JPH10332511A - 静電容量型圧力センサ - Google Patents

静電容量型圧力センサ

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JPH10332511A
JPH10332511A JP15753797A JP15753797A JPH10332511A JP H10332511 A JPH10332511 A JP H10332511A JP 15753797 A JP15753797 A JP 15753797A JP 15753797 A JP15753797 A JP 15753797A JP H10332511 A JPH10332511 A JP H10332511A
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JP
Japan
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chamber
diaphragm
pressure
pressure sensor
substrate
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Withdrawn
Application number
JP15753797A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Omi
俊彦 近江
Tatsuhisa Kawabata
達央 川畑
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い周波数で変化する圧力の計測あるいは、
短時間で変化する圧力応答の計測を可能とする信頼性の
高い静電容量型圧力センサを提供すること 【解決手段】 シリコン基板1の上にガラス基板2が陽
極接合されている。このシリコン基板1の中央部は、上
下両側からそれぞれ所定量ずつ除去されて薄肉のダイア
フラム3が形成されており、両基板間に第1の室4が形
成されている。ガラス基板2のダイアフラムに対応する
表面には、固定電極5が形成されている。ここで、ガラ
ス基板は、ダイアフラムの中心位置に対向する領域がエ
ッチングされ、第2の室10が形成されている。する
と、ダイアフラムが変形すると、ダイアフラム付近の空
気は第2室内にすぐに移動することができるので、ダイ
アフラムは素早く変形することができる。よって、高い
周波数で変化する圧力の計測あるいは、短時間で変化す
る圧力応答の計測を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電容量型圧力セ
ンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5〜図7はそれぞれ従来の静電容量型
圧力センサの例を示している。図5は絶対的な圧力を計
測するための静電容量型圧力センサ(絶対圧センサ)の
一例を示している。同図に示すように、静電容量型圧力
センサはシリコン基板1とガラス基板2とを陽極接合し
て一体化することにより構成される。シリコン基板1に
は、その中央を両面からエッチングを行い所定量だけ除
去することにより薄肉のダイアフラム3が形成される。
これにより、ダイアフラム3の上面とガラス基板2との
間に、全面にわたってほぼ均一な厚さからなるギャップ
が形成される。このギャップ部分が、密閉された室4内
となり、ギャップ間距離がダイアフラム3の最大変位可
能距離となる。なお、実際には、ダイアフラム3が変位
した際に、対向するガラス基板2の表面に接触するのは
好ましくないため、最大変位したときでも、ダイアフラ
ム3とガラス基板2との間には一定の間隙が確保される
ような範囲で使用される。さらに、ダイアフラム3に対
向するガラス基板2の表面には、固定電極5が蒸着等し
て形成される。この固定電極5に対向するダイアフラム
3の上面が可動電極6となり、両電極5,6間の距離に
応じた静電容量が発生する。
【0003】図6,図7は相対的な圧力を測定するため
の静電容量型圧力センサ(差圧センサ)の一例を示して
