JPH1033108A - 菓子類における気泡抱込生地と、その製造方法および製造装置 - Google Patents

菓子類における気泡抱込生地と、その製造方法および製造装置

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JPH1033108A
JPH1033108A JP8212989A JP21298996A JPH1033108A JP H1033108 A JPH1033108 A JP H1033108A JP 8212989 A JP8212989 A JP 8212989A JP 21298996 A JP21298996 A JP 21298996A JP H1033108 A JPH1033108 A JP H1033108A
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disk
dough
gas
bubble
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Tomio Niimi
富男 新美
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Kankyo Kagaku Kogyo KK
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    • A21C1/10Mixing or kneading machines for the preparation of dough with additional aerating apparatus for the manufacture of aerated doughs
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡生成に必要なホイップ作用を均一、かつ
短時間で与え、物理的なダメージを低減させて起泡性を
高め、良質な菓子類の製造を可能にする。 【解決手段】 2枚の円板に形成した前方開放の小室
を、相互連通させてケーシング内に設けたホイップ装置
5を用い、このホイップ装置5に流体であるタンク2の
卵と、気体供給源3の気体を圧送して通過させることに
よって、流体にホイップ作用を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、卵の起泡性を利用
した菓子類における気泡抱込生地と、その製造方法およ
び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、菓子類の内、卵の起泡作用を利用
してスポンジのように軽く膨らませる様にするスポンジ
ケーキ、エンゼルケーキ、メレンゲ等の製法としては、
共立て法、別立て法、オールインミックス法(全量仕
込)の3種類が知られ、そして、どの製法にあっても、
生地中に気泡を抱き込ませるための処理手段としては、
容器内に生地材料である卵白、卵黄或いは全卵に、砂
糖、食塩、小麦粉、牛乳等の食材を、菓子類の種類に応
じた配合割合で入れ、そして、機械的な駆動源によって
ワイヤーホイッパーを回転させて攪拌して空気を抱き込
みながらホイップさせる工程を含んでいる。
【0003】ところが、かかるホイップ処理手段の雰囲
気は大気開放状態であって、微生物に対して何らコント
ロールされていないのが現状であると共に、ワイヤーホ
イッパーの回転によって卵白、卵黄或いは全卵中のタン
パク質には強い剪断力が作用し、タンパク質が物理的な
ダメージを受けるため、タンパク質が変性し、起泡性が
悪化し、含気が充分でなくなり良質な菓子類が得られな
い欠点を有し、しかも前記物理的なダメージが大きいと
水様化し、全く起泡しなくなるため、低速での攪拌を余
儀なくされ、生産性が悪い欠点を有している。
【0004】また、気泡の抱き込みによる容積増加量で
あるオーバーランのコントロールは、大気開放状態での
ワイヤーホイッパーによる攪拌であるため、非常に困難
であり、しかも抱き込まれた気泡の粒径は均一と成らな
い欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気泡生成に
必要なホイップ作用を均一、かつ短時間で与え、物理的
なダメージを低減させて起泡性を高め、良質な菓子類の
製造を可能にする状態を維持させながら無菌的に気泡抱
込生地の連続製造を可能にし、またオーバーランのコン
トロールを容易と成し、新規な菓子類の製造可能性を与
え、またホイップ装置の小型化を図ると共に、組み立て
を簡単にし、また気泡生成時の不具合を無くし、気泡径
が微細で、かつ均一な状態が維持される様にした菓子類
における気泡抱込生地と、その製造方法および製造装置
を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術に
基づく、微生物のコントロール、過度な物理的なダメー
ジ、オーバーランのコントロール等の各種の課題に鑑
み、2枚の円板に形成した前方開放の小室を、相互連通
させてケーシング内に設けたホイップ装置を用い、この
ホイップ装置に流体である卵と気体を圧送して通過させ
ることによって、流体に、衝突、分散、合流、蛇行、渦
流等によるホイップ作用を均一、かつ短時間で与え、起
泡性を向上させると共に、容積増加量であるオーバーラ
ンを高めたり、オーバーランおよび微生物のコントロー
ルを可能にすることを要旨とする菓子類における気泡抱
込生地と、その製造方法および製造装置を提供して上記
欠点を解消せんとしたものである。
【0007】そして、上記製造方法としては、入口、出
口を有した円筒状のケーシングと、互いに対向する前面
に前方開放の小室を多数配列した2枚の円板を一組みと
して、これを同心的に重合させて成る複数のエレメント
から成り、前記一方の円板の外径側はケーシングの内周
面と流体密と成すと共に、中央に流通孔が穿設され、ま
た他方の円板の外径側には流通路が形成され、一方の円
板の小室と、他方の円板の小室とは互いの小室が対向す
る他の小室に連通する様に位置を違えて配列させ、これ
らエレメントは互いに同方の円板が隣接するように重ね
合わせてケーシング内に配列すると共に、ケーシングの
入口および出口と流通孔が連通する様に両側には一方の
円板を配置したホイップ装置を使用し、かかるホイップ
装置に、卵と気体を圧送して通過処理させる工程を菓子
類を製造するに際して包含させる。
