JPH10332691A - 分析装置 - Google Patents

分析装置

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JPH10332691A
JPH10332691A JP14139597A JP14139597A JPH10332691A JP H10332691 A JPH10332691 A JP H10332691A JP 14139597 A JP14139597 A JP 14139597A JP 14139597 A JP14139597 A JP 14139597A JP H10332691 A JPH10332691 A JP H10332691A
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Toshihiko Harada
敏彦 原田
Yasuto Murata
康人 村田
Atsushi Murakami
村上  淳
Takeshi Kishimoto
健 岸本
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分析装置側のペースではなく、操作側のペー
スにしたがって試験片の分析を行えるようにする。 【解決手段】 試験片導入部8に試験片が導入されたこ
とを検知する検知手段80を設け、当該試験片4が検知
手段によって検知されてから一定時間経過時に当該試験
片4が分析部位に達するようになされており、一方、上
記光学的装置40は、上記検知手段80が当該試験片4
が導入されたことを検知してから一定時間経過時に駆動
され、この時に分析部位に位置する当該試験片4の分析
を行うようにした。好ましくは、試験片導入部8から導
入された試験片4を所定の姿勢を維持したまま上記搬送
装置7まで移動させる移動装置60をさらに備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、光を利用して所
定の成分の分析を行う分析装置に関し、特に尿や血液中
に含まれる各種成分の濃度を定量するのに適合する分析
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の分析装置の一例として、図4に示
すようなものがある。この分析装置1は、試験片導入部
(図示略)から導入された試験片4を所定時間毎に移動
させる移動装置20と、この移動装置20によって移動
された試験片4をピッチ送りする搬送装置30と、この
搬送装置30による搬送経路の所定位置の上方に設けら
れるとともに光を利用して試験片4を分析する光学的装
置40と、を備えて構成されている。
【0003】上記移動装置20は、上記搬送経路に対し
て平行に設けられた複数のレール部21と、搬送経路に
沿って移動可能な移動部材22と、を備えて構成されて
いる。この移動装置20においては、試験片導入部から
導入された試験片4が上記各レール部21間を架け渡す
ようにして載置され、当該試験片4が上記移動部材22
が移動することによって上記搬送装置30まで移動させ
られる。
【0004】上記搬送装置30は、互いに平行となるよ
うに配置された一対の支持台31,31と、これらの各
支持台31,31の内方側に隣接して互いに平行となる
ように配置された搬送部材32,32と、を備えてい
る。この搬送部材32は、長手状のレール材33の上面
から複数条のピン34が上方に向けて突出形成されてお
り、各搬送部材32,32の隣り合うピン34,34間
に上記試験片4のそれぞれの端部が載置されるととも
に、上記レール材33の上面が上記支持台31の上面と
略同一平面上に位置した状態において、隣り合う各ピン
34,34の距離に相当する距離を1ピッチとして試験
片4がピッチ送りされる。
【0005】試験片4が1ピッチ分だけ搬送された場合
には、上記各搬送部材32,32が上記ピン34の高さ
に略相当する距離だけ下動した後、1ピッチ分だけ搬送
経路の上流側に移動する。このとき、上記移動装置22
においては、次に搬送すべき試験片4が上記搬送装置3
0の上流側まで移動させられる。上記各搬送部材32,
32は、下動した距離だけ上動して上記搬送部材32の
最上流部に位置する隣合う各ピン34,34間に試験片
4の端部をそれぞれ載置させる。一方、上記光学的装置
