JP4113981B2 - 二方向性再帰反射シート - Google Patents
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Description
本発明は、再帰反射製品に関する。より詳細には、本発明は、照射角の主平面が互いにほぼ垂直となるような向きで交互に配置されたキューブコーナー配列のゾーンを含んでなるキューブコーナー再帰反射シートに関する。
発明の背景
再帰反射シートは、シートの主要面に入射した光を、もとの光源の方向に戻す能力を有する。この独特な能力により、乗物および人の安全を目的とするマーキングに関連した誘目性の強化が必要となる多種多様な用途において、再帰反射シートが広範囲に使用されてきた。再帰反射シートが使用される典型的な例としては、これらのシートを、道路標識、セーフティコーン、およびバリケード上に配置することによって、特に、照明条件が悪い場合、例えば、夜間運転時または荒れ模様の天気の時に、誘目性を増大させることが挙げられる。こうした用途では、典型的には、比較的平らな硬質面にシートを接着させることができるため、シートを比較的不撓性にすることができる。この他、標識用途では、比較的予測可能な標準化された表示幾何構造があることが特徴である。
本質的には、2つのタイプの再帰反射シート:すなわち、ビーズ型シートおよびキューブコーナーシートがある。ビーズ型シートでは、多数の独立したガラスまたはセラミックの微小球が利用して、入射光を再帰反射させる。光学的視点から見ると、ビーズ型シートは、ビーズが対称性を有するため、強力な回転対称性特性および照射角特性を呈する。しかしながら、ビーズ型シートは、キューブコーナーシートと比較した場合、比較的低い輝度を示す傾向がある。その他、ビーズ型シートは、典型的には、ビーズが互いに独立しているため、比較的良好な可撓性を呈する。
キューブコーナーシートでは、典型的には、相互に結合された硬質のキューブコーナー要素の配列を利用して、シートの主要面上に入射した光を再帰反射させる。基本となるキューブコーナー要素は、現在、再帰反射技術分野において周知のものであるが、3つの互いに実質的に垂直な側面を有する略四面体構造をとり、これらの側面は、単一の基準点(すなわち頂点)およびこの頂点に対向した底面三角形において交差する。キューブコーナー要素の対称軸(すなわち、光学軸)は、キューブ頂点を介して延在し、かつキューブコーナー要素の内部空間を3分する軸である。正三角形の底面を有する従来型のキューブコーナー要素では、キューブコーナー要素の光学軸は、底面三角形を含む平面に垂直である。使用時、キューブコーナー要素の底面に入射した光は、3つの側面のそれぞれから反射され、再び光源の方向に戻される。再帰反射シートは、一般的には、対象物の可視度を向上させるためにキューブコーナー要素の少なくとも1つの配列を含んでなる構造化面を備えている。ビーズ型シートと比較した場合、キューブコーナーシートは、比較的低い照射角で入射する光(例えば、ほぼ垂直入射の光)に対して比較的大きい輝度を呈する。しかしながら、キューブコーナー再帰反射シートはまた、比較的劣った照射角特性および回転対称特性を呈する。更に、キューブコーナー再帰反射シートは、典型的には、ビーズ型シートよりも硬質である。なぜなら、キューブコーナー要素はすべて、相互に接続されているからである。
キューブコーナー再帰反射シートの光学素子は、特定の方向に対して最適性能を呈するようにデザインすることが可能である。これを可能にするためには、再帰反射シートのキューブコーナー要素を、それらの光学軸がシートの底面に垂直な軸に対して傾くように形成すればよい。例えば、Hoopmanに付与された米国特許第4,588,258号(‘258特許)には、対向した整合対を形成する傾斜したキューブコーナー要素を含んでなる光学素子を利用した再帰反射シートが開示されている。‘258特許に開示されたシートには、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す主平面(‘258特許の中では、x-平面として規定されている)と、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す従属平面(‘258特許の中では、y-平面として規定されている)と、が含まれる。使用時、‘258特許に従って製造されたシートの向きを、改良された再帰反射性能を示す主平面(例えば、x-平面)が推定入射平面と一致するように設定することが推奨される。このため、‘258特許に従ったシートは、好ましい方向を1つ有する。
誘目性の必要な多くの用途では、比較的大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す2つ主平面を備えた再帰反射シートの利点を生かすことが可能である。例えば、標識の用途の中には、こうした利点を生かせるものがある。なぜなら、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す第2の主平面は、道路標識にシートを配置するための第2の好ましい方向を提供するからである。第2の好ましい方向が提供されれば、効率が増大し、標識作製工程で発生する廃棄物が減少するはずである。
大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す2つ主平面を備えた再帰反射シートの利点を生かすことが可能な第2の用途は、乗物に誘目性を与えるマーキングの分野、特に、トラックに誘目性を与えるマーキングの分野である。トラックが引き起こす事故の多くは、照明条件が悪いときに起こる側面衝突である。なぜなら、接近する車からは、トラックが進行方向を横切るのを早めに発見することができないため、事故が避けられないからである。研究の結果、トラックに誘目性を与えるための適切なマーキング処置を施せば、側面衝突の発生件数を顕著に減少させることができることが分かった。例えば、Finster,Schmidt-Clausen,Optimum Identification of Trucks for Real Traffic Situations,Report on Research Project 1.9103 of the Federal Highways Agency,April,1992を参照されたい。米国は、商業用の乗物に対して再帰反射による誘目性増強システムに関する規則を導入した。他の国は、UN/ECEを介して、長さおよび重量の大きい乗物の輪郭全体にマーキングを施すように規制するための協力関係の検討を行っている。
商業用の乗物の輪郭全体にマーキングを施せば(例えば、乗物の側面および/または後面の周囲全体にマーキングを施せば)、観察者が乗物全体の寸法を知ることができる。しかしながら、輪郭全体にマーキングを施するためには、再帰反射シートを水平方向(例えば、乗物の底面および/または上面に沿って)および垂直方向(例えば、乗物の側面に沿って)の両方向に配置する必要がある。垂直方向または水平方向のいずれの方向にも配置できるように、いずれの方向に対しても同じように良好な性能を示す単一の再帰反射シートを提供することが望ましい。シートの光学素子は、2つの直交する平面で強力な再帰反射性能を提供しなければならない。物理的視点から見ると、トラックに誘目性を与える用途では、波状面および/または突出リベットが含まれることもある乗物、あるいは可撓性ターポリンから作製されることもある乗物、の側面にシートを接着する必要がある。従って、シートは、凸凹または可撓性のある下地面に整合できなければならない。
発明の概要
簡単に述べれば、本発明は、2つの直交する方向において大きい照射角に対して最適な再帰反射性能を示すようにデザインされた再帰反射シートを提供する。本発明の原理に従った再帰反射シートには、底面と、底面に対向した構造化面とが含まれる。構造化面は、キューブコーナー再帰反射要素の複数のゾーンを規定する。こうしたゾーンには、光学的に対向したキューブコーナー要素の配列を含む少なくとも1つの第1のゾーンと、光学的に対向したキューブコーナー要素の配列を含む第2のゾーンと、が含まれる。第1のゾーンの対向したキューブコーナー要素の光学軸は、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す第1の主平面を規定するように傾けられ、更に、第2のゾーンの対向したキューブコーナー要素の光学軸は、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す第2の主平面(ただし、第1の主平面に垂直である)を規定するように傾けられている。有利なことに、本発明の原理に従って製造された再帰反射シートは、第1の平面または第2の平面のいずれにおいても、いろいろな照射角で該シートに入射した光に対して実質的に同じような再帰反射性能を呈する。
本発明に係るシートの好ましい実施態様において、第1のゾーンのキューブコーナー要素の配列は、改良された再帰反射性能を示す第1の主平面がシートの縁に対して実質的に垂直になるように向けられており、更に、第2のゾーンのキューブコーナー要素の配列は、改良された再帰反射性能を示す第2の主平面がシートの同じ縁に対して実質的に平行になるように向けられている。さらに好ましいことに、本発明に係る再帰反射シートには、キューブコーナー要素配列の複数のゾーンが交互に配置されており、このうちのほぼ半分のゾーンは、改良された再帰反射性能を示すそれらの主平面がシートの長手方向の縁に対して垂直になるように向けられており、残りのゾーンは、改良された再帰反射性能を示すそれらの主平面がシートの長手方向の縁に対して平行になるように向けられている。この実施態様に従った再帰反射シートは、2つの直交する方向のいずれに向けて使用する場合にも極めて良好に適用できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の原理に従った再帰反射シートの1実施態様の構造化面を示す平面図である。
