JP2006030759A - 広入射角反射体およびその製造方法 - Google Patents
広入射角反射体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006030759A JP2006030759A JP2004211383A JP2004211383A JP2006030759A JP 2006030759 A JP2006030759 A JP 2006030759A JP 2004211383 A JP2004211383 A JP 2004211383A JP 2004211383 A JP2004211383 A JP 2004211383A JP 2006030759 A JP2006030759 A JP 2006030759A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reflector
- precursor sheet
- sheet
- base material
- incident angle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)
- Road Signs Or Road Markings (AREA)
Abstract
【課題】 広入射角の反射特性に優れ、突起部形状の経時変化が抑制され、生産性も高い反射体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートとを含む反射体は、平坦な基部と、その基部より分離されて配置された複数の突起部とを有し、複数の凸部が高周波ウェルディング加工によって形成されている。この反射体は、基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートと、所望によりその裏面に接着剤層を有する平坦な反射体前駆シートを用意し、該反射体前駆シートの一部を、高周波電界により局所的に溶融させ、溶融部分に圧力をかけ、該反射体前駆シートに突起部を形成することにより、製造することができる。
【選択図】図3
【解決手段】 基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートとを含む反射体は、平坦な基部と、その基部より分離されて配置された複数の突起部とを有し、複数の凸部が高周波ウェルディング加工によって形成されている。この反射体は、基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートと、所望によりその裏面に接着剤層を有する平坦な反射体前駆シートを用意し、該反射体前駆シートの一部を、高周波電界により局所的に溶融させ、溶融部分に圧力をかけ、該反射体前駆シートに突起部を形成することにより、製造することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、ガードレールや壁面、路面などに配置され、広入射角反射特性に優れていて夜間の視認性が高い反射体に関する。
低い入射角(反射面に対する法線に近い角度)から高い入射角(反射面に対して水平に近い角度)までの広い範囲にわたる入射光線に対する反射特性(広入射角反射特性)に優れる反射体として、反射性突起部(凸部)を有する反射体が使用されている。
通常、このような突起部を形成する方法としては、エンボス加工により反射体自体に突起形状を付与する方法、ビーズ等の補強体を基材表面に配置し、その上から反射シートを貼り付ける方法等が知られている。
通常、このような突起部を形成する方法としては、エンボス加工により反射体自体に突起形状を付与する方法、ビーズ等の補強体を基材表面に配置し、その上から反射シートを貼り付ける方法等が知られている。
特許文献1には、反射性突起部が所定の寸法および配列パターンを有する反射体が開示されている。この反射体は、比較的高い入射角からの光線に対する反射特性に優れ、反射面に水滴が付着した場合でも反射輝度の低下がほとんどない。
特許文献2には、封入レンズ再帰反射シートを表面に含み、突起部を有する再帰反射性材料が開示されており、突起部を形成するためにエンボス加工ロールを使用する旨が記載されている。
しかし、いずれの特許文献も、突起部の形成方法としてはエンボス加工を記載しており、高周波ウェルディング加工については言及していない。
特開平10−333616
特表平11−508564
特許文献2には、封入レンズ再帰反射シートを表面に含み、突起部を有する再帰反射性材料が開示されており、突起部を形成するためにエンボス加工ロールを使用する旨が記載されている。
しかし、いずれの特許文献も、突起部の形成方法としてはエンボス加工を記載しており、高周波ウェルディング加工については言及していない。
