JPH10333616A - 広入射角反射プレートおよびその製造方法 - Google Patents

広入射角反射プレートおよびその製造方法

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JPH10333616A
JPH10333616A JP7900398A JP7900398A JPH10333616A JP H10333616 A JPH10333616 A JP H10333616A JP 7900398 A JP7900398 A JP 7900398A JP 7900398 A JP7900398 A JP 7900398A JP H10333616 A JPH10333616 A JP H10333616A
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JP
Japan
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reflection
projections
incident angle
retroreflective sheet
embossing
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Application number
JP7900398A
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English (en)
Inventor
Naoki Nakayama
直樹 中山
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広入射角反射特性と屋外使用特性の両方にす
ぐれた、広入射角反射プレートを提供する 【解決手段】 基材(1)と、その基材の表面に接着さ
れた再帰性反射シート(2)とを含んでなる積層体から
なり、 再帰性反射シート(2)によって被覆された略
平坦な基部(3)と、幾何学平面図形の頂点上に互いに
分離して配置され、その幾何学平面図形が規則的に繰り
返されたパターンを形成する様に配列され、再帰性反射
シート(2)によって被覆されている複数の凸部(4)
とを有してなる反射プレート(10)において、a)再
帰性反射シート(2)が、再帰性反射要素と、再帰性反
射要素の表面を被覆する光透過性の被覆層とを有してな
り、b)凸部(4)の断面寸法および配列が次式(i)
を満たす、広入射角反射 プレート:0.05<h/P<0.60
(i) (式中のPは、幾何学的平面図形内の頂点の内の最も離
れて位置する2頂点間の距離、hは、基部の表面から測
定した凸部の高さである。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材とその表面に
接着された再帰性反射シートとを含んでなる積層体から
なり、ガードレール、標識などの物体に貼り付けられ
て、物体の夜間の視認性を高めるために使用される、広
入射角反射プレートに関する。
【0002】
【従来の技術】複数の反射ビーズが接着された凹凸面を
有する再帰性反射シート等の反射材の構造および製造方
法は、たとえば以下の様な文献に開示されている。 1)特開昭55−65524号公報、特開昭57−19
3352号公報:これら公報に記載の方法では、まず、
基材表面に発泡成分を点在する様に付着させ、その上に
樹脂を一面に塗布して支持層を形成する。続いて、支持
層上に透明ガラスビーズを散布し、樹脂を乾燥、固化さ
せてビーズを接着させる。最後に、加熱して発泡成分を
発泡させて凸部を形成する。
【0003】2)特開昭53−46363号公報、特開
昭53−46371号公報:これら公報に記載の方法で
は、まず、熱可塑性樹脂からなる基材に凸凹を形成し、
その凸凹の上から樹脂をその凹部を埋めるのに十分な厚
みで塗布して、平らな表面を有する支持層を形成する。
続いて、その表面に透明ガラスビーズを埋設した後、そ
の支持層樹脂を硬化させてビーズを接着させる。最後
に、シート全体を加熱し、基材の凸部を平面状態に復元
させると、凸部に相当する部分が陥没し、上記塗布厚み
の差に相当する深さを持つ凹部が形成される。
【0004】3)特開昭57−10102号公報:この
公報に記載の方法では、乾燥するとしわ状に収縮する塗
料を基材上に塗布し、その塗料上に透明ガラスビーズを
散布した後、加熱乾燥により塗料を収縮させて表面に凹
