JP3121894B2 - 金属溶解炉 - Google Patents

金属溶解炉

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JP3121894B2 JP03346409A JP34640991A JP3121894B2 JP 3121894 B2 JP3121894 B2 JP 3121894B2 JP 03346409 A JP03346409 A JP 03346409A JP 34640991 A JP34640991 A JP 34640991A JP 3121894 B2 JP3121894 B2 JP 3121894B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属溶解炉に関し、特に
普通鋼のスクラップを炉内排ガスの顕熱により連続的に
予熱しつつ炉に供給することができる金属溶解炉に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本発
明の理解を容易ならしめるために、まず、関連技術につ
いて簡単に説明する。本発明は金属溶解炉に関するもの
であるが、鉄系原料を溶解精錬する製鋼法としては、1
860年に登場した平炉法が長く主流の座にあった。こ
の平炉法は、「(a) 鉄系原料である銑鉄とスクラップの
配合比率を大幅に変えることができ、経済的に最も有利
な配合比率を選択できる。(b) 普通鋼から高級鋼まで広
範囲の鋼種に対応できる。」等の長所を有するが、一
方、「生産性が低く(LD転炉の1/3〜1/4程
度)、熱効率が低い(LD転炉の約2/3)。」等の短
所も有している。そこで、これらの欠点を克服する優れ
た製鋼法として純酸素上吹転炉(LD転炉)が出現した
(1953年)。
【0003】LD転炉法では熱源として溶銑の顕熱と、
溶銑中に含まれているCやSi等の燃焼熱を利用するた
め、スクラップ100%の溶解精錬は行えず、溶銑中に
適正比率のスクラップを配合して溶解精錬が行われてい
る。このようにLD転炉では溶鋼を得るために、吹き込
まれた酸素と溶銑中のCやSi等との反応熱を利用して
いるが、通常、溶鋼を得るに必要とされる熱量以上の余
剰熱が発生するため、適当な冷却材を炉内に装入する必
要がある。この冷却材としての役目を果たすのがスクラ
ップであって、過度にスクラップを装入すると炉内熱バ
ランスがくずれ安定操業を維持できない。そのため、ス
クラップ装入比率(通常「スクラップ比」と称されてい
る)は一定以上に上げられない。
【0004】ところで、精錬操業のフレキシビリティを
増すためには、このスクラップ比はできるだけ高い方が
好ましい。この点に関して、LD転炉より前(1899
年)に実稼働に入った電気炉は、LD転炉に比べて生産
量はやや低いが装入スクラップの配合比率を変えること
により幅広い鋼種に対応でき、特殊元素の添加等により
高級鋼の製造に優れた特長を発揮する。この電気炉法
は、スクラップおよび金属溶湯面と電極との間に生じる
極めて高温のアークによりスクラップや金属溶湯が直接
加熱される上に、アークがスクラップ層内にある期間が
長く、アークの発生する輻射熱の大部分が効率よく吸収
される。このように、電気炉法においては短時間に効率
よく精錬を行うことが可能であり、この精錬に際し、炉
内からは高温(千数百℃以上)のガスが排出されるの
で、この排ガス顕熱を利用して炉内に装入するスクラッ
プの予熱が行われているが、以下のような問題がある。
【0005】予熱温度が最高350℃程度と低い。 予熱後の排ガス温度が大幅に変化するため、排ガス顕
熱の利用率が低い。 セミオープン式のため、排ガスによる悪臭・粉塵が発
生する。 バッチ式で操業されるため、煩雑なハンドリングが多
い。
【0006】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、排ガ
ス顕熱を有効に利用し、予熱温度が高く、悪臭・粉塵の
発生がなく、煩雑なハンドリングを必要としない、スク
ラップ連続予熱式の金属溶解炉を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨は、炉頂部開口に排ガスダクトを連設す
るとともに該排ガスダクトにスクラップ装入シュートを
接続し、該シュート下方に炉内装入用スクラップを磁力
で保持する磁性体を配設したことを特徴とする金属溶解
炉にある。
【0008】本発明は鋼の磁性の温度による変化を利用
して炉内装入用スクラップを予熱するものであるため、