図2は、従来技術に従って製造された再帰反射シートのサンプルの再帰反射性能を示す等輝度曲線図である。
図3は、本発明に従って製造された再帰反射シートのサンプルの再帰反射性能を示す等輝度曲線図である。
図4は、本発明の原理に従った再帰反射シートの1実施態様の断面図である。
図5は、本発明の原理に従った再帰反射シートの第2の実施態様の断面図である。
これらの図(ただし、図2および図3は除く)は、理想化されたものであって、所定のサイズで描かれておらず、更に、単に例示のためのものであって、これらに制限されるものではない。
例示のための実施態様の詳細な説明
本発明の好ましい実施態様の説明において、明確な記述を行うために、特定の用語を使用する。しかしながら、本発明は、こうして選択された用語に限定されるものではなく、こうして選択された用語には、類似の意味を有するすべての技術用語が含まれるものと理解すべきである。
本発明によれば、丁度2つの主平面において大きな照射角に対する改良された再帰反射性能を呈するキューブコーナー再帰反射シート10が提供される。更に、このシートは、2つの主平面のいずれにおいても、種々の照射角において実質的に同じような再帰反射性能を呈する。従って、使用時、多くの再帰反射シートの場合に共通して見られるような単一の好ましい方向に傾けるのではなく、2つの好ましい方向のいずれの方向に傾けてもよい。このような光学素子を作製するために、シートの構造化面には、キューブコーナー要素配列の少なくとも2つのゾーンが含まれる。各ゾーンには、光学的に対向したキューブコーナー再帰反射要素の配列が含まれ、これらの要素の光学軸は、大きな照射角において改良された再帰反射性能を示す主平面を規定するように傾けられている。第1のゾーンのキューブコーナー再帰反射要素の光学軸は、第1の平面内で傾けられ、第2のゾーンのキューブコーナー要素の光学軸は、第2の平面内で傾けられている。第1の平面が第2の平面と垂直になるようにシート上で配列を配置することにより、改良された再帰反射性能を示す2つの主平面を設定することができる。
図1は、本発明の原理に従った再帰反射シートの構造化面の一部分の拡大図を示している。図1を参照すると、構造化面には、キューブコーナー要素12の配列を有する複数の交互に配置されたゾーンが含まれる。図に示されているように、キューブコーナー要素12は、シートの片面上に光学的に対向した整合対として配列状に配置される。各キューブコーナー要素12は、3つの露出平面22を有する3面プリズムの形状をとる。キューブコーナー要素面22のなす二面角は、典型的には、配列中の各キューブコーナー要素に対して同一で、その大きさは約90°である。しかしながら、周知の通り、この角度は90°から僅かにずらすことができる。例えば、Appledornらに付与された米国特許第4,775,219号を参照されたい。この他、米国特許第4,588,258号(引用により本明細書中に含まれるものとする)に、好ましいキューブコーナー幾何学構成が開示されているが、キューブコーナー幾何学構成に実質的な変更がなく、再帰反射プロフィルが実質的に同じになるとみなされる場合、本発明の範囲内にあると考えられる。対向したキューブコーナー要素を、シートの底面に垂直な軸に対して所定の角度で傾けることにより、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す単一の主平面と、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す単一の従属平面と、を規定する。シート10の構造面には、約90度の向きに配置されたキューブコーナー配列の複数のゾーンが交互に現れる。従って、シート10の特徴としては、シート上に第1の向きに配置されたキューブコーナー要素の配列を含む第1のゾーン6と、シート上に第2の向きに配置されたキューブコーナー要素の第2のゾーン8と、を備え、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す第1の主平面と、第1の主平面に垂直で、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す第2の主平面と、を規定することが挙げられる。
図1に示された実施態様において、第1のゾーン6は、シート10の長手方向の縁に実質的に平行に延在する。第1のゾーン6には、2つの従属溝セット26、28および1つの主要溝セット30を含む3つの相互に交差するセットにより形成されたキューブコーナー要素12の配列が含まれる。配列中の各キューブコーナー要素12は、その光学軸を主要溝30に垂直な平面内で傾けた状態で形成されている。従って、第1のゾーン6中のキューブコーナー配列は、主要溝30と垂直にかつシート10の長手方向の縁と垂直に延在する再帰反射性能の改良された主平面を呈する。開示された実施態様において、各キューブコーナー要素は、キューブコーナー要素の底面に垂直な軸に対して約8.15度の角度で傾けられ、底面三角形の夾角55.5度、55.5度、および69度を規定する。更に、キューブコーナー要素の高さは、約88.9ミクロンである。第2のゾーン8は、シートの長手方向に沿って第1のゾーン6と実質的に平行に延在し、第1のゾーン6中に配置された配列と実質的に同等なキューブコーナー要素12の配列を含むが、ただし、第2のゾーン中の配列は、第1のゾーン6中の配列に対して90度の向きに配置されている。一般的には、本発明の利点は、対向したキューブコーナー要素を約7度〜約15度の角度で傾けることによって得られる。米国特許第4,588,288号を参照されたい。このパラグラフで説明された特定の幾何学構成が本発明の好ましい実施態様に関するものであることは理解されるであろう。本発明に従って、傾きの角度の変更およびキューブサイズの変更を行いうることは、光学技術分野の業者には理解されるであろう。キューブ幾何学構成に実質的な変更がなく、光学的な結果が実質的に同じになるとみなされる場合、本発明の範囲内にあると考えるべきである。
図2は、米国特許第4,588,258号(‘258特許)に開示された発明に従った光学素子を利用した再帰反射シートの再帰反射特性を示している。‘258特許に開示された光学素子は、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す単一主平面(等輝度曲線の2つの最も拡がりの大きいローブの方向に延在する平面によって表される)と、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す従属平面(等輝度曲線の2つのより短いローブの方向に延在する平面によって表される)と、を呈する。従って、使用時、‘258特許の光学素子に従ったシート製品は、単一の好ましい方向を有する。本発明では、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す2つの平面を提供することにより、こうした制約を取り除いている。
図3は、図1に開示された実施態様に従った二方向性シートの再帰反射性能を示す等輝度曲線グラフである。再帰反射輝度の測定値は、図1に従ったシートのサンプルから得られたものである。再帰反射試験の幾何学構成および測定角度についての詳細な説明は、ASTM E-808-93b,Standard Practice for Describing Retroreflectionに記されている。引用により、その内容は本明細書中に含まれるものとする。測定値は、0.33度に固定した観測角および90度に固定した表示角(presentaion angle)における値を採用した。照射角は0度〜80度の間で変化させ、更に、シートを回転させて方位角が360度の範囲に向くようにした。図3のグラフ上では、照射角は同心円で表され、一方、方位角は、グラフの周りに放射状に延在する数値によって表されている。同心の等輝度曲線は、再帰反射光の相対再帰反射量を表している。最大の再帰反射量は、グラフの中点で表され、同心の等輝度曲線は、この最大値に対して再帰反射量が5パーセント減少することを表している。ただし、測定の単位はカンデラ/ルクス/メートル2である。
図3を参照すると、本発明に従った再帰反射シートは、大きい照射角において改良された再帰反射性能を示す丁度4つの拡がったローブを呈する。これらの4つのローブは、方位角0度から始まって90度間隔に現れる(例えば、方位角0度、90度、180度、および270度)。これらの4つのローブは、大きな照射角において改良された再帰反射性能を示す2つの主平面を規定する。すなわち、第1の平面は、0度〜180度の方向にシートの平面を介して延在し、第2の平面は、90度〜270度の方向にシートを介して延在する。更に、シートは、これらの2つの平面内の異なる照射角において実質的に同じような再帰反射性能を呈する。例えば、再帰反射光の再帰反射量は、照射角60度では、方位角0度、90度、180度、または270度のいずれにおいても、最大再帰反射量の約5パーセントである。同様に、再帰反射光の再帰反射量は、照射角40度では、方位角0度、90度、180度、または270度のいずれにおいても、最大再帰反射量の約30パーセントである。試験サンプルの再帰反射光の最大再帰反射量の測定値は、891.47カンデラ/ルクス/m2であった。従って、再帰反射光の再帰反射量は、これらの4つの平面のいずれにおいても照射角40度では約267カンデラ/ルクス/m2であり、これらの4つの平面のいずれにおいても照射角60度では約45カンデラ/ルクス/m2であった。本発明に従ったシートの再帰反射性能は、これらの4つの方位角において、大きい照射角では従来の再帰反射シートよりも実質的に優れていると考えられる。従って、使用時、2つの異なる方向のいずれにシートを向けても、シートは最適な再帰反射性能を発揮できる。
