JPH10332588A - 固体試料のレーザ気化分析方法 - Google Patents

固体試料のレーザ気化分析方法

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JPH10332588A
JPH10332588A JP15284397A JP15284397A JPH10332588A JP H10332588 A JPH10332588 A JP H10332588A JP 15284397 A JP15284397 A JP 15284397A JP 15284397 A JP15284397 A JP 15284397A JP H10332588 A JPH10332588 A JP H10332588A
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JP15284397A
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Tadashi Mochizuki
正 望月
Yutaka Yoshioka
豊 吉岡
Shigeomi Sato
重臣 佐藤
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常域が存在する不良固体試料を排除し或い
は不良固体試料の分析値を廃棄し良好試料の分析値のみ
を採用する方法に替えて、不良固体試料であっても正常
域の測定値のみを採用することによって、分析の迅速化
を図る。 【解決手段】 レーザ気化分析において集光点を走査さ
せ、全測定時間を5以上に分割して時間分割測定値を求
め、測定値の時系列データから測定値が変動する時間帯
のデータを除外し、測定値が一定である時間帯のデータ
のみを用いて分析値を算出する。又、時間分割測定値の
出現頻度を調べ、最も頻度の高い測定値から分析値を算
出してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体試料の成分を
迅速に且つ良好な精度で測定するための分析技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】材料製品の製造過程においては、製造工
程の管理或いは製品の品質保証のために分析試料を採取
しこれを迅速に分析する技術が活用されている。このよ
うな分析技術としては、放電発光分光分析法や蛍光X線
分析法、レーザ気化分析法等がある。なかでもレーザ気
化分析法は、放電発光分光分析法が導電性試料にしか適
用できず、又蛍光X線分析法が高精度の前処理を要し分
析結果が得られるまでに数分の時間がかかるのに対し、
広範な種類の試料に適用でき、しかも数10秒で分析結
果が得られることから新しい分析技術として期待されて
いる。
【0003】レーザ気化分析法では、固体試料の分析面
にレーザ光を集光して照射し、発生する微粒子を元素検
出装置に搬送して成分の定量分析を行うが、この方法に
は例えば図10に示す装置が用いられる。レーザ光11
は、反射鏡12で照射方向を調整され、集光レンズ13
により試料14の表面で焦点を結ぶように集光される。
試料14の表面には微粒子採取セル15を被せ、不活性
ガスを流す。
【0004】レーザ光11には通常パルス光を用いて短
時間に大きいエネルギを投入するが、試料表面で集光さ
せることによって極めて高密度のエネルギが短時間に投
入される。このため、集光点では試料温度が急激に上昇
し試料の一部が気化する。気化した試料は微粒子セル1
5内を流れる不活性ガスで冷却されて微粒子となり、不
活性ガスによって元素検出装置16に運ばれ、ここで成
分の定量分析が行われる。又、元素検出装置16には、
一般に普及している原子吸光分析装置やICP分析装置
等が用いられ、これらの装置では、連続して分析値を得
ることが可能である。
【0005】固体試料の分析に関して、一般に問題にな
るのは試料表面の異常域である。この異常域は微細であ
り点状、島状又は線状であったりするが、これは微細な
異物が介在することによって起こるものである。この異
常域が存在する試料は、特に材料の製造工程の途中で分
析試料を採取した場合に多く、例えば精錬中の溶融金属
を採取し冷却して固化した試料では、精錬中に浮上する
スラグが未分離のまま介在していたり、固化過程で閉じ
込められたガス成分が残っていたり、或いはその抜け出
した跡が残っていたりする。
【0006】このような異常域は、本来の溶融金属の成
分を測定するためにはノイズとなるもので、分析対象か
ら除かれるべきものである。このため、固体試料の表面
を滑らかに磨き、目視により異常域のある試料を不良試
料として除外し、全体が均一な良好試料のみを選ぶ。更
に、目視による過失を防ぐために、同一試料内の複数の
場所を分析しその値を比較して分析値を決定していた。
