JPH10330608A - ポリカーボネート組成物およびポリカーボネート組成物物品の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート組成物およびポリカーボネート組成物物品の製造方法

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JPH10330608A
JPH10330608A JP13897897A JP13897897A JPH10330608A JP H10330608 A JPH10330608 A JP H10330608A JP 13897897 A JP13897897 A JP 13897897A JP 13897897 A JP13897897 A JP 13897897A JP H10330608 A JPH10330608 A JP H10330608A
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fluoroelastomer
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JP13897897A
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English (en)
Inventor
Takeshi Murakami
剛 村上
Hiroshi Kato
寛 加藤
Eiichi Ohira
栄一 大平
Mitsuhiro Shibayama
充弘 柴山
Shinichi Sakurai
伸一 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Nippon Reinz Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Nippon Reinz Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性並びに可撓性に優れ、且つ安価に
製造することができる耐熱性の有機高分子材料を提案す
ることを目的とする。 【解決手段】 ポリカーボネートとフッ素系エラストマ
ーとからなることを特徴とするポリカーボネート組成物
であり、特にポリカーボネート100重量部あたりフッ
素系エラストマー2〜200重量部の組成物である。 【効果】 耐熱性と可撓性の両方が要求される用途、例
えばパッキン、ガスケット、液体搬送用パイプなどの構
成材として工業的に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
組成物、並びにポリカーボネート組成物物品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のエンジニアリングプラスチック
は、一般的に耐熱性に優れているために、種々の物品、
例えばパッキンやガスケット、液体搬送容器、パイプ、
電機機器用ハウジングなどの構成材として注目されてい
る。これらの物品への適用において、エンジニアリング
プラスチックには成形加工の容易性、適度の可撓性、並
びに耐応力緩和性が要求される。特にパッキンやガスケ
ットは、高温度下で外圧を付加された状態で使用される
場合が多いので、高温度下での耐応力緩和性が特に重要
となる。
【0003】多くのエンジニアリングプラスチックは、
一般的に成形加工性や可撓性に問題があるので、この改
善のためその分子中にソフトセグメントを付加する技術
が提案され、かなり成果を挙げている。しかし、成形加
工性や可撓性の改善された従来のエンジニアリングプラ
スチックは、耐応力緩和性において、特に高温度下での
耐応力緩和性において未だ十分でない問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑みて本発明
は、成形加工性、可撓性、並びに耐応力緩和性に優れて
いる有機高分子材料、並びにかかる有機高分子材料から
なる物品の製造方法を提案することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、つぎの特徴を
有する。 (1) ポリカーボネート、該ポリカーボネート100重量
部あたり官能性化合物を固定したフッ素系エラストマー
2〜90重量部とからなることを特徴とするポリカーボ
ネート組成物。 (2) 官能性化合物を固定したフッ素系エラストマーが、
フッ素系エラストマーと該フッ素系エラストマー100
