JPH10333323A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物

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JPH10333323A
JPH10333323A JP9146491A JP14649197A JPH10333323A JP H10333323 A JPH10333323 A JP H10333323A JP 9146491 A JP9146491 A JP 9146491A JP 14649197 A JP14649197 A JP 14649197A JP H10333323 A JPH10333323 A JP H10333323A
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resin
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雅子 鈴木
Toshiyuki Ota
利幸 大田
Hozumi Sato
穂積 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば小径のフォトビアホールを高い精度で
形成することができる優れた解像性を有し、アルカリ水
溶液により現像することができ、耐めっき液性および耐
熱性が高く、しかも導体配線が優れた密着性で形成され
る絶縁層を形成することのできる感放射線性樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 本発明の感放射線性樹脂組成物は、アル
カリ可溶性樹脂、例えばポリビニルフェノールおよび重
量平均分子量が2000以上のポリビニルフェノール以
外のフェノール樹脂の一方または両方からなるアルカリ
可溶性樹脂と、架橋剤、例えば1分子内に複数の活性メ
チロール基を有するアミノ樹脂と、粒子状ゴム、例えば
エポキシ化合物によって処理された架橋重合体よりなる
粒子状ゴムと、液状ゴム、例えば数平均分子量が100
0〜10000、ガラス転移点が−20℃以下の液状ゴ
ムと、放射線重合開始剤とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感放射線性樹脂組
成物に関し、特に、積重して配置される2つの導体配線
の間に介在する絶縁層を形成するための絶縁層形成材料
として好適に用いられる感放射線性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近において、プリント配線板における
高密度化の要請から、複数の導体配線が絶縁層を介して
積重された構成を有する多層配線板の重要性が高まって
いる。この多層配線板を製造する方法として、導体配線
が基材上に形成されてなる配線板の複数を、例えばプリ
プレグと呼ばれる熱硬化性樹脂含浸シートを介して積重
し、その状態でプレス成形することにより多層の積層構
造とし、この多層積層体に、当該積層体の全体を貫通す
るスルーホールと呼ばれる貫通孔をドリルなどによって
形成し、このスルーホールの内壁面にめっき処理を施し
て、積重配置された2つの導体配線を導通させるめっき
層を形成することにより製造する方法(以下「積層プレ
ス方式」ともいう。)が知られている。しかし、この積
層プレス方式では、配線パターンの微細化が進むに従っ
て、複数の配線板の位置合わせが困難であるという問
題、配線板の基材の収縮により配線の位置ずれが発生す
るという問題、微細なパターンに応じたスルーホールの
小径化が困難であるという問題、製造工程が煩雑になる
などの問題がある。
【0003】一方、導体配線が形成された配線板上に絶
縁層を形成し、この絶縁層上に前記導体配線と導通する
別の導体配線を形成する工程を繰り返すことにより、目
的とする多層配線板を製造する方法(以下「積み上げ方
式」ともいう。)が提案されている。この積み上げ方式
により多層配線板を製造する場合おいて、絶縁層を介し
て積重された2つの導体配線を導通させるためには、積
層プレス方式の場合と同様にスルーホールを形成してめ
っき処理を施す手法のほか、一部の絶縁層のみを貫通す
るビアホールとも呼ばれる孔をドリルによって形成し
て、この孔内にめっき処理を施す手法がある。
【0004】そして、絶縁層におけるスルーホールまた
はビアホールの形成方法としては、エキシマレーザを利
用する方法、加工用レジストを用いて所定のパターンを
形成し、絶縁層を適宜の溶剤によりエッチングする方法
などが知られている。しかしながら、これらの方法は、
複数の孔を同時に形成することができなかったり、多く
の工程が必要となるなど生産性の点から好ましい方法で
はない。また、上記の各方法は、加工精度の点からも満
足な方法ではない。
【0005】そこで、導体配線の間に介在する絶縁層を
形成する材料として感光性樹脂組成物を用い、フォトリ
ソグラフィーによって当該絶縁層に貫通孔を形成する方
法が提案されている。この方法によれば、複数の貫通孔
を同時に形成することができるために多層配線板の製造
において高い生産効率が得られ、しかも、従来の方法に
比べて高い精度で貫通孔を形成することができるので、
微細な配線パターンを有する多層配線板を製造する上で
有利である。ここに、感光性樹脂組成物よりなる絶縁層
に形成され、後にめっき処理が施されて電気的な接続を
達成するための貫通孔はフォトビアホールと呼ばれ、フ
ォトビアホールが形成された多層配線板を積み上げ方式
により製造する方法が提案されている(特開平4−14
8590号公報参照)。また、このような絶縁層を形成
するための感光性樹脂組成物として、感光性エポキシ樹
脂を用いた応用例も提案されている(特開平5−273
753号公報参照)。
【0006】このように、絶縁層の形成に感光性樹脂組
成物を用い、積み上げ方式により多層配線板を製造する
方法によれば、プレス処理を行うことなく多層の積層構
造を得ることができると共に、フォトリソグラフィーに
より十分に小径のフォトビアホールを高い精度で形成す
ることができるため、微細な配線パターンを有する多層
配線板を好適に製造することができる。
【0007】しかして、積み上げ方式により多層配線板
を製造する場合に絶縁層の形成に用いられる感光性樹脂
組成物には、以下のような性能が要求される。 (1)得られる絶縁層が優れた解像性を有しているこ
と。これにより、微細なパターンに応じた小径のフォト
ビアホールを高い精度で形成することができる。 (2)得られる絶縁層が、導体配線の形成に使用される
例えば無電解銅めっき液に対して十分に高い耐性(耐め
っき液性)を有すること。 (3)得られる絶縁層は、その表面に、例えば無電解銅
めっき処理により十分な密着性で導体配線を形成し得る
ものであること。ここに、銅めっきによる導体配線の密
着性を向上させるためには、当該絶縁層の表面が粗面化
されることが有効であり、粗面化された表面を有する絶
縁層によれば、そのアンカー効果により、導体配線の絶
縁層に対する密着性が大きなものとなる。 (4)フォトビアホールを形成するための現像液として
アルカリ水溶液の使用が可能であること。アルカリ水溶
液を現像液として使用できれば、人体や環境に与える悪
影響を抑制することができる。 (5)得られる絶縁層は、十分な電気的絶縁性を有する
ものであって高い信頼性が得られ、かつ高い耐熱性を有
すること。これにより、小型軽量化が進められている電
子機器の製造に有利に適用することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ば小径のフォトビアホールを高い精度で形成することが
できる優れた解像性を有し、アルカリ水溶液により現像
することができ、耐めっき液性および耐熱性が高く、し
かも導体配線が優れた密着性で形成される絶縁層を形成
することのできる感放射線性樹脂組成物を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の感放射線性樹脂組成物は、下記のA成分
〜E成分を含有することを特徴とする。 〔A成分〕アルカリ可溶性樹脂 〔B成分〕架橋剤 〔C成分〕粒子状ゴム 〔D成分〕液状ゴム 〔E成分〕放射線重合開始剤 具体的には、本発明の感放射線性樹脂組成物を構成する
A成分〜E成分は、次のようなものであることが好まし
