JPH11165052A - 半透膜およびその製造方法 - Google Patents
半透膜およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH11165052A JPH11165052A JP33437697A JP33437697A JPH11165052A JP H11165052 A JPH11165052 A JP H11165052A JP 33437697 A JP33437697 A JP 33437697A JP 33437697 A JP33437697 A JP 33437697A JP H11165052 A JPH11165052 A JP H11165052A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semipermeable membrane
- porous support
- formula
- chemical formula
- polymerization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高い脱塩性能と高い透過水性を両立した新規な
半透膜およびその製造方法の提供。 【解決手段】多孔性支持体上に化学式(I) 【化1】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるユニットを有するポリマーからなる超薄膜の緻密
層を持つことを特徴とする半透膜。
半透膜およびその製造方法の提供。 【解決手段】多孔性支持体上に化学式(I) 【化1】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるユニットを有するポリマーからなる超薄膜の緻密
層を持つことを特徴とする半透膜。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規半透膜および
その製造方法に関する。
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工業的に利用されている半透膜に
は、非対称膜型の酢酸セルロース膜があった(例えば、
米国特許第3,133,132号明細書、同第3,13
3,137号明細書)。しかし、この膜は耐加水分解
性、耐微生物性などに問題があり、塩排除率、水透過性
も十分ではなかった。このため、酢酸セルロース非対称
膜は一部の用途には使用されているが、広範囲の用途に
実用化されるには至っていない。
は、非対称膜型の酢酸セルロース膜があった(例えば、
米国特許第3,133,132号明細書、同第3,13
3,137号明細書)。しかし、この膜は耐加水分解
性、耐微生物性などに問題があり、塩排除率、水透過性
も十分ではなかった。このため、酢酸セルロース非対称
膜は一部の用途には使用されているが、広範囲の用途に
実用化されるには至っていない。
【0003】これらの欠点を補うべく、非対称膜とは形
態を異にする半透膜として、多孔質膜上に異なる素材で
実質的に膜分離性能をつかさどる分離機能層を被覆した
複合膜が考案された。複合膜では、分離機能層と微多孔
性支持膜の各々に最適な素材を選択することが可能であ
り、製膜技術も種々の方法を選択できる。現在市販され
ている複合膜の大部分は、多孔質膜上でモノマーを界面
重縮合したものであり、分離機能層にはポリアミドが用
いられている。この具体例としては、米国特許第3,7
44,942号明細書、同第3,926,798号明細
書、同第4,277,344号明細書、特開昭55−1
47106号公報、同58−24303号公報、同62
−121603号公報がある。
態を異にする半透膜として、多孔質膜上に異なる素材で
実質的に膜分離性能をつかさどる分離機能層を被覆した
複合膜が考案された。複合膜では、分離機能層と微多孔
性支持膜の各々に最適な素材を選択することが可能であ
り、製膜技術も種々の方法を選択できる。現在市販され
ている複合膜の大部分は、多孔質膜上でモノマーを界面
重縮合したものであり、分離機能層にはポリアミドが用
いられている。この具体例としては、米国特許第3,7
44,942号明細書、同第3,926,798号明細
書、同第4,277,344号明細書、特開昭55−1
47106号公報、同58−24303号公報、同62
−121603号公報がある。
【0004】これらの複合膜では酢酸セルロース非対称
膜よりも高い脱塩性能や透過水性が得られている。しか
しながらこのようなポリアミドを用いた半透膜は、主鎖
にアミド結合を有するため耐久性が未だ不十分であり、
膜の殺菌に用いられる塩素、過酸化水素などで処理する
ことにより、脱塩性能や選択的な分離性能の低下などの
劣化が起こる。このため、この半透膜の使用に際しては
運転条件の制約が必要となる。
膜よりも高い脱塩性能や透過水性が得られている。しか
しながらこのようなポリアミドを用いた半透膜は、主鎖
にアミド結合を有するため耐久性が未だ不十分であり、
膜の殺菌に用いられる塩素、過酸化水素などで処理する
ことにより、脱塩性能や選択的な分離性能の低下などの
劣化が起こる。このため、この半透膜の使用に際しては
運転条件の制約が必要となる。
【0005】一方これらの多孔質膜上でモノマーを界面
重縮合して得られる複合膜とは異なり、多孔質膜上で重
合可能な二重結合を有するモノマーを重合して得られる
複合膜の研究もなされていた。この具体例としては、特
開昭58−49404号公報、特開平4−358529
号公報、特開平5−131124号公報、特開平6−3
47号公報、特公平3−63418号公報、特公平4−
75051号公報、特公平5−27447号公報があ
る。これらの方法で得られる複合膜は、製膜技術の汎用
性が高いこと、原料であるモノマーの選択肢が広いこ
と、耐久性が不十分なアミド結合を主鎖に導入する必要
がないことなどの利点がある。
重縮合して得られる複合膜とは異なり、多孔質膜上で重
合可能な二重結合を有するモノマーを重合して得られる
複合膜の研究もなされていた。この具体例としては、特
開昭58−49404号公報、特開平4−358529
号公報、特開平5−131124号公報、特開平6−3
47号公報、特公平3−63418号公報、特公平4−
75051号公報、特公平5−27447号公報があ
る。これらの方法で得られる複合膜は、製膜技術の汎用
性が高いこと、原料であるモノマーの選択肢が広いこ
と、耐久性が不十分なアミド結合を主鎖に導入する必要
がないことなどの利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような多孔質膜上で重合可能な二重結合を有するモノマ
ーを重合して得られる複合膜型の半透膜においては、現
在のところ高い脱塩性能と高い透過水性を両立したもの
は得られていない。
ような多孔質膜上で重合可能な二重結合を有するモノマ
ーを重合して得られる複合膜型の半透膜においては、現
在のところ高い脱塩性能と高い透過水性を両立したもの
は得られていない。
【0007】本発明はかかる従来技術の欠点を改良し、
高い脱塩性能と高い透過水性を両立した新規半透膜およ
びその製造方法を提供することをその課題とする。
高い脱塩性能と高い透過水性を両立した新規半透膜およ
びその製造方法を提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明は下記の構成からなる。すなわち、 1.「多孔性支持体上に化学式(I)
め、本発明は下記の構成からなる。すなわち、 1.「多孔性支持体上に化学式(I)
【化3】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるユニットを有するポリマーからなる薄膜層を持つ
ことを特徴とする半透膜。」、 2.「多孔性支持体上に前記1記載の化学式(I)で表さ
れるユニットの重量分率が10〜90%である薄膜層を
持つことを特徴とする半透膜。」、 3.「多孔性支持体上の薄膜層の膜厚が、10nm〜1
00μmであることを特徴とする前記1または2記載の
半透膜。」、 4.「多孔性支持体がポリスルホン、ポリフェニレンス
ルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリエー
テルスルホン、セルロースエステル、ポリアクリロニト
リル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリハロゲン化
ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミドまたは
ポリアミドイミドを必須成分とする前記1〜3いずれか
記載の半透膜。」、 5.「多孔性支持体上で化学式(II)
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるユニットを有するポリマーからなる薄膜層を持つ
ことを特徴とする半透膜。」、 2.「多孔性支持体上に前記1記載の化学式(I)で表さ
れるユニットの重量分率が10〜90%である薄膜層を
持つことを特徴とする半透膜。」、 3.「多孔性支持体上の薄膜層の膜厚が、10nm〜1
00μmであることを特徴とする前記1または2記載の
半透膜。」、 4.「多孔性支持体がポリスルホン、ポリフェニレンス
ルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリエー
テルスルホン、セルロースエステル、ポリアクリロニト
リル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリハロゲン化
ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミドまたは
ポリアミドイミドを必須成分とする前記1〜3いずれか
記載の半透膜。」、 5.「多孔性支持体上で化学式(II)
【化4】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体を重合させ
ることを特徴とする半透膜の製造方法。」、 6.「重合が、前記5記載の化学式(II)で示されるベン
ゼン誘導体を含有する溶液を、多孔性支持体に塗布また
は含浸せしめた後、行われるものである前記5記載の半
透膜の製造方法。」、 7.「重合が、加熱またはエネルギー線の照射による操
作を伴うものである前記5または6記載の半透膜の製造
方法。」、 8.「重合が、前記5記載の化学式(II)で示される化合
物10〜90重量%およびそれ以外の付加重合性モノマ
ー90〜10重量%からなるモノマー混合物の存在下で
行われるものである前記5〜7いずれかの半透膜の製造
方法。」、 9.「多孔性支持体がポリスルホン、ポリフェニレンス
ルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリエー
テルスルホン、セルロースエステル、ポリアクリロニト
リル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリハロゲン化
ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミドまたは
ポリアミドイミドを必須成分とする前記5〜8いずれか
記載の半透膜の製造方法。」、 10.「前記5記載の化学式(II)で表されるビニル基を
2つ有するベンゼン誘導体とそれ以外の付加重合性モノ
マーとを重合して得られる架橋構造重合体。」、 11.「前記5記載の化学式(II)で表されるビニル基を
2つ有するベンゼン誘導体が10〜90重量%、それ以
外の付加重合性モノマーが90〜10重量%の関係にあ
ることを特徴とする、前記10記載の架橋構造重合
体。」および 12.「水溶液からの分離用である前記1〜4いずれか
の半透膜。」からなる。
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体を重合させ
ることを特徴とする半透膜の製造方法。」、 6.「重合が、前記5記載の化学式(II)で示されるベン
ゼン誘導体を含有する溶液を、多孔性支持体に塗布また
は含浸せしめた後、行われるものである前記5記載の半
透膜の製造方法。」、 7.「重合が、加熱またはエネルギー線の照射による操
作を伴うものである前記5または6記載の半透膜の製造
方法。」、 8.「重合が、前記5記載の化学式(II)で示される化合
物10〜90重量%およびそれ以外の付加重合性モノマ
ー90〜10重量%からなるモノマー混合物の存在下で
行われるものである前記5〜7いずれかの半透膜の製造
方法。」、 9.「多孔性支持体がポリスルホン、ポリフェニレンス
ルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリエー
テルスルホン、セルロースエステル、ポリアクリロニト
リル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリハロゲン化
ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミドまたは
ポリアミドイミドを必須成分とする前記5〜8いずれか
記載の半透膜の製造方法。」、 10.「前記5記載の化学式(II)で表されるビニル基を
2つ有するベンゼン誘導体とそれ以外の付加重合性モノ
マーとを重合して得られる架橋構造重合体。」、 11.「前記5記載の化学式(II)で表されるビニル基を
2つ有するベンゼン誘導体が10〜90重量%、それ以
外の付加重合性モノマーが90〜10重量%の関係にあ
ることを特徴とする、前記10記載の架橋構造重合
体。」および 12.「水溶液からの分離用である前記1〜4いずれか
の半透膜。」からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における多孔性支持体と
は、多数の微細な孔を有しておれば特に限定されるもの
ではない。また、その形状も特に限定されるものではな
いが、平膜状あるいは中空糸状のものが好ましい。ま
た、多孔性支持体の素材としては特に限定されるもので
はないが、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドス
ルホン、ポリフェニレンスルフォン、ポリエーテルスル
ホン、セルロースエステル、ポリアクリロニトリル、ポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリハロゲン化ビニル、
ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイ
ミドなどのホモポリマーあるいは上記構造からのコポリ
マーが好ましく、さらにこれらの素材の中でも化学的、
機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることか
らポリスルホンが一般的に用いられる。また、特に化学
的、熱的安定性が求められる場合には、ポリフェニレン
スルフィドスルホンやポリフェニレンスルフォンを用い
ることもできる。 さらに多孔性支持体は、布、不織
布、紙などで裏打ちされていてもよい。多孔性支持体は
例えば、ポリスルホンのジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を密に織ったポリエステル布あるいは不織布の
上に一定の厚さに注型し、一定時間空気中で表面の溶媒
を除去した後、水などの凝固液中で凝固させることによ
って得ることができるが、本発明における多孔性支持体
は、これらの作成方法で限定されるものではない。
は、多数の微細な孔を有しておれば特に限定されるもの
ではない。また、その形状も特に限定されるものではな
いが、平膜状あるいは中空糸状のものが好ましい。ま
た、多孔性支持体の素材としては特に限定されるもので
はないが、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドス
ルホン、ポリフェニレンスルフォン、ポリエーテルスル
ホン、セルロースエステル、ポリアクリロニトリル、ポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリハロゲン化ビニル、
ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイ
ミドなどのホモポリマーあるいは上記構造からのコポリ
マーが好ましく、さらにこれらの素材の中でも化学的、
機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることか
らポリスルホンが一般的に用いられる。また、特に化学
的、熱的安定性が求められる場合には、ポリフェニレン
スルフィドスルホンやポリフェニレンスルフォンを用い
ることもできる。 さらに多孔性支持体は、布、不織
布、紙などで裏打ちされていてもよい。多孔性支持体は
例えば、ポリスルホンのジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を密に織ったポリエステル布あるいは不織布の
上に一定の厚さに注型し、一定時間空気中で表面の溶媒
を除去した後、水などの凝固液中で凝固させることによ
って得ることができるが、本発明における多孔性支持体
は、これらの作成方法で限定されるものではない。
【0010】本発明における化学式(I)
【化5】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるユニットは、2つのアミド基と1つのカルボキシ
ル基が、ベンゼン環上でどのような位置関係にあっても
よい。例えば、ベンゼン環上のカルボキシル基の位置番
号を1として、ベンゼン環上の残りの5箇所の位置番号
を順に2、3、4、5、6とした場合、2つのアミド基
の位置番号の組み合わせが2−3、2−4、2−5、2
−6、3−4、3−5のいずれであってもよい。ここで
例えば2つのアミド基の位置番号の組み合わせが3−5
であるとは、化学式(I)で表されるユニットが以下の化
学式(III)で表されることを意味する。
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるユニットは、2つのアミド基と1つのカルボキシ
ル基が、ベンゼン環上でどのような位置関係にあっても
よい。例えば、ベンゼン環上のカルボキシル基の位置番
号を1として、ベンゼン環上の残りの5箇所の位置番号
を順に2、3、4、5、6とした場合、2つのアミド基
の位置番号の組み合わせが2−3、2−4、2−5、2
−6、3−4、3−5のいずれであってもよい。ここで
例えば2つのアミド基の位置番号の組み合わせが3−5
であるとは、化学式(I)で表されるユニットが以下の化
学式(III)で表されることを意味する。
【化6】 (式中Xは化学式(I)の場合と同じ)また、本発明にお