【0007】分析の迅速化にとって、分析工程の自動化
は欠くべからざることであるが、工程に目視作業が含ま
れることは、自動化を妨げるものであり、又、同一試料
内の複数の場所を分析することは、迅速化を妨げること
である。そしてこの問題に対し、目視作業に代わって自
動的に試料の良否を選別る方法が検討されて来た。
【0008】従来、金属試料の放電発光分光分析では、
母金属元素の放電初期の発光強度や放電パルス数をモニ
タし、これらの数値が規定値に至らなかった場合に、自
動的にその試料が不良試料であることを判定する方法が
提案されている(例えば、特公平7−113607号公
報、材料とプロセス、vol.8〔1995〕p81
9)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では放電工程に至ってから試料の良否を判定するの
で、複数の試料を準備しなければならず、又良好試料が
得られるまで複数の試料について前処理工程から放電工
程までを繰り返さなければならなかった。このため、判
定の自動化はできたが、分析の迅速化は殆ど改善されて
いなかった。
【0010】この発明は、この問題を解決するためにな
されたもので、不良試料からでも異常域についてのデー
タを除外することによって、迅速に且つ良好な精度で成
分分値が得られる分析法を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段は、次の発明である。第1の発明は、固体試料の
分析面にレーザ光を集光して照射し、発生する微粒子を
元素検出装置に搬送して成分の定量分析を行うレーザ気
化分析方法において、次の工程からなることを特徴とす
る固体試料のレーザ気化分析方法である。 (a)前記レーザ光の集光点を走査させながら微粒子を
発生させ、この微粒子を連続的に元素検出装置に搬送す
る工程と、(b)搬送される微粒子の成分を全測定時間
の5分の1以下の時間毎に測定し、時間分割測定値を得
る工程と、(c)得られた時間分割測定値の時系列デー
タを得る工程と、(d)得られた時系列データから時間
分割測定値が変動する時間帯のデータを除き、時間分割
測定値が一定の範囲内に入る時間帯のデータのみを選択
する工程と、(e)選択されたデータを用いて成分の分
析値を求める工程。
【0012】微粒子はレーザ光の集光点から採取される
ので、集光点を走査させることによって、採取位置が一
点に限られることなく多数点から微粒子試料を採取する
ようにする。一点に限られた場合には、異常域からのみ
微粒子を採取するおそれもあるが、集光点を走査させ採
取域を拡げることによって、偏った試料の採取を防ぐと
ともに、異状域に比し正常域から多くの微粒子を採取す
ることができる。
【0013】走査しながら採取した微粒子は、不活性ガ
スによって次々と元素検出装置に搬送されるので、元素
検出装置では短時間毎に微粒子の成分を測定すると、走
査位置に対応した時間分割測定値が得られる。すなわ
ち、最初の短時間の測定値は走査し始めた最初の位置か
ら採取された微粒子の成分測定値であり、以下、測定時
間の経過とともに順次走査位置に対応した時間分割測定
値が時系列的に得られる。
【0014】短時間を全測定時間の5分の1以下とする
のは、時間分割測定値の数が5個以上で可及的に多いこ
とが望ましからであり、この測定数が少ないと測定値の
変動する様子が把握し難くなる。時間分割測定値の数
は、微細異常域の検出感度に影響し、例えば、全測定時
間が10sec 、時間分割測定値数50であれば、微小時
間は0.2sec であり、0.2mm/secの速度で走査する
と、走査距離40μm 毎に時間測定値が得られ、0.1
mm程度の異常域を検出することができる。
【0015】この得られた時間分割測定値の時系列デー
タでは、均一な試料表面を走査している時は一定値を示
す。しかし、異常域を走査し始めると時間分割測定値は
変動し始め、異常域の中心部を走査するときに変動量は
極大に達する。異常域は微細であり、極大に達した後間
もなく走査位置が異常域を外れ始め、変動量は段々小さ
くなり、やがて均一域を走査するようになると再び時間
分割測定値は一定となる。即ち、走査位置が異常域にか
かっている時は時間分割測定値は一定ではなく変動す
る。
【0016】したがって、時系列データの中から時間分
割測定値が変動する時間帯のデータを除くと、異常域の
測定値を除外することとなる。このようにして、時間分
割測定値が一定の範囲内に入る時間帯のデータのみを選
択してその平均値から分析値を求めると、不良試料であ
っても、良好試料と一致した分析値を求めることができ
る。
【0017】第2の発明は、前記選択を次の工程で行う
ことを特徴とする前記の固体試料のレーザ気化分析方法
である。
【0018】(a)前記時系列データを連ねた時系列曲
線が極点を描く時間帯のデータを除く工程と、(b)時