エンボス加工により突起部を形成しようとすると、突起部を形成したい部分を含む反射体前駆シート(基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートとを含む積層シート)の広い領域に熱を加えることになり、加熱により、再帰性反射シートの広い範囲にわたって反射特性が低下してしまい、再帰性反射シート全体としての反射特性が低下してしまう可能性があった。また、エンボス加工時の圧力により、突起部付近の折り曲げ部分全体に伸縮の応力が加わっており、時間の経過に伴って突起部形状が変化し、反射体表面が割れてしまう等の問題があった。また、反射体全体を加熱し全体が柔らかくなった後でエンボス成形を行なう必要が有り、生産性が落ちてしまうという問題もあった。
本発明の目的は、広入射角の反射特性に優れ、突起部形状の経時変化が抑制され、生産性も高い反射体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、広入射角の反射特性に優れ、突起部形状の経時変化が抑制され、生産性も高い反射体およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、
基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートとを含む反射体であって、
該反射体は、平坦な基部と、その基部より分離されて配置された複数の突起部とを有し、
該複数の凸部が高周波ウェルディング加工によって形成されていることを特徴とする反射体、並びに
基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートと、所望によりその裏面に接着剤層を有する平坦な反射体前駆シートを用意し、
該反射体前駆シートの一部を、高周波電界により局所的に溶融させ、溶融部分に圧力をかけ、該反射体前駆シートに突起部を形成することを特徴とする本発明の反射体の製造方法を提供する。
基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートとを含む反射体であって、
該反射体は、平坦な基部と、その基部より分離されて配置された複数の突起部とを有し、
該複数の凸部が高周波ウェルディング加工によって形成されていることを特徴とする反射体、並びに
基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートと、所望によりその裏面に接着剤層を有する平坦な反射体前駆シートを用意し、
該反射体前駆シートの一部を、高周波電界により局所的に溶融させ、溶融部分に圧力をかけ、該反射体前駆シートに突起部を形成することを特徴とする本発明の反射体の製造方法を提供する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明における基材には、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂が好適に用いられる。また、基材表面に配置される再帰性反射シートに熱可塑性材料を用いる場合は、熱可塑性樹脂を用いた基材を使用する必要はない。
基材は軟質でありかつ適度な剛性を有する素材であるのが好ましい。車両などが接触した場合においても突起部の形状を維持し、性能の低下を極力防ぎ、損傷し脱落した場合においても二次災害を防ぐことができるからである。基材の厚みや引張り強さなどの物性は、特に限定されるものではないが、厚みは0.02mmから3mmが好適である。
本発明における基材には、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂が好適に用いられる。また、基材表面に配置される再帰性反射シートに熱可塑性材料を用いる場合は、熱可塑性樹脂を用いた基材を使用する必要はない。
基材は軟質でありかつ適度な剛性を有する素材であるのが好ましい。車両などが接触した場合においても突起部の形状を維持し、性能の低下を極力防ぎ、損傷し脱落した場合においても二次災害を防ぐことができるからである。基材の厚みや引張り強さなどの物性は、特に限定されるものではないが、厚みは0.02mmから3mmが好適である。
本発明で使用する再帰性反射シートには、被覆層を有し、反射要素の表面が露出していないタイプが好適に用いられる。被覆層としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが使用できる。被覆層の全光透過率は、通常80%以上、好ましくは85%以上である。被覆層を有する反射シートは、たとえば、3M社製のスコッチライト(商標)ダイヤモンドグレード3970シリーズ、981シリーズ、983シリーズ、3820シリーズまたは3870シリーズなどである。これらの反射シートのうち、ガラスビーズレンズタイプは、ビーズレンズとその焦点位置に配置された反射膜とを有してなる反射要素が使用され、ビーズレンズの表面が平滑な被覆層により被覆されている。また、プリズムレンズタイプの反射要素も同様に平滑な被覆層により被覆されている。なお、反射輝度をより高めるためには、プリズムレンズ型再帰性反射シートが好ましい。