図1を参照すると、本発明に従ったシートの好ましい実施態様では、キューブコーナー要素の複数のゾーンが交互に配置されている。一般的には、シートから約100メートルを超える距離を隔てた観測者が、比較的大きい照射角でシートに入射した光に対応してシートから再帰反射された実質的に一様に輝く光を感知することが望ましい。試験を行った結果、幅約3ミリメートル〜25ミリメートルのゾーンがこの要件を満たすことが分かった。好ましい実施態様において、ゾーンは、幅が約8ミリメートルであり、シートの長手方向に沿って延在する。しかしながら、ゾーンが、図1に開示された長手方向に延在するゾーン以外の形状であってもよいことは、当業者には分かるであろう。
本発明に従ったシートは、キューブコーナー再帰反射シートの技術分野で周知の従来の方法を用いて製造することができる。簡単に述べると、1方法によれば、ダイヤモンド切削工具などの精密工作機械を用いて構造化面の型を作製する。まず、構造化面のポジイメージを有するマスタ型を作製する。最初に、約86.8度の夾角を有する工具を用いて機械加工可能な支持体(典型的には、アルミニウムまたは銅)を切削し、第1の溝セットを形成する。次に、この支持体を約55.5度回転し、約61.8度の夾角を有する工具を用いて切削することにより第2の溝セットを形成する。最後に、支持体を約124.5度回転し、約61.8度の夾角を有する工具を用いて切削することにより第3の溝セットを形成する。この方法により、キューブコーナー要素の底辺の三角形の内角が約55.5度、55.5度、および69度であるキューブコーナー面のポジイメージを有するマスタ型が作製される。
次に、電鋳法などの従来のレプリカ法を用いてマスタ型のレプリカを作製する。続いて、精密切削工具を用いてマスタ型のレプリカをスライスし、薄いストリップを作製する。その後、ストリップを再配置し、図1に示された構造化面に対応したネガイメージを有する型を作製する。次に、この型を使用して、再帰反射シートを作製してもよいし、更にレプリカ作製工程にかけて他の型を作製してもよい。
図4は、本発明の原理に従った再帰反射シートの1実施態様の断面図である。図4に示された実施態様は、米国特許第5,450,235号に開示された可撓性再帰反射シートが得られるように特にデザインされている。この特許の内容は、引用により本明細書中に含まれるものとする。本発明を実施すると、大きく湾曲させた条件下で良好な寸法安定性および大きな再帰反射係数を保持するキューブコーナー再帰反射シートが提供される。図4には、多数のキューブコーナー要素12および支持体またはボディ部分14を含む本発明に従ったキューブコーナー再帰反射シートの例が示されている。ボディ部分14には、ランド層16およびボディ層18が含まれていてもよい。ボディ層は、典型的には、風雨からのシートの保護および/またはシートへの機械的一体性の付与を行う働きを有する。好ましい実施態様において、ボディ層18は、シート10の前面の最も外側の層である。ランド層16は、キューブコーナー要素の底面に直接隣接して配置された層であることから、ボディ層18と区別されるが、本明細書中では、「ランド層」という用語は、こうした層を意味するものとする。
キューブコーナー要素12は、ボディ部分14の第1の面または背面20から突出している。キューブコーナー要素12には、16×108パスカルを超える弾性率を有する光透過性ポリマ材料が含まれ、ボディ層18には、7×108パスカル未満の弾性率を有する光透過性ポリマ材料が含まれる。光は、底面21を介してキューブコーナーシート10に入射する。次に、矢印23で示されているように、光は、ボディ部分14を通過し、キューブコーナー要素12の平面22に当たり、更に、入射した方向に戻る。
好ましい構成において、キューブコーナー要素12およびランド層16は、類似したポリマまたは同じ種類のポリマから作製し、ランド層16の厚さを最小限に抑える。ランド層16の厚さは、典型的には約0マイクロメートル〜150マイクロメートル、好ましくは約1マイクロメートル〜100マイクロメートルである。ボディ層18の厚さは、典型的には約20マイクロメートル〜1,000マイクロメートル、好ましくは約50マイクロメートル〜250マイクロメートルである。ランド層の厚さを最小限に抑えることが好ましいが、ランド層16とボディ層18との間に平坦な界面を提供できるように、シート10はいくらかのランド層16を有することが望ましい。キューブコーナー要素12の高さは、典型的には約20マイクロメートル〜500マイクロメートル、より典型的には約60マイクロメートル〜180マイクロメートルである。図1に示された本発明の実施態様は単一のボディ層18を有するが、ボディ部分14中に2つ以上のボディ層18を設けることも本発明の範囲内にある。
金属コーティング層などの正反射コーティング層(図示せず)を、キューブコーナー要素12の裏面に配置することにより、正反射による再帰反射を促進することができる。金属コーティング層は、金属(例えば、アルミニウム、銀、またはニッケル)の蒸着または化学的析出などの周知の技術により設けることができる。キューブコーナー要素の裏面にプライマ層を設けることにより、金属コーティング層の接着を促進してもよい。金属コーティング層のほかに、または金属コーティング層の代わりに、キューブコーナー要素の裏面にシールフィルムを接合することもできる。例えば、米国特許第4,025,159号および同第5,117,304号を参照されたい。シーリングフィルムは、キューブコーナー要素の裏面に空気界面を保持することにより、内部全反射の原理に従って再帰反射性を提供する。また、キューブコーナー再帰反射シート10を支持体に固定できるようにするために、パッキング層および/または接着剤層をキューブコーナー要素の裏側に配置することもできる。
本発明の再帰反射シートのキューブコーナー要素およびボディ部分に含まれるポリマ材料は、光透過性である。これは、ポリマが、所定の波長において、入射した光の強度の少なくとも70パーセントを透過可能であることを意味する。より好ましくは、本発明の再帰反射シートに使用されるポリマは、80パーセントを超える光透過率、より好ましくは90パーセントを超える光透過率を有する。
キューブコーナー要素に利用されるポリマ材料は、好ましくは、硬さおよび剛さを有する。ポリマ材料は、熱可塑性樹脂または架橋性樹脂であってもよい。これらのポリマの弾性率は、18×108パスカルより大きく、より好ましくは20×108パスカルより大きい。
熱可塑性ポリマをキューブコーナー要素中で使用する場合、ガラス転移温度は、一般的には80℃より大きく、軟化温度は、典型的には150℃より大きい。一般的には、キューブコーナー層中で使用される熱可塑性ポリマは、非晶質または半結晶質であり、ポリマの線成形収縮は、好ましくは1パーセント未満である。
キューブコーナー要素中で使用可能な熱可塑性ポリマの具体例としては、ポリ(メチルメタクリレート)などのアクリル系ポリマ;ポリカーボネート;セルロースアセテート、セルロース(アセテート-co-ブチレート)、セルロースニトレートなどのセルロース系化合物;エポキシ化合物;ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリエステル;ポリ(クロロフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオロリド)などのフルオロポリマ;ポリ(カプロラクタム)、ポリ(アミノカプロン酸)、ポリ(ヘキサメチレンジアミン-co-アジピン酸)、ポリ(アミド-co-イミド)、ポリ(エステル-co-イミド)などのポリアミド;ポリ(エーテルイミド);ポリ(メチルペンテン)などのポリオレフィン;ポリ(フェニレンエーテル);ポリ(フェニレンスルフィド);ポリ(スチレン)、およびポリ(スチレン-co-アクリロニトリル)、ポリ(スチレン-co-アクリロニトリル-co-ブタジエン)などのポリ(スチレン)コポリマ;ポリスルホン;シリコーンポリアミド、シリコーンポリカーボネートなどのシリコーン改質ポリマ(すなわち、少量(10重量パーセント未満)のシリコーンを含有するポリマ);ペルフルオロポリ(エチレンテレフタレート)などのフッ素改質ポリマ;ならびにポリ(エステル)とポリ(カーボネート)のブレンド、フルオロポリマとアクリル系ポリマのブレンドなどの上記のポリマの混合物が挙げられる。
キューブコーナー要素を作製するための好適な他の材料は、化学線(例えば、電子ビーム、紫外光、または可視光)への曝露により遊離基重合機構を介して架橋可能な反応性樹脂系である。この他、ベンゾイルペルオキシドなどの熱開始剤を添加して熱的手段により、これらの材料を重合してもよい。また、放射線によりカチオン重合可能な樹脂を使用してもよい。
キューブコーナー要素を形成するための好適な反応性樹脂は、光開始剤と、アクリレート基を有する少なくとも1つの化合物と、のブレンドであってもよい。好ましくは、樹脂ブレンドは、照射されると確実に架橋ポリマ網目構造を形成する二官能性または多官能性の化合物を含有する。
遊離基機構により重合可能な樹脂の具体例としては、エポキシ化合物、ポリエステル、ポリエーテル、およびウレタンから誘導されるアクリル系化合物を基剤とした樹脂;エチレン系不飽和化合物;少なくとも1つのアクリレート側基を有するアミノプラスト誘導体;少なくとも1つのアクリレート側基を有するイソシアネート誘導体;アクリレート化エポキシ化合物以外のエポキシ樹脂;およびこれらの混合物および組合せ、が挙げられる。本明細書中では、アクリレートという用語には、アクリレートおよびメタクリレートの両方が含まれる。Martensに付与された米国特許第4,576,850号(この開示内容はすべて、引用により本明細書中に含まれるものとする)には、本発明のキューブコーナー要素中で使用可能な架橋型樹脂の例が開示されている。
エチレン系不飽和樹脂には、炭素、水素、および酸素、更に、場合に応じて、窒素、硫黄、およびハロゲン、の原子を含有するモノマ型化合物およびポリマ型化合物の両方が含まれる。酸素原子または窒素原子あるいはこれらの両方の原子は、一般的には、エーテル、エステル、ウレタン、アミド、および尿素の基の中に含まれる。エチレン系不飽和化合物は、好ましくは約4,000未満の分子量を有し、好ましくは、脂肪族モノヒドロキシ基または脂肪族ポリヒドロキシ基を含有する化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸と、の反応によって得られるエステルである。