重量部あたり架橋剤0.3〜5重量部および官能性化合
物0.5〜10重量部とからなる組成物を架橋剤の架橋
温度以上の温度で加熱処理して得られるものである上記
(1) 記載のポリカーボネート組成物。 (3) 官能性化合物が、分子末端に少なくとも1個の非共
役二重結合を有するものである上記(1) または(2) 記載
のポリカーボネート組成物。 (4) 官能性化合物が、プロペン酸エチレングリコールエ
ステルである上記(3) 記載のポリカーボネート組成物。 (5) ポリカーボネート、架橋剤と官能性化合物とを予め
含有するフッ素系エラストマーとからなる組成物を該架
橋剤の架橋温度以上の温度で混合または成形することを
特徴とするポリカーボネート組成物物品の製造方法。 (6) ポリカーボネート、官能性化合物を予め含有するフ
ッ素系エラストマーとの組成物を混合し、ついで得られ
た混合組成物に架橋剤を添加して該架橋剤の架橋温度以
上の温度で混合または成形することを特徴とするポリカ
ーボネート組成物物品の製造方法。
【0006】
【作用】数多あるエンジニアリングプラスチック中から
ポリカーボネートを選択し、且つエラストマーとしても
特定のもの、即ち官能性化合物を固定したフッ素系エラ
ストマー(以下において、該フッ素系エラストマーを官
能性化合物固定フッ素系エラストマーと、一方官能性化
合物を固定していない通常のフッ素系エラストマーを通
常フッ素系エラストマーとして区別する。)を選択し
て、これをポリカーボネートに添加混合することにより
予想外にも上記した本発明の目的が達成される。本発明
のかかる顕著な作用は、官能性化合物固定フッ素系エラ
ストマーがポリカーボネートと良好な相溶性を有するこ
とによるものと思われる。
【0007】
【発明の実施の形態】ポリカーボネートとしては、下記
の一般式(1)で示される種々の炭酸ポリエステル、即
ち一般式中のRが脂肪族基である脂肪族ポリカーボネー
ト、Rが脂肪族基と芳香族基とからなる脂肪族−芳香族
ポリカーボネート、Rが芳香族基である芳香族ポリカー
ボネートなど、が使用対象とされる。 −〔−O−R−O−CO−〕n − (1) それらは、例えば、界面重縮合法、エステル交換法、ホ
スゲン法、などで製造されるものである。特に、エステ
ル交換法やホスゲン法において反応原料たる二価フェノ
ールとしてビスフェノールA、テトラメチルビスフェノ
ールAなどのビスフェノールA類を用いた単独重合体が
好ましい。さらに上記のビスフェノールA類の少なくと
も1種と他のモノマーやポリマー、例えばテレフタル酸
ジクロリドなどのテレフタル酸類、ポリジメチルシロキ
サンなどのシロキサン類やポリシロキサン類など、との
共重合体も好ましい例である。上記の各種ポリカーボネ
ートのうちでも、溶媒としてメチレンクロライドを用い
たつぎのシュネルの式、 〔η〕=1.23×10-4n 0.83 にて測定される平均分子量(Mn )が2〜10万程度の
もの、Tgが少なくとも130℃程度、特に少なくとも
150℃程度のもの、あるいは熱変形温度(荷重18.
3kg/cm2 下)が少なくとも120℃程度、特に1
30〜142℃程度のものが好ましい。
【0008】本発明において用いられる官能性化合物固
定フッ素系エラストマーは、後記する通常フッ素系エラ
ストマー、官能性化合物および架橋剤からなる混合物を
架橋剤の架橋温度以上の温度で加熱処理することにより
得られる。その場合の各成分の配合割合は、通常フッ素
系エラストマー100重量部あたり架橋剤0.3〜5重
量部程度、特に0.5〜3重量部程度、官能性化合物
0.5〜10重量部程度、特に1〜6重量部程度であ
る。架橋剤の架橋温度は、各架橋剤毎に一般的に周知の
温度であってよい。若干の架橋剤についてそれを例示す
ると、ジクミルパーオキサイドは160〜190℃、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサンは160〜200℃、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3は
170〜210℃、1,1−ビス−(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキサンは1
20〜170℃である。また加熱処理の時間は各架橋剤
毎に多少異なるが、一般的には、5〜30分程度、特に
10〜20分程度である。
【0009】上記した加熱処理にて、官能性化合物がグ
ラフトされたフッ素系エラストマーや官能性化合物の自
己重合体などが生成する。また、加熱処理の生成物中に
