JPH10333075A - 偏向走査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転多面鏡を高精度に回転させる。 【構成】 ハウジング２１にはホルダ２２を介してセラ
ミック材から成る固定軸２３が固定され、セラミック材
から成る回転スリーブ２５が固定軸２３に回転自在に嵌
合されている。回転スリーブ２５の外周には、プラスチ
ック製のロータマグネット２６が固定されている。ロー
タマグネット２６の上面には、アルミニウムや黄銅のよ
うな金属材から成る回転多面鏡用受け座２７が埋め込ま
れ、その上部に回転多面鏡２８が載置されており、固定
多面鏡２８は固定ばね２９により固定されている。な
お、ロータマグネット２６はその成型の際に、回転スリ
ーブ２５と受け座２７が一体にアウトサート成型されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、固定軸に対し回転
多面鏡を取り付けた回転スリーブを回転させる偏向走査
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光束を偏向走査するための回転多
面鏡を備えた偏向走査装置を高精度化するためには、高
速・高精度に回転する回転装置が必要とされる。

【０００３】例えば、図５は従来例の偏向走査装置の断
面図である。駆動モータのハウジング１に固定軸２が固
定され、セラミック材から成る回転スリーブ３が固定軸
２に回転自在に嵌合されている。回転スリーブ３の外周
にアルミニウム、黄銅から成るフランジ４が受け座とし
て焼嵌めによって固定され、このフランジ４の外周にロ
ータマグネット６が接着等により固定されている。更
に、ハウジング１上に固定された基板７上に電磁コイル
８を備えたステータコア９がロータマグネット６に対向
するように配置されることにより、駆動モータが構成さ
れている。

【０００４】一方、回転スリーブ３の下端に第１の永久
磁石１０が取り付けられており、この第１の永久磁石１
０に異種の磁極が上下方向に対向するように、第２の永
久磁石１１がハウジング１に固定されている。そして、
回転スリーブ３は永久磁石１０、１１同士の磁気反発力
により浮上する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、金属材から成
るフランジ４をセラミック材から成る回転スリーブ３に
焼嵌めすると、回転スリーブ３の内径が変形してしま
い、後加工を必要とするためコストアップとなる。

【０００６】また、ロータマグネット６をフランジ４に
接着すると、温度変動によってロータマグネット６が移
動してロータ部全体のバランスが崩れて、モータが振動
し、騒音が大きくなったり画像上で所謂ピッチむらにな
ることがある。

【０００７】本発明の目的は、上述した問題点を解消
し、組立工数を減少すると共に、回転多面鏡を高精度に
回転させる偏向走査装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明に係る偏向走査装置は、回転多面鏡を取り付
けた回転スリーブを固定軸の周囲に回転自在に嵌合し、
前記回転スリーブを駆動モータにより回転する偏向走査
装置であって、前記駆動モータの一部を構成するロータ
マグネットをプラスチック製とし、前記ロータマグネッ
トを前記回転スリーブ及び前記回転多面鏡の受け座と一
体に成型したことを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明を図１〜図４に図示の実施
例に基づいて詳細に説明する。図１において、ハウジン
グ２１にはホルダ２２を介してセラミック材から成る固
定軸２３が固定され、上端にカバー２４を備えセラミッ
ク材から成り略円筒状の回転スリーブ２５が固定軸２３
に回転自在に嵌合されている。回転スリーブ２５の外周
には、プラスチック製のロータマグネット２６が固定さ
れている。ロータマグネット２６の上面には、アルミニ
ウムや黄銅のような金属材から成る受け座２７が埋め込
まれ、その上部に回転多面鏡２８が載置され、回転スリ
ーブ２５への嵌合により固定されており、回転多面鏡２
８は固定ばね２９により押さえ付けられている。なお、
ロータマグネット２６はその成型の際に、回転スリーブ
２５と受け座２７が一体にアウトサート成型されてい
る。

【００１０】更に、ハウジング２１に固定された基板３
０上に、電磁コイル３１を取り付けてステータコア３２
が、ロータマグネット２６の外側に対向的に配置される
ことにより、駆動モータが構成されている。

