JPH10337262A - 紫外線殺菌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護管５の表面に汚れなどの有機物が付着し
にくいため、紫外線透過率が低下せず、殺菌効果を良好
に維持できる紫外線殺菌装置を提供すること。 【解決手段】 流入口１と流出口２を有する容器と、こ
の容器内に設置され、保護管５で保護された紫外線ラン
プ６とを備え、浴槽中の湯水を循環させて浄化・殺菌す
るための紫外線殺菌装置において、前記保護管の外面に
アナターゼ型酸化チタン５２の被膜が形成されている紫
外線殺菌装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は浴槽中の湯水を循環
させて浄化・殺菌する紫外線殺菌装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】紫外線ランプで液体を殺菌する装置は、
実開平２−１０４０４５号公報に記載されているように
公知である。紫外線ランプで、浴槽中の湯水を循環させ
て浄化・殺菌する紫外線殺菌装置として、湯水と接する
ランプ表面に何も塗布しない場合、水垢等の有機物が表
面に付着し、紫外線の透過率が著しく損なわれる。また
従来では、フッ素樹脂を被覆したガラス製の保護管で保
護された紫外線ランプを、流入口と流出口を有する容器
内に設置したものも知られている。

【０００３】

【発明が解決するための課題】しかしながら、上記従来
のフッ素樹脂を被覆した、紫外線殺菌装置においては、
保護管のガラスとフッ素樹脂との接着性が良くないた
め、フッ素樹脂被膜が短時間で剥離してしまい、２４時
間使用可能な風呂に使用することは実用的でなかった。
また、長期使用では、紫外線透過率が表面に何も塗布し
ない場合と同様にかなり低下するため、保護管の表面に
付着した有機物により紫外線透過率が低下し殺菌効果が
低下してしまうという欠点があった。

【０００４】本発明の目的は、保護管の表面に汚れなど
の有機物が蓄積されることなく、このため、紫外線透過
率が低下せず、殺菌効果を良好に維持できる紫外線殺菌
装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明
は、流入口と流出口を有する容器と、この容器内に設置
され、透光性を有する保護管で保護された紫外線ランプ
とを備え、浴槽中の湯水を循環させて浄化・殺菌するた
めの紫外線殺菌装置において、保護管の湯水と接触する
表面に光酸化触媒機能を有する被膜が形成されているも
のである。

【０００６】請求項２記載の本発明は、請求項１記載の
紫外線殺菌装置において、光酸化触媒機能を有する被膜
がアナターゼ型の酸化チタンからなるものである。

【０００７】（作用）請求項１および２記載の本発明で
は、保護管の湯水と接触する表面に光酸化触媒機能を有
する被膜が形成されているので、保護管の表面に付着し
た有機物が紫外線によって、光酸化触媒により分解され
るため、表面に有機物の蓄積されることがなく、紫外線
の透過率が維持され、水質を一定に保つことができる。

【０００８】請求項２記載の本発明では、酸化触媒機能
を有する被膜がアナターゼ型の酸化チタンであるので、
光酸化触媒としての機能がより高性能なため、水質保持
をよりいっそう行うことができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の紫外線殺菌装置の
実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は本発明の
紫外線殺菌装置の一例を示す分解斜視図、図２は本願発
明に係る他の実施例の断面図である。図３は図１及び図
２の保護管表面の被膜を示す模式図である。図４は図１
の紫外線殺菌装置を組み込んだ湯水の循環浄化装置の説
明図である。

【００１０】図１は、流入口１と流出口２を具備したウ
ォ−タジャケット３と水密プラグ４で構成された円筒状
のタンクと、前記タンク内に設置され、透光性を有する
保護管５で保護された紫外線ランプ６とを備え、浴槽中
の湯水を循環させて浄化・殺菌するための紫外線殺菌装
置の分解斜視図である。この装置では、保護管５の湯水
と接触する表面に光酸化触媒機能を有する被膜が施され
ており、表面に付いた有機物を触媒の作用で水と二酸化
炭素等に分解するので、保護管５の清掃が不要となる。

【００１１】保護管５の外面にコ−ティングする光酸化
触媒について説明する。アナタ−ゼ型酸化チタンの微粒
子を有機化シリコンのアルコ−ル溶液中に分散した鹸濁
液を保護管５の外面に塗布し、これを１５０度以下の温
度で熱処理することにより製膜をおこない膜厚３０μｍ
〜５０μｍを得た。酸化シリコンマトリックス５１とア
ナタ−ゼ型酸化チタン５２が均等に保護管５に被膜して
いる状態を図３で示す。下記の実施例ではすべての保護
管５は光酸化触媒膜は酸化チタン膜を使用している。

