JPH10337453A - 半透膜およびその製造方法 - Google Patents

半透膜およびその製造方法

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JPH10337453A
JPH10337453A JP9913698A JP9913698A JPH10337453A JP H10337453 A JPH10337453 A JP H10337453A JP 9913698 A JP9913698 A JP 9913698A JP 9913698 A JP9913698 A JP 9913698A JP H10337453 A JPH10337453 A JP H10337453A
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JP
Japan
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semipermeable membrane
membrane according
polymerizable double
monomer
compound containing
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JP9913698A
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English (en)
Inventor
Shunji Kono
俊司 河野
Hirobumi Morikawa
博文 森川
Yoshinari Fusaoka
良成 房岡
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を
含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体または単
量体混合物を重合してなる組成物が厚みが1nm以上1
0μm以下で多孔質膜上および/または膜中にあること
を特徴とする半透膜。 【効果】 本発明により、耐久性、選択透過性に優れた
半透膜およびその製造方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性、選択透過性に
優れた半透膜およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工業的に利用されている半透膜に
は非対称膜型の酢酸セルロース膜があった(例えば、米
国特許第3,133,132号明細書、同第3,13
3,137号明細書)。しかし、この膜は耐加水分解
性、耐微生物性などに問題があり、塩排除率、水透過性
も十分ではなかった。このため、酢酸セルロース非対称
膜は一部の用途には使用されているが広範囲の用途に実
用化されるには至っていない。
【0003】これらの欠点を補うべく非対称膜とは形態
を異にする半透膜として多孔質膜上に異なる素材で実質
的に膜分離性能をつかさどる分離機能層を被覆した複合
膜が考案された。複合膜では、分離機能層と微多孔性支
持膜の各々に最適な素材を選択する事が可能であり、製
膜技術も種々の方法を選択できる。現在市販されている
複合膜の大部分は多孔質膜上でモノマーを界面重縮合し
たものであり、分離機能層にはポリアミドが用いられて
いる。これらの具体例としては、米国特許第3,74
4,942号明細書、同第3,926,798号明細
書、同第4,277,344号明細書、特開昭55−1
47106号公報、同58−24303号公報、同62
−121603号公報などがある。
【0004】これらの複合膜では酢酸セルロース非対称
膜よりも高い脱塩性能が得られており、同時に高い透過
水性も得られている。しかしながらこのようなポリアミ
ドを用いた半透膜は主鎖にアミド結合を有するため耐久
性が未だ不十分であり、膜の殺菌に用いられる塩素、過
酸化水素などで処理することにより脱塩性能や選択的な
分離性能の低下などの劣化が起こる。このため、使用に
際しては運転条件の制約が必要となる。
【0005】その他の半透膜として製膜技術の汎用性が
高く、また、原料の選択性の幅も広いビニル系化合物を
重合し作製した半透膜の研究もなされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うなビニル系化合物を用い作製した半透膜の例では、膜
厚制御の問題などにより、溶質の高排除性能と水などの
溶媒の高透過性能を両立することが困難であった。例え
ばポリオレフィンを多孔質膜表面にコーティングしたも
のでは、溶質の排除性能を高めると水の透過性が低下
し、逆に水の透過性を高めると溶質の排除性能が低下す
るという問題があった。
【0007】このように、現在までのところでは耐久性
が高く、高分離性、高透過性を満たす半透膜は得られて
いなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、下記の構成を有する。すなわち、「少
なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を
少なくとも1種類以上含む単量体または単量体混合物を
重合してなる組成物が厚みが1nm以上10μm以下で
多孔質膜上および/または膜中にあることを特徴とする
半透膜。」またはその製造方法である。
【0009】1.「少なくとも1つ以上の重合可能な二
重結合を含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体
または単量体混合物を重合してなる組成物が厚みが1n
m以上10μm以下で多孔質膜上および/または膜中に
あることを特徴とする半透膜。」、 2.「単量体または単量体混合物が少なくとも2つ以上
の重合可能な二重結合を含む化合物を1種類以上含むこ
とを特徴とする前記1記載の半透膜。」、 3.「組成物が架橋構造を有することを特徴とする前記
1または2記載の半透膜。」、 4「少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含む化
合物が少なくとも1種類以上のヘテロ原子を有すること
を特徴とする前記1から3のいずれかに記載の半透
膜。」、 5.「少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含む
化合物が、アルコキシカルボニル基および/またはケト
