JPH10332280A - 冷却気体循環型冷却構造体およびその使用方法 - Google Patents

冷却気体循環型冷却構造体およびその使用方法

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JPH10332280A
JPH10332280A JP14122697A JP14122697A JPH10332280A JP H10332280 A JPH10332280 A JP H10332280A JP 14122697 A JP14122697 A JP 14122697A JP 14122697 A JP14122697 A JP 14122697A JP H10332280 A JPH10332280 A JP H10332280A
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cooling gas
cooling
receiving surface
heat receiving
pipe
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JP14122697A
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Minoru Ishikawa
稔 石川
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】転炉、溶融還元炉等における耐火物の損耗を抑
制することができる冷却構造体、およびそれによる耐火
れんがの冷却方法を提供する。 【解決手段】(1)冷却気体を送通するための二重管構
造の管(図1に示した例では、金属管2を使用)の先端
が受熱面に面するように埋設された耐火れんが製の冷却
構造体であって、外管2−1は受熱面側の先端部が閉塞
され、非受熱面側の末端部に冷却気体流入(出)孔4a
を備え、内管2−2は両端が開放され、受熱面側の先端
部は外管の先端閉塞面との間に隙間を備え、非受熱面側
の解放部は冷却気体流出(入)孔4bを形成する冷却構
造体。(2)上記の冷却構造体を耐火物の損傷を抑制し
ようとする箇所に設置し、金属管内に冷却気体を送通し
て耐火れんがを冷却し、排出される前記冷却気体を回収
して、冷却後、再度冷却気体として循環使用する冷却構
造体の使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属反応炉、
溶融還元炉その他各種の炉に使用される耐火れんが製の
冷却気体循環型冷却構造体およびその冷却構造体の使用
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】転炉、真空脱ガス装置等の溶融金属反応
炉および取鍋等の溶融金属保持容器、溶融還元炉、シャ
フト型還元炉、流動層炉、加熱炉、焼成炉、熱風炉、燃
焼炉、ボイラー等、各種の炉において耐火れんが(耐火
物)が使用され、一部では、耐火物の損耗を抑制するた
め、冷却機能を有する耐火れんが製の冷却構造体も用い
られている。
【0003】鉄浴式溶融還元法は、溶融還元炉の炉底か
らガスを吹き込んでスラグ、メタルを撹拌しながら鉄鉱
石、石炭その他の副材を投入し、酸素によって石炭中の
炭素並びに水素を燃焼してその熱で酸化鉄を溶融還元
し、溶鉄を得る方法である。この場合、石炭の持ってい
るエネルギーをより効率良く使用し、石炭原単位を低減
するためには、炭素、水素をできるだけCO2 (二酸化
炭素)、H2 O(水蒸気)にまで燃焼する、いわゆる高
二次燃焼操業が原理的に望ましい。しかし、溶融還元炉
内の二次燃焼率を高めると、不可避的にスラグ面から流
出する排ガスの温度が上昇し、かつ酸化力の強いCO
2 、H2 Oが増加するため、耐火物を損耗が加速される
という問題があった。
【0004】このような問題を回避するため、例えば、
特開平5−98334号公報には、溶融金属反応炉の炉
壁に水冷式の冷却構造体を構築し、その周囲に冷却気体
貫通型冷却構造体を配置する炉壁構造が開示されてい
る。また、特開平5−125416号公報には、冷却気