アクリル基またはメタクリル基を有する化合物の例を、以下にいくつか列挙する。列挙された化合物は例示のためのものであって、これらに限定されるものではない。
(1)単官能性化合物:
エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド;
(2)二官能性化合物:
1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンタングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、およびテトラエチレングリコールジアクリレート;
(3)多官能性化合物:
トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、およびトリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート。
他のエチレン系不飽和の化合物および樹脂のいくつかの代表的な例としては、スチレン;ジビニルベンゼン;ビニルトルエン;N-ビニルピロリドン;N-ビニルカプロラクタム;モノアリルエステル、ポリアリルエステル、およびポリメタリルエステル(例えば、ジアリルフタレートおよびジアリルアジペート);ならびにカルボン酸のアミド(例えば、N,N-ジアリルアジパミド)が挙げられる。
アクリル系化合物とブレンドできる光重合開始剤の具体例としては、次の化合物:すなわち、ベンジル、メチル o-ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなど、ベンゾフェノン/第三級アミン、アセトフェノン(例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン)、ベンジルメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、(1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-N,N-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-4-(メチルチオ)フェニル-2-モルホリノ-1-プロパノンなどが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、組合せて使用してもよい。
カチオン重合性物質としては、エポキシ官能基およびビニルエーテル官能基を含有する物質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの系は、トリアリールスルホニウム塩およびジアリールヨードニウム塩などのオニウム塩開始剤により光重合が開始される。
キューブコーナー要素のための好ましいポリマとしては、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、および架橋されたアクリレート(例えば、単官能性および多官能性モノマとブレンドされた、多官能性のアクリレート、またはエポキシ化合物、およびアクリレート化ウレタン)が挙げられる。これらのポリマが好ましい理由としては、次の理由:すなわち、熱安定性、耐環境安定性、透明性、工具または型からの優れた剥離性、および反射コーティング層に対する受容可能性、のうちの1つ以上が挙げられる。
上述したランド層中で利用されるポリマ材料は、キューブコーナー要素中で利用されるポリマと同じであってもよいが、ただし、ランド層の厚さを最小限に抑えなければならない。ランド層は、好ましくは、実質的に平坦にする。その結果、キューブコーナー要素とボディ層との間でより良好な界面が得られる。キューブコーナー要素とランド層との間のキャビティおよび/または界面粗さは、なくすようにする。その結果、光が再帰反射されるときに、再帰反射シートは最適の輝度を呈することができる。良好な界面を設けることにより、屈折による光の拡がりが防止される。ほとんどの場合、ランド層は、キューブコーナー要素と一体化される。「一体化」とは、ランド層とキューブコーナー要素とが単一のポリマ材料から形成されることを意味し、2つの異なるポリマ層が実質的に1つに結合されることを意味するものではない。キューブコーナー要素およびランド層の中で利用されるポリマは、ボディ層と異なる屈折率をもっていてもよい。ランド層は、キューブコーナー要素のポリマと類似のポリマから作製されることが望ましいが、ランド層はまた、ボディ層中で使用されるようなより軟質のポリマから作製してもよい。
ボディ層には、折曲、カール、屈曲、または整合を容易に行えるようにするために、低い弾性率のポリマが含まれる。弾性率は、好ましくは5×108パスカル未満、より好ましくは3×108パスカル未満である。一般的には、ボディ層のポリマは、50℃未満のガラス転移温度を有する。このポリマを用いた場合、好ましくは、キューブコーナー要素に加えられる温度において、ポリマ材料が物理的一体性を保持する。このポリマは、望ましくは、50℃を超えるビカー軟化温度を有する。このポリマの線成形収縮率は、望ましくは1パーセント未満である。ボディ層中で使用される好ましいポリマ材料は、UV光線による劣化に対する耐性を有する。その結果、再帰反射シートは、屋外用途において長期間使用できる。ボディ層中で利用可能なポリマの具体例としては、以下のポリマが挙げられる:
フッ素化ポリマ:ポリ(クロロトリフルオロエチレン)〔例えば、ミネソタ州St.Paulの3Mから入手可能なKel-F800TM〕;ポリ(テトラフルオロエチレン-co-ヘキサフロオロプロピレン)〔例えば、マサチューセッツ州BramptonのNorton Performanceから入手可能なExac FEPTM〕;ポリ(テトラフルオロエチレン-co-ペルフルオロ(アルキル)ビニルエーテル)〔例えば、同様にNorton Performanceから入手可能なExac PEATM〕;ポリ(ビニリデンフルオリド-co-ヘキサフロオロプロピレン)〔例えば、ペンシルヴェニア州PhiladelphiaのPennwalt Corporationから入手可能なKynar Flex-2800TM〕など;
イオノマのエチレンコポリマ:ナトリウムイオンまたは亜鉛イオンを含有したポリ(エチレン-co-メタクリル酸)〔例えば、デラウェア州WilmingtonのE.I.duPont Nemoursから入手可能なSurlyn-8920TMおよびSurlyn-9910TM〕など;
低密度ポリエチレン類:低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレンなど;
可塑化ハロゲン化ビニルポリマ:可塑化ポリ(塩化ビニル)など;
ポリエチレンコポリマ:酸官能性ポリマ〔例えば、ポリ(エチレン-co-アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-メタクリル酸)、ポリ(エチレン-co-マレイン酸)、およびポリ(エチレン-co-フマル酸)〕、アクリル官能性ポリマ〔例えば、ポリ(エチレン-co-アルキルアクリレート)、ただし、アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など、すなわちCH3(CH2)n-基{ただし、nは0〜12である}である〕、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)など;
次のモノマ(1)〜(3)より誘導された脂肪族および芳香族のポリウレタン:(1)ジイソシアネート〔例えば、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらのジイソシアネートの組合せ〕、(2)ポリオール〔例えば、ポリペンチレンアジペートグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ-1,2-ブチレンオキシドグリコール、およびこれらのジオールの組合せ〕、および(3)連鎖移動剤〔例えば、ブタンジオールまたはヘキサンジオール〕。市販のウレタンポリマとしては、ニューハンプシャー州SeabrookのMorton International Inc.製のPN-03または3429が挙げられる。
また、上記のポリマの組合せを、ボディ部分のボディ層中で利用してもよい。ボディ層のための好ましいポリマとしては、カルボキシル基またはカルボン酸のエステルを含有する単位を含んでなるエチレンコポリマ〔例えば、ポリ(エチレン-co-アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-メタクリル酸)、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)〕;イオノマのエチレンコポリマ;可塑化ポリ(塩化ビニル);および脂肪族ウレタンが挙げられる。これらのポリマが好ましい理由としては、次の理由:すなわち、好適な機械的性質、ランド層に対する良好な接着性、透明性、および耐環境安定性、のうちの1つ以上が挙げられる。