基を有することを特徴とする前記4記載の半透膜。」、 6.「少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含む
化合物がカルボキシル基および/またはその塩を含有す
ることを特徴とする前記4記載の半透膜。」、 7.「少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含む
化合物がアクリル基あるいはその誘導体を含むことを特
徴とする前記4記載の半透膜。」、 8.「少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含む
化合物が少なくとも1つ以上の環構造を含有することを
特徴とする前記4記載の半透膜。」、 9.「多孔質膜が、ポリスルホン誘導体、ポリフェニレ
ンスルフィドスルホン誘導体、ポリアクリルアミド誘導
体、ポリエーテルスルホン誘導体、セルロースエステ
ル、ポリ塩化ビニルあるいは塩素化塩化ビニルからなる
ことを特徴とする前記1から8のいずれかに記載の半透
膜。」、 10.多孔質膜が、ポリスルホン誘導体、ポリフェニレ
ンスルフィドスルホン誘導体、ポリエーテルスルホン誘
導体、ポリアミドあるいはセルロースエステルからなる
ことを特徴とする前記9記載の半透膜。」、 11.「多孔質膜が表面に1nm以上100nm以下の
孔径の孔を有することを特徴とする前記1から10のい
ずれかに記載の半透膜。」、 12.「厚みが1nm以上10μm以下である架橋ビニ
ル系重合体薄膜組成物が多孔質膜上および/または膜中
にあることを特徴とする半透膜。」、 13.半透膜が平膜であることを特徴とする前記1から
12のいずれかに記載の半透膜。」、 14.「重合可能な二重結合を1つ含む化合物の分子量
が600以下であることを特徴とする前記1から13の
いずれかに記載の半透膜。」、 15.重合可能な二重結合を1つ含む化合物の炭素数が
34以下であることを特徴とする前記1から13のいず
れかに記載の半透膜。」、 16.「1.5MPaの操作圧力で透過水量が0.1m3
/(m2・日)以上であることを特徴とする前記1から1
5のいずれかに記載の半透膜。」、 17.「1500ppm硫酸マグネシウム水溶液中の硫
酸マグネシウムの排除率が10%以上であることを特徴
とする前記1から16のいずれかに記載の半透膜」、 18.「少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含
む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体またはその
単量体混合物を重合してなる組成物を多孔質膜上および
/または膜中で重合し形成することを特徴とする半透膜
の製造方法。」, 19.「単量体または単量体混合物を重合してなる組成
物の膜厚が1nm以上10μm以下であることを特徴と
する前記18記載の半透膜の製造方法。」、 20.「単量体または単量体混合物が少なくとも2つ以
上の重合可能な二重結合を含む化合物を少なくとも1種
類以上含むことを特徴とする前記18または19記載の
半透膜。」, 21.「半透膜が1.5MPaの操作圧力で透過水量が
0.1m3/(m2・日)以上であるものであることを特徴
とする前記18から20のいずれかに記載の半透膜の製
造方法。」、 22.「半透膜が1500ppm硫酸マグネシウム水溶
液中の硫酸マグネシウムの排除率が10%以上であるこ
とを特徴とする前記18から21のいずれかに記載の半
透膜の製造方法。」および 23.「組成物が熱重合およびまたは光線による重合に
より形成することを特徴とする前記18から22のいず
れかに記載の半透膜の製造方法。」からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における半透膜とは、少な
くとも1つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を少
なくとも1種類以上含む単量体または単量体混合物を重
合してなる組成物からなり、溶液や分散系中の1部の成
分は通すが他の成分は通しにくいような膜を意味する。
【0011】本発明における重合可能な二重結合の例と
してビニル基、ハロゲン化ビニル基、ビニルエステル
基、その他のビニル誘導体、アクリル基、メタクリル
基、その他のアクリル誘導体などが挙げられるがこれら
に限定されるものではない。このような二重結合を有す
る化合物の例として、エチレン、プロピレン、ブテン、
ペンテン、スチレン、ビニルスルホン、p−クロロスチ
レン、p−シアノスチレン、pーフルオロスチレン、p
−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、o−スチレ
ンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナト
リウム、m−スチレンスルホン酸ナトリウム、o−アミ
ノスチレン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレ
ン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−ビニルピリ
ジン、3−ビニルピリジン,4−ビニルピリジン,N−
ビニルカルバゾール、ビニルアミン、2−ビニル安息香
酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、1−ビニルイミダゾール、ブタ
ジエン、4−ビニルスチレン、N−メチルマレイミド、
ジプロピレンエーテル、ジビニルエチレングリコールな
どのビニル基を含有する化合物、アクリル酸およびその
塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アク
リロイルモルホリン、メトキシエチルアクリレート、エ
トキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコ
ールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアク
リレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシ
プロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピ
レングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、
メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリロイルモルホ
リン、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチル
メタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタク
リレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、
メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メト
キシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシ
プロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロ
ピレングリコールメタクリレート、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコ
ハク酸、グリセリンジアクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、ヘキサエチレングリコールジアクリレート、ノナ
エチレングリコールジアクリレート、グリセリンジメタ
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレ
ングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコー
ルジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、3,5−ジアクリルアミド安息香酸、などのア
クリル基、メタクリル基その他のアクリル誘導体を含有
する化合物、フッ化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、四フッ化エチレンなどのハロゲン化ビニル基を含有
する化合物、安息香酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニル
エステル基を含有する化合物などが挙げられるがこれら
に限定されるものではない。また、これら中でも重合反
応性の点からアクリル基、メタクリル基、その他のアク
リル誘導体を含有する化合物が好ましい。
【0012】また、半透膜を水溶液の分離などに用いた
ときに水の選択的透過性を高めるために、ヘテロ原子や
親水性の高い官能基を含有する上記化合物および/また
はヘテロ環構造を有する上記化合物が好ましい。ここ
で、ヘテロ原子とは硫黄原子、酸素原子、窒素原子、リ
ン原子など炭素及び水素原子以外の原子を意味するもの
である。これらのヘテロ原子の中でも硫黄原子、酸素原
子および窒素原子よりなる群から選ばれる少なくとも1
つを含む上記化合物は上記効果が高くより好ましい。ま
た、上記のような原子を含有する官能基や親水性の高い
官能基として、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボ
ニル基、ケト基、アルコキシカルボニル基、アミド基、
シアノ基、ホルミル基、オキソ基、ヒドロキシ基、メル
カプト基、アミノ基、イミノ基、アルキルチオ基、スル
フィニル基、スルホニル基、スルホ基、ニトロ基、ニト
ロソ基、エーテル基などが挙げられる。これらの中で
も、作製した半透膜の耐塩素性が高いケト基、アルコキ
シカルボニル基、エーテル基、スルホニル基、ヒドロキ
シ基、1級アミノ基、、2級アミノ基、3級アミノ基、
アンモニウム塩やカルボキシル基及び/またその塩がよ
り好ましい。ここで、ケト基、アルコキシカルボニル基
とは「岩波書店 理化学辞典 第4版」に定義されてい
るものがその例であり、ケト基とはケトンに由来するカ
ルボニル基を、またアルコキシカルボニル基とはエステ
ルに由来するオキシカルボニル基である。エーテル基と
はジエチルエーテルなどのオキソ基を意味する。また、
溶質の排除性能を高めるためにはヘテロ環、芳香環、シ
クロアルカンなどの環構造を導入することが好ましい。
【0013】単量体または単量体混合物を重合してなる
組成物は化学的安定性(耐薬品性など)の点からビニル
系重合体からなることが好ましく、架橋構造を有してお
れば、さらに化学的安定性や耐久性が向上するためより
好ましい。ここで、ビニル系重合体とは、炭素−炭素間
の二重結合を有する化合物が重合したものを意味する。
【0014】本発明における単量体混合物とは少なくと
も1つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を少なく
とも1種類以上含んでいれば特に限定されるものではな
い。重合してできた組成物の特性を広げるために1つ以
上の重合可能な二重結合を含む化合物を2種類以上含ん
でもよく、また、重合開始剤、重合助剤、重合禁止剤や
その他の添加剤を含んでいてもよく、重合反応性を高め
るために重合開始剤、重合促進剤等を添加する事が好ま
しい。単量体混合物の保存安定性を向上させるために重
合禁止材を含むことが好ましい。ここで、重合開始剤、
重合促進剤とは特に限定されるものではなく、1つ以上
の重合可能な二重結合を含む化合物の構造、重合手法な
どに合わせて適宜選択されるものである。重合開始剤の
例としてはアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合
物、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、ベンゾフェノン
や製品では日本化薬(株)社製の“カヤキュア(Kayacu
re)(登録商標) BP-100”、“カヤキュア(Kayacur
e)(登録商標) BMS”などのベンゾフェノン誘導体、
1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル〕-2-ヒ
ドロキシジ-2-メチル-1-プロパン-1-オンや製品では
チバガイギー社製の“イルガキュア(登録商標)295
9”、“イルガキュア(登録商標)184”、“イルガ
キュア(登録商標)907”、“イルガキュア(登録商
標)651”、“イルガキュア(登録商標)369”、
“ダロキュア(登録商標)1173”などのアセトフェ
ノン誘導体、2、4-ジエチルチオキサントン、1-クロ