40の設置位置に対応する部位に達した試験片4は、所
定成分の濃度などが定量され、この動作は試験片4がピ
ッチ送りされる度に行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記分析装置1におい
ては、上記搬送装置30における試験片4のピッチ送り
は極短時間毎に、たとえば10秒毎に行われる。言い換
えれば、たとえば10秒毎に試験片4の分析が行われ
る。ところが、通常は上記試験片導入部から上記移動装
置20のレール部21に試験片4を載置するように構成
されているために、操作する者は試験片4を遅くとも1
0秒毎といった短時間毎に載置しなければならない。実
際には、上記操作は、上記移動装置20の移動部材22
の移動時間などの要因によって、さらに限られたタイミ
ングに行わなければならず、しかも、このタイミングを
見計らって操作を行わなければならない。このタイミン
グは、たとえばランプなどによって表示される場合もあ
るが、操作する側にとってはランプなどの表示にしたが
って操作することは、分析装置1に使用されているとい
った不快感を覚えるとともに、ランプなどの表示に急か
されて操作を行なわなければないらないといった圧迫感
を感じる。
【0007】また、この操作は、上記分析装置1が尿中
の所定成分の濃度を定量するものである場合には、上記
試験片4を所定の容器内に収容された尿内に浸した後に
行わなければならない。このため、操作する者のペース
に合わせて分析を行うのではなく、極めてハイペースな
分析装置1のペースに合わせて操作側が試験片4の準
備、載置といった操作を行うこととなり、極めて頻雑な
作業となる。
【0008】加えて、上記分析装置1においては、たと
え試験片4が所定のタイミングで載置されなかった場合
であっても、本来試験片4が載置されるべき部位が上記
光学的装置による分析位置に達すれば、試験片4が存在
しないにもかかわらず無意味に分析が行われてしまうこ
ととなる。
【0009】本願発明は、上記した事情のもとで考え出
されたものであって、分析装置側のペースではなく、操
作側のペースにしたがって試験片の分析を行えるように
することをその課題とする。
【0010】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0011】すなわち、本願発明によれば、試験片導入
部から導入された試験片を所定の搬送経路に沿って分析
部位まで搬送させる搬送装置と、分析部位に達した試験
片を光を利用して分析する光学的装置と、を備えた分析
装置であって、上記試験片導入部には、試験片が導入さ
れたことを検知する検知手段が設けられており、当該試
験片が検知手段によって検知されてから一定時間経過時
に検知された当該試験片が分析部位に達するようになさ
れており、一方、上記光学的装置は、上記検知手段が当
該試験片が導入されたことを検知してから一定時間経過
時に駆動され、この時に分析部位に位置する当該試験片
の分析を行うようになされていることを特徴とする、分
析装置が提供される。
【0012】好ましくは、上記試験片は、使用者の手操
作によって上記試験片導入部から導入されるとともに、
上記検知手段は上記試験片導入部における使用者の手の
存在を検知するように構成されており、使用者の手が上
記試験片導入部から取り除かれると同時に、あるいは所
定時間経過時にカウントを開始し、このカウント値が所
定値に達した場合に上記光学的装置が駆動され、当該試
験片の分析を行う。
【0013】好ましくはまた、上記搬送装置における分
析部位およびその近傍には、試験片を感知する感知手段
が設けられており、この感知手段が試験片を感知すると
同時に、あるいは所定時間経過後に上記光学的装置が駆
動され、感知された試験片の分析を行う。
【0014】本願発明に係る分析装置は、従来の装置の
ように予め決められたタイミングで試験片を試験片導入
部から導入するとともに、このタイミングに応じて試験
片の分析を行うのではなく、操作側によって試験片が導
入されたことを検知して一定時間経過後に検知された当
該試験片の分析を行うものである。すなわち、上記分析
装置は、試験片が導入されたことが検知された場合に分
析が行われるものであり、試験片の導入あるいは分析の
タイミングが分析装置側に規定されるのではなく、分析