系列曲線の勾配が零に近い所定の範囲にあるデータのみ
を選ぶ工程。
【0019】時系列データは、時間軸或いは走査位置軸
に対して測定値をプロットした多数点の集まりとして得
ることができる。この多数点を連ねると時系列曲線が描
ける。第1の発明において、時間分割測定値が変動する
時間帯のデータを除く具体的方法の一つとして、時系列
曲線の勾配を利用してこれを行うことができ、変動する
時間帯を自動的に判別する場合などに便利である。
【0020】測定値の変動が小さい時間帯では曲線の勾
配は零に近いが、変動を始めると勾配は正或いは負でそ
の絶対値が大きくなるが、やがて勾配の絶対値が再び小
さくなり、時系列曲線は極大或いは極小の極点に達す
る。その後再び勾配の絶対値が大きくなりそして再三小
さくなって零に近づく。変動を初めてから再三小さくな
るまでは、異常域或いはその境界を走査している時で、
この間のデータを除外する。
【0021】具体的には、先ず変動量の大きい極点近傍
のデータ即ち時系列曲線が極点を描く時間帯のデータを
除く。次に、残ったデータから勾配が所定の範囲から外
れた時間帯のデータを除き、勾配が所定の範囲内にある
時間帯のデータのみを選ぶと、均一域のみの測定値が得
られる。所定の範囲は材料の種類や、分析対象元素やそ
の濃度等により適宜定めるが、溶融精錬された金属材料
などでは均一性が高く、勾配の絶対値が0.1〜0.5
以下の範囲程度に定めるのが適切である。
【0022】第3の発明は、固体試料の分析面にレーザ
光を集光して照射し、発生する微粒子を元素検出装置に
搬送して成分の定量分析を行うレーザ気化分析方法にお
いて、次の工程からなることを特徴とする固体試料のレ
ーザ気化分析方法である。 (a)前記レーザ光の集光点を走査させながら微粒子を
発生させ、この微粒子を連続的に元素検出装置に搬送す
る工程と、(b)搬送される微粒子についてその成分を
全測定時間の5分の1以下の短時間毎に測定し、時間分
割測定値を得る工程と、(c)得られた時間分割測定値
をその大きさで分級し、各級内の測定値の出現頻度を求
める工程と、(d)出現頻度が高い級のデータのみを選
択する工程と、(e)選択されたデータを用いて成分の
分析値を求める工程。
【0023】この発明では、先ず、時間分割測定値をそ
の大きさ別に分け、どの級の出現頻度が高いかを調べ
る。異常域の面積は狭くその測定値数は少ないから、出
現頻度が高い級のデータは正常域のデータとみなすこと
ができる。したがって、出現頻度が高い級のデータのみ
を選択してこれから成分の分析値を求めると、本来の試
料の分析値が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】精錬中の溶鋼を採取し、冷却した
固体試料を分析する例により、発明を説明する。先ず、
レーザ光の集光点の走査は、図9に示すように反射鏡と
集光レンズにより行う。レーザ光11を、反射鏡12で
その進行方向を調節し、集光レンズ13で試料表面1に
集光させる。反射鏡12を往復回転させると、集光点は
X方向に往復するが、同時に集光レンズ13をY方向に
平行移動すると、集光点はジグザグの軌道2を描く。
【0025】集光レンズ13の平行移動により集光点が
移動するのは、集光レンズ13に入射するレーザ光は幅
を持った平行光であり、平行光は集光レンズ13の焦点
に集光し、この焦点は集光レンズ13の平行移動に伴っ
て試料表面1を移動するからである。又、ジグザクの軌
跡を描いて走査するのは、集光点の径は100μm 前後
と小さいので、測定面積を確保するためである。
【0026】このように集光点を走査させて測定し、得
られた時間分割測定値の時系列データを連ねた時系列曲
線を図1に示す。測定成分のうちMn、Al、Sについ
ての時間分割測定値を濃度で示したもので、全測定時間
は35sec 、短時間は20msecで時間分割測定値数は1
75個である。どの成分についても、最初は時間分割測
定値は一定であるが、測定時間12sec あたりから、変
動し始め、22sec 〜25sec で再び一定になる。
【0027】この試料の表面を図8に示すと、残留スラ
グ3が存在する。そして、測定時間12sec から25se
c の時間帯に、走査軌跡2はこの残留スラグ3内に在っ
たのである。時系列データから時間分割測定値が変動す
る12sec 〜25sec の時間帯のデータを除き、時間分
割測定値が一定である0sec 〜12sec 及び25sec〜
35sec の時間帯のデータのみから、その平均値を算出
して分析値とする。この場合、Sは0.010wt% 、A
lは0.041wt% 、Mnは0.098wt% が得られ
る。
【0028】図2は、変動する時間帯を自動的に判断さ
せるために、図1に示した時系列曲線の微分曲線を描い
たものである。微分曲線は測定時間12sec あたりか
ら、Al、Sでは大きくMnでは小さくなり、14sec