ロ-4-プロポキシチオキサントンなどのチオキサントン
誘導体、ビー・エー・エス・エフ(BASF)社製“ルシリ
ン(LUCIRIN)(登録商標) TPO”などのアシルフォス
フィンオキサイド誘導体、ベンゾインイソブチルエーテ
ルなどのベンゾインエーテル誘導体、レドックス開始
剤、芳香族ジアゾニウム塩、ビススルホニウム塩、芳香
族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、アルキルリチウム、クミル
カリウム、ナトリウムナフタレン、ジスチリルジアニオ
ンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。このような重合開始剤の中でも、取り扱いの点から
アゾ化合物、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘
導体、アシルフォスフィンオキサイド誘導体が好ましく
用いられる。
【0015】重合促進剤の例として光増感剤や、光重合
促進剤などが挙げられる。
【0016】少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合
を含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体または
単量体混合物を重合して組成物を得る。ここで、「組成
物」とは複数の種類の化合物からなるものに限られず、
1種類の材料からなるものも含まれる。この組成物の強
度、耐薬品性、耐久性、半透膜の分離性等を向上させる
ため、単量体または単量体混合物が少なくとも2つ以上
の重合可能な二重結合を含む化合物を少なくとも1種類
以上含むことが好ましい。
【0017】作製した半透膜の特性範囲を広げたり、重
合時間を短縮するために、少なくとも1つ以上の重合可
能な二重結合を含む化合物を少なくとも1種類以上含む
単量体混合物が高分子を含んでいてもよく、作製した半
透膜の耐久性向上の点から高分子は架橋点を作製できる
ような官能基を有していることが好ましい。また、コー
ティングなどを行う際に塗れ性を高めるために界面活性
剤などを添加しても良い。ここで界面活性剤とは特に限
定されるものではなく、所望の濡れ性、1つ以上の重合
可能な二重結合を含む化合物の構造などに合わせて適宜
選択されるものである。
【0018】少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合
を含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体または
単量体混合物を重合してなる組成物の厚みを制御するた
めに溶媒を添加することが好ましい。ここで溶媒とは1
つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を希釈可能な
ものであれば特に限定されるものではない。溶媒の例と
して、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ホルムアミド、
ピリジン、アセトニトリルなどのヘテロ原子を含有する
化合物、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタンな
どの脂肪族炭化水素、クロロホルム、四塩化炭素、トリ
クロロエタン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水
素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの
エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのその
他の一般的な有機溶媒、水、二硫化炭素などその他の一
般的な溶媒などが挙げられるが特にこれらに限定される
ものではない。また、これらの溶媒は混合して用いても
良い。
【0019】本発明において半透膜の形態は少なくとも
1つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を少なくと
も1種類以上含む単量体または単量体混合物を重合して
なる組成物が、厚み1nm以上10μm以下で多孔質膜
上および/または膜中にあれば特に限定されがものでは
なく、その形態の例としては平膜、中空糸などが挙げら
れる。中でも、平膜は高性能の半透膜の製造が容易等の
利点がありより好ましい。また、機械的強度の向上をは
かるときには他のものと一緒になっていてもよく、その
時用いられる物の例としては布、不織布、紙などが挙げ
られる。
【0020】少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合
を含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体または
単量体混合物を重合してなる組成物の厚みは1nm以上
10μm以下であれば特に限定されるものではなく、目
的とする半透膜の性能により適宜決定される。しかし、
膜厚が薄すぎると機械的強度が低くなり耐久性が低下し
たり、組成物に欠点が発生する可能性が生じ、逆に厚す
ぎると透過物質の透過速度が遅くなってしまう。そのた
め膜厚は1nm以上10μm以下が必要であり、より透
過速度を向上させたい場合には1nm以上5μm以下が
好ましく、さらに透過速度を向上させ、同時に欠点が発
生する可能性を減少させたい場合には5nm以上1μm
以下が好ましい。組成物の厚みは走査型電子顕微鏡や透
過型電子顕微鏡による観察写真などを解析して測定でき
る。膜厚の測定方法として例えば以下の様な方法があ
る。膜の裏うち材を剥がした後、これを凍結割断法で切
断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金
または白金-パラジウムまたは4酸化ルテニウム、好ま
しくは4酸化ルテニウムを薄くコーティングして3〜6
kVの加速電圧で高分解能電界放射型走査電子顕微鏡
(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放
射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡
などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真から観察倍
率を元に膜厚を決定する。なお、本発明における厚みの