【0008】また、食品衛生および貯蔵上、好ましくは
気体を殺菌処理して浄化気体と成して、卵と共にホイッ
プ装置を通過させる。
【0009】また、製造装置としては、タンク、気体供
給源、ホイップ装置、圧送手段を備えており、タンクは
卵を収容し、気体供給源は気体の流量調整機能を有して
いる。
【0010】ホイップ装置は、入口、出口を有した円筒
状のケーシングと、互いに対向する前面に前方開放の小
室を多数配列した2枚の円板を一組みとして、これを同
心的に重合させて成る複数のエレメントから成り、前記
一方の円板の外径側はケーシングの内周面と流体密と成
すと共に、中央に流通孔が穿設され、また他方の円板の
外径側には流通路が形成され、一方の円板の小室と、他
方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連
通する様に位置を違えて配列させ、これらエレメントは
互いに同方の円板が隣接するように重ね合わせてケーシ
ング内に配列すると共に、ケーシングの入口および出口
と流通孔が連通する様に両側には一方の円板を配置して
おり、タンクの卵と、気体供給源の気体を、圧送手段を
介してホイップ装置へ圧送している。
【0011】また、他のホイップ装置としては、弾性体
によりケーシング内に挿入される外径にて筒体を形成
し、この筒体の両端より内方側へ鍔片を一体成形して環
装シール体を形成し、この環装シール体における鍔片の
内周径より大きな外径にて形成した一方の円板を環装シ
ール体内の両側に配設し、その間に2枚の他方の円板を
配列させると共に、他方の円板の外径側には流通路を形
成して集合エレメントと成し、この集合エレメントをケ
ーシング内に所望する個数配列し、集合エレメントにお
ける環装シール体の夫々の鍔片を弾性変形させる様に、
ケーシング両端の蓋体によって挟持している。
【0012】また、他のホイップ装置としては、ケーシ
ング内に所望する個数配列した集合エレメントにおける
環装シール体の鍔片の外面全域を、蓋体装着時に押圧す
べきパッキン体を設けたり、またケーシング内に所望す
る個数配列した集合エレメントにおける環装シール体の
鍔片内方の空間部内および環装シール体の鍔片の外面側
に、中央に連通孔が形成されたパッキン体を設け、蓋体
装着時にパッキン体および鍔片を弾性変形させている。
【0013】また、他のホイップ装置としては、ケーシ
ング内に挿入される円柱突部を設け、円柱突部先端の周
縁側に半割り溝状と成したシール座面を形成し、また一
方の円板の外径をケーシングの内周面に密接しない大き
さに形成すると共に、小室が形成されていない背面の周
縁側に半割り溝状と成したシール座面を形成し、隣接す
るシール座面によって画成されるシール溝内にシール部
材を設けたり、またシール溝における底部であるシール
座面をテーパ面状と成し、さらに必要に応じて気体を殺
菌処理して浄化気体と成す浄化手段を備えている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明すると、本発明に係る菓子類における気泡
抱込生地の製造装置1は、液相分である卵白、卵黄、或
いは全卵に、砂糖、食塩、小麦粉、牛乳等の食材を、菓
子類の種類に応じた配合割合で混合した溶液を収容する
タンク2と、気相分である空気、炭酸ガス、窒素ガス
(不活性ガス)等の気体の流量調整機能を有する気体供
給源3と、タンク2内の液相分を圧送するポンプ4と、
気体と溶液の2相成分を通過させることによって泡立て
処理するホイップ装置5を備えている。
【0015】タンク2は大気中の微生物による汚染で、
溶液の品質や、鮮度等の低下を防止するために、内部に
収容する液相分が大気と接触しない密閉構造と成すこと
が好ましいく、かかるタンク2に流体の圧送手段として
のポンプ4の吸込側を、管体6を介して接続すると共
に、ポンプ4の吐出側にホイップ装置5の入口側を、管
体6aを介して接続している。
【0016】また、流体の圧送手段としての気体供給源
3はブロアー(図示せず)や、圧縮機(図示せず)によ
って気体を加圧供給したり、若しくは気体を圧縮気体と
成してボンベ7に充填して加圧供給するものであれば良
く、かかる気体供給源3は、ポンプ4の吐出側とホイッ
プ装置5の入口側の間の管体6aに接続している。
【0017】なお、気体供給源3に流量調整機能を具有
させるものとしては、流量調整バルブ8を設けている。
【0018】また、気相分である空気、炭酸ガス、窒素
ガス(不活性ガス)等の気体中における微生物や臭気成
分を除去するために、一般的な殺菌・除菌フィルター
や、吸着剤の多孔性(例えば、活性炭、活性白土、シリ
カゲル等)を利用した吸着法、さらにはオゾンの酸化力
を利用したオゾン酸化法等が用いられるも、かかる手段
には何ら限定されない。
【0019】次に、ホイップ装置5の第一の実施の形態
としては、円筒状のケーシング21の両端の開口部に夫々
外周方向に突出するフランジ22、22a が形成され、該フ
ランジ22、22a 端面にケーシング21の内径より小径な入
口23および出口24を中央に形成した板状の蓋体25、25a
を着脱自在に装着している。
【0020】26はケーシング21の中空内部における軸心
方向に複数配列したエレメントであり、かかるエレメン
ト26は図3〜5に示す様に、互いに対向する前面に、該
前面に対して側壁32を直角と成した前方開放の平面視形
状を多角形状と成す筒状の小室27、27a …を多数配列し
た大小2枚の円板28、29を一組みとし、これを同心的に
重合させている。
【0021】また、前記大径と成した一方の円板28の外
径側は、ケーシング21の内周面との間で流体をシールす
る流体密と成す様に、その外径がケーシング21の内周面
に密接される大きさにて形成されると共に、中央に流通
孔30が穿設され、一方、小径と成した一方の円板29の外
径側は、その外径をケーシング21の内周面から離間して
該内周面との間に流通路31が形成される大きさと成して
いる。
【0022】また、図5に示す様に一方の円板28の小室
27、27a …と、他方の円板29の小室27、27a …とは互い
の小室27、27a …が対向する他の小室27、27a …に連通
する様に位置を違えて配列させている。
【0023】そして、これらエレメント26は互いに同方
(一方同士、他方同士)の円板が隣接するように重ね合
わせてケーシング21の中空内部に直列的に配設する。