凸を形成する。 4)米国特許第4069281号公報、特開昭58−2
37243号公報:これら特許公報に記載の方法では、
樹脂を含む塗料からなる凸部を基材上に形成し、その凸
部が乾燥、固化する前に透明ガラスビーズ埋設し、凸部
の固化によりビーズを接着させる。
【0005】5)イギリス特許2,251,091号公
報:このイギリス特許に記載の発明では、多数の窪みを
表面に形成したアルミ層上に、透明ガラスビーズを接着
して、反射材が形成される。 6)特開昭58−208041号公報、特公平7−84
726号公報:これらの公報に記載の方法では、まず、
熱可塑性ポリマーからなる支持層を形成し、その表面に
透明ガラスビーズを部分的に埋設する。続いて、支持層
をビーズ被覆表面側からエンボス加工して、ビーズが部
分的に埋設された凸部と、ビーズが完全に埋没した凹部
とを形成する。なお、上記1)〜6)の文献に記載の方
法では、ビーズの表面を被覆する光透過性の被覆層は用
いられていない。
【0006】7)実公昭62−41804号公報:この
公報には、貼紙防止を目的として表面に突起を形成した
反射シートが開示されている。この反射シートは、たと
えば、ビーズの表面を被覆する光透過性の被覆層を有す
る再帰性反射シートを基材の表面に貼り付けた後、基材
背面側からエンボス加工を施すことにより、表面に突起
を形成して作製できる。しかしながら、貼紙防止を目的
として形成された突起の寸法は、通常、比較的小さく
(たとえば、幅2mm、高さ1mm)する必要があり、
また、低い入射角(反射面に対する法線に近い方向)か
ら高い入射角(反射面に対して水平に近い方向)までの
広い範囲にわたる角度の入射光線に対する反射特性、す
なわち、広入射角反射特性にすぐれた反射シートのため
の凸部の寸法や配列は、この公報には示唆されていな
い。 8)国際公開番号WO 97/01677号および同W
O 97/01678号:エンボス加工により製造され
たものではないけれども、封入レンズ(Enclosedlens)
型再帰性反射シートで被覆された反射性の壁状凸部と平
坦面とを備えてなる再帰性反射材が開示されている。上
記壁状凸部は上記平坦面の周囲を囲む様に連続して形成
されている。しかしながら、これらの公報では、上記平
坦面に付着した水滴や固体状異物を、容易に除去するた
めの改良については示唆されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】広入射角反射特性にす
ぐれたプレート状の反射材を形成するには、反射性凸部
が所定の寸法および配列パターンを有することが必須で
ある。このことは、特に、比較的高い入射角(たとえ
ば、反射面の法線に対して70度以上)の光線に対する
反射特性を向上させるためには重要である。また、屋外
で使用される標識の構成部材として利用される場合は、
次のような屋外使用特性も要求される。すなわち、反射
面に水滴が付着した場合でも反射輝度の低下がほとんど
なく、粉塵などの固体状異物が反射面に付着した場合は
その異物の除去が容易であり、使用中に十分な反射輝度
を維持できることが要求される。本発明の目的は、広入
射角反射特性と屋外使用特性の両方にすぐれた、広入射
角反射プレートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する手段として、基材(1)と、その基材の表面に接
着された再帰性反射シート(2)とを含んでなる積層体
からなり、再帰性反射シート(2)によって被覆されて
いる略平坦な基部(3)と、再帰性反射シート(2)に
よって被覆され、基部(3)によって分離されて配置さ
れた複数の凸部(4)とを有し、複数の凸部(4)は、
幾何学平面図形の頂点上に配置され、その幾何学平面図
形は規則的に繰り返されたパターンを形成する様に配列
されている、反射プレート(10)において、 a)再帰性反射シート(2)が、再帰性反射要素と、再
帰性反射要素の表面を被覆する光透過性の被覆層とを有
してなり、 b)凸部(4)の断面寸法および配列が次式(i)を満
たす、広入射角反射プレート:
【数1】 0.05<h/P<0.60 (i) (式中のPは、1つの幾何学平面図形内の頂点の内の最
も離れて位置する2頂点間の距離、hは、基部の表面か
ら測定した凸部の高さである。)を提供する。
【0009】本発明において、再帰性反射シート(2)
がビーズ(反射要素)の表面を被覆する光透過性の被覆
