JPH10331625A - 吸着剤のhc吸着量検出装置およびこの検出装置を用いたエンジンの排気浄化装置 - Google Patents
吸着剤のhc吸着量検出装置およびこの検出装置を用いたエンジンの排気浄化装置Info
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- JPH10331625A JPH10331625A JP9142380A JP14238097A JPH10331625A JP H10331625 A JPH10331625 A JP H10331625A JP 9142380 A JP9142380 A JP 9142380A JP 14238097 A JP14238097 A JP 14238097A JP H10331625 A JPH10331625 A JP H10331625A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸着条件において吸着剤の入口排気温度より
吸着剤出口温度が低くなることがあっても、HC吸着量
を精度よく算出する。 【解決手段】 吸着剤21の入口排気温度Tinを検出手
段22が、吸着剤21の実際の温度TKJを検出手段23
が検出する。吸着条件にあるとき入口排気温度Tinとエ
ンジンの負荷に基づいて吸着熱が生じないとしたときの
吸着剤温度を予測手段25が予測し、この吸着剤温度の
予測値と前記吸着剤温度の検出値(吸着熱が発生してい
るときの温度)の差に応じて算出手段26が吸着熱を算
出する。この吸着熱に応じてHC吸着量を算出手段27
が算出する。
吸着剤出口温度が低くなることがあっても、HC吸着量
を精度よく算出する。 【解決手段】 吸着剤21の入口排気温度Tinを検出手
段22が、吸着剤21の実際の温度TKJを検出手段23
が検出する。吸着条件にあるとき入口排気温度Tinとエ
ンジンの負荷に基づいて吸着熱が生じないとしたときの
吸着剤温度を予測手段25が予測し、この吸着剤温度の
予測値と前記吸着剤温度の検出値(吸着熱が発生してい
るときの温度)の差に応じて算出手段26が吸着熱を算
出する。この吸着熱に応じてHC吸着量を算出手段27
が算出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は吸着剤のHC吸着
量検出装置およびこの検出装置を用いたエンジンの排気
浄化装置に関する。
量検出装置およびこの検出装置を用いたエンジンの排気
浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン冷間始動直後は排気温度が低く
三元触媒が活性化する温度(300℃前後)に達しない
ことから、HC(炭化水素)の浄化がほとんど行われな
い。このため、排気系に吸着剤を設けておき、冷間始動
直後に浄化されずに排出されるHCをこの吸着剤に吸着
させ、その後に吸着剤よりHCを離脱させて燃焼させる
ようにしたものがある。
三元触媒が活性化する温度(300℃前後)に達しない
ことから、HC(炭化水素)の浄化がほとんど行われな
い。このため、排気系に吸着剤を設けておき、冷間始動
直後に浄化されずに排出されるHCをこの吸着剤に吸着
させ、その後に吸着剤よりHCを離脱させて燃焼させる
ようにしたものがある。
【0003】この場合、吸着剤は、高温の排気に晒され
たり、排気中に含まれるオイル分が付着堆積したりする
ことによって劣化し、HCの吸着性能が低下することが
あるので、吸着熱(吸着剤がHCを吸着するときに発生
する熱)を利用して吸着剤に劣化が生じたかどうかの判
定を行うものが提案されている(特開平6−10145
2号公報参照)。
たり、排気中に含まれるオイル分が付着堆積したりする
ことによって劣化し、HCの吸着性能が低下することが
あるので、吸着熱(吸着剤がHCを吸着するときに発生
する熱)を利用して吸着剤に劣化が生じたかどうかの判
定を行うものが提案されている(特開平6−10145
2号公報参照)。
【0004】このものでは、吸着剤の入口と出口の各排
気温度を検出し、この温度差に吸入空気量を乗じた値か
ら所定期間当たりの吸着熱量を算出し、この吸着熱量を
所定期間にわたって積算することによって総吸着熱量を
求め、この総吸着熱量と目標総吸着熱量とを比較する。
吸着剤の劣化が進むほど吸着熱の発生量が減ってくるの
で、総吸着熱量が目標総吸着熱量以下となったとき吸着
剤に劣化が生じたと判定するわけである。
気温度を検出し、この温度差に吸入空気量を乗じた値か
ら所定期間当たりの吸着熱量を算出し、この吸着熱量を
所定期間にわたって積算することによって総吸着熱量を
求め、この総吸着熱量と目標総吸着熱量とを比較する。
吸着剤の劣化が進むほど吸着熱の発生量が減ってくるの
で、総吸着熱量が目標総吸着熱量以下となったとき吸着
剤に劣化が生じたと判定するわけである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来装置では、加速時やホットリスタート時など吸着剤
の入口排気温度が吸着剤の出口排気温度(あるいは吸着
剤出口部の内部温度)より高くなる場合に、吸着熱を求
めることができないので、総吸着熱量の演算精度が悪
く、その分だけ劣化判定の精度が低下する。
従来装置では、加速時やホットリスタート時など吸着剤
の入口排気温度が吸着剤の出口排気温度(あるいは吸着
剤出口部の内部温度)より高くなる場合に、吸着熱を求
めることができないので、総吸着熱量の演算精度が悪
く、その分だけ劣化判定の精度が低下する。
【0006】これは、吸着条件において吸着剤の入口排
気温度よりも吸着熱の発生する分だけ吸着剤出口温度が
高くなることを前提とする従来装置では、吸着剤の入口
排気温度よりも吸着剤出口温度が低い場合に、そのとき
の温度差と吸入空気量を乗じた値が吸着熱に応じた値と
ならないからである。これをさらに詳述すると、たとえ
ば冷間始動直後の吸着条件で急加速を行ったとき、吸着
剤に流入する排気の温度が高温となり、これに対して吸
着剤そのものの温度はまだ低い状態にある。この場合、
排気の熱は吸着剤に熱伝達し、吸着剤の昇温に奪われる
ため、吸着剤の出口排気温度が入口排気温度に対して低
下してしまう。温度的に安定した条件であれば吸着熱に
より吸着剤の入口排気温度よりも出口排気温度が高くな
り、その差が吸着熱に対応するのであるが、吸着剤の昇
温に排気の熱が奪われる条件では、入口と出口の排気温
度差が吸着熱に応じた値とならないのである。
気温度よりも吸着熱の発生する分だけ吸着剤出口温度が
高くなることを前提とする従来装置では、吸着剤の入口
排気温度よりも吸着剤出口温度が低い場合に、そのとき
の温度差と吸入空気量を乗じた値が吸着熱に応じた値と
ならないからである。これをさらに詳述すると、たとえ
ば冷間始動直後の吸着条件で急加速を行ったとき、吸着
剤に流入する排気の温度が高温となり、これに対して吸
着剤そのものの温度はまだ低い状態にある。この場合、
排気の熱は吸着剤に熱伝達し、吸着剤の昇温に奪われる
ため、吸着剤の出口排気温度が入口排気温度に対して低
下してしまう。温度的に安定した条件であれば吸着熱に
より吸着剤の入口排気温度よりも出口排気温度が高くな
り、その差が吸着熱に対応するのであるが、吸着剤の昇
温に排気の熱が奪われる条件では、入口と出口の排気温
度差が吸着熱に応じた値とならないのである。
【0007】そこで本発明は、吸着熱が発生しないとし
たときの吸着剤温度(内部温度や出口温度)を予測し、
この吸着剤温度の予測値と吸着剤温度の実測値の差から
算出した吸着熱に応じてHC吸着量を算出することによ
り、吸着条件において吸着剤の入口排気温度より吸着剤
出口温度が低くなることがあっても、HC吸着量を精度
よく算出することを第1の目的とし、さらにこの算出し
たHC吸着量を用いて吸着剤の劣化判定や吸着剤からの
HCの離脱制御を行うことにより、吸着条件において吸
着剤入口温度よりも吸着剤出口温度が低くなることがあ
っても、劣化判定精度や離脱制御の制御性を高めること
を第2の目的とする。
たときの吸着剤温度(内部温度や出口温度)を予測し、
この吸着剤温度の予測値と吸着剤温度の実測値の差から
算出した吸着熱に応じてHC吸着量を算出することによ
り、吸着条件において吸着剤の入口排気温度より吸着剤
出口温度が低くなることがあっても、HC吸着量を精度
よく算出することを第1の目的とし、さらにこの算出し
たHC吸着量を用いて吸着剤の劣化判定や吸着剤からの
HCの離脱制御を行うことにより、吸着条件において吸
着剤入口温度よりも吸着剤出口温度が低くなることがあ
っても、劣化判定精度や離脱制御の制御性を高めること
を第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図10に
示すように、エンジン低温時に排気中のHCを吸着する
吸着剤21と、この吸着剤21の入口排気温度Tinを検
出する手段22と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを
検出する手段23と、前記吸着剤21が前記HCを吸着
する条件にあるかどうかを判定する手段24と、この判
定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度Tinと
エンジンの負荷(たとえば吸入空気量QA)に基づいて
吸着熱が生じないとしたときの前記吸着剤温度を予測す
る手段25と、この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温
度の検出値の差に応じて吸着熱を算出する手段26と、
この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段27とを
設けた。
示すように、エンジン低温時に排気中のHCを吸着する
吸着剤21と、この吸着剤21の入口排気温度Tinを検
出する手段22と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを
検出する手段23と、前記吸着剤21が前記HCを吸着
する条件にあるかどうかを判定する手段24と、この判
定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度Tinと
エンジンの負荷(たとえば吸入空気量QA)に基づいて
吸着熱が生じないとしたときの前記吸着剤温度を予測す
る手段25と、この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温
度の検出値の差に応じて吸着熱を算出する手段26と、
この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段27とを
設けた。
【0009】第2の発明では、第1の発明において前記
吸着熱が正の値のとき前記吸着条件であると判定する。
吸着熱が正の値のとき前記吸着条件であると判定する。
【0010】第3の発明では、第1または第2の発明に
おいて前記吸着熱算出手段26が、図11に示すよう
に、吸入空気量QAと設定空燃比A/Fに基づいて排気
の熱容量NHを算出する手段31と、この排気の熱容量