体貫通型冷却構造体の形状を特定し、より効果的に耐火
物の損耗を防止することができる溶融還元炉用冷却構造
体が開示されている。
【0005】これらの冷却気体貫通型冷却構造体を使用
することにより、耐火物の損耗を防止することが可能と
なったが、一方では冷却媒体である冷却用ガスのコスト
の上昇、炉内での冷却ガスによる顕熱吸収に起因する熱
ロス、熱源である炭材原単位の上昇等の問題が生じた。
【0006】一方、転炉精錬においては、排ガスの二次
燃焼率は10%以下であり、温度も溶融還元炉の場合よ
り低いため、排ガスによる炉壁耐火物の損耗は溶融還元
炉に比較して軽微である。しかし、転炉上部の絞り部に
おける耐火物の損耗が原因で炉の寿命が決定される例が
多く、この部位の耐火物の損耗の主要因は排ガス中に含
まれるCO2 による耐火物の酸化であると考えられてい
る。さらに、精錬末期においては酸化度の高いスラグが
形成され、それによる炉壁耐火物の損耗が問題となる。
【0007】転炉上部の絞り部におけるCO2 による酸
化に起因する耐火物の損耗と酸化度の高いスラグによる
炉壁耐火物の損耗に対して、既存の冷却気体貫通型冷却
構造体を使用して耐火物を冷却すれば、損耗抑制効果が
期待できると考えられる。しかし、冷却気体として安価
な窒素ガスを使用した場合には、溶鋼に窒素が吸収され
るため品質が損なわれる。また、アルゴンガスを用いた
場合には、品質面では問題はないが、ガスのコストが上
昇する等の問題があって、実際に転炉で冷却気体貫通型
冷却構造体を使用した例は報告されていない。従って、
転炉では、特に酸化度の高いスラグによる損傷が大きい
部位については、耐火物自体の高級化による対処がされ
ているのみである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたもので、転炉、真空脱ガス装置
等の溶融金属反応炉、および取鍋等の溶融金属保持容
器、溶融還元炉、シャフト型還元炉、流動層炉、加熱
炉、焼成炉、熱風炉、燃焼炉、ボイラー等において、高
温のO2 (酸素)、H2 O(水蒸気)、CO2 (二酸化
炭素)による耐火物の損耗、および、溶融スラグ、溶融
金属による耐火物の損耗を抑制することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、転炉上部の
絞り部のCO2 による耐火物の損耗、および酸化度の高
いスラグによる炉壁耐火物の損耗に対して、その対策案
を種々検討した。
【0010】耐火物材質面、操業方法面では、これまで
にも多くの改善がなされており、近年における転炉寿命
の延長に多大な寄与をしている。しかし、耐火物の高級
化は耐火物コストの上昇を招くという問題がある。
【0011】一方、耐火物を冷却することによりその損
傷を軽減できることは、電気炉等での実績により広く知
られている。例えば、電気炉では、耐火物の替わりに水
冷パネルを設置して炉体寿命の延長、コストの低減を図
っている。溶融還元炉でも同様な水冷パネルの使用例が
ある。しかし、転炉で水冷パネルを設置された例はな
い。これは、電気炉、溶融還元炉はいずれも炉を傾動し
ないで出湯できる構造であるため、炉内に保持した溶融
金属が直接パネルに接触しないが、転炉では出湯の際に
炉を傾動するので、水冷パネルを設置してそれが溶湯と
の接触で破損した場合、水蒸気爆発の危険性があるから
である。
【0012】上記のように、電気炉、溶融還元炉で用い
られている水冷パネルや冷却気体貫通型冷却構造体は、
転炉の耐火物損耗防止策として適用することができない
ことは明らかである。
【0013】そこで、既存の冷却気体貫通型冷却構造体
を転炉でも使用可能な形状とすることを試みた。既存の
冷却気体貫通型冷却構造体を転炉で使用する場合の問題
点は、冷却用のガスが炉内に流入し、一部溶鋼に吸収さ
れ、炉外に排出されることに集約される。流入したガス
が溶鋼に吸収されないようにするためには、溶鋼に不溶
のアルゴンガスを使用すればよいが、非常に高価であ
る。従って、冷却用ガスを耐火物の冷却のみに作用さ
せ、かつ炉内に流入させなければ問題は解決されること
になる。