【0024】また、直列状態のエレメント26の両側には
一方の円板28を配置して、一方の円板28の流通孔30と入
口23および出口24を連通させている。
【0025】また、上記実施の形態では小室27、27a …
の平面視形状を六角と成してハニカム状に多数配列した
ものを示したが、かかる形状に何ら限定されず、図6〜
8に示す様に小室27、27a …の平面視形状を三角、四
角、八角…等と成したり、又円形(図示せず)と成して
も良い。
【0026】次に、ホイップ装置5の第二の実施の形態
については、図10〜12に示す様に、密封装置に使用
される材質であるゴム状弾性体(ニトリルゴム、シリコ
ーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等)によりケーシ
ング21の内周面との間に若干の隙間を具有させて遊嵌状
に挿入される外径にて筒体35を形成し、この筒体35の両
端より内方側へ鍔片36、36a を一体成形して環装シール
体37と成している。
【0027】また、環装シール体37の筒体35の軸心方向
の長さについては、大小の円板28、29を4枚同心的に重
ねた状態の軸心方向の長さに概ね一致させている。
【0028】また、環装シール体37における筒体35の内
周面に密接若しくは若干小径、例えば鍔片36、36a の内
周径より大きな外径にて一方の円板28を形成し、又他方
の円板29の外径側は、その外径を筒体35の内周面から離
間してこの内周面との間に流通路31を形成する様な大き
さと成している。
【0029】そして、一方な円板28を両側に配設し、そ
の間に互いの小室27、27a …が対向する他の小室27、27
a …に連通する様に位置を違えて、他方の円板29を配設
する様にした2枚の円板28、29からなる2組のエレメン
ト26を環装シール体37の中空内部に配列させて集合エレ
メント38と成している。
【0030】次に、複数の集合エレメント38をケーシン
グ21の中空内部に直列的に配設し、フランジ22、22a 端
面に蓋体25、25a を当ててボルト等によって固定するこ
とにより、蓋体25、25a によって複数の集合エレメント
38が挟持固定されてケーシング21内に配列される。
【0031】ここで、ケーシング21の両端間の寸法L1
に対し、複数配列する集合エレメント38を自由状態で同
心的に、環装シール体37の夫々の鍔片36、36a を接触さ
せた連続状態における両端間の寸法L2を大きく設定す
ることにより、各集合エレメント38における環装シール
体37の鍔片36、36a に夫々押圧力が加わるため、この押
圧力によって各鍔片36、36a が弾性変形し、その際の弾
性復元力によって小室27、27a …の側壁32の上端面相互
が圧接されて密接状態が良好となると共に、環装シール
体37の鍔片36、36a が一方の円板29の背面に圧接されて
密接状態を良好と成している。
【0032】また、上記実施の形態においては、集合エ
レメント38が複数の場合であるが、この集合エレメント
38を単体とする場合には、集合エレメント38の両端間の
寸法L2をケーシング21の両端間の寸法L1より大きく
すれば良く、また後述する第三の実施の形態の様に、蓋
体25、25a にケーシング21両端の開口部内に遊嵌状に挿
入される円柱突部50を有するものを使用する場合には、
上記寸法L1と寸法L2の関係に限定されず、要するに
両側の蓋体25、25a によって複数の集合エレメント38を
挟持した時に、各鍔片36、36a が弾性変形し、弾性復元
力が生じる様に鍔片36、36a の厚みが設定されている。
【0033】また、上記実施の形態では一方の円板28の
背面側のシール個所は、環装シール体37の鍔片36、36a
が密接している外周側であると共に、相互に密接する鍔
片36、36a の内周径の寸法誤差によって鍔片36、36a の
内周縁側が押圧されない場合があることにより、流体の
供給圧力が高くなると、かかる個所の鍔片36、36a が捲
れ上がる現象が生じ、シール不良となる可能性があるた
め、かかるシール不良を解消するために以下の実施の形
態にすることが望ましい。
【0034】先ず、図13〜21に示す様に、ケーシン
グ21に内装する集合エレメント38における環装シール体
37の鍔片36、36a を、両側の蓋体25、25a によって集合
エレメント38を挟持した時、鍔片36、36a の外面全域を
押圧すべきパッキン体60を設けるものにして、パッキン
体60としては集合エレメント38間に設ける中間パッキン
61と、集合エレメント38と蓋体25、25a 間に設ける端部
パッキン62の2種類を有する。
【0035】パッキン体60の材質としては、環装シール
体37と同様なゴム状弾性体、若しくは両側の蓋体25、25
a によって集合エレメント38を挟持した時に、パッキン
体60は実質的に弾性変形せず、少なくとも各鍔片36、36
a のみを弾性変形させるものであれば良い。
【0036】また、中間パッキン61の形態としては、図
13〜15に示す様に、環装シール体37の鍔片36、36a
の内周径より大径で、且つケーシング21の内径より小径
と成す円盤体63の両面に、環装シール体37の鍔片36、36
a の内周径より若干小径な円柱部64、64a を突出形成す
ると共に、中央に一方の円板28に形成する流通孔30と概
ね同径と成した連通孔65を形成している。
【0037】また、端部パッキン62の形態としては、図
13〜15に示す様に、中間パッキン61の円柱部64、64
a のいずれか一方を形成しないものであり、また端部パ
ッキン62の円盤体63相互を重ね合わせて中間パッキン61
と成しても良い。
【0038】また、図16〜18に示す様に、上記実施
の形態における円柱部64、64a を形成していないもの
を、中間パッキン61および端部パッキン62と成しても良
い。
【0039】なお、上記実施の形態において、集合エレ
メント38の鍔片36、36a によって挟持される部位を有す
る形状に中間パッキン61、端部パッキン62を形成してい
るも、図19〜21に示す様に、一方の円板28の背面側
の露出部位(鍔片36、36a の内方側)のみをシールする
場合には、環装シール体37の鍔片36、36a の内径より若
干小径な円盤体63の中央に連通孔65を形成したものを、
中間パッキン61、端部パッキン62と成しても良い。
【0040】なお、上記実施の形態においても、両側の