未反応の通常フッ素系エラストマーが残存することもあ
る。しかして、本発明において用いられる官能性化合物
固定フッ素系エラストマーは、官能性化合物がグラフト
されたフッ素系エラストマーのみまたはそれを主成分と
するもの、官能性化合物の自己重合体と未反応のフッ素
系エラストマーとの混合物、官能性化合物がグラフトさ
れたフッ素系エラストマーと官能性化合物の自己重合体
と未反応のフッ素系エラストマーとの混合物などである
が、いずれであっても本発明の課題を達成する上で有効
に作用する。なお官能性化合物固定フッ素系エラストマ
ーとしては、力学的特性の一層優れた本発明組成物およ
び組成物物品を得るために、ポリカーボネートと同程度
の溶融粘度を有するものが特に好ましい。
【0010】通常フッ素系エラストマーとしては、分子
の主鎖および/または側鎖中にフッ素原子を含有する所
謂フッ素ゴム類やフッ素系熱可塑性エラストマー類など
が使用対象とされる。例えば、含フッ素アクリル酸エス
テル重合体、フッ化ビニリデン共重合体、四フッ化エチ
レン−プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフ
ルオロメチルビニルエーテル共重合体、含フッ素珪素ゴ
ム、含フッ素ポリエステルゴム、含フッ素ジエン共重合
体、含フッ素ホスファゼンなどのフッ素ゴム類、上記の
各種フッ素ゴムとフッ素樹脂とがトリブロック結合した
ABA型熱可塑性エラストマーなどのブロック型フッ素
系熱可塑性エラストマー類、ペンダントパーオキサイド
をグラフト点として硬質セグメントを形成したグラフト
型フッ素系熱可塑性エラストマー類などである。就中、
フッ化ビニリデンとその他の含フッ素オレフィン、例え
ば六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン、三フッ化ク
ロロエチレンなど、との共重合体ゴムが好ましい。
【0011】官能性化合物としては、分子中に少なくと
も1個、好ましくは少なくとも2個の官能性二重結合を
有する化合物が用いられる。就中、分子末端に少なくと
も1個の非共役二重結合を有するものが好ましい。その
例を示すと、1,3−ブタンジオールジメタクリレー
ト、1,10−デカンジオールジメタクリレート、2−
ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレ
ートなどのメタクリレート類、イソアミルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、
ブトキシエチルアクリレート、エトキシ−ジエチレング
リコールアクリレート、メトキシ−トリエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコール
アクリレート、メトキシ−ジプロピレングリコールアク
リレートなどのアクリレート類、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、PEG#200ジアクリレート(C
2 =CH−COO−(CH2 CH2 O)n−CO−C
H=CH2 、n ≒4) 、PEG#400ジアクリレート
(CH2 =CH−COO−(CH2 CH2 O)n−CO
−CH=CH2 、n ≒9) 、PEG#600ジアクリレ
ート(CH2 =CH−COO−(CH2 CH2 O)n−
CO−CH=CH2 、n≒14) 、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレートな
どのジアクリレート類、トリメチロールプロパントリア
クリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートな
どの多アクリレート類、プロペン酸、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸など、
のエチレングリコールやポリエチレングリコールのエス
テルなどの不飽和脂肪酸のエステル類、などである。な
どである。就中、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、PEG#200ジアクリレート(CH2 =CH−C
OO−(CH2 CH2 O)n−CO−CH=CH2 、n
≒4) 、PEG#400ジアクリレート(CH2 =CH
−COO−(CH2 CH2O)n−CO−CH=CH2
n ≒9)、トリメチロールプロパントリアクリレート、