いる。係る差圧センサは図5に示す絶対圧センサとほぼ
同じ構造であるので、同一符号を用いて、詳しい説明は
省略する。図6に示す差圧センサでは、シリコン基板1
のガラス基板2との接合面に導圧溝1aが形成されてお
り、室4内とセンサ外部とがつながるようにしている。
また、図7に示す差圧センサでは、ガラス基板2の表面
に導圧孔2aが形成されており、室4内とセンサ外部と
がつながるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した構
造の静電容量型圧力センサでは、ダイアフラム3と固定
電極5の間に形成された室4の厚み(ギャップ間距離)
は数ミクロンであるので、圧力測定でダイアフラム3が
変位するときに、空気に粘性が生じたり、空気のダンピ
ング効果が生じる。この空気の粘性や、ダンピング効果
がダイアフラム3の変位に大きな影響を与えるので、ダ
イアフラム3が、圧力に応じた形状に完全に変形される
までに、長い時間がかかってしまう。特に図5に示すよ
うな絶対圧センサでは、室4内は密閉されているので、
空気はより移動しづらくなり、ダイアフラム3の変形が
完全に行われるまでに必要な時間はさらに長くなる。
【0005】すると、高い周波数で変化する圧力の計測
を行う場合や、短時間で変化する圧力応答の計測を行う
場合に、ダイアフラム3の変形が追い付けないので、正
確な圧力や圧力応答の計測が困難になってしまう。
【0006】そこで、図5に示すような従来の絶対圧セ
ンサでは、室4を真空状態にして、空気の粘性や空気の
ダンピング効果の影響をダイアフラム3に与えないよう
にしている。しかし、室4内を真空にするためには、減
圧された空間内等の特殊な環境で、センサの組み立て作
業を行う必要があるので、係る部屋内を減圧する等の作
業が必要となり、煩雑である。
【0007】一方、図7に示す差圧センサでは、導圧孔
2aによって、外部と室4内とがつながっており、しか
も、導圧孔2aは、ダイアフラム3が最も大きく変位す
る部位に対向しているので、ダイアフラム3が変位した
場合には、それにつれて移動しようとする空気等が導圧
孔2aを介して流出入できるため、上記したダンピング
効果の影響は少なくなり、応答性がよくなる。その結
果、高い周波数で圧力が変化したり、短時間で圧力が変
化するものに対しても、高精度の圧力測定が可能とな
る。
【0008】しかし、導圧孔2aを介してセンサ外部と
センサ内部(室4)とが接続しているので、導圧孔2a
を介してセンサ外部の粉塵等の異物が室4内に侵入する
おそれがある。そして、その侵入した異物の大きさが、
ダイアフラム3が最大変位した際のガラス基板2(固定
電極5)との間隙の距離よりも大きい場合には、ダイア
フラム3が固定電極5方向に変位する際に、ダイアフラ
ム3が室4内に侵入した粉塵と接触して変位が妨げられ
てしまう事態が発生する。すると、可動電極6と固定電
極5間の距離は圧力に対応したものでなくなり、両電極
間に発生する静電容量が、正確な測定圧力と対応しなく
なってしまうおそれがある。よって、圧力センサの特性
を著しく劣化させてしまう。
【0009】特に、センサの小型化・薄型を図るにつれ
て、ギャップ間距離も短くなるため、上記したダンパリ
ングの影響並びに侵入した異物による測定精度の低下等
の問題はより顕著となる。
【0010】また、図6に示す差圧センサでは、導圧溝
1aを介してセンサ内外が導通されているので、図5に
示すセンサに比べると空気は移動しやすい。しかし、通
常導圧溝1aの開口部の面積は狭く、上記した問題点で
指摘したような高い周波数で圧力が変動したり、短時間
で圧力が変化するような場合には、その圧力変化に追従
して導圧溝1aから空気が流出入することはできず、室
4内で空気が略密閉されたような状態となる。よって、
図5に示すセンサと同様にダンピング効果の影響を受
け、圧力が急激に変化するものに対しては、高精度な圧
力測定ができなくなる。
【0011】なお、導圧溝1aの断面積を広くすると、
図7と同様に、粉塵・塵埃等の異物が侵入し、それによ
る測定精度の低下を招くおそれがあるというあらたな問