値は平均値を意味するものである。
【0021】本発明において、多孔質膜とは多数の微細
な孔を有しておれば特に限定されるものではない。作製
した半透膜の耐久性と選択的に透過する物質の透過速度
を高めるために、均一な微細な孔あるいは片面からもう
一方の面まで徐々に大きな微細な孔を有する形態の多孔
質膜が好ましい。このような多孔質膜の微細孔の大きさ
は特に限定されるものではないが、より微細な孔を有す
る面の孔径が小さすぎると透過物質の透過速度を低下さ
せてしまい、逆に孔径が大きすぎると組成物の形態保持
性が低下したり組成物中に欠点を発生させる可能性があ
るため、より微細な孔を有する面の孔径が1nm以上1
00nm以下であることが好ましい。多孔質膜の厚みは
特に限定されるものではないが、通常1μm〜数mmで
あり、膜強度の面から10μm以上、 扱いやすさやモ
ジュール加工のしやすさの面で100μm以下が好まし
い。また、多孔質の膜厚および表面の孔の孔径は組成物
と同様にして測定することができる。多孔質膜の素材は
特に限定されるものではないが、通常ポリスルホン誘導
体、ポリフェニレンスルフィドスルホン誘導体、ポリア
クリルアミド誘導体、ポリエーテルスルホン誘導体、セ
ルロース系ポリマー、ポリアミド誘導体、ポリエステル
誘導体、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルホン誘導
体、ポリフェニレンオキシド誘導体などのホモポリマー
あるいはコポリマーを単独であるいはブレンドして用い
られる。ここでセルロース系ポリマーとしては酢酸セル
ロース、硝酸セルロースなどのセルロースエステルな
ど、ビニルポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、塩素化塩化ビニル、ポリアクリ
ロニトリルなどが使用できる。中でも成型性、製造コス
トなどの点からポリスルホン誘導体、ポリフェニレンス
ルフィドスルホン誘導体、ポリアクリルアミド誘導体、
ポリエーテルスルホン誘導体、セルロースエステル、ポ
リ塩化ビニルあるいは塩素化塩化ビニルなどが好まし
く、ポリスルホン誘導体、ポリフェニレンスルフィドス
ルホン誘導体、、ポリエーテルスルホン誘導体、ポリア
ミド、セルロースエステルなどはより好ましく、化学
的、機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易なポリス
ルホンはなお好ましい。また、微多孔性支持膜は、布、
不織布、紙などで裏うちされていてもよい。多孔質膜は
例えば、ポリスルホンのジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を密に織ったポリエステル布あるいは不織布の
上に一定の厚さに注型し、一定時間空気中で表面の溶媒
を除去した後、水などの凝固液中で凝固させることによ
って得ることができるが本発明の多孔質膜はこれらの作
製方法で限定されるものではない。
【0022】次に本発明における半透膜の製造方法を述
べる。
【0023】本発明における少なくとも1つ以上の重合
可能な二重結合を含む化合物を少なくとも1種類以上含
む単量体または単量体混合物の重合方法は特に限定され
るものでなく、熱重合、光線による重合、電子線重合、
放射線重合、プラズマ重合、その他の一般的な重合方法
により重合を行うことができる。ここで、光線とは電磁
波を意味するものであり赤外線、紫外線、X線、γ線等
を含み、「岩波書店理化学辞典 第4版(1987年発
行)、864頁、電磁波」の項目に定義されているもの
がその例である。実際に重合を行う際は、少なくとも1
つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を少なくとも
1種類以上含む単量体または単量体混合物に含まれるも
のの構造、生産性、コストなどにより適宜最適な重合方
法を選択すればよいが、被重合物の適用範囲の広さや装
置の簡便さなどの点から熱重合が、また、ランニングコ
ストなどの点から赤外線重合、紫外線重合などの光線に
よる重合が好ましく、さらには局所的に重合を行うこと
が容易である赤外線重合や紫外線重合がより好ましい。
ここで、赤外線、紫外線とは「岩波書店 理化学辞典
第4版」に定義されているものがその例である。実際に
赤外線、紫外線を用い重合を行う際、これらの光線の光
源は選択的にこれらの光を発生する必要はなく、これら
の光線を含むものであればよい。しかし、重合時間の短
縮、重合条件の制御などのしやすさの点から、これらの
光線の強度がその他の波長域の光線に比べ高いことが好
ましい。少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合を含
む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体または単量
体混合物を重合しできる組成物の厚み、形態はそれぞれ
の重合条件によっても大きく変化することがあり、熱重
合であれば温度、処理時間などにより、また、光線によ
る重合であれば光の波長、強度、被照射物との距離、処
理時間により大きく変化することがある。そのためこれ
らの条件は適宜最適化を行う必要がある。
【0024】少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合
を含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体または
単量体混合物を重合してなる組成物の製造方法は特に限
定されるものではないが、その例として多孔質膜を単量
体あるいは単量体混合物中に浸漬し、引き上げ、それに
熱をかけたり、同時にまたは別に紫外線や赤外線を照射
し重合する事ができる。また、組成物を薄く、均一に、
ピンホールなく作製する方法として、単量体あるいは単
量体混合物とそれと混ざらない溶液あるいは固体を接触
させ、その界面で組成物を作製する方法もある。このと
き界面は多孔質膜中あるいは膜上になるようにする。
【0025】組成物の厚みは単量体混合物の組成、引き
上げ速度、熱、赤外線、紫外線の処理時間などで制御す
ることができる。厚みが薄く、架橋構造が導入された組
成物を作製する際、たとえば10μm以下の架橋構造を
有する組成物を作製する際には組成物の機械的強度を保
つため多孔質膜上あるいは膜中で重合する事が好まし
い。なお、ここに挙げた手法はあくまで例であり、半透
