JPH10338493A - 産業車両におけるマストの傾動装置 - Google Patents

産業車両におけるマストの傾動装置

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JPH10338493A
JPH10338493A JP15105197A JP15105197A JPH10338493A JP H10338493 A JPH10338493 A JP H10338493A JP 15105197 A JP15105197 A JP 15105197A JP 15105197 A JP15105197 A JP 15105197A JP H10338493 A JPH10338493 A JP H10338493A
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JP
Japan
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mast
speed
control valve
tilting
tilt
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JP15105197A
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Inventor
Kunio Maki
国夫 牧
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マストを最適な傾動速度に制御する産業車両
におけるマストの傾動装置を提供する。 【解決手段】 ティルトレバーが操作されるとティルト
用制御弁はティルトシリンダ9の駆動方向を切換え、マ
スト3はティルトシリンダ9により車体フレームに対し
て前後に傾動される。ティルトレバーが後傾操作され
て、後傾検出スイッチ15がオンすると、コントローラ
53は車速センサ18より検出した車速V及び揚高セン
サ17より検出した揚高Hに基づいてソレノイド電流値
Isを求める。コントローラ53は求めた電流値Isに
て比例ソレノイド弁38を制御し制御弁の開度を制御す
る。制御弁の開度に基づいてティルトシリンダ9の油路
上に流れる作動油の流量が変化しマスト3の後傾速度は
制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォーク等の荷役
機器を昇降移動させるマストが傾動可能に装備され、マ
ストを傾動するティルトシリンダへの作動油の供給流量
が電磁弁により制御される産業車両におけるマストの傾
動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の産業車両であるフォークリフト
においては、車両の前部に設けられたアウタマスト及び
インナマストを備えたマストによりリフトブラケットと
ともにフォークを昇降させる。そして、マストはリフト
レバーの操作に基づくリフトシリンダの作動により伸縮
され、それに伴ってフォークが昇降される。また、荷役
作業を容易にするため及びフォークリフトの走行中の安
定性を良くするため、マストはティルトレバーの操作に
基づくティルトシリンダの作動により、垂直の基準位置
に対して前傾あるいは後傾される。
【0003】従来、マストを前傾させる場合は、荷崩れ
やフォークリフトの後輪の浮き上がり(即ち車両の前後
方向の不安定状態)の発生を防止するため、後傾動作時
より傾動速度が遅くなるように油路上に絞りが設けられ
作動油の流量が絞られていた。又、車両の前後方向の安
定性は揚高が高くなるほど悪くなるため、揚高高さが所
定値を超えると、例えば、コントローラ等により油路上
の制御弁の開度を所定の値にプログラム制御し、マスト
の傾動速度を低速にしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マストの傾
動速度はエンジンの回転数に対応して速くなる。なぜな
ら、エンジンの回転数が高くなると、それに駆動力を得
て作動する油圧ポンプの吐出圧が高くなり、ティルトシ
リンダの油路に流れる作動油が高圧化されるからであ
る。従って、従来のフォークリフトでは、傾動操作を行
うときに誤操作等で、エンジンの高速回転を行った場合
は、マストの傾動速度が急激に速くなり車両の前後方向
の安定性が悪くなるという問題がある。又、特に作動油
の流量が規制されていない後傾動作時に、エンジンの高
速回転を行った場合は、マストの傾動速度がより高速と
なるため、マストが最後傾位置で停止するときのショッ
クが大きくなり耐久性が低下する原因となる。
【0005】また、従来のフォークリフトでは、走行速
度が速くなると、マストにかかる慣性力が大きくなるた
め車両の前後方向の安定性が悪くなる。従って、従来の
フォークリフトでは、エンジンの回転数が比較的高回転
となる高速走行中にマストを傾動させると、車両の前後
方向の安定性がより悪くなるという問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的はマストを最適な傾動速
度に制御する産業車両におけるマストの傾動装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、車体フレームに対して傾動可能に支持され荷役機器
を昇降移動させるためのマストと、前記マストと前記車
体フレームとの間に設けられ前記マストを前後に傾動さ
せるための油圧シリンダと、前記油圧シリンダに作動油
を供給するための油圧ポンプと、前記油圧ポンプを回転
駆動させるためのエンジンと、前記油圧シリンダと前記
油圧ポンプとの間に設けられ、前記油圧シリンダの駆動
方向を切換える切換弁と、前記切換弁を切換動作させる
ために操作される傾動操作手段とを有した産業車両のマ
スト傾動装置において、前記油圧シリンダに供給される
作動油の流量を制御する流量制御弁と、前記流量制御弁
を駆動する駆動回路と、前記傾動操作手段が操作された
ことを検出するための傾動操作検知手段と、前記エンジ
ンの回転数を検出するための回転数検出手段と、前記エ
ンジンの回転数に対する前記流量制御弁の開度のデータ
を記録した記録手段と、前記検知手段を介して前記操作
手段が操作されたことを検知した時、前記回転数検出手