蓋体25、25a によって集合エレメント38を挟持した時
に、各鍔片36、36a が弾性変形し、その弾性復元力でも
って大径な円板28の背面側が流体密となる様に密着させ
るために、鍔片36、36a 、中間パッキン61、端部パッキ
ン62の夫々の厚みが設定されている。
【0041】次に、ホイップ装置5の第三の実施の形態
については、図22〜32に示す様に、第一の実施の形
態における一方の円板28の外径をケーシング21の内周面
と密着しない大きさ(遊嵌状となる程度)と成すと共
に、小室27、27a …が形成されていない平坦な背面に、
円板28の外径より若干小径と成す底部径を有する偏平な
円錐台状の台座部39を一体形成することにより、この台
座部39の外側である円板28の周縁側を陥没状と成してシ
ール座面40を形成している。
【0042】このシール座面40は、後述するシール溝54
を画成するために、半割り溝状と成し、且つその一部が
テーパ面状に形成された領域によって形成され、又テー
パ面状の部位としてはシール溝54におけるシール部材55
が押圧接触される座部と成している。
【0043】また、シール座面40の他の実施の形態とし
ては、台座部39を偏平な円柱状に形成し、この台座部39
の外周面と、円板28の背面における周縁側とによって陥
没状と成した領域にて半割り溝状に形成しても良い。
【0044】また、一方の円板28の中心を貫く流通孔30
の中心に、流通孔30の内面から中心に指向するアーム41
の先端にハブ42を一体形成し、このハブ42の中心に軸孔
43を形成すると共に、流通孔30の周囲の台座部39に所定
深さで凹状に形成した座ぐり部44を形成している。
【0045】次に、他方の円板29の小室27、27a …が形
成される前面の中心には、円柱状のボス45を突設し、こ
のボス45の中心にメネジ孔46を螺刻すると共に、同じ前
面の外側には、一方の円板28における最も外側の任意な
小室27、27a …と嵌合する嵌合ピン47、47a を突設して
いる。
【0046】そして、図29、30に示す様に、前面に
設けた小室27、27a …が対向する他の小室27、27a …に
連通する様に位置を違えて重ね合わせ、その後、止めネ
ジ48を軸孔43に通してメネジ孔46に螺入して2枚の円板
28、29を連結してエレメント26と成している。
【0047】また、ケーシング21のフランジ22、22a に
はボルト挿通孔49、49a …を形成し、このケーシング21
の両端に装着する入口23、出口24を夫々形成する蓋体2
5、25a には、ケーシング21両端の開口部内に遊嵌状に
挿入される円柱突部50を設け、円柱突部50先端の周縁側
には前記2枚の円板28、29と同様なるシール座面40を形
成し、又フランジ22、22a と対向する個所には調整ボル
ト51が螺入する適宜数の貫通ネジ孔52を形成している。
【0048】そして、ケーシング21の開口部から中空内
部に直列的に、止めネジ48で2枚の円板28、29を連結し
たエレメント26を、一方の円板28同士および他方の円板
29同士が隣接する様に配列し、ケーシング21の両端の開
口部内に円柱突部50を挿入した状態で、蓋体25、25a を
適宜数の連結ボルト53、53a によって装着すると、隣接
するエレメント26における一方の円板28に形成されるシ
ール座面40によって略V字状、略U字状のシール溝54が
画成される。
【0049】かかるシール溝54とケーシング21内周面と
によって所定のつぶし代が得られるリング状のシール部
材55を、シール溝54内に装着してホイップ装置5とす
る。
【0050】ここで、シール部材54の装着方法として
は、先ず、ケーシング21の一方の開口部に蓋体25を適宜
数の連結ボルト53、53a によって装着し、その後、シー
ル部材55、エレメント26の順で多数直列的に配列し、最
終的に蓋体25a をケーシング21の一方の開口部に適宜数
の連結ボルト53、53a によって装着すると、隣接するシ
ール座面40によって画成されるシール溝54内にシール部
材55が装着される。
【0051】また、シール部材55の形態としては、Oリ
ング、Xリング、Dリング等があり、又その材質につい
てもゴム状弾性体であるニトリルゴム、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、アクリルゴム等がある。
【0052】次に、本発明に係る菓子類における気泡抱
込生地の製造装置による製造方法について説明すると、
タンク2内に収容する卵白、卵黄、或いは全卵に、砂
糖、食塩、小麦粉、牛乳等の食材を、菓子類の種類に応
じた配合割合で混合して溶液と成し、この溶液をポンプ
4によってホイップ装置5へ加圧送給すると共に、気体
供給源3からの所定流量の気体を溶液中に圧入すると、
溶液と気体がホイップ装置5を通過する過程でホイップ
作用を受け、気体が均一に微細気泡化された状態で抱き
込まれてホイップされた気泡抱込生地が連続的に排出さ
れる。
【0053】また、気体中の微生物や臭気成分を予め除
去することにより、無菌的に気泡抱込生地を製造でき、
食品衛生性および貯蔵性が向上すると共に、原料本来の
風味も損なわれない。
【0054】上記、ホイップ装置5内でのホイップ作用
である泡立てのメカニズムについては、溶液である液相
分と気体である気相分の流体が、ホイップ装置5の入口
23からケーシング21の内部空間に加圧流入されると、こ
の流体の流れは、例えば図2に示す矢印のように上流側
のエレメント26の流通孔30からその内部に達し、他方の
円板29により直進進路が妨げられて方向を変え、互いに
連通する小室27、27a…を経て中央部から外側に向かっ
て放射状に均一に直角衝突、分散、合流、蛇行、渦流等
の状態が組み合わさって流動する。
【0055】この様に、上流側のエレメント26を通過し
てケーシング21の内周面に到達した流体は、そのケーシ
ング21の内周面と他方の円板29とによって形成された流
通路31から下流側のエレメント26の各小室27、27a …に
入り、上述の様に均一に直角衝突、分散、合流、蛇行、
渦流等の流れで中央部に集合され、再び流通孔30から下
流側のエレメント26に入り、そして、再度各小室27、27
a …を経ながら中央部から外側へ向かって均一に直角衝
突、分散、合流、蛇行、渦流等によって、順次エレメン
ト26の内部を流動し、かかる流動状態によって気体が溶
液中に抱き込まれて発泡した状態となって出口24より出