ける化学式(I)で表されるユニットを有するポリマー
は、2つのアミド基と1つのカルボキシル基のベンゼン
環上での位置関係が上記のように異なる1種または数種
の化学式(I)で表されるユニットを、同時に含んでいて
もかまわない。
ける化学式(I)で表されるユニットを有するポリマー
は、2つのアミド基と1つのカルボキシル基のベンゼン
環上での位置関係が上記のように異なる1種または数種
の化学式(I)で表されるユニットを、同時に含んでいて
もかまわない。
【0011】本発明における化学式(I)で表されるユニ
ットは、カルボキシル基が塩であってもよい。塩として
は、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属
塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属
塩、アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアン
モニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアン
モニウムなどのアンモニウム塩が例示されるが、特にこ
れらに限定されるものではない。
ットは、カルボキシル基が塩であってもよい。塩として
は、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属
塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属
塩、アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアン
モニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアン
モニウムなどのアンモニウム塩が例示されるが、特にこ
れらに限定されるものではない。
【0012】またこれらのユニット以外の共重合ユニッ
トとしては、後述のモノマー類のうちビニル重合可能な
ユニットが挙げられ、これらの1種または数種が含まれ
ていてもかまわない。
トとしては、後述のモノマー類のうちビニル重合可能な
ユニットが挙げられ、これらの1種または数種が含まれ
ていてもかまわない。
【0013】本発明における多孔性支持体上に薄膜層を
有する半透膜としては、薄膜層は、多孔性支持体上にあ
ってもよいし、多孔性支持体の多孔層に含浸された状態
であってもよい。この超薄膜の緻密層の厚さは、半透膜
全体のうち超薄膜の緻密層が存在する範囲をいうが、1
0nm〜100μmが望ましく、さらには緻密層の膜厚
が薄すぎても欠陥ができやすくなり、厚すぎても膜を透
過する物質に対する抵抗が大きくなるため、20nm〜
10μmがより望ましい。また、多孔性支持体上に超薄
膜の緻密層を有する半透膜全体の厚さは、1μm〜1c
mが望ましく、さらにはあまり薄すぎても耐圧性が低く
なり、厚すぎても単位体積あたりの物質の透過量が減少
するため、10μm〜2mmがより望ましい。
有する半透膜としては、薄膜層は、多孔性支持体上にあ
ってもよいし、多孔性支持体の多孔層に含浸された状態
であってもよい。この超薄膜の緻密層の厚さは、半透膜
全体のうち超薄膜の緻密層が存在する範囲をいうが、1
0nm〜100μmが望ましく、さらには緻密層の膜厚
が薄すぎても欠陥ができやすくなり、厚すぎても膜を透
過する物質に対する抵抗が大きくなるため、20nm〜
10μmがより望ましい。また、多孔性支持体上に超薄
膜の緻密層を有する半透膜全体の厚さは、1μm〜1c
mが望ましく、さらにはあまり薄すぎても耐圧性が低く
なり、厚すぎても単位体積あたりの物質の透過量が減少
するため、10μm〜2mmがより望ましい。
【0014】次に本発明の半透膜の製造方法について説
明する。
明する。
【0015】製造にあたっては、多孔性支持体上で化学
式(II)
式(II)
【化7】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体を重合させ
ることで得ることができる。
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体を重合させ
ることで得ることができる。
【0016】本発明における化学式(II)で表されるビニ
ル基を2つ有するベンゼン誘導体は、2つのアミド基と
1つのカルボキシル基が、ベンゼン環上でどのような位
置関係にあってもよい。例えば、ベンゼン環上のカルボ
キシル基の位置番号を1として、ベンゼン環上の残りの
5箇所の位置番号を順に2、3、4、5、6とした場
合、2つのアミド基の位置番号の組み合わせが2−3、
2−4、2−5、2−6、3−4、3−5のいずれであ
ってもよい。より好ましくは重合課程においてラジカル
の安定性がもっとも高く、重合反応性が最も高いと思わ
れる、2つのアミド基の位置番号の組み合わせが3−5
であることがより望ましい。ここで2つのアミド基の位
置番号の組み合わせが3−5であるとは、化学式(II)で
表されるモノマーが以下の化学式(IV)で表されることを
意味する。
ル基を2つ有するベンゼン誘導体は、2つのアミド基と
1つのカルボキシル基が、ベンゼン環上でどのような位
置関係にあってもよい。例えば、ベンゼン環上のカルボ
キシル基の位置番号を1として、ベンゼン環上の残りの
5箇所の位置番号を順に2、3、4、5、6とした場
合、2つのアミド基の位置番号の組み合わせが2−3、
2−4、2−5、2−6、3−4、3−5のいずれであ
ってもよい。より好ましくは重合課程においてラジカル
の安定性がもっとも高く、重合反応性が最も高いと思わ
れる、2つのアミド基の位置番号の組み合わせが3−5
であることがより望ましい。ここで2つのアミド基の位
置番号の組み合わせが3−5であるとは、化学式(II)で
表されるモノマーが以下の化学式(IV)で表されることを
意味する。
【化8】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。) 本発明における化学式(II)で表されるビニル基を2つ有
するベンゼン誘導体は、カルボキシル基が塩であっても
よい。塩としては、例えば、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属塩、アンモニウム、メチルアンモニウ
ム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、
テトラメチルアンモニウムなどのアンモニウム塩が例示
されるが、特にこれらに限定されるものではない。ま
た、化学式(II)で表されるモノマーは、2つのアミド基
と1つのカルボキシル基のベンゼン環上での位置関係が
上記のように異なる、他の1種または数種の化学式(II)
で表されるモノマーを同時に含んでいてもかまわない。
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。) 本発明における化学式(II)で表されるビニル基を2つ有
するベンゼン誘導体は、カルボキシル基が塩であっても
よい。塩としては、例えば、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属塩、アンモニウム、メチルアンモニウ
ム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、
テトラメチルアンモニウムなどのアンモニウム塩が例示
されるが、特にこれらに限定されるものではない。ま
た、化学式(II)で表されるモノマーは、2つのアミド基
と1つのカルボキシル基のベンゼン環上での位置関係が
上記のように異なる、他の1種または数種の化学式(II)
で表されるモノマーを同時に含んでいてもかまわない。
【0017】ここで、本発明における化学式(II)で表さ
れるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体の製造方法と
しては、例えば以下の反応式(A)に挙げる反応により製
造できる。
れるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体の製造方法と
しては、例えば以下の反応式(A)に挙げる反応により製
造できる。
【化9】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中Yはハロゲン原子。
式中R1、R2およびR3は水素原子もしくは炭素数1〜
5のアルキル基。)
もしくはアンモニウムイオン。式中Yはハロゲン原子。
式中R1、R2およびR3は水素原子もしくは炭素数1〜
5のアルキル基。)
【0018】化学式(II)で表されるビニル基を2つ有す
るベンゼン誘導体からの重合方法は、ラジカル重合、ア
ニオン重合、カチオン重合など付加重合で行うことがで
きる。重合の具体的手段としては、加熱や、赤外線、紫
外線、X線、放射線(電子線、γ線)などのエネルギー
線の照射、またプラズマ重合、その他の一般的な重合方
法によることができる。実際に重合を行う際には、化学
式(II)で表されるモノマーの構造、生産性、コストなど
により適宜最適な重合方法を選択すればよいが、装置の
簡便さなどの点から熱重合が好ましく、またランニング
コストなどの点から赤外線重合、紫外線重合がより好ま
しい。
るベンゼン誘導体からの重合方法は、ラジカル重合、ア
ニオン重合、カチオン重合など付加重合で行うことがで
