JPH10338219A - 耐衝撃性に優れたプロピレン系重合体製容器及びその製法 - Google Patents

耐衝撃性に優れたプロピレン系重合体製容器及びその製法

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JPH10338219A
JPH10338219A JP14932397A JP14932397A JPH10338219A JP H10338219 A JPH10338219 A JP H10338219A JP 14932397 A JP14932397 A JP 14932397A JP 14932397 A JP14932397 A JP 14932397A JP H10338219 A JPH10338219 A JP H10338219A
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浩一 川口
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    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0223Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by shape

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コールドパリソン法で製造されたプロピレン
系重合体の延伸ブロー成形容器における欠点が解消さ
れ、耐衝撃性が顕著に改善されたプロピレン系重合体の
延伸ブロー成形容器及びその製法を提供するにある。 【解決手段】 プロピレン系重合体から成る有底プリフ
ォームの延伸ブロー成形で形成され、実質上未延伸の首
部と延伸された胴部と底部とを有する容器において、胴
部の内面と外面における下記式(1) d=|ΔO −ΔI | ‥(1) ΔO =NZO−NXO ‥(1a) ΔI =NZI−NXI ‥(1b) 式中、NZOは胴部外面における高さ方向の屈折率であ
り、NXOは胴部外面における厚み方向の屈折率であり、
ZIは胴部内面における高さ方向の屈折率であり、NXI
は胴部内面における厚み方向の屈折率である、で定義さ
れる複屈折の差(d)が絶対値で0.0025以下であ
ることを特徴とする耐衝撃性に優れたプロピレン系重合
体製容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性に優れた
プロピレン系重合体製容器及びその製法に関するもの
で、より詳細にはプロピレン系重合体から成る有底プリ
フォームの延伸ブロー成形で形成され、胴部器壁の内面
も外面も一様な配向を有することにより、耐衝撃性が改
善されたプロピレン系重合体製容器及びその製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ブロー成形によるプラスチック中空容器
は軽量性や耐衝撃性に優れており、各種食品、調味料、
トイレタリー製品等の包装容器として広く使用されてい
る。また、ブロー成形に際して、成形時の温度を延伸温
度とし、軸方向に引っ張り延伸すると共に、周方向に膨
張延伸することにより得られる延伸ブロー成形容器は、
溶融温度でブロー成形したダイレクトブロー容器に比し
て、透明性、耐衝撃性、剛性、ガスバリアー性等の面で
優れていることも知られている。
【0003】延伸ブロー成形容器用の樹脂としては、結
晶性で分子配向可能な熱可塑性樹脂が使用されており、
ポリエチレンテレフタレート製のものが一般的である
が、プロピレン系重合体製のものも古くから知られてい
る。
【0004】プロピレン系重合体からの延伸ブロー成形
容器の製造法には、延伸温度にあるプロピレン系重合体
のパリソン(パイプ状の成形体)を2個のクランプで把
持して、軸方向に引っ張り延伸し、これを割型内で挟持
してブローにより膨張延伸させる方法、また、プロピレ
ン系重合体を射出成形して、過冷却状態にある有底プリ
フォームを製造し、この有底プリフォームを、延伸温度
に加熱した後、割型に装着して延伸ブロー成形を行うコ
ールドパリソン法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
成形法の場合、プリフォームの射出工程が不要であると
いう利点があるが、容器口部を割型の寸法及び形状通り
に成形することが困難であり、蓋との間に精度の高い密
封を形成させることが困難であるという問題がある。
【0006】一方、後者のコールドパリソン法の場合、
射出成形で容器口部をプリフォームに予め形成しておく
ため、容器口部の密封精度を高めることが可能である
が、コールドパリソンコールドパリソン法法で形成され
たプロピレン系重合体の容器は、耐衝撃性に劣ってお
り、落下等の衝撃により底部に近い胴部が簡単に割れて
しまう傾向が認められる。この傾向は、容器の軽量化の
ため、或いは省資源のため、容器の目付を低減させた場
合に特に顕著に認められる。
【0007】従って、本発明の目的は、コールドパリソ
ン法で製造されたプロピレン系重合体の延伸ブロー成形