る。
【0056】また、流体は上記の様に、各小室27、27a
…の底面および側壁32への直角衝突、各小室27、27a …
から他の複数の小室27、27a …への分散、複数の小室2
7、27a …から他の一つの小室27、27a …への合流、蛇
行、さらに複数の小室27、27a…から各小室27、27a …
への流入による渦流、各小室27、27a …から他の小室2
7、27a …への連通路であるオリフイスを通過する際の
流体力学的な剪断、衝撃的破壊による粉砕、側壁32の上
端面を通過する際の剪断等によってホイップ作用が行わ
れる。
【0057】また、ここでエレメント26の分散総数につ
いては、中心より順次放射状に配列した大小2枚の円板
28、29における小室27、27a …の室数によって決定され
るのであり、例えば図5に示す平面視六角状のものであ
れば、室数が6室、12室、18室(計36室) の3列状の円
板28と、室数が3室、9室、15室(計27室) の3列状の
円板29を重合させたエレメント26の合計した1流体の場
合の分散総数は数千にも達し、2流体以上であれば当然
その乗数積となる。
【0058】なお、上記分散総数とは、円板28と円板29
において、互いに連通する小室27、27a …によってエレ
メント26を通過する間に生じるべき流体が分散される数
のことであり、複数のエレメント26から成る場合は、エ
レメント26の各分散総数の積と成り、小室27、27a …の
列数を増減することにより、適宜増減可能であり、また
集合エレメント38を用いたホイップ装置5でも前記と同
様に直角衝突、分散、合流、蛇行、渦流等が繰り返され
る。
【0059】また、集合エレメント38を配列するホイッ
プ装置5については、ホイップ作用は上記と同様に行わ
れると共に、集合エレメント38両端間の寸法L2をケー
シング21の両端の寸法L1より大きく設定し、蓋体25、
25a をケーシング21の両端に装着して集合エレメント38
を挟持固定していることにより、円板28、29における小
室27、27a …を形成する側壁32の上端面の密着状態を強
固に維持できると共に、環装シール体37の鍔片36、36a
が一方の円板28の背面の外周側に弾性変形状態で密接さ
れるため、かかる個所にシール機能が付与され、これに
よって一方の円板28の背面から環装シール体37内への漏
れ、鍔片36、36a 相互の密接個所からの環装シール体37
外周面とケーシング21内周面の間への漏れが規制でき
る。
【0060】また、一方の円板28の背面側の露出部位
(鍔片36、36a の内方側)のみに装着するパッキン体60
としての中間パッキン61と端部パッキン62を設ける実施
の形態については、一方の円板28の背面における流通孔
30の周囲から環装シール体37の鍔片36、36a によってシ
ールされている個所までの範囲の空間部において、中間
パッキン61と端部パッキン62が夫々、弾性変形状態で設
けられることにより、かかる個所にシール機能が付与さ
れる。
【0061】また、円盤体63のみから成るパッキン体60
としての中間パッキン61と端部パッキン62を装着した実
施の形態については、相互に密接する鍔片36、36a の内
周径の寸法誤差によって鍔片36、36a の内周縁側が押圧
されない場合でも、かかる個所の鍔片36、36a の外面全
域を確実に弾性変形させ、一方の円板28背面の外周側の
シール機能を向上させている。
【0062】また、円盤体63に円柱部64、64a を形成す
るパッキン体60としての中間パッキン61と端部パッキン
62を装着した実施の形態については、一方の円板28の背
面における流通孔30の周囲から環装シール体37の鍔片3
6、36a によってシールされている個所までの範囲の空
間部において、中間パッキン61と端部パッキン62が夫
々、弾性変形状態で設けられることにより、かかる個所
の一方の円板28の背面に中間パッキン61と端部パッキン
62が密着し、シール機能が付与される。
【0063】また、隣接するシール座面40によってシー
ル溝54が画成されるホイップ装置5については、シール
部材55とエレメント26を順次、ケーシング21内に入れる
だけで、シール溝54内にシール部材55が装着でき、又こ
のシール部材55によって一方の円板28の外径とケーシン
グ21の内周面の間からの流体の短絡的な流れを規制する
様にシールでき、又シール座面40をテーパ面状と成す場
合は、図33に示す様に、テーパ面がシール部材55の装
着時の誘導面と成るため、シール部材55の噛み込みが防
止できる。
【0064】また、蓋体25、25a の円柱突部50端面と集
合エレメント38の一方の円板28の背面の間から漏れよう
とする流体についても、円柱突部50のシール座面40と円
板28のシール座面40によって画成されるシール溝54内に
シール部材55が装着されるため、円柱突部50外周からの
外部への漏れが防止でき、円柱突部50外周側に一般的に
設けるガスケット類が不要と成る。
【0065】
【実施例】まず、本実施例で使用するホイップ装置5に
ついて説明すると、基本的な形態としては、第三の実施
の形態であって、詳しくは小室27、27a …の平面視形状
を六角と成すと共に、小室27、27a …の対辺寸法を約3
mm、深さ寸法を約2mmと成し、また図23に示す様
に、外径寸法を約36mmと成した一方の円板28の小室
27、27a …の室数を48室と成すと共に、外径寸法を約
33.5mmと成した他方の円板29の小室27、27a …の
室数を39室と成し、一方の円板28と他方の円板29を連
結した20個のエレメント26を、一方の円板28同士およ
び他方の円板29同士が隣接する様にケーシング21内に設
けたものと、また、図31に示す様に、外径寸法を約5
1.5mmと成した一方の円板28の小室27、27a …の室
数を108室と成すと共に、外径寸法を約48.5mm
と成した他方の円板29の小室27、27a …の室数を86室
と成し、その他を上記と同様と成したもの使用した。
【0066】つぎに、菓子類における気泡抱込生地の種
類としては、「メレンゲ」と成し、かかるメレンゲの原
料である溶液中の食材の配合割合を、「液卵白1Kg、
砂糖1Kg、乾燥卵白を液卵白に対して10重量%、レ
モン液を液卵白に対して2.5重量%」と成し、また、
溶液を加圧送給するポンプ4の吐出圧力を、「約5〜8
Kgf/cm2」、吐出流量を、「約0.151〜0.