きる。重合の具体的手段としては、加熱や、赤外線、紫
外線、X線、放射線(電子線、γ線)などのエネルギー
線の照射、またプラズマ重合、その他の一般的な重合方
法によることができる。実際に重合を行う際には、化学
式(II)で表されるモノマーの構造、生産性、コストなど
により適宜最適な重合方法を選択すればよいが、装置の
簡便さなどの点から熱重合が好ましく、またランニング
コストなどの点から赤外線重合、紫外線重合がより好ま
しい。
【0019】化学式(II)で示されるベンゼン誘導体を重
合させた場合、架橋反応により緻密な構造をもつものと
なる。架橋密度をコントロールするために、化学式(II)
で表されるベンゼン誘導体以外の付加重合性のモノマー
を重合の原料として含んでいてもよい。この場合化学式
(II)でのベンゼン誘導体および他のモノマーの和に対し
て、他のモノマーを、90重量%以下の範囲、さらには
10〜90重量%の範囲で含むのが好ましい。他のモノ
マーを10重量%未満しか含まない場合は、架橋密度を
コントロールする効果が得らにくく、また他のモノマー
を90%を越えて含む場合は、ベンゼン誘導体の導入量
が少なくなり、高い脱塩性能と高い透過水性を両立させ
ることが困難となる傾向があるためである。
合させた場合、架橋反応により緻密な構造をもつものと
なる。架橋密度をコントロールするために、化学式(II)
で表されるベンゼン誘導体以外の付加重合性のモノマー
を重合の原料として含んでいてもよい。この場合化学式
(II)でのベンゼン誘導体および他のモノマーの和に対し
て、他のモノマーを、90重量%以下の範囲、さらには
10〜90重量%の範囲で含むのが好ましい。他のモノ
マーを10重量%未満しか含まない場合は、架橋密度を
コントロールする効果が得らにくく、また他のモノマー
を90%を越えて含む場合は、ベンゼン誘導体の導入量
が少なくなり、高い脱塩性能と高い透過水性を両立させ
ることが困難となる傾向があるためである。
【0020】他のモノマーの例としては、ビニル基、ハ
ロゲン化ビニル基、ビニルエステル基、その他のビニル
誘導体、アクリル基、メタアクリル基、その他のアクリ
ル誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。このような二重結合を有する化合物の例とし
て、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、スチレ
ン、ビニルスルホン、p−クロロスチレン、p−シアノ
スチレン、p−フルオロスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、o−スチレンスルホン酸ナ
トリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、m−ス
チレンスルホン酸ナトリウム、o−アミノスチレン、m
−アミノスチレン、p−アミノスチレン、2−メチル−
5−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、3−ビニル
ピリジン,4−ビニルピリジン,N−ビニルカルバゾー
ル、ビニルアミン、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安
息香酸、4−ビニル安息香酸、N−ビニル−2−ピロリ
ドン、1−ビニルイミダゾール、ブタジエン、4−ビニ
ルスチレン、N−メチルマレイミド、ジプロピレンエー
テル、ジビニルエチレングリコールなどのビニル基を含
有する化合物、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヒドロキ
シメチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、アクリロイルモルホリン、メトキシ
エチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メ
トキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジ
エチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレ
ングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリ
コールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール
アクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレ
ート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−アクリロイ
ロキシエチルコハク酸、メタアクリル酸、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロ
ピル、メタアクリル酸ヒドロキシメチル、メタアクリル
酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタアクリロイルモルホリン、メトキシエチルメタ
アクリレート、エトキシエチルメタアクリレート、メト
キシジエチレングリコールメタアクリレート、エトキシ
ジエチレングリコールメタアクリレート、メトキシトリ
エチレングリコールメタアクリレート、メトキシトリエ
チレングリコールメタアクリレート、メトキシポリエチ
レングリコールメタアクリレート、メトキシプロピレン
グリコールメタアクリレート、メトキシジプロピレング
リコールメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルメ
タアクリレート、2−メタアクリロイロキシエチルコハ
ク酸、トリエチレングリコールジアクリレート、ヘキサ
エチレングリコールジアクリレート、ノナエチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタ
アクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタアクリ
レート、ノナエチレングリコールジメタアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル
基、メタアクリル基その他のアクリル誘導体を含有する
化合物、フッ化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
四フッ化エチレンなどのハロゲン化ビニル基を含有する
化合物、安息香酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエス
テル基を含有する化合物などが例示される。
ロゲン化ビニル基、ビニルエステル基、その他のビニル
誘導体、アクリル基、メタアクリル基、その他のアクリ
ル誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。このような二重結合を有する化合物の例とし
て、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、スチレ
ン、ビニルスルホン、p−クロロスチレン、p−シアノ
スチレン、p−フルオロスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、o−スチレンスルホン酸ナ
トリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、m−ス
チレンスルホン酸ナトリウム、o−アミノスチレン、m
−アミノスチレン、p−アミノスチレン、2−メチル−
5−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、3−ビニル
ピリジン,4−ビニルピリジン,N−ビニルカルバゾー
ル、ビニルアミン、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安
息香酸、4−ビニル安息香酸、N−ビニル−2−ピロリ
ドン、1−ビニルイミダゾール、ブタジエン、4−ビニ
ルスチレン、N−メチルマレイミド、ジプロピレンエー
テル、ジビニルエチレングリコールなどのビニル基を含
有する化合物、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヒドロキ
シメチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、アクリロイルモルホリン、メトキシ
エチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メ
トキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジ
エチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレ
ングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリ
コールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール
アクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレ
ート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−アクリロイ
ロキシエチルコハク酸、メタアクリル酸、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロ
ピル、メタアクリル酸ヒドロキシメチル、メタアクリル
酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタアクリロイルモルホリン、メトキシエチルメタ
アクリレート、エトキシエチルメタアクリレート、メト
キシジエチレングリコールメタアクリレート、エトキシ
ジエチレングリコールメタアクリレート、メトキシトリ
エチレングリコールメタアクリレート、メトキシトリエ
チレングリコールメタアクリレート、メトキシポリエチ
レングリコールメタアクリレート、メトキシプロピレン
グリコールメタアクリレート、メトキシジプロピレング
リコールメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルメ
タアクリレート、2−メタアクリロイロキシエチルコハ
ク酸、トリエチレングリコールジアクリレート、ヘキサ
エチレングリコールジアクリレート、ノナエチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタ
アクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタアクリ
レート、ノナエチレングリコールジメタアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル
基、メタアクリル基その他のアクリル誘導体を含有する
化合物、フッ化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
四フッ化エチレンなどのハロゲン化ビニル基を含有する
化合物、安息香酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエス
テル基を含有する化合物などが例示される。
【0021】多孔性支持体上に架橋、重合させる前に、
多孔性支持体に、化学式(II)で表されるモノマーを溶解
した液体を塗布や含浸させることができる。液体が塗布
または含浸された支持体に、熱をかけたり、同時にまた
は別にエネルギー線を照射することにより、多孔性支持
体上に架橋、重合させて製造することができる。化学式
(II)で表されるベンゼン誘導体を溶液とするために溶媒
も併用することができる。そのような溶媒としては化学
式(II)で表されるモノマーが可溶であり、なおかつ化学
式(II)で表されるモノマーや支持体と容易に反応しなけ
れば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、
イソプロピルアルコールなどのアルコール、ジクロロメ
タン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、
四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ヘキ
サン、シクロヘキサンなどの炭化水素や水などが挙げら
れるが、好ましくは水が用いられる。また、溶液中の化
学式(II)で表されるモノマーおよび必要に応じて添加さ
れる他のモノマーの濃度は、それらの和として溶液に対
して、好ましくは0.01〜50重量%、さらに好まし
くは0.1〜20重量%である。濃度が低い場合目的と
する層の欠陥ができやすくなり、高すぎても得られる膜
を透過させる物質に対する抵抗が大きくなる傾向があ
る。 溶液の多孔性支持体への塗布および/または含浸
方法としては、多孔性支持体を溶液に含浸する方法や、
ディップコーティング、ロールコーティング、噴霧、口
金からのコーティング方法などがある。また、緻密層を
薄く、均一に、ピンホールをなくする方法として、化学
式(II)で表されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体
を溶解した液体と、それと混ざらない溶液あるいは個体
とを接触させ、その界面で緻密層を作成する方法もあ
る。その一例として、支持体上においた他のフィルムな
どのすき間に溶液を注入して塗布する方法がある。この
とき界面は、多孔性支持体中あるいは多孔性支持体上に
なるようにする。また、これらの溶液の多孔性支持体へ
の塗布および/または含浸を行った後に、重合反応に必
要としない余分な溶液を、支持体を傾けたり、支持体上
に気体を吹き付けたりして除去してもよい。
多孔性支持体に、化学式(II)で表されるモノマーを溶解
した液体を塗布や含浸させることができる。液体が塗布
または含浸された支持体に、熱をかけたり、同時にまた
は別にエネルギー線を照射することにより、多孔性支持
体上に架橋、重合させて製造することができる。化学式
(II)で表されるベンゼン誘導体を溶液とするために溶媒
も併用することができる。そのような溶媒としては化学
式(II)で表されるモノマーが可溶であり、なおかつ化学
式(II)で表されるモノマーや支持体と容易に反応しなけ
れば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、
イソプロピルアルコールなどのアルコール、ジクロロメ
タン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム、
四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ヘキ
サン、シクロヘキサンなどの炭化水素や水などが挙げら
れるが、好ましくは水が用いられる。また、溶液中の化
学式(II)で表されるモノマーおよび必要に応じて添加さ
れる他のモノマーの濃度は、それらの和として溶液に対
して、好ましくは0.01〜50重量%、さらに好まし
くは0.1〜20重量%である。濃度が低い場合目的と
する層の欠陥ができやすくなり、高すぎても得られる膜
を透過させる物質に対する抵抗が大きくなる傾向があ
る。 溶液の多孔性支持体への塗布および/または含浸
方法としては、多孔性支持体を溶液に含浸する方法や、
ディップコーティング、ロールコーティング、噴霧、口
金からのコーティング方法などがある。また、緻密層を
薄く、均一に、ピンホールをなくする方法として、化学
式(II)で表されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体
を溶解した液体と、それと混ざらない溶液あるいは個体
とを接触させ、その界面で緻密層を作成する方法もあ
る。その一例として、支持体上においた他のフィルムな
どのすき間に溶液を注入して塗布する方法がある。この
とき界面は、多孔性支持体中あるいは多孔性支持体上に
なるようにする。また、これらの溶液の多孔性支持体へ
の塗布および/または含浸を行った後に、重合反応に必
要としない余分な溶液を、支持体を傾けたり、支持体上
に気体を吹き付けたりして除去してもよい。
【0022】本発明における化学式(II)で表されるビニ
ル基を2つ有するベンゼン誘導体を多孔性支持体上に重
合させてなる層を持つ半透膜を製造する際には、重合開
始剤、重合助剤、重合禁止剤やその他の添加剤を含んで
いてもよく、重合反応性を高めるために重合開始剤、重
合促進剤等を添加する事が好ましい。ここで、重合開始
剤、重合促進剤とは特に限定されるものではなく、化学
式(II)で表されるモノマーの構造、重合手法などに合わ
せて適宜選択されるものである。重合開始剤の例として
はアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、過酸
化ベンゾイルなどの過酸化物、ベンゾフェノンや製品で
は日本化薬(株)社製の“カヤキュア(Kayacur
e)(登録商標)BP−100”、“カヤキュア(Ka
yacure)(登録商標)BMS”などのベンゾフェ
ノン誘導体、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェ
ニル〕-2-ヒドロキシジ-2-メチル-1-プロパン-1-オ
ンや製品ではチバガイギー社製の“イルガキュア(登録
商標)2959”、“イルガキュア(登録商標)18
4”、“イルガキュア(登録商標)907”、“イルガ
キュア(登録商標)651”、“イルガキュア(登録商
標)369”、“イルガキュア(登録商標)1173”
などのアセトフェノン誘導体、2、4-ジエチルチオキ
サントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンな
どのチオキサントン誘導体、ビー・エー・エス・エフ
(BASF)社製“ルシリン(LUCIRIN)(登録
商標)TPO”などのアシルフォスフィンオキサイド誘
導体、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン
エーテル誘導体、レドックス開始剤、芳香族ジアゾニウ
ム塩、ビススルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳
香族スルホニウム塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、アルキルリチウム、クミルカリウム、ナトリウム
ナフタレン、ジスチリルジアニオンなどが挙げられるが
これらに限定されるものではない。このような重合開始