再帰性反射シートの破断伸び、破断強度、厚みなどの物性は、本発明の効果が達成できる限り、特に限定されない。しかしながら、高周波ウェルディング加工により形成することを考慮すると、次のように選択するのが好適である。
破断伸びは、好適には1〜300%、特に好適には5〜50%である。破断伸びが300%を超えると、高周波ウェルディング加工の際に反射面にしわが発生するおそれがあり、反対に1%未満であると、加工が困難になるおそれがある。破断強度は、好適には10〜1000N/25mm、特に好適には200〜500N/25mmである。破断強度が10N/25mm未満であると、加工の際に反射シートが破損するおそれがあり、反対に500N/25mmを超えると、加工が困難になるおそれがある。厚みの好適な範囲は、10〜750μmである。10μm未満であると、加工の際に反射シートが破損するおそれがあり、反対に750μmを超えると、加工が困難になるおそれがある。
ここで、破断伸びおよび破断強度は、JIS Z 9117 7.8 に準拠して測定した値である。
破断伸びは、好適には1〜300%、特に好適には5〜50%である。破断伸びが300%を超えると、高周波ウェルディング加工の際に反射面にしわが発生するおそれがあり、反対に1%未満であると、加工が困難になるおそれがある。破断強度は、好適には10〜1000N/25mm、特に好適には200〜500N/25mmである。破断強度が10N/25mm未満であると、加工の際に反射シートが破損するおそれがあり、反対に500N/25mmを超えると、加工が困難になるおそれがある。厚みの好適な範囲は、10〜750μmである。10μm未満であると、加工の際に反射シートが破損するおそれがあり、反対に750μmを超えると、加工が困難になるおそれがある。
ここで、破断伸びおよび破断強度は、JIS Z 9117 7.8 に準拠して測定した値である。
基材と再帰性反射シートとの接着には、通常の接着剤、たとえば、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤などが使用できる。接着剤は、感圧性接着剤または感熱性接着剤のいずれも使用できる。この接着剤の厚みは、通常30〜3000μmである。
基材の裏面には、再帰性反射シートをガードレール等の被着体に貼り付けるための接着剤層を設けることもできる。この様な接着剤には、前述のものと同様の接着剤が使用できる。背面の接着剤層の厚みは、通常30〜3000μmである。また、基材が、ポリエチレン等の比較的接着性の低いプラスチックの場合、基材の背面と接着剤層との間にプライマー層を設けるのが良い。
背面の接着剤層は、ライナーにより保護するのが好ましい。ライナーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂シートと紙とを貼り合わせた剥離紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂からなるフィルムが好適である。これらのライナーは破損しにくいので、高周波ウェルディング加工が容易になる。
また、再帰性反射シートと基材とを貼り合わせた状態で高周波ウェルディング加工を行い、その後、両面テープ(フィルムや紙等の基材の両面に接着剤層を設けた粘着テープ)を、基材の平坦な基部の裏面のみに、隣り合う平坦な基部どうしを連結するように貼りあわせることもできる。これにより、形成された突起部の形状の崩れが抑えられ、設計した所定の性能を発揮することが可能となる。
突起部の形成
本発明の反射体における突起部は、高周波ウェルディング加工により形成される。一般に高周波ウェルディング加工はシートどうしの溶着に用いられる製法で、相対向する対の電極間に2枚以上のシートを挟み、押圧すると同時に電極間に高周波電圧をかけることで、押圧された部分を高周波電界により加熱、溶解、溶着させるという製法である。
本発明ではこの高周波ウェルディング加工をシートどうしの溶着ではなく、突起部の形成に用いる。すなわち、反射体前駆シートの一部に高周波電圧をかけ、高周波電解により局所的に発熱し溶解させると同時に、その部分に圧力をかけて突起部を形成する。
本発明の反射体における突起部は、高周波ウェルディング加工により形成される。一般に高周波ウェルディング加工はシートどうしの溶着に用いられる製法で、相対向する対の電極間に2枚以上のシートを挟み、押圧すると同時に電極間に高周波電圧をかけることで、押圧された部分を高周波電界により加熱、溶解、溶着させるという製法である。
本発明ではこの高周波ウェルディング加工をシートどうしの溶着ではなく、突起部の形成に用いる。すなわち、反射体前駆シートの一部に高周波電圧をかけ、高周波電解により局所的に発熱し溶解させると同時に、その部分に圧力をかけて突起部を形成する。