普通鋼に適用するのが好ましい。
【0009】
【作用】装入シュートから装入されたスクラップを磁性
体で磁力により保持する。すると、保持されたスクラッ
プは炉から排出される高温のガスにより徐々に加熱さ
れ、やがてその温度が磁気変態点(A2 変態点)以上に
なると非磁性化して炉内に落下する。このようにして装
入シュートから装入したスクラップを連続的に予熱しつ
つ炉内に供給することができる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係る金属溶解炉の断面図である。
図において、1は内面に耐火レンガ2を張設してなる金
属溶解炉で、炉内の鉄浴3に対して炉底部には微粉炭等
の燃料と酸素ガスを炉内に吹き込むための底吹き羽口4
が複数個設けられている。5は溶湯を排出する出鋼口
で、鉄浴3上のスラグ浴6に対して炉側壁に排滓口7お
よび二次燃焼用酸素ガスを吹き込むための横吹き羽口8
を設け、さらに炉頂部開口を突設し、この突設部9に排
ガスダクト10を連設し、この排ガスダクト10にはス
クラップ装入シュート11が接続されている。12は造
滓材を装入するシュートである。そして、突設部9の周
囲は電磁石13によって包囲されており、さらに、この
電磁石13は水冷板14によって水冷されている。
【0011】次に、図に基づいて本発明に係る金属溶解
炉のスクラップ溶解精錬プロセスについて説明する。
【0012】(1) 鉄浴3内における反応 底吹き羽口4から炉内に吹き込まれた微粉炭は分解し、
その中のCは鉄浴3中に溶解する。このようにして溶解
したCは、下記の式に示す反応により同じく鉄浴3中
に吹き込まれた酸素と鉄浴中で反応するので、反応速度
は極めて早く、且つ発生した燃焼熱も極めて効率よく鉄
浴に吸収される。 C+1/2 O2 → CO Cの一部はCO2 ガスとなるが、鉄浴中にはCが多量
(4〜5%)に含まれているので、発生ガスの組成比
(CO/(CO+CO2 ))はブードワールの平衡曲線
によって決まる値に近い値、例えば0.98(1400
℃)になる。従って鉄浴3から出てくるガス中に含まれ
るCO2 濃度は極めて低い。また、微粉炭中のHも鉄浴
3内で直ちに分解し、CやCOガスと反応しながら、一
部はH2 ガス、一部はH2 Oガスとなって鉄浴3から出
ていく。このガス中の(H2 /(H2 +H2 O))比は
0.9以上であり、H2 O含有量は非常に低い。
【0013】以上説明したように、鉄浴3から出るガス
のほとんどは可燃性ガスであるCOガスとH2 ガスから
なっており、そのガスの保有する化学的エネルギー(燃
焼潜熱)は膨大である。従ってこれらのガスをそのまま
炉外へ排出するならば、プロセスの総括熱効率は極めて
低くなる。そこで、鉄浴3で発生する反応ガスを有効利
用するために適用される技術が二次燃焼法である。この
二次燃焼法は、「炉内上部空間に純酸素を吹き込み、鉄
浴3から排出されたガスを炉内で燃焼させ、その際に発
生した熱の一部を鉄浴3に吸収させようとする方法」で
ある。本実施例においては、この二次燃焼を以下に説明
するように、スラグ浴6内で行おうとするものである。
【0014】(2) スラグ浴6内の反応 このスラグ浴6内では、鉄浴3からスラグ浴6内に浮上
したガスの保有する燃焼潜熱を有効利用するために、横
吹き羽口8から二次燃焼用酸素が吹き込まれ、この二次
燃焼用酸素と鉄浴3出口ガスとが反応し、このときに発
生する熱は金属原料の溶解に利用される。ところで、こ
の二次燃焼率が高いほど鉄浴3出口ガスの保有する燃焼
潜熱を有効に利用したことになるが、実際の操業との関
係から二次燃焼率が高すぎた場合、その燃焼熱を鉄浴3
に効果的に吸収できないことがある。というのは、二次
燃焼率が高すぎると、「(a) スラグの温度が上昇しすぎ
てスラグのフォーミングが激しくなり、スロッピングが
起こり、操業が阻害される。(b) スラグの量、性状、温
度ならびにスラグ浴面の変化により耐火材の消耗が激し
くなる。(c) 排ガス温度の上昇により、設備に対する負
荷が増大する。」等の問題が生じるからである。かくし
て、二次燃焼率の上限は30〜50%程度が好ましく、
二次燃焼により発生した熱の約90%を鉄浴3に吸収す
ることができる。
【0015】(3) スクラップ連続予熱プロセス 次に、本発明の最大の特徴であるスクラップ連続予熱プ
ロセスについて説明する。すなわち本発明では、炉頂部
開口の突設部9を電磁石13で包囲しているため、シュ
ート11から装入されるスクラップ(普通鋼)は突設部
9付近で磁力により保持され、直ぐには炉内に落下しな