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、プロペン酸、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イソクロトン酸など、のエチレング
リコールやポリエチレングリコール(特に、エチレング
リコール単位が2〜20程度のもの)のエステルなどの
不飽和脂肪酸のエステル類、などが好ましい。
【0012】架橋剤としては、フッ素系エラストマーの
架橋用として知られているものであれば特に制限なく用
いることができ、例えば有機過酸化物系架橋剤類、ポリ
アミン系架橋剤類、ポリオール系架橋剤類、硫黄系架橋
剤類などである。有機過酸化物系架橋剤類の具体例を示
すと、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,
3−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、1,1−ビス−(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキサンなど
である。ポリアミン系架橋剤類の具体例を示すと、ヘキ
サメチレンジアミン−カルバメート、N,N’−ジシン
ナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−ビ
ス(アミノシクロ−ヘキシル)メタンカルバメートなど
である。ポリオール系架橋剤類の具体例を示すと、ビス
フェノールAFなどである。硫黄系架橋剤類の具体例を
示すと、硫黄、チウラム類例えばメチルチウラムジサル
ファイド、メルカプタン類例えば2−メルカプトベンツ
イミダゾールなどである。
【0013】本発明の組成物において、官能性化合物固
定フッ素系エラストマーの使用量が過少であると、該エ
ラストマーの使用効果が乏しく、一方、その使用量が過
大であると、ポリカーボネートの濃度が減少してポリカ
ーボネート本来の高温度での機械的強度が活かせなくな
る。よって、官能性化合物固定フッ素系エラストマーの
使用量は、ポリカーボネート100重量部あたり2〜9
0重量部程度、特に10〜70重量部程度である。
【0014】本発明の組成物においては、通常フッ素系
エラストマーは上記の方法により予め官能性化合物固定
フッ素系エラストマーに変性して用いられる。一方、本
発明のポリカーボネート組成物物品の製造においては、
ポリカーボネートと官能性化合物固定フッ素系エラスト
マーからなる組成物を用いてそれを所望の形状に成形加
工してもよいが、通常フッ素系エラストマーを出発物質
として用いることもできる。その場合には、架橋剤と官
能性化合物とを予め含有する通常フッ素系エラストマー
とポリカーボネートからなる組成物を該架橋剤の架橋温
度以上の温度で混合または成形する。あるいは官能性化
合物を予め含有する通常フッ素系エラストマーとポリカ
ーボネートとを混合し、ついで得られた混合組成物に架
橋剤を添加して該架橋剤の架橋温度以上の温度で成形す
る。かくすると、架橋温度以上の温度で混合または成形
する際に通常フッ素系エラストマーは、官能性化合物固
定フッ素系エラストマーに変性すると共にポリカーボネ
ートと良好に混合して高力学的特性を有するポリカーボ
ネート組成物物品を製造することができる。なお通常フ
ッ素系エラストマーを出発物質として用いる場合、該通
常フッ素系エラストマーとしては、力学的特性の観点か
ら、使用対象とするポリカーボネートの溶融粘度と同程
度の溶融粘度を有するものが好ましい。
【0015】本発明の組成物および組成物物品には、ポ
リカーボネート、フッ素系エラストマー、あるいは多く
の有機高分子に通常配合される配合剤、例えば、酸化防
止剤、紫外線防止剤、顔料など、を必要に応じて通常量
配合してもよい。本発明の組成物および組成物物品を得
るために必要な成分の混合は、ヘンシェルミキサー(登
録商標)、二本ロール、バンバリーミキサーなどの通常
の混合機にて行うことができる。また成形には、単軸ス
クリュー押出機、プレス成形機などの通常の成形機を用
い得る。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を一層詳細に説明
するとともに、比較例をも挙げて本発明の顕著な効果を
示す。
【0017】実施例1 ポリカーボネートとしてビスフェノールA系ポリカーボ
ネートのペレットを、一方、通常フッ素系エラストマー
としてフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ
化エチレン三元共重合体のペレットを用いた。上記のフ
ッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレ
ン三元共重合体のペレットと該ペレット100重量部あ
たり0.5重量部のジクミルパーオキサイドおよび1重
量部のジアクリル酸エチレングリコールエステルとを二
本ロールで混練混合し、ついで170℃、15分の条件
でプレス成形し、かくして官能性化合物固定フッ素系エ
ラストマーからシートを得、それをペレタイザーにてペ
レット化した。ついで、かくして得た官能性化合物固定
フッ素系エラストマーペレットと120℃で4時間乾燥
した上記のポリカーボネートのペレットとを、ポリカー
ボネートペレット70重量部あたり該エラストマーペレ
ット30重量部の割合で配合し室温で良く掻き混ぜ、東
洋精機社製のラボ・プラストミル単軸押出機(L/D:
20、シリンダー温度勾配:ホッパー側は240℃、ダ
イス側260℃、スクリュー回転数:15rpm)にて
溶融混練し、Tダイスによりシート状に押出した。シー
ト状の押出物をペレタイザーにてペレット化、120℃
で4時間乾燥した後、再び上記と同じ方法並びに条件に
てラボ・プラストミル単軸押出機からTダイスにより幅
約50mm、厚さ0.5mmのシートに押出成形した。
【0018】実施例2〜5 実施例1で用いたものと同じくジクミルパーオキサイド
とジアクリル酸エチレングリコールエステルとを有する
フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチ
レン三元共重合体フッ素系エラストマーを用いたが、但
しジクミルパーオキサイドおよびジアクリル酸エチレン
グリコールエステルの各使用量を該エラストマー100
重量部あたり、それぞれ1.5重量部および3.0重量
部(実施例2)、2.5重量部および5.0重量部(実
施例3)、5.0重量部および10.0重量部(実施例
4)、0.25重量部および0.5重量部(実施例5)
とした点のみ異なり、他は実施例1と同じ条件並びに方
法にて実施例1と同寸法の各シートを得た。
【0019】実施例6 通常フッ素系エラストマーとしてのフッ化ビニリデン−
六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体の
ペレット100重量部あたり0.5重量部のジクミルパ
ーオキサイドおよび1.0重量部のジメタクリル酸エチ
レングリコールエステルとを二本ロールで混練混合し、
ついで170℃、15分の条件でプレス成形し、かくし
て得られたシートをペレタイザーにてペレット化した。
かくして得たペレットを用いた以外は、実施例1と同じ
条件並びに方法にて実施例1と同寸法の各シートを得
た。
【0020】実施例7〜9 実施例6で用いたものと同じフッ素系エラストマーと該
エラストマー100重量部あたり、1.5重量部のジク
ミルパーオキサイドと3.0重量部のジメタクリル酸エ
チレングリコールエステル(実施例7)、2.5重量部
のジクミルパーオキサイドと5.0重量部のジメタクリ
ル酸エチレングリコールエステル(実施例8)、または
5.0重量部のジクミルパーオキサイドと10.0重量
部のジメタクリル酸エチレングリコールエステル(実施
例9)、とを二本ロールで混練混合し、ついで170
℃、15分の条件でプレス成形し、得られたシートをペ
レタイザーにてペレット化した。かくして得たペレット
を用いた以外は、実施例1と同じ条件並びに方法にて実
施例1と同寸法の各シートを得た。
【0021】実施例10〜13 通常フッ素系エラストマーとして実施例1〜4で用いた
フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチ
レン三元共重合体に代えて、フッ化ビニリデン−六フッ
化プロピレン二元共重合体のペレットを用いた以外は、
実施例1〜4と同材料を表1に示す比率で用いて実施例
1と同じ条件並びに方法にて実施例1と同寸法の各シー
トを得た。
【0022】実施例14〜17 通常フッ素系エラストマーとして実施例6〜9で用いた
フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチ
レン三元共重合体に代えて、フッ化ビニリデン−六フッ
化プロピレン二元共重合体のペレットを用いた以外は、
実施例6〜9と同材料を表1に示す比率で用いて実施例
1と同じ条件並びに方法にて実施例1と同寸法の各シー
トを得た。
【0023】比較例1〜2 実施例1で用いたものと同じ通常フッ素系エラストマー
のみ(即ちジクミルパーオキサイド不使用、比較例