突起部の形成方法の一例を以下で説明する。
まず、基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートと、所望によりその裏面に接着剤層を有する平坦な反射体前駆シートを用意し、一方、反射体前駆シートの幅方向に対応した方向(図面の面に垂直な方向)に連続した凸部10を有する凸型ツール11(図1)と、同幅方向に対応した連続した凹部20を有する凹型ツール21(図2)を用意し、図3に示すように、反射体前駆シート1の裏面側から凸型ツール11を、その表面側から凹型ツール21を押し当てる。この時、同時に凸部10の先端部(B)と凹部20の側壁の先端部(A)および(C)に高周波電圧をかけ、反射体前駆シート1に幅方向に連続した山型突起部2を形成する(図4)。その後、ツール11,21を開き、反射体前駆シートを長さ方向に所定距離移動させ、同様にして次に山型突起部2を作製する。この繰り返しにより、山型突起部2と平坦な基部3が交互に配置された反射体を作製することができる(図5)。
まず、基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートと、所望によりその裏面に接着剤層を有する平坦な反射体前駆シートを用意し、一方、反射体前駆シートの幅方向に対応した方向(図面の面に垂直な方向)に連続した凸部10を有する凸型ツール11(図1)と、同幅方向に対応した連続した凹部20を有する凹型ツール21(図2)を用意し、図3に示すように、反射体前駆シート1の裏面側から凸型ツール11を、その表面側から凹型ツール21を押し当てる。この時、同時に凸部10の先端部(B)と凹部20の側壁の先端部(A)および(C)に高周波電圧をかけ、反射体前駆シート1に幅方向に連続した山型突起部2を形成する(図4)。その後、ツール11,21を開き、反射体前駆シートを長さ方向に所定距離移動させ、同様にして次に山型突起部2を作製する。この繰り返しにより、山型突起部2と平坦な基部3が交互に配置された反射体を作製することができる(図5)。
また、凸部を複数有する凸型ツール12と、凹部を複数有する凹型ツール22とを用いて上記と同様にして反射体を形成することもできる(図6)。
上記製法によると、ツールの凸部と凹部の先端部(A)〜(C)により、反射体前駆シートを局所的に溶融するため、作製された反射体全体に成形時の応力が残留することがなく、突起部形成による反射性能の低下や、経時での外観異常、反射性能低下の原因となることも少ない。
凸型ツール11の凸部10の高さ(H)と間隔(L)、凹型ツール21の凹部20の深さ(D)および幅(W)は、反射体の使用目的に応じて設計をすることができる。例えば凸部の高さ(H)を高くし、凹部の幅(W)を狭くし、凹部の深さ(D)をHと同じにして、形成される山型突起部の斜面と反射体の平坦部とが成す(内側の)角度(α)を大きくすると、道路脇のガードレールに設置された場合、反射体の反射面が道路を走行する自動車のヘッドライトの光に対してほぼ正対するようになり、反射面(上記山型突起部の側面)に対してヘッドライトの光がより法線方向に近い方向から入射されることで、高い再帰性反射性能を発揮することとなる。よって、道路の曲率半径の大きなカーブ(反射体への入射角度が大きくなる条件)において有効な反射体となる。
凸部の高さHは、通常3〜30mm、好ましくは5〜28mmである。この高さHが3mm未満であると、高入射角の光線に対する反射特性を向上させることができないおそれがあり、一方、30mmを超えると、反射体を設置した後に破損を受けやすくなるおそれがある。
凸部の間隔Lは、通常10〜100mm、好ましくは30〜80mmである。この間隔Lが10mm未満であると、低入射角の光線に対する反射特性を向上させることができないおそれがあり、一方、100mmを超えると、高入射角の光線に対する反射特性の向上を図ることができない。
前述の突起部形成方法において、基材の裏面にライナーで保護された接着剤層を配置した反射体前駆シートを用意し、凸型ツールと凹型ツールを押し当てて突起部を形成することもできる。
上記方法で作製された反射体は広入射角の反射特性に優れる。
ここで広入射角の反射特性に優れるとは、反射体を水平に置いた場合、その水平面の法線近傍の方向から入射された光の反射輝度が十分なレベルであり、かつ反射体の水平面近傍の斜め方向から入射された光の反射輝度も視認可能なレベル、たとえば、JIS Z 9117 7.3 に準拠して測定した場合、白色の反射体で観測角12'、入射角40°の条件での反射輝度(R1)が350CPL以上であり、観測角12'、入射角80°の条件での反射輝度(R2)が50CPL以上である反射体を意味する。好ましくは、R2はR1の15%以上である。
本発明の好ましい反射体においては、JIS Z 9117 7.3 に準拠して観測角12’及び入射角80°で測定した反射輝度が、反射体前駆シートと比較して、15倍以上、より好ましくは20倍以上である。