【００１１】一方、ホルダ２２の内側には永久磁石３３
が取り付けられており、この永久磁石３３に対向して回
転スリーブ２５の下部に永久磁石３４が固定されてい
る。なお、ロータマグネット２６はステータコア３２に
対して、上下方向に複数極に着磁されており、永久磁石
３３、３４も同様に着磁されている。

【００１２】このような構成により、駆動モータにより
回転スリーブ２５が回転すると、回転スリーブ２５は固
定軸２３との間の空気膜によりラジアル方向に支持さ
れ、永久磁石３３、３４同士の磁気反発力により回転ス
リーブ２５はスラスト方向に支持され、ロータ部は上下
動せずに安定した浮上位置に保持される。

【００１３】なお、ロータマグネット２６は回転スリー
ブ２５、受け座２７と共に成型されているので、回転ス
リーブ２５にはロータマグネット２６の収縮力以外の力
が加わることはない。また、回転スリーブ２５をセラミ
ック製とすれば、ヤング率が３００００ｋｇ／ｍｍ² 程
度となるので変形が生ずることはない。

【００１４】図２は第２の実施例の構成図である。固定
軸２３、回転スリーブ２５は共に金属製とされ、回転ス
リーブ２５の厚みが大きくされており、これらの表面に
はメッキが施されている。そして、ロータマグネット２
６が回転スリーブ２５、受け座２７と共に成型されてい
ることは、第１の実施例と同様である。なお、図１と同
一の符号は同一の部材を表している。このように、回転
スリーブ２５の厚みを増加することにより、その変形を
防止することができる。

【００１５】図３は第３の実施例を示し、回転多面鏡２
８は図１、図２に示すように固定ばね２９により固定す
るのではなく、ロータマグネット２６の一部に熱かしめ
により押さえ付けられている。この実施例においても、
ロータマグネット２６が回転スリーブ２５等と共に成型
されていることは同様である。

【００１６】図４は上述の実施例の偏向走査装置を使用
した走査光学装置の構成図であり、光学箱４１にレーザ
ーユニット４２が取り付けられ、レーザーユニット４２
から出射するレーザー光の光路上には、回転多面鏡２８
を備えた偏向走査装置とレンズ４３、４４が光学箱４１
の内部に配置され、感光体ドラム４５が光学箱４１の外
部に配置されている。

【００１７】この場合に、レーザーユニット４２から出
射したレーザー光は、偏向走査装置により回転している
回転多面鏡２８により偏向走査され、レンズ４３、４４
を経て光学箱４１外の感光体ドラム４５にスポット光と
して投影され、主走査がなされる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る偏向走
査装置は、ロータマグネットを回転スリーブ、回転多面
鏡の受け座と一体に成型するので、回転スリーブを変形
させずに受け座を回転スリーブに取り付けることがで
き、ロータマグネットが移動することによるバランス崩
れがなくなり、接着工程をも省略できコストダウンにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例の断面図である。

【図２】第２の実施例の断面図である。

【図３】第３の実施例の断面図である。

【図４】走査光学装置の構成図である。

【図５】従来例の断面図である。

【符号の説明】

２１ ハウジング ２２ ホルダ ２３ 固定軸 ２５ 回転スリーブ ２６ ロータマグネット ２７ 受け座 ２８ 回転多面鏡 ３２ ステータコア ３３、３４ 永久磁石 ４２ レーザーユニット ４５ 感光体ドラム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蕗田 卓 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 一身 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 福冨 章宏 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転多面鏡を取り付けた回転スリーブを
   固定軸の周囲に回転自在に嵌合し、前記回転スリーブを
   駆動モータにより回転する偏向走査装置であって、前記
   駆動モータの一部を構成するロータマグネットをプラス
   チック製とし、前記ロータマグネットを前記回転スリー
   ブ及び前記回転多面鏡の受け座と一体に成型したことを
   特徴とする偏向走査装置。
2. 【請求項２】 前記成形はアウトサート成形とした請求
   項１に記載の偏向走査装置。
3. 【請求項３】 前記回転スリーブはセラミック材とした
   請求項１に記載の偏向走査装置。
4. 【請求項４】 前記回転スリーブは金属材とした請求項
   １に記載の偏向走査装置。
5. 【請求項５】 前記回転多面鏡は前記ロータマグネット
   に熱かしめにより固定した請求項１に記載の偏向走査装
   置。