く、これにより、本発明による効果を十分にかつ確実に
得ることができる。 〔A成分〕ポリビニルフェノールおよび重量平均分子量
が2000以上のポリビニルフェノール以外のフェノー
ル樹脂の一方または両方からなるアルカリ可溶性樹脂 〔B成分〕1分子内に複数の活性メチロール基を有する
アミノ樹脂 〔C成分〕エポキシ化合物によって処理された架橋重合
体よりなる粒子状ゴム 〔D成分〕数平均分子量が1000〜10000、ガラ
ス転移点が−20℃以下の液状ゴム 〔E成分〕放射線重合開始剤
【0010】以下において、明らかに異なる場合を除
き、「光」の文字を含んでいるすべての語句についての
「光」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線
などの放射線を意味するものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感放射線性樹脂組
成物について詳細に説明する。 〔A成分〕このA成分はアルカリ可溶性樹脂であって、
好ましくは、ポリビニルフェノール、およびポリビニル
フェノール以外のフェノール樹脂であって重量平均分子
量が2000以上のもの(以下「特定のフェノール樹
脂」という。)のいずれか一方またはその両方からなる
アルカリ可溶性樹脂である。
【0012】A成分として用いられるポリビニルフェノ
ールとしては、ビニルフェノール単量体を常法により重
合させて得られるもの、あるいはフェノール性水酸基を
保護基により保護した状態で重合した後、当該保護基を
除去することによって得られるものなど、各種の製法に
より得られるものを挙げることができる。また、ビニル
フェノール単量体に各種の置換基が導入された単量体、
例えばビニルクレゾール、2,4−ジメチルビニルフェ
ノール、フッ素化ビニルフェノール、クロル化ビニルフ
ェノール、臭素化ビニルフェノールなどから得られる各
種の置換ポリビニルフェノールも使用することができ
る。このポリビニルフェノールの分子量は特に制限され
るものではないが、得られる絶縁層における解像性、現
像性、耐めっき液性などの観点から、重量平均分子量が
2000以上、特に2000〜20000の範囲にある
ことが好ましい。
【0013】A成分として用いられる特定のフェノール
樹脂の代表例としてはノボラック樹脂を挙げることがで
きる。ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を
有する芳香族化合物(以下、「フェノール類」とい
う。)とアルデヒド類とを、好ましくはフェノール類1
モルに対してアルデヒド類0.7〜1モルの割合で酸触
媒を用いて付加縮合させることにより得られる。ここ
に、フェノール類の具体例としては、フェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エ
チルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノー
ル、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、
2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6
−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシ
レノール、3,6−キシレノール、2,3,5−トリメ
チルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、
p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノ
ン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、
フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェ
ノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトー
ル、β−ナフトールなどを挙げることができる。
【0014】アルデヒド類の具体例としては、ホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベン
ズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデ
ヒドなどを挙げることができる。酸触媒としては、例え
ば塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸などが使用され
る。A成分として用いられる特定のフェノール樹脂は、
得られる絶縁層の解像性、現像性、耐めっき液性などの
観点から、重量平均分子量が2000以上であることが
必要であり、特に2000〜20000の範囲ものが好
ましい。
【0015】本発明において、A成分であるアルカリ可
溶性樹脂としては、以上のポリビニルフェノールまたは
特定のフェノール樹脂の1種を単独であるいは2種以上
を併用することができるが、特にポリビニルフェノール
と特定のフェノール樹脂とを併用することが好ましい。
本発明の組成物において、A成分の割合は、得られる絶
縁層が十分なアルカリ可溶性を示す割合とされ、通常、
組成物全体の30〜75重量%、好ましくは40〜70
重量%とされる。この割合が過小であると、得られる組
成物による薄膜がアルカリ水溶液による十分な現像性を
有しないものとなり、一方、この割合が過大であると、
相対的に他の成分の割合が制限される結果、得られる絶
縁層が靱性、耐熱性および耐めっき液性の不十分なもの
となるおそれがある。
【0016】〔B成分〕このB成分は架橋剤であって、
好ましくは、1分子内に複数の活性メチロール基を有す
るアミノ樹脂であり、A成分のアルカリ可溶性樹脂と反
応して架橋構造を形成し、硬化剤成分としての作用を有
するものである。このB成分として用いられるアミノ樹
脂としては、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)
メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化
ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレアなど
の、1分子内に複数個の活性メチロール基を有する含窒
素化合物を挙げることができ、当該メチロール基の水酸
基の水素原子がメチル基やブチル基などのアルキル基に
よって置換された化合物であってもよく、またはそのよ
うな置換化合物の複数を混合した混合物であってもよ
い。また、B成分は、これらの化合物が一部自己縮合し
てなるオリゴマー成分を含むものであってもよい。
【0017】B成分のアミノ樹脂としては、例えばヘキ
サメトキシメチル化メラミン(三井サイアナミッド
(株)製「サイメル300」)、テトラブトキシメチル
化グリコールウリル(三井サイアナミッド(株)製「サ
イメル1170」)などのサイメルシリーズの商品、マ
イコートシリーズの商品、UFRシリーズの商品、その
他を用いることができ、特に好ましくはヘキサメトキシ
メチル化メラミンである。これらのアミノ樹脂は、その
1種を単独であるいは2種以上を併用することができ
る。
【0018】本発明の組成物において、B成分の割合
は、当該組成物による薄膜が光重合開始剤および熱の作
用によって十分に硬化する範囲とされることが必要であ
り、具体的にはA成分100重量部に対して10〜60
重量部、好ましくは15〜50重量部である。この割合
が過小であると、得られる絶縁層は靱性、耐熱性および
耐めっき液性が不十分となるおそれがあり、一方この割
合が過大であると、得られる組成物による薄膜が十分な
現像性を有するものとならないおそれがある。
【0019】〔C成分〕このC成分は粒子状ゴムであっ
て、好ましくは、エポキシ化合物によって化学的に変性
処理された架橋重合体よりなる粒子状ゴムであり、本発
明の組成物において均一に分散された状態で存在し、絶
縁層の表面の粗面化処理においてその効果を発揮するも
のである。このC成分とされる粒子状ゴムは、エポキシ
基と反応する官能基、例えばカルボキシル基を有する粒
子状ゴム材を、適宜のエポキシ化合物によって化学的に
変性処理することによって得られる、平均粒子径が0.