剤の中でも、取り扱いの点からアゾ化合物、ベンゾフェ
ノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アシルフォスフィ
ンオキサイド誘導体が好ましく用いられる。
ル基を2つ有するベンゼン誘導体を多孔性支持体上に重
合させてなる層を持つ半透膜を製造する際には、重合開
始剤、重合助剤、重合禁止剤やその他の添加剤を含んで
いてもよく、重合反応性を高めるために重合開始剤、重
合促進剤等を添加する事が好ましい。ここで、重合開始
剤、重合促進剤とは特に限定されるものではなく、化学
式(II)で表されるモノマーの構造、重合手法などに合わ
せて適宜選択されるものである。重合開始剤の例として
はアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、過酸
化ベンゾイルなどの過酸化物、ベンゾフェノンや製品で
は日本化薬(株)社製の“カヤキュア(Kayacur
e)(登録商標)BP−100”、“カヤキュア(Ka
yacure)(登録商標)BMS”などのベンゾフェ
ノン誘導体、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェ
ニル〕-2-ヒドロキシジ-2-メチル-1-プロパン-1-オ
ンや製品ではチバガイギー社製の“イルガキュア(登録
商標)2959”、“イルガキュア(登録商標)18
4”、“イルガキュア(登録商標)907”、“イルガ
キュア(登録商標)651”、“イルガキュア(登録商
標)369”、“イルガキュア(登録商標)1173”
などのアセトフェノン誘導体、2、4-ジエチルチオキ
サントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンな
どのチオキサントン誘導体、ビー・エー・エス・エフ
(BASF)社製“ルシリン(LUCIRIN)(登録
商標)TPO”などのアシルフォスフィンオキサイド誘
導体、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン
エーテル誘導体、レドックス開始剤、芳香族ジアゾニウ
ム塩、ビススルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳
香族スルホニウム塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、アルキルリチウム、クミルカリウム、ナトリウム
ナフタレン、ジスチリルジアニオンなどが挙げられるが
これらに限定されるものではない。このような重合開始
剤の中でも、取り扱いの点からアゾ化合物、ベンゾフェ
ノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アシルフォスフィ
ンオキサイド誘導体が好ましく用いられる。
【0023】また、重合開始剤の濃度としては、モノマ
ーの種類や温度、反応時間、重合条件などにも左右され
るが、式(II)で表されるベンゼン誘導体および必要に応
じて添加される他のモノマーの和に対して、開始剤が
0.001〜10重量%であることが好ましく、さらに
は、0.01〜5重量%であることがより好ましい。開
始剤の濃度が低い場合重合反応が進みにくく、高い場合
重合体中に開始剤が多く含まれるようになって、半透膜
の性能が低下する傾向があるからである。
ーの種類や温度、反応時間、重合条件などにも左右され
るが、式(II)で表されるベンゼン誘導体および必要に応
じて添加される他のモノマーの和に対して、開始剤が
0.001〜10重量%であることが好ましく、さらに
は、0.01〜5重量%であることがより好ましい。開
始剤の濃度が低い場合重合反応が進みにくく、高い場合
重合体中に開始剤が多く含まれるようになって、半透膜
の性能が低下する傾向があるからである。
【0024】重合促進剤の例として光増感剤や、光重合
促進剤などが挙げられる。光増感剤の例としては、エオ
シンやカンファキノンなどが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。また、光重合促進剤の例として
は、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル
アミノメタクリレート、N,N−ジメチル−p−トルイ
ジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、イソアミル−p−ジメチルアミノベンゾエ
ートや製品では日本化薬(株)社製の“カヤキュア(K
ayacure)(登録商標)DMBI”や“カヤキュ
ア(Kayacure)(登録商標)EPA”などの芳
香族第3級アミン誘導体などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。また、重合促進剤の濃度とし
ては、モノマーの種類や温度、反応時間、重合条件など
にも左右されるが、式(II)で表されるベンゼン誘導体お
よび必要に応じて添加される他のモノマーの和に対し
て、重合促進剤が0.001〜10重量%であることが
好ましく、さらには、0.01〜5重量%であることが
より好ましい。重合促進剤の濃度が低い場合は重合促進
が効率よく起こらず、高い場合は重合体中に重合促進剤
が多く含まれるようになって、半透膜の性能が低下する
傾向があるからである。
促進剤などが挙げられる。光増感剤の例としては、エオ
シンやカンファキノンなどが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。また、光重合促進剤の例として
は、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル
アミノメタクリレート、N,N−ジメチル−p−トルイ
ジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、イソアミル−p−ジメチルアミノベンゾエ
ートや製品では日本化薬(株)社製の“カヤキュア(K
ayacure)(登録商標)DMBI”や“カヤキュ
ア(Kayacure)(登録商標)EPA”などの芳
香族第3級アミン誘導体などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。また、重合促進剤の濃度とし
ては、モノマーの種類や温度、反応時間、重合条件など
にも左右されるが、式(II)で表されるベンゼン誘導体お
よび必要に応じて添加される他のモノマーの和に対し
て、重合促進剤が0.001〜10重量%であることが
好ましく、さらには、0.01〜5重量%であることが
より好ましい。重合促進剤の濃度が低い場合は重合促進
が効率よく起こらず、高い場合は重合体中に重合促進剤
が多く含まれるようになって、半透膜の性能が低下する
傾向があるからである。
【0025】これらの重合開始剤や、重合促進剤の加え
方は、モノマー溶液にはじめから混合する方法、あらか
じめ支持体に塗布または/および含浸しておく方法、モ
ノマーを塗布した後に塗布する方法などが挙げられる
が、特にこれらに限定されるものではない。
方は、モノマー溶液にはじめから混合する方法、あらか
じめ支持体に塗布または/および含浸しておく方法、モ
ノマーを塗布した後に塗布する方法などが挙げられる
が、特にこれらに限定されるものではない。
【0026】本発明における化学式(II)で表されるビニ
ル基を2つ有するベンゼン誘導体を架橋、重合してでき
る組成物の厚み、形態は、それぞれの重合条件によって
も大きく変化することがあり、熱重合であれば温度、処
理時間などにより、また、エネルギー線による重合であ
れば、エネルギー線の単位エネルギー、強度、被照射物
との距離、処理時間により大きく変化することがある。
そのため、これらの条件は適宜最適化を行う必要があ
る。
ル基を2つ有するベンゼン誘導体を架橋、重合してでき
る組成物の厚み、形態は、それぞれの重合条件によって
も大きく変化することがあり、熱重合であれば温度、処
理時間などにより、また、エネルギー線による重合であ
れば、エネルギー線の単位エネルギー、強度、被照射物
との距離、処理時間により大きく変化することがある。
そのため、これらの条件は適宜最適化を行う必要があ
る。
【0027】熱による操作、すなわち熱重合であれば温
度は好ましくは20〜300℃であることが望ましく、
生産性やコストなどの点から30〜200℃であること
がより望ましい。また熱重合の処理時間は1秒〜1日が
望ましいが、生産性や重合効率、コストなどの点から1
0秒〜8時間であることがより望ましい。加熱方法とし
ては、伝熱、放射、対流による方法が挙げられるが、こ
れらのうちのいずれを用いてもよく、またこれらの複数
を同時にあるいは別々に用いて加熱してもよい。
度は好ましくは20〜300℃であることが望ましく、
生産性やコストなどの点から30〜200℃であること
がより望ましい。また熱重合の処理時間は1秒〜1日が
望ましいが、生産性や重合効率、コストなどの点から1
0秒〜8時間であることがより望ましい。加熱方法とし
ては、伝熱、放射、対流による方法が挙げられるが、こ
れらのうちのいずれを用いてもよく、またこれらの複数
を同時にあるいは別々に用いて加熱してもよい。
【0028】このような本発明の半透膜は、 スパイラ
ル、チューブラー、プレート・アンド・フレームのモジ
ュールに組み込んで、また中空糸状のものであれば、束