のタイミングは操作側によって規定されている。このた
め、従来の分析装置のように、ランプなどの表示にした
がって操作する必要はなく、分析装置に使われていると
いった不快感や圧迫感を感じることなく、自己のペース
で快く分析操作を行える。また、上記構成の装置は、導
入された試験片を検知して、これに同期して試験片を分
析するように構成されているため、分析部位に試験片が
存在しないにもかかわらず不必要に分析されるといった
不具合が解消される。
【0015】なお、上記検知手段および感知手段として
は、たとえば焦電素子などを用いた赤外線センサ、発光
素子と受光素子とを備えるフォトインタラプタなどが用
いられる。
【0016】好ましくはさらに、試験片導入部から導入
された試験片を所定の姿勢を維持したまま上記搬送装置
まで移動させる移動装置をさらに備えており、また、上
記移動装置は、上記試験片の一側端面と接触しうるとと
もに上記搬送経路に対して平行に移動する移動部材を備
えており、この移動部材は、上記検知手段が使用者の手
が上記試験片導入部から取り除かれたことを検知すると
同時に、あるいは所定時間経過時に移動を開始して上記
試験片をスライド移動させる。
【0017】好ましくはさらに、上記搬送装置は、2個
のローラ間に1または複数のベルトが上記搬送経路と平
行に架設されたベルト駆動機構を1または複数組備えて
おり、上記移動装置から移載された所定の姿勢を維持し
て移送するように構成されている。
【0018】分析装置において試験片の分析を行う場合
には、良好な分析結果を得るべく分析部位に達した試験
片は上記光学的装置に対して所定の姿勢が保たれている
ことが望まれる。上記構成においては、試験片導入部か
ら導入された試験片は、上記移動装置によって所定の姿
勢とされるとともに、この状態で搬送装置にまで移動さ
せられ、上記搬送装置のベルト上に所定の姿勢を維持し
た状態で搬送される。このため、上記搬送装置によって
規定される搬送経路上の分析部位に達した試験片は、良
好に位置決めされた状態であり所望の分析を行うことが
できる。
【0019】また、上記構成によれば、使用者の手が取
り除かれてから上記移動部材が移動して試験片を移動さ
せるため、試験片を試験片導入部から導入する場合に使
用者の手が取り除かれていないのに、また試験片が確実
に導入されていないにもかかわらず不用意に上記移動部
材が移動してしまうこともない。
【0020】好ましくはさらに、上記試験片としては、
複数種類の成分を分析しうるように試験片の長手方向に
それぞれの成分を分析可能な試験紙片が複数片貼着され
たものが用いられ、この試験片の各試験紙片に生物学的
試料などの液体試料をしみ込ませて複数種類の成分を分
析するように構成されている。
【0021】好ましくはさらに、上記試験片は、その長
手方向が上記搬送経路と略垂直に交差する姿勢で搬送さ
れるとともに、所定の分析部位に達した試験片を上記光
学的装置が上記搬送経路と交差する方向に走査して上記
試験片の各試験紙片の分析が行われ、また、上記試験片
の各試験紙片は、上記搬送経路と所定の角度で交差する
方向に走査する上記光学的装置によって、上記試験片が
搬送されている状態のままで分析されるように構成する
こともできる。
【0022】すなわち、上記構成の分析装置は、たとえ
ば尿、血液、唾液といった生物学的な液体試料中の複数
の成分の濃度などを1の試験片によって定量することが
できる分析装置である。この場合、所定の分析部位に試
験片が達したときに試験片を停止させて上記光学的装置
を搬送経路と略垂直に交差する方向に走査させて分析を
行うように構成してもよく、また、試験片を搬送した状
態のままで上記光学的装置を搬送経路と所定の角度で交
差、すなわち上記搬送装置の平面視における斜め方向に
走査させて分析を行うように構成してもよい。上記光学
的装置を斜めに走査させて分析を行う場合には、上記搬
送装置による試験片の搬送を中断することなく分析を行
うことができるため効率良く多数の試験片の分析でき
る。また、試験片の搬送を中断することなく連続的に行
う場合には、上記搬送装置の構成および機構が試験片を
ピッチ送りによって搬送する装置に比べて簡易なものと
なり、搬送装置にかかるコストの低減を図ることができ
る。
【0023】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0025】図1は、本願発明に係る分析装置の一例を