NH、前記吸着剤の熱容量NK、前記入口排気温度Tinお
よび前回の吸着剤温度の予測値TKn-1を用いて今回の吸
着剤温度の予測値TKnを算出する手段32と、この今回
の吸着剤温度の予測値TKnと前記吸着剤温度の検出値T
KJの差を前記排気の熱容量NHと前記吸着剤の熱容量NK
の和に乗算した値を所定期間(たとえば所定時間)当た
りの吸着熱量Knとして算出する手段33と、この所定
期間当たりの吸着熱量Knを前記吸着条件のあいだ積算
する手段34と、前記今回の吸着剤温度の予測値TKnを
次回の吸着剤温度の予測値の算出まで記憶する手段35
とからなる。
おいて前記吸着熱算出手段26が、図11に示すよう
に、吸入空気量QAと設定空燃比A/Fに基づいて排気
の熱容量NHを算出する手段31と、この排気の熱容量
NH、前記吸着剤の熱容量NK、前記入口排気温度Tinお
よび前回の吸着剤温度の予測値TKn-1を用いて今回の吸
着剤温度の予測値TKnを算出する手段32と、この今回
の吸着剤温度の予測値TKnと前記吸着剤温度の検出値T
KJの差を前記排気の熱容量NHと前記吸着剤の熱容量NK
の和に乗算した値を所定期間(たとえば所定時間)当た
りの吸着熱量Knとして算出する手段33と、この所定
期間当たりの吸着熱量Knを前記吸着条件のあいだ積算
する手段34と、前記今回の吸着剤温度の予測値TKnを
次回の吸着剤温度の予測値の算出まで記憶する手段35
とからなる。
【0011】第4の発明では、第3の発明において前記
今回の吸着剤温度の予測値と前記所定期間当たりの吸着
熱量の各算出に前記吸着剤から外気への放熱量を考慮す
る。
今回の吸着剤温度の予測値と前記所定期間当たりの吸着
熱量の各算出に前記吸着剤から外気への放熱量を考慮す
る。
【0012】第5の発明では、第1から第4までのいず
れか一つの発明において、前記吸着剤温度が前記吸着剤
の内部温度または出口温度である。
れか一つの発明において、前記吸着剤温度が前記吸着剤
の内部温度または出口温度である。
【0013】第6の発明は、図12に示すように、エン
ジン低温時に排気中のHCを吸着する吸着剤21と、こ
の吸着剤21の入口排気温度Tinを検出する手段22
と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを検出する手段2
3と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件にある
かどうかを判定する手段24と、この判定結果より吸着
条件にあるとき前記入口排気温度Tinとエンジンの負荷
(たとえば吸入空気量QA)に基づいて吸着熱を生じな
いとしたときの前記吸着剤温度を予測する手段25と、
この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段26と、この吸着熱に応
じてHC吸着量を算出する手段27と、このHC吸着量
と目標吸着量との比較から前記吸着剤21に劣化が生じ
たかどうかを判定する手段41とを設けた。
ジン低温時に排気中のHCを吸着する吸着剤21と、こ
の吸着剤21の入口排気温度Tinを検出する手段22
と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを検出する手段2
3と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件にある
かどうかを判定する手段24と、この判定結果より吸着
条件にあるとき前記入口排気温度Tinとエンジンの負荷
(たとえば吸入空気量QA)に基づいて吸着熱を生じな
いとしたときの前記吸着剤温度を予測する手段25と、
この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段26と、この吸着熱に応
じてHC吸着量を算出する手段27と、このHC吸着量
と目標吸着量との比較から前記吸着剤21に劣化が生じ
たかどうかを判定する手段41とを設けた。
【0014】第7の発明では、第6の発明において前記
吸着熱が正の値のとき前記吸着条件であると判定する。
吸着熱が正の値のとき前記吸着条件であると判定する。
【0015】第8の発明では、第6または第7の発明に
おいて前記吸着熱算出手段26が、図13に示すよう
に、吸入空気量QAと設定空燃比A/Fに基づいて排気
の熱容量NHを算出する手段31と、この排気の熱容量
NH、前記吸着剤の熱容量NK、前記入口排気温度Tinお
よび前回の吸着剤温度の予測値TKn-1を用いて今回の吸
着剤温度の予測値TKnを算出する手段32と、この今回
の吸着剤温度の予測値TKnと前記吸着剤温度の検出値T
KJの差を前記排気の熱容量NHと前記吸着剤の熱容量NK
の和に乗算した値を所定期間(たとえば所定時間)当た
りの吸着熱量Knとして算出する手段33と、この所定
期間当たりの吸着熱量Knを所定期間のあいだだけ積算
する手段51と、前記今回の吸着剤温度の予測値TKnを
次回の吸着剤温度の予測値の算出まで記憶する手段35
とからなる。
おいて前記吸着熱算出手段26が、図13に示すよう
に、吸入空気量QAと設定空燃比A/Fに基づいて排気
の熱容量NHを算出する手段31と、この排気の熱容量
NH、前記吸着剤の熱容量NK、前記入口排気温度Tinお
よび前回の吸着剤温度の予測値TKn-1を用いて今回の吸
着剤温度の予測値TKnを算出する手段32と、この今回
の吸着剤温度の予測値TKnと前記吸着剤温度の検出値T
KJの差を前記排気の熱容量NHと前記吸着剤の熱容量NK
の和に乗算した値を所定期間(たとえば所定時間)当た
りの吸着熱量Knとして算出する手段33と、この所定
期間当たりの吸着熱量Knを所定期間のあいだだけ積算
する手段51と、前記今回の吸着剤温度の予測値TKnを
次回の吸着剤温度の予測値の算出まで記憶する手段35
とからなる。
【0016】第9の発明では、第8の発明において前記
今回の吸着剤温度の予測値と前記所定期間当たりの吸着
熱量の各算出に前記吸着剤から外気への放熱量を考慮す
る。
今回の吸着剤温度の予測値と前記所定期間当たりの吸着
熱量の各算出に前記吸着剤から外気への放熱量を考慮す
る。
【0017】第10の発明では、第8または第9の発明
において前記目標吸着量を算出する手段が、吸入空気量
QAに応じて所定期間(たとえば所定時間)当たりのH
C量を算出する手段と、この所定期間当たりのHC量を
前記積算期間と同じ期間のあいだだけ積算する手段と、
このHC積算量RSnに目標吸着率CKを乗算した値を目
標吸着量RMSとして設定する手段とからなる。
において前記目標吸着量を算出する手段が、吸入空気量
QAに応じて所定期間(たとえば所定時間)当たりのH
C量を算出する手段と、この所定期間当たりのHC量を
前記積算期間と同じ期間のあいだだけ積算する手段と、
このHC積算量RSnに目標吸着率CKを乗算した値を目
標吸着量RMSとして設定する手段とからなる。
【0018】第11の発明では、第10の発明において
前記所定期間当たりのHC量を冷却水温TWに応じて補
正する。
前記所定期間当たりのHC量を冷却水温TWに応じて補
正する。
【0019】第12の発明では、第10の発明において
前記所定期間当たりのHC量を前記設定空燃比A/Fに
応じて補正する。
前記所定期間当たりのHC量を前記設定空燃比A/Fに
応じて補正する。
【0020】第13の発明では、第8から第12までの
いずれか一つの発明において前記所定期間がエンジン始
動からの短い期間である。
いずれか一つの発明において前記所定期間がエンジン始
動からの短い期間である。
【0021】第14の発明では、第8から第12までの
いずれか一つの発明において前記所定期間がエンジン始
動に続くアイドル期間である。
いずれか一つの発明において前記所定期間がエンジン始
動に続くアイドル期間である。
【0022】第15の発明は、図14に示すように、エ
ンジン低温時に排気中のHCを吸着する吸着剤21と、
この吸着剤21の入口排気温度Tinを検出する手段22
と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを検出する手段2
3と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件にある
かどうかを判定する手段24と、この判定結果より吸着
条件にあるとき前記入口排気温度Tinとエンジンの負荷
(たとえば吸入空気量QA)に基づいて吸着熱を生じな
いとしたときの前記吸着剤温度を予測する手段25と、
この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段26と、この吸着熱に応
じてHC吸着量を算出する手段27と、前記吸着剤21
の上流に供給する二次空気量を調整可能な手段61と、
前記吸着剤21から前記HCを離脱させる条件であるか
どうかを判定する手段62と、この判定結果より離脱条
件にあるとき前記HC吸着量に応じて前記二次空気量を
制御する手段63とを設けた。
ンジン低温時に排気中のHCを吸着する吸着剤21と、
この吸着剤21の入口排気温度Tinを検出する手段22
と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを検出する手段2
3と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件にある
かどうかを判定する手段24と、この判定結果より吸着
条件にあるとき前記入口排気温度Tinとエンジンの負荷
(たとえば吸入空気量QA)に基づいて吸着熱を生じな
いとしたときの前記吸着剤温度を予測する手段25と、
この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段26と、この吸着熱に応
じてHC吸着量を算出する手段27と、前記吸着剤21
の上流に供給する二次空気量を調整可能な手段61と、
前記吸着剤21から前記HCを離脱させる条件であるか
どうかを判定する手段62と、この判定結果より離脱条
件にあるとき前記HC吸着量に応じて前記二次空気量を
制御する手段63とを設けた。
【0023】第16の発明は、図15に示すように途中
より主通路71とバイパス通路72とに分岐された排気
管と、前記バイパス通路72に流れる排気量を調整可能
な手段73と、前記バイパス通路72に介装され、エン
ジン低温時に排気中のHCを吸着する吸着剤21と、こ
の吸着剤21の入口排気温度Tinを検出する手段22
と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを検出する手段2
3と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件にある
かどうかを判定する手段24と、この判定結果より吸着
条件にあるとき前記バイパス通路72に排気が流れるよ
うに前記排気量調整手段73に指示する手段74と、前
記判定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度T
inとエンジンの負荷(たとえば吸入空気量QA)に基づ
いて吸着熱を生じないとしたときの前記吸着剤温度を予