426リットル/分」と成し、また、気体(窒素ガス)
の圧入圧力を、「約9Kgf/cm2 」、圧入流量を、
「約1.5〜2.5リットル/分」と成して溶液と気体
をホイップ装置5へ圧送し、ホイップ装置5内を1回の
み通過させて製造した。
【0067】そして、起泡性としては、気泡の抱き込み
による容積増加量であるオーバーラン(または容積比
率)を測定したところ、約677〜1270%(約7.
73〜13.7倍)のものが得られ、また比重を測定し
たところ、約0.08〜0.172のものが得られ、ま
たホイップ装置5の入口23から圧送した溶液と気体が気
泡抱込生地として出口24から排出されるまでの時間は、
約4〜5秒以内であった。
【0068】また、比較例として、従来のワイヤーホイ
ッパーによって上記と同じ食材の配合割合と成した同一
量の溶液を、角立ち状態と成るまで22分、かけて攪拌
したところ、オーバーラン(または容積比率)は、約2
66%(約3.66倍)、また比重は、約0.3のもの
が得られた。
【0069】この様に、本発明にあっては、従来のもの
に比べ、高い起泡性を具有させる気泡抱込生地を得るこ
とができ、そして、この理由としては、ホイップ装置5
内での流動状態は、従来の様に強い剪断力によるものと
は違い、物理的に均一となる力が短時間の間に、複数の
エレメント26による天文学的な値となる分散総数により
数多く繰り返されて流体に与えられるため、圧入された
気体による気泡の粒径のバラツキは無く、均一(粒径分
布)と成り、しかも、その粒径は微細化(推定、数ミク
ロン)されるためと推定され、さらに微細化によって気
泡が剛体化されることにより、この気泡を支えるタンパ
ク質の膜が強固になるため、発泡状態の安定性が高くな
る。
【0070】
【発明の効果】要するに本発明は、卵の起泡作用によっ
て菓子類を製造するに際し、入口23、出口24を有した円
筒状のケーシング21と、互いに対向する前面に前方開放
の小室27、27a …を多数配列した2枚の円板28、29を一
組みとして、これを同心的に重合させて成る複数のエレ
メント26から成り、前記一方の円板28の外径側はケーシ
ング21の内周面と流体密と成すと共に、中央に流通孔30
が穿設され、また、他方の円板29の外径側には流通路31
が形成され、一方の円板28の小室27、27a …と、他方の
円板29の小室27、27a …とは互いの小室27、27a …が対
向する他の小室27、27a …に連通する様に位置を違えて
配列させ、これらエレメント26は互いに同方の円板28、
29が隣接するように重ね合わせてケーシング21内に配列
すると共に、ケーシング21の入口23および出口24と流通
孔30が連通する様に両側には一方の円板28を配置したホ
イップ装置5に、卵と気体を圧送して通過処理する工程
を包含させるので、性状を一定と成した気泡抱込生地の
連続製造が可能となると共に、その生産性も従来に比し
高速化でき、また気泡抱込生地は、従来のものに比べ、
高い起泡性と、高い安定性を具有させることができるた
め、良質な菓子類の製造を可能にし、また安定性が高い
ため、気泡抱込生地製造から最終製品までの一連の工程
の流れの条件(時間、温度等)が緩和され、作業性を向
上させることができ、また単に圧力や、流量を調整する
ことにより、オーバーラン(または容積比率)をコント
ロールできるため、従来には無い、高い起泡性を利用し
た新規な菓子類の製造が可能となり、またエレメント26
内の拡散および集合の流動方向は半径方向であるこよに
より、流路長を長くできるため、ホイップ装置5の小型
化を図ることができる。
【0071】また、気体を殺菌処理して浄化気体とした
ので、無菌的に気泡抱込生地を製造できることにより、
食品衛生性および貯蔵安定性が向上する。
【0072】また、ホイップ装置5において、円筒状の
ケーシング21の両端に入口23および出口24を形成した蓋
体25、25a を着脱自在と成し、弾性体によりケーシング
21内に挿入される外径にて筒体35を形成し、この筒体35
の両端より内方側へ鍔片36、36a を一体成形して環装シ
ール体37を形成し、この環装シール体37における鍔片3
6、36a の内周径より大きな外径にて形成した一方の円
板28を環装シール体37内の両側に一方の円板28を配設
し、その間に2枚の他方の円板29を配列させると共に、
他方の円板29の外径側には流通路31を形成して集合エレ
メント38と成したので、集合エレメント38はユニット化
されるため、ホイップ装置5の組み立てが極めて簡単に
でき、また集合エレメント38をケーシング21内に所望す
る個数配列し、集合エレメント38における環装シール体
37の夫々の鍔片36、36a を弾性変形させる様に、ケーシ
ング21両端の蓋体25、25a によって挟持したので、上記
と同様なるホイップ作用による効果に加え、円板28、29
における小室27、27a …を形成する上端面の密着状態を
強固に維持でき、各円板28、29のガタツキが防止できる
ため、小室27、27a …の上端面或いは一方の円板28の外
周側からの漏れによって発生する流体の短絡的な流動が
防止されるため、ホイップ時における気泡生成時の不具
合が無くなり、気泡の粒径を微細、かつ均一な状態で維
持できるため、さらに気泡抱込生地の性状を良質にでき
る。
【0073】また、ケーシング21内に所望する個数配列
した集合エレメント38における環装シール体37の鍔片3
6、36a の外面全域を、蓋体25、25a 装着時に押圧すべ
きパッキン体60を設けたので、相互に密接する鍔片36、
36a の内周径の寸法誤差によって鍔片36、36a の内周縁
側が押圧されない場合でも、かかる個所の鍔片36、36a
の外面全域を確実に弾性変形させ、一方の円板28背面の
外周側のシール機能を向上させるため、溶液と気体の圧