【0014】本発明者はこの考えに基づき種々検討を重
ねた結果、耐火れんがの内部に配置する冷却気体の流路
として、末端が閉塞した管(例えば、金属管)の内部に
もう一本の両端が開放された貫通金属管を設置した二重
管構造の金属管を使用し、外側の金属管(外管)は冷却
気体の導入管に接続し、一方、内側の貫通金属管(内
管)は冷却気体の導出管に接続することによって、冷却
用ガスを耐火物の冷却のみに作用させるという条件を満
たす冷却気体循環型冷却構造体を得ることができ、本発
明をなすに至った。
【0015】本発明の要旨は、下記(1)の冷却気体循
環型冷却構造体、および(2)のそれを用いた耐火れん
が冷却方法にある。
【0016】(1)冷却気体を送通するための二重管構
造の管の先端が受熱面に面するように埋設された耐火れ
んが製の冷却構造体であって、外管は受熱面側の先端部
が閉塞され、非受熱面側の末端部に冷却気体流入孔また
は流出口を備え、内管は両端が開放され、受熱面側の先
端部は外管の先端閉塞面との間に隙間を備え、非受熱面
側の解放部は冷却気体流出孔または流入孔であることを
特徴とする冷却気体循環型冷却構造体。
【0017】(2)上記(1)に記載の冷却気体循環型
冷却構造体の冷却気体流入孔から冷却気体を送通して耐
火れんがを冷却し、冷却気体流出孔から排出される前記
冷却気体を回収して、冷却後、再度冷却気体として循環
使用することを特徴とする冷却気体循環型冷却構造体の
使用方法。
【0018】前記の「受熱面側」とは、耐火れんが製の
冷却構造体の使用時に、例えば炉壁に用いられた場合の
炉内側等、熱を受ける側を指し、「非受熱面側」とは、
その反対の炉外側等、熱を受けない側を指す。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明(上記(1)およ
び(2)の発明)を図面を用いて詳細に説明する。
【0020】上記(1)の発明の冷却気体循環型冷却構
造体(以下、単に「本発明の冷却構造体」ともいう)
は、冷却気体を送通するための管として、一端が閉塞さ
れた外管と両端が開放された内管からなる二重管構造の
管が耐火れんが中に埋設されている点に特徴を有してい
る。
【0021】図1は本発明の冷却気体循環型冷却構造体
の一例の一部の構成を示す図である。図示するように、
耐火れんが1中に冷却気体を送通するための二重管構造
の金属管2が埋設されている。外管2−1は、受熱面、
すなわち耐火れんが1が露出している面に面するように
埋設されている側の先端が閉塞され、非受熱面側の末端
に冷却気体流入孔4aを備えている。冷却気体流入孔4
aは冷却気体導入風箱5を介して冷却気体導入孔6に接
続されている。一方、内管2−2は、両端が開放され、
受熱面側の先端部は外管2−1の先端閉塞面との間に隙
間を備え、非受熱面側の解放部は冷却気体流出孔4bと
なっている。冷却気体流出孔4bは冷却気体導出風箱8
を介して冷却気体導出孔7に接続されている。外管2−
1と内管2−2とは接合部3によって固定され、一体化
されている。
【0022】なお、上記の構成を有する冷却構造体にお
いては、冷却気体は冷却気体導入孔6から送通され、外
管2−1と内管2−2の隙間を通過し、外管2−1の先
端閉塞面との間の隙間を経て内管2−2内を通り、冷却
気体流出孔4bを経て冷却気体導出孔7から排出される
のであるが、後述するように、冷却気体を送通する方向
を逆にした場合は、冷却気体流入孔4a、冷却気体導入
風箱5および冷却気体導入孔6は、それぞれ冷却気体流
出孔4a、冷却気体導出風箱5および冷却気体導出孔6
として機能し、一方、冷却気体流出孔4b、冷却気体導
出風箱8および冷却気体導出孔7は、それぞれ冷却気体
流入孔4b、冷却気体導入風箱8および冷却気体導入孔
7として機能する。
【0023】したがって、図1においては、冷却気体を
送通する方向によって機能が変わる部分については、冷
却気体流入(出)孔4a、冷却気体流出(入)孔4b等
のように、その名称に(出)や(入)を付して表示し
た。
【0024】耐火れんが1の材質の選定は任意である
が、気体による冷却を効果的に行うためには、例えばグ