01〜20μm、好ましくは0.01〜5.0μmのも
のである。
【0020】C成分の粒子状ゴムを得るための粒子状ゴ
ム材は、例えば下記(イ)〜(ハ)の単量体を含有する
単量体組成物を共重合させて得られる、カルボキシル基
を有する架橋重合体よりなるものである。 (イ)1分子内に複数の重合性二重結合を有する多官能
単量体 (ロ)多官能単量体(イ)と共重合可能な、カルボキシ
ル基を有する単量体(以下「カルボキシル基含有単量
体」という。) (ハ)多官能単量体(イ)と共重合可能な、上記(ロ)
以外の共重合性単量体
【0021】1分子内に複数の重合性二重結合を有する
多官能単量体(イ)としては、例えばエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどを挙
げることができる。これらの多官能重合性単量体は、そ
の1種を単独であるいは2種以上を併用することができ
る。
【0022】多官能単量体(イ)は、粒子状ゴム材を得
るための単量体組成物の全体に対して0.1〜20モル
%、好ましくは0.5〜10モル%の割合で用いられ
る。この割合が0.1モル%未満の場合には、組成物に
おいて粒子状ゴムの形状が十分に保持されないために絶
縁層の表面の粗面化を十分に達成することができず、ま
た絶縁層の現像性が劣ったものとなる。一方、この割合
が20モル%を超える場合には、粗面化処理において確
実に溶解しないために粗面化を十分に達成することがで
きず、また得られる粒子状ゴムの他の成分に対する親和
性が低くなって得られる組成物の加工性が悪化し、光硬
化処理後の絶縁層の強度が著しく低下し、形成されるめ
っき層の密着性が不十分なものとなる。
【0023】カルボキシル基含有単量体(ロ)の具体例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、テトラコン酸;コハク酸、フマル
酸などのジカルボン酸と付加重合性基を有する不飽和ア
ルコールとのハーフエステルなどを挙げることができ
る。これらのカルボキシル基含有単量体(ロ)は、得ら
れる組成物の具体的な用途に応じて、任意のものを1種
または2種以上を選択して用いることができる。
【0024】上記のカルボキシル基含有単量体(ロ)
は、粒子状ゴム材を得るための単量体組成物全体に対し
て0.1〜30モル%、好ましくは0.5〜20モル%
の割合で用いられる。この割合が0.1モル%未満の場
合には、エポキシ変性処理によって得られる粒子状ゴム
が表面エポキシ基の少ないものとなるため、当該粒子状
ゴムの組成物に対する親和性が低くて組成物中に均一に
分散させることが困難となり、その結果良好な粗面化を
達成することができず、また得られる絶縁層は靭性およ
び解像性が乏しいものとなり、一方、この割合が30モ
ル%を超える場合には、得られる絶縁層が硬く脆いもの
となり、いずれも好ましくない。
【0025】上記の多官能単量体(イ)およびカルボキ
シル基含有単量体(ロ)と共に用いられる共重合性単量
体(ハ)としては、目的に応じて種々のラジカル重合性
単量体を用いることができる。この共重合性単量体とし
ては、例えばブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジ
エン、クロロプレンなどを挙げることができ、更にスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロ
ニトリル、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、(メ
タ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートな
どを挙げることができる。
【0026】粒子状ゴム材は、ラジカル開始剤を用いた
乳化重合法または懸濁重合法によって、直接的に粒子状
共重合体として製造することができるが、粒子のサイズ
およびその均一性が高いことから乳化重合法を用いるの
が好適である。乳化重合法による場合には、上記の多官
能単量体(イ)と、カルボキシル基含有単量体(ロ)
と、共重合性単量体(ハ)とをラジカル乳化重合し、公
知の方法に従って、塩析、洗浄、乾燥すればよい。この
場合に、各単量体、ラジカル開始剤などの重合薬剤は、
反応開始時に全量を一括して添加してもよいし、任意に
分けて順次に添加してもよい。重合反応は温度0〜80
℃において酸素を除去した反応器中で行われるが、反応
の途中で温度や攪拌などの操作条件を任意に変更するこ
とができる。重合方式は連続式、回分式のいずれでもよ
い。しかし、電子部品の層間絶縁層を形成するための組
成物の粒子状ゴムとしては、例えば特開平2−2066
56号公報に示されている方法によって得られる、イオ
ン含有割合の低い粒子状ゴムを用いることが好ましく、
これにより、良好な電気絶縁性を有する絶縁層を形成す
ることができる。
【0027】上記の乳化重合法において、ラジカル開始
剤としては、ベンゾイルペルオキシド、クメンハイドロ
ペルオキシド、パラメンタンハイドロペルオキシド、ラ
ウロイルペルオキシドなどの有機過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリルで代表されるジアゾ化合物、過硫酸カ
リウムで代表される無機化合物、有機化合物−硫酸鉄の
組合せで代表されるレドックス系触媒などが用いられ
る。
【0028】上記のようにして得られる粒子状ゴム材
は、その表面にカルボキシル基が存在するものであり、
このカルボキシル基がエポキシ化合物によってエポキシ
化されることにより、本発明のC成分として用いられる
エポキシ変性された粒子状ゴムが得られる。エポキシ変
性のためには、例えば粒子の表面にカルボキシル基を有
する粒子状ゴム材を、1分子内に複数のエポキシ基を含
有するエポキシ化合物、例えばエポキシ樹脂と加熱して
反応させることにより、粒子状ゴム材の粒子表面に存在
するカルボキシル基をエポキシ基に変換することができ
る。具体的には、例えば、カルボキシル基を有する粒子
状ゴム材とエポキシ樹脂とを、例えば臭化テトラブチル
アンモニウムなどの触媒を用いて、温度40〜100℃
の反応溶媒中で反応させればよい。ここに反応溶媒とし
ては、当該反応に関与せず、反応系を均一に保つことの
できるものであれば特に限定されず、用いるエポキシ化
合物が液状である場合には反応溶媒は不要である。
【0029】粒子状ゴム材のエポキシ化合物による処理
においては、粒子状ゴム材をエポキシ化合物と混合し熱
反応させればよい。この反応における粒子状ゴム材とエ
ポキシ化合物の割合は、それぞれ10〜30重量%およ
び90〜70重量%であることが好ましく、粒子状ゴム
材の表面に存在するカルボキシル基とエポキシ化合物の
エポキシ基とのモル比(エポキシ基/カルボキシル基)
は通常70〜270とされる。粒子状ゴム材の割合が3
0重量%を超える場合には、エポキシ変性の程度が低く
なるために粒子状ゴムを組成物中に均一に分散させるこ
とがが困難となる。ここに使用されるエポキシ化合物と
してはエポキシ樹脂を好ましく用いることができる。エ
ポキシ樹脂は特に制限されるものではなく、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、(クレゾール)ノボラック型エポ
キシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などの各種エポキシ樹脂
を使用することができ、臭素化エポキシ樹脂、ウレタン
変性エポキシ樹脂などの各種変性エポキシ樹脂を使用す
ることもできる。ここに、エポキシ化合物の使用割合
は、組成物の全体における15重量%以下であることが
好ましく、15重量%を超える場合には、得られる絶縁
層のアルカリ現像性が低下し、良好なプロファイルを得