容器における上記欠点が解消され、耐衝撃性が顕著に改
善されたプロピレン系重合体の延伸ブロー成形容器及び
その製法を提供するにある。本発明の他の目的は、プロ
ピレン系重合体の目付、即ち内容積当たりの樹脂重量を
低減させた場合にも、尚優れた耐衝撃性が維持され、軽
量性、透明性等にも優れたプロピレン系重合体の延伸ブ
ロー成形容器及びその製法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、プロピ
レン系重合体から成る有底プリフォームの延伸ブロー成
形で形成され、実質上未延伸の首部と延伸された胴部と
底部とを有する容器において、胴部の内面と外面におけ
る下記式(1) d=|ΔO −ΔI | ‥(1) ΔO =NZO−NXO ‥(1a) ΔI =NZI−NXI ‥(1b) 式中、NZOは胴部外面における高さ方向の屈折率であ
り、NXOは胴部外面における厚み方向の屈折率であり、
ZIは胴部内面における高さ方向の屈折率であり、NXI
は胴部内面における厚み方向の屈折率である、で定義さ
れる複屈折の差(d)が絶対値で0.0025以下であ
ることを特徴とする耐落下衝撃性に優れたプロピレン系
重合体製容器が提供される。本発明の延伸ブロー成形容
器においては、 1.プロピレン系重合体がエチレン・プロピレンランダ
ム共重合体、特にエチレン含有量が3乃至5モル%及び
メルト・フロー・レート(MFR)が20乃至30g/
10minのエチレン・プロピレンランダム共重合体で
あること、 2.未延伸首部で0.885乃至0.915g/cm3
の密度を有し、且つ胴部で未延伸首部よりも0.001
5g/cm3 以上高い密度を有すること、 3.底部の中央部が周囲の接地部よりも5乃至15mm
高く上げ底に形成されていること、 4.胴部と底部接地部との接続部分が曲率半径10mm
以上の曲率部として形成されていること、が好ましい。
本発明によればまた、プロピレン系重合体を射出成形し
て、蓋と密封されるべき口部を備えた有底プリフォーム
を製造する工程と、このプリフォームを周囲と内部とか
ら加熱してプリフォームの内側と外側との温度差が8℃
以内となるように延伸成形温度に加熱する工程と、加熱
されたプリフォームを高さ方向に引っ張り延伸すると共
に周方向にブロー延伸することを特徴とする耐衝撃性に
優れたプロピレン系重合体製容器の製法が提供される。
【0009】
【発明の実施形態】
[作用]本発明者らは、コールドパリソン法で形成され
たプロピレン系重合体の延伸ブロー成形容器の耐衝撃性
を改善すべく研究を重ねた結果、次の興味のある事実を
見い出した。 1.プロピレン系重合体の延伸ブロー成形容器において
も、胴部の器壁は全体として容器高さ方向と容器周方向
に二軸分子配向されているが、従来のコールドパリソン
法によるプロピレン系重合体の容器では、器壁の内面側
では強く分子配向されている反面、器壁の外面側では分
子配向が緩和されており、この傾向は高さ方向の分子配
向において特に顕著であり、このような配向特性を有す
るプロピレン系重合体容器は、落下等の衝撃により容易
に割れを生じる(後述する比較例参照)。 2.プラスチックの分子配向は複屈折(Δ)で評価でき
る。いま、容器の器壁について、厚み方向の屈折率
X 、周方向の屈折率NY 及び高さ方向の屈折率NZ
とると、厚み方向の屈折率NX は分子配向とは関係のな
いプラスチックの屈折率を表しているから、複屈折 ΔY =NY −NX は周方向の分子配向の程度を、また複屈折 ΔZ =NZ −NX は高さ方向の分子配向の程度を表している。 3.従来のコールドパリソン法プロピレン系重合体容器
では、胴部内面側での複屈折ΔZ は0.0171ものか
なり大きい値を示す一方、胴部外面側での複屈折ΔZ
0.0022ものかなり大きい値を示し、その差(d)
は0.0149もの大きい値となる。 4.このように、内面が強延伸されしかも外面が配向緩
和された器壁の配向構造では、高さ方向と直角方向(周
方向)への引き裂きに対して極めて弱い構造であり、落
下等の衝撃により容易に割れを生じる。 5.本発明では、胴部器壁の内面側と外面側との分子配
向の差をなくし、前記式(1)で定義される複屈折の絶
対値での差(d)を0.0025以下、特に0.002
0以下とすることにより、落下等の衝撃に対する耐性を
顕著に向上させることができ、この事実は後述する実施
例の記載を参照することにより、明らかとなろう。特
に、本発明では、目付を5g/100ml以下のように
少なくした場合にも、優れた耐衝撃性が得られることに
着目されるべきである。 6.本発明の製法では、プロピレン系重合体を射出成形
して、蓋と密封されるべき口部を備えた有底プリフォー
ムを製造する工程と、このプリフォームを延伸成形温度
に加熱する工程と、加熱されたプリフォームを高さ方向
に引っ張り延伸すると共に周方向にブロー延伸する工程
とから成るが、プリフォームの予備加熱に際して、プリ
フォーム周囲と内部とから加熱して、プリフォームの内
側と外側との温度差が8℃以内、特に5℃以内となるよ
うに加熱を行うことが特徴であり、これにより、胴部器
壁の内面側と外面側との分子配向の差をなくし、前記式
(1)で定義される複屈折の絶対値での差(d)を0.