測する手段25と、この吸着剤温度の予測値と前記吸着
剤温度の検出値の差に応じて吸着熱を算出する手段26
と、この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段27
と、前記吸着剤21から前記HCを離脱させる条件であ
るかどうかを判定する手段62と、この判定結果より離
脱条件にあるとき前記HC吸着量に応じた排気量が前記
バイパス通路72に流れるように前記排気量調整手段7
3に指示する手段75とを設けた。
より主通路71とバイパス通路72とに分岐された排気
管と、前記バイパス通路72に流れる排気量を調整可能
な手段73と、前記バイパス通路72に介装され、エン
ジン低温時に排気中のHCを吸着する吸着剤21と、こ
の吸着剤21の入口排気温度Tinを検出する手段22
と、前記吸着剤21の実際の温度TKJを検出する手段2
3と、前記吸着剤21が前記HCを吸着する条件にある
かどうかを判定する手段24と、この判定結果より吸着
条件にあるとき前記バイパス通路72に排気が流れるよ
うに前記排気量調整手段73に指示する手段74と、前
記判定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度T
inとエンジンの負荷(たとえば吸入空気量QA)に基づ
いて吸着熱を生じないとしたときの前記吸着剤温度を予
測する手段25と、この吸着剤温度の予測値と前記吸着
剤温度の検出値の差に応じて吸着熱を算出する手段26
と、この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段27
と、前記吸着剤21から前記HCを離脱させる条件であ
るかどうかを判定する手段62と、この判定結果より離
脱条件にあるとき前記HC吸着量に応じた排気量が前記
バイパス通路72に流れるように前記排気量調整手段7
3に指示する手段75とを設けた。
【0024】第17の発明では、第15または第16の
発明において前記吸着熱が正の値のとき前記吸着条件で
あると判定する。
発明において前記吸着熱が正の値のとき前記吸着条件で
あると判定する。
【0025】第18の発明では、第15から第17まで
のいずれか一つの発明において前記吸着熱算出手段26
が、図16に示すように、吸入空気量QAと設定空燃比
A/Fに基づいて排気の熱容量NHを算出する手段31
と、この排気の熱容量NH、前記吸着剤の熱容量NK、前
記入口排気温度Tinおよび前回の吸着剤温度の予測値T
Kn-1を用いて今回の吸着剤温度の予測値TKnを算出する
手段32と、この今回の吸着剤温度の予測値TKnと前記
吸着剤温度の検出値TKJの差を前記排気の熱容量NHと
前記吸着剤の熱容量NKの和に乗算した値を所定期間
(たとえば所定時間)当たりの吸着熱量Knとして算出
する手段33と、この所定期間当たりの吸着熱量Knを
前記吸着条件のあいだ積算する手段34と、前記今回の
吸着剤温度の予測値TKnを次回の吸着剤温度の予測値の
算出まで記憶する手段35とからなる。
のいずれか一つの発明において前記吸着熱算出手段26
が、図16に示すように、吸入空気量QAと設定空燃比
A/Fに基づいて排気の熱容量NHを算出する手段31
と、この排気の熱容量NH、前記吸着剤の熱容量NK、前
記入口排気温度Tinおよび前回の吸着剤温度の予測値T
Kn-1を用いて今回の吸着剤温度の予測値TKnを算出する
手段32と、この今回の吸着剤温度の予測値TKnと前記
吸着剤温度の検出値TKJの差を前記排気の熱容量NHと
前記吸着剤の熱容量NKの和に乗算した値を所定期間
(たとえば所定時間)当たりの吸着熱量Knとして算出
する手段33と、この所定期間当たりの吸着熱量Knを
前記吸着条件のあいだ積算する手段34と、前記今回の
吸着剤温度の予測値TKnを次回の吸着剤温度の予測値の
算出まで記憶する手段35とからなる。
【0026】第19の発明では、第18の発明において
前記今回の吸着剤温度の予測値と前記所定期間当たりの
吸着熱量の各算出に前記吸着剤から外気への放熱量を考
慮する。
前記今回の吸着剤温度の予測値と前記所定期間当たりの
吸着熱量の各算出に前記吸着剤から外気への放熱量を考
慮する。
【0027】第20の発明では、第6から第19までの
いずれか一つの発明において前記吸着剤温度が前記吸着
剤の内部温度または出口温度である。
いずれか一つの発明において前記吸着剤温度が前記吸着
剤の内部温度または出口温度である。
【0028】
【発明の効果】第1の発明では、吸着条件において吸着
剤入口排気温度とエンジン負荷から吸着熱が発生しない
としたときの吸着剤温度を予測し、この吸着剤温度の予
測値と吸着剤温度の検出値(吸着熱が発生しているとき
の温度)の差に応じて吸着熱を算出し、この吸着熱に応
じてHC吸着量を算出するので、吸着剤の入口排気温度
が吸着剤出口温度より高い場合においても、HC吸着量
を精度よく算出することができる。
剤入口排気温度とエンジン負荷から吸着熱が発生しない
としたときの吸着剤温度を予測し、この吸着剤温度の予
測値と吸着剤温度の検出値(吸着熱が発生しているとき
の温度)の差に応じて吸着熱を算出し、この吸着熱に応
じてHC吸着量を算出するので、吸着剤の入口排気温度
が吸着剤出口温度より高い場合においても、HC吸着量
を精度よく算出することができる。
【0029】第6の発明では、このようにして算出され
たHC吸着量と目標吸着量との比較から劣化判定を行う
ので、吸着剤の入口排気温度が吸着剤出口温度より高い
場合においても、劣化判定の精度が低下することがな
い。
たHC吸着量と目標吸着量との比較から劣化判定を行う
ので、吸着剤の入口排気温度が吸着剤出口温度より高い
場合においても、劣化判定の精度が低下することがな
い。
【0030】第2、第7、第17の各発明では、吸着熱
が0の値のときが吸着限界のタイミング(吸着できなく
なったタイミング)となるので、エンジンの負荷が小さ
く、吸着剤の入口排気温度が低温となる状態が長時間続
いたときにも正確に吸着終了のタイミングを判定するこ
とができる。
が0の値のときが吸着限界のタイミング(吸着できなく
なったタイミング)となるので、エンジンの負荷が小さ
く、吸着剤の入口排気温度が低温となる状態が長時間続
いたときにも正確に吸着終了のタイミングを判定するこ
とができる。
【0031】冷間始動時にはエンジンの始動とともに吸
着条件になる。第13の発明では、HC量の算出をエン
ジン始動からの短い期間に限定するので、吸着剤から外
気への放熱量の影響を無視でき、これによって吸着剤温
度の予測が簡単になる。
着条件になる。第13の発明では、HC量の算出をエン
ジン始動からの短い期間に限定するので、吸着剤から外
気への放熱量の影響を無視でき、これによって吸着剤温
度の予測が簡単になる。
【0032】第14の発明では、HC吸着量の算出を、
始動に続くアイドル期間だけに限定するので、さらにH
C吸着量の算出負荷を軽減することができる。
始動に続くアイドル期間だけに限定するので、さらにH
C吸着量の算出負荷を軽減することができる。
【0033】吸着剤より離脱させたHCを浄化するため
必要以上に二次空気を導入したのでは、下流に位置する
触媒を冷やすことになり、触媒の浄化性能を落とすおそ
れがあるが、第15の発明では、吸着剤より離脱させる
HC量に応じた量だけの二次空気量を導入することがで
き、これによって、二次空気の過大な導入による触媒の
冷やし過ぎを避けることができる。
必要以上に二次空気を導入したのでは、下流に位置する
触媒を冷やすことになり、触媒の浄化性能を落とすおそ
れがあるが、第15の発明では、吸着剤より離脱させる
HC量に応じた量だけの二次空気量を導入することがで
き、これによって、二次空気の過大な導入による触媒の
冷やし過ぎを避けることができる。
【0034】高温の排気をバイパス通路に設けた吸着剤
に導いてHCを離脱させるとともに、この離脱したHC
を二次空気とともに、下流の三元触媒に導いて浄化する
ようにしている場合に、二次空気量が一定であると、吸
着剤に導入される排気量が多い場合に、吸着剤における
HCの離脱速度(離脱HC濃度)が大きくて触媒に流入
する排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ化すること
があり、このとき触媒でのHCの浄化性能が低下するの
であるが、第16の発明では、HCの離脱条件において
排気量調整手段を介し、吸着剤に導入される排気量をH
C吸着量(したがってHC離脱量)に応じて制御するの
で、触媒のリッチ化を防止し、これによって触媒の浄化
性能の低下を防止することができる。
に導いてHCを離脱させるとともに、この離脱したHC
を二次空気とともに、下流の三元触媒に導いて浄化する
ようにしている場合に、二次空気量が一定であると、吸
着剤に導入される排気量が多い場合に、吸着剤における
HCの離脱速度(離脱HC濃度)が大きくて触媒に流入
する排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ化すること
があり、このとき触媒でのHCの浄化性能が低下するの
であるが、第16の発明では、HCの離脱条件において
排気量調整手段を介し、吸着剤に導入される排気量をH
C吸着量(したがってHC離脱量)に応じて制御するの
で、触媒のリッチ化を防止し、これによって触媒の浄化
性能の低下を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1において、1はエンジン本
体、2は排気管、3は三元触媒、4は三元触媒3の内部
温度を検出するセンサである。
体、2は排気管、3は三元触媒、4は三元触媒3の内部
温度を検出するセンサである。
【0036】三元触媒3の上流で排気管2が主通路2a
とバイパス通路2bに分岐され、両通路の分岐部に排気
の流れを主通路2aとバイパス通路2bとに切換えるた
めの弁5を備える。この切換弁5はコントロールユニッ
ト11により直接にあるいは図示しないアクチュエータ
を介して駆動される。
とバイパス通路2bに分岐され、両通路の分岐部に排気
の流れを主通路2aとバイパス通路2bとに切換えるた
めの弁5を備える。この切換弁5はコントロールユニッ
ト11により直接にあるいは図示しないアクチュエータ
を介して駆動される。
【0037】上記のバイパス通路2bには、HCの吸着
剤6が、またこの吸着剤6のすぐ上流側に空気を供給す
るため、空気供給通路8と空気ポンプ9からなる二次空
気供給装置を備える。
剤6が、またこの吸着剤6のすぐ上流側に空気を供給す
るため、空気供給通路8と空気ポンプ9からなる二次空
気供給装置を備える。
【0038】ここで、吸着剤6はゼオライト粉末を主成
分とするスラリーをハニカム単体にコーティングしたも
ので、吸着剤には低温時にHCを吸着し一定温度(約2
00℃)を超えるとHCを離脱するという性質がある。
分とするスラリーをハニカム単体にコーティングしたも
ので、吸着剤には低温時にHCを吸着し一定温度(約2
00℃)を超えるとHCを離脱するという性質がある。
【0039】吸着剤6の入口排気温度を検出するため、
吸着剤6のすぐ上流に温度センサ12を備える。このセ
ンサ12からの温度信号はマイコンからなるコントロー