ることが困難となる。また、粒子状ゴム材の表面に存在
するカルボキシル基の全部がエポキシ基によって変性さ
れることは必要ではなく、その一部のみが変性され、他
のカルボキシル基はそのままの状態で残存するものであ
ってもよく、これにより良好な現像性が得られる可能性
がある。
【0030】上記の粒子状ゴムよりなるC成分は、本発
明の組成物において均一に分散された状態で存在し、当
該組成物より形成される絶縁層の表面を粗面化処理する
工程において、強酸化性の粗面化処理液によって選択的
に反応されて溶解し、これにより、絶縁層の表面の粗面
化が達成される。すなわち、当該粒子状ゴムは、エポキ
シ変性されていることにより、他の成分に対して良好な
親和性を有するために本発明の当該組成物中に十分均一
に分散された状態で存在するようになる。そして、粗面
化処理において、強酸化性を有する粗面化処理液が絶縁
層の表面に存在する粒子状ゴムに接触することにより、
当該粒子状ゴムを構成する共重合体の二重結合が切断さ
れて当該共重合体が当該粗面化処理液に溶解する結果、
当該粒子状ゴムが絶縁層から消失しあるいは除去され、
これにより絶縁層の表面に微小な凹凸が形成されて粗面
化される。これに対し、エポキシ変性されていない粒子
状ゴムを用いると、組成物において均一な分散状態が得
られないことから、結局、絶縁層の粗面化処理におい
て、その粗面化状態が均一とならず、ムラが生じた状態
となる。なお、粒子状ゴムのエポキシ変性に用いられる
エポキシ樹脂などのエポキシ化合物を単独成分として使
用した場合にも、粒子状ゴムが十分均一に分散させるこ
とができない。
【0031】また、本発明の組成物から得られる絶縁層
の内部においては、上記の粒子状ゴムが均一に分散され
た状態で存在することから、当該絶縁層において露光や
熱処理によって生じる収縮応力、基材との熱膨張係数の
差によって生じる熱応力などが緩和され、その結果、多
層配線板の寸法精度および絶縁層として高い信頼性が得
られる。さらに、粒子状ゴムを含有する組成物によれ
ば、得られる絶縁層の靱性が向上し、クラックの発生を
防止することができる。
【0032】本発明の組成物において、C成分の割合
は、表面粗面化処理において十分な微小凹凸が形成され
るに十分な範囲とされることが必要であり、具体的には
A成分100重量部に対して5〜100重量部、好まし
くは10〜60重量部、特に好ましくは12〜23重量
部である。この割合が過小であると、十分な粗面化処理
を達成することができず、得られる絶縁層が靱性、耐熱
性および耐めっき液性が不十分なものとなるおそれがあ
り、一方、この割合が過大であると、得られる組成物に
よる薄膜が十分な現像性を有しないものとなるおそれが
ある。
【0033】〔D成分〕このD成分は液状ゴムであっ
て、好ましくは、通常、数平均分子量が1000〜10
000であり、かつガラス転移点Tgが−20℃以下の
液状ゴムであり、このD成分を含有することにより、本
発明の組成物は、めっき処理によって形成される導体配
線の絶縁層に対する密着性が良好となり、特に高温下で
も十分に大きな密着性が得られる。しかしながら、数平
均分子量が1000未満の液状ゴムを用いて得られる組
成物によれば、得られる絶縁層は耐めっき液性が不十分
なものとなり、一方、数平均分子量が10000を超え
る液状ゴムによる場合には、絶縁層に高い解像性を得る
ことができない。また、用いる液状ゴムのガラス転移点
Tgが−20℃より高い場合には、得られる絶縁層は導
体配線の密着性が劣ったものとなり、特に高温多湿下で
の密着性が低いものとなる。
【0034】D成分として用いられる液状ゴムは、A成
分、B成分、C成分およびE成分との相溶性または親和
性が高いものであることが必要であり、これらとの相溶
性または親和性が低いものを用いると、得られる組成物
は粘着性が高いものとなって取扱い上の問題が生じる。
この液状ゴムとしては公知の各種合成ゴムを挙げること
ができるが、A成分などに対して高い相溶性が得られる
ことから、アクリルゴム(ACM)、アクリロニトリル
・ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル・アク
リレート・ブタジエンゴム(NBA)が好ましく、さら
に必要に応じて、エポキシ基、水酸基、カルボキシル
基、アミノ基より選ばれる少なくとも1種の官能基を有
するものも使用することができる。実際上、エポキシ基
またはカルボキシル基を有するものが好ましく、特にカ
ルボキシル基を有する液状ゴムが好ましい。
【0035】D成分の液状ゴムはいずれの方法で製造さ
れたものであってもよく、その製造には乳化重合、溶液
重合、塊状重合、懸濁重合などの各種の方法を用いるこ
とができ、重合方式もバッチ式、回分式、連続式のいず
れでもよい。液状ゴムは、これに含有されるイオン成分
の割合が低いことが好ましく、これにより、得られる絶
縁層は十分な絶縁性を有するものとなる。液状ゴムを得
るための単量体組成物にジエン系単量体が含有される場
合には、当該組成物の重合は乳化重合法によって容易に
実行することができるが、特に特開昭62−74908
号公報に示された方法により、イオン成分の含有割合の
低い液状ゴムを得ることができる。
【0036】本発明の組成物において、D成分の割合
は、めっき処理によって形成される金属層が当該組成物
による絶縁層に対して十分な密着性を有するものとなる
範囲とされ、具体的にはA成分100重量部に対して3
〜50重量部、好ましくは7〜40重量部である。この
割合が過小であると、得られる絶縁層はめっき処理によ
って形成される金属層の密着性が不十分なものとなり、
一方、この割合が過大であると、得られる組成物による
薄膜が十分に硬化されないものとなるおそれがある。
【0037】〔E成分〕このE成分は放射線重合開始剤
(光重合開始剤)である。本発明のE成分として用いら
れる光重合開始剤としては、一般に光カチオン重合開始
剤としてして知られているものが好ましく、具体的に
は、ジアゾニウム塩である「アデカウルトラセットPP
−33」〔旭電化工業(株)製〕、スルホニウム塩であ
る「OPTOMER SP−150」、「OPTOME
R SP−170」、「OPTOMER SP171」
〔旭電化工業(株)製〕、メタロセン化合物である「I
RGACURE261」〔チバガイギー社製〕、トリア
ジン化合物である「トリアジンB」、「トリアジンPM
S」、「トリアジンPP」〔日本シイベルヘグナー
(株)製〕などを挙げることができる。
【0038】本発明の組成物における光重合開始剤の配
合割合は、A成分〜D成分の合計に対して0.1〜5重
量%であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜
1.5重量%である。この割合が過小の場合には、得ら
れる絶縁層は酸素などの周囲の環境の影響による感度低
下が著しいものとなり、一方、過大の場合には、他の成
分との相溶性に劣り、組成物の保存安定性が低下する。
【0039】本発明の組成物において、A成分〜D成分
のそれぞれの配合割合は、特に電子部品の層間絶縁層形
成材料として用いられる場合に、実際に要求される解像
性、耐薬品性、めっき層の密着性などの程度にもよる
が、通常、組成物全体において、A成分30〜75重量
%、好ましくは40〜65部、B成分5〜30重量%、
好ましくは10〜25重量%、C成分5〜25重量%、
好ましくは10〜20重量%、D成分1〜25重量%、
好ましくは3〜20重量%である。
【0040】本発明の組成物には、当該組成物が適用さ
れる基材に対する接着性を向上させるための接着助剤を
含有させることができる。この接着助剤としては、官能
性シランカップリング剤が有効である。ここで、官能性
シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリ
ロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性
置換基を有するシランカップリング剤を意味し、その例
としてはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナ
ートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げる
ことができ、その配合割合は、組成物100重量部当た
り2重量部以下が好ましい。
【0041】本発明の組成物には、必要に応じて充填
材、着色剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤、その
他の添加剤を含有させることができる。充填材として
は、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、ベン
トナイト、ジルコニウムシリケート、粉末ガラスなどを
挙げることができ、好ましいものは、シリカ、タルク、
炭酸カルシウムなどである。着色剤としては、アルミナ
白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどの体質顔
料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタ
ン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラックなどの
無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネントレ
ッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロ
ー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンな
どの有機顔料;マゼンタ、ローダミンなどの塩基性染
料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジなど
の直接染料;ローセリン、メタニルイエローなどの酸性
染料、その他を挙げることができる。粘度調整剤として
は、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末など
を挙げることができる。レベリング剤としては、各種シ
リコーン系化合物、ポリアルキレンオキシド系化合物な
どを挙げることができる。消泡剤としては、表面張力の
低いシリコン系化合物、フッ素系化合物などを挙げるこ
とができる。これらの添加剤の割合は、組成物の本質的
な特性を損なわない範囲、好ましくは組成物の全体にお
ける50重量%以下とされる。
【0042】本発明の組成物を調製するためには、充填
材、顔料を添加しない場合には各成分を通常の方法で混
合、攪拌するだけでよく、充填材、顔料を添加する場合
にはディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルな
どの分散機を用いて分散、混合すればよい。また、必要
に応じて、メッシュ、メンブレンフィルターなどを用い
てろ過することもできる。
【0043】本発明の組成物には、粘度調整を目的とし
て、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセト
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエー
テル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソ
ホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、
1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、
安息香酸エチル、乳酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレ
イン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノ
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソル
ブアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキ
シエチルプロピオネート、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールメチルエチルエーテルなどの高沸点溶
剤などを添加することもでき、好ましいものはメトキシ
メチルプロピオネート、エトキシエチルプロピロネート
などである。これらの溶剤の使用量は、組成物の用途や
用いる塗布の方法に応じて変更することができ、組成物
を均一な状態とすることができれば特に限定されるもの
ではないが、得られる液状組成物において5〜60重量
%、好ましくは10〜40重量%となる量とされる。
【0044】本発明の組成物を基材に塗布するための塗
布方法は特に限定されるものではなく、一般的な感光性
材料の塗布方法を利用することができる。具体的には、
スクリーン印刷法、ロールコート法、バーコート法、デ
ィップコート法、カーテンコート法、スピンコート法な
どを挙げることができる。また、本発明の組成物をフィ
ルム状に成形した後、これをラミネーターを用いて基材
に密着させて用いることもできる。
【0045】本発明の組成物を用いて多層配線板を製造
する場合には、導体配線が表面に形成された配線板の当
該表面に、本発明の組成物よりなる薄膜を形成し、この
薄膜に露光処理および現像処理を施すことにより、例え
ば前記導体配線に至る貫通孔が形成されてこれにより当
該導体配線が露出された状態の絶縁層を形成し、この絶
縁層の表面に、前記導体配線と導通する新たな導体配線
を形成する一連の工程を1回または複数回繰り返せばよ
い。すなわち、n番目の導体配線が表面に形成された配
線板に、本発明の組成物による絶縁層を形成し、この絶
縁層の表面に、n番目の導体配線と導通する(n+1)
番目の導体配線を、めっき処理などによって形成する工
程が含まれる。ここに、nは1以上の整数である。本発
明の組成物によれば、このような方法により、信頼性の
高い、高密度で高精度の耐熱性多層配線板を高い効率で
製造することができる。
【0046】以下に、本発明の組成物を用いて多層配線
板を製造する方法について、工程順に具体的に説明す
る。 (1)薄膜形成工程 この薄膜形成工程においては、例えば導体配線が基板の
表面に形成されてなる配線板の当該表面上に、当該導体
配線が覆われるよう本発明の組成物を塗布し、乾燥処理
して組成物中の溶剤を加熱除去することにより薄膜を形
成する。
【0047】ここに、導体配線が形成される基板の材質
は特に限定されるものでなく、例えばガラスエポキシ樹
脂、紙フェノール樹脂、セラミック、ガラス、シリコン
ウエハなどを挙げることができる。塗布方法としては、
例えばスピンコート法、ロールコート法、カーテンコー
ト法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などを採用
することができる。また、本発明の組成物を基体フィル
ム上に製膜して乾燥させていわゆるドライフィルムを作
製し、これをラミネーターなどによって基板に貼り合わ
せることにより薄膜を形成してもよい。この基体フィル
ムとしては、透光性を有するものとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル系フィルム、延伸ポリプロピレン、ポリス
チレンなどのポリオレフィン系フィルムを使用すること