ポリカーボネートキューブコーナー要素および/またはポリカーボネートランド層およびポリエチレンコポリマ〔例えば、ポリ(エチレン-co-(メタ)アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)、またはポリ(エチレン-co-アクリレート)〕を含有するボディ層を含む実施態様において、ボディ層と、ランド層またはキューブコーナー要素と、の界面接着力は、それらの間に薄い結合層(図示せず)を配置することによって改良することができる。結合層をボディ層に接合した後で、ボディ層をランド層またはキューブコーナー要素にラミネートすることができる。結合層は、薄いコーティング層として接合することができる。例えば、脂肪族ポリウレタンの有機溶剤溶液〔例えば、マサチューセッツ州PeabodyのPermuthane Companyから入手可能なPermuthaneTMU26-248およびニューハンプシャー州SeabrookのK.J.Quinn and Co.,Inc.から入手可能なQ-thaneTMQC-4820〕;脂肪族ポリウレタンの水系分散液〔例えば、マサチューセッツ州WilmingtonのICI Resins USから入手可能なNeoRezTMR-940、R-9409、R-960、R-962、R-967、およびR-972〕;アクリル系ポリマの水系分散液〔例えば、マサチューセッツ州WilmingtonのICI Resins USから入手可能なNeoCrylTMA-601、A-612、A-614、A-621、およびA-6092〕;または脂肪族ウレタンコポリマの水系分散液〔例えば、マサチューセッツ州WilmingtonのICI Resins USから入手可能なNeoPacTMR-9000〕、を用いて接合することができる。この他、コロナ処理またはプラズマ処理などの電気放電法を使用して、ボディ層に対する結合層の接着性を更に改良することができる。
着色剤、UV吸収剤、光安定剤、ラジカルスカベンジャもしくは酸化防止剤、加工助剤〔例えば、ブロッキング防止剤、剥離剤、滑剤など〕、および他の添加剤を、ボディ部分またはキューブコーナー要素に添加してもよい。選択される特定の着色剤は、もちろん、シートの所望の色に依存する。着色剤は、典型的には、約0.01重量パーセント〜0.5重量パーセントの量で添加される。UV吸収剤は、約0.5重量パーセント〜2.0重量パーセントの量で添加される。UV吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールの誘導体〔例えば、ニューヨーク州ArdsleyのCiba-Geigy Corporationから入手可能なTinuvinTM327、328、900、1130、Tinuvin-PTM〕、ベンゾフェノンの化学的誘導体〔例えば、ニュージャージー州CliftonのBASF Corporationから入手可能なUvinulTM-M40、480、D-50;ペンシルヴェニア州PittsburghのNeville-Synthese Organics,Inc.から入手可能なSyntaseTM230、800、1200〕、またはジフェニルアクリレートの化学的誘導体〔例えば、同様にニュージャージー州CliftonのBASF Corporationから入手可能なUvinulTM-N35、539〕が挙げられる。使用可能な光安定剤としては、ヒンダードアミンが挙げられ、典型的には、約0.5重量パーセント〜2.0重量パーセントの量で使用される。ヒンダードアミン光安定剤としては、例えば、ニューヨーク州ArdsleyのCiba-Geigy Corp.から入手可能なTinuvinTM-144、292、622、770、およびChimassorbTM-944が挙げられる。ラジカルスカベンジャまたは酸化防止剤は、典型的には、約0.01重量パーセント〜0.5重量パーセントの量で使用可能である。好適な酸化防止剤としては、ニューヨーク州ArdsleyのCiba-Geigy Corp.から入手可能なIrganoxTM-1010、1076、1035、もしくはMD-1024、またはIrgafosTM-168などのヒンダードフェノール系樹脂が挙げられる。少量の他の加工助剤、典型的には、1重量パーセント以下のポリマ樹脂、を添加することにより、樹脂の加工性を向上させることも可能である。有用な加工助剤としては、コネティカット州NorwalkのGlyco Inc.から入手可能な脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミド;ニュージャージー州HobokenのHenkel Corp.から入手可能なステアリン酸金属塩;またはニュージャージー州SomervilleのHoechst Celanese Corporationから入手可能なWax ETMが挙げられる。
図4に示された実施態様に従ったキューブコーナー再帰反射シートは、(a)16×108パスカルを超える弾性率を有する光透過性材料から、図1に従ったキューブコーナー要素配列の複数のゾーンを含む構造化面を形成する工程と、(b)7×108パスカル未満の弾性率を有する光透過性材料を含んでなるボディ層を、複数のキューブコーナー要素配列に取付ける工程と、により作製することが可能である。工程(a)および(b)は、キューブコーナーシートを作製するための種々の公知の(または今後、考案される)方法に従って実施することができる。例えば、米国特許第3,689,346号、同第3,811,983号、同第4,332,847号、および同第4,601,861号を参照されたい。ただし、弾性率の高いポリマを使用してキューブコーナー要素を形成し、弾性率の低いポリマを使用してボディ層を形成するものとする。ボディ層は、キューブコーナー要素の底部に直接取付けてもよいし、ランド層によってキューブコーナー要素に取付けてもよい。先に記載したように、ランド層は、好ましくは、厚さを最小限に抑え、かつ好ましくは、弾性率の高い材料か作製する。
図5は、[米国特許出願第08/472,444号]に開示されている発明の原理に従って製造された本発明の実施態様の断面略図である。該特許出願の開示内容は、引用により本明細書中に含まれるものとする。また、図5に示された実施態様は、波状面および/または屈曲性面に整合するために好適な屈曲性の大きい再帰反射シートとなるようにデザインされている。
簡単にまとめると、図5に開示された実施態様に従ったミクロ構造化複合シート(例えば、再帰反射性複合キューブコーナーシート)には、(a)実質的に独立したミクロ構造要素98の複数の二次元配列(例えば、キューブコーナー要素の配列)、および(b)2つの主要面を有するオーバレイフィルム99、が含まれる。ただし、この配列は、オーバレイフィルムの第1の主要面に接合され、以下に示すように、ゼロ〜最小量のランド層を有する。また、図5に示された実施態様は、ベース層99の一部分と融合されたシーリングフィルム97を示している。以下に示されるように、キューブコーナー要素配列には、比較的硬質な第1のポリマ材料が含まれ、オーバレイフィルムには、比較的屈曲性の大きいポリマ材料が含まれている。ミクロ構造要素は、好ましくは、オーバレイフィルム上でin situで硬化させ、更に、キューブコーナー要素の材料およびオーバレイフィルムの材料は、好ましくは、相互侵入網目構造を形成する。
簡単にまとめると、図5に示された実施態様に従った再帰反射シートは、次の工程を含む方法により製造される。
(a)所望のミクロ構造要素(例えば、再帰反射製品のキューブコーナー要素)を形成するための好適な複数のキャビティ開口部を有する成形面を含んでなる工具を提供する工程;
(b)工具の成形面に、ミクロ構造要素(例えば、再帰反射性キューブコーナー要素)を形成するための好適な流動性かつ硬化性樹脂組成物(ただし、この樹脂は、硬化時に収縮するものが好ましい)の所定量を供給する工程;
(c)樹脂組成物と、第1および第2の主要面を有するオーバレイフィルムの第1の主要面と、を接触させる工程;
(d)キャビティおよび工具の上に延在する過剰の樹脂組成物を、好ましくは一様に、できるかぎり少なくする工程;続いて、
(e)樹脂組成物を硬化することにより、オーバレイフィルムに結合されたミクロ構造要素(例えば、キューブコーナー要素)の配列を含む複合シートを形成する工程;
(f)工具からシートを取り出す工程;
(g)シートに機械的応力を加えることにより、実質的に独立した各ミクロ構造要素を、周りのミクロ構造要素から破断分離させる工程(ただし、これらの要素がランドにより結合されていた場合)。樹脂組成物およびオーバレイフィルムは、次のような状態であることが好ましい。すなわち、樹脂組成物がオーバレイフィルムに接触したときに、樹脂組成物がオーバレイフィルムに浸透し、その結果として、一次硬化処理の後、ミクロ構造要素の材料とオーバレイフィルムの材料との間で相互侵入網目構造が形成される。
樹脂組成物およびオーバレイフィルムは、次のような状態であることが好ましい。すなわち、樹脂組成物がオーバレイフィルムに接触したときに、樹脂組成物がオーバレイフィルムに浸透し、その結果として、一次硬化処理の後、キューブコーナー要素の材料とオーバレイフィルムの材料との間で相互侵入網目構造が形成される。
キューブコーナー再帰反射製品を製造するために、種々の技術および方法が開発されてきた。キューブコーナー要素の所望の配列を形成するための任意の好適な技術、例えば、ピン結束技術、直接機械加工技術、レプリカ技術などを用いて、本発明中で使用するための適切な成形面、すなわち、複数のキャビティを有する成形面、を備えた工具を形成することができる。
工具に求められる要件としては、複合製品の製造中にキャビティが望ましからぬ変形を起こさないこと、かつ硬化後にキューブコーナー要素の配列を工具から引き離すことができることが挙げられる。キューブコーナー要素のレプリカを作製するための工具を形成するうえで有用な周知の支持体の具体例としては、直接機械加工できる材料が挙げられる。このような材料は、好ましくは、ばりを生成することなく清浄に機械加工され、低い延性および低い粒状性を呈し、しかも溝を形成した後、正確な寸法を保持する。種々の機械加工可能なプラスチック(熱硬化性材料および熱可塑性材料の両方が含まれる)、例えば、アクリル系化合物、ならびに機械加工可能な金属、例えば、アルミニウム、黄銅、銅、およびニッケル、が知られている。機械加工された面すなわち造形された面の初期生成レプリカまたは後続生成レプリカ(すなわち、本発明のキューブコーナーシートが形成された部材)を工具として使用することが望ましい場合が多い。使用される工具および樹脂組成物の性質にもよるが、硬化された配列は、容易に工具から引き剥がすことができる場合もあるが、所望の引剥特性を得るために離型層が必要な場合もある。離型層材料の具体例としては、誘導表面酸化層、中間薄膜金属コーティング層、化学的銀めっき層、様々な材料またはコーティング層の組合せが挙げられる。必要な場合には、好適な薬剤を樹脂組成物中に添加して所望の引剥特性を得ることもできる。