段が検出したその時の回転数に対する流量制御弁の開度
を前記記録手段から読み出し、その読み出した開度に基
づいて前記流量制御弁を駆動させる制御手段とを備えた
ことを要旨としている。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の産業車両におけるマストの傾動装置において、前記
荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前記記
録手段は前記エンジンの回転数に加え揚高に対する前記
流量制御弁の開度のデータを記録し、前記制御手段は前
記検出した回転数に加え検出した揚高とに基づいて前記
流量制御弁の開度を決めることを要旨としている。
【0009】請求項3に記載の発明では、車体フレーム
に対して傾動可能に支持され荷役機器を昇降移動させる
ためのマストと、前記マストと前記車体フレームとの間
に設けられ前記マストを前後に傾動させるための油圧シ
リンダと、前記油圧シリンダに作動油を供給するための
油圧ポンプと、前記油圧シリンダと前記油圧ポンプとの
間に設けられ、前記油圧シリンダの駆動方向を切換える
切換弁と、前記切換弁を切換動作させるために操作され
る傾動操作手段とを有した産業車両のマスト傾動装置に
おいて、前記油圧シリンダに供給される作動油の流量を
制御する流量制御弁と、前記流量制御弁を駆動する駆動
回路と、前記傾動操作手段が操作されたことを検出する
ための傾動操作検知手段と、前記産業車両の走行速度を
検出するための車速検出手段と、前記産業車両の走行速
度に対する前記流量制御弁の開度のデータを記録した記
録手段と、前記検知手段を介して前記操作手段が操作さ
れたことを検知した時、前記車速検出手段が検出したそ
の時の走行速度に対する流量制御弁の開度を前記記録手
段から読み出し、その読み出した開度に基づいて前記流
量制御弁を駆動させる制御手段とを備えたことを要旨と
している。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の産業車両におけるマストの傾動装置において、前記
荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前記記
録手段は前記産業車両の走行速度に加え揚高に対する前
記流量制御弁の開度のデータを記録し、前記制御手段は
前記検出した走行速度に加え検出した揚高とに基づいて
前記流量制御弁の開度を決めることを要旨としている。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の産業車両におけるマストの傾
動装置において、前記傾動操作検知手段は前記傾動操作
手段が後傾操作されたことを検出する後傾操作検知器で
あることを要旨としている。
【0012】請求項6に記載の発明では、請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の産業車両におけるマストの傾
動装置において、前記切換弁は手動切換弁であり、前記
流量制御弁は電磁弁であり、該電磁弁は該手動切換弁と
直列に設けたことを要旨としている。
【0013】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
油圧ポンプはエンジンにより回転駆動され、油圧シリン
ダに作動油を供給する。傾動操作手段が操作されると切
換弁は油圧シリンダの駆動方向を切換え、マストは該油
圧シリンダにより車体フレームに対して前後に傾動され
る。傾動操作手段が操作されたことが傾動操作検知手段
により検知されたとき、制御手段は検出したエンジンの
回転数と記録手段から読み出したデータに基づいて流量
制御弁の開度を決め、該開度に応じた指令値を駆動回路
に出力し流量制御弁を該開度に制御する。従って、油圧
シリンダに供給される作動油の流量は制御される。その
結果、エンジンの回転数に基づいて変化するマストの傾
動速度を、同エンジンの回転数に基づいて最適な速度に
制御することができる。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、制御手段
は検出したエンジンの回転数、揚高及び記録手段から読
み出したデータに基づいて流量制御弁の開度を決め、該
開度に応じた指令値を駆動回路に出力し流量制御弁を該
開度に制御する。従って、油圧シリンダに供給される作
動油の流量は制御される。その結果、エンジンの回転数
に基づいて変化するマストの傾動速度を、同エンジンの
回転数に基づいて最適な速度に制御することができると
ともに、揚高に基づいた最適な速度に制御することがで
きる。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、油圧ポン
プは回転して油圧シリンダに作動油を供給する。傾動操
作手段が操作されると切換弁は油圧シリンダの駆動方向
を切換え、マストは該油圧シリンダにより車体フレーム
に対して前後に傾動される。傾動操作手段が操作された
ことが傾動操作検知手段により検知されたとき、制御手
段は検出した走行速度と記録手段から読み出したデータ
に基づいて流量制御弁の開度を決め、該開度に応じた指
令値を駆動回路に出力し流量制御弁を該開度に制御す
る。従って、油圧シリンダに供給される作動油の流量は
制御される。その結果、マストの傾動速度を、走行速度
に基づいて変化する慣性力を考慮した最適な速度に制御
することができる。又、走行速度はエンジンの回転数と
関連しているため、エンジンの回転数が高回転となる高
速走行中には、そのエンジンの回転数に基づいて高速と
なるマストの傾動速度を相対的に低速とし、最適な速度
に制御することもできる。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、制御手段
は検出した走行速度、揚高及び記録手段から読み出した
データに基づいて流量制御弁の開度を決め、該開度に応
じた指令値を駆動回路に出力し流量制御弁を該開度に制
御する。従って、油圧シリンダに供給される作動油の流
量は制御される。その結果、マストの傾動速度を、走行
速度及び揚高に基づいて変化する慣性力を考慮した最適
な速度に制御することができる。又、走行速度はエンジ
ンの回転数と関連しているため、エンジンの回転数が高