題を生ずる。
【0012】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、高い周波数で変化する圧力の計測あるいは、短時
間で変化する圧力応答の計測を可能とし、さらに、粉塵
等の異物がセンサ内部に侵入を防ぐことによって信頼性
が高くなる静電容量型圧力センサを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る静電容量型圧力センサでは、ダイア
フラムを有する半導体基板と、固定基板とを接合一体化
し、前記ダイアフラムの固定基板側を可動電極にすると
ともに、その可動電極に対向する前記固定基板の表面に
固定電極を設け、前記両電極間には、所定のギャップを
おいた第1の室を設け、外部から与えられる力に応じて
前記ダイアフラムが変位し、両電極間に発生する静電容
量の変化に基づく信号を出力する静電容量型圧力センサ
であって、前記固定基板または前記半導体基板の少なく
とも一方の表面に、前記第1の室に接続される第2の室
を設けた(請求項1)。
【0014】請求項1に記載するように、第1の室に接
続する第2の室を形成することにより、ダイアフラムが
固定電極側に近付くように変位すると、ダイアフラム
(可動電極)と固定電極間の空気が圧縮等されようとす
るが、係る空気は第2の室に逃げ込むことができる。よ
って、ダイアフラムにかかる空気の粘性やダンピング効
果の影響が小さくなるので、短時間でダイアフラムが圧
力に応じた形状に完全に変形される。その結果、測定さ
れる圧力が高い周波数で変化している場合であっても、
正確な静電容量が検出され、正確な圧力を測定すること
ができる。
【0015】ここで、前記第2の室は、前記第1の室と
接続する位置に形成されていればよいので、例えば、前
記ダイアフラムの中央部位に対向する前記固定基板の表
面上に形成した凹部から形成したり(請求項2)、前記
固定電極の周囲に位置する前記固定基板と前記半導体基
板の少なくとも一方に形成した溝から形成したりするこ
とができる(請求項3)。そして前者が第1の実施の形
態における第2の室10や第2の実施の形態における第
1の窪み22に対応する。また、後者は、第2の実施の
形態における第2の窪み23や、第4の実施の形態にお
ける第2の室31(ともに固定基板に設けた例)並びに
第3の実施の形態における第2の室30(半導体基板に
設けた例)に対応する。さらに、第2の実施の形態のよ
うに、中央と周囲の両方とも形成してもよく、その場合
にはそれらを空間的に接続するとより好ましい。
【0016】そして、ダイアフラムは、周囲が半導体基
板により抑えられているので、中心に近付くほど変位が
大きくなる。そのため、第1の室内に存在する空気のう
ちダイアフラムの中央に対向する領域に存在する空気は
最もダイアフラムの変位による圧力を受けることにな
る。よって、請求項2に記載するように、ダイアフラム
の中央に対向する位置に第2の室を形成することによ
り、ダイアフラムが固定電極方向に変位すると、ダイア
フラムの中心位置に存在する空気は第2の室にすぐに移
動する。よって、ダイアフラムにかかる空気の粘性や空
気のダンピング効果の影響がより小さくなる。
【0017】一方、固定電極の周囲に第2の室を形成す
る場合には、電極面積をさほど小さくすることなく第2
の室の容量を大きくすることができる。従って、ダイア
フラムの変位に伴い移動する第1の室内の空気を確実に
収容することができるため、やはり、ダイアフラムにか
かる空気の粘性や空気のダンピング効果の影響がより小
さくなる。特にダイアフラムの中央に対向する部分のギ
ャップ間距離の変位量が最も大きいため、その部分に固
定電極を配置することにより検出精度・感度が上がる。
【0018】好ましくは、前記第2の室の深さを前記第
1の室の深さよりも深くすることである(請求項4)。
このようにすると、第2の室へ移動することのできる空
気の量は増加するので、請求項1に記載の静電容量型圧
力センサよりも、ダイアフラムが空気の粘性や空気のダ
ンピングの影響を受けることがなくなる。
【0019】さらに、前記半導体基板と前記固定基板の