ルユニット11に入力され、この温度信号と上記センサ
3からの温度信号に基づいてコントロールユニット11
では切換弁5と空気ポンプ9を制御することで、HCの
吸着と離脱および離脱したHCの浄化の3つの処理を行
う。
吸着剤6のすぐ上流に温度センサ12を備える。このセ
ンサ12からの温度信号はマイコンからなるコントロー
ルユニット11に入力され、この温度信号と上記センサ
3からの温度信号に基づいてコントロールユニット11
では切換弁5と空気ポンプ9を制御することで、HCの
吸着と離脱および離脱したHCの浄化の3つの処理を行
う。
【0040】これらの処理を図2のフローチャートによ
り説明する。このフローは一定時間毎(たとえば100
ms毎)に実行する。
り説明する。このフローは一定時間毎(たとえば100
ms毎)に実行する。
【0041】ステップ1ではセンサ4により検出される
触媒内部温度TCと所定値Kcを比較する。ここで、Kc
は三元触媒3が活性化する温度(たとえば350℃)で
ある。したがって、冷間始動時であればTC<Kcであ
り、このとき触媒3がまだ活性状態にないと判断してス
テップ2以降の吸着処理に進む。
触媒内部温度TCと所定値Kcを比較する。ここで、Kc
は三元触媒3が活性化する温度(たとえば350℃)で
ある。したがって、冷間始動時であればTC<Kcであ
り、このとき触媒3がまだ活性状態にないと判断してス
テップ2以降の吸着処理に進む。
【0042】ステップ2では、センサ12により検出さ
れる吸着剤6の入口排気温度Tinと所定値Kk(たとえ
ば200℃)を比較し、Tin≦Kkであれば、吸着剤6
がHCを吸着可能であると判断し、ステップ3、4に進
む。ステップ3では切換弁5を駆動して排気をバイパス
通路2b側に流し、排気中のHCを吸着剤6に吸着させ
る。ステップ4では吸着フラグ(始動時に“0”に初期
設定)FKに“1”を入れる。FK=1により吸着条件に
あることを表すのである。
れる吸着剤6の入口排気温度Tinと所定値Kk(たとえ
ば200℃)を比較し、Tin≦Kkであれば、吸着剤6
がHCを吸着可能であると判断し、ステップ3、4に進
む。ステップ3では切換弁5を駆動して排気をバイパス
通路2b側に流し、排気中のHCを吸着剤6に吸着させ
る。ステップ4では吸着フラグ(始動時に“0”に初期
設定)FKに“1”を入れる。FK=1により吸着条件に
あることを表すのである。
【0043】これに対して、排気温度が上昇しTin<K
kになると、吸着剤6がHCを吸着できなくなるので、
ステップ5、6に進み、切換弁5を駆動して排気をバイ
パス通路2bに流さないようにするとともに、吸着フラ
グFKに“0”を入れる。TC<Kcであるとき、空気ポ
ンプ9は非作動状態である。
kになると、吸着剤6がHCを吸着できなくなるので、
ステップ5、6に進み、切換弁5を駆動して排気をバイ
パス通路2bに流さないようにするとともに、吸着フラ
グFKに“0”を入れる。TC<Kcであるとき、空気ポ
ンプ9は非作動状態である。
【0044】一方、排気温度がさらに上昇してTC≧K
cになると、触媒3が活性化したと判断し、ステップ1
よりステップ7に進んでフラグFKをみる。FK=1のと
き(つまり吸着剤6にHCが吸着されている)は、ステ
ップ8以降の離脱処理を行う。
cになると、触媒3が活性化したと判断し、ステップ1
よりステップ7に進んでフラグFKをみる。FK=1のと
き(つまり吸着剤6にHCが吸着されている)は、ステ
ップ8以降の離脱処理を行う。
【0045】ステップ8では、吸着剤6の入口排気温度
Tinと所定値Kdを比較する。ここで、KdはHCが吸着
剤6より完全に離脱する温度(たとえば350℃)であ
る。したがって、Tin<Kdのときはステップ9、10
に進み、切換弁5を駆動して排気をバイパス通路2bに
再び流すとともに、空気ポンプ9を作動する。高温の排
気を導いて吸着剤6からHCを離脱させるとともに、こ
の離脱したHCを二次空気中に多く存在する酸素を用い
て触媒3内で酸化処理により浄化するわけである。
Tinと所定値Kdを比較する。ここで、KdはHCが吸着
剤6より完全に離脱する温度(たとえば350℃)であ
る。したがって、Tin<Kdのときはステップ9、10
に進み、切換弁5を駆動して排気をバイパス通路2bに
再び流すとともに、空気ポンプ9を作動する。高温の排
気を導いて吸着剤6からHCを離脱させるとともに、こ
の離脱したHCを二次空気中に多く存在する酸素を用い
て触媒3内で酸化処理により浄化するわけである。
【0046】FK=1である場合に、排気温度の上昇に
よりTin≧Kdになると、HCが吸着剤6より完全に離
脱したと判断し、離脱処理を終了するためステップ8よ
りステップ11、12、13に進み、切換弁5を駆動し
てバイパス通路2bへの排気流れを遮断し、空気ポンプ
9を作動を止め、吸着フラグFKに“0”を入れる。こ
のフラグFKの“0”へのセットにより、次回以降ステ
ップ1、7からステップ8以降の離脱処理に進むことが
できないのである。
よりTin≧Kdになると、HCが吸着剤6より完全に離
脱したと判断し、離脱処理を終了するためステップ8よ
りステップ11、12、13に進み、切換弁5を駆動し
てバイパス通路2bへの排気流れを遮断し、空気ポンプ
9を作動を止め、吸着フラグFKに“0”を入れる。こ
のフラグFKの“0”へのセットにより、次回以降ステ
ップ1、7からステップ8以降の離脱処理に進むことが
できないのである。
【0047】さて、吸着触媒5は、高温の排気に晒され
たり、排気中に含まれるオイル分が付着堆積したりする
ことによって劣化し、吸着性能が低下することがあるの
で、吸着熱を利用して吸着剤に劣化が生じたかどうかを
判定するようにした従来装置があるが、このものでは、
加速時やホットリスタート時など吸着剤の入口排気温度
が吸着剤の出口排気温度より高くなる場合に、吸着熱を
求めることができないので、その分だけ劣化判定の精度
が低下する。
たり、排気中に含まれるオイル分が付着堆積したりする
ことによって劣化し、吸着性能が低下することがあるの
で、吸着熱を利用して吸着剤に劣化が生じたかどうかを
判定するようにした従来装置があるが、このものでは、
加速時やホットリスタート時など吸着剤の入口排気温度
が吸着剤の出口排気温度より高くなる場合に、吸着熱を
求めることができないので、その分だけ劣化判定の精度
が低下する。
【0048】これに対処するため本発明の第1実施形態
では、吸着熱が発生しないとしたときの吸着剤の内部温
度(または吸着剤の出口温度)を予測し、この吸着剤の
内部温度の予測値と吸着剤の内部温度の実測値(つまり
吸着熱が発生しているときの温度)の差から算出した吸
着熱に応じてHC吸着量を算出し、この算出したHC吸
着量を用いて吸着剤の劣化判定を行う。
では、吸着熱が発生しないとしたときの吸着剤の内部温
度(または吸着剤の出口温度)を予測し、この吸着剤の
内部温度の予測値と吸着剤の内部温度の実測値(つまり
吸着熱が発生しているときの温度)の差から算出した吸
着熱に応じてHC吸着量を算出し、この算出したHC吸
着量を用いて吸着剤の劣化判定を行う。
【0049】まず、吸着熱が発生しないと仮定したとき
の吸着剤の内部温度の予測方法について説明する。
の吸着剤の内部温度の予測方法について説明する。
【0050】吸着剤6は一般的にハニカム担体に担持さ
れており、表面積が広い構造である。吸着剤6に排気が
流れると排気と吸着剤6との温度差によって熱の授受が
行われるが、吸着剤6の表面積が広いために熱伝達率が
非常に高く、排気温度と吸着剤温度がほぼ一致するまで
熱の授受が行われる。このことを前提に吸着熱が発生し
ないと仮定したときの吸着剤6の内部温度を予測する。
れており、表面積が広い構造である。吸着剤6に排気が
流れると排気と吸着剤6との温度差によって熱の授受が
行われるが、吸着剤6の表面積が広いために熱伝達率が
非常に高く、排気温度と吸着剤温度がほぼ一致するまで
熱の授受が行われる。このことを前提に吸着熱が発生し
ないと仮定したときの吸着剤6の内部温度を予測する。
【0051】なお、吸着剤6の内部温度の予測は、図6
のフローチャートで後述するように、一定の周期(一定
時間毎に)でサイクリックに実行するので、n回目の演
算タイミングにおける吸着剤の内部温度を考える。
のフローチャートで後述するように、一定の周期(一定
時間毎に)でサイクリックに実行するので、n回目の演
算タイミングにおける吸着剤の内部温度を考える。
【0052】吸着剤内部の今回(つまりn回目)の予測
温度TKnは前回(つまりn−1回目)の予測温度TKn-1
に、吸着剤6に与えられた熱量QKnより計算される温度
上昇分ΔTKnを足したものであるため、 TKn=TKn-1+ΔTKn=TKn-1+QKn/NK …(1) ただし、NK:吸着剤の熱容量 の式により表すことができる。なお、TKnの記号のうち
最後のnがn回目を、またTKn-1の記号のうち最後のn
−1がn−1回目を表している。NKは吸着剤入口より
吸着剤の内部温度を予測する位置までの熱容量である。
温度TKnは前回(つまりn−1回目)の予測温度TKn-1
に、吸着剤6に与えられた熱量QKnより計算される温度
上昇分ΔTKnを足したものであるため、 TKn=TKn-1+ΔTKn=TKn-1+QKn/NK …(1) ただし、NK:吸着剤の熱容量 の式により表すことができる。なお、TKnの記号のうち
最後のnがn回目を、またTKn-1の記号のうち最後のn
−1がn−1回目を表している。NKは吸着剤入口より
吸着剤の内部温度を予測する位置までの熱容量である。
【0053】また、吸着剤6に与えられた熱量QKnは排
気からもらったので、吸着剤6の入口排気温度Tinと吸
着剤6の内部温度を予測する位置での排気温度Toutの
差に排気の熱容量をかけたものから、吸着剤6より外気
への放熱量QHnを引いたものがQKn、つまり QKn=NH×(Tin−Tout)−QHn …(2) ただし、NH:排気の熱容量 である。
気からもらったので、吸着剤6の入口排気温度Tinと吸
着剤6の内部温度を予測する位置での排気温度Toutの
差に排気の熱容量をかけたものから、吸着剤6より外気
への放熱量QHnを引いたものがQKn、つまり QKn=NH×(Tin−Tout)−QHn …(2) ただし、NH:排気の熱容量 である。
【0054】(2)式のToutはほぼTKnに等しく、ま
た、吸着剤6より外気への放熱量QHnは QHn=HK×(TKn-1−T外) …(3) ただし、HK:放熱率 T外:外気温 の式で表されるため、この(3)式を(2)式に代入す
ると、(2)式は、 QKn=NH×(Tin−TKn)−HK×(TKn-1−T外) …(4) となる。この(4)式を(1)式に入れると、 TKn=TKn-1+{NH×(Tin−TKn)−HK×(TKn-1−T外)}/NK となり、これをTKnについて式変形すると、 TKn={NH×Tin+(NK−HK)×TKn-1+HK×T外}/(NK+NH) …(5) の式を得る。(5)式によれば、吸着剤内部の前回の予
測温度TKn-1(初期値TK0はセンサ13による実測値を
用いる)、吸着剤6の入口排気温度Tin、排気の熱容量