回転となる高速走行中には、そのエンジンの回転数に基
づいて高速となるマストの傾動速度を相対的に低速と
し、最適な速度に制御することもできる。
【0017】請求項5に記載の発明によれば、マストの
後傾速度を最適な速度に制御することができる。従っ
て、マストが最後傾位置で停止するときの大きなショッ
クを防止することができる。
【0018】請求項6に記載の発明によれば、手動切換
弁と電磁弁とを直列に設けた構成としたため、従来から
汎用されている手動切換弁の油路上に電磁弁を付け足す
だけで油圧シリンダに供給される作動油の流量を制御さ
せることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明をフォークリフトに
おけるマストの傾動装置に具体化した一実施形態を図1
〜図7に基づいて説明する。
【0020】図4に示すように、産業車両としてのフォ
ークリフト1の車体フレーム2にはその前部にマスト3
が立設されている。マスト3は、車体フレーム2に対し
て前後に傾動可能に支持された左右一対のアウタマスト
3aと、これにスライドして昇降するインナマスト3b
とからなる。各アウタマスト3aの後部には第2油圧シ
リンダとしてのリフトシリンダ4が配設されている。リ
フトシリンダ4のピストンロッド4aの先端はインナマ
スト3bの上部に連結されている。インナマスト3bの
上部に支承されたチェーンホイール5には、リフトシリ
ンダ4のボディに一端を固定するとともに、その他端が
リフトブラケット6に連結されたチェーン7が掛装され
ている。荷役機器としてのフォーク8はチェーン7に吊
り下げられたリフトブラケット6とともにリフトシリン
ダ4の伸縮により昇降するようになっている。
【0021】マスト3は、油圧シリンダとしての左右一
対のティルトシリンダ9を介して車体フレーム2に対し
て傾動可能に連結支持されている。ティルトシリンダ9
は、その基端側が車体フレーム2に対して回動可能に連
結されるとともに、ピストンロッド9aの先端でアウタ
マスト3aに回動可能に連結されている。マスト3はテ
ィルトシリンダ9が伸縮駆動されることで前後に傾動す
る。
【0022】運転室10にはその前方にハンドル11、
リフトレバー12及び傾動操作手段としてのティルトレ
バー13が装備されている(但し、図4では両レバー1
2,13が重なった状態で示されている)。リフトレバ
ー12はフォーク8を昇降させるときに操作するもの
で、ティルトレバー13はマスト3を傾動させるときに
操作するものである。
【0023】図3に示すように、ティルトレバー13の
操作力伝達機構13aの近傍には、ティルトレバー13
が前傾操作されたことを検知するための傾動操作検知手
段としての前傾検出スイッチ14と、ティルトレバー1
3が後傾操作されたことを検知するための傾動操作検知
手段、後傾操作検知器としての後傾検出スイッチ15と
が設けられている。両スイッチ14,15は例えばマイ
クロスイッチからなる。前傾検出スイッチ14はティル
トレバー13を前傾操作したときにオンし、後傾検出ス
イッチ15はティルトレバー13を後傾操作したときに
オンする。また、ティルトレバー13が中立位置にある
ときには両スイッチ14,15は共にオフする。
【0024】図2に示すように、アウタマスト3aの上
部には、揚高検出手段としての揚高センサ17が設けら
れている。揚高センサ17は例えば近接センサからな
る。揚高センサ17はフォーク8が所定高さH1 以上に
ある高揚高のときにオンし、フォーク8が所定高さH1
未満の低揚高のときにオフするようになっている。ま
た、リフトシリンダ4の下部にはそのボトム室4bの油
圧を検出する圧力センサ19が設けられている。圧力セ
ンサ19はフォーク8の積載荷重に応じた検出信号を出
力する。更に、前輪16の図示しないデフリングギヤに
は、車速検出手段としての車速センサ18が設けられて
いる。車速センサ18は、デフリングギヤの回転を検出
することによりフォークリフト1の車速に応じた検出信
号を出力する。
【0025】図1は、フォークリフト1に配備された荷
役系の油圧回路を示す。同図に示すように、各シリンダ
4,9にオイルタンク20から作動油を汲み上げて吐出
する油圧ポンプ21は、エンジンE(図4に示す)によ
り駆動される。油圧ポンプ21からの作動油はフローデ
ィバイダ22に管路23を通って吐出される。フローデ
ィバイダ22は、油圧ポンプ21からの作動油を所定圧
以上に昇圧してから、荷役系の油圧回路と、ステアリン
グ系の油圧回路とに分流するためのものである。フロー
ディバイダ22からステアリング系に分流された圧油
は、ステアリングバルブ24を通る管路25を介してオ
イルタンク20に戻される。
【0026】フローディバイダ22から荷役系に分流さ
れた圧油が通る作動油供給用管路26は、オイルタンク
20に戻る戻り管路27に接続されており、リフト用制
御弁28と、切換弁、手動切換弁としてのティルト用制
御弁29は、この作動油供給用管路26上に直列に配設
されている。
【0027】リフト用制御弁28は7ポート3位置切換
弁であり、そのスプールはリフトレバー12に機械的に
作動連結されている。リフトレバー12を上昇・中立・
下降操作することによりリフト用制御弁28がa位置,
b位置,c位置の3つの状態に手動で切換可能となって
いる。
【0028】リフト用制御弁28には、作動油供給用管
路26から分岐した分岐管路26aと、前記戻り管路2
7と、リフトシリンダ4のボトム室4bに接続された管
路30とが接続されている。リフト用制御弁28がa位
置(上昇位置)に切換えられると、分岐管路26aと管
路30とが連通してボトム室4bに作動油が供給されて
リフトシリンダ4が伸長する。また、リフト用制御弁2
8がc位置(下降位置)に切換えられると、管路30と
戻り管路27とが連通してボトム室4bの作動油が管路
30,27を通ってオイルタンク20に排出され、リフ
トシリンダ4が収縮するようになっている。さらに、リ
フト用制御弁28がb位置(中立位置)にある状態で
は、管路30が各管路26a,27と遮断され、リフト
シリンダ4のピストンロッド4aが所定の突出量に保持
される。なお、c位置では、ボトム室4bの作動油はピ
ストンロッド4aに働く荷重圧により排出される。