表す要部斜視図であり、図2は、上記分析装置5の側面
図であり、図3は、上記分析装置5の平面図である。な
お、本実施形態においては、尿中の複数の成分の濃度を
1の試験片4によって定量することができる分析装置に
ついて説明する。
【0026】図1、図2、および図3に示すように、上
記分析装置5は、試験片導入部8から導入された試験片
4を搬送経路に沿ってスライド移動させる移動装置60
と、この移動装置60によってスライド移動された試験
片4が移載されてさらにこれを分析部位まで搬送させる
搬送装置7と、分析部位の上方位置に設置される光学的
装置と、を備えて構成されている。
【0027】図3に示すように、上記試験片導入部8に
は、試験片4を上記移動装置60の所定位置に載置すべ
く使用者が手を差し込んだ場合、この手が取り除かれた
ことを検知する検知手段80が設けられている。なお、
上記検知手段80は、たとえば焦電素子などを用いた赤
外線センサ、発光素子と受光素子とを備えるフォトイン
タラプタなどによって実現する。
【0028】図1および図3に良く表れているように、
上記移動装置60は、上記試験片4の搬送経路と平行す
る方向に延びる3つのレール部62,62,63と、上
記搬送経路に対して平行方向に往復移動可能な移動部材
61とを備えて構成されている。搬送方向に対する幅方
向両側部に位置する上記各レール部62,62は、その
上面が水平面とされており、これらの水平面上、かつ上
記各レール部62,62間を橋渡すようにして試験片導
入部8から導入される試験片4が載置される。上記移動
部材61は、下流側の起立面64に上下方向に延びる複
数の溝65が形成されているとともに、下部の中央位
置、すなわち中央に位置するレール部63を跨ぐように
して切欠66が形成されている。上記レール部62,6
2に載置された試験片4は、その一側面が上記移動部材
61の起立面64と接触した状態、すなわち所定の姿勢
とされてスライド移動させられる。このとき、上記起立
面64には、複数の溝65が形成されているので、試験
片4に付着した余剰尿が毛細管現象によって上記複数の
溝65をつたって除去される。なお、上記移動部材61
は、図示しないシリンダ力などによって往復移動させら
れる。
【0029】図1ないし図3に示すように、上記搬送装
置7は、2個のローラ71,71間にベルト72が搬送
経路に対して平行に架設されたベルト駆動機構70を一
対備えており、これらのベルト駆動機構70,70は互
いに平行となるようにそれぞれ両側部に配置されてい
る。上記ベルト駆動機構70は、平面視において円形状
を呈するとともに周側面が凹入して環状溝73が形成さ
れた2個のローラ71,71を備えており、ループ状と
されたベルト72がこれらのローラ71,71の環状溝
73,73に係止された恰好で架設されて構成されてい
る。上記ベルト駆動機構70の上流側のローラ71は、
側面視において上流側の略半分が上記移動装置60のレ
ール部62と重なり合うようにして、かつローラ71,
71の上端部がレール部62の上面と略同一高さとなる
ように配置されている。すなわち、上記移動装置60に
よって移動させられた試験片4は、スムースに上記搬送
装置7のベルト72上に移載されるように構成されてい
る。上記各ローラ71,71は、図示しない筐体あるい
は支持ブラケットによって回転可能に支持されており、
上記各ローラ71,71の少なくとも一方は、図示しな
いモータなどの駆動力によって図1および図2に矢印A
で示した方向に回転駆動される。すなわち、上記ローラ
71の回転にともなって上記ベルト72が駆動され、各
ベルト駆動機構70,70の各ベルト72,72間を架
け渡すようにして載置された試験片4が搬送されるよう
に構成されている。なお、上記搬送装置7による試験片
4の搬送は、間欠的であっても、連続的であってもよい
が、上記搬送装置7の構成や制御などの容易さを考慮す
れば連続的であるほうが好ましい。
【0030】上記光学的装置40は、搬送経路と交差す
る方向に走査しつつ試験片4の分析を行うようになされ
ており、上記搬送装置7による試験片4の搬送が間欠
的、すなわち試験片4が分析部位に達した場合に停止す
る場合には搬送経路と略垂直に交差するように走査し、