ができる。ここに、基体フィルムが透光性を有するもの
である合には、当該基体フィルムを通して光照射して当
該薄膜を光硬化させることが可能となる。
【0048】塗布後における乾燥の条件としては、本発
明の組成物における各成分の種類、配合割合、膜厚など
によっても異なるが、通常70〜130℃の温度で5〜
30分間程度である。乾燥が不十分であると、残留する
溶剤によって薄膜の表面にべとつきが生じ、また、基板
に対する絶縁層の密着性が低下する。一方、乾燥が過度
になされると、熱かぶりによって解像性の低下を招く。
この薄膜の乾燥は、オーブンやホットプレートなどの通
常の装置を用いて行われる。上記の薄膜形成工程におい
て形成される薄膜の乾燥後の膜厚は、例えば5〜100
μmであり、10〜70μmであることが好ましい。膜
厚が過小であると十分な絶縁性を有する絶縁層を形成す
ることができず、一方、膜厚が過大であると解像性の低
下を招く。
【0049】(2)露光処理工程 この露光処理工程においては、薄膜形成工程によって配
線板上に形成された薄膜に所定のパターンのマスクを介
して波長200〜500nmの紫外線または可視光線を
照射することにより、薄膜の光照射領域(露光領域)を
光硬化させる。露光処理装置としては、フュージョン、
コンタクトアライナー、ステッパー、ミラープロジェク
ターなどを使用することができる。露光処理に使用され
る光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレー
ザ、X線発生装置、電子線発生装置などを挙げることが
できる。薄膜に対する露光量は、薄膜を構成する組成物
における各成分の種類、配合割合、膜厚などによっても
異なるが、例えば高圧水銀灯を使用する場合において1
00〜2000mJ/cm2 である。
【0050】(3)反応促進用加熱工程 この反応促進用加熱工程においては、露光処理工程の後
の当該薄膜を、通常、温度70〜130℃で1〜20分
間程度加熱し、これにより、露光処理工程における光反
応による硬化に加えて、熱反応による薄膜の硬化を促進
させる。この加熱が過度であると熱かぶりによって解像
性の低下を招く。この加熱は、オーブンやホットプレー
トなどの通常の装置を用いて行われる。
【0051】(4)現像処理工程 この現像処理工程においては、非露光領域における組成
物を、アルカリ水溶液よりなる現像液に溶解させて除去
し、露光領域における組成物のみを残存させることによ
り、パターン形成を行う。ここに、現像液としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモ
ニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルア
ミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メ
チルジエチルアミン、ジメチルエチルアルコールアミ
ン、トリエチルアルコールアミン、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシク
ロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビ
シクロ〔4,3,0〕−5−ノナンなどのアルカリ化合
物の水溶液を用いることができる。また、上記のアルカ
リ類の水溶液にメチルアルコール、エチルアルコールな
どの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶
液、または本発明の組成物を溶解する各種有機溶剤を現
像液として使用することができる。好ましい現像液とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの、
濃度0.1〜6重量%、特に好ましくは0.5〜3重量
%の水溶液である。現像方法としては、液盛り法、ディ
ッピング法、パドル法、スプレー法、シャワー法などを
挙げることができる。現像処理後には、例えば流水洗浄
を行い、エアーガンなどを用いてあるいはオーブン内に
おいて乾燥させる。この現像処理工程によって薄膜の一
部が除去されて例えば貫通孔が形成され、基板表面の導
体配線の一部が露出される結果、フォトビアホールを有
する絶縁層が形成される。
【0052】(5)熱硬化・後露光工程 本発明の組成物は光硬化性および熱硬化性の両方の性質
を有しており、この熱硬化・後露光工程において熱硬化
処理および/または後露光処理が行われることにより、
フォトビアホールを有する絶縁層の硬化が更に促進され
る。従って、この熱硬化・後露光工程は、絶縁層が十分
な硬化状態にあるときは不要となる工程である。熱硬化
処理は、ホットプレート、オーブン、赤外線オーブンな
どを用いて、絶縁層が熱劣化を起こさない温度条件、好
ましくは120〜180℃で30分間〜5時間程度の適
当な時間が選択されて行われる。また、後露光処理は、
露光処理工程で使用されるものと同様の光源および装置
を用いて、例えば100〜4,000mJ/cm2 の露
光量で行うことができる。
【0053】(6)平坦化処理工程 この平坦化処理工程は、例えば平坦でない基板上に形成
された絶縁層を研磨処理することによって平坦化するた
めの任意の工程であり、平坦化されることによって、当
該絶縁層の表面に導体配線を形成する場合における回路
加工の精度を向上させることができる。ここに、研磨手
段としては、例えばバフロール、ナイロンブラシ、ベル
トサンダーなどの研磨手段を使用することができる。
【0054】(7)スルーホール形成工程 このスルーホール形成工程は、部品の挿入や他の配線板
との接続すなわち層間接続を達成するためにスルーホー
ルが必要とされる場合において、数値制御型ドリルマシ
ンなどを用いて機械的に穿孔加工を行う工程である。な
お、本発明の組成物を用いた製造方法によれば、フォト
ビアホールによって層間接続を行うことができるので、
このスルーホール形成工程は必要がある場合にのみ行わ
れる任意の工程である。
【0055】(8)粗面化処理工程 この粗面化処理工程においては、上記の絶縁層の表面に
形成される導体配線の密着性を向上させるために、当該
絶縁層の表面が粗面化処理液によって粗面化される。粗
面化処理液としては、過マンガン酸カリウム水溶液、過
マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムとの水溶液など
のアルカリ性の処理液、無水クロム酸と硫酸との混酸、
その他の強酸化性を有するものが用いられる。これらの
うち、過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムとの水
溶液が特に好ましい。処理方法としては、50〜80℃
に加温度した処理液中に5〜30分間絶縁層を浸漬させ
ればよい。なお、粗面化処理後においては、必要に応じ
てシュウ酸などの弱酸水溶液により中和した後、流水洗
浄を十分に行うことが必要である。この粗面化処理工程
によって、絶縁層の表面、フォトビアホールの側壁面お
よびスルーホールの側壁面は、0.01〜10μmの凹
凸形状を有する粗面状態となり、アンカー効果によって
導体配線を構成する銅めっき層に対して強固な密着力が
発揮される。
【0056】(9)触媒処理工程 この触媒処理工程は、絶縁層の表面およびホールの内壁
表面に、次工程において無電解銅めっき処理を行う際の
析出核となるめっき触媒を担持させる工程である。ここ
に、めっき触媒としては、例えばパラジウムなどの金属
コロイドを使用することができ、当該金属コロイドが媒
体中に分散されてなる各種公知の処理液中に絶縁層を浸
漬させることにより、触媒の担持は達成される。なお、
本発明の組成物中にはめっき触媒を含有させることがで
き、この場合には、この工程を省略することができる。