い。そして、スラグ浴6内で二次燃焼した後の極めて高
温(1400〜1500℃)の排ガスによりスクラップ
は加熱され、やがて磁気変態点(A2 変態点=約723
℃)に達すると非磁性化して下部のスクラップより炉内
に落下していく。このようにしてシュート11から連続
的に装入されたスクラップは一定温度に予熱されつつ連
続的に炉内に供給される。
【0016】(4) 脱炭精錬プロセス 上記したように、底吹き羽口4から炉内に吹き込まれた
微粉炭は鉄浴3内でCOガス、あるいはH2 ガスとなる
際に反応熱を発生し、さらに、これらのガスはスラグ浴
6内で二次燃焼して二次燃焼熱を発生し、それらの燃焼
熱と鉄浴3の顕熱により炉内に装入された予熱後のスク
ラップは溶解し、やがて鉄浴3の温度が規定温度に達す
ると、炉内への微粉炭の装入を停止し、酸素のみを底吹
き羽口4から炉内に吹き込む。そして、上記式に従っ
て鉄浴3中に存在するCを取り除き、溶鋼を得る。この
溶鋼は、下部の出鋼口5から取り出される。なお、出鋼
口5と排滓口7の開孔と閉止は、高炉などで用いている
開孔機(図示せず)とマッドガン(図示せず)により行
うことができる。
【0017】このようにして、燃料(微粉炭)の保有す
る燃焼潜熱を鉄浴3に極めて効率よく伝達し、シュート
11から装入されたスクラップを予熱した後の燃焼排ガ
ス(約600℃)は、図示しないガス冷却装置、集塵装
置を経てガス回収装置に回収される。上記の反応過程に
おいて、炉内のスラグ量を所定量に保つため、炉側壁に
設けた排滓口7からは適宜スラグの排出が行われ、炉頂
のシュート12からは適宜造滓材が投入される。また、
上記プロセスの省エネルギー対策として、炉内吹き込み
用酸素を燃焼排ガスにより予熱することもできる。例え
ば、純酸素を600℃に予熱すると仮定すると、燃料
(石炭)単位重量当たり炉内に吸収される熱量は約10
%増加する。なお、本発明のスクラップ連続予熱プロセ
スの開始時には、まず反応の媒体である初期鉄浴(湯溜
まり)を設ける必要があるが、その方法としては、「天
然ガス等を燃料とするバーナでスクラップの一部を加熱
溶解する。」か、「電気アークによりスクラップの一部
を加熱溶解する。」か、または「溶鋼の一部を炉内に残
す。」等の方法を採用することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、以下のような効果を奏する。 装入シュートから装入されて炉頂部付近で磁力で保
持されたスクラップは、燃焼排ガスにより加熱されつつ
一定温度に達すると最下部のスクラップより連続的に炉
内に落下するので、適宜適量のスクラップを補給すれ
ば、一定品質の溶鋼を連続的に得ることができる。 鋼の磁気変態点は約723℃であることから、従来
(電気炉)の予熱方式に比べて2倍以上の温度までスク
ラップを予熱することができ、さらに磁気ゾーンの長さ
を適当に設けることにより、低い温度域まで燃焼排ガス
との熱交換が可能となり、排ガス顕熱を効果的に回収す
ることができる。 スクラップ予熱は磁力により行われるから、スクラ
ップが一定温度になるまで保持するための機械的構造物
(例えば、可動格子等)が不要であり、設備を簡略化す
ることができる。 連続的にクローズドシステムで溶鋼を得ることがで
きるから、悪臭・粉塵等の問題も発生しない。 排ガス温度が低く(約600℃)一定であるため、
冷却・防臭処理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属溶解炉の断面図である。
【符号の説明】
1…金属溶解炉 3…鉄浴 6…スラグ浴 10…排ガスダクト 11…スクラップ装入シュート 13…電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−18016(JP,A) 特公 平1−43805(JP,B2) 特表 平3−505625(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 3/00 - 3/28 F27D 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉頂部開口に排ガスダクトを連設すると
    ともに該排ガスダクトにスクラップ装入シュートを接続
    し、該シュート下方に炉内装入用スクラップを磁力で保
    持する磁性体を配設したことを特徴とする金属溶解炉。
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