【0029】前記管路23には油圧ポンプ21の吐出圧
をパイロット制御に利用するために伝達する圧力伝達管
路32が接続されている。圧力伝達管路32上に設けら
れた減圧弁33は、油圧ポンプ21の吐出圧を所定パイ
ロット圧(設定圧)に調整するためのものである。管路
30上に設けられたパイロット逆止弁34は、圧力伝達
管路32の油圧により作動し、その油圧がエンジン始動
後(例えば1〜2秒後)、所定圧以上になると開弁保持
されるものである。つまり、パイロット逆止弁34はキ
ーオフ(エンジン停止)時に閉弁状態に保持され、キー
オン(エンジン始動)によって始めて開弁し、キーオフ
状態におけるボトム室4bからの作動油の流出を止める
機能を有する。
【0030】ティルト用制御弁29は6ポート3位置切
換弁であり、そのスプールはティルトレバー13に機械
的に作動連結されている。ティルトレバー13を後傾・
中立・前傾操作することによりティルト用制御弁29が
a位置,b位置,c位置の3つの状態に手動で切換可能
となっている。ティルト用制御弁29には、作動油供給
用管路26から分岐した分岐管路26bと、戻り管路2
7に繋がる排出管路35と、ティルトシリンダ9のロッ
ド室9cに繋がる管路36aと、ボトム室9bに繋がる
管路36bとが接続されている。
【0031】管路36a上には、管路36aを流れる作
動油の油路を開閉するための制御弁37と、この制御弁
37を作動させるためのパイロット圧を制御する比例ソ
レノイド弁38とからなる流量制御弁としての電磁弁3
9が設けられている。電磁弁39は、ティルトレバー1
3の操作に独立して行われる後述するマスト3の後傾時
の傾動速度制御を行うため、ティルト系の油路上に設け
られたものである。制御弁37の開度は比例ソレノイド
弁38を流れる電流値(ソレノイド電流値)により制御
される。
【0032】制御弁37は、2ポート2位置一方弁のノ
ーマルクローズ弁であり、パイロット圧が所定値未満で
バネ40の付勢力により閉弁する。比例ソレノイド弁3
8はノーマルクローズ弁であり、ソレノイド電流値が所
定値未満でバネ41の付勢力により閉弁する。比例ソレ
ノイド弁38は圧力伝達管路32に接続され、そのソレ
ノイド電流値により決まる開度に応じたパイロット圧を
制御弁37に印加する。
【0033】制御弁37が開弁された状態では、ティル
ト用制御弁29がa位置(後傾位置)に切換えられる
と、管路26b,36aが連通して作動油がロッド室9
cに送られるとともに、管路36b,35が連通してボ
トム室9bの作動油が管路36b,35,27を通って
オイルタンク20に排出され、ティルトシリンダ9が収
縮する。また、制御弁37が開弁された状態で、ティル
ト用制御弁29がc位置(前傾位置)に切換えられる
と、管路26b,36bが連通して作動油がボトム室9
bに送られるとともに、管路36a,35が連通してロ
ッド室9cの作動油が管路36a,35,27を通って
オイルタンク20に排出され、ティルトシリンダ9が伸
長するようになっている。また、ティルト用制御弁29
がb位置(中立位置)にあるときには、各管路36a,
36bが管路26b,35と遮断され、ティルトシリン
ダ9のピストンロッド9aが所定の突出量に保持される
ようになっている。なお、ティルト用制御弁29のc位
置(前傾位置)では、オリフィス42により流路が絞ら
れているため、制御弁37の開度が狭くなって流量が制
御弁37の開度により制限されるようにならない限り、
マスト3の前傾速度が相対的に後傾速度よりも低速とな
るように設定されている。
【0034】また、制御弁37とティルトシリンダ9の
間の管路36a上に、パイロット逆止弁43がロッド室
9cの作動油の流出を閉弁状態で阻止し得る向きに設け
られている。パイロット逆止弁43は制御弁37を作動
させる同じパイロット圧で作動し、制御弁37が開弁し
始めるよりも低いパイロット圧で開弁するように設定さ
れている。
【0035】また、リリーフ弁44が作動油供給用管路
26と戻り管路27とを接続する管路45上に設けら
れ、リリーフ弁46がリフト用制御弁28と戻り管路2
7とを繋ぐ管路47上に設けられている。管路47は、
リフト用制御弁28が作動油供給用管路26を遮断しな
いb位置(中立位置)またはc位置(下降位置)にある
ときに、管路45から分岐した管路48と連通するよう
になっている。
【0036】リリーフ弁44は、リフト用制御弁28が
作動油供給用管路26を遮断するa位置(上昇位置)に
切換えられた状態において、リフト系の油路を流れる圧
油がリフト設定圧となるように作動油を逃がすためのも
のである。また、リリーフ弁46は、ティルト用制御弁
29が作動油供給管路26を遮断するa位置(後傾位
置)またはc位置(前傾位置)のいずれかに切換えられ
た状態において、ティルト系の油路を流れる圧油がティ
ルト設定圧となるように作動油を逃がすためのものであ
る。また、チェック弁49,50,51は作動油の逆流
を阻止するためのものである。フィルタ52は、比例ソ
レノイド弁38が精密であるため油中のゴミを除去する
ために設けたものである。なお、管路26b,36a,
36b,35が油圧シリンダ9の油路を構成している。
【0037】次に、この傾動装置の電気的構成を説明す
る。図2に示すように、制御弁37の開度、すなわち比
例ソレノイド弁38の出力パイロット圧を制御する制御
手段としてのコントローラ53は、マイクロコンピュー
タ54、アナログデジタル変換回路(A/D変換回路)
55及び駆動回路としてのソレノイド駆動回路56を備
えている。マイクロコンピュータ54は、中央処理装置
(以下CPUという)57と、読み出し専用メモリ(R
OM)58aと、記録手段としてのEEPROM(ELe
ctorical Erasable ProgrammableROM)58b
と、読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)59と、
入力インタフェイス60と出力インタフェイス61とを
備えている。
【0038】ROM58aには、図5にフローチャート
で示す傾動速度制御処理のプログラムデータ及び各種プ
ログラムデータが記憶されている。ここで、本実施の形
態の傾動速度制御処理とは、マストの後傾時の傾動速度
を最適な速度とするために、フォークリフト1の車速V