NH、吸着剤6の熱容量NK、放熱率HK(定数)、外気
温であるT外(吸入空気温度で代用する)を与えること
で、吸着熱が発生しないと仮定したときの吸着剤の内部
温度を予測できるわけである。
た、吸着剤6より外気への放熱量QHnは QHn=HK×(TKn-1−T外) …(3) ただし、HK:放熱率 T外:外気温 の式で表されるため、この(3)式を(2)式に代入す
ると、(2)式は、 QKn=NH×(Tin−TKn)−HK×(TKn-1−T外) …(4) となる。この(4)式を(1)式に入れると、 TKn=TKn-1+{NH×(Tin−TKn)−HK×(TKn-1−T外)}/NK となり、これをTKnについて式変形すると、 TKn={NH×Tin+(NK−HK)×TKn-1+HK×T外}/(NK+NH) …(5) の式を得る。(5)式によれば、吸着剤内部の前回の予
測温度TKn-1(初期値TK0はセンサ13による実測値を
用いる)、吸着剤6の入口排気温度Tin、排気の熱容量
NH、吸着剤6の熱容量NK、放熱率HK(定数)、外気
温であるT外(吸入空気温度で代用する)を与えること
で、吸着熱が発生しないと仮定したときの吸着剤の内部
温度を予測できるわけである。
【0055】この場合、排気の熱容量NHは吸入空気の
熱容量NAと燃料の熱容量NNを足したものであるから、 NH=NA+NN=QA×ρA×CA+{QA/(A/F)}×ρN×CN…(6) ただし、QA:吸入空気量 ρA:空気の密度(定数) CA:空気の比熱(定数) A/F:設定空燃比 ρN:燃料の密度(定数) CN:燃料の比熱(定数) の式で求めることができる。
熱容量NAと燃料の熱容量NNを足したものであるから、 NH=NA+NN=QA×ρA×CA+{QA/(A/F)}×ρN×CN…(6) ただし、QA:吸入空気量 ρA:空気の密度(定数) CA:空気の比熱(定数) A/F:設定空燃比 ρN:燃料の密度(定数) CN:燃料の比熱(定数) の式で求めることができる。
【0056】次に、今回までの積算吸着熱量Knの求め
方について説明する。
方について説明する。
【0057】今回(n回目)までの積算吸着熱量Knは
前回(n−1回目)までの積算吸着熱量Kn-1に、前回
から今回までに吸着剤6から発生した熱量ΔKnを足し
たものであるため、 Kn=Kn-1+ΔKn …(7) の式で表すことができる。
前回(n−1回目)までの積算吸着熱量Kn-1に、前回
から今回までに吸着剤6から発生した熱量ΔKnを足し
たものであるため、 Kn=Kn-1+ΔKn …(7) の式で表すことができる。
【0058】ここで、(7)式のΔKnは、排気と吸着
剤6の両方を、吸着熱が発生しなかったとしたときの温
度TKnより吸着熱が発生したときの温度TKJ(吸着剤6
の内部温度の実測値)まで上昇させるための熱量と吸着
剤6から外気への放熱量とを足したもの、つまり ΔKn=(NK+NH)×(TKJ−TKn)+HK×(TKJ−T外) …(8) である。この(8)式を(7)式に代入すると、n回目
までの積算吸着熱量Knは、 Kn=Kn-1+(NK+NH)×(TKJ−TKn)+HK×(TKJ−T外)…(9) の式により計算することができる。(9)式の演算を吸
着期間のあいだ繰り返せば、吸着剤6に排気を流さなく
なったときまでの合計の吸着熱量を求めることができる
のである。
剤6の両方を、吸着熱が発生しなかったとしたときの温
度TKnより吸着熱が発生したときの温度TKJ(吸着剤6
の内部温度の実測値)まで上昇させるための熱量と吸着
剤6から外気への放熱量とを足したもの、つまり ΔKn=(NK+NH)×(TKJ−TKn)+HK×(TKJ−T外) …(8) である。この(8)式を(7)式に代入すると、n回目
までの積算吸着熱量Knは、 Kn=Kn-1+(NK+NH)×(TKJ−TKn)+HK×(TKJ−T外)…(9) の式により計算することができる。(9)式の演算を吸
着期間のあいだ繰り返せば、吸着剤6に排気を流さなく
なったときまでの合計の吸着熱量を求めることができる
のである。
【0059】なお、(9)式において、必ず(TKJ−T
Kn)≧0、(TKJ−T外)≧0である。
Kn)≧0、(TKJ−T外)≧0である。
【0060】吸着熱とHC吸着量との間には図3に示す
比例関係があるので、 RK=C×Kn …(10) ただし、C:定数 の式によりHC吸着量RKを算出することができる。つ
まり、HCを吸着するときに吸着剤6が吸着熱を発生
し、この発熱量は吸着剤6に吸着されたHC量に比例す
るため、発熱量を計測することによりHC吸着量を定量
化できたわけである。したがって、このHC吸着量RK
と目標吸着量RMとの比較によりRKがRM未満であれ
ば、吸着剤に劣化が生じたと判定することができる。
比例関係があるので、 RK=C×Kn …(10) ただし、C:定数 の式によりHC吸着量RKを算出することができる。つ
まり、HCを吸着するときに吸着剤6が吸着熱を発生
し、この発熱量は吸着剤6に吸着されたHC量に比例す
るため、発熱量を計測することによりHC吸着量を定量
化できたわけである。したがって、このHC吸着量RK
と目標吸着量RMとの比較によりRKがRM未満であれ
ば、吸着剤に劣化が生じたと判定することができる。
【0061】次に、上記の目標吸着量RMの求め方につ
いて説明する。
いて説明する。
【0062】今回(n回目)の演算までに吸着剤に流し
たHC量、つまりHC積算量RSnは、前回(n−1回
目)までのHC積算量RSn-1に、前回から今回までに流
れたHC量ΔRSnを足したものであるため、 RSn=RSn-1+ΔRSn …(11) の式によりで表すことができる。
たHC量、つまりHC積算量RSnは、前回(n−1回
目)までのHC積算量RSn-1に、前回から今回までに流
れたHC量ΔRSnを足したものであるため、 RSn=RSn-1+ΔRSn …(11) の式によりで表すことができる。
【0063】(11)式のΔRSnは、吸入空気量QAに
HC濃度をかけたものにほぼ等しいため、 RSn=RSn-1+QA×HC濃度 …(12) と表すことができる。
HC濃度をかけたものにほぼ等しいため、 RSn=RSn-1+QA×HC濃度 …(12) と表すことができる。
【0064】ここで、(12)式のHC濃度は設定空燃
比A/Fおよび冷却水温TWとの間に図4、図5に示す
相関があるため、設定空燃比A/Fと冷却水温TWによ
る各々のHC濃度補正係数をKaf 、Ktwとすれば、
(12)式は、 RSn=RSn-1+QA×Kaf×Ktw …(13) の式により表すことができる。吸着剤6にHCを吸着さ
せている間、この演算を繰り返すことによって、吸着剤
6に流したHCの総量を求めることができる。
比A/Fおよび冷却水温TWとの間に図4、図5に示す
相関があるため、設定空燃比A/Fと冷却水温TWによ
る各々のHC濃度補正係数をKaf 、Ktwとすれば、
(12)式は、 RSn=RSn-1+QA×Kaf×Ktw …(13) の式により表すことができる。吸着剤6にHCを吸着さ
せている間、この演算を繰り返すことによって、吸着剤
6に流したHCの総量を求めることができる。
【0065】実際には、総量のうちの一部が吸着される
のであるから、吸着剤6の許容できる劣化後の吸着率
(たとえば30%)をHC積算量RSnにかけて、つまり RMS=CK×RSn …(14) ただし、CK:目標吸着率(定数) の式により目標吸着量RMSを算出する。
のであるから、吸着剤6の許容できる劣化後の吸着率
(たとえば30%)をHC積算量RSnにかけて、つまり RMS=CK×RSn …(14) ただし、CK:目標吸着率(定数) の式により目標吸着量RMSを算出する。
【0066】ただし、吸着できる条件が長いとHC積算
量RSnが大きくなり、(14)式のように単純に吸着率
をかけるだけだと目標吸着量が過大になるおそれがある
ので、固定の目標吸着量RMCを定数として与えておき、
RMSとRMCとの比較により小さい方を目標吸着量RMと
する。
量RSnが大きくなり、(14)式のように単純に吸着率
をかけるだけだと目標吸着量が過大になるおそれがある
ので、固定の目標吸着量RMCを定数として与えておき、
RMSとRMCとの比較により小さい方を目標吸着量RMと
する。
【0067】これで本発明によるHC吸着量の算出と吸
着剤の劣化判定の各原理説明を終える。
着剤の劣化判定の各原理説明を終える。
【0068】コントロールユニット11で実行されるこ
うした制御の内容を、以下のフローチャートに従って説
明する。
うした制御の内容を、以下のフローチャートに従って説
明する。
【0069】図6のフローチャートは吸着剤6の劣化判
定を行うためのもので、一定時間毎(たとえば100m
s毎)に実行する。
定を行うためのもので、一定時間毎(たとえば100m
s毎)に実行する。
【0070】なお、吸着剤6の実際の内部温度TKJを検
出するため、吸着剤6の中央部に温度センサ13が設け
られ、このセンサ13からの温度信号が、吸入空気量Q
A、冷却水温TW、吸入空気温度TAを検出するセンサ
(図示しない)からの信号とともに、コントロールユニ
ット11に入力されている。
出するため、吸着剤6の中央部に温度センサ13が設け
られ、このセンサ13からの温度信号が、吸入空気量Q
A、冷却水温TW、吸入空気温度TAを検出するセンサ
(図示しない)からの信号とともに、コントロールユニ
ット11に入力されている。
【0071】ステップ21ではフラグFKより吸着条件
であるかどうかをみる。FK=1のとき(吸着条件のと
き)はステップ21よりステップ22以降の積算吸着熱
量Knの演算に進む。
であるかどうかをみる。FK=1のとき(吸着条件のと
き)はステップ21よりステップ22以降の積算吸着熱
量Knの演算に進む。
【0072】ステップ22では吸入空気量QA、吸着剤
6の入口排気温度Tin、吸着剤6の実際の内部温度TK
J、外気温T外(吸入空気温度TAで代用する)を各セン
サから、またステップ23ではエンジンの運転条件から
判定される設定空燃比A/Fをそれぞれ読み込み、QA
とA/Fからステップ24において上記(6)式を用い
て排気の熱容量NHを算出する。
6の入口排気温度Tin、吸着剤6の実際の内部温度TK
J、外気温T外(吸入空気温度TAで代用する)を各セン
サから、またステップ23ではエンジンの運転条件から
判定される設定空燃比A/Fをそれぞれ読み込み、QA
とA/Fからステップ24において上記(6)式を用い
て排気の熱容量NHを算出する。
【0073】なお、上記の設定空燃比A/Fについて
は、図示しないフローにおいて、 Ti=TP×TFBYA×α×2+TS …(15) ただし、TP:基本噴射パルス幅 TFBYA:目標燃空比相当量 α:空燃比フィードバック補正係数 TS:無効パルス幅 の式(公知)によりシーケンシャル噴射方式の燃料噴射
パルス幅Tiを求めているものでは、TFBYA=1の
ときが理論空燃比の値に相当するので、 A/F=14.7×TFBYA …(16) の式により求めればよい。
は、図示しないフローにおいて、 Ti=TP×TFBYA×α×2+TS …(15) ただし、TP:基本噴射パルス幅 TFBYA:目標燃空比相当量 α:空燃比フィードバック補正係数 TS:無効パルス幅 の式(公知)によりシーケンシャル噴射方式の燃料噴射