少なくとも一方に、センサ外部と空間的に導通した圧力
導入通路(実施の形態では、「導圧溝1a,21,導圧
孔20」等に対応)を形成し、前記圧力導入通路の少な
くとも一部を、前記第1の室のギャップ間距離よりも狭
くしてもよい(請求項5)。これは、実施の形態では、
堰11,25を設けることにより実現している。
【0020】すなわち、相対的な圧力を検出するタイプ
の差圧センサでは、センサ内外を空間的に接続する圧力
導入通路を備えている。そこで、その圧力導入通路に請
求項5に記載するように、ダイアフラムと固定電極間で
ある第1の室に通じる通路の少なくとも一部を第1の室
よりも狭くすることにより、第1の室内に侵入しようと
した異物は、その狭くなった部分で捕獲される。従っ
て、第1の室内に侵入できる異物は上記狭くした隙間を
通過できる小さなものとなるので、少なくとも圧力がか
かっていないときに異物がダイアフラムに接触し、ダイ
アフラムが変形されなくなることはない。そして、その
狭くする間隔であるが、使用圧力範囲内での最小ギャッ
プよりも狭くするのが好ましい。係る距離に設定する
と、たとえ第1の室内に粉塵が侵入してきたとしても、
係る粉塵は可動電極が固定電極に最も近付いた場合の距
離よりも小さいものであるので、可動電極(ダイアフラ
ム)と粉塵とが接触して、ダイアフラムの変形を妨げる
ことはない。
【0021】また、このタイプのセンサでは、上記した
ように第1の室がセンサ外部に開放されているので、第
2の室も外部に開放される。よって、ダイアフラムが変
形して第2の室に移動した空気の一部をセンサ外部に放
出できる。特に第2の室を直接的に前記圧力導入通路な
どに接続すると、その効果はより高くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る静電容量型圧
力センサの第1の実施の形態を示している。本実施の形
態では、差圧式の圧力センサに適用した例を示してお
り、図6に示す従来例を基本構造とした改良である。
【0023】同図に示すように、本形態では、シリコン
基板1の上にガラス基板2を陽極接合により一体化して
いる。なお、ハーフダイスなどして最終製品ではシリコ
ン基板1の長さをガラス基板2よりも長くし、シリコン
基板1の表面の一部が外部に露出するようにしている。
そして、当該露出部分を含む領域に絶縁膜7を形成する
(一部未形成領域も有する)とともに、所定のメタルを
蒸着させることによりその絶縁膜7の上面所定位置及び
未形成領域にそれぞれ電極取り出し用のワイヤパッド8
を形成している(絶縁膜7の未形成領域に形成されたワ
イヤパッド8は図示省略する)。
【0024】このシリコン基板1の中央部は、上下両側
からそれぞれ所定量ずつ除去されて薄肉のダイアフラム
3が形成されている。そして、ガラス基板2側(図中で
は上側)は比較的底浅の凹部となり、反対側は比較的深
い凹部としている。よって、シリコン基板1とガラス基
板2が接合すると、両基板1,2間にギャップ間距離の
狭い第1の室4が形成される。そして、ダイアフラム3
のガラス基板2側の面が可動電極6となる。また、これ
に対応するガラス基板2の表面には、クロム等を蒸着あ
るいはスパッタリングして固定電極5が形成される。
【0025】なお、この固定電極5の形成と同時に、こ
の固定電極5とワイヤパッド8を接続するための引出線
9も形成する。そして、引出線9に対向するシリコン基
板1の表面には、導圧溝1aを設け、シリコン基板と引
出線9が接触して短絡するのを防止するとともに、第1
の室4をセンサ外部と接続している。なお、導圧溝1a
の幅は、引出線9の幅よりももちろん広く設定してい
る。そして、本形態における静電容量型圧力センサで
は、ダイアフラム3の外側(図中下側)から測定対象の
圧力が加わるようにしている。
【0026】ここで、本形態では第1の室4の中心、す
なわちダイアフラム3の中心位置に対向するガラス基板
2の表面に凹部を設けることにより、第2の室10を形
成している。この第2の室10は、第1の室4と連続し
ている。そして、その深さは、第1の室4のギャップ間