層を有すると、上記の様な屋外使用特性を向上させるこ
とができる。また、反射性の凸部(4)の断面寸法およ
び配列が上記式(i)を満たすと、広入射角反射特性と
屋外使用特性の両方を効果的に向上させることができ
る。凸部が、反射プレート(10)の水平面内におい
て、略正方形または略正三角形の頂点に配置された場
合、水平面内における凸部の配置密度を高めつつ、比較
的高入射角の光線に対する反射輝度を向上することがで
きる。また、反射面に平行な水平面内における無指向性
(水平面内のどの方向から入射した光線に対しても十分
な反射輝度を示す性質)を高めることができる。無指向
性を高めるのに特に好適なのは、略正三角形(菱形)の
頂点に配置された場合である。
【0010】凸部(4)の垂直断面が、上に凸のアーチ
状曲面を有する場合、広入射角反射特性を特に効果的に
向上させ得る。また、凸部(4)がエンボス加工により
形成されて内部に空洞を有する場合は、外力による凸部
の変形が効果的に防止される。さらに、反射プレート表
面からの固体状異物の除去が特に容易になる。この様な
凸部の形状としては、凸部の垂直断面が円弧または楕円
弧を含む形状が好適である。この様な凸部の立体形状に
は、円錐の先端(頂部)が丸められた形状も含まれる。
【0011】反射プレート(10)が、基材(1)の背
面に設けられた接着剤層と、その接着剤層を保護する、
プラスチックフィルムを含んでなるライナーとを更に有
してなる場合、次のようにして製造するのが好適であ
る。すなわち、基材(1)として延伸性の金属または樹
脂からなる平らな基材を用意し、基材の表面および背面
にそれぞれ、再帰性反射シート(2)およびライナーで
保護された接着剤層を適用して積層体を形成した後、そ
のライナーの上から複数の突起を備えるエンボスツール
を積層体に押し当ててエンボス加工し、凸部(4)を形
成する。この方法によれば、所定の形状、寸法および配
列を有する凸部(4)を正確にかつ容易に形成すること
ができる。また、裏面に凹部が形成される前に、塗布等
の通常の適用手段により接着剤層を容易に積層できる。
ライナーがプラスチックフィルムを含んでなることは、
エンボス加工によってライナーが破損することを効果的
に防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。広入射角反射プレート 「広入射角反射プレート」(以下、単に「反射プレー
ト」と呼ぶこともある。)とは、反射プレートを水平に
置いた場合、その水平面の法線近傍の方向から入射され
た光の反射輝度が十分なレベルであり、かつ反射プレー
トの水平面近傍の斜め方向から入射された光の反射輝度
も視認可能なレベル(たとえば1.5CPL以上)であ
る反射プレートを意味する。換言すれば、本発明による
反射プレートは、反射プレートの水平面の法線近傍から
水平面近傍まで入射角度を傾けていったときに、反射輝
度が極端に低下せず(たとえば1CPL以下にならな
い)、広い範囲の角度の入射光線に対して十分な反射性
能を有する反射プレートである。本発明の反射プレート
が十分な反射性能を発揮する入射角の範囲は、少なくと
も0〜75度であり、好適な形態では0〜86度の範囲
も可能である。なお、この角度は、反射プレートの基部
平面の法線からの角度である。
【0013】式(i)は、凸部(4)の寸法と配列を最
適に設計するために必要な、各パラメータの関係を表
す。式(i)のh/Pは、図1において角度(90−
θ)の正接、すなわちtan(90−θ)に相当し、従
って、式(i)の下限値「0.05」および上限値
「0.60」は、θの下限が約60度、上限が約87度
であることを意味する。θは、凸部(4)の配置中心
(配置パターンを形成する幾何学図形の頂点)から延在
して隣接する凸部(4)の頂点(配置中心を通る基部平
面からの法線と、凸部外縁との交点)と交わる直線と、
配置中心における基部(3)からの法線とがなす角度
(単位は「度」)と定義する(図1参照)。このθは、
反射プレート(10)において、十分な反射輝度が得ら
れる最大入射角の設計目安である。式(i)のh/P値
が0.05以下(θが約87度以上)の場合、比較的高
入射角の光線に対する反射輝度が低下し、反対に式
(i)のh/P値が0.60以上(θが約60度以下)
の場合は、十分な反射輝度が得られる入射角を高く(た
とえば、70度以上に)設計できない。この様な観点か
ら、式(i)のh/P値は、好適には0.07〜0.4
