,酵母
エキス0.1g,蒸留水90mlを含む培地を30本作
製し,120℃,20分間滅菌した。この培地に前記種
培養液を2mlずつ接種し,24℃で12日間,静置培
養した。培養終了後,各フラスコに滅菌水を90ml添
加して一夜攪拌した後,360mlのアセトンを加え攪
拌,濾過して上清と沈澱物に分離した。上清を減圧濃縮
してアセトンを除去し,アセトン抽出物を酢酸エチルで
抽出した。酢酸エチル抽出物を濃縮乾固し,ODSカラ
ム(ODS−A,YMC)を用い,水−メタノール混合
溶液(ステップワイズ法)で展開,分画した。得られた
溶出画分を濃縮し,シリカゲルカラム(シリカゲル6
0,メルク)を用い,クロロホルム−メタノール(1
2:1)混合溶液で展開,分画した。続いて得られた溶
出画分を濃縮後,高速液体クロマトグラフィー(分取用
カラム:PEGASIL−ODS,センシュー科学製)
により精製した。溶出画分を集めて濃縮乾固することに
より,本発明化合物198mgを得た。本発明化合物の
化学構造式を以下に示す。
【0016】
【化3】 本発明化合物の理化学的性状を以下に示す。 分子式:C373814 質量分析:positive ion FAB-MS m/z=729[M+Na]+ 706[M+H]+ negative ion FAB-MS m/z=705[M−H]- HRFAB-MS found m/z=707.2329 calcd for m/z=707.2339 UVスペクトルλmaxnm(ε):212(77000),2
64(40000),302(10000)in MeOH IRスペクトルνmaxcm-1:3423,1647,1
618,1261(KBr)1 H NMRスペクトル(500MHz,DMSO−
6): δ(ppm):6.18(1H×2),6.16(1
H),6.15(1H),6.13(1H),6.10
(1H),6.09(1H),6.06(1H×2),
5.33(1H),5.28(1H),5.23(1
H),3.03(1H),3.01(1H),2.90
(1H),2.84(1H),2.78(1H),2.
64(1H),2.20(3H),1.26(3H),
1.25(3H),1.24(3H)13 C NMRスペクトル(125MHz,DMSO−d
6): δ(ppm):169.5,168.8,168.7,
161.8,161.2,160.8,160.7,1
60.60,160.56,158.2(×2),14
1.1,139.64,139.57,139.1,1
10.6,110.3,110.2,108.3,10
8.2,107.1,106.7,101.3,10
0.7(×2),100.3,72.2,71.7,7
1.6,48.5,41.3,40.3,40.2,2
2.4,19.8,19.4,19.0
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12P 7/62 C12R 1:645) (72)発明者 山地 加容 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 新村 奈美 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 で表わされる化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 ペリコニア(Periconia)属に
    属し,かつ,請求項1記載の一般式(I)の化合物を生
    産する能力を有する微生物を培地に培養し,当該微生物
    により生産される当該化合物を培養物中に蓄積させ,当
    該培養物から当該化合物を採取することを特徴とする請
    求項1記載の化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物又はその製薬学的
    に許容される塩及び製薬学的に許容される担体とからな
    る医薬組成物。
  4. 【請求項4】 カテプシンL阻害剤である請求項3記載
    の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 骨粗鬆症,悪性腫瘍性カルシウム血症又
    は骨ページェット症の予防又は治療剤である請求項3記
    載の医薬組成物。
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