とフォーク8の揚高Hを考慮して、その時々のソレノイ
ド電流値Isを求め、そのソレノイド電流値Isに応じ
た指令値をソレノイド駆動回路56に出力する処理であ
る。なお、ソレノイド電流値Isは、比例ソレノイド弁
38を制御するための電流値であり、この電流値にほぼ
比例するように制御弁37の開度が制御される。
【0039】EEPROM58bには傾動速度制御処理
のプログラムを実行するのに必要なデータとして、図6
に示す車速Vと車速Vに対する電流値Ivとの関係が、
又、図7に実線で示す揚高Hと揚高Hに対する電流値I
hとの関係が記憶されている。
【0040】本実施の形態では、車速Vが大きいかどう
か、つまり高速走行か、低速走行かを2段階で判断する
ための設定値V1 が設定されている。そして、低速走行
(車速V<設定値V1 )時に対する電流値IvとしてI
max が、高速走行(車速V≧設定値V1 )時に対する電
流値IvとしてI1 (I1 <Imax )が設定されてい
る。
【0041】又、低揚高(揚高H<設定値H1 )時に対
する電流値IhとしてImax が、高揚高(揚高H≧設定
値H1 )時に対する電流値IhとしてI1 (I1 <Ima
x )が設定されている。なお、本実施の形態では、ソレ
ノイド電流値Isは、後述する傾動速度制御処理中で、
前記電流値Imax 、I1 の内いずれか一つとなる。
【0042】つまり、ソレノイド電流値Isは2種類設
定されており、マスト3の傾動速度は車速V及び揚高H
に応じて2段階に切換えられるようになっている。ま
た、EEPROM58bのデータは、車両機種別、車両
用途別、機器精度のばらつき等を考慮して、設定操作部
(図示せず)を操作することで機台毎に個々に設定でき
るようになっている。
【0043】車速センサ18及び圧力センサ19は、A
/D変換器55及び入力インターフェイス60を介して
CPU57に接続されている。また、揚高センサ(近接
センサ)17、前傾検出スイッチ14及び後傾検出スイ
ッチ15は、入力インタフェイス60を介してCPU5
7に接続されている。
【0044】車速センサ18はフォークリフト1の車速
Vを連続的に検出し、その検出値をCPU57に出力す
るようになっている。圧力センサ19はフォーク8の荷
重wを連続的に検出し、その検出値をCPU57に出力
するようになっている。また、揚高センサ17は揚高H
を、揚高Hが所定高さH1 以上のときオン信号として、
揚高Hが所定高さH1 未満のときオフ信号として出力す
るようになっている。
【0045】ソレノイド駆動回路56は、出力インタフ
ェイス61を介してCPU57に接続されている。CP
U57は、比例ソレノイド弁38を電流値制御するため
のソレノイド電流値を指令するための指令値を出力イン
タフェイス61を介して、ソレノイド駆動回路56に出
力するようになっている。そして、ソレノイド駆動回路
56はその指令値に基づいて比例ソレノイド弁38に流
す電流を制御する。
【0046】次に、上記のように構成された傾動装置の
作用を説明する。ティルトレバー13を操作すると、テ
ィルト用制御弁29がa位置もしくはc位置に切換えら
れる。このとき前傾検出スイッチ14がオンされると、
CPU57は、ソレノイド駆動回路56に制御弁37を
全開させるための電流値Imax に応じた指令値を出力す
る。又、後傾検出スイッチ15がオンされると、CPU
57は、後述する傾動速度制御処理を実行する。傾動速
度制御処理では、ソレノイド駆動回路56に求めたソレ
ノイド電流値Isに応じた指令値を出力する。
【0047】ソレノイド駆動回路56からはこの指令値
に応じたソレノイド電流Isが比例ソレノイド弁38に
出力され、比例ソレノイド弁38がその電流値Isに応
じた開度に開弁する。そして、比例ソレノイド弁38の
開度に応じたパイロット圧が制御弁37とパイロット逆
止弁43に印加され、両弁37,43が所定圧以上のパ
イロット圧で開弁する。こうして制御弁37の開度は、
CPU57による比例ソレノイド弁38の電流値制御に
より制御される。
【0048】ティルトレバー13を前傾操作したときに
は、制御弁37は全開とされるとともにティルト用制御
弁29がc位置に切換えられ、ティルトレバー13を後
傾操作したときには、制御弁37は後述するようにその
時々の車速V及び揚高Hに応じた開度に2段階で切換え
られるとともにティルト用制御弁29がa位置に切換え
られる。
【0049】ティルト用制御弁29がc位置に切換えら
れたときには、作動油供給用管路26の作動油が分岐管
路26bから管路36bを通ってボトム室9bに供給さ
れるとともに、ロッド室9cの作動油が管路36a,3
5,27を通ってオイルタンク20に排出される。その
結果、ティルトシリンダ9が伸長駆動し、マスト3が前
傾する。又、ティルト用制御弁29がa位置に切換えら
れたときには、作動油供給用管路26の作動油が分岐管
路26bから管路36aを通ってロッド室9cに供給さ
れるとともに、ボトム室9bの作動油が管路36b,3
5,27を通ってオイルタンク20に排出される。その
結果、ティルトシリンダ9が収縮駆動し、マスト3が後
傾する。このときのマスト3の傾動速度は制御弁37の
開度により、2段階で制御される。
【0050】次に、傾動速度制御処理を図5に示すフロ
ーチャートに従って説明する。まず、CPU57は、ス
テップ1において、車速V及び揚高Hの検出値を読み込
みステップ2に移る。尚、この揚高Hは、本実施の形態
では、所定値H1 未満か、所定値H1 以上かを示すデー
タである。ステップ2では、EEPROM58bに記憶
された設定値V1 と車速Vを比較する。CPU57は、
ステップ2において、検出した車速Vが設定値V1 以上
と判断するとステップ4に移る。一方、ステップ2にお
いて、車速Vが設定値V1 未満と判断するとステップ3
に移り、ステップ3にて揚高Hが設定値H1 以上かどう
かを、揚高センサ17のオン・オフ信号から判断する。
ステップ3において、揚高Hが設定値H1 以上と判断す
るとステップ4に移る。ステップ4では、電流値I1
(I1 <Imax )をソレノイド電流値Isとし、その電
流値Isに応じた指令値をソレノイド駆動回路56に出
力し、ステップ1に戻る。一方、ステップ3において、
揚高Hが設定値H1 未満と判断するとステップ5に移