7(θは約86〜65度)、特に好適には0.08〜
0.30(θは約85〜73度)の範囲である。
【0014】Pは通常4mm以上である。これより小さ
いと、高入射角の光線に対する反射特性を向上させるこ
とができないおそれがあり、反対に大きすぎても凸部の
配置密度が小さくなり、高入射角の反射特性の向上効果
が低下するおそれがある。この様な観点から、Pの好適
な範囲は8〜30mm、特に好適な範囲は10〜25m
mである。hは通常0.5mm以上である。これより小
さいと、高入射角の光線に対する反射特性を向上させる
ことができないおそれがあり、反対に大きすぎると、凸
部の形成の際に、再帰性反射シートを破損するおそれが
ある。この様な観点から、hの好適な範囲は1〜10m
m、特に好適な範囲は1.5〜5mmである。図中のD
は、垂直断面における凸部(4)と隣接基部との境界点
間寸法(幅)であり、通常2mm以上である。小さすぎ
ると、高入射角の光線に対する反射特性を向上させるこ
とができないおそれがある。一方、Dが大きすぎても凸
部の配置密度(詳細は後述する。)が小さくなり、やは
り、高入射角の反射特性の向上効果が低下するおそれが
ある。この様な観点から、Dの好適な範囲は3〜20m
m、特に好適な範囲は5〜15mmである。
【0015】凸部(4)の配列は、1つのまたは複数の
幾何学平面図形を規則的に繰り返して形成したパターン
に従い、その幾何学図形のすべての頂点に互いに分離し
て凸部を配置する。各凸部が互いに分離して(独立し
て)いることは、反射面に付着した固体状異物の除去を
容易にする。各凸部は、その底部図形(基部との境界面
における水平断面)の重心(円の場合は中心)が、幾何
学図形の頂点(凸部の配置中心)と略一致する様に配置
される。図形の重心は、数学的手法によって求めること
ができる。幾何学図形の形状は、式(i)を満たす限り
において特に限定されない。たとえば、基部を含む水平
面内において、正方形、正五角形、正六角形等の正多角
形や、2つの正三角形を、それぞれの1辺が接する様に
配置して形成した菱形である。また、配列パターン中に
複数の幾何学平面図形が存在し、複数のPの値が決まる
場合があるが、高入射角反射特性の向上のためには、す
べてのP値が式(i)を満たすのが好ましい。また、凸
部の配置密度は、上記DとPの値にもよるが、基部を含
む水平面内において、通常、5〜150個/25cm
2 、好適には10〜80個/25cm2の範囲である。
配置密度が小さすぎても大きすぎても高入射角における
反射特性が低下するおそれがある。ここで、「配置密
度」における個数は、25cm2 の正方形内に完全に含
まれる凸部の個数である。凸部の立体形状として、たと
えば、ドーム、ドームの頂部を水平方向に切り取った
形、角錐、角錐台、円錐、円錐台、角柱、円柱等の形状
が採用できる。エンボス加工が容易な点から、円錐(先
端部分が丸められたものも含む)が好ましい。また、複
数の凸部は、本発明の効果を損なわない限り、異なる2
以上の立体形状のものを含んでいても良い。
【0016】ドーム形状には、水平断面が、略正円であ
るものの他、楕円または長円であるものも含まれる。複
数の凸部が、水平断面が楕円または長円である凸部を含
む場合、たとえば、図2A、B及びCに示した様な配置
が可能である。比較的高い入射角度の光線に対する反射
輝度を向上させるためには、好適には図2Bの形態であ
る。図2Bでは、各凸部の最も広い反射面が矢印の方向
に向かって配置されており、凸部は、この方向に沿って
最も離れて位置している。そして、この矢印の方向に沿
って光が入射された時に、広入射角反射性能が最も効果
的に発揮される。
【0017】基材 基材は、通常、金属またはプラスチックからなる。中で
も、延伸性にすぐれる軟質金属または軟質プラスチック
が好適である。エンボス加工が容易であり、凸部を精度
良く形成することが容易だからである。軟質金属として
は、アルミニウム、銅、銀、金などが好適である。ま
た、軟質プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどが好適で
ある。
【0018】基材の厚みや引張強さなどの物性は、本発
明の効果を損なわない限り、特に限定されない。しかし
ながら、反射プレートを後述する様なエンボス加工によ
り形成する場合は、基材の物性を次のように選択するの
が好適である。厚みの好適な範囲は、金属の場合で0.