からは三者とも零に近くなり、17sec からSでは小さ
くなり、再び三者が零に近づくのは25sec を過ぎてか
らである。14sec から17sec の時間帯で三者の勾配
が零に近づくのは微分曲線の変曲点であり、時系列曲線
が極点を描く部分の勾配である。
【0029】したがって、先ず14sec から17sec の
時間帯のデータを除外し、次に勾配が零に近い所定の範
囲として−0.5〜0.5の範囲を定め、この範囲内に
あるデータのみを選ぶ。この操作によって異常域の測定
値を除くことができる。
【0030】次に、時間分割測定値の出現頻度を調べ、
即ち分布図を用いて異常域のデータを除外する方法につ
いて説明する。図1に示した時間分割測定値を分級し、
各級の出現頻度を表したグラフを図3に示す。級の大き
さは0.0015wt%である。又、頻度が少ない0.1
2wt%以上は図では省略してある。
【0031】Sの時間分割測定値の出現頻度は元素濃度
0.010wt% でピークを示し、Alは0.041wt%
、Mnは0.098wt% でピークを示す。これらのピ
ークを示す濃度を分析値としてもよく、又、これらの山
の加重平均値、例えばMnであれば0.09wt% 〜0.
106wt% の範囲内のデータ或いは0.095wt% 〜
0.101wt% の範囲内のデータの平均値を分析値とし
てもよい。何れの解析も容易に自動的に遂行させること
ができる。
【0032】
【実施例】
実施例1.精錬中の溶鋼のスラグを採取し、冷却した固
体試料を分析した。用いたレーザ光は周波数5kHzのパ
ルスレーザで、パルスの半値幅は20nsec、発振器の出
力は5W であった。レーザ光を直径約100μm に集光
し、集光点を左右に2mm振らせながら、7mmの長さにわ
たって35sec かけて走査させた。短時間は400msec
で、全測定時間の90分の1即ち時間分割測定値数は9
0であった。元素検出装置にはICP分析装置を用いて
複数の成分を同時に分析した。
【0033】測定したSi、Ca、Feの各成分につい
て得られた結果を図4、図5、図6に示す。図4は時系
列曲線であり、測定値はICP分析装置のプラズマ炎で
励起され発光した各々の成分の固有スペクトルの発光強
度である。SiとCaは均一に分布しているが、Feは
不均一で濃い箇所があり、時間分割測定値が変動する時
間帯は測定時間13sec から18sec であった。この時
間帯のデータを除外して残りのデータから発光強度の平
均値を求めると、Siが1.06、Caが1.45、F
eが0.71であった。
【0034】図5は、時系列曲線の微分曲線であり、所
定の範囲を−0.1から0.1とし、測定時間13sec
から18sec の時間帯及び23sec から25sec の時間
帯のデータを除外した。残りのデータから発光強度の平
均値を求めた値は、時系列曲線の場合と同じであった。
【0035】図6は、時間分割測定値を分級し出現頻度
を調べた分布曲線である。Siは発光強度Siが1.0
6、Caは1.45、Feは0.71に各々ピークが現
れた。なお、これらの発光強度を各々の検量線に基づい
て濃度に換算すると、SiO2 は8.82wt% 、CaO
は49.1wt% 、T・Feは13.3wt% であった。
【0036】実施例2.精錬中の炭素鋼及び低合金鋼並
びに溶銑から固体試料を採取し、各々複数個の固体試料
に調整し、これらの中から良好試料と不良試料とを選び
出し、分析値を対比した。走査域は2mm×7mmであり、
全測定時間は40sec 、時間分割測定値数は200であ
った。分析値は出現頻度の最も高い時間分割測定値から
算出した。対比の結果を表1に示す。試料A,B,Cは
炭素鋼、Dは低合金鋼、E,Fは銑鉄である。
【0037】
【表1】
【0038】不良試料の不良原因にはガス成分が閉じ込
められ気泡となったものと、スラグが残留したものとが
あったが、どちらの試料も良好試料とよく一致した分析
結果を示した。
【0039】なお、比較のために、試料Bについて時間
分割測定を行わず全測定時間の積分測定値から算出した
分析値を、比較例として表1のカッコ内に示す。比較例
では、良好試料の分析値とかなり隔たった分析値が示さ
れていた。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、固体試
料をレーザ気化分析法により分析するが、時間分割測定
値を解析し異常域の測定値を除外し、正常域の測定値の
みから分析値を算出する。解析には、時間分割測定値の
時系列データから測定値が変動する時間帯のデータを除
外する方法と時間分割測定値の出現頻度が最も高くなる
測定値を採用する方法とがある。
【0041】このようにして、異常域のデータが除外さ
れるので、異常域を有する不良試料と均一な良好試料と
を選別する必要がなく、又不良試料を分析した場合に分
析し直すこともなく、更に複数回の分析により良好試料