パルス幅Tiを求めているものでは、TFBYA=1の
ときが理論空燃比の値に相当するので、 A/F=14.7×TFBYA …(16) の式により求めればよい。
【0074】ステップ25ではこの排気の熱容量NH、
入口排気温度Tin、吸着剤内部の前回の予測温度Tkn-
1、T外から上記(5)式を用いて吸着熱が発生しなか
ったとしたときの吸着剤内部の予測温度TKnを算出し、
この吸着剤内部の予測温度Tkn、吸着剤の実際の内部温
度TKJ、T外からステップ26において上記(9)式を
用い積算吸着熱量(始動時に0に初期設定)Knを算出
する。ステップ27では次回演算のためTknの値をTkn
-1(始動時に0に初期設定)に、またKnの値をKn-1
(始動時に0に初期設定)にそれぞれ移して今回の処理
を終了する。
入口排気温度Tin、吸着剤内部の前回の予測温度Tkn-
1、T外から上記(5)式を用いて吸着熱が発生しなか
ったとしたときの吸着剤内部の予測温度TKnを算出し、
この吸着剤内部の予測温度Tkn、吸着剤の実際の内部温
度TKJ、T外からステップ26において上記(9)式を
用い積算吸着熱量(始動時に0に初期設定)Knを算出
する。ステップ27では次回演算のためTknの値をTkn
-1(始動時に0に初期設定)に、またKnの値をKn-1
(始動時に0に初期設定)にそれぞれ移して今回の処理
を終了する。
【0075】ステップ22よりステップ27の処理は吸
着条件の間(吸着の処理が終わるまで)繰り返す。
着条件の間(吸着の処理が終わるまで)繰り返す。
【0076】一方、FK=0のとき(吸着条件でないと
き)はステップ28に進んで、前回は吸着条件であった
かどうかみる。前回は吸着条件であったとき(つまり吸
着を終了したとき)は、ステップ29で積算吸着熱量K
nから上記(10)式を用いてHC吸着量RKを算出し、
このHC吸着量RKと目標吸着量RMをステップ30にお
いて比較する。RKがRMに満たない場合は吸着剤6に許
容以上の劣化が生じていると判断し、その結果をドライ
バーに知らせるためステップ31に進んで警告灯を点灯
する。これに対してRKがRM以上(吸着剤に劣化が生じ
ていない)のときはそのまま図6のフローを終了する。
き)はステップ28に進んで、前回は吸着条件であった
かどうかみる。前回は吸着条件であったとき(つまり吸
着を終了したとき)は、ステップ29で積算吸着熱量K
nから上記(10)式を用いてHC吸着量RKを算出し、
このHC吸着量RKと目標吸着量RMをステップ30にお
いて比較する。RKがRMに満たない場合は吸着剤6に許
容以上の劣化が生じていると判断し、その結果をドライ
バーに知らせるためステップ31に進んで警告灯を点灯
する。これに対してRKがRM以上(吸着剤に劣化が生じ
ていない)のときはそのまま図6のフローを終了する。
【0077】図7のフローチャートは、目標吸着量RM
を算出するためのもので、これも一定時間毎(たとえば
100ms毎)に実行する。なお、目標吸着量RMは、
前述した図6の処理に必要となるので、図6に示した処
理を行う直前に図7の処理を行っておく必要がある。
を算出するためのもので、これも一定時間毎(たとえば
100ms毎)に実行する。なお、目標吸着量RMは、
前述した図6の処理に必要となるので、図6に示した処
理を行う直前に図7の処理を行っておく必要がある。
【0078】ステップ41ではフラグFKより吸着条件
であるかどうかみて、FK=1(吸着条件)のときは、
ステップ42以降のHC積算量RSnの演算に進む。
であるかどうかみて、FK=1(吸着条件)のときは、
ステップ42以降のHC積算量RSnの演算に進む。
【0079】ステップ42では吸入空気量QA、冷却水
温TWを各センサから、またステップ43ではエンジン
の運転条件から判断される設定空燃比A/Fを読み込
み、冷却水温TW、設定空燃比A/Fからステップ4
4、45において図8、図9のテーブルをそれぞれ検索
して設定空燃比A/Fに応じたHC濃度補正係数Kaf、
冷却水温TWに応じたHC濃度補正係数Ktwを求める。
温TWを各センサから、またステップ43ではエンジン
の運転条件から判断される設定空燃比A/Fを読み込
み、冷却水温TW、設定空燃比A/Fからステップ4
4、45において図8、図9のテーブルをそれぞれ検索
して設定空燃比A/Fに応じたHC濃度補正係数Kaf、
冷却水温TWに応じたHC濃度補正係数Ktwを求める。
【0080】ステップ46ではこれらのHC濃度補正係
数Kaf、Ktwと吸入空気量QAから上記(13)式を用
いてHC積算量RSn(始動時に0に初期設定)を算出
し、ステップ47において次回演算のためRSnの値をR
Sn-1(始動時に0に初期設定)に移して今回の処理を終
了する。
数Kaf、Ktwと吸入空気量QAから上記(13)式を用
いてHC積算量RSn(始動時に0に初期設定)を算出
し、ステップ47において次回演算のためRSnの値をR
Sn-1(始動時に0に初期設定)に移して今回の処理を終
了する。
【0081】ステップ42よりステップ47の処理は吸
着条件の間(吸着の処理が終わるまで)繰り返す。
着条件の間(吸着の処理が終わるまで)繰り返す。
【0082】一方、FK=0のとき(吸着条件でないと
き)はステップ48に進んで、前回は吸着条件であった
かどうかみる。前回は吸着条件であったとき(つまり吸
着を終了したとき)、ステップ49に進み、HC積算量
RSnから上記(14)式を用いて目標吸着量RMSを算出
し、この算出された目標吸着量RMSと固定の目標値RMC
をステップ50において比較する。RMSの方がRMCより
小さい間はステップ51でRMSの値を吸着目標値RMに
入れ、RMS≧RMCになるとステップ52に進み、RMCに
制限するためRMCの値を吸着目標値RMに入れる。
き)はステップ48に進んで、前回は吸着条件であった
かどうかみる。前回は吸着条件であったとき(つまり吸
着を終了したとき)、ステップ49に進み、HC積算量
RSnから上記(14)式を用いて目標吸着量RMSを算出
し、この算出された目標吸着量RMSと固定の目標値RMC
をステップ50において比較する。RMSの方がRMCより
小さい間はステップ51でRMSの値を吸着目標値RMに
入れ、RMS≧RMCになるとステップ52に進み、RMCに
制限するためRMCの値を吸着目標値RMに入れる。
【0083】このように本発明の第1実施形態では、H
C吸着条件において吸着剤6の入口排気温度Tinと吸入
空気量QAから吸着熱が発生しないとしたときの吸着剤
6の内部温度を予測し、この予測温度TKnと吸着剤6の
実際の内部温度(吸着熱が発生しているときの温度)T
KJの差に基づいて所定時間当たり(100ms当たり)
の吸着熱量を求め、この所定時間当たりの吸着熱量を吸
着条件のあいだ積算し、この積算吸着熱量Knに比例さ
せてHC吸着量RKを算出するので、吸着剤6の入口排
気温度が吸着剤の出口排気温度より高い場合において
も、HC吸着量を精度よく算出することができる。
C吸着条件において吸着剤6の入口排気温度Tinと吸入
空気量QAから吸着熱が発生しないとしたときの吸着剤
6の内部温度を予測し、この予測温度TKnと吸着剤6の
実際の内部温度(吸着熱が発生しているときの温度)T
KJの差に基づいて所定時間当たり(100ms当たり)
の吸着熱量を求め、この所定時間当たりの吸着熱量を吸
着条件のあいだ積算し、この積算吸着熱量Knに比例さ
せてHC吸着量RKを算出するので、吸着剤6の入口排
気温度が吸着剤の出口排気温度より高い場合において
も、HC吸着量を精度よく算出することができる。
【0084】また、このHC吸着量RKと目標吸着量RM
との比較から吸着剤6の劣化判定を行うので、吸着剤6
の入口排気温度が吸着剤の出口排気温度より高い場合に
おいても、劣化判定の精度が低下することがない。
との比較から吸着剤6の劣化判定を行うので、吸着剤6
の入口排気温度が吸着剤の出口排気温度より高い場合に
おいても、劣化判定の精度が低下することがない。
【0085】次に説明する3つの実施形態は第1実施形
態と同じに吸着剤の劣化判定を行うものが前提である。
態と同じに吸着剤の劣化判定を行うものが前提である。
【0086】1)第2実施形態 上記(9)式によれば、所定時間当たりの吸着熱量
((9)式右辺の第2項と第3項を足したもの)は、正
の値である間が吸着条件となり、0となったタイミング
が吸着限界のタイミング(吸着できなくなったタイミン
グ)となる。そこで、第2実施形態では、このタイミン
グをHCの吸着終了時期と判定し、切換弁5を駆動して
排気を主通路2aに流す。これによって、吸着限界を超
えているのに、吸着剤6に排気を流し続けた場合に加速
等により吸着剤6の入口排気温度が急激に上昇したり排
気量が急激に増加することによる、吸着剤6からHCの
離脱を回避できる。
((9)式右辺の第2項と第3項を足したもの)は、正
の値である間が吸着条件となり、0となったタイミング
が吸着限界のタイミング(吸着できなくなったタイミン
グ)となる。そこで、第2実施形態では、このタイミン
グをHCの吸着終了時期と判定し、切換弁5を駆動して
排気を主通路2aに流す。これによって、吸着限界を超
えているのに、吸着剤6に排気を流し続けた場合に加速
等により吸着剤6の入口排気温度が急激に上昇したり排
気量が急激に増加することによる、吸着剤6からHCの
離脱を回避できる。
【0087】これを以下に詳述する。長時間吸着剤6の
入口排気温度が低温となる状態が続くと、吸着剤6の吸
着能力(キャパシティ)を越えることがあり、この吸着
限界(温度からくる吸着能力の限界ではない)を越えた
場合に加速等により吸着剤の入口排気温度が急激に上昇
したり排気量が急激に増加したのでは、吸着剤6からH
Cが離脱する可能性がある。しかしながら、従来装置で
は、吸着期間を吸着剤温度(入口排気温度や内部温度)
と所定値の比較により吸着剤温度が所定値を超えたとき
あるいは触媒が活性化した時点で吸着終了であると判定
するシステムがほとんどであり、触媒が未活性の状態で
吸着期間が長くなったときの吸着終了時期を判定するこ
とはしていない。つまり、従来装置によれば、長時間吸
着剤6の入口排気温度が低温となる状態が続いたとき、
吸着剤6からHCが離脱してしまう可能性があるのであ
る。これに対して、第2実施形態では、長時間吸着剤6
の入口排気温度が低温となる状態が続いたときにも正確
に吸着限界となったタイミング(吸着できなくなったタ
イミング)を判定し、このタイミングをHCの吸着終了
時期として、切換弁5を駆動して排気を主通路2aに流
すので、このような問題が生じなくなるのである。
入口排気温度が低温となる状態が続くと、吸着剤6の吸
着能力(キャパシティ)を越えることがあり、この吸着
限界(温度からくる吸着能力の限界ではない)を越えた
場合に加速等により吸着剤の入口排気温度が急激に上昇
したり排気量が急激に増加したのでは、吸着剤6からH
Cが離脱する可能性がある。しかしながら、従来装置で
は、吸着期間を吸着剤温度(入口排気温度や内部温度)
と所定値の比較により吸着剤温度が所定値を超えたとき
あるいは触媒が活性化した時点で吸着終了であると判定