05〜1mm、プラスチックの場合で0.1〜5mmであ
る。厚みが薄すぎると、エンボス加工による凸部の形成
の際に基材が破損するおそれがあり、反対に厚すぎる
と、エンボス加工による凸部の形成が困難になるおそれ
がある。引張強さは、好適には1〜10kg/mm2、特に
好適には2〜9kg/mm2である。引張強さが1kg/mm2
未満であると、エンボス加工の際に基材が破損するおそ
れがあり、反対に10kg/mm2 を超えると、エンボス加
工が困難になるおそれがある。
【0019】再帰性反射シート 本発明で使用する再帰性反射シートは、被覆層を有し、
反射要素の表面が露出していないタイプである。被覆層
としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂な
どが使用できる。被覆層の全光透過率は、通常80%以
上である。被覆層を有する反射シートは、たとえば、3
M社製のスコッチライト(商標)「品番:#580」、
「#3810J」、「#1570」などである。これら
の反射シートは、ガラスビーズレンズと、その焦点位置
に配置された反射膜とを有してなる反射要素が使用さ
れ、ビーズレンズの表面が被覆層により被覆されてい
る。反射輝度を高めるためには、カプセルレンズ型再帰
性反射シートが好ましい。また、プラスチックから形成
された反射プリズムを反射要素として用いることもでき
る。
【0020】反射シートの破断伸び、破断強度、厚みな
どの物性は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定
されない。しかしながら、反射プレートをエンボス加工
により形成する場合は、次のように選択するのが好適で
ある。破断伸びは、好適には100〜300%、特に好
適には120〜280%である。破断伸びが300%を
超えると、エンボス加工の際に反射面にしわが発生する
おそれがあり、反対に100%未満であると、エンボス
加工が困難になるおそれがある。破断強度は、好適には
1.0〜10.0kg/25mm、特に好適には3.0〜
7.0kg/25mmである。破断強度が1.0kg/25mm
未満であると、エンボス加工の際に反射シートが破損す
るおそれがあり、反対に10kg/25mmを超えると、エ
ンボス加工が困難になるおそれがある。厚みの好適な範
囲は、10〜750μmである。10μm未満である
と、エンボス加工の際に反射シートが破損するおそれが
あり、反対に750μmを超えると、エンボス加工が困
難になるおそれがある。基材と再帰性反射シートとの接
着には、通常の接着剤、たとえば、アクリル系接着剤、
ポリオレフィン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シリ
コーン系接着剤、エポキシ系接着剤などが使用できる。
接着剤は、感圧性接着剤または感熱性接着剤のいずれも
使用できる。好適には感圧性接着剤である。感圧性接着
剤は流動性が高いので、エンボス加工による反射プレー
トの製造が容易になるからである。この接着剤の厚み
は、通常5〜50μmである。
【0021】接着剤層 基材の背面に設けられる接着剤の層は、反射プレートを
ガードレール等の被着体に貼り付けるために用いられ
る。この様な接着剤には、前述のものと同様の接着剤が
使用できる。接着剤は、好適には感圧性接着剤である。
感圧性接着剤は流動性が高いので、エンボス加工が容易
になるからである。背面の接着剤層の厚みは、通常5〜
50μmである。また、基材が、ポリエチレン等の比較
的接着性の低いプラスチックの場合、基材の背面と接着
剤層との間にプライマー層を設けるのが良い。
【0022】接着剤層を保護するライナーは、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等の樹脂シートと紙とを貼り合わ
せた剥離紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の樹脂からなるフィルムが好適で
ある。これらのライナーは破損しにくいので、エンボス
加工が容易になる。特に、エンボス加工により反射プレ
ートを製造する場合は、延伸性が良好なポリエチレン系
樹脂フィルムが好適である。この様なポリエチレン系樹
脂は、たとえば、低密度または超低密度ポリエチレン樹
脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレ
ン/プロピレンのブレンド樹脂などである。
【0023】反射プレートの製造 本発明の反射プレートは、エンボス加工によりを製造す
るのが好適である。所定の形状、寸法および配列を有す
る凸部を正確に形成することができるからである。エン
ボス加工は、所定の形状、寸法および配列の突起を複数
備えるエンボスツールを、基材の背面側から押し当てて
行う。突起の形状、寸法および配列は、反射プレートの
凸部のそれらに対応する様に設計する。エンボス加工時
の圧力は、通常1〜100kg/cm2、好適には20〜8
0kg/cm2 である。圧力は、機械的プレス、減圧プレス
などのプレス操作により加える。エンボスツールとして
は、上記突起を表面に配置したプレートまたはロールな
どから構成される第1のツールと、再帰性反射シートの
表面側に当接する第2のツールの組を使用することがで
きる。第2のツールとしては、第1のツールの突起を受
容できる凹部を備えたものや、あるいは第1のツールが
基材の裏面側から押し当てられた時に変形可能な材料か
らなる表面が平坦なものなどが使用できる。後者のタイ
プの第2のツール(表面が平坦なツール)の材料は、ゴ
ム、エラストマーなどが使用できる。
【0024】また、エンボス加工による製造方法におい
て、前述の様に、基材の表面および背面に、それぞれ、
再帰性反射シート、およびライナーで保護された粘着剤
層とを備えた積層体を形成した後、その積層体のライナ
ーの上から複数の突起を備えるエンボスツールを押し当
てて凸部を形成する場合も、同様の条件およびエンボス
ツールを使用する。また、再帰性反射シートの被覆層の
表面に文字、図案等の表示を印刷した後、エンボス加工
を行っても良い。この他、本発明の反射プレートは、予
め凸部が形成された基材の上に再帰性反射シート重ねた
後、減圧下で基材と反射シートとを圧着する方法でも製
造することができる。
【0025】反射プレートの用途 本発明の反射プレートは、たとえば、自動車等の車両の
ヘッドライトにより比較的高入射角度で光が照射され
る、道路脇やトンネル内の曲がり角に設置される交通標
識、ガードレール、看板、表示板などの物体の夜間の視
認性を高めることができる。すなわち、この様な物体に
反射プレートを貼り付けることにより、比較的遠方から
でも、その物体をドライバーが視認することができる。
【0026】
【実施例】
実施例1 基材として軟質アルミニウム(東洋アルミニウム(株)
製「品番:A1N30H−O」を用い、再帰性反射シー
トとして3M社製の封入レンズ型(enclosed lens typ
e)反射シート(品番)#580を用いた。軟質アルミ
ニウムの厚みは0.08mm、引張強さは約8kg/m
2であり、反射シートの厚みは170μm、破断伸び
は200%、破断強度は4.8kg/25mmであった。再
帰性反射シートと基材とは、反射シートの背面に設けら
れたアクリル系粘着剤の層を介して接着した。一方、基
材の裏面に、アクリル系粘着剤の層(厚みは約25μ
m)と、それを保護するライナー(材質はポリエチレン
系樹脂、厚みは90μm)とを積層した。上記の様にし
て得られた積層体を、次のようにしてエンボス加工し、
本実施例の反射プレートを作製した。エンボスツールの
複数の突起を、基材背面側のライナーの上に押し当てて
行った。エンボス加工は、突起を有する第1のツール
と、第1のツールの突起を受容可能な凹部を備えた第2
のツールとを組み合わせたをツールを用い、エンボス圧
力を約70kg/cm2にして行った。凸部の寸法およ
び幾何学的パターンを図3に示す。この例では、D=6
mm、P=14.1mm、h=2mmであり、式(i)のh/
Pの値は、0.14となった。ただし、Pは、図3の矢
印Bの方向(正方形の対角線)に沿って測定した値であ
る。
【0027】表1および表2に示す各条件における反射
輝度を測定した。本実施例の反射プレートは、広入射角
反射特性と屋外使用特性(耐汚染特性)の両方にすぐれ
ていることが分かった。なお、表1の反射輝度は、JI
S Z8714に準じた再帰反射性能測定装置を、表2
の反射輝度値は、MIROLUX7(東芝バロティーニ
(株)製)を用いて測定した。
【0028】実施例2 凸部の幾何学的パターンを図4に示すものに換えた以外
は、実施例1と同様にして反射プレート作成した。凸部
の寸法および幾何学的パターンは、菱形(正三角形)が
繰り返えされたパターンであり、D=6mm、P=20.