ラファイト含有品のように熱伝導率の高い材質が好まし
い。
【0025】二重管構造の管としては、一般的には、図
1に例示したように、外管、内管とも熱伝導率の高い金
属管(例えば、ステンレス鋼管等)を用いればよい。し
かし、内管については、耐火れんがから熱を奪って高温
になった冷却気体が通過するので、冷却気体流入孔から
流入する冷却気体の温度を上昇させることがないよう
に、セラミック等の熱伝導率の低い材質を使用するのが
望ましい。
【0026】以下、金属管を用いた場合を例として説明
する。
【0027】本発明の冷却気体循環型冷却構造体は、任
意の本数の二重管構造の管(例えば、金属管)を耐火れ
んがに埋設して構成することができる。しかし、冷却効
果を高めるためにはできるだけ多数の二重管構造の金属
管を規則的に配置することが望ましい。そのときの金属
管の中心軸同士の間隔は、耐火れんがの熱伝導率および
必要とされる冷却能力に応じて任意に設定可能である
が、一般的には、10mmから150mmの範囲とする
のが好ましい。
【0028】また、耐火れんがを気体で冷却していると
はいえ、幾分かの損耗が生じることは耐火物の宿命であ
る。このため、多数の二重管構造の金属管をれんが構造
体の受熱面から同じ深さに設置した場合には、耐火れん
がの損耗により、一度に多数の金属管の受熱面が溶損
し、その結果、冷却気体の炉内への流入または金属管の
閉塞が起こって、所期の冷却ができなくなるおそれがあ
る。
【0029】この対策としては、例えば、二重管構造の
金属管をれんが構造体の受熱面からの埋設位置によって
グループ化し、それぞれ独立したガス流量制御機構で冷
却ガスの流量を制御することとすればよい。この場合、
各グループの金属管は一カ所に集中させずに、他のグル
ープの金属管と例えば交互に分散させておく。それによ
って、れんがの損耗が進行して、れんが構造体の受熱面
からの位置が浅いグループの金属管の受熱面が溶損して
も、冷却気体の冷却能力の低下を最小限に抑えることが
できる。
【0030】一単位の耐火れんがに埋設する金属管のグ
ループ数は目的に応じて任意に設定できるが、2グルー
プから5グループの範囲が好ましい。また、グループ間
の受熱面からの埋設位置の深さ(受熱面からの距離)も
任意に設定できるが、20mmから200mmの範囲と
するのが好ましい。
【0031】本発明の冷却気体循環型冷却構造体は、対
象設備の耐火物の損傷を軽減する必要のある任意の場所
に設置することができる。冷却しない通常のれんがの一
部を本発明の冷却構造体と置き換えてもよいし、必要な
らば全面に設置してもよい。
【0032】本発明の冷却気体循環型冷却構造体は上記
の構成を有しており、この冷却構造体を用い、以下に述
べる方法によって耐火れんがの本体を効果的に冷却する
ことができる。
【0033】前記(2)の発明は、上記(1)の本発明
の冷却構造体の使用方法(以下、「本発明方法」ともい
う)である。
【0034】この方法を実施するには、例えば、前記の
図1に示した本発明の冷却構造体を耐火物の損傷を抑制
しようとする箇所に設置し、まず、冷却気体の導入
(出)孔6から冷却気体を導入する。導入された冷却気
体は、冷却気体導入(出)風箱5を経て、冷却気体流入
(出)孔4aから金属管2の外管2−1内に流入し、外
管2−1と内管2−2の間の隙間を通過する間に耐火れ
んがの熱を奪ってこれを冷却する。その結果高温になっ
た冷却気体は、外管2−1の先端閉塞面と内管2−2の
解放された先端との間の間隙を通過して内管2−2内に
流入し、冷却気体導出(入)風箱8を経て導出(入)孔
7から排出される。なお、冷却気体の入り側、出側を逆
にして、冷却気体を導出(入)孔7から導入し、導入
(出)孔6から排出することも当然可能であり、必要に
応じて変更することができる。
【0035】本発明方法では、この排出される高温の冷
却気体を回収して、冷却後、再度冷却気体として循環使
用する。既存の、あるいは公知の冷却設備を用いて冷却
した後、再使用してもよいし、適切な熱交換器により冷
却気体が有する顕熱を回収した後、循環使用してもよ
い。
【0036】冷却気体としては安価な窒素を用いればよ