試験片4の搬送が連続的である場合には搬送経路に対し
て所定の角度で交差するように、すなわち図3に矢印C
で示すように斜めに走査するように構成されている。ま
た、上記光学的装置40による分析には、たとえば、い
わゆる積分球式法が採用される。この積分球式法は、酸
化マグネシウムなどの粉末によって内表面が覆われた積
分球内に試験片4を載置して光を照射し、上記積分球内
を反射する試料の反射光から得られた反射率によって成
分濃度を定量する方法である。
【0031】以下、上記構成の分析装置5の動作につい
て図1ないし図3を参照しつつ説明する。便宜上、上記
分析装置5の分析対象となる試験片4について図1を参
照しつつ説明する。図1に良く表れているように、上記
試験片4は、たとえば樹脂などによって形成された長手
状のベースフィルム41を有し、このベースフィルム4
1上に所定の成分によって呈色する複数の試験紙片42
が長手方向にそれぞれ貼着されたものが採用されてい
る。
【0032】まず、試験片導入部8から試験片4を上記
移動装置60のレール部62,62間を架け渡すように
して載置する。このとき、上記試験片導入部8に設けら
れた検知手段80によって操作者の手が検知されるので
あるが、この手が取り除かれた場合に、時間をカウント
し始めるとともに、上記移動部材61を図中の仮想線に
示す位置まで移動させる。すなわち、上記分析装置5に
おいては、一定時間毎に移動部材61が移動するのでは
なく、試験片4が載置される度に移動部材61が移動す
るように構成されている。このように、使用者の手が取
り除かれてから上記移動部材61が移動して試験片4を
移動させるため、試験片4を試験片導入部8から導入す
る場合に使用者の手が取り除かれていないのに、また試
験片4が確実に導入されていないにもかかわらず不用意
に上記移動部材61が移動してしまうこともない。な
お、上記したカウントの開始は、操作者の手が取り除か
れると同時であっても、手が取り除かれてから所定時間
経過後、たとえば上記移動部材61の移動開始と同時や
試験片4のスライド移動の終了と同時などであってもよ
い。また、上記移動部材61の移動開始のタイミング
は、操作者の手が取り除かれると同時であっても、手が
取り除かれてから所定時間経過後であってもよい。
【0033】上記移動部材61が移動した場合には、こ
の移動にともない、上記移動部材61の起立面64によ
って試験片4の一側面が押され、試験片4が上記レール
部62,62上をスライド移動させられる。上記移動部
材61は、起立面64が搬送経路に対して略垂直な状態
を維持して移動するため、上記試験片4も搬送経路に対
して長手方向が略垂直とされた姿勢でスライド移動させ
られる。
【0034】上述したように、上記移動部材61の起立
面には上下方向に延びる複数の溝65が形成されている
ので、このスライド移動時に試験片4に付着した余剰尿
が除去されるとともに、上記移動部材61の溝65をつ
たって下方に排除されていく。このことにより、余剰尿
が上記移動部材61の表面やレール部62,62,63
の上面に付着することが回避されており、先の試験片4
の余剰尿が次に分析すべき試験片4の分析結果に影響を
与えることが回避されるように工夫されている。
【0035】また、上記構成の分析装置5は、従来の装
置のように予め決められたタイミングで試験片4を試験
片導入部8から導入するのではなく、操作側によって試
験片4が導入されたことを検知して試験片を移動させる
ものであるため、試験片4を導入すべきタイミングが分
析装置5側に規定されるのではなく、操作側によって規
定されている。このため、従来の分析装置のように、ラ
ンプなどの表示にしたがって操作する必要はなく、分析
装置に使われているといった不快感や圧迫感を感じるこ
となく、自己のペースで快く分析操作を行える。
【0036】上記移動部材61によってレール部62,
62,63の下流端部にまで移動させられた試験片4
は、上記搬送装置7の各ベルト72,72間を架け渡す
ようにして移載される。上述したように、搬送方向の上
流側に位置する各ローラ71,71は、側面視において
上流側の略半分が上記移動装置60のレール部62と重
なり合うようにして、かつローラ71,71の上端部が
レール部62の上面と略同一高さとなるように配置され
ているため、上記移動装置60によって移動させられた