膜の製膜方法はこれらに限定されるものではない。
【0026】透過水量を高めるために少なくとも1つ以
上の重合可能な二重結合を含む化合物を少なくとも1種
類以上含む単量体または単量体混合物を重合してなる組
成物を薄くする場合がある。ここではその例として単量
体あるいは単量体混合物を多孔質膜上および/または膜
中で紫外線を用い重合する場合を挙げ説明する。
【0027】半透膜の選択的透過物質の透過速度を高め
るために、まず、1つ以上の重合可能な二重結合を含む
化合物を多孔質膜に含浸させる。このとき、作製した組
成物の厚みを10μm以下にしたいときは水、あるいは
一般的な有機溶媒を用い希釈することが好ましいが、1
つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物の濃度は50
重量%以下が好ましく、より薄くしたいときは20重量
%以下にするのが好ましく、さらに薄くしたいときは1
0重量%以下にするのが好ましい。次に浸漬した多孔質
膜をディップ装置により引き上げる。このとき、10μ
m以下にしたいときは100cm/min以下にするの
が好ましく、より薄くしたいときは50cm/min以
下が好ましく、さらに薄くしたいときは30cm/mi
n以下にするのが好ましい。また、その他の手法として
エアーナイフなどの風量などにより膜厚を制御すること
も可能である。次に引き上げた多孔質膜に紫外線を照射
する。このとき作製した組成物の厚みを10μm以下に
したいときはUV照射時間を30分以下にするのが好ま
しく、より薄くしたいときは10分以下、さらに薄くし
たいときは5分以下が好ましい。なお、UV処理時間を
長くすると作製した組成物の構造が破壊され、透過水量
が増加することもある。ここで使用する紫外線照射装置
は特に限定されるものではなく、その例として高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、低圧水銀
灯、エキシマランプなどが挙げられる。中でも高効率で
低波長の紫外線を照射できる低圧水銀灯、エキシマラン
プは薄膜形製性が高くより好ましい。
【0028】本発明の半透膜は、 スパイラル、チュー
ブラー、プレート・アンド・フレームのモジュールに組
み込んで、また中空糸は束ねた上でモジュールに組み込
んで使用することができるが、本発明はこれらの使用形
態に限定されるものではない。
【0029】本発明の半透膜を使用する際、装置の簡素
化、膜交換などの使用時の作業の簡略化、膜の充填効率
向上などの点からモジュール内に組み込んで使用するこ
とがあるが使用する際の圧力は特に限定されるものでは
ないが高すぎると膜が変形し、特性が変化する可能性が
あり、また、低すぎると選択的な分離性能が低下する可
能性があるため0.01〜20MPaが好ましく、より
好ましくは0.05〜10MPaである。
【0030】また、選択的に分離するものは特に限定さ
れるものではなく、水溶液、有機物を含有する溶液など
が挙げられるがなかでも水溶液に対する効果が高く、特
に高濃度かん水、海水の淡水化に効果が大きい。また、
耐塩素性に優れることから塩素濃度が高い水の浄化にも
効果が高い。例えば上水の浄化や食品製造用水への適用
が可能である。
【0031】半透膜の透過水量は特に限定されるもので
はないが、半透膜を使用したシステムの簡素化、省スペ
ース化、造水コストの低下などの点から操作圧力が1.
5MPaで0.1m3/(m2・日)以上であることが好ま
しく、さらにエネルギーコストの低減の点から1.0m3
/(m2・日)以上であればさらに好ましく、2.0m3/
(m2・日)以上であればなお好ましい。
【0032】半透膜の分離性能は特に限定されるもので
はなく、用途に応じ適宜設定されるものであるが、低す
ぎると用途が限定されるため、1500ppmの硫酸マ
グネシウム水溶液中の硫酸マグネシウムの排除性能が1
0%以上であれば好ましく、50%以上であればより好
ましく、70%以上であればさらに好ましい。この時の
操作圧力は特に限定されるものではないが0.01MP
a以上1.5MPa以下で上記排除性能が満たされれば
なお好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。
【0034】なお、以下の実施例において半透膜の排除
率(Rej)は次式1で計算され、半透膜の透過速度(Flu
x)は次式2で計算されるものである。
【0035】 Rej(%)={(供給液の濃度−透過液の濃度)/供給液の濃度}×100 式1 Flux(m3・m-2・日-1)=(一日の透過液量)/(膜面積) 式2 参考例1 本発明において使用した繊維で補強した多孔質膜(以下
繊維補強多孔質膜と称する)は、以下の手法によりし
た。
【0036】タテ30cm、ヨコ20cmの大きさのポリエ
ステル繊維からなるタフタ(タテ糸、ヨコ糸とも150
デニ−ルのマルチフィラメント糸、織密度タテ90本/
インチ、ヨコ67本/インチ、厚さ160μm)をガラ
ス板上に固定し、その上にポリスルホン(アモコ社製の
Udel P−3500)の15重量%ジメチルホルム
アミド(DMF)溶液を200μの厚みで室温(20
℃)でキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放
置することによって繊維補強多孔質膜をする。このよう
にして得られた繊維補強多孔質膜の純水透過係数は、圧
力0.1MPa、温度25℃で測定して0.005〜0.
01kg/cm2・sec・atm(約0.001〜0.
002g/(cm2・sec・MPa)であった。
【0037】また、得られた繊維補強多孔質膜の表面の
孔径は20〜50nmであった。
【0038】実施例1 参考例1に従って製造した繊維補強多孔質膜をアクリロ
イルモルホリン7重量%、9EG−A(共栄社化学
(株)社製多官能アクリルモノマー)3重量%、”イル
ガキュア2959”(チバガイギー社製開始剤)0.3
重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量%を含む水
溶液中に5分間浸漬した。ディッピング法により該多孔
質膜を引き上げ速度20cm/minで水溶液中から引
き上げ、172nmの紫外線が照射出来るウシオ電機社
製エキシマランプ UER20−172を用い、ランプ
と多孔質膜の距離を1cmに設定し紫外線を30秒照射
し、半透膜を作製した。
【0039】このようにして得られた半透膜をpH6.