距離に比べ、十分に深くしている。なお、この第2の室
10を形成するには、ガラス基板2の表面をフッ酸を用
いたエッチング等により形成できる。また、このように
第2の室10を設けたため、固定電極5は、その第2の
室10の周囲を囲むようにしたリング状となっている。
【0027】さらに、本形態では、導圧溝1aの所定位
置に堰11が形成されている。係る堰11の上端部とガ
ラス基板2との距離tは、使用圧力範囲内で最も小さく
なるギャップ間距離(固定電極5と可動電極6間の距
離)よりも狭くなるようにしている。なお、この堰11
は、酸化膜により形成できる。
【0028】上記した構造の静電容量型圧力センサの動
作を説明する。測定対象の圧力が大気圧よりも高い場
合、ダイアフラム3は固定電極5側に凸となるように変
形する。このとき、可動電極6の付近に存在する空気
は、ガラス基板2方向に移動されるが、ガラス基板2に
第2の室10が形成されているので、係る空気は第2の
室10内に移動することができ、ダイアフラム3は、可
動電極6の付近の空気の粘性や空気のダンピング効果の
影響をあまり受けなくなる。よって、ダイアフラム3の
変形は素早く行われる。
【0029】また、本形態では第2の室10は第1の室
4の厚みよりも十分に深く形成されているので、第2の
室10の容積が大きくなる。よって、第2の室10は、
ダイアフラム3の変形により移動された空気を多量に蓄
えることが可能なので、ダイアフラム3の変形をより素
早く行うことができる。
【0030】上記したように、本形態における静電容量
型圧力センサでは、測定圧力の変化に対応して、ダイア
フラム3が素早く変形することができるので、短時間で
変化する圧力応答の計測を正確に行うことができる。
【0031】また、本形態で用いた静電容量型圧力セン
サは差圧センサなので、導圧溝1aを通ってセンサ外部
からセンサ内部(第1の室4内)に粉塵等の異物が侵入
しようとする。しかし、その異物の大部分は堰11で捕
獲され、内部に侵入されない。また、堰11とガラス基
板2との間隔tよりも小さい粉塵は、係る堰11とガラ
ス基板2間の間隙を通ってセンサ内部に侵入してしまう
おそれがある。しかし、係る間隙を通過する小さな粉塵
は、使用圧力範囲内でギャップが最も狭くなった場合の
両電極間距離よりもさらに小さいため、仮に係る小さな
粉塵等がセンサ内部に侵入したとしても、ダイアフラム
3の変形が妨げられない。よって、差圧センサであって
も異物の侵入の心配をする必要がなく、正確な圧力の計
測を行うことができる。
【0032】図2は本発明に係る静電容量型圧力センサ
の第2の実施の形態を示している。同図(A)は、第2
の実施の形態における静電容量型圧力センサの構造を分
かり易くするために、一点鎖線より上側半分のシリコン
基板を取り除いた状態で示している。本形態では、固定
電極が形成される固定基板もシリコン基板を用いて形成
している。すなわち、同図に示すように、固定基板とし
ての第1のシリコン基板15の表面の周囲に所定の厚さ
からなる絶縁膜16を形成している。その絶縁膜16の
表面は研磨されて平坦化されており、係る絶縁膜16の
上面に、薄肉の第2のシリコン基板17が接合されてい
る。これにより、第1シリコン基板15と第2のシリコ
ン基板17とは、絶縁状態を保ちつつ一定のギャップを
隔てて対向配置されることになり、その対向する空間が
第1の室4となる。
【0033】そして、第2のシリコン基板17は、薄肉
に形成されているので、容易に撓むことができ、ダイア
フラムを構成する。よって、第2のシリコン基板17の
第1の室4に対向する面が可動電極18となり、また、
第1のシリコン基板15の第1の室4に対向する面が固
定電極19となる。さらに、第1のシリコン基板15に
は、第1の室4の領域外に上下に貫通する導圧孔20が
形成されるとともに、第1のシリコン基板15の表面に
は、導圧孔20と第1の室4とを連通するような凹溝か
らなる導圧溝21が形成される。これにより、第1の室
4は、導圧溝21と導圧孔20を介して、センサ外部に
開放される。
【0034】また、第2のシリコン基板17は一部が削