0025以下、特に0.0020以下とすることが可能
となる。 7.即ち、プロピレン系重合体は熱伝導率が低く、その
プリフォームを周囲から加熱する方式では、プリフォー
ム外面の温度と内面の温度とにかなりの温度差を生じ、
しかもプロピレン系重合体では延伸ブロー成形の許容温
度域が狭いので、前述した配向分布構造となるのである
が、本発明の加熱方式と温度制御とを行うことにより、
内外面の一様な分子配向の付与が可能となるものであ
る。 8.本発明においては、更に底部の中央部を周囲の接地
部よりも5乃至15mm高く上げ底に形成すること、或
いは更に胴部と底部接地部との接続部分を曲率半径10
mm以上の曲率部として形成することによっても、容器
の耐衝撃性を一層向上させることが可能となる。
【0010】[プロピレン系重合体]本発明において、
プロピレン系重合体としては、ホモポリプロピレンやプ
ロピレンを主体とするプロピレン共重合体が使用され
る。プロピレン共重合体としては、エチレン・プロピレ
ンランダム共重合体やエチレン・プロピレンブロック共
重合体が挙げられる。一般に、メルト・フロー・レート
は0.3乃至80g/10minの範囲にあるのが適当
であるが本発明においては15乃至35g/10mi
n、特に20乃至30g/10minの範囲にあるのが
成形性の点で望ましい。
【0011】用いるプロピレン系重合体の種類は、容器
の用途や要求される特性によって相違する。例えば、強
度が要求される用途には、ホモポリプロピレンを使用す
るのがよく、一方透明性が要求される用途にはエチレン
・プロピレンランダム共重合体を使用するのがよい。
【0012】プロピレン系重合体としては、成形許容温
度範囲の広いプロピレン系重合体の使用が望ましい。こ
のようなプロピレン系重合体として、エチレン含有量が
3乃至5モル%及びメルト・フロー・レート(MFR)
が20乃至30g/10minのエチレン・プロピレン
ランダム共重合体を挙げることができる。
【0013】エチレン・プロピレンランダム共重合体の
範囲を上記のものとしている理由は、エチレン含有量が
上記範囲よりも少ないと、延伸ブロー成形時の伸びが少
なくなる傾向があり、一方、エチレン含有量が上記範囲
よりも多いと、容器の強度が低下する傾向があるからで
ある。また、メルト・フロー・レートが上記範囲以外で
は延伸成形性が低下する傾向がある。
【0014】本発明に使用するプロピレン系重合体に
は、それ自体公知の安定剤、例えば酸化防止剤、熱安定
剤、核剤、滑剤、着色剤等をそれ自体公知の処方に従っ
て配合しうることは勿論である。
【0015】[プリフォーム]本発明では、プロピレン
系重合体を射出成形して、蓋と密封されるべき口部を備
えた有底プリフォームを先ず製造する。
【0016】有底プリフォームと延伸ブロー成形容器と
の対応関係の一例を示す図1において、この有底プリフ
ォーム1は全体として試験管の形状をしており、口部2
と、胴部3と閉塞底部4とから成っている。口部2は最
終容器の口部と同様な形状及び寸法を有しており、密封
用端部5と外周のスクリュー6とサポートリング7とを
備えている。
【0017】使用するプリフォーム1は、極端な形状及
び寸法の変化するものであってはならない。というの
は、プリフォーム中に薄いところが存在すると、その部
分が先に延ばされてしまうからである。図1に示す好適
なプリフォームでは、胴部3の内面8は底部に向けて徐
々に径が小さくなるテーパー状となっており、底部4は
内面も外面も半球状の面となっている。一方、胴部の外
面は、口部との接続部に続いて、肉厚の徐々に増大する
テーパー部9を経て、肉厚のほぼ一定な長い部分10に
接続され、更に次第に肉厚の減少する部分11を経て底
部4に接続されている。図1のAにはプリフォーム1の
肉厚分布が示されている。
【0018】プリフォームの射出条件等は、特に限定さ
れたものではないが、一般に、180乃至240℃の射
出温度、200乃至1000kg/cm2 の射出圧力で
射出し、型内で冷却して有底プリフォームを成形するこ
とができる。
【0019】[予備加熱]本発明によれば、延伸ブロー
成形に先だって、プロピレン系重合体のプリフォームを
周囲と内部とから加熱して、プリフォームの内側と外側
との温度差が8℃以内となるように延伸成形温度に加熱