5に調整した1500ppm食塩水を原水とし、1.5
MPa、25℃の条件下で逆浸透テストを行った結果、
表1に示した性能が得られた。また、同様に2000p
pmMgSO4水溶液をを原水とし、逆浸透テストを行っ
た結果を表1に示す。また、この時得られた組成物の厚
みはUHR−FE−SEMで確認を行ったところ平均で
500nmであった。
【0040】実施例2 参考例1で作製した繊維補強多孔質膜を9EG−A 1
0重量%、”イルガキュア2959”0.1重量%、ラ
ウリル硫酸ナトリウム0.1重量%を含む水溶液中に浸
漬する以外は実施例1と同様にして半透膜を作製した。
また、このようにして得られた半透膜を実施例1と同様
にして評価を行い、表1に示す性能が得られた。
【0041】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0042】実施例3 参考例1でアクリロイルモルホリンを1−ビニルイミダ
ゾールに代える以外は実施例1と同様にして半透膜を作
製した。また、このようにして得られた半透膜を実施例
1と同様にして評価を行い、表1に示す性能が得られ
た。
【0043】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0044】実施例4 参考例1でアクリロイルモルホリンを1−ビニル−2−
ピロリジノンに代える以外は実施例1と同様にして半透
膜を作製した。また、このようにして得られた半透膜を
実施例1と同様にして評価を行い、表1に示す性能が得
られた。
【0045】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0046】実施例5 参考例1でアクリロイルモルホリンをジメチルアクリル
アミドに代える以外は実施例1と同様にして半透膜を作
製した。また、このようにして得られた半透膜を実施例
1と同様にして評価を行い、表1に示す性能が得られ
た。
【0047】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0048】実施例6 参考例1でアクリロイルモルホリンをヘキシルエチルメ
タアクリレートに代える以外は実施例1と同様にして半
透膜を作製した。また、このようにして得られた半透膜
を実施例1と同様にして評価を行い、表1に示す性能が
得られた。
【0049】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0050】実施例7 参考例1でアクリロイルモルホリンをアクリル酸に代え
る以外は実施例1と同様にして半透膜を作製した。ま
た、このようにして得られた半透膜を実施例1と同様に
して評価を行い、表1に示す性能が得られた。
【0051】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0052】実施例8 実施例1において、紫外線を照射する代わりにナショナ
ル製赤外線電球Tを用い、ランプと多孔質膜の距離を2
0cmにして赤外線を5分間照射する以外は実施例1と
同様にして半透膜を作製した。また、このようにして得
られた半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表1
に示す性能が得られた。
【0053】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0054】実施例9 実施例1において紫外線を照射する代わりに、70℃の
熱風で10分間処理する以外は同様にして半透膜を作製
した。また、このようにして得られた半透膜を実施例1
と同様にして評価を行い、表1に示す性能が得られた。
【0055】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で800n
mであった。 実施例10 アクリロイルモルホリン50重量%、VA−61(和光
純薬工業(株)社製水溶性開始剤)1.5重量%を含む
水溶液をガラスアンプル中で凍結脱気し、60度で5時
間重合を行う。作製したポリマー35重量%に9EG−
A(共栄社化学(株)社製多官能アクリルモノマー)1
5重量%、"イルガキュア2959"(チバガイギー社製
開始剤)0.45重量%を添加した水溶液を作製し、そ
の水溶液を実施例1に従って製造した繊維補強多孔質膜
表面に塗布し、ウシオ電機社製エキシマランプ UER
20−172を用い、ランプと多孔質膜の距離を1cm
に設定し紫外線を5分照射し、半透膜を作製した。得ら
れた半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表1に
示す性能が得られた。
【0056】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で5μmで
あった。
【0057】実施例11 参考例1で作製した繊維補強多孔質膜を3,5−ジアミ
ノ安息香酸 10.0重量%、”イルガキュア295
9”0.2重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量%
を含む水溶液中に浸漬する以外は実施例1と同様にして
半透膜をした。また、このようにして得られた半透膜を
実施例1と同様にして評価を行い、表1に示す性能が得
られた。
【0058】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0059】実施例12 参考例1で作製した繊維補強多孔質膜をジアリロキシア
セティックアシッドソディウムソルト 10重量%、”
イルガキュア2959”0.2重量%を含む水溶液中に
浸漬し、ウシオ電機社製高出力エキシマランプ UER
20H−172を用い、ランプと多孔質膜の距離を1c
mに設定し、紫外線を60秒照射する以外は実施例1と
同様にして半透膜をした。また、このようにして得られ
た半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表1に示
す性能が得られた。
【0060】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で250n
mであった。
【0061】実施例13 参考例1で作製した繊維補強多孔質膜をエチレンジアク
リレート 2.1重量%、アクリル酸 7.9重量
%、”イルガキュア2959”0.5重量%を含む水溶
液中に浸漬し、紫外線照射後に0.1重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液に10分浸漬する以外は実施例1と同様
にして半透膜を作製した。また、このようにして得られ
た半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表1に示
す性能が得られた。
【0062】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で500n
mであった。
【0063】比較例1 アクリロイルモルホリン35重量%、9EG−A(共栄
社化学(株)社製多官能アクリルモノマー)15重量
%、VA−61(和光純薬工業(株)社製水溶性開始