る。ステップ5では、電流値Imax をソレノイド電流値
Isとし、その電流値Isに応じた指令値をソレノイド
駆動回路56に出力し、ステップ1に戻る。
【0051】つまり、本実施の形態の傾動速度制御処理
では、車速Vが設定値V1 未満でかつ揚高Hが設定値H
1 未満のとき、電流値Imax に応じた指令値をソレノイ
ド駆動回路56に出力し、車速Vが設定値V1 以上、又
は、揚高Hが設定値H1 以上のとき、電流値I1 に応じ
た指令値をソレノイド駆動回路56に出力する。
【0052】そして、本実施の形態の傾動装置では、ソ
レノイド電流値IsをImax とI1との2段階で切換え
ることにより、間接的に制御弁37の開度を切換える。
そして、車速VがV1 未満かつ揚高HがH1 未満のとき
には、マスト3は通常の速度で後傾し、車速VがV1 以
上又は揚高HがH1 以上となると、制御弁37の開度が
狭くなり、マスト3は相対的に低速で後傾する。
【0053】以上詳述した第1実施形態によれば、以下
の効果が得られる。 (1)上記実施の形態では、マスト3の後傾動作時に車
速V及び揚高Hを検出し、その値に基づいて比例ソレノ
イド弁38に流すソレノイド電流値Isを切換えるよう
にしている。つまり、マスト3の後傾動作時に車速Vが
V1 以上又は揚高HがH1 以上となると制御弁37の開
度を狭くする。よって、揚高Hが高いときティルトレバ
ー13を後傾操作すると、マスト3は低速で後傾する。
その結果、車両の前後方向の安定性が悪化することがな
い。
【0054】(2)また、車速VがV1 以上のとき、つ
まり高速走行中は、エンジンEの回転数が高回転となり
ティルトシリンダ9の油路の油圧が高圧となるが、高速
走行中の後傾動作時には制御弁37の開度が狭くなるた
め、マスト3の後傾速度が急激に速くなってしまうこと
がない。また、高速走行中は、マスト3にかかる慣性力
が大きくなるが、マスト3が高速で後傾することがない
ため、車両の前後方向の安定性が悪化することがない。
【0055】(3)上記実施の形態では、マスト3の後
傾速度は前傾速度より比較的に高速となるように設定さ
れているが、マスト3の後傾速度が更に高速になってし
まわないようにすることができるため、マスト3が最後
傾位置で停止するときのショックが大きくならない。
【0056】(4)上記実施の形態では、マスト3の後
傾動作時に車速VがV1 未満かつ揚高HがH1 未満であ
ると制御弁37の開度を全開とする。よって、マスト3
が最後傾位置で停止するときのショックが大きくならな
いときで、かつ車両の前後方向の安定性が悪化すること
がないときには、所定の高速で後傾する。その結果、必
要以上に作業能力を低下させてしまうことはない。
【0057】(5)上記実施の形態では、マスト3の後
傾速度の制御を行うために、ティルト用制御弁29と電
磁弁39とをティルトシリンダ9の油路上に直列に設け
た。そして、ティルト用制御弁29は、汎用タイプであ
る機械制御方式で使用されているものと同じ手動切換弁
であるため、ティルトシリンダ9の油路上にティルト用
制御弁29と直列に電磁弁39を付け足すだけで済む。
そのため、設計変更が少なくて済む。また、作動油の温
度上昇に伴うスプールとボディの熱膨張や、スプールと
ボディの隙間に油中の異物が入り込んだことが原因で、
ティルト用制御弁29が固着(スティック)を起こして
も、ティルトレバー13を多少力を入れて操作すること
で切換えができる。
【0058】上記実施の形態は以下のように変更して実
施してもよい。 ○上記実施の形態では、デフリングギヤの回転を検出す
る車速センサ18により車速Vを連続的に検出し、車速
Vを設定値V1 以上か、又はV1 未満かの2段階で判断
し、ソレノイド電流値Isを求めるようにしたが、ソレ
ノイド電流値Isは例えば図8に示すように車速VをV
1 未満か、V1 以上、V2 未満か、V2以上、V3 未満
か、V3 以上か、の4段階で判断して、求めるようにし
てもよい。即ち、この場合のEEPROM58bには、
図8に示す車速Vと車速Vに対する電流値Ivとの関係
を表すマップが記憶されている。そして、4段階の車速
Vの状態に応じた電流値Iv を4段階の電流値Imax 、
IA 〜IC (Imax >IA>IB >IC )の内の1つか
ら求める。次に、検出した揚高HがH1 未満のとき電流
値IhをImax とし、揚高HがH1 以上のとき電流値I
hをI1 とする。そして、電流値Iv と電流値Ihが同
じならその値を、電流値Iv と電流値Ihとが異なる値
ならその内小さい方の値を、ソレノイド電流値Isとす
る。このようにすると、車速Vが大きくなるほど、制御
弁37の開度が狭くなる。よって、車速Vが大きくなる
ほど大きくなる慣性力に対して、マスト3の後傾速度を
適宜な低速にして車両の前後方向の安定性を悪化させな
いようにすることができる。又、車速Vが大きくなるほ
ど速くなるエンジンEの回転数に対して、制御弁37の
開度が適宜狭くなるため、マスト3の後傾速度を不必要
に低速にすることなく高速にしないようにすることがで
きる。従って、マスト3が最後傾位置で停止するときの
ショックが大きくならない。
【0059】尚、車速Vを4段階でなく例えば3段階、
5段階等の他の複数段階又は連続的に判断して、ソレノ
イド電流値Isを求めるようにしてもよい。この場合、
車速Vと車速Vに対する電流値Ivとの関係を表すマッ
プを対応させて設定する必要がある。尚、同様に揚高H
についても連続的に検出し、揚高高さに応じて複数段階
又は連続的に電流値Ihを求め、ソレノイド電流値Is
を求めるようにしてもよい。この場合、EEPROM5
8bに揚高Hと揚高Hに対する電流値Ihとの関係を表
すマップを対応させて設定し、記憶させておく必要があ
る。また、この場合、揚高Hを連続的に検出するために
例えばリール式の検出センサを使用する必要がある。
【0060】○上記実施の形態では、CPU57は傾動
速度制御処理において、マスト3の後傾動作時に車速V
及び揚高Hを検出し、その値に基づいて比例ソレノイド
弁38に流すソレノイド電流値Isを求めるようにして
いるが、このソレノイド電流値Isは例えば車速Vのみ
に基づいて求めてもよい。ソレノイド電流値Isを車速
Vのみに基づいて求めるようにしても、上記実施の形態