するシステムがほとんどであり、触媒が未活性の状態で
吸着期間が長くなったときの吸着終了時期を判定するこ
とはしていない。つまり、従来装置によれば、長時間吸
着剤6の入口排気温度が低温となる状態が続いたとき、
吸着剤6からHCが離脱してしまう可能性があるのであ
る。これに対して、第2実施形態では、長時間吸着剤6
の入口排気温度が低温となる状態が続いたときにも正確
に吸着限界となったタイミング(吸着できなくなったタ
イミング)を判定し、このタイミングをHCの吸着終了
時期として、切換弁5を駆動して排気を主通路2aに流
すので、このような問題が生じなくなるのである。
【0088】2)第3実施形態 冷間始動時にはエンジンの始動とともに吸着条件にな
る。第1実施形態では、この吸着条件の全期間にわたる
HC吸着量Rn(したがって、これと比較するための目
標吸着量RMSも)を算出する場合で説明したが、この算
出をエンジンの始動から所定の期間(たとえば10秒)
だけに限定し、この限定した期間でのHC吸着量とこれ
に対応する目標吸着量との比較から劣化判定を行うよう
にすることもできる。始動からの短い期間に限定するこ
とで放熱量QHnの影響を無視できるので、上記(5)式
の吸着剤内部の予測温度TKnと上記(9)式の積算吸着
熱量Knの算出が簡単になる。
る。第1実施形態では、この吸着条件の全期間にわたる
HC吸着量Rn(したがって、これと比較するための目
標吸着量RMSも)を算出する場合で説明したが、この算
出をエンジンの始動から所定の期間(たとえば10秒)
だけに限定し、この限定した期間でのHC吸着量とこれ
に対応する目標吸着量との比較から劣化判定を行うよう
にすることもできる。始動からの短い期間に限定するこ
とで放熱量QHnの影響を無視できるので、上記(5)式
の吸着剤内部の予測温度TKnと上記(9)式の積算吸着
熱量Knの算出が簡単になる。
【0089】3)第4実施形態 さらに、HC吸着量とこれに対応する目標吸着量の算出
を、始動に続くアイドル期間だけに限定してもよい。ア
イドル期間に限定するときは放熱量QHnの影響を無視で
きるほか、排気の熱容量と吸着剤に導入されるHC量を
それぞれ始動時水温に応じたテーブルを用いて容易に求
めることができるので、HC吸着量とこれに対応する目
標吸着量の各算出負荷を大幅に軽減することができる。
を、始動に続くアイドル期間だけに限定してもよい。ア
イドル期間に限定するときは放熱量QHnの影響を無視で
きるほか、排気の熱容量と吸着剤に導入されるHC量を
それぞれ始動時水温に応じたテーブルを用いて容易に求
めることができるので、HC吸着量とこれに対応する目
標吸着量の各算出負荷を大幅に軽減することができる。
【0090】次の2つの実施形態は第1実施形態で算出
したHC吸着量を、HCの離脱処理に用いるものであ
る。
したHC吸着量を、HCの離脱処理に用いるものであ
る。
【0091】4)第5実施形態 第1実施形態で説明したように、吸着剤6より離脱させ
たHCを浄化するため空気ポンプ9を作動させて二次空
気を吸着剤6の上流に導入しているが、必要以上に二次
空気を導入したのでは、吸着剤6の下流に位置する三元
触媒3を冷やすことになり、触媒3の浄化性能を落とす
おそれがあるので、吸着剤6より離脱させるHC量に応
じた量だけの二次空気量を導入してやればよい.この場
合、第1実施形態で算出したHC吸着量RKが、吸着剤
6より離脱するHC量になると予測することができる。
たHCを浄化するため空気ポンプ9を作動させて二次空
気を吸着剤6の上流に導入しているが、必要以上に二次
空気を導入したのでは、吸着剤6の下流に位置する三元
触媒3を冷やすことになり、触媒3の浄化性能を落とす
おそれがあるので、吸着剤6より離脱させるHC量に応
じた量だけの二次空気量を導入してやればよい.この場
合、第1実施形態で算出したHC吸着量RKが、吸着剤
6より離脱するHC量になると予測することができる。
【0092】そこで、この第1実施形態で算出したHC
吸着量RKに応じて二次空気量をコントロールすること
により、二次空気の過大な導入による触媒3の冷やし過
ぎを避けることができる。
吸着量RKに応じて二次空気量をコントロールすること
により、二次空気の過大な導入による触媒3の冷やし過
ぎを避けることができる。
【0093】5)第6実施形態 二次空気量が一定であると、吸着剤6に導入される排気
量が多い場合に、吸着剤におけるHCの離脱速度(離脱
HC濃度)が大きくて三元触媒3に流入する排気の空燃
比が理論空燃比よりもリッチ化することがあり、このと
き触媒3でのHCの浄化性能が低下する。
量が多い場合に、吸着剤におけるHCの離脱速度(離脱
HC濃度)が大きくて三元触媒3に流入する排気の空燃
比が理論空燃比よりもリッチ化することがあり、このと
き触媒3でのHCの浄化性能が低下する。
【0094】この場合、吸着剤6に導入する排気量を調
整することができれば、吸着剤6におけるHCの離脱速
度(離脱HC濃度)を変化させることができる。
整することができれば、吸着剤6におけるHCの離脱速
度(離脱HC濃度)を変化させることができる。
【0095】そこで、第1実施形態で説明した単なる切
換弁5に代えて、バイパス通路2bへの排気量を調整可
能な弁を設けておき、HCの離脱条件においてこの流量
調整弁を介し、吸着剤6に導入される排気量を、第1実
施形態で算出したHC吸着量RKに応じて制御すること
により、触媒3のリッチ化を防止し、これによって触媒
3の浄化性能の低下を防止できる。
換弁5に代えて、バイパス通路2bへの排気量を調整可
能な弁を設けておき、HCの離脱条件においてこの流量
調整弁を介し、吸着剤6に導入される排気量を、第1実
施形態で算出したHC吸着量RKに応じて制御すること
により、触媒3のリッチ化を防止し、これによって触媒
3の浄化性能の低下を防止できる。
【0096】図6、図7に示した実施形態では、演算周
期が時間である場合で説明したが、エンジン回転に同期
させることもできることはいうまでもない。
期が時間である場合で説明したが、エンジン回転に同期
させることもできることはいうまでもない。
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】排気システムの作動を説明するためのフローチ
ャートである。
ャートである。
【図3】吸着熱とHC吸着量の関係を示す特性図であ
る。
る。
【図4】空燃比とHC濃度の関係を示す特性図である。
【図5】冷却水温とHC濃度の関係を示す特性図であ
る。
る。
【図6】吸着剤の劣化判定を説明するためのフローチャ
ートである。
ートである。
【図7】目標吸着量の算出を説明するためのフローチャ
ートである。
ートである。
【図8】空燃比によるHC濃度補正係数Kafの特性図で
ある。
ある。
【図9】冷却水温によるHC濃度補正係数Ktwの特性図
である。
である。
【図10】第1の発明のクレーム対応図である。
【図11】第3の発明のクレーム対応図である。
【図12】第6の発明のクレーム対応図である。
【図13】第8の発明のクレーム対応図である。
【図14】第15の発明のクレーム対応図である。
【図15】第16の発明のクレーム対応図である。
【図16】第18の発明のクレーム対応図である。
2 排気管 2a バイパス通路 3 三元触媒 6 吸着剤 11 コントロールユニット 12 入口排気温度センサ 13 吸着剤内部温度センサ
フロントページの続き (72)発明者 岡田 圭司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (20)
- 【請求項1】エンジン低温時に排気中のHCを吸着する
吸着剤と、 この吸着剤の入口排気温度を検出する手段と、 前記吸着剤の実際の温度を検出する手段と、 前記吸着剤が前記HCを吸着する条件にあるかどうかを
判定する手段と、 この判定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度
とエンジンの負荷に基づいて吸着熱が生じないとしたと
きの前記吸着剤温度を予測する手段と、 この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段と、 この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段とを設け
たことを特徴とする吸着剤のHC吸着量検出装置。 - 【請求項2】前記吸着熱が正の値のとき前記吸着条件で
あると判定することを特徴とする請求項1に記載の吸着
剤のHC吸着量検出装置。 - 【請求項3】前記吸着熱算出手段は、吸入空気量と設定
空燃比に基づいて排気の熱容量を算出する手段と、この
排気の熱容量、前記吸着剤の熱容量、前記入口排気温度
および前回の吸着剤温度の予測値を用いて今回の吸着剤
温度の予測値を算出する手段と、この今回の吸着剤温度
の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差を前記排気の熱
容量と前記吸着剤の熱容量の和に乗算した値を所定期間
当たりの吸着熱量として算出する手段と、この所定期間
当たりの吸着熱量を前記吸着条件のあいだ積算する手段
と、前記今回の吸着剤温度の予測値を次回の吸着剤温度
の予測値の算出まで記憶する手段とからなることを特徴
とする請求項1または2に記載の吸着剤のHC吸着量検
出装置。 - 【請求項4】前記今回の吸着剤温度の予測値と前記所定
期間当たりの吸着熱量の各算出に前記吸着剤から外気へ
の放熱量を考慮することを特徴とする請求項3に記載の
吸着剤のHC吸着量検出装置。 - 【請求項5】前記吸着剤温度は前記吸着剤の内部温度ま
たは出口温度であることを特徴とする請求項1から4ま
でのいずれか一つに記載の吸着剤のHC吸着量検出装
置。 - 【請求項6】エンジン低温時に排気中のHCを吸着する
吸着剤と、 この吸着剤の入口排気温度を検出する手段と、 前記吸着剤の実際の温度を検出する手段と、 前記吸着剤が前記HCを吸着する条件にあるかどうかを
判定する手段と、 この判定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度
とエンジンの負荷に基づいて吸着熱を生じないとしたと
きの前記吸着剤温度を予測する手段と、 この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段と、 この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段と、 このHC吸着量と目標吸着量との比較から前記吸着剤に
劣化が生じたかどうかを判定する手段とを設けたことを
特徴とするエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項7】前記吸着熱が正の値のとき前記吸着条件で
あると判定することを特徴とする請求項6に記載のエン
ジンの排気浄化装置。 - 【請求項8】前記吸着熱算出手段は、吸入空気量と設定
空燃比に基づいて排気の熱容量を算出する手段と、この
排気の熱容量、前記吸着剤の熱容量、前記入口排気温度
および前回の吸着剤温度の予測値を用いて今回の吸着剤