試験片4は、スムースに上記搬送装置7のベルト72上
に移載される。もちろん、このようにして上記搬送装置
7のベルト72上に移載された試験片4は、上記移動装
置60の移動部材6によってスライド移動させらた姿勢
を維持して移載される。
【0037】上記搬送装置7の各ベルト72,72上に
移載された試験片4は、長手方向が搬送経路と略垂直に
交差した姿勢で搬送されるのであるが、本実施形態にお
いては、この搬送は連続的かつ等速で行われるものとす
る。所定の部位、すなわち上記光学的装置40によって
分析されるべき部位まで搬送された試験片4は、上記光
学的装置40によって各試験紙片42毎に分析される。
本願発明においては、上記検知手段80によって使用者
の手が試験片導入部8から取り除かれてから開始された
カウント値が一定値となった場合に上記分析部位に試験
片4が達するようになされており、一方、上記光学的装
置40もまた、カウント値が一定値となった場合に分析
部位に位置する当該試験片4を分析するようになされて
いる。
【0038】具体的には、試験片4が搬送された状態で
試験片4の長手方向に配置された各試験紙片42の分析
を行うために、上記光学的装置40は搬送経路に対して
所定の角度で交差するように、すなわち、図3に矢印C
で示す斜め方向に走査しつつ各試験紙片42の分析を行
う。もちろん、上記光学的装置40の搬送経路方向の速
度成分は、上記各ベルト72,72の移動速度と一致し
ている。
【0039】上記構成の分析装置5によれば、導入され
た試験片4を検知して、これに同期して当該試験片4を
分析するように構成されているため、分析部位に試験片
4が存在しないにもかかわらず不必要に分析されるとい
った不具合を解消することができる。また、上述したよ
うに、分析に部位に達した試験片4は所定の姿勢を維持
している、すなわち良好に位置決めされた状態であるの
で、良好な分析結果を得ることができる。さらに、上記
移動装置60の移動部材61による試験片4のスライド
移動に要する時間は各試験片4毎に一定であるととも
に、上記搬送装置7による試験片4の搬送は等速である
ため、試験片4が導入されてから分析部位に達するまで
に要する時間は、各試験片4毎に一定である。このた
め、各試験片4毎に略同一の反応時間で反応させること
ができ、各試験片4毎の反応時間のバラツキに起因した
測定誤差などを回避して良好な分析結果を得ることがで
きる。
【0040】なお、本実施形態においては、試験片4が
導入されてからカウントを開始し、このカウント値が所
定値となった場合に光学的装置40が駆動されるように
なされていたが、これに限らず、焦電素子などを用いた
赤外線センサあるいは発光素子と受光素子とを備えるフ
ォトインタラプタによって構成される感知手段を分析部
位またはその近傍に設け、この感知手段によって試験片
4が感知された場合に上記光学的装置40が駆動される
ように構成してもよい。この場合にも、試験片4が導入
されてから分析部位に達するタイミングが上記光学的装
置40が駆動されるタイミングと一致させられるので、
上述した実施形態における作用効果を享受することがで
きる。
【0041】もちろん、本願発明は、上述した実施形態
には限定されず様々に設計変更可能である。たとえば、
上記搬送装置7は、ベルト駆動機構70によるものでは
なく、その他の機構であってもよく、また、ベルト駆動
機構70の構成も上述した実施形態の構成には限定され
ない。
【0042】また、本実施形態においては、尿中の所定
の成分濃度を定量する分析装置5について説明したが、
血液、唾液などの生物学的試料中の所定の成分濃度を定
量する装置も本願発明の適用範囲であるのはいうまでも
ない。
【0043】その他、上記光学的装置40は、積分球式
法によるものには限定されず、他の方法によるものであ
ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る分析装置の一例を表す要部斜視
図である。
【図2】上記分析装置の側面図である。
【図3】上記分析装置の平面図である。
【図4】従来例に係る分析装置の一例を表す要部斜視図
である。
【符号の説明】