ここで広入射角の反射特性に優れるとは、反射体を水平に置いた場合、その水平面の法線近傍の方向から入射された光の反射輝度が十分なレベルであり、かつ反射体の水平面近傍の斜め方向から入射された光の反射輝度も視認可能なレベル、たとえば、JIS Z 9117 7.3 に準拠して測定した場合、白色の反射体で観測角12'、入射角40°の条件での反射輝度(R1)が350CPL以上であり、観測角12'、入射角80°の条件での反射輝度(R2)が50CPL以上である反射体を意味する。好ましくは、R2はR1の15%以上である。
本発明の好ましい反射体においては、JIS Z 9117 7.3 に準拠して観測角12’及び入射角80°で測定した反射輝度が、反射体前駆シートと比較して、15倍以上、より好ましくは20倍以上である。
本発明の反射体によれば、たとえば、自動車等の車両のヘッドライトにより比較的高入射角度で光が照射される、道路脇やトンネル内の曲がり角に設置される交通標識、ガードレール、看板、表示板などの夜間の視認性を高めることができる。すなわち、この様な物体に本発明の反射体を貼り付けることにより、比較的遠方からでも、その物体をドライバーが視認することができる。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
次の様にして本例の反射体を作製した。
まず、基材として200μmの熱可塑性フィルム(三菱レーヨン社製、製品名:アクリペットIR-H50)を、再帰性反射シートとして被覆層を有し反射要素の表面が露出していないタイプの反射シート(3M社製、商品名:スコッチライト ダイヤモンドグレード981−10)を用意した。再帰性反射シートと基材とは、反射シートの背面に設けられたアクリル系粘着剤の層を介して接着した。上記の様にして得られた積層体を、次のようにして高周波ウェルディング加工し、本実施例の反射体を作製した。
まず、基材として200μmの熱可塑性フィルム(三菱レーヨン社製、製品名:アクリペットIR-H50)を、再帰性反射シートとして被覆層を有し反射要素の表面が露出していないタイプの反射シート(3M社製、商品名:スコッチライト ダイヤモンドグレード981−10)を用意した。再帰性反射シートと基材とは、反射シートの背面に設けられたアクリル系粘着剤の層を介して接着した。上記の様にして得られた積層体を、次のようにして高周波ウェルディング加工し、本実施例の反射体を作製した。
幅方向に連続する凸部10を3つ有する凸型ツール13と、これらの凸部20を受容し幅方向に連続する3つの凹部20を有する凹型ツール23を用意した(図7)。隣り合う凸部の距離(L)は57mm、凸部の高さ(H)と凹部の深さ(D)は7.5mm、凹部の幅(W1)と間隔(W2)はそれぞれ、21mmおよび36mmであった。上記積層体を凸型ツールおよび凹型ツールの間にはさみ、プレス圧力0.4Kg/m2で押圧すると同時に、凸部と凹部の先端部(A)〜(C)に高周波電流(電流=2.2Aで6秒)をかけ、高周波ウェルディング加工を行なった。これにより、幅方向に連続する山型突起部を3列有する反射体を得た。隣り合う山型形状の頂点どうしの距離は約57mm、山型形状の高さは約8mm、山型形状の斜面と反射体の平坦部とが成す角度(α)は約38°であった。
積層体を凹型ツールと凸型ツールの間にはさんでから、山型形状を作製し終えるまでの時間はおよそ0.5分で、生産性にも優れていた。
積層体を凹型ツールと凸型ツールの間にはさんでから、山型形状を作製し終えるまでの時間はおよそ0.5分で、生産性にも優れていた。
本実施例の反射体の反射輝度をJIS Z 9117 7.3に準じ、山型形状の稜線に垂直な面と平行になるように光を入射させ、入射角を反射体の平坦基部の法線方向を0°として、0°から10°きざみで変化させ、観測角を入射光の光軸方向からから12'に固定して測定した(図8参照)。結果を表1に示す。
結果から、本実施例の反射体は広入射角反射特性に優れていることが分かった。
結果から、本実施例の反射体は広入射角反射特性に優れていることが分かった。
上記反射体を、サンシャインウェーザーメーターを用いて、ブラックパネル温度:63℃、老化時間2000時間の条件で促進老化にかけたが、再帰性反射シート表面の割れや形状の変化等の外観異常は観察されなかった。
実施例1と同様にして得られた積層体を次のようにエンボス加工し、本例の反射体を作製した。エンボス加工は、幅方向に連続する山型形状の凸部10'を3列有する凸型ツール14(図9)と、凸型ツールの凸部を受容可能な凹部を備えた凹型ツール(図示せず)とを用意し、積層体を100℃で3分加熱して柔らかくした後で、これらの凸型ツールおよび凹型ツールに挟んで押圧し、その状態で100℃で4分間保持後、冷却して行なった。凸型ツールの隣り合う山型形状の頂点どうしの距離(L1)は57mm、山型形状の高さ(H1)は7.5mm、山型形状の斜面と反射体の平坦部とが成す角度(α1)は38°であった。