いが、必要に応じて、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素
等の反応性の低いガスを使用することもできる。
【0037】上記本発明方法によれば、転炉、真空脱ガ
ス装置等の溶融金属反応炉、および取鍋等の溶融金属保
持容器、溶融還元炉等における耐火物の損耗を抑制する
ことができ、耐火物コスト(築炉コストおよび人件費)
を低減することができる。また、冷却気体を炉内に流入
させず、耐火物の冷却のみに用いることが可能になるの
で、従来の冷却気体貫通型冷却構造体を使用することに
よる排ガスおよび溶融金属への冷却気体の混入、冷却気
体のコスト上昇の問題を同時に解決することができる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)10t規模の試験転炉に、受熱面側の寸法
が150mm×150mmで、長さが450mmのマグ
ネシアカーボンれんが(炭素含有量:15重量%)内
に、外径8mm、内径5mmで、受熱面側の末端が閉塞
されたステンレス鋼管25本を中心軸管距離を30mm
として均一に配置した本発明の冷却気体循環型冷却構造
体9本を、縦方向に3段、横方向に3列設置した。な
お、冷却気体循環型冷却構造体の設置位置は、この試験
転炉に、溶銑10tを装入したときの湯面の上方で、湯
面と最下段の冷却気体循環型冷却構造体の下端面の距離
が約300mmの位置とした。
【0039】前記れんが内に配置された各々のステンレ
ス鋼管は、その内部に、外径3mm、内径1mmのステ
ンレス鋼管を備えた二重管構造を有している。外側のス
テンレス鋼管の受熱面側の閉塞端と内側のステンレス鋼
管の受熱面側(炉内側)の解放端の間隔は2mmとし
た。また、外側のステンレス鋼管の受熱面側閉塞端と操
業開始時のれんがの受熱面の間の距離は全て50mmと
した。
【0040】この冷却構造体の冷却気体導入孔を介して
内側ステンレス鋼管に窒素ガスを流入させ、内側ステン
レス鋼管と外側ステンレス鋼管の間を通過させ、外側ス
テンレス鋼管を通して冷却気体導出孔から炉外へ流出さ
せた。窒素ガスの流量は、金属管1本あたり0.6Nm
3 /hであった。
【0041】以上の設備条件で、10tの溶銑を装入
し、約20分の脱炭精錬を5回繰り返し実施した。脱炭
精錬終了後の溶鋼温度は1620℃から1660℃、炭
素含有量は重量%で0.06%〜0.09%、スラグ量
は溶鋼tあたり60kgから75kgであった。
【0042】最後の脱炭精錬が終了してから、冷却気体
循環型冷却構造体とその周囲の通常のマグネシアカーボ
ンれんが(炭素含有量:15重量%)の損耗量を比較し
た。冷却気体循環型冷却構造体の損耗量は、脱炭精錬1
時間あたり0.5mm、通常のマグネシアカーボンれん
がの損耗量は脱炭精錬1時間あたり0.7mmであっ
た。脱炭精錬終了後の溶鋼中の窒素含有量は11ppm
から15ppmであり、冷却気体循環型冷却構造体を使
用しない場合の11ppmから17ppmとほぼ同等で
あった。
【0043】(実施例2)10t規模の試験転炉の最下
段に、受熱面側の寸法が150mm×150mmで、長
さが450mmのマグネシアカーボンれんが(炭素含有
量:15重量%)内に、外径9mm、内径6mmで、受
熱面側の末端が閉塞されたステンレス鋼管49本を中心
軸管距離を20mmとして均一に配置した本発明の冷却
気体循環型冷却構造体9本を、縦方向に3段、横方向に
3列設置した。なお、冷却気体循環型冷却構造体の設置
位置は、この試験転炉に、溶銑10tを装入したときの
湯面の上方で、湯面と最下段の冷却気体循環型冷却構造
体の下端面の距離が約250mmの位置とした。
【0044】前記れんが内に配置された各々のステンレ
ス鋼管は、その内部に、外径4mm、内径2mmのステ
ンレス鋼管を備えた二重管構造を有している。外側のス
テンレス鋼管の受熱面側の閉塞端と内側のステンレス鋼
管の受熱面側の解放端の間隔は2mmとした。
【0045】また、外側のステンレス鋼管の受熱面側閉
塞端と操業開始時のれんがの受熱面の間の距離によって
金属管をふたつのグループに分け、一方のグループで