の(2)の効果を得ることができるとともに、構成を簡
略化することができる。
【0061】○また、ソレノイド電流値Isをエンジン
Eの回転数に基づいて求めるようにしてもよい。この場
合、EEPROM58bには、エンジンEの回転数Xと
エンジンEの回転数に対する電流値Ixとの関係を設定
しておく必要がある。尚、この関係は、例えば図9に示
すようにエンジンEの回転数Xが高回転になるとソレノ
イド電流値Isが小さな値となるように設定しておく。
又、この場合、エンジンEの回転数Xを検出するための
回転数検出手段を設ける必要がある。このようにする
と、エンジンEの回転数Xに基づいて変化してしまうマ
スト3の後傾速度を、同回転数Xに基づいて制御するこ
とができる。つまり、エンジンEの回転数Xが高回転と
なると、ティルトシリンダ9の油路の油圧が高圧となり
流量が増加するが、後傾動作時にエンジンEの回転数X
が設定しておいた高回転X1 以上となると制御弁37の
開度が狭くなり、該油路の流量が制限される。よって、
マスト3の後傾速度が急激に速くなってしまうのを防止
することができる。その結果、車両の前後方向の安定性
が悪化するのを防止することができる。尚、ソレノイド
電流値IsをエンジンEの回転数X及び揚高Hに基づい
て求めるようにしてもよい。このようにすると、マスト
3の後傾速度が急激に速くなってしまうのを防止するこ
とができるとともに、揚高Hが高くなるにつれて車両の
前後方向の安定性が悪化することを考慮した最適な速度
で後傾させることができる。
【0062】又、ソレノイド電流値Isは、車速V及び
圧力センサ19で検出した荷重に基づいて求めるように
してもよい。ソレノイド電流値Isは、車速V、フォー
ク8の荷重及び揚高Hに基づいて求めるようにしてもよ
い。ソレノイド電流値Isは、エンジンEの回転数X及
びフォーク8の荷重に基づいて求めるようにしてもよ
い。ソレノイド電流値Isは、エンジンEの回転数X、
フォーク8の荷重及び揚高Hに基づいて求めるようにし
てもよい。さらに、これらの後傾動作時の傾動速度制御
処理を前傾動作時に適用してもよい。
【0063】○上記実施の形態では、切換弁、手動切換
弁としてのティルト用制御弁29と電磁弁39を直列に
設けた構成とし、ティルトレバー13の操作でティルト
用制御弁29を制御してマスト3の傾動動作を制御し、
コントローラ53に電磁弁39を制御させ後傾速度を制
御させたが、ティルト用制御弁29と電磁弁39をマス
ト3の傾動動作を制御するとともに、後傾速度を制御す
る電磁弁に変更して、ティルトレバーの操作に独立し
て、即ち電気系のスイッチ等の操作のみでコントローラ
に制御させるようにしてもよい。このようにしても、上
記実施の形態の(1)〜(4)の効果を得ることができ
る。
【0064】○手動切換弁29と油路上に直列に設ける
電磁弁39の位置は、前記実施形態に限定されない。テ
ィルト系の油路上であればよく、管路36b上であって
もよいし、さらには管路26bや管路35上に設けても
よい。つまり、手動切換弁29が開弁位置に切換えられ
たときに、油圧シリンダの油路(但し、他のシリンダの
油路を兼ねない部分)を流れる作動油の流量を調整(遮
断も含む)できる位置であれば適宜変更できる。
【0065】○前記実施形態では、産業車両としてフォ
ークリフトに具体化したが、傾動可能なマストを備えた
他の産業車両に適用することもできる。例えば、パワー
ショベルや、高所作業車などの建機において適用しても
よい。
【0066】本明細書で「後傾速度」とは、マストが垂
直状態(基準位置)より後方に傾くように移動するとき
の速度だけでなく、マストが前傾状態から基準位置に向
かって移動するときの速度も意味する。
【0067】本明細書で「後傾操作」とは、マストを垂
直状態(基準位置)より後方に傾くように移動させると
きの操作だけでなく、マストを前傾状態から基準位置に
向かって移動させるときの操作も意味する。
【0068】前記実施形態から把握され、請求項に係る
発明以外の技術的思想(発明)を、その効果とともに以
下に記載する。 ○前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段に代えて
前記荷役機器の荷重を検出する荷重検出手段を備え、前
記制御手段は検出した揚高に代えて検出した荷重に基づ
いて前記電磁弁の開度を決める請求項2又は4に記載の
産業車両におけるマストの後傾装置。このようにする
と、エンジンの回転数又は車速に基づいて変化するマス
トの傾動速度を、同エンジンの回転数又は車速に基づい
て最適な速度に制御することができるとともに、荷重に
基づいて最適な速度に制御することができる。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、エンジンの回転数に基づいて変化するマス
トの傾動速度を、同エンジンの回転数に基づいて最適な
速度に制御することができる。
【0070】請求項2に記載の発明によれば、エンジン
の回転数に基づいて変化するマストの傾動速度を、同エ
ンジンの回転数に基づいて最適な速度に制御することが
できるとともに、揚高に基づいて最適な速度に制御する
ことができる。
【0071】請求項3に記載の発明によれば、マストの
傾動速度を、走行速度に基づいて変化する慣性力を考慮
した最適な速度に制御することができる。又、エンジン
の回転数が高回転となる高速走行中には、そのエンジン
の回転数に基づいて高速となるマストの傾動速度を相対
的に低速とし、最適な速度に制御することもできる。
【0072】請求項4に記載の発明によれば、マストの
傾動速度を、走行速度及び揚高に基づいて変化する慣性
力を考慮した最適な速度に制御することができる。又、
エンジンの回転数が高回転となる高速走行中には、その
エンジンの回転数に基づいて高速となるマストの傾動速
度を相対的に低速とし、最適な速度に制御することもで
きる。
【0073】請求項5に記載の発明によれば、マストが
最後傾位置で停止するときの大きなショックを防止する
ことができる。請求項6に記載の発明によれば、従来か
ら汎用されている手動切換弁の油路上に電磁弁を付け足
すだけで油圧シリンダに供給される作動油の流量を制御
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるフォークリフトの油圧回路