本例の反射体の反射輝度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
本比較例の反射体は、山型突起部を有する為、広入射角反射特性は良好であるが、高周波ウェルディング加工したもの(実施例1)に比較して全体的に反射輝度が落ちていた。
また、本例の反射体を実施例と同様に促進老化にかけたところ、初期形状からの形状の変化の外観異常が観察された。
本比較例の反射体は、山型突起部を有する為、広入射角反射特性は良好であるが、高周波ウェルディング加工したもの(実施例1)に比較して全体的に反射輝度が落ちていた。
また、本例の反射体を実施例と同様に促進老化にかけたところ、初期形状からの形状の変化の外観異常が観察された。
実施例1と同様にして得た平坦な積層体(反射体前駆シート)の反射輝度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。本例の反射体は、突起部を有しないため、広入射角反射特性に劣っていた。
1 反射体、2 山型突起部、3 基部
10 凸部、11,12,13 凸型ツール
20 凹部、21,22,23 凹型ツール
10 凸部、11,12,13 凸型ツール
20 凹部、21,22,23 凹型ツール
Claims (6)
- 基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートとを含む反射体であって、
該反射体は、平坦な基部と、その基部より分離されて配置された複数の突起部とを有し、
該複数の凸部が高周波ウェルディング加工によって形成されていることを特徴とする反射体。 - 平坦な基部のみからなる反射体(反射体前駆シート)と比較して、JIS Z 9117 7.3 に準拠して観測角12’及び入射角80°で測定した反射輝度が15倍以上である請求項1に記載の反射体。
- JIS Z 9117 7.3 に準拠して観測角12’で測定した場合、入射角80°の時の反射輝度が、入射角40°の時の反射輝度の15%以上である請求項1に記載の反射体。
- 前記基材は、その裏面に接着剤層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の反射体。
- 基材と、その表面に固定的に配置された再帰性反射シートと、所望によりその裏面に接着剤層を有する平坦な反射体前駆シートを用意し、
該反射体前駆シートの一部を、高周波電界により局所的に溶融させ、溶融部分に圧力をかけ、該反射体前駆シートに突起部を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射体の製造方法。 - 該反射体前駆シートの幅方向に対応する方向に連続した凸部を有する凸型ツールと、該反射体前駆シートの幅方向に対応する方向に連続した凹部を有する凹型ツールを用意し、
該反射体前駆シートの突起部形成領域に、裏面側から凸型ツールを、表面側から凹型ツールを押し当て、凸部の先端部および凹部の先端部に高周波電圧をかけ、該突起部形成領域を局所的に溶融させ、該反射体前駆シートに幅方向に連続した山型形状の突起部を形成することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004211383A JP2006030759A (ja) | 2004-07-20 | 2004-07-20 | 広入射角反射体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004211383A JP2006030759A (ja) | 2004-07-20 | 2004-07-20 | 広入射角反射体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006030759A true JP2006030759A (ja) | 2006-02-02 |
Family
ID=35897157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004211383A Pending JP2006030759A (ja) | 2004-07-20 | 2004-07-20 | 広入射角反射体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006030759A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108089247A (zh) * | 2016-11-22 | 2018-05-29 | 黄振正 | 反光膜 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10333616A (ja) * | 1997-03-31 | 1998-12-18 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 広入射角反射プレートおよびその製造方法 |