除されており、シリコン基板15の絶縁膜16の未形成
領域(角部分の一つ)が露出されている。係るシリコン
基板15の露出部分と、シリコン基板17の上面の所定
位置にワイヤパッド8が形成されている。各ワイヤパッ
ド8と各電極18,19とは、シリコン基板15,17
を介して導通される。
【0035】ここで本形態では、第1の実施の形態と同
様に、第1のシリコン基板15の表面中央部を凹状に除
去して第1の窪み22を形成している。また、固定電極
19の周囲には、環状の凹溝からなる第2の窪み23が
形成されている。そして各窪み22,23は、とも日本
発明でいう第2の室を構成する。さらに、それら第1,
第2の窪み22,23は、連絡通路24により接続され
ている。そして、それら第1,第2の窪み22,23並
びに連絡通路24は、第2のシリコン基板15の片面を
パターニングしてエッチングすることにより、同時に形
成できる。そして、本形態では一度に製造することか
ら、各部の深さは等しくなっている。もちろん、その深
さは、第1の室4のギャップ間距離に比べると十分に深
くなるように設定している。さらに第2の窪み23は、
上記導圧溝21ひいては導圧孔20と直接的に連通して
いる。
【0036】また、本形態においても、導圧溝21の所
定位置には堰25が形成されている。この堰25は、第
1の実施の形態における堰11と同様に、堰25の周囲
に形成される間隙の距離が、使用圧力範囲内での最小ギ
ャップ距離よりも短くなるように設定してある。そし
て、この堰25の作用効果は、第1の実施の形態と同様
である。
【0037】上記した構造の静電容量型圧力センサの動
作を説明する。例えば、第2のシリコン基板(ダイアフ
ラム)17が、固定電極19側に凸となるように変形し
た場合には、第1の室4内の空気は圧縮されるが、第1
の実施の形態と同様に第1の窪み22があるので、可動
電極18付近に存在する空気は、第1の窪み22側に移
動するため、ダンピング効果の影響が少なく、応答性が
良好となる。しかも本形態では、固定電極19の周囲を
囲むようにして第2の窪み23を設けているので、その
第2の窪み23にも可動電極18付近に存在する空気が
移動する。さらに、第1,第2の窪み22,23は接続
通路24を介してつながっているので、例えば仮に第1
の窪み22内に流れ込もうとする空気の量の方が大きく
オーバーフローしそうな場合であっても、係る第1の窪
み22内に流れ込んだ空気は第2の窪み23側に流すこ
とができる(その逆もあり得る)ので、ダイアフラムの
変形に追従して空気をスムーズに移動させることができ
る。しかも、両室22,23は導圧孔20を介してセン
サ外部と接続されているので、各室22,23内の空気
の一部は、導圧孔20を介して外部に放出できる。よっ
て、一つの窪みから第2の室が形成されている静電容量
型圧力センサよりも、さらに高い周波数で変化する圧力
の計測あるいは、短時間で変化する圧力応答の計測を正
確に行う測定をすることができる。
【0038】なお、第1,第2の窪み22,23を相互
に独立にして形成した場合であっても、各室22,23
がそれぞれ移動してくる空気を受け入れるため、第1の
実施の形態のものに比べると、良好なものとなる。換言
すると、接続通路24は、固定電極の中央と周囲の両側
に室を設けた構造のセンサにおける必須の構成ではな
い。
【0039】また、本形態では、エッチングを行いやす
いシリコン基板に第1,第2の窪み22,23並びに接
続通路24を形成しているので、第1の形態におけるガ
ラス基板よりも形成しやすい。
【0040】上記した各実施の形態においては、第2の
室は固定電極が形成されている基板に形成しているが、
本発明に係る静電容量型圧力センサでは、可動電極が形
成された基板に第2の室を形成してもよく、係る一形態
を第3の実施の形態で説明する。
【0041】図3は本発明に係る静電容量型圧力センサ
の第3の実施の形態を示している。本実施の形態では、
図5に示す従来例と同様に第1の室4を密閉した絶対圧
力を測定するタイプのセンサに適用した例について示し
ているが、このようにダイアフラム(可動電極)を形成