上述したように、工具は、ポリマ材料、金属材料、複合材料、またはセラミック材料から作製することができる。いくつかの実施態様において、樹脂の硬化は、工具を介して放射線を照射することによって行われるであろう。このような場合、工具は、樹脂を介して放射線を照射できるように、十分な透明性をもたなければならない。このような実施態様に利用される工具を作製するための材料の具体例としては、ポリオレフィンおよびポリカーボネートが挙げられる。しかしながら、典型的には、金属工具が好ましい。なぜなら、金属工具は、所望の形状をもたせることができ、更に、優れた光学面を提供し、所定のキューブコーナー要素構成の再帰反射性能を最大にするからである。
流動性樹脂は、工具の成形面に供給される。樹脂が備えるべき要件としては、場合に応じて、減圧、加圧、または機械的手段により成形面のキャビティ中に樹脂が流れ込むことが挙げられる。少なくとも実質的にキャビティを充満する程度に十分な量で樹脂を供給することが好ましい。
本発明を実施するうえで決定的な要因となるのは、キューブコーナー要素配列およびオーバレイフィルムのための適切なポリマ材料を選択することである。典型的には、キューブコーナー要素の配列には、熱硬化性または強い架橋性を有する材料が含まれことが好ましく、オーバレイフィルムには、熱可塑性材料が含まれることが好ましい。熱硬化性材料の優れた化学的および機械的性質により、所望の再帰反射性を保持できるように最適化されたキューブコーナー要素が得られる。
本発明の複合再帰反射材料のポリマ成分を選択するにあたり、キューブコーナー要素およびオーバレイフィルムに適合したポリマ材料を選択することが必須である。適合性の好ましい態様としては、樹脂組成物の材料がオーバレイフィルムに浸透することができ、しかも次に、in situで硬化させた場合、硬化後、キューブコーナー要素の材料とオーバレイフィルムの材料との間で相互侵入網目構造が形成されることが挙げられる。本発明の驚くべき態様としては、このようにキューブコーナー要素とオーバレイフィルムとの間で相互侵入網目構造が形成されると、効果的な光学性能が得られることが挙げられる。所定量の樹脂組成物をオーバレイフィルムの表面に付着させることにより、特定の樹脂組成物およびオーバレイフィルムのスクリーニングを容易に行うことができる。Priola,A.,Gozzelino,G.,and Ferrero,F.,Proceedings of the XIII International Conference in Organic Coatings Science and Technology,Athens,Greece,July 7-11,1987,pp.308-18には、この目的に好適な時計用ガラスの試験が開示されている。
これらの成分の選択における決定的な判定基準は、各成分に対する相対的弾性率である。本明細書中で使用する場合、「弾性率」という用語は、ASTM D882-75bに従って静荷重法Aにより、初期グリップ分離距離12.5センチメートル、サンプル幅2.5センチメートル、およびグリップ分離速度2.5センチメートル/分(1インチ/分)で測定された弾性率を意味する。キューブコーナー要素の光学的性質を左右する基本原理に関連して上述したように、キューブコーナー要素の幾何学構造に僅かな歪みを生じただけでも、キューブコーナー要素の光学的性質が実質的に劣化する可能性がある。従って、キューブコーナー要素に使用するための材料としては、弾性率の高いものが好ましい。こうすれば、歪みに対する耐性が強化される。本発明の複合再帰反射材料のオーバレイフィルムは、好ましくは、弾性率のやや低いポリマ材料である。オーバレイフィルム/キューブコーナー配列複合体の製造中、各キューブコーナー要素はオーバレイフィルムに結合される。キューブコーナー要素成分の硬化中、キューブコーナー要素材料の組成にもよるが、各キューブコーナー要素は、ある程度の収縮を起こしてもよい。オーバレイフィルムの弾性率が高すぎると、キューブコーナー要素が硬化中に収縮を起こした場合、キューブコーナー要素にねじり応力が加わる可能性がある。この応力が十分な大きさである場合、キューブコーナー要素が歪んで光学性能が劣化する恐れがある。オーバレイフィルムの弾性率がキューブコーナー要素材料の弾性率よりも十分に低い場合、キューブコーナー要素の収縮と共にオーバレイフィルムが変形しても、光学特性の望ましからぬ劣化を起こす恐れのあるこうした変形応力がキューブコーナー要素に加わることはない。
また、キューブコーナー要素とオーバレイフィルムの弾性率の差は、キューブコーナー要素の寸法にもよるが、それ程大きくする必要はない。キューブコーナー要素の高さが低い場合、キューブコーナー要素とオーバレイフィルムの弾性率の差は、それ程大きくする必要はない。なぜなら、キューブコーナー要素が小さくなると、絶対寸法単位で測定した場合、硬化中の収縮がそれ程大きくならず、オーバレイフィルムがキューブコーナー要素と相互作用して、より大きなキューブコーナー要素のときのように大きなねじれ応力および変形応力が発生することはないからである。一般的には、オーバレイフィルムとキューブコーナー要素の弾性率の差は、1.0〜1.5×107パスカル程度またはそれ以上にする必要があると言える。キューブコーナー要素の高さが低下すると、この弾性率の差を、直前に記した範囲の下限に近づけることが可能となる。しかしながら、キューブコーナー要素の材料の弾性率には実用上の下限が存在することに注意する必要がある。所定のレベル〔一般的には、約175ミクロン(7ミル)の高さを有するキューブコーナー要素に対しては約2.0〜2.5×108パスカル程度のレベル、より小さいキューブコーナー要素に対してはそれより小さいレベル〕を下回ると、キューブコーナー要素は軟らかくなりすぎて、十分な機械的剛性を示さず、応力を加えても適切な破断を起こさなくなる。キューブコーナー要素は、好ましくは、約25×108パスカルを超える弾性率を有する。このような破断が起こらないと、応力下におけるシートの屈曲性および優れた光学的性質を付与するうえで必須である各キューブコーナー要素のデカップリングを信頼性をもって行うことができない。
キューブコーナー要素とオーバレイフィルムの相対的弾性率に関する考慮のほかに、オーバレイフィルムの弾性率を比較的小さくするという要件がある。この要件は、得られる複合再帰反射シートに所望の大きさの超屈曲性を付与するうえで必須である。上述したように、キューブコーナー要素の配列は、最小量のランドを用いて形成される。ランドの量を最小限に抑えることができれば、オーバレイフィルムの伸長または他の好適な弾性変形によって、ランドの破断が起こる。この破断は、オーバレイフィルム/キューブコーナー配列複合体の作製後に、この複合体に弾性応力を加えることによって引き起こすか、または単に製造装置から複合シートを取り出す処理を行うことによって引き起こすことができる。こうすると、製造効率がかなり良くなる。すなわち、より多くのランドを破断して同じ効果を得るために重要な注型後の加工処理が不必要となり、製造コストが削減される。
硬化後のランドの厚さ(すなわち、キューブコーナー要素の底部により規定された平面に対向するキューブコーナー配列材料の厚さ)は、好ましくはキューブコーナー要素の高さの10パーセント未満、より好ましくはその1パーセント未満である。これより厚いランド部分を有するシートでは、典型的には、各キューブコーナー要素のデカップリングを行うことが難しくなるため、得られた製品の屈曲性が低下するか、またはキューブコーナー要素の底部のほとんどの部分の材料を損傷せずにデカップリングすることが難しくなるため、得られたシーリングの再帰反射性能が低下する。一方、ランドが薄すぎると、キューブコーナー要素のデカップリングが望まれる各キューブコーナー要素の間ではなく、キューブコーナー要素の底部を横切って、亀裂が拡がる傾向を示すため、シートの光学性能が低下する。ランドの厚さは、工具に供給される流動性樹脂組成物の量を調製すること、過剰の樹脂組成物を除去すること(例えば、ドクタブレードを用いて)、オーバレイフィルムに圧力を加えて過剰の組成物を絞り出すこと、などにより制御することができる。
樹脂組成物は、硬化させると収縮するものが好ましい。好ましくは、樹脂組成物は、硬化時に少なくとも5体積パーセント収縮し、より好ましくは、硬化時に5〜20体積パーセント収縮する。本発明に従ったこのタイプの樹脂組成物を使用することにより、ランドの厚さが最小量またはゼロであるキューブコーナー配列をより容易に形成でき、従って、所望の高い屈曲性が得られることが分かった。例えば、硬化時に収縮する樹脂組成物は、キューブコーナー形キャビティ中に入り込む傾向を示し、適切な量で工具に供給すれば、隣接したキャビティだけを狭い部分で結合するランド、従って、隣接したキューブコーナー要素だけを狭い部分で結合するランドが残る傾向を示す。この狭い部分は、容易に破断され、以下で説明するように、各キューブコーナー要素はデカップリングされる。本発明のシートは、理論的には、隣接したキューブコーナー要素を結合するランドを本質的に持たない形で形成することができるが、典型的な大量生産形態においては、キューブコーナー要素の高さの10パーセントまでの厚さを有する最小量のランド、好ましくは1〜5パーセント程度の厚さを有するランドが形成される。