JP2001281428A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Ssc:Kk | 反射材およびその製造方法 |
JP2001281427A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Ssc:Kk | 反射材およびその製造方法 |
-
2004
- 2004-07-20 JP JP2004211383A patent/JP2006030759A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10333616A (ja) * | 1997-03-31 | 1998-12-18 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 広入射角反射プレートおよびその製造方法 |
JP2001281428A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Ssc:Kk | 反射材およびその製造方法 |
JP2001281427A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Ssc:Kk | 反射材およびその製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108089247A (zh) * | 2016-11-22 | 2018-05-29 | 黄振正 | 反光膜 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4225897B2 (ja) | 再帰反射装置 | |
KR100674452B1 (ko) | 반사체 및 그 제조 방법 | |
JP3931256B2 (ja) | 1つ以上の面において改善された照射角を形成するキューブコーナ製品 | |
EP2280296B1 (en) | Retroreflective film | |
JP3623507B2 (ja) | 追従可能なキューブコーナー再帰反射シート材料 | |
JP2000501347A (ja) | 小独立室逆反射シート | |
CN108293275B (zh) | 加热电极装置、发热板和导电性发热体 | |
US6508559B2 (en) | Conformable cube corner retroreflective sheeting | |
EP1250611A2 (en) | Reflector, method for the production of reflector, and internal-lighting display device | |
JPWO2005054909A1 (ja) | 湾曲した反射側面を持つ三角錐型キューブコーナー再帰反射物品 | |
WO2020017502A1 (ja) | 合わせガラス | |
JP2008528842A (ja) | 布地で裏当てされた巻き取り式の標識材料および衣類テープ | |
JP3824471B2 (ja) | キューブコーナー型再帰反射シート及びキューブコーナー金型 | |
WO2005059605A1 (ja) | 再帰性反射シートとその再帰性反射シートに用いられるフィルム | |
JP2006030759A (ja) | 広入射角反射体およびその製造方法 | |
JP2001081737A (ja) | 反射材および視線誘導構造 | |
JP4113981B2 (ja) | 二方向性再帰反射シート | |
WO1996011303A1 (fr) | Support reflechissant | |
JPH10333616A (ja) | 広入射角反射プレートおよびその製造方法 | |
CN220766872U (zh) | 一种保护膜结构 | |
JP2005049385A (ja) | 副反射側面が設置された三角錐型キューブコーナー再帰反射物品 | |
CN215834199U (zh) | 一种基于丝网印刷技术的反光车贴 | |
JP2001281428A (ja) | 反射材およびその製造方法 | |
JP2021017708A (ja) | 標示材および標示材の施工方法 | |
JP2003129432A (ja) | 路面標識体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070625 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100202 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100706 |