する。
【0020】一般に、プロピレン系重合体の延伸成形温
度は、プロピレン系重合体の融点(Tm)よりも50℃
低い温度から、融点(Tm)よりも10℃低い温度迄の
範囲にあるが、前述した外面側複屈折と内面側複屈折と
の差(d)が本発明で規定した範囲となる延伸成形温度
(Tb)は、そんなに広くはなく、この温度(Tb)
は、樹脂の種類によっても相違するが、例えば前述した
エチレン・プロピレンランダム共重合体の場合、130
℃±10℃、特に130℃±5℃が適当である。
【0021】即ち、この延伸成形温度が低すぎると、延
伸成形が困難となったり、仮に延伸ブロー成形が可能で
あっても、過延伸による悪影響がある。一方、延伸成形
温度が高すぎると、耐衝撃性が低下したり、器壁のプロ
ピレン系重合体の結晶化による白濁が生じる傾向があ
り、また容器口部が熱変形したりする傾向がある。この
意味で、プリフォームの内側と外側との温度差を上記の
範囲内となるように加熱することが極めて重要となるわ
けである。
【0022】この目的のため、またプロピレン系重合体
の熱伝導率が低いこともあって、本発明では、プリフォ
ームの周囲と中心側との両方から加熱を行うことが必要
となるのであって、加熱手段は特に限定されるわけでは
決してないが、プリフォームの周囲からクォルツヒータ
で加熱すると共に、プリフォームのほぼ中心に鉄心を挿
入して内部からも加熱するようにする。この両側からの
加熱を行うことにより、加熱時間は、30乃至60秒と
いう短時間で均一加熱が可能となる。
【0023】[延伸ブロー成形]予備加熱されたプリフ
ォームを割型内に保持し、プリフォーム口部から延伸棒
を挿入し、該プリフォームを軸方向に引っ張り延伸させ
ると共に、気体の吹き込みによりプリフォームを周方向
に膨張延伸させる。気体の吹き込みによるブローは一段
で行ってもよく、また、圧力の比較的低い流体によって
プレブローを行い、次い圧力の比較的高い流体によって
最終ブローを行うこともできる。場合には、このプリブ
ローによる延伸後のものを基準として、延伸速度を定め
るものとする。本発明における初期高速ブロー延伸速度
は、一般に100乃至280面積倍/秒、特に140乃
至240面積倍/秒の範囲とするのがよい。
【0024】本発明で規定する複屈折の差(d)の容器
を製造するためには、プリフォームを低い圧力でゆっく
り膨らますのが有利であり、この目的のために、最終容
器の容量やプリフォームの厚みによっても相違するが、
一般に用いる気体の初期圧力は、0.50乃至5.00
kg/cm2 の比較的低い範囲内にあることが好まし
い。本発明において、加圧用流体としては、未加熱の空
気或いは不活性気体でも、或いは加熱された空気或いは
不活性気体でも使用し得るが、一般には未加熱の普通の
空気を使用し得る。
【0025】最終容器における延伸倍率は、面積倍率で
4乃至20倍、特に5乃至16倍が適当であり、一方軸
方向延伸線倍率は2乃至4倍、特に2.5乃至3.5倍
とし、周方向延伸線倍率は2乃至5倍、特に2.5乃至
4倍とするのがよい。
【0026】[延伸ブロー成形容器]前述した図1に戻
って、本発明の延伸ブロー成形容器21は、未延伸の口
部(首部)22、膨出円錐台状の肩部23、筒状の胴部
24及び閉ざされた底部25から成っている。口部22
の形状及び寸法はプリフォームのそれと同様である。
【0027】一方、底部25においては、底部の中央部
26が周囲の接地部27よりも5乃至15mm高く上げ
底に形成されていて、落下衝撃に一層強い構造となって
いる。また、胴部24と底部接地部27との接続部分が
曲率半径10mm以上の曲率部28として形成されてい
て、これも落下等の衝撃に強い構造とするのに役立って
いる。
【0028】胴部24の下方には、相対的に径の大きい
膨出リング部29とこれに隣り合った径の相対的に小さ
い溝状リング部30とが設けられていて、容器軸方向へ
の若干の変形をも許容するようになっている。また胴部
の主たる部分には、相対的に径の小さい内向きの波状ビ
ード部31が形成されていて、胴部を補強している。
【0029】胴部24において、前記式(1)で定義さ
れる複屈折の差(d)が絶対値で0.0025以下、特
に0.0020以下であるが、式(1a)で定義される