剤)1.5重量%を含む水溶液をガラスアンプル中で凍
結脱気し、80度で5時間重合を行う。できたポリマー
溶液をガラス板上にバーコート法により30μmの厚み
で塗布し、乾燥し半透膜を作製した。このようにして得
られた半透膜を実施例1と同様にして評価を行い、表1
に示す性能が得られた。
【0064】
【表1】
【0065】なお、この時得られた組成物の厚みをUH
R−FE−SEMで確認を行ったところ平均で20μm
であった。
【0066】
【発明の効果】本発明により、耐久性、選択透過性に優
れた半透膜およびその製造方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 71/40 B01D 71/40 71/68 71/68

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重結
    合を含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体また
    は単量体混合物を重合してなる組成物が厚みが1nm以
    上10μm以下で多孔質膜上および/または膜中にある
    ことを特徴とする半透膜。
  2. 【請求項2】 単量体または単量体混合物が少なくとも
    2つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を1種類以
    上含むことを特徴とする請求項1記載の半透膜。
  3. 【請求項3】 組成物が架橋構造を有することを特徴と
    する請求項1または2記載の半透膜。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重結
    合を含む化合物が少なくとも1種類以上のヘテロ原子を
    有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載の半透膜。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重結
    合を含む化合物が、アルコキシカルボニル基および/ま
    たはケト基を含有することを特徴とする請求項4記載の
    半透膜。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重結
    合を含む化合物がカルボキシル基および/またはその塩
    を含有することを特徴とする請求項4記載の半透膜。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重結
    合を含む化合物がアクリル基あるいはその誘導体を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の半透膜。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重結
    合を含む化合物が少なくとも1つ以上の環構造を含有す
    ることを特徴とする請求項4記載の半透膜。
  9. 【請求項9】 多孔質膜が、ポリスルホン誘導体、ポリ
    フェニレンスルフィドスルホン誘導体、ポリアクリルア
    ミド誘導体、ポリエーテルスルホン誘導体、セルロース
    エステル、ポリ塩化ビニルあるいは塩素化塩化ビニルか
    らなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記
    載の半透膜。
  10. 【請求項10】 多孔質膜が、ポリスルホン誘導体、ポ
    リフェニレンスルフィドスルホン誘導体、ポリエーテル
    スルホン誘導体、ポリアミドあるいはセルロースエステ
    ルからなることを特徴とする請求項9記載の半透膜。
  11. 【請求項11】 多孔質膜が表面に1nm以上100n
    m以下の孔径の孔を有することを特徴とする請求項1か
    ら10のいずれかに記載の半透膜。
  12. 【請求項12】 厚みが1nm以上10μm以下である
    架橋ビニル系重合体薄膜組成物が多孔質膜上および/ま
    たは膜中にあることを特徴とする半透膜。
  13. 【請求項13】 半透膜が平膜であることを特徴とする
    請求項1から12のいずれかに記載の半透膜。
  14. 【請求項14】 重合可能な二重結合を1つ含む化合物
    の分子量が600以下であることを特徴とする請求項1
    から13のいずれかに記載の半透膜。
  15. 【請求項15】 重合可能な二重結合を1つ含む化合物
    の炭素数が34以下であることを特徴とする請求項1か
    ら13のいずれかに記載の半透膜。
  16. 【請求項16】 1.5MPaの操作圧力で透過水量が
    0.1m3/(m2・日)以上であることを特徴とする請求
    項1から15のいずれかに記載の半透膜。
  17. 【請求項17】 1500ppm硫酸マグネシウム水溶
    液中の硫酸マグネシウムの排除率が10%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の半
    透膜
  18. 【請求項18】 少なくとも1つ以上の重合可能な二重
    結合を含む化合物を少なくとも1種類以上含む単量体ま
    たは単量体混合物を重合してなる組成物を多孔質膜上お
    よび/または膜中で重合し形成することを特徴とする半
    透膜の製造方法。
  19. 【請求項19】 単量体または単量体混合物を重合して
    なる組成物の膜厚が1nm以上10μm以下であること
    を特徴とする請求項18記載の半透膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 単量体または単量体混合物が少なくと
    も2つ以上の重合可能な二重結合を含む化合物を少なく
    とも1種類以上含むことを特徴とする請求項18または
    19記載の半透膜の製造方法。
  21. 【請求項21】 半透膜が1.5MPaの操作圧力で透
    過水量が0.1m3/(m2・日)以上であるものであるこ
    とを特徴とする請求項18から20のいずれかに記載の
    半透膜の製造方法。
  22. 【請求項22】 半透膜が1500ppm硫酸マグネシ
    ウム水溶液中の硫酸マグネシウムの排除率が10%以上
    であることを特徴とする請求項18から21のいずれか
    に記載の半透膜の製造方法。
  23. 【請求項23】 組成物が熱重合および/または光線に
    よる重合により形成することを特徴とする請求項18か
    ら22のいずれかに記載の半透膜の製造方法。
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JP2006104360A (ja) * 2004-10-06 2006-04-20 Nitto Boseki Co Ltd アクリロイルモルフォリン−二酸化イオウ共重合体およびその製造方法
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