【００１２】次にタンク内の構成を説明する。水密プラ
グ４の中心部には保護管５が固定されタンク内に円筒状
の空間を得、その中に紫外線殺菌ランプ６が入る。紫外
線殺菌ランプ６は押さえ蓋７によりしっかりと固定さ
れ、タンク、保護管５、紫外線殺菌ランプ６の順に同心
円状になっている。

【００１３】次に菌を殺菌する方法について説明する。
流入口１からタンク内に進入した湯水は、その水質を汚
れセンサ−９により、殺菌すべきか否かを、べつにある
マイコンにより判断される。殺菌が必要ないと判断され
た場合、湯水はそのまま流出口２より排出され浴槽に戻
され、殺菌が必要とされた場合は、紫外線殺菌ランプ６
が点灯され殺菌を実行する。本発明では、タンク内に進
入した湯水は、光酸化触媒膜を塗布した保護管５に到達
したとき、その中の汚れである有機物を水と二酸化炭素
等に分解する。したがって、保護管５の紫外線は透過率
が下げられず、紫外線殺菌は良好に行われる。

【００１４】図４では、循環浄化装置の構成ブロック図
を示す。浴槽の水はポンプ１２により流入口１から吸い
上げられ、バイオ浄化槽１３により大きめの汚れを取り
除き、紫外線ランプ６により細かな菌を駆除されたあと
流入口２より浴槽にもどされる。

【００１５】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成は上記の実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあって
も本発明に含まれる。たとえば、上記実施例では、水密
プラグ４とウォ−タジャケット３の内部で構成されるも
のであったが、他の実施例としては、図２で示すタイプ
も考えられる。

【００１６】図２は水密プラグ４等がない紫外線殺菌装
置であって、タンクの構造は内部が２重となった円筒状
であり、中心に紫外線ランプが設置される。内側にある
円筒形の部材は、前記の保護管５の役割をするものであ
って、透光性を有するガラス等でできており、湯水と接
触する表面に、光酸化触媒機能を有する被膜が形成され
ている。タンクを密閉する上蓋１０には、流入口１及び
紫外線ランプ６の大きさより少し大きい穴があり、下蓋
１１には、流出口２及び前記紫外線ランプ６のための穴
が設けられている。上蓋１０と下蓋１１に垂直に設置さ
れた紫外線ランプ６によって図１で示した前記紫外線殺
菌装置と同等の効果が期待できる。

【００１７】また、汚れセンサ−９を用いマイコンを利
用して、紫外線殺菌を制御したが、タイマ−を用い、一
定時間ごとに殺菌する方式あるいは使用者が必要とした
時、スイッチにより殺菌を行う方式でも良い。

【００１８】

【発明の効果】請求項１および２記載の本発明では、保
護管５の湯水と接触する表面に酸化触媒機能を有する被
膜が形成されているので、浴水のなかに含まれる有機物
を光酸化触媒膜により水と二酸化炭素等に分解するた
め、保護管の表面に有機物が蓄積することなく、紫外線
透過率が低下しにくいので殺菌効果が持続する。

【００１９】請求項２記載の本発明では、酸化触媒機能
を有する被膜がアナターゼ型の酸化チタンであり、光酸
化触媒としての機能がより高性能なため、水質保持をよ
りいっそう行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の紫外線殺菌装置の一例を示す分解斜視
図である。

【図２】図２は本願発明に係る他の実施例の断面図であ
る。

【図３】図３は図１の保護管表面の被膜を示す模式図で
ある。

【図４】図４は図１の紫外線殺菌装置を組み込んだ湯水
の循環浄化装置の説明図である。

【符号の説明】

１ 流入口 ２ 流出口 ３ ウォ−タ−ジャケット ４ 水密プラグ ５ 保護管 ５１ａ酸化シリコンマトリックス ５１ｂアナタ−ゼ型酸化チタン ６ 紫外線ランプ ７ 押さえ蓋 ９ 汚れセンサ− １０ 上蓋 １１ 下蓋 １２ポンプ １３バイオ浄化槽

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流入口と流出口を有する容器と、この容
   器内に設置され、透光性を有する保護管で保護された紫
   外線ランプとを備え、浴槽中の湯水を循環させて浄化・
   殺菌するための紫外線殺菌装置において、前記保護管の
   湯水と接触する表面に光酸化触媒機能を有する被膜が形
   成されていることを特徴とする紫外線殺菌装置。
2. 【請求項２】 被膜がアナターゼ型酸化チタンからなる
   請求項１記載の紫外線殺菌装置。