したシリコン基板側に第2の室を設けるという構成は、
上記した差圧式のものにももちろん適用できる。
【0042】同図に示すように、本形態における静電容
量型圧力センサでは、シリコン基板1とガラス基板2と
が接合されている。そして、通常のセンサと同様に、シ
リコン基板1の上下両面の中央部がそれぞれエッチング
されてダイアフラム3が形成されている。また、両基板
1,2はその周囲の全面で接合されているので、第1の
室4は、密閉される。そして、その第1の室4に対向す
るガラス基板2の表面には固定電極5が形成され、ダイ
アフラム3の表面には可動電極6が形成される。係る構
成は、図5に示す従来のものと同様である。
【0043】ここで本形態では、ダイアフラム3の周囲
に、断面が略V字形状の窪みとなるように第2の室30
が形成されている。第2の室30の平面形状は、ダイア
フラム3の周囲を囲むようにした環状となっている。そ
して、第2の室30と第1の室4とは、環状の突起1b
により仕切られている。そして、その突起1bの所定位
置に両室4,30を接続する通路1cを設けている。こ
の通路1cは、突起1bの高さを部分的に低くすること
により形成される。もちろん通路1cは、図示のように
突起1bの上端の一部を除去するものでもよく、完全に
突起1bをなくしたものでもよい。また、通路1c以外
の部分では、突起1bの上端は、ガラス基板2に接触
し、上記したように両第1,第2の室4,30を仕切る
役割を発揮している。
【0044】本形態でも、ダイアフラム3の変形に追従
して、第1の室4内の空気は第2の室30内にすぐに移
動することができるので、ダイアフラム3は、圧力に応
じた形状に素早く変化される。よって、高い周波数で変
化する圧力の計測あるいは、短時間で変化する圧力応答
の計測を正確に行うことができる。
【0045】図4は、本発明に係る静電容量型圧力セン
サの第4の実施の形態を示している。同図においても図
2と同様に、一点鎖線より上側半分を、ガラス基板を取
り除いた状態で示している。同図に示すように、本形態
では、従来のセンサと同様に、ダイアフラム3付きのシ
リコン基板1と、固定電極5付きのガラス基板2とを接
合して形成している。ここで本形態では、まず、ガラス
基板2上の固定電極5の周囲に、凹溝からなる第2の室
31を形成している。さらに、ダイアフラム3の固定電
極5に対向する面に複数のガイド溝32を形成してい
る。このガイド溝32は、一端がダイアフラム3の中心
に位置し、他端がダイアフラム3の周縁付近、好ましく
は第2の室31に対向する位置するように放射状に形成
されている。
【0046】本実施の形態では、例えばダイアフラム3
が固定電極5側に近付くように変形した場合には、その
中央部のギャップ間距離が最も小さくなるが、その変形
の際にダイアフラム3の付近に存在する空気は、ガイド
溝32に案内されてダイアフラム3すなわち第1の室内
の周囲に移動する。そして、係る周囲はダイアフラムの
変形量が少ないかほとんどない空間であるので、中央部
分よりは空気の保有許容量がある。しかも、その周囲に
は、第2の室31が存在している。そこで、上記のよう
にダイアフラム3の変形時に中央部分に位置し、ダンピ
ング効果の影響を発揮する空気を、スムーズに周囲の第
2の室31に移動することにより、係る効果の影響を可
及的に抑制することができる。
【0047】なお、このようにガイド溝32を設けたも
のは、上記のように固定電極の周囲に第2の室を設けた
ものに限らず、固定電極5の中央に第2の室を形成した
り、両方に形成したりするものに適用できる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る静電容量型
圧力センサでは、シリコン基板,固定基板の少なくとも
一方に、第1の室と空間的に接続された第2の室を形成
することにより、ダイアフラムの変形により圧縮された
空気は第2の室内に移動できる。その結果、空気の粘性
や空気のダンピング効果に影響されることなくダイアフ
ラムが圧力に応じた形状に素早く変形することができ
る。よって、高い周波数で変化する圧力の計測や、短時