温度の予測値を算出する手段と、この今回の吸着剤温度
の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差を前記排気の熱
容量と前記吸着剤の熱容量の和に乗算した値を所定期間
当たりの吸着熱量として算出する手段と、この所定期間
当たりの吸着熱量を所定期間のあいだだけ積算する手段
と、前記今回の吸着剤温度の予測値を次回の吸着剤温度
の予測値の算出まで記憶する手段とからなることを特徴
とする請求項6または7に記載のエンジンの排気浄化装
置。 - 【請求項9】前記今回の吸着剤温度の予測値と前記所定
期間当たりの吸着熱量の各算出に前記吸着剤から外気へ
の放熱量を考慮することを特徴とする請求項8に記載の
エンジンの排気浄化装置。 - 【請求項10】前記目標吸着量を算出する手段は、吸入
空気量に応じて所定期間当たりのHC量を算出する手段
と、この所定期間当たりのHC量を前記積算期間と同じ
期間のあいだだけ積算する手段と、このHC積算量に目
標吸着率を乗算した値を目標吸着量として設定する手段
とからなることを特徴とする請求項8または9に記載の
エンジンの排気浄化装置。 - 【請求項11】前記所定期間当たりのHC量を冷却水温
に応じて補正することを特徴とする請求項10に記載の
エンジンの排気浄化装置。 - 【請求項12】前記所定期間当たりのHC量を前記設定
空燃比に応じて補正することを特徴とする請求項10に
記載のエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項13】前記所定期間はエンジン始動からの短い
期間であることを特徴とする請求項8から12までのい
ずれか一つに記載のエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項14】前記所定期間はエンジン始動に続くアイ
ドル期間であることを特徴とする請求項8から12まで
のいずれか一つに記載のエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項15】エンジン低温時に排気中のHCを吸着す
る吸着剤と、 この吸着剤の入口排気温度を検出する手段と、 前記吸着剤の実際の温度を検出する手段と、 前記吸着剤が前記HCを吸着する条件にあるかどうかを
判定する手段と、 この判定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度
とエンジンの負荷に基づいて吸着熱を生じないとしたと
きの前記吸着剤温度を予測する手段と、 この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段と、 この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段と、 前記吸着剤の上流に供給する二次空気量を調整可能な手
段と、 前記吸着剤から前記HCを離脱させる条件であるかどう
かを判定する手段と、 この判定結果より離脱条件にあるとき前記HC吸着量に
応じて前記二次空気量を制御する手段とを設けたことを
特徴とするエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項16】途中より主通路とバイパス通路とに分岐
された排気管と、 前記バイパス通路に流れる排気量を調整可能な手段と、 前記バイパス通路に介装され、エンジン低温時に排気中
のHCを吸着する吸着剤と、 この吸着剤の入口排気温度を検出する手段と、 前記吸着剤の実際の温度を検出する手段と、 前記吸着剤が前記HCを吸着する条件にあるかどうかを
判定する手段と、 この判定結果より吸着条件にあるとき前記バイパス通路
に排気が流れるように前記排気量調整手段に指示する手
段と、 前記判定結果より吸着条件にあるとき前記入口排気温度
とエンジンの負荷に基づいて吸着熱を生じないとしたと
きの前記吸着剤温度を予測する手段と、 この吸着剤温度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差
に応じて吸着熱を算出する手段と、 この吸着熱に応じてHC吸着量を算出する手段と、 前記吸着剤から前記HCを離脱させる条件であるかどう
かを判定する手段と、 この判定結果より離脱条件にあるとき前記HC吸着量に
応じた排気量が前記バイパス通路に流れるように前記排
気量調整手段に指示する手段とを設けたことを特徴とす
るエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項17】前記吸着熱が正の値のとき前記吸着条件
であると判定することを特徴とする請求項15または1
6に記載のエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項18】前記吸着熱算出手段は、吸入空気量と設
定空燃比に基づいて排気の熱容量を算出する手段と、こ
の排気の熱容量、前記吸着剤の熱容量、前記入口排気温
度および前回の吸着剤温度の予測値を用いて今回の吸着
剤温度の予測値を算出する手段と、この今回の吸着剤温
度の予測値と前記吸着剤温度の検出値の差を前記排気の
熱容量と前記吸着剤の熱容量の和に乗算した値を所定期
間当たりの吸着熱量として算出する手段と、この所定期
間当たりの吸着熱量を前記吸着条件のあいだ積算する手
段と、前記今回の吸着剤温度の予測値を次回の吸着剤温
度の予測値の算出まで記憶する手段とからなることを特
徴とする請求項15から17までのいずれか一つに記載
のエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項19】前記今回の吸着剤温度の予測値と前記所
定期間当たりの吸着熱量の各算出に前記吸着剤から外気
への放熱量を考慮することを特徴とする請求項18に記
載のエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項20】前記吸着剤温度は前記吸着剤の内部温度
または出口温度であることを特徴とする請求項6から1
9までのいずれか一つに記載のエンジンの排気浄化装
置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP14238097A JP3360568B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 吸着剤のhc吸着量検出装置およびこの検出装置を用いたエンジンの排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14238097A JP3360568B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 吸着剤のhc吸着量検出装置およびこの検出装置を用いたエンジンの排気浄化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10331625A true JPH10331625A (ja) | 1998-12-15 |
JP3360568B2 JP3360568B2 (ja) | 2002-12-24 |
Family
ID=15314030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14238097A Expired - Fee Related JP3360568B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 吸着剤のhc吸着量検出装置およびこの検出装置を用いたエンジンの排気浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3360568B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6253547B1 (en) | 1999-02-12 | 2001-07-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Apparatus and method for determining amount of unburned fuel component adsorbed by an adsorbent in an internal combustion engine |
JP2008215223A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
JP2009052542A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-03-12 | Nissan Motor Co Ltd | 排気ガス浄化システム |
JP4644286B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2011-03-02 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | 排気ガス浄化構成要素を監視するための方法 |
-
1997
- 1997-05-30 JP JP14238097A patent/JP3360568B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6253547B1 (en) | 1999-02-12 | 2001-07-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Apparatus and method for determining amount of unburned fuel component adsorbed by an adsorbent in an internal combustion engine |
JP4644286B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2011-03-02 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | 排気ガス浄化構成要素を監視するための方法 |
JP2008215223A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
JP2009052542A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-03-12 | Nissan Motor Co Ltd | 排気ガス浄化システム |
US9810120B2 (en) | 2007-08-01 | 2017-11-07 | Nissan Motor Co., Ltd. | Exhaust gas purifying system |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3360568B2 (ja) | 2002-12-24 |
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