ねた上でモジュールに組み込んで使用することができ
る。
ル、チューブラー、プレート・アンド・フレームのモジ
ュールに組み込んで、また中空糸状のものであれば、束
ねた上でモジュールに組み込んで使用することができ
る。
【0029】本発明の半透膜をモジュール内に組み込ん
で使用する際の、膜の両面の圧力差は特に限定されない
が高すぎると膜が変形し、特性が変化する可能性があ
り、また、低すぎると選択的な分離性能が低下する可能
性があるため0.01〜20MPaが好ましく、より好
ましくは0.1〜10MPaである。
で使用する際の、膜の両面の圧力差は特に限定されない
が高すぎると膜が変形し、特性が変化する可能性があ
り、また、低すぎると選択的な分離性能が低下する可能
性があるため0.01〜20MPaが好ましく、より好
ましくは0.1〜10MPaである。
【0030】また、本発明の分離膜は選択分離に有効で
あり、選択的に分離されるものは、水溶液、有機物を含
有する溶液などが挙げられるが、なかでも水溶液に対す
る効果が高く、特に高濃度かん水、海水の淡水化に効果
が大きい。
あり、選択的に分離されるものは、水溶液、有機物を含
有する溶液などが挙げられるが、なかでも水溶液に対す
る効果が高く、特に高濃度かん水、海水の淡水化に効果
が大きい。
【0031】また本発明の方法で多孔性支持体上に重合
した層は、化学式(II)で表されるビニル基を2つ有する
ベンゼン誘導体とそれ以外の付加重合性モノマーとを重
合して得られる架橋構造重合体であり、また上述のよう
に他のモノマーを併用すれば、さらに化学式(II)で表さ
れるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体が10〜90
重量%、それ以外の付加重合性モノマーが90〜10重
量%の関係にある架橋構造重合体となる。
した層は、化学式(II)で表されるビニル基を2つ有する
ベンゼン誘導体とそれ以外の付加重合性モノマーとを重
合して得られる架橋構造重合体であり、また上述のよう
に他のモノマーを併用すれば、さらに化学式(II)で表さ
れるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体が10〜90
重量%、それ以外の付加重合性モノマーが90〜10重
量%の関係にある架橋構造重合体となる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0033】なお、以下の実施例において、半透膜の排
除率は数式(B)によって計算され、半透膜の透過流束は
数式(C)によって計算されるものである。
除率は数式(B)によって計算され、半透膜の透過流束は
数式(C)によって計算されるものである。
【数1】
【数2】
【0034】参考例 3,5−ジアクリルアミド安息香酸(化学式(V))の製
造◎
造◎
【化10】
【0035】ジクロロメタン50ml中に3,5−ジア
ミノ安息香酸(50mmol、7.6g)とトリエチル
アミン(100mmol、10.1g)を加え、0℃で
塩化アクリロイル(100mmol、9.0g)を滴下
し、同温度で2時間攪拌した。この溶液に1規定水酸化
ナトリウム水溶液を50ml加えて攪拌した後水層を分
離した。この水層に1規定塩酸水溶液を50ml加え、
生じた沈殿のみを取り出し、真空乾燥して3,5−ジア
クリルアミド安息香酸9.3gを得た。この化合物の分
析値を次に示す。1 H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、270MH
z)δppm:5.83(s、1H)、5.86(d、
J=9.9Hz、2H)、6.36(d、J=17.1
Hz、2H)、6.55(dd、J=9.9Hz、1
6.8Hz、2H)、8.10(d、J=1.0Hz、
2H)、8.44(d、J=1.3Hz、1H)、1
0.47(s、2H) IR(neat):796、879、980、106
7、1233、1304、1417、1454、155
6、1607、1672、1697、3088、327
7cm-1。
ミノ安息香酸(50mmol、7.6g)とトリエチル
アミン(100mmol、10.1g)を加え、0℃で
塩化アクリロイル(100mmol、9.0g)を滴下
し、同温度で2時間攪拌した。この溶液に1規定水酸化
ナトリウム水溶液を50ml加えて攪拌した後水層を分
離した。この水層に1規定塩酸水溶液を50ml加え、
生じた沈殿のみを取り出し、真空乾燥して3,5−ジア
クリルアミド安息香酸9.3gを得た。この化合物の分
析値を次に示す。1 H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6、270MH
z)δppm:5.83(s、1H)、5.86(d、
J=9.9Hz、2H)、6.36(d、J=17.1
Hz、2H)、6.55(dd、J=9.9Hz、1
6.8Hz、2H)、8.10(d、J=1.0Hz、
2H)、8.44(d、J=1.3Hz、1H)、1
0.47(s、2H) IR(neat):796、879、980、106
7、1233、1304、1417、1454、155
6、1607、1672、1697、3088、327
7cm-1。
【0036】実施例1 タテ30cm、ヨコ20cmの大きさのポリエステル繊維か
らなるタフタ(タテ糸、ヨコ糸とも150デニ−ルのマ
ルチフィラメント糸、織密度タテ90本/インチ、ヨコ
67本/インチ、厚さ160μm)をガラス板上に固定
し、その上にポリスルホン(アモコ社製のUdel P
−3500)の15重量%ジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を200μmの厚みで室温(20℃)でキャス
トし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することに
よって繊維補強多孔質膜を作成する。このようにして得
られた繊維補強多孔質膜の純水透過係数は、圧力0.1
MPa、温度25℃で測定して0.5〜1(g・cm-2
・sec-1・MPa-1)であった。 上記のようにして
製造した繊維補強多孔質膜を、3,5−ジアクリルアミ
ド安息香酸6.5重量%、9EG−A(共栄社化学
(株)社製多官能アクリルモノマー)3.5重量%、
“イルガキュア2959”(チバガイギー社製開始剤)
0.2重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量%を
含む水溶液中に5分間浸漬した。該多孔質膜を引き上げ
速度20cm/minで引き上げ、波長172nm、2
0Wのエキシマランプを用い、ランプと多孔質膜との最
短距離を1cmにして紫外線を30秒照射し、重合を行
い、重合体からなる層が多孔性支持体上設けられた半透
膜を作成した。
らなるタフタ(タテ糸、ヨコ糸とも150デニ−ルのマ
ルチフィラメント糸、織密度タテ90本/インチ、ヨコ
67本/インチ、厚さ160μm)をガラス板上に固定
し、その上にポリスルホン(アモコ社製のUdel P
−3500)の15重量%ジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を200μmの厚みで室温(20℃)でキャス
トし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することに
よって繊維補強多孔質膜を作成する。このようにして得
られた繊維補強多孔質膜の純水透過係数は、圧力0.1
MPa、温度25℃で測定して0.5〜1(g・cm-2
・sec-1・MPa-1)であった。 上記のようにして
製造した繊維補強多孔質膜を、3,5−ジアクリルアミ
ド安息香酸6.5重量%、9EG−A(共栄社化学
(株)社製多官能アクリルモノマー)3.5重量%、
“イルガキュア2959”(チバガイギー社製開始剤)
0.2重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量%を
含む水溶液中に5分間浸漬した。該多孔質膜を引き上げ
速度20cm/minで引き上げ、波長172nm、2
0Wのエキシマランプを用い、ランプと多孔質膜との最
短距離を1cmにして紫外線を30秒照射し、重合を行
い、重合体からなる層が多孔性支持体上設けられた半透
膜を作成した。
【0037】このようにして得られた半透膜をpH6.
5に調整した1500ppmNaCl水溶液を原水と
し、操作圧1.5MPa、温度25℃の条件下で逆浸透
評価を行った結果、排除率は76%、透過流束は0.2
6m3・m-2・日-1であった。
5に調整した1500ppmNaCl水溶液を原水と
し、操作圧1.5MPa、温度25℃の条件下で逆浸透
評価を行った結果、排除率は76%、透過流束は0.2
6m3・m-2・日-1であった。
【0038】実施例2 実施例1において、波長172nmのエキシマランプで
紫外線を30秒間照射する代わりに、375Wの赤外線
ランプ(ナショナル製赤外線電球T)を用い、ランプと
多孔質膜との最短距離を20cmにして赤外線を10分
間照射し、他は実施例1と同様にして半透膜を作成し
た。
紫外線を30秒間照射する代わりに、375Wの赤外線
ランプ(ナショナル製赤外線電球T)を用い、ランプと
多孔質膜との最短距離を20cmにして赤外線を10分
間照射し、他は実施例1と同様にして半透膜を作成し
た。
【0039】このようにして得られた半透膜をpH6.