キューブコーナー要素の配列中で使用するために選択された樹脂は、好ましくは、結果として、高効率の再帰反射性ならびに十分な耐久性および耐候性を示す製品を提供する。好適なポリマの具体例としては、アクリル系化合物、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、およびセルロースアセテートブチレートポリマが挙げられる。典型的には、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリウレタン、および架橋されたアクリレート(例えば、単官能性および多官能性モノマとブレンドされた、単官能性もしくは多官能性アクリレート、またはアクリレート化エポキシ化合物、アクリレート化ポリエステル、およびアクリレート化ウレタン)などのポリマが好ましい。これらのポリマが典型的に好ましい理由としては、次の理由:すなわち、高い熱安定性、耐環境安定性、透明性、工具または型からの優れた剥離性、および反射コーティング層を受容するための高い受容性、のうちの1つ以上が挙げられる。
キューブコーナー要素の配列を形成するための好適な材料の他の具体例は、化学線(例えば、電子ビーム、紫外光、または可視光)への曝露により遊離基重合機構を介して架橋可能な反応性樹脂系である。この他、ベンゾイルペルオキシドなどの熱開始剤を添加して熱的手段により、これらの材料を重合してもよい。また、放射線によりカチオン重合可能な樹脂を使用してもよい。キューブコーナー要素の配列を形成するための好適な反応性樹脂は、光開始剤と、アクリレート基を有する少なくとも1つの化合物と、のブレンドであってもよい。好ましくは、樹脂ブレンドは、照射されると確実に架橋ポリマ網目構造を形成する単官能性、二官能性、または多官能性の化合物を含有する。
遊離基機構により重合可能な樹脂の具体例としては、エポキシ化合物、ポリエステル、ポリエーテル、およびウレタンから誘導されるアクリル系化合物を基剤とした樹脂;エチレン系不飽和化合物;少なくとも1つのアクリレート側基を有するアミノプラスト誘導体;少なくとも1つのアクリレート側基を有するイソシアネート誘導体;アクリレート化エポキシ化合物以外のエポキシ樹脂;およびこれらの混合物および組合せ、が挙げられる。本明細書中では、アクリレートという用語には、アクリレートおよびメタクリレートの両方が含まれる。米国特許第4,576,850号(Martens)には、本発明のキューブコーナー要素の配列中で使用可能な架橋型樹脂の例が開示されている。
エチレン系不飽和樹脂には、炭素、水素、および酸素の原子を含有するモノマ型化合物およびポリマ型化合物の両方が含まれるが、本発明では、場合に応じて、窒素、硫黄、およびハロゲンが含まれていてもよい。酸素原子または窒素原子あるいはこれらの両方の原子は、一般的には、エーテル、エステル、ウレタン、アミド、および尿素の基の中に含まれる。エチレン系不飽和化合物は、好ましくは約4,000未満の分子量を有し、好ましくは、脂肪族モノヒドロキシ基、脂肪族ポリヒドロキシ基を含有する化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸と、の反応によって得られるエステルである。これらの材料は、典型的には、市販品として容易に入手可能であり、容易に架橋することができる。
本発明に使用するための好適な、アクリル基またはメタクリル基を有する化合物の例を、以下にいくつか列挙する。
(1)単官能性化合物:
エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、およびN,N-ジメチルアクリルアミド;
(2)二官能性化合物:
1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンタングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、およびジエチレングリコールジアクリレート;ならびに、
(3)多官能性化合物:
トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、およびトリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート。
単官能性化合物は、典型的には、オーバレイフィルム材料のより速い浸透を提供する傾向があり、二官能性および多官能性化合物は、典型的には、キューブコーナー要素とオーバレイフィルムとの界面においてより多く架橋されたより強力な結合を提供する傾向がある。他のエチレン系不飽和の化合物および樹脂のいくつかの代表的な例としては、スチレン;ジビニルベンゼン;ビニルトルエン;N-ビニルホルムアミド;N-ビニルピロリドン;N-ビニルカプロラクタム;モノアリルエステル、ポリアリルエステル、およびポリメタリルエステル(例えば、ジアリルフタレートおよびジアリルアジペート);ならびにカルボン酸のアミド(例えば、N,N-ジアリルアジパミド)が挙げられる。
本発明のキューブコーナー配列中でアクリル系化合物とブレンド可能な光重合開始剤の具体例としては、次の化合物:すなわち、ベンジル、メチル o-ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなど、ベンゾフェノン/第三級アミン、アセトフェノン(例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン)、ベンジルメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、(1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-N,N-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-4(メチルチオ),フェニル-2-モルホリノ-1-プロパノン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドなどが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、組合せて使用してもよい。
カチオン重合性物質としては、エポキシ官能基およびビニルエーテル官能基を含有する物質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの系は、トリアリールスルホニウム塩およびジアリールヨードニウム塩などのオニウム塩開始剤により光重合が開始される。
好ましくは、本発明の方法で使用されるオーバレイフィルム99は、イオノマのエチレンコポリマ、可塑化ハロゲン化ビニルポリマ、酸官能性ポリエチレンコポリマ、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、他の光透過性エラストマ、およびこれらの組合せ、から成る群より選ばれたポリマ材料である。このような材料は、典型的には、得られる再帰反射シートに所望の耐久性および屈曲性を付与するとともに、キューブコーナー要素の樹脂組成物による所望の好ましい侵入が可能であるオーバレイフィルムを提供する。
オーバレイフィルム99には、好ましくは、得られる再帰反射複合体に対して、折曲、カール、屈曲、整合、または延伸を容易に行えるようにするために、低い弾性率(例えば、約13×108パスカル未満)のポリマが含まれる。一般的には、オーバレイフィルムには、50℃未満のガラス転移温度を有するポリマが含まれる。このポリマを用いた場合、好ましくは、結果として、複合再帰反射シートが形成されたときに、該シートが曝露される条件下で、オーバレイフィルムが物理的一体性を保持する。このポリマは、望ましくは、50℃を超えるビカー軟化温度を有する。このポリマの線成形収縮率は、望ましくは1パーセント未満であるが、キューブコーナー要素およびオーバレイに対してポリマ材料の特定の組合せを用いれば、オーバレイ材料の更に大きな収縮が許容されるであろう。オーバレイ中で使用される好ましいポリマ材料は、UV光線による劣化に対する耐性を有する。その結果、再帰反射シートは、屋外用途において長期間使用できる。オーバレイフィルムは、光透過性でなければならず、好ましくは、実質的に光透過性である。例えば、樹脂組成物を適用したときに、透明になるか、または製造条件下でだけ(例えば、キューブコーナー要素の配列を形成するために使用されるカール条件に応答しした場合だけ)透明になるマット仕上げフィルムは、本発明に有用である。
オーバレイ99フィルムは、必要に応じて、単層コンポーネントまたは多層コンポーネントのいずれであってもよい。多層コンポーネントの場合、キューブコーナー要素の配列が結合される層は、こうした結合に関連して本明細書中で有用であるとして記載された性質を具備しなければならないとともに、キューブコーナー要素の配列と接触しない他の層は、得られる複合再帰反射シートに所望の特性を付与するために必要な所定の特性を具備しなければならない。
オーバレイフィルム99は、本明細書中で説明したように、キューブコーナー要素のデカップリングを行うために十分な延伸性をもたなければならない。オーバレイフィルムは、場合に応じて、ゴム弾性(すなわち、延伸後、少なくともある程度の回復を示す傾向)を有するものであってもよいし、延伸後、実質的な回復を示す傾向を持たないものであってもよい。本発明においてオーバレイフィルム中で利用可能なポリマの具体例としては、以下のポリマが挙げられる:
(1)フッ素化ポリマ:ポリ(クロロトリフルオロエチレン)〔例えば、ミネソタ州St.PaulのMinnesota Mining and Manufacturingから入手可能なKEL-F800ブランドの化合物〕;ポリ(テトラフルオロエチレン-co-ヘキサフロオロプロピレン)〔例えば、マサチューセッツ州BramptonのNorton Performanceから入手可能なEXAC FEPブランドの化合物〕;ポリ(テトラフルオロエチレン-co-ペルフルオロ(アルキル)ビニルエーテル)〔例えば、同様にNorton Performanceから入手可能なEXAC PEAブランドの化合物〕;ポリ(ビニリデンフルオリド-co-ヘキサフロオロプロピレン)〔例えば、ペンシルヴェニア州PhiladelphiaのPennwalt Corporationから入手可能なKYNAR FLEX-2800ブランドの化合物〕など;