【0057】(10)新たな導体配線の形成工程 この新たな導体配線の形成工程は、例えば無電解銅めっ
き処理を行うことにより、フォトビアホールおよびスル
ーホールを介して、基板表面に既に形成されていた導体
配線(第1の導体配線)との電気的接続を実現しなが
ら、絶縁層の表面に新たな導体配線(第2の導体配線)
を形成する工程である。新たな導体配線の形成方法とし
ては、例えば以下に示す方法〜を挙げることができ
る。
【0058】方法 触媒が担持された絶縁層表面の全域に無電解銅めっき処
理を行って銅めっき層を形成し、必要に応じて、当該銅
めっき層を電極とする電解銅めっき処理により所望の厚
みを有する銅金属層を形成し、この銅金属層上にレジス
トパターンを形成し、次いで銅金属層をエッチングして
導体パターンを形成する。ここで、レジストパターン
は、第2の導体配線が形成される領域のほかに、第1の
導体配線と第2の導体配線と間の層間接続用導体が形成
される層間接続用フォトビアホールの位置、すなわち導
体ランドが形成されるべき領域にも形成される。この導
体ランドの径は、位置ずれ誤差を考慮してフォトビアホ
ールの径よりも大きくすることが好ましい。レジストパ
ターンは、通常、フォトレジストを用いたフォトリソグ
ラフィーによって形成される。また、銅金属層のエッチ
ングは、過硫酸アンモニウム水溶液やアンモニア錯体系
のエッチング液により行われる。銅金属層のエッチング
が行われた後、レジストパターンは所定の方法で剥離除
去される。フォトレジストは、必要な解像性およびエッ
チング液に対する耐性を有し、後に除去できるものであ
ればよい。このようにして、基板の表面の第1の導体配
線と導通する第2の導体配線が絶縁層の上に形成され
る。
【0059】方法 触媒が担持された絶縁層表面における新たな導体配線を
形成すべき領域以外の領域にレジストパターンを形成し
た後、無電解銅めっき処理および必要に応じて電解銅め
っき処理を行うことにより、絶縁層表面における新たな
導体配線を形成し、かつフォトビアホールの内壁表面に
銅めっき層を形成し、レジストパターンを剥離除去す
る。この方法においても、導体配線の幅をフォトビアホ
ールの径よりも大きくすることが好ましい。
【0060】方法 触媒が担持された絶縁層の表面全面に、めっき触媒を含
有していない感光性樹脂組成物を塗布して被覆層を形成
し、この被覆層をパターンマスクを通して露光して現像
することにより、当該被覆層にフォトビアホールを形成
すると共にそれに連続する第2の導体配線となる個所の
被覆層部分を除去し、その上で無電解銅めっきのみを行
う。この方法においても、導体配線の幅をフォトビアホ
ールの径よりも大きくすることが好ましい。また、被覆
層の厚さは、銅めっきによる銅金属層の厚さと同じかや
や大きめであることが好ましい。この方法によれば、形
成される第2の導体配線は、被覆層の除去部分に形成さ
れると共に、残存被覆層による絶縁膜が絶縁層の上に残
存し、しかもこの残存被覆層と銅金属層の厚さが通常近
似したものとなるため、外表面を平坦性に優れたものと
することができる。なお、以上の被覆層を形成するため
の感光性樹脂組成物としては、本発明の組成物を用いる
ことができる。
【0061】以上の工程(1)〜(10)を繰り返すこ
とにより、さらに多層化することができる。この場合に
おいて、新たな導体配線の形成工程(10)を実施する
際には、方法〜方法を組み合わせて多層化すること
もできる。なお、多層配線板の最上層となる絶縁層の表
面に導体配線を形成した後に、当該絶縁層と導体配線と
の密着性を向上させる観点から、ポストベークを行うこ
とが好ましい。最上層となるもの以外の絶縁層およびそ
れに係る導体配線に対しては、その後の絶縁層の形成に
おける加熱工程において加熱されるため、特に単独の工
程としてポストベークを行う必要はない。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
特に明示する場合を除き、「部」は「重量部」を、
「%」は「重量%」を示す。
【0063】〔A成分〕次の6種を用意した。 A1:クレゾールノボラック樹脂〔m−クレゾール:p
−クレゾール=6:4(モル比)、重量平均分子量Mw
=11000〕 A2:クレゾールキシレノールノボラック樹脂〔m−ク
レゾール:p−クレゾール:3,5−キシレノール=
6:3:4(モル比)、重量平均分子量Mw=800
0〕 A3:フェノールノボラック樹脂〔重量平均分子量Mw
=6000〕 A4:ポリ(p−ビニルフェノール)〔丸善石化製、重
量平均分子量Mw=3000〕 A5:ポリ(臭素化p−ビニルフェノール)〔丸善石化
製「マルカリンカーMB」、重量平均分子量Mw=40
00〕 A6:ポリ(m−ビニルフェノール)〔重量平均分子量
Mw=3000〕
【0064】〔B成分〕次のアミノ樹脂2種を用意し
た。 B1:ヘキサメトキシメチル化メラミン B2:テトラメトキシメチル化グリコールウリル
【0065】〔C成分〕以下のようにして3種の粒子状
ゴムC1〜C3を製造した。 粒子状ゴムC1 ブタジエンと、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸
と、ジビニルベンゼンとを重量比で70:25:4:1
の割合で混合してなる単量体組成物を乳化重合すること
により、平均粒径が0.058μmのカルボキシル基を
有する架橋重合体よりなる粒子状ゴム材M1を調製し、
この粒子状ゴム材10部に対して、エポキシ樹脂「エピ
コート828」(油化シェルエポキシ(株)製)100
部を、変性反応触媒として粒子状ゴム材に対して1%の
トリフェニルフォスフィンと共に添加し、90℃で約2
時間混合・攪拌することにより、エポキシ変性処理され
た粒子状ゴムC1を得た。なお、この粒子状ゴムC1を
テトラヒドロフランに溶解し、残存カルボキシル基(カ
ルボン酸)をフェノールフタレインを指示薬とした酸−
塩基滴定法により定量したところ、カルボン酸は検出さ
れず、当該粒子状ゴムC1は表面のカルボキシル基がす
べてエポキシ基に変換されているものであった。
【0066】粒子状ゴムC2 ブタジエンと、アクリロニトリルと、メタクリル酸と、
ジビニルベンゼンとを重量比で67:30:2:1の割
合で混合してなる単量体組成物を乳化重合することによ
り、平均粒径が0.070μmのカルボキシル基を有す
る架橋重合体よりなる粒子状ゴム材を調製し、この粒子
状ゴム材15部に対し、エポキシ樹脂「EP−4100
E」(旭電化工業(株)製)100部を、変性反応触媒
として粒子状ゴム材に対して1%のトリフェニルフォス
フィンと共に添加し、90℃で約2時間混合・攪拌する
ことにより、エポキシ変性処理された粒子状ゴムC2を
得た。
【0067】粒子状ゴムC3 ブタジエンと、アクリロニトリルと、メタクリル酸と、
ジビニルベンゼンとを重量比で77:19:3:1の割
合で混合してなる単量体組成物を乳化重合することによ
り、平均粒径が0.062μmのカルボキシル基を有す
る架橋重合体よりなる粒子状ゴム材を調製し、この粒子
状ゴム材10部に対し、エポキシ樹脂「EP−4100
E」(旭電化工業(株)製)100部を、変性反応触媒
として粒子状ゴム材に対して1%のトリフェニルフォス
フィンと共に添加し、90℃で約2時間混合・攪拌する
ことにより、エポキシ変性処理された粒子状ゴムC3を
得た。
【0068】〔D成分〕次の液状ゴム3種を用意した。 D1:ブタジエン−アクリロニトリル−メタクリル酸共
重合体〔ブタジエン:アクリロニトリル:メタクリル酸
=60:35:5(モル比)、数平均分子量Mn=60
00、ガラス転移点Tg−39℃〕 D2:ブタジエン−アクリロニトリル−ヒドロキシエチ
ルアクリレート共重合体〔ブタジエン:アクリロニトリ
ル:ヒドロキシエチルアクリレート=55:30:15