は、外側ステンレス鋼管の受熱面側閉塞端と操業開始時
のれんがの受熱面の間の距離を50mmとし、他のグル
ープでは100mmとした。この二つのグループの金属
管を交互に配置した。
【0046】この冷却構造体の冷却気体導入孔を介して
内側ステンレス鋼管にアルゴンガスを流入させ、内側ス
テンレス鋼管と外側ステンレス鋼管の間を通過させ、外
側ステンレス鋼管を通して冷却気体導出孔から炉外へ流
出させた。アルゴンガスの流量は、金属管1本あたり
1.0Nm3 /hであった。
【0047】以上の設備条件で、10tの溶銑を装入
し、約15分の脱炭精錬を5回繰り返し実施した。脱炭
精錬終了後の溶鋼温度は1630℃から1650℃、炭
素含有量は重量%で0.05%から0.08%、スラグ
量は溶鋼tあたり65kgから80kgであった。
【0048】最後の脱炭精錬が終了してから、冷却気体
循環型冷却構造体とその周囲の通常のマグネシアカーボ
ンれんが(炭素含有量:15重量%)の損耗量を比較し
た。冷却気体循環型冷却構造体の損耗量は、脱炭精錬1
時間あたり0.4mm、通常のマグネシアカーボンれん
がの損耗量は脱炭精錬1時間あたり0.7mmであっ
た。脱炭精錬終了後の溶鋼中窒素含有量は12ppmか
ら16ppmであり、冷却気体循環型冷却構造体を使用
しない場合の11ppmから17ppmとほぼ同等であ
った。
【0049】(実施例3)10t規模の試験転炉の最下
段に、受熱面側の寸法が150mm×150mmで、長
さが450mmのマグネシアカーボンれんが(炭素含有
量:15重量%)内に、外径10mm、内径8mmで、
受熱面側の末端が閉塞されたステンレス鋼管25本を中
心軸管距離を30mmとして均一に配置した本発明の冷
却気体循環型冷却構造体9本を、縦方向に3段、横方向
に3列設置した。なお、冷却気体循環型冷却構造体の設
置位置は、この試験転炉に、溶銑10tを装入したとき
の湯面の上方で、湯面と最下段の冷却気体循環型冷却構
造体の下端面の距離が約300mmの位置とした。
【0050】前記れんが内に配置された各々のステンレ
ス鋼管は、その内部に、外径6mm、内径3mmのアル
ミナ管を備えた二重管構造を有している。外側のステン
レス鋼管の受熱面側の閉塞端と内側のステンレス鋼管の
受熱面側の解放端の間隔は2mmとした。また、外側の
ステンレス鋼管の受熱面側閉塞端と操業開始時のれんが
の受熱面の間の距離は全て50mmとした。
【0051】この冷却構造体の冷却気体導入孔を介して
外側ステンレス鋼管に窒素ガスを流入させ、外側ステン
レス鋼管と内側のアルミナ管の間を通過させ、内側のア
ルミナ管を通して冷却気体導出孔から炉外へ流出させ
た。窒素ガスの流量は、金属管1本あたり0.6Nm3
/hであった。
【0052】以上の設備条件で、10tの溶銑を装入
し、約20分の脱炭精錬を5回繰り返し実施した。脱炭
精錬終了後の溶鋼温度は1625℃から1665℃、炭
素含有量は重量%で0.05%から0.06%、スラグ
量は溶鋼tあたり65kgから75kgであった。
【0053】最後の脱炭精錬が終了してから、冷却気体
循環型冷却構造体とその周囲の通常のマグネシアカーボ
ンれんが(炭素含有量:15重量%)の損耗量を比較し
た。冷却気体循環型冷却構造体の損耗量は、脱炭精錬1
時間あたり0.3mm、通常のマグネシアカーボンれん
がの損耗量は脱炭精錬1時間あたり0.6mmであっ
た。脱炭精錬終了後の溶鋼中窒素含有量は12ppmか
ら15ppmであり、冷却気体循環型冷却構造体を使用
しない場合の11ppmから17ppmとほぼ同等であ
った。
【0054】(実施例4)10t規模の試験転炉の最下
段に、受熱面側の寸法が150mm×150mmで、長
さが450mmのマグネシアカーボンれんが(炭素含有
量:15重量%)内に、外径8mm、内径5mmで、受
熱面側の末端が閉塞されたステンレス鋼管25本を中心
軸管距離を30mmとして均一に配置した本発明の冷却
気体循環型冷却構造体9本を、縦方向に3段、横方向に
3列設置した。なお、冷却気体循環型冷却構造体の設置
位置は、この試験転炉に、溶銑10tを装入したときの
湯面の上方で、湯面と最下段の冷却気体循環型冷却構造