の分析値であることを確認する必要がなくなった。この
ため、分析結果が著しく短縮された。このように、特に
工程管理分析の迅速化をもたらすこの発明の効果は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための鉄鋼の時間分割測定値
の時系列データの一例を示す図である。
【図2】本発明を説明するための鉄鋼の時間分割測定値
の時系列曲線の微分曲線の一例を示す図である。
【図3】本発明を説明するための鉄鋼の時間分割測定値
の出現頻度を示す分布曲線の一例を示す図である。
【図4】本発明を説明するためのスラグの時間分割測定
値の時系列データの一例を示す図である。
【図5】本発明を説明するためのスラグの時間分割測定
値の時系列曲線の微分曲線の一例を示す図である。
【図6】本発明を説明するためのスラグの時間分割測定
値の出現頻度を示す分布曲線の一例を示す図である。
【図7】本発明により得られた分析値と発明を適用しな
かった場合の分析を対比したグラフである。
【図8】不良試料の表面と異状域を示す平面図である。
【図9】集光点の走査の機構を示す光学系の概念図であ
る。
【図10】レーザ気化分析装置の概要をしめす概念図で
ある。
【符号の説明】
1 試料表面 2 集光点の軌
跡 3 異状域 11 パルスレー
ザ光 12 反射鏡 13 集光レン
ズ 14 試料 15 微粒子採
取セル 16 元素検出装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体試料の分析面にレーザ光を集光して
    照射し、発生する微粒子を元素検出装置に搬送して成分
    の定量分析を行うレーザ気化分析方法において、次の工
    程からなることを特徴とする固体試料のレーザ気化分析
    方法。 (a)前記レーザ光の集光点を走査させながら微粒子を
    発生させ、この微粒子を連続的に元素検出装置に搬送す
    る工程と、(b)搬送される微粒子の成分を全測定時間
    の5分の1以下の短時間毎に測定し、時間分割測定値を
    得る工程と、(c)得られた時間分割測定値の時系列デ
    ータを得る工程と、(d)得られた時系列データから時
    間分割測定値が変動する時間帯のデータを除き、時間分
    割測定値が一定の範囲内に入る時間帯のデータのみを選
    択する工程と、(e)選択されたデータを用いて成分の
    分析値を求める工程。
  2. 【請求項2】 前記選択を次の工程で行うことを特徴と
    する請求項1記載の固体試料のレーザ気化分析方法。 (a)前記時系列データを連ねた時系列曲線が極点を描
    く時間帯のデータを除く工程と、(b)時系列曲線の勾
    配が零に近い所定の範囲にあるデータのみを選ぶ工程。
  3. 【請求項3】 固体試料の分析面にレーザ光を集光して
    照射し、発生する微粒子を元素検出装置に搬送して成分
    の定量分析を行うレーザ気化分析方法において、次の工
    程からなることを特徴とする固体試料のレーザ気化分析
    方法。 (a)前記レーザ光の集光点を走査させながら微粒子を
    発生させ、この微粒子を連続的に元素検出装置に搬送す
    る工程と、(b)搬送される微粒子の成分を全測定時間
    の5分の1以下の短時間毎に測定し、時間分割測定値を
    得る工程と、(c)得られた時間分割測定値をその大き
    さで分級し、各級内の測定値の出現頻度を求める工程
    と、(d)出現頻度が高い級のデータのみを選択する工
    程と、(e)選択されたデータを用いて成分の分析値を
    求める工程。
JP15284397A 1997-05-27 1997-05-27 固体試料のレーザ気化分析方法 Pending JPH10332588A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015151301A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 三菱マテリアル株式会社 サンプリング位置表示装置、サンプリング方法

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WO2015151301A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 三菱マテリアル株式会社 サンプリング位置表示装置、サンプリング方法
JP2015194381A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 三菱マテリアル株式会社 サンプリング位置表示装置、サンプリング方法
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