送時における圧力を高くしても、気泡生成時の不具合は
無いため、上記と同様に気泡抱込生地の性状を良質にで
きる。
【0074】また、ケーシング21内に所望する個数配列
した集合エレメント38における環装シール体37の鍔片3
6、36a 内方の空間部内および環装シール体37の鍔片3
6、36aの外面側に、中央に連通孔65が形成されたパッキ
ン体60を設け、蓋体25、25a 装着時にパッキン体60およ
び鍔片36、36a を弾性変形させたので、上記効果に加え
て一方の円板28の背面における流通孔30の周囲から環装
シール体37の鍔片36、36a によってシールされている個
所の間にシール機能を付与することができ、溶液と気体
の圧送時における圧力を高くしても、気泡生成時の不具
合は無いため、上記と同様に気泡抱込生地の性状を良質
にできる。
【0075】また、円筒状のケーシング21の両端に入口
23および出口24を形成した蓋体25、25a を着脱自在と成
すと共に、ケーシング21内に挿入される円柱突部50を設
け、円柱突部50先端の周縁側に半割り溝状と成したシー
ル座面40を形成し、また一方の円板28の外径をケーシン
グ21の内周面に密接しない大きさに形成すると共に、小
室27、27a …が形成されていない背面の周縁側に半割り
溝状と成したシール座面40を形成し、隣接するシール座
面40によって画成されるシール溝54内にシール部材55を
設けたので、シール部材55とエレメント26を単にケーシ
ング21内に順次挿入して配設するだけで、シール溝54が
画成できると同時にシール溝54内にシール部材55を装着
できるため、ホイップ装置5の組み立てが極めて簡単に
なると共に、シール部材55が確実にシール溝54内に装着
されるため、一方の円板28の外周側からの流体の短終的
な流れが規制されることによって上記と同様に気泡の分
散不良等の不具合を防止できるため、気泡抱込生地の性
状を良質にでき、また円柱突部50のシール座面40と円板
28のシール座面40によって画成されるシール溝54内にシ
ール部材55が装着されるため、円柱突部50外周からの外
部への漏れも同時に防止でき、円柱突部50外周側に一般
的に設けるガスケット類が不要と成り、しかも、一方の
円板28の外径はケーシング21の内周面に密接しないた
め、エレメント26を複数配列するケーシング21の内周面
の加工精度を精密にする必要はないため、ケーシング21
自体の機械加工も簡単と成る。
【0076】また、シール溝54における底部であるシー
ル座面40をテーパ面状と成したので、テーパ面がシール
部材55の装着時の誘導面と成るため、目視的な確認が困
難であるケーシング21内でのシール部材55の噛み込みに
よるシール不良が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る菓子類における気泡抱込生地の製
造装置の概略構成図である。
【図2】同上製造装置を固定するホイップ装置の概略断
面図である。
【図3】同上ホイップ装置のエレメントを構成する2枚
の円板の正面図である。
【図4】同上円板の斜視図である。
【図5】同上円板を2枚、同心的に重合させた場合にお
ける各小室の連通配列状態を示す図である。
【図6】同上円板における小室の形状を三角と成した連
通配列状態を示す図である。
【図7】同上円板における小室の形状を四角と成した連
通配列状態を示す図である。
【図8】同上円板における小室の形状を八角と成した連
通配列状態を示す図である。
【図9】図2のAーA概略断面図である。
【図10】ホイップ装置の他の実施の形態を示す概略断
面図である。
【図11】同上ホイップ装置における蓋体を装着する前
の状態を示す断面図である。
【図12】同上ホイップ装置を構成する集合エレメント
の分解斜視図である。
【図13】ホイップ装置の他の実施の形態を示す概略断
面図である。
【図14】同上ホイップ装置における蓋体を装着する前
の状態を示す断面図である。
【図15】同上ホイップ装置を構成する集合エレメント
の分解斜視図である。
【図16】ホイップ装置の他の実施の形態を示す概略断
面図である。
【図17】同上ホイップ装置における蓋体を装着する前
の状態を示す断面図である。
【図18】同上ホイップ装置を構成する集合エレメント
の分解斜視図である。
【図19】ホイップ装置の他の実施の形態を示す概略断
面図である。
【図20】同上ホイップ装置における蓋体を装着する前
の状態を示す断面図である。
【図21】同上ホイップ装置を構成する集合エレメント
の分解斜視図である。
【図22】ホイップ装置の他の実施の形態を示す概略断
面図である。
【図23】同上ホイップ装置におけるエレメントを構成
する2枚の円板の正面図である。
【図24】同上2枚の円板の側面図である。
【図25】同上2枚の円板の前面斜視図である。
【図26】同上一方の円板の背面斜視図である。
【図27】図23のCーC概略断面図である。
【図28】図23のDーD概略断面図である。
【図29】エレメントの分解斜視図である。
【図30】エレメントの斜視図である。
【図31】同上2枚の円板の他の実施の形態を示す正面
図である。
【図32】テーパ面から成るシール溝へのシール部材の
装着状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
2 タンク 3 気体供給源 4 ポンプ 5 ホイップ装置 21 ケーシング 23 入口 24 出口 25、25a 蓋体 26 エレメント 27、27a … 小室 28 円板 29 円板 30 流通孔 31 流通路 35 筒体 36、36a 鍔片 37 環装シール体 38 集合エレメント 40 シール座面 50 円柱突部 54 シール溝 55 シール部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵の起泡作用によって菓子類を製造する