5に調整した1500ppmNaCl水溶液を原水と
し、操作圧1.5MPa、温度25℃の条件下で逆浸透
評価を行った結果、排除率は70%、透過流束は0.2
0m3・m-2・日-1であった。
5に調整した1500ppmNaCl水溶液を原水と
し、操作圧1.5MPa、温度25℃の条件下で逆浸透
評価を行った結果、排除率は70%、透過流束は0.2
0m3・m-2・日-1であった。
【0040】比較例 実施例1において、3,5−ジアクリルアミド安息香酸
6.5重量%の代わりに1,3,5−トリアクリルヘキ
サヒドロ−1,3,5−トリアジン化学式(VI)
6.5重量%の代わりに1,3,5−トリアクリルヘキ
サヒドロ−1,3,5−トリアジン化学式(VI)
【化11】 6.5重量%を含有する他は実施例1と同様な水溶液を
用い、他は実施例1と同様にして半透膜を作成した。
用い、他は実施例1と同様にして半透膜を作成した。
【0041】このようにして得られた半透膜をpH6.
5に調整した1500ppmNaCl水溶液を原水と
し、操作圧1.5MPa、温度25℃の条件下で逆浸透
評価を行った結果、排除率は20%、透過流束は3.0
m3・m-2・日-1であり、実施例に比較して性能が劣っ
ていた。
5に調整した1500ppmNaCl水溶液を原水と
し、操作圧1.5MPa、温度25℃の条件下で逆浸透
評価を行った結果、排除率は20%、透過流束は3.0
m3・m-2・日-1であり、実施例に比較して性能が劣っ
ていた。
【0042】
【発明の効果】本発明により、高い脱塩性能と高い透過
水性を有する半透膜が得られる。
水性を有する半透膜が得られる。
Claims (12)
- 【請求項1】多孔性支持体上に化学式(I) 【化1】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるユニットを有するポリマーからなる薄膜層を持つ
ことを特徴とする半透膜。 - 【請求項2】多孔性支持体上に請求項1記載の化学式
(I)で表されるユニットの重量分率が10〜90%であ
る薄膜層を持つことを特徴とする半透膜。 - 【請求項3】多孔性支持体上の薄膜層の膜厚が、10n
m〜100μmであることを特徴とする請求項1または
2記載の半透膜。 - 【請求項4】多孔性支持体がポリスルホン、ポリフェニ
レンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポ
リエーテルスルホン、セルロースエステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリハロ
ゲン化ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミド
またはポリアミドイミドを必須成分とする請求項1〜3
いずれか記載の半透膜。 - 【請求項5】多孔性支持体上で化学式(II) 【化2】 (式中Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
もしくはアンモニウムイオン。式中R1、R2およびR3
は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基。)で表
されるビニル基を2つ有するベンゼン誘導体を重合させ
ることを特徴とする半透膜の製造方法。 - 【請求項6】重合が、請求項5記載の化学式(II)で示さ
れるベンゼン誘導体を含有する溶液を、多孔性支持体に
塗布または含浸せしめた後、行われるものである請求項
5記載の半透膜の製造方法。 - 【請求項7】重合が、加熱またはエネルギー線の照射に
よる操作を伴うものである請求項5または6記載の半透
膜の製造方法。 - 【請求項8】重合が、請求項5記載の化学式(II)で示さ
れる化合物10〜90重量%およびそれ以外の付加重合
性モノマー90〜10重量%からなるモノマー混合物の
存在下で行われるものである請求項5〜7いずれかの半
透膜の製造方法。 - 【請求項9】多孔性支持体がポリスルホン、ポリフェニ
レンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポ
リエーテルスルホン、セルロースエステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリハロ
ゲン化ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリイミド
またはポリアミドイミドを必須成分とする請求項5〜8
いずれか記載の半透膜の製造方法。 - 【請求項10】請求項5記載の化学式(II)で表されるビ
ニル基を2つ有するベンゼン誘導体とそれ以外の付加重
合性モノマーとを重合して得られる架橋構造重合体。 - 【請求項11】請求項5記載の化学式(II)で表されるビ
ニル基を2つ有するベンゼン誘導体が10〜90重量
%、それ以外の付加重合性モノマーが90〜10重量%
の関係にあることを特徴とする、請求項10記載の架橋
構造重合体。 - 【請求項12】水溶液からの分離用である請求項1〜4
いずれかの半透膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33437697A JPH11165052A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 半透膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33437697A JPH11165052A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 半透膜およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11165052A true JPH11165052A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18276685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33437697A Pending JPH11165052A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 半透膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11165052A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6534618B1 (en) | 2000-11-27 | 2003-03-18 | Corning Incorporated | Methods of drying optical fiber coatings |
WO2003064594A2 (en) * | 2002-01-25 | 2003-08-07 | Ciphergen Biosystems, Inc. | Monomers and polymers having energy absorbing moieties of use in desorption/ionization of analytes |
US8657123B2 (en) | 2008-09-12 | 2014-02-25 | Toray Industries, Inc. | Composite semipermeable membrane and manufacturing method therefor |
-
1997
- 1997-12-04 JP JP33437697A patent/JPH11165052A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6534618B1 (en) | 2000-11-27 | 2003-03-18 | Corning Incorporated | Methods of drying optical fiber coatings |
WO2003064594A2 (en) * | 2002-01-25 | 2003-08-07 | Ciphergen Biosystems, Inc. | Monomers and polymers having energy absorbing moieties of use in desorption/ionization of analytes |
WO2003064594A3 (en) * | 2002-01-25 | 2004-07-22 | Ciphergen Biosystems Inc | Monomers and polymers having energy absorbing moieties of use in desorption/ionization of analytes |
EP1481244A2 (en) * | 2002-01-25 | 2004-12-01 | Ciphergen Biosystems, Inc. | Monomers and polymers having energy absorbing moieties of use in desorption/ionization of analytes |
US7276381B2 (en) | 2002-01-25 | 2007-10-02 | Bio-Rad Laboratories, Inc. | Monomers and polymers having energy absorbing moieties of use in desorption/ionization of analytes |
EP1481244A4 (en) * | 2002-01-25 | 2008-07-02 | Bio Rad Laboratories | MONOMERS AND POLYMERS WITH ENERGY ABSORBENT GROUPS FOR USE IN THE DESORPTION / IONIZATION OF ANALYTES |
US8657123B2 (en) | 2008-09-12 | 2014-02-25 | Toray Industries, Inc. | Composite semipermeable membrane and manufacturing method therefor |
JP2014237130A (ja) * | 2008-09-12 | 2014-12-18 | 東レ株式会社 | 複合半透膜 |
JP5703563B2 (ja) * | 2008-09-12 | 2015-04-22 | 東レ株式会社 | 複合半透膜およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1807182B1 (en) | A process for improving membranes | |
KR101612578B1 (ko) | 복합 반투막 및 그의 제조 방법 | |
JP6577250B2 (ja) | 複合半透膜 | |
KR20170093808A (ko) | 적층 반투막 | |
JP6051863B2 (ja) | 複合半透膜およびその製造方法 | |
JPH11165052A (ja) | 半透膜およびその製造方法 | |
JP5776274B2 (ja) | 複合半透膜およびその製造方法 | |
JP5853329B2 (ja) | 複合半透膜 | |
JP2000117077A (ja) | 半透膜およびその製造方法 | |
JP2004017002A (ja) | 複合半透膜およびその製造方法 | |
JP2001276587A (ja) | 半透膜およびその製造方法 | |
JP2001276588A (ja) | 半透膜およびその製造方法 | |
EP0467903B1 (en) | Process for the preparation of chlorine-resistant polyester semipermeable membranes | |
JPH10337453A (ja) | 半透膜およびその製造方法 | |
US20210308631A1 (en) | Nanostructure composite semipermeable membrane | |
JP2014124567A (ja) | 複合半透膜およびその製造方法 | |
JPS5889901A (ja) | 液体混合物の分離方法 |