間で変化する圧力応答の計測を正確に行うことができ
る。
【0049】また、第1の室を圧力導入通路を介してセ
ンサ外部に開放したタイプのセンサでは、その圧力導入
通路の少なくとも一部を狭くすることにより、第1の室
内への異物の侵入を抑制でき、異物によるダイアフラム
の変化が阻害されることを可及的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る静電容量型圧力センサの
第1の実施の形態を説明するための図である。(B)は
導圧溝を及びその周囲を開口側より見た図である。
【図2】(A)は本発明に係る静電容量型圧力センサの
第2の実施の形態を説明するための図である。(B)は
そのB−B断面図である。
【図3】本発明に係る静電容量型圧力センサの第3の実
施の形態を説明するための図である。
【図4】本発明に係る静電容量型圧力センサの第4の実
施の形態を説明するための図である。
【図5】従来の静電容量型圧力センサである絶対圧セン
サの一例を示す図である。
【図6】従来の静電容量型圧力センサである差圧センサ
の一例を示す図である。
【図7】従来の静電容量型圧力センサである差圧センサ
の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板(半導体基板) 1a 導圧溝(圧力導入通路) 2 ガラス基板(固定基板) 3 ダイアフラム 4 第1の室 5 固定電極 6 可動電極 10,30,31 第2の室 11,25 堰 15 第1のシリコン基板(固定基板) 17 第2のシリコン基板(半導体基板) 18 可動電極 19 固定電極 20 導圧孔(圧力導入通路) 21 導圧溝(圧力導入通路) 22 第1の窪み(第2の室) 23 第2の窪み(第2の室)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイアフラムを有する半導体基板と、固
    定基板とを接合一体化し、 前記ダイアフラムの固定基板側を可動電極にするととも
    に、その可動電極に対向する前記固定基板の表面に固定
    電極を設け、 前記両電極間には、所定のギャップをおいた第1の室を
    設け、 外部から与えられる力に応じて前記ダイアフラムが変位
    し、両電極間に発生する静電容量の変化に基づく信号を
    出力する静電容量型圧力センサであって、 前記固定基板または前記半導体基板の少なくとも一方の
    表面に、前記第1の室に接続される第2の室を設けるこ
    とを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 【請求項2】 前記第2の室は、前記ダイアフラムの中
    央部位に対向する前記固定基板の表面上に形成した凹部
    であることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型圧
    力センサ。
  3. 【請求項3】 前記第2の室は、前記固定電極の周囲に
    位置する前記固定基板と前記半導体基板の少なくとも一
    方に形成した溝である特徴とする請求項1または2に記
    載の圧力センサ。
  4. 【請求項4】 前記第2の室の深さは前記第1の室の深
    さよりも深いことを特徴とする請求項1に記載の静電容
    量型圧力センサ。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板と前記固定基板の少なく
    とも一方に、センサ外部と空間的に導通した圧力導入通
    路を形成し、 前記圧力導入通路の少なくとも一部を、前記第1の室の
    ギャップ間距離よりも狭くしたことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の静電容量型圧力センサ。
JP15753797A 1997-05-31 1997-05-31 静電容量型圧力センサ Withdrawn JPH10332511A (ja)

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