    に際し、入口、出口を有した円筒状のケーシングと、互
    いに対向する前面に前方開放の小室を多数配列した2枚
    の円板を一組みとして、これを同心的に重合させて成る
    複数のエレメントから成り、前記一方の円板の外径側は
    ケーシングの内周面と流体密と成すと共に、中央に流通
    孔が穿設され、また他方の円板の外径側には流通路が形
    成され、一方の円板の小室と、他方の円板の小室とは互
    いの小室が対向する他の小室に連通する様に位置を違え
    て配列させ、これらエレメントは互いに同方の円板が隣
    接するように重ね合わせてケーシング内に配列すると共
    に、ケーシングの入口および出口と流通孔が連通する様
    に両側には一方の円板を配置したホイップ装置に、卵と
    気体を圧送して通過処理する工程を包含させることを特
    徴とする菓子類における気泡抱込生地の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項2記載の気体を殺菌処理して浄化
    気体と成したことを特徴とする菓子類における気泡抱込
    生地の製造方法。
  3. 【請求項3】 卵を収容するタンクと、気体の流量調整
    機能を有する気体供給源と、入口、出口を有した円筒状
    のケーシングと、互いに対向する前面に前方開放の小室
    を多数配列した2枚の円板を一組みとして、これを同心
    的に重合させて成る複数のエレメントから成り、前記一
    方の円板の外径側はケーシングの内周面と流体密と成す
    と共に、中央に流通孔が穿設され、また他方の円板の外
    径側には流通路が形成され、一方の円板の小室と、他方
    の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通
    する様に位置を違えて配列させ、これらエレメントは互
    いに同方の円板が隣接するように重ね合わせてケーシン
    グ内に配列すると共に、ケーシングの入口および出口と
    流通孔が連通する様に両側には一方の円板を配置したホ
    イップ装置とを備え、前記卵と気体をホイップ装置へ圧
    送する圧送手段を備えたことを特徴とする菓子類におけ
    る気泡抱込生地の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のホイップ装置において、
    円筒状のケーシングの両端に入口および出口を形成した
    蓋体を着脱自在と成し、弾性体によりケーシング内に挿
    入される外径にて筒体を形成し、この筒体の両端より内
    方側へ鍔片を一体成形して環装シール体を形成し、この
    環装シール体における鍔片の内周径より大きな外径にて
    形成した一方の円板を環装シール体内の両側に配設し、
    その間に2枚の他方の円板を配列させると共に、他方の
    円板の外径側には流通路を形成して集合エレメントと成
    し、この集合エレメントをケーシング内に所望する個数
    配列し、集合エレメントにおける環装シール体の夫々の
    鍔片を弾性変形させる様に、ケーシング両端の蓋体によ
    って挟持したことを特徴とする菓子類における気泡抱込
    生地の製造装置。
  5. 【請求項5】 ケーシング内に所望する個数配列した集
    合エレメントにおける環装シール体の鍔片の外面全域
    を、蓋体装着時に押圧すべきパッキン体を設けたことを
    特徴とする請求項4記載の菓子類における気泡抱込生地
    の製造装置。
  6. 【請求項6】 ケーシング内に所望する個数配列した集
    合エレメントにおける環装シール体の鍔片内方の空間部
    内および環装シール体の鍔片の外面側に、中央に連通孔
    が形成されたパッキン体を設け、蓋体装着時にパッキン
    体および鍔片を弾性変形させたことを特徴とする請求項
    4記載の菓子類における気泡抱込生地の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載のホイップ装置において、
    円筒状のケーシングの両端に入口および出口を形成した
    蓋体を着脱自在と成すと共に、ケーシング内に挿入され
    る円柱突部を設け、円柱突部先端の周縁側に半割り溝状
    と成したシール座面を形成し、また一方の円板の外径を
    ケーシングの内周面に密接しない大きさに形成すると共
    に、小室が形成されていない背面の周縁側に半割り溝状
    と成したシール座面を形成し、隣接するシール座面によ
    って画成されるシール溝内にシール部材を設けたことを
    特徴とする菓子類における気泡抱込生地の製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のホイップ装置において、
    シール溝における底部であるシール座面をテーパ面状と
    成したことを特徴とする菓子類における気泡抱込生地の
    製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項3、4、5、6、7、又は8記載
    の気泡抱込生地の製造装置において、気体を殺菌処理し
    て浄化気体と成す浄化手段を備えることを特徴とする菓
    子類における気泡抱込生地の製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項1、又は2記載の方法によって
    製造して成る菓子類における気泡抱込生地。
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