7mm、h=2mmであり、式(i)のh/Pの値は0.1
0となった。ただし、Pは、図3の矢印Cの方向に沿っ
て測定した値である。反射輝度の測定結果を表1および
表2に示す。
【0029】実施例3 再帰性反射シートを、3M社製のカプセルレンズ型(en
capsulated lens type)反射シート「品番:#3870
J」に換えた以外は、実施例2と同様にして反射プレー
トを作成した。このカプセルレンズ型反射シートの全体
の厚みは約280μm、破断伸びは200%、破断強度
は5.9kg/25mmであった。反射輝度の測定結果を表
1および表2に示す。
【0030】実施例4 凸部の寸法および配置を、D=2.7mm、P=7.4
mm、h=0.6mm、式(i)のh/p=0.08に
換えた以外は、実施例1と同様にして反射プレートを作
成した。入射角=86.5度/観測角=1.5度におけ
る反射輝度(B方向)は、約450mcd/m2であっ
た。
【0031】比較例1 3M社製の路面表示材(品番)#380を使用し、実施
例1と同様の方法で反射輝度を測定した。測定結果を表
1および表2に示す。この路面表示材は、図5に示す様
な断面構造を有する。凸部の側面にのみガラスビーズが
接着されている。また、ビーズの表面には、被覆層は被
覆されていない露出レンズタイプである。測定結果を表
1および表2に示す。
【0032】比較例2 3M社製の(品名)スコッチレーン#6160を使用
し、実施例1と同様の方法で反射輝度を測定した。これ
は、図6に示す様な、凸部を持たない断面構造を有し、
比較的高入射角の光線に対する反射輝度が高められる様
に、ガラスビーズがほぼ単層状に配置されている。ま
た、ビーズの表面には、被覆層は被覆されていない露出
レンズタイプである。測定結果を表1および表2に示
す。
【0033】比較例3 実施例3で用いた3M社製のカプセルレンズ型反射シー
トをそのまま使用し、実施例1と同様の方法で反射輝度
を測定した。測定結果を表1および表2に示す。本比較
例の反射プレートでは、反射性凸部がないので、実施例
3に比べて、75〜85度の入射角光線に対する反射輝
度が10分の1以下であった。
【0034】比較例4 実施例1で用いた3M社製の封入レンズ型反射シートを
そのまま使用し、実施例1と同様の方法で反射輝度を測
定した。測定結果を表1および表2に示す。本比較例の
反射プレートでは、反射性凸部がないので、実施例1に
比べて、75〜85度の入射角光線に対する反射輝度が
10分の1以下であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射プレートの1例の断面図。
【図2】 反射プレートの突起の配置の例を示す図。
【図3】 実施例1で作成した反射プレートの突起の配
置を示す図。
【図4】 実施例2で作成した反射プレートの突起の配
置を示す図。
【図5】 比較例1で用いた路面表示材の断面図。
【図6】 比較例2で用いた反射プレートの断面図。
【符号の説明】
1:基材、2:再帰性反射シート、3:基部、4:凸
部、10:反射プレート。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材(1)と、その基材の表面に接着さ
    れた再帰性反射シート(2)とを含んでなる積層体から
    なり、 再帰性反射シート(2)によって被覆されている略平坦
    な基部(3)と、 再帰性反射シート(2)によって被覆され、基部(3)
    によって分離されて配置された複数の凸部(4)とを有
    し、 複数の凸部(4)は、幾何学平面図形の頂点上に配置さ
    れ、その幾何学平面図形は規則的に繰り返されたパター
    ンを形成する様に配列されている、反射プレート(1
    0)において、 a)再帰性反射シート(2)が、再帰性反射要素と、再
    帰性反射要素の表面を被覆する光透過性の被覆層とを有
    してなり、 b)凸部(4)の断面寸法および配列が次式(i)を満
    たす、広入射角反射プレート: 【数1】 0.05<h/P<0.60 (i) (式中のPは、1つの幾何学平面図形内の頂点の内の最
    も離れて位置する2頂点間の距離、hは、基部の表面か
    ら測定した凸部の高さである。)。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の広入射角反射プレート
    の製造方法において、 前記基材として延伸性の金属または樹脂からなる平らな
    基材を用意し、 その基材の表面および背面にそれぞれに、前記再帰性反
    射シートおよびプラスチックフィルムを含んでなるライ
    ナーで保護された接着剤層を適用して積層体を形成し、 該ライナーの上から複数の突起を備えるエンボスツール
    を該積層体に押し当ててエンボス加工し、前記凸部を形
    成することを特徴とする、製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001018569A1 (en) * 1999-09-03 2001-03-15 3M Innovative Properties Company Cleaning device for reflective materials
KR20010081460A (ko) * 2000-02-14 2001-08-29 황건이 역반사 시트
US6517923B1 (en) 1999-06-25 2003-02-11 3M Innovative Properties Company Reflective article and method for manufacturing the same
WO2004029365A1 (en) 2002-09-24 2004-04-08 3M Innovative Properties Company Reflector
JP2006030759A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Three M Innovative Properties Co 広入射角反射体およびその製造方法

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