図。
【図2】本実施形態におけるフォークリフトの電気回路
ブロック図。
【図3】本実施形態におけるティルトレバーの側面図。
【図4】本実施形態におけるフォークリフトの側面図。
【図5】本実施形態における後傾速度制御処理のフロー
チャート。
【図6】後傾速度制御処理のためのデータを説明する説
明図。
【図7】後傾速度制御処理のためのデータを説明する説
明図。
【図8】別例の後傾速度制御処理のためのデータを説明
する説明図。
【図9】別例の後傾速度制御処理のためのデータを説明
する説明図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…車体フレー
ム、3…マスト、8…荷役機器としてのフォーク、9…
油圧シリンダとしてのティルトシリンダ、13…傾動操
作手段としてのティルトレバー、14…傾動操作検知手
段としての前傾検出スイッチ、15…傾動操作検知手
段、後傾操作検知器としての後傾検出スイッチ、17…
揚高検出手段としての揚高センサ、18…車速検出手段
としての車速センサ、21…油圧ポンプ、26b,3
5,36a,36b…油路としての管路、29…切換
弁、手動切換弁としてのティルト用制御弁、39…流量
制御弁としての電磁弁、53…制御手段としてのコント
ローラ、56…駆動回路としてのソレノイド駆動回路、
58b…記録手段としてのEEPROM、E…エンジ
ン。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレームに対して傾動可能に支持さ
    れ荷役機器を昇降移動させるためのマストと、 前記マストと前記車体フレームとの間に設けられ前記マ
    ストを前後に傾動させるための油圧シリンダと、 前記油圧シリンダに作動油を供給するための油圧ポンプ
    と、 前記油圧ポンプを回転駆動させるためのエンジンと、 前記油圧シリンダと前記油圧ポンプとの間に設けられ、
    前記油圧シリンダの駆動方向を切換える切換弁と、 前記切換弁を切換動作させるために操作される傾動操作
    手段とを有した産業車両のマスト傾動装置において、 前記油圧シリンダに供給される作動油の流量を制御する
    流量制御弁と、 前記流量制御弁を駆動する駆動回路と、 前記傾動操作手段が操作されたことを検出するための傾
    動操作検知手段と、 前記エンジンの回転数を検出するための回転数検出手段
    と、 前記エンジンの回転数に対する前記流量制御弁の開度の
    データを記録した記録手段と、 前記検知手段を介して前記操作手段が操作されたことを
    検知した時、前記回転数検出手段が検出したその時の回
    転数に対する流量制御弁の開度を前記記録手段から読み
    出し、その読み出した開度に基づいて前記流量制御弁を
    駆動させる制御手段とを備えた産業車両におけるマスト
    の傾動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の産業車両におけるマス
    トの傾動装置において、 前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前
    記記録手段は前記エンジンの回転数に加え揚高に対する
    前記流量制御弁の開度のデータを記録し、前記制御手段
    は前記検出した回転数に加え検出した揚高とに基づいて
    前記流量制御弁の開度を決める産業車両におけるマスト
    の傾動装置。
  3. 【請求項3】 車体フレームに対して傾動可能に支持さ
    れ荷役機器を昇降移動させるためのマストと、 前記マストと前記車体フレームとの間に設けられ前記マ
    ストを前後に傾動させるための油圧シリンダと、 前記油圧シリンダに作動油を供給するための油圧ポンプ
    と、 前記油圧シリンダと前記油圧ポンプとの間に設けられ、
    前記油圧シリンダの駆動方向を切換える切換弁と、 前記切換弁を切換動作させるために操作される傾動操作
    手段とを有した産業車両のマスト傾動装置において、 前記油圧シリンダに供給される作動油の流量を制御する
    流量制御弁と、 前記流量制御弁を駆動する駆動回路と、 前記傾動操作手段が操作されたことを検出するための傾
    動操作検知手段と、 前記産業車両の走行速度を検出するための車速検出手段
    と、 前記産業車両の走行速度に対する前記流量制御弁の開度
    のデータを記録した記録手段と、 前記検知手段を介して前記操作手段が操作されたことを
    検知した時、前記車速検出手段が検出したその時の走行
    速度に対する流量制御弁の開度を前記記録手段から読み
    出し、その読み出した開度に基づいて前記流量制御弁を
    駆動させる制御手段とを備えた産業車両におけるマスト
    の傾動装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の産業車両におけるマス
    トの傾動装置において、 前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前
    記記録手段は前記産業車両の走行速度に加え揚高に対す
    る前記流量制御弁の開度のデータを記録し、前記制御手
    段は前記検出した走行速度に加え検出した揚高とに基づ
    いて前記流量制御弁の開度を決める産業車両におけるマ
    ストの傾動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    産業車両におけるマストの傾動装置において、 前記傾動操作検知手段は前記傾動操作手段が後傾操作さ
    れたことを検出する後傾操作検知器である産業車両にお
    けるマストの傾動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    産業車両におけるマストの傾動装置において、 前記切換弁は手動切換弁であり、前記流量制御弁は電磁
    弁であり、該電磁弁は該手動切換弁と直列に設けたこと
    を特徴とする産業車両におけるマストの傾動装置。
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