外面側複屈折ΔO は一般に0.0035乃至0.008
0の範囲にあり、内面側は勿論のこと、外面側にも有効
に分子配向が付与されていることが分かる。
【0030】一方、周方向の複屈折 ΔY =NY −NX
は、一般に0.0025以下であり、周方向の分子配向
は、全くないか、有るとしても高さ方向の分子配向に比
して小さいものであり、本発明の延伸ブロー成形容器
は、一軸配向が優先したものであり、にもかかわらず、
耐衝撃性に優れていることは驚くべきことである。
【0031】図1において、プリフォーム1の胴部の各
位置と延伸ブロー成形容器20の器壁の各位置との対応
関係は、直線で両者を結びつけて示されている。また、
延伸ブロー成形容器20の厚みの分布は、図1のBにグ
ラフで示されている。このグラフから、本発明の延伸ブ
ロー成形容器20は偏肉がなく一様な延伸が行われてお
り、厚みの均一性にも優れていることが了解される。
【0032】プロピレン系重合体の延伸ブロー成形容器
における配向の程度は、器壁の密度によっても評価でき
る。前述したエチレン・プロピレンランダム共重合体の
場合、未延伸首部で0.885乃至0.915g/cm
3 の密度を有し、且つ胴部で未延伸首部よりも0.00
15g/cm3 以上高い密度を有しており、有効に分子
配向が行われていることが、この値からも確認される。
【0033】本発明の延伸ブロー成形容器は、目付が
1.50乃至6.00g/100mlでも、十分な耐衝
撃性が得られ、軽量性、透明性、外観特性に優れた容器
として、トイレタリー製品、薬品、食料品等を充填・密
封する容器として有用である。
【0034】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。以下に、実
施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下の
例において、試験および評価は次の通り行った。この実
施例及び比較例に用いた測定方法を下記に記載する。 (1)複屈折の測定 アッベの屈折計により、厚み方向、周方向及び高さ方向
の屈折率を測定しこれより複屈折を求めた。 (2)密度の測定 密度勾配管により密度を測定した。 (3)低温落下衝撃強度の測定 成形したボトルに規定量の水を充填し、5℃の冷蔵庫に
一昼夜保管した後、任意の高さからボトルを正立落下及
び水平落下させ、破損の有無を確認する。破損高さが高
いほど、衝撃強度が強く、破損高さが低いほど衝撃強度
が弱いことを表す。
【0035】実施例1 プロピレン系重合体を射出成形し、有底プリフォームを
製造する。この有底プリフォームを、延伸温度に加熱し
た後、割型に装着して延伸ブロー成形を行うことによ
り、本発明のプロピレン系重合体製容器を製造する。用
いたプロピレン系重合体のエチレン含有量は3乃至5モ
ル%及びメルト・フロー・レート(MFR)が20乃至
30g/10minのエチレン・プロピレンランダム共
重合体である。プロピレン系重合体の延伸ブロー成形容
器は胴部の器壁は全体として容器高さ方向と容器周方向
に二軸分子配向されている。本発明では器壁の内面側と
外面側との分子配向の差を少なくすることにより、落下
等の衝撃に対する耐性を顕著に向上させることができ
た。延伸による分子配向の程度を複屈折、密度により確
認した。また、落下衝撃の程度を低温落下試験にて確認
した。得られた結果を表1、表3及び表4に示す。
【0036】比較例1 実施例と同様に有底プリフォームを製造し、従来のコー
ルドパリソン法で延伸ブロー成形を行う。従来の方法で
は、プリフォームの内側と外側の温度差が6℃以上にな
り、この成形方法で成形した場合、器壁の内面側では強
く分子配向されている反面、器壁の外面側では分子配向
が緩和されており、この傾向は高さ方向の分子配向にお
いて特に顕著であり、このような配向特性を有するプロ
ピレン系重合体容器は、落下等の衝撃により容易に割れ
を生じる。その理由としてこのような配向構造では高さ
方向と直角方向(周方向)への引き裂きに対して極めて
弱い構造であるためである。延伸による分子配向の程度
を複屈折、密度により確認した。また、落下衝撃の程度
を低温落下試験にて確認した。得られた結果を表2、表