体の下端面の距離が約300mmの位置とした。
【0055】前記れんが内に配置された各々のステンレ
ス鋼管は、その内部に、外径3mm、内径1mmのステ
ンレス鋼管を備えた二重管構造を有している。外側のス
テンレス鋼管の受熱面側の閉塞端と内側のステンレス鋼
管の受熱面側の解放端の間隔は2mmとした。また、外
側のステンレス鋼管の受熱面側閉塞端と操業開始時のれ
んがの受熱面の間の距離は全て50mmとした。
【0056】この冷却構造体の冷却気体導入孔を介して
内側のステンレス鋼管に窒素ガスを流入させ、内側のス
テンレス鋼管と外側ステンレス鋼管の間を通過させ、外
側ステンレス鋼管を通して冷却気体導出孔からガス冷却
機能および再使用機能を有する処理装置に導入した。こ
の処理装置で、高温の窒素ガスを室温まで冷却した後、
再び冷却気体循環型冷却構造体へと循環使用した。窒素
ガスの流量は、金属管1本あたり0.6Nm3 /hであ
った。
【0057】以上の設備条件で、10tの溶銑を装入
し、約20分の脱炭精錬を5回繰り返し実施した。脱炭
精錬終了後の溶鋼温度は1620℃から1665℃、炭
素含有量は重量%で0.06%から0.10%、スラグ
量は溶鋼tあたり70kgから85kgであった。
【0058】最後の脱炭精錬が終了してから、冷却気体
循環型冷却構造体とその周囲の通常のマグネシアカーボ
ンれんが(炭素含有量:15重量%)の損耗量を比較し
た。冷却気体循環型冷却構造体の損耗量は、脱炭精錬1
時間あたり0.4mm、通常のマグネシアカーボンれん
がの損耗量は脱炭精錬1時間あたり0.65mmであっ
た。脱炭精錬終了後の溶鋼中窒素含有量は10ppmか
ら17ppmであり、冷却気体循環型冷却構造体を使用
しない場合の11ppmから17ppmとほぼ同等であ
った。
【0059】
【発明の効果】本発明の冷却気体循環型冷却構造体を使
用することにより、転炉、真空脱ガス装置等の溶融金属
反応炉、および取鍋等の溶融金属保持容器、溶融還元炉
等における耐火物の損耗を抑制することができ、耐火物
コストを低減することができる。また、冷却気体を炉内
に流入させず、耐火物の冷却のみに用いることが可能に
なるので、従来の冷却気体貫通型冷却構造体を使用する
ことによる溶融金属へのガスの吸収、冷却気体のコスト
上昇等の問題を同時に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却気体循環型冷却構造体の一例の一
部の構成を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1:耐火れんが 2:金属管 2−1:外管 2−2:内管 3:接合部 4a:冷却気体流入(出)孔 4b:冷却気体流出(入)孔 5:冷却気体導入(出)風箱 6:冷却気体導入(出)孔 7:冷却気体導出(入)孔 8:冷却気体導出(入)風箱

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却気体を送通するための二重管構造の管
    の先端が受熱面に面するように埋設された耐火れんが製
    の冷却構造体であって、外管は受熱面側の先端部が閉塞
    され、非受熱面側の末端部に冷却気体流入孔または流出
    口を備え、内管は両端が開放され、受熱面側の先端部は
    外管の先端閉塞面との間に隙間を備え、非受熱面側の解
    放部は冷却気体流出孔または流入孔であることを特徴と
    する冷却気体循環型冷却構造体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の冷却気体循環型冷却構造
    体の冷却気体流入孔から冷却気体を送通して耐火れんが
    を冷却し、冷却気体流出孔から排出される前記冷却気体
    を回収して、冷却後、再度冷却気体として循環使用する
    ことを特徴とする冷却気体循環型冷却構造体の使用方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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