(モル比)、数平均分子量Mn=8000、ガラス転移
点Tg−25℃〕 D3:ブタジエン−アクリロニトリル−ヒドロキシエチ
ルアクリレート−メタクリル酸共重合体〔ブタジエン:
アクリロニトリル:ヒドロキシエチルアクリレート:メ
タクリル酸=60:25:10:5(モル比)、数平均
分子量Mn=4500、ガラス転移点Tg−30℃〕
【0069】〔E成分〕次の光重合開始剤3種を用意し
た。 E1:2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシフェ
ニル)−6−トリアジン E2:2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチ
リル)−6−トリアジン E3:ジフェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシ
アントラセンスルホネート
【0070】〔添加剤F〕次のエポキシ樹脂2種を用意
した。これらは、比較のために、本発明の組成物のC成
分の代わりに用いられるものである。 F1:フェノールノボラックエポキシ樹脂 F2:ビスフェノール型エポキシ樹脂
【0071】〔溶剤〕次の有機溶剤4種を用意した。 MMP:3−メトキシプロピオン酸メチル DAA:ジアセチルアセトン PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート EEP:3−エトキシプロピオン酸エチル
【0072】実施例1〜14、比較例1〜7 <組成物の調製>下記表1および表2に示す処方に従っ
て、上記のA成分〜E成分並びに必要に応じて添加剤お
よび溶剤を配合し、得られた配合物の各々を、ヘンシェ
ルミキサーにより混合・攪拌を行うことにより、感光性
樹脂組成物を調製した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】<組成物の性能評価および多層配線板の製
造> (1)感光特性評価テスト基板の作製および評価 銅金属層が一面に形成されたガラスエポキシ樹脂よりな
る板状体をテストピースとして用い、その当該一面上
に、実施例1〜14および比較例1〜7により調製され
た組成物の各々をスピンコータを用いて塗布し、熱風オ
ーブン内において90℃で10分間乾燥することによ
り、乾燥後の膜厚が約50μmの薄膜を形成した。
【0076】ここに得られたテストピースの各々につい
て、その薄膜に対し、直径がそれぞれ25μm、50μ
m、75μm、100μm、150μmおよび200μ
mの穿孔パターンが形成されたテスト用フィルムマスク
を介して露光を行った。露光処理は、露光装置(オーク
製作所製「HMW−321B」)を用い、コンタクトで
1000mJ/cm2 の露光量で行った。露光処理後の
テストピースを120℃で5分間加熱処理した後、1.
0%の水酸化ナトリウム水溶液のシャワー(シャワー圧
2kg・cm-2)により180〜600秒間現像処理を
行い、銅金属層に至る貫通孔すなわちフォトビアホール
を有する絶縁層を形成した。その後、当該絶縁層が形成
されたテストピースの各々を水洗し乾燥した。
【0077】ここに得られたテストピースの各々につい
て解像性の評価を行った。解像性の評価は、種々の大き
さの径のフォトビアホールが形成されるようにフォトリ
ソグラフィーを実行し、その結果、銅金属層が露出され
ていることが確認されたフォトビアホールのうち最小の
ものの直径(これを「貫通孔最小径」という。)を測定
することにより行った。この貫通孔最小径の値が小さい
ものほど解像性に優れていることを意味する。結果を表
3および表4に示す。
【0078】次に、絶縁層が形成されたテストピースの
各々を、熱風オーブン内において温度150℃で60分
間加熱することにより硬化させ、その後、熱硬化したテ
ストピースを、温度65℃に維持された過マンガン酸カ
リウム−水酸化ナトリウム水溶液(過マンガン酸カリウ
ム濃度3%、水酸化ナトリウム濃度2%)中に10分間
浸漬することにより、絶縁層の表面に対して粗面化処理
を行い、その後、濃度5%のシュウ酸水溶液中に室温で
5分間浸漬することにより中和処理し、さらに十分に水
洗した。このテストピースの各々について、絶縁層の表
面状態を走査型電子顕微鏡により観察してその粗面化処
理の状態を評価した。結果を表3および表4に示す。評
価の方法は、当該表面が十分に粗面化されて微細な凹凸
が形成されている場合を「良好」とし、それ以外を「不
良」とした。
【0079】また、テストピースの各々を塩化パラジウ
ム系の触媒液中に室温下6分間浸漬することにより、粗
面化された絶縁層の表面および貫通孔の内面にめっき触
媒を担持させ、さらに触媒活性化液中に室温で8分間浸
漬してめっき触媒を活性化させた。その後、テストピー
スの各々を水洗した後、室温で20分間にわたって無電
解銅めっき処理を行った。この処理では、触媒液、触媒
活性化液および無電解銅めっき液として「OPCプロセ
スMシリーズ」(奥野製薬(株)製)のものを用いた。
次に、硫酸銅−硫酸水溶液(硫酸銅濃度210g/L、
硫酸濃度52g/L、pH=1.0)よりなる電解銅め
っき液を用い、3.0mA/dmの電流密度で電解銅め
っき処理を行い、合計の厚みが約20μmの銅金属層を
絶縁層の表面全体にわたって形成し、その後、当該テス
トピースを150℃で1時間加熱処理した。
【0080】これらのテストピースの表面に1cm間隔
の切り込みを形成し、端面から、ピールテスターで剥離
させることにより、銅金属層のピール強度(JIS C
6481)を測定した。結果を表3および表4に示
す。このピール強度は、10cm引き剥がした中での最
頻値である。
【0081】(2)ガラス転移点の測定 ポリエチレンテレフタレートフィルムの一面に離型剤を
塗布し、その一面上に上記(1)と同様の方法により厚
さ50μmの薄膜を形成し、この薄膜の全体に対して1
000mJ/cm2 の露光量で露光処理した後、150
℃で2時間加熱して硬化させてフィルムを形成し、ポリ
エチレンテレフタレートフィルムから剥離してテストフ
ィルムを得た。このテストフィルムについて、弾性率測
定装置「レオバイブロンRHEO−1021」(オリエ
ンテック社)により弾性率変化を測定し、tanδのピ
ークトップをガラス転移点の値として求めた。結果を表
3および表4に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【発明の効果】本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、
アルカリ可溶性樹脂および架橋剤と共に、粒子状ゴムお
よび液状ゴムを必須成分として含有することにより、小
径のフォトビアホールを高い精度で形成することができ
る優れた解像性を有し、アルカリ水溶液により現像する
ことができ、耐めっき液性および導体配線の密着性に優
れた絶縁層を形成することができる。従って当該組成物
を使用することにより、信頼性の高い多層配線板を効率
よく製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H05K 3/46 H05K 3/46 T (72)発明者 佐藤 穂積 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 千葉 秀貴 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のA成分〜E成分を含有することを
    特徴とする感放射線性樹脂組成物。 〔A成分〕アルカリ可溶性樹脂 〔B成分〕架橋剤 〔C成分〕粒子状ゴム 〔D成分〕液状ゴム 〔E成分〕放射線重合開始剤
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