3及び表4に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】 実施例と比較例のボトルを比較すると、比較例のボトル
は、ボトル内外面の複屈折の差が大きい。比較例のボト
ルは、ボトル内面の複屈折が大きく、ボトル内面の配向
度が大きい。特にボトル内面の高さ方向の複屈折が大き
い。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、従来のコールドパリソ
ン法では困難であったプロピレン系重合体の延伸ブロー
成形容器における内面側と、外面側との分子配向の偏り
を解消し、耐衝撃性が顕著に改善されたプロピレン系重
合体の延伸ブロー成形容器及びその製法を提供するがで
きた。本発明によればまた、プロピレン系重合体の目
付、即ち内容積当たりの樹脂重量を低減させた場合に
も、尚優れた耐衝撃性が維持され、軽量性、透明性等に
も優れたプロピレン系重合体の延伸ブロー成形容器を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリフォームと延伸ブロー成形容器との対応関
係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 有底プリフォーム 2 口部 3 胴部 4 閉塞底部 5 密閉用端部 6 外周のスクリュー部 7 サポートリング 8 内面 9 テーパー部 10 肉厚のほぼ一定な長い部分 11 次第に肉厚の減少する部分 21 延伸ブロー成形容器 22 口部(首部) 23 肩部 24 胴部 25 底部 26 底部中央部 27 底部接地部 28 曲率部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系重合体から成る有底プリフ
    ォームの延伸ブロー成形で形成され、実質上未延伸の首
    部と延伸された胴部と底部とを有する容器において、胴
    部の内面と外面における下記式(1) d=|ΔO −ΔI | ‥(1) ΔO =NZO−NXO ‥(1a) ΔI =NZI−NXI ‥(1b) 式中、NZOは胴部外面における高さ方向の屈折率であ
    り、 NXOは胴部外面における厚み方向の屈折率であり、 NZIは胴部内面における高さ方向の屈折率であり、 NXIは胴部内面における厚み方向の屈折率である、で定
    義される複屈折の差(d)が絶対値で0.0025以下
    であることを特徴とする耐衝撃性に優れたプロピレン系
    重合体製容器。
  2. 【請求項2】 プロピレン系重合体がエチレン・プロピ
    レンランダム共重合体であって、未延伸首部で0.88
    5乃至0.915g/cm3 の密度を有し、且つ胴部で
    未延伸首部よりも0.0015g/cm3 以上高い密度
    を有することを特徴とする請求項1記載の容器。
  3. 【請求項3】 プロピレン系重合体がエチレン含有量が
    3乃至5モル%及びメルト・フロー・レート(MFR)
    が15乃至35g/10minのエチレン・プロピレン
    ランダム共重合体である請求項1または2記載の容器。
  4. 【請求項4】 底部の中央部が周囲の接地部よりも5乃
    至15mm高く上げ底に形成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の容器。
  5. 【請求項5】 胴部と底部接地部との接続部分が曲率半
    径10mm以上の曲率部として形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の容器。
  6. 【請求項6】 プロピレン系重合体を射出成形して、蓋
    と密封されるべき口部を備えた有底プリフォームを製造
    する工程と、このプリフォームを周囲と内部とから加熱
    してプリフォームの内側と外側との温度差が8℃以内と
    なるように延伸成形温度に加熱する工程と、加熱された
    プリフォームを高さ方向に引っ張り延伸すると共に周方
    向にブロー延伸することを特徴とする耐衝撃性に優れた
    プロピレン系重合体製容器の製法。
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