4 試験片 5 分析装置 7 搬送装置 8 試験片導入部 40 光学的装置 42 試験紙片 60 移動装置 71 ローラ(ベルト駆動機構の) 72 ベルト(ベルト駆動機構の) 80 検知手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 健 京都府京都市南区東九条西明田町57 株式 会社京都第一科学内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験片導入部から導入された試験片を所
    定の搬送経路に沿って分析部位まで搬送させる搬送装置
    と、分析部位に達した試験片を光を利用して分析する光
    学的装置と、を備えた分析装置であって、 上記試験片導入部には、試験片が導入されたことを検知
    する検知手段が設けられており、当該試験片が検知手段
    によって検知されてから一定時間経過時に当該試験片が
    分析部位に達するようになされており、一方、上記光学
    的装置は、上記検知手段が当該試験片が導入されたこと
    を検知してから一定時間経過時に駆動され、この時に分
    析部位に位置する当該試験片の分析を行うようになされ
    ていることを特徴とする、分析装置。
  2. 【請求項2】 上記試験片は、使用者の手操作によって
    上記試験片導入部から導入されるとともに、上記検知手
    段は上記試験片導入部における使用者の手の存在を検知
    するように構成されており、使用者の手が上記試験片導
    入部から取り除かれると同時に、あるいは所定時間経過
    時にカウントを開始し、このカウント値が所定値に達し
    た場合に上記光学的装置が駆動され、当該試験片の分析
    を行う、請求項1に記載の分析装置。
  3. 【請求項3】 上記搬送装置における分析部位およびそ
    の近傍には、試験片を感知する感知手段が設けられてお
    り、この感知手段が試験片を感知すると同時に、あるい
    は所定時間経過後に上記光学的装置が駆動され、感知さ
    れた試験片の分析を行う、請求項1に記載の分析装置。
  4. 【請求項4】 試験片導入部から導入された試験片を所
    定の姿勢を維持したまま上記搬送装置まで移動させる移
    動装置をさらに備えている、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の分析装置。
  5. 【請求項5】 上記移動装置は、上記試験片の一側端面
    と接触しうるとともに上記搬送経路に対して平行に移動
    する移動部材を備えており、この移動部材は、上記検知
    手段が使用者の手が上記試験片導入部から取り除かれた
    ことを検知すると同時に、あるいは所定時間経過時に移
    動を開始して上記試験片をスライド移動させる、請求項
    4に記載の分析装置。
  6. 【請求項6】 上記搬送装置は、2個のローラ間に1ま
    たは複数のベルトが上記搬送経路に対して平行に架設さ
    れたベルト駆動機構を1または複数組備えており、上記
    移動装置から移載された試験片を所定の姿勢を維持して
    移送するように構成されている、請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の分析装置。
  7. 【請求項7】 上記試験片としては、複数種類の成分を
    分析しうるように試験片の長手方向にそれぞれの成分を
    分析可能な試験紙片が複数片貼着されたものが用いら
    れ、この試験片の各試験紙片に生物学的試料などの液体
    試料をしみ込ませて複数種類の成分を分析するように構
    成されている、請求項1ないし6のいずれかに記載の分
    析装置。
  8. 【請求項8】 上記試験片は、その長手方向が上記搬送
    経路と略垂直に交差する姿勢で搬送されるとともに、分
    析部位に達した試験片を上記光学的装置が上記搬送経路
    と交差する方向に走査して試験片の各試験紙片の分析を
    行う、請求項7に記載の分析装置。
  9. 【請求項9】 上記試験片の各試験紙片は、上記搬送経
    路と所定の角度で交差する方向に走査する上記光学的装
    置によって、上記試験片が搬送されている状態のままで
    分析される、請求項8に記載の分析装置。
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