(2)イオノマのエチレンコポリマ:ナトリウムイオンまたは亜鉛イオンを含有したポリ(エチレン-co-メタクリル酸)〔例えば、デラウェア州WilmingtonのE.I.duPont Nemoursから入手可能なSURLYN-8920ブランドおよびSURLYN-9910ブランドの化合物〕など;
(3)低密度ポリエチレン類:低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレンなど;
(4)可塑化ハロゲン化ビニルポリマ:可塑化ポリ(塩化ビニル)など;
(5)ポリエチレンコポリマ:酸官能性ポリマ〔例えば、ポリ(エチレン-co-アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-メタクリル酸)、ポリ(エチレン-co-マレイン酸)、およびポリ(エチレン-co-フマル酸)〕、アクリル官能性ポリマ〔例えば、ポリ(エチレン-co-アルキルアクリレート)、ただし、アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など、すなわちCH3(CH2)n-基{ただし、nは0〜12である}である〕、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)など;
(6)次のモノマ(1)〜(3)より誘導された脂肪族および芳香族のポリウレタン:(1)ジイソシアネート〔例えば、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらのジイソシアネートの組合せ〕、(2)ポリオール〔例えば、ポリペンチレンアジペートグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ-1,2-ブチレンオキシドグリコール、およびこれらのジオールの組合せ〕、および(3)連鎖移動剤〔例えば、ブタンジオールおよびヘキサンジオール〕。市販のウレタンポリマとしては、ニューハンプシャー州SeabrookのMorton International Inc.製のPN-03または3429が挙げられる。
また、上記のポリマの組合せを、オーバレイフィルム中で利用してもよい。オーバレイフィルムのための好ましいポリマとしては、カルボキシル基またはカルボン酸のエステルを含有する単位を含んでなるエチレンコポリマ〔例えば、ポリ(エチレン-co-アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-メタクリル酸)、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)〕;イオノマのエチレンコポリマ;可塑化ポリ(塩化ビニル);および脂肪族ウレタンが挙げられる。これらのポリマが好ましい理由としては、次の理由:すなわち、好適な機械的性質、キューブコーナー層に対する良好な接着性、透明性、および耐環境安定性、のうちの1つ以上が挙げられる。
着色剤、紫外線(「UV」)吸収剤、光安定剤、ラジカルスカベンジャもしくは酸化防止剤、加工助剤〔例えば、ブロッキング防止剤、剥離剤、滑剤など〕、および他の添加剤を、必要に応じて、再帰反射層およびオーバレイフィルムのうちの一方または両方に添加してもよい。
樹脂組成物およびオーバレイフィルム99は、次のような状態であることが好ましい。すなわち、樹脂組成物がオーバレイフィルムに接触したときに、樹脂組成物がオーバレイフィルム99に浸透し、その結果として、一次硬化処理の後、キューブコーナー要素の材料とオーバレイフィルム99の材料との間で相互侵入網目構造が形成される。
また、必要な場合には、再帰反射シートのポリマ材料には、得られたシートおよびシートが適用される物品の全体的性質を最適化する物質(例えば、難燃剤)が含まれていてもよい。
必要な場合には、キューブコーナー要素の面のうち、オーバレイフィルム99の反対側の面を、キューブコーナー再帰反射製品の技術分野で周知の反射材料、例えば、アルミニウム、銀、または誘電体、で被覆してもよい。反射材料の層は、キューブコーナー要素のデカップリングを妨害してはならない。すなわち、反射材料の層は、好ましくは、隣接するキューブコーナー要素の縁で容易に分離される。典型的には、このようなコーティング層は薄いため、その結果、コーティング層は、それ程の引張強度を示さない。反射材料は、必要に応じて、配列中のキューブコーナー要素のすべてを被覆してもよいし、その一部分だけを被覆してもよい。必要に応じて、配列中の異なる部分で異なる反射材料を組合せて使用してもよいし、反射材料を使用しないでもよい。
典型的には、複合再帰反射シートは更に、米国特許第4,025,159号に開示されているように、オーバレイフィルムに対向する面上で、再帰反射層に接着されたシーリング層97を含むことが望ましい。好ましくは、シーリング層97には、熱可塑性材料が含まれる。具体例としては、イオノマのエチレンコポリマ、可塑化ハロゲン化ビニルポリマ、酸官能性ポリエチレンコポリマ、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、およびこれらの組合せが挙げられる。特定の用途において、必要に応じて使用されるこのシーリング層は、複合材料のキューブコーナー要素を環境の影響から保護するうえで顕著な効果を示すとともに、内部全反射に必要な屈折率差を生成するうえで必須となるシールされた空気層をキューブコーナー要素の周りに保持することができる。
本発明で提供されるキューブコーナー要素のデカップリングを行うと、結果として、シーリング層97は、少なくともその一部分が、独立したキューブコーナー要素の間で、典型的にはシーリング領域またはシーリング脚部のパターン状に、オーバレイフィルムと直接接着することができ、これにより、複数の再帰反射性キューブコーナー要素を含むセルが形成される。シーリング技術の具体例としては、高周波溶接、熱伝導シール法、超音波溶接、および反応性成分(例えば、オーバレイフィルムに対して結合を生じるシーリング材料)が挙げられる。シーリングの手法の選択は、大部分がシーリング層およびオーバレイフィルムの性質に依存するであろう。
着色、光学的性質の改良、または環境要因からの保護を目的として、シーリング層97を複合再帰反射材料に接合する場合、いずれの目的に対しても、各コンポーネント層の組成および物理的性質にかなりの注意を払う必要がある。各コンポーネント層の組成は、シーリング層を組成物に融着させるために使用する方法に適合したものでなければならない。好ましくは、シーリング層97には、熱可塑性材料が含まれるものとする。このような材料は、比較的簡単で普通に使用できる熱的技法を利用して融着するのに好適である。
熱可塑性層を再帰反射性キューブコーナー材料にシールするために当該技術分野で利用される一般的な方法では、熱的エンボス加工技術が使用される。この技術を使用すると、複数の個々のキューブコーナー要素がシールされたポケットを形成してなるシールゾーンの「鎖状連結」パターンの形状が得られる。熱的にシールされた領域の脚部または「連結部」を詳しく観察すると、熱可塑性キューブコーナー要素では、熱的融着法を適用した結果、融着ゾーンにおいてキューブコーナー要素にかなりの歪みを生じることが分かる。シーリング脚部のこのタイプの熱的歪みは、典型的には、熱伝導の影響で、実際のシーリングのゾーンをはるかに超えて延在する。材料中でかなりの数の個々のキューブコーナー要素がこうした分布をとると、シート全体としての光学的性質は、シールされていないシートと比べて顕著に劣る可能性がある。例えば、30パーセント〜40パーセントの劣化を呈することがある。
高周波(「RF」)溶接は、熱的融着に代わる技法である。RF溶接では、ポリマの極性基の存在下で高周波エネルギーを熱運動に変換し、この熱運動でポリマを加熱することによって、融着が行われる。
本発明の複合再帰反射シートは、種々の方法(機械的手段および接着剤を利用した方法が含まれる)で所望の支持体に取付けることができる。接着剤を使用する場合、好ましくは、シートの背面の一部分だけに接着剤を付着させ、再帰反射輝度の劣化を最小限に抑えるか、または好ましくは、シーリング層を使用してキューブコーナー要素の表面を清浄に保持し、効率的な再帰反射が行われるようにする。
上記の説明により、方向が交互に入れ替わるように配置されたキューブコーナー要素配列のゾーンを備えた構造化面を含んでなる再帰反射シートであって、しかも、大きな照射角において改良された再帰反射性能を示す丁度2つの平面を有するシートが開示された。本発明の多数の実施態様の例示および説明を行ってきたが、実質的な変更を行わないでも同じ結果が得られるとみなせる場合は、上述の特定の実施態様および工程と置換え可能であることは、再帰反射性光学素子の技術分野の業者には分かるであろう。本出願は、本発明のこうした適用または変更のいずれをもカバーするものとする。従って、本発明は、添付の請求の範囲およびその等価物によってのみ限定されるべきものであるとみさなれる。
Claims (1)
- 底面と、該底面に対向した構造化面と、を備えた支持体を含んでなる再帰反射シートであって、該構造化面は、
キューブコーナー要素の配列を含む第1のゾーンと、
キューブコーナー要素の配列を含む第2のゾーンと、
を含むキューブコーナー要素の複数の交互に配置されたゾーンを有し、
前記第1のゾーンは、前記シートの長手方向の縁に実質的に平行に延在し、前記第1のゾーンにおける前記キューブコーナー要素の光学軸が、第1の主平面を規定するように傾けられており、前記第1の主平面は、前記シートの長手方向の縁に実質的に垂直に延在し、
前記第2のゾーンは、前記第1のゾーンに実質的に平行に延在し、前記第2のゾーンにおける前記キューブコーナー要素の光学軸が、第2の主平面を規定するように傾けられており、前記第2の主平面は前記第1の主平面に垂直であることを特徴とする、前記再帰反射シート。
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