1)、または該フッ素系エラストマー100重量部あた
りジクミルパーオキサイド0.1重量部(比較例2)と
を二本ロールで混練混合し、ついで170℃、15分の
条件でプレス成形し、得られたシートをペレタイザーに
てペレット化した。かくして得た各ペレットを用いた以
外は、実施例1と同じ方法並びに条件にてTダイス付き
のラボ・プラストミル単軸押出機から幅約50mm、厚
さ0.5mmの各シートを得た。
【0024】比較例3 実施例2とはジクミルパーオキサイドを使用しない点の
み異なる以外は、実施例2と同じ方法並びに条件にてT
ダイス付きのラボ・プラストミル単軸押出機から幅約5
0mm、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0025】比較例4 実施例1で用いたものと同じポリカーボネートペレット
のみを用い、それ以外は実施例1と同じ方法並びに条件
にてTダイス付きのラボ・プラストミル単軸押出機から
幅約50mm、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0026】実施例1〜17および比較例1〜4の各シ
ートから試料幅4mm、標線間距離10mmのダンベル
を打ち抜き、オリエンティック社製のテンシロン引っ張
り試験機を用いて降伏点強度、破断点強度、および破断
点伸びをそれぞれ測定した。また上記シートから、長さ
31.8mm、幅10.2mmの角ピースを切り取りA
STM F38に準拠して210kgf/cm2 、15
0℃、および22時間の条件で応力緩和率を測定した。
それらの試験結果を表1に示す。同表に示す数値は、い
ずれもn数4の算術平均値である。また同表には、ポリ
カーボネートの使用量(比較例3を除き、他は全てポリ
カーボネート70重量部あたりフッ素系エラストマー3
0重量部)の記載は省略して、フッ素系エラストマー
(FKM)、ジクミルパーオキサイド(DCP)、およ
びジアクリル酸エチレングリコールまたはジメタクリル
酸エチレングリコール(PGA)の組成物比を示す。
【0027】降伏点強度は、50MPa以下、特に40
MPa以下であることが好ましく、50MPaを越える
と好ましくない。破断点強度は、30MPa以上である
ことが好ましく、それ未満であると好ましくない。破断
点伸びは、50%以上であることが好ましく、それ未満
であると好ましくない。応力緩和率は、70%以下、特
に50%以下であることが好ましく、70%を越えると
好ましくない。実施例5は、ジクミルパーオキサイドの
使用量が少ないために特性がやや劣るが、それ以外の各
実施例はいずれの特性においても良好な性能を示してい
る。これに対して、比較例1〜比較例3は応力緩和率が
不備であり、一方、比較例4は降伏点強度が不備である
ことが判る。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の組成物並びに組成物物品は、耐
熱性、可撓性、並びに耐応力緩和性に優れていながら通
常の成形加工機器を用いて容易に成形できるので、可撓
性と耐応力緩和性とが要求される各種の耐熱用途に、あ
るいはパッキン、ガスケット、液体搬送用パイプなどの
物品の工業的製造にすこぶる有用である。
フロントページの続き (72)発明者 大平 栄一 神奈川県大和市深見西1−5−2 日本ラ インツ株式会社内 (72)発明者 柴山 充弘 滋賀県大津市清和町15−3 (72)発明者 櫻井 伸一 京都府京都市北区西賀茂今原町52−2

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート、該ポリカーボネート
    100重量部あたり官能性化合物を固定したフッ素系エ
    ラストマー2〜90重量部とからなることを特徴とする
    ポリカーボネート組成物。
  2. 【請求項2】 官能性化合物を固定したフッ素系エラス
    トマーが、フッ素系エラストマーと該フッ素系エラスト
    マー100重量部あたり架橋剤0.3〜5重量部および
    官能性化合物0.5〜10重量部とからなる組成物を架
    橋剤の架橋温度以上の温度で加熱処理して得られるもの
    である請求項1記載のポリカーボネート組成物。
  3. 【請求項3】 官能性化合物が、分子末端に少なくとも
    1個の非共役二重結合を有するものである請求項1また
    は2記載のポリカーボネート組成物。
  4. 【請求項4】 官能性化合物が、プロペン酸エチレング
    リコールエステルである請求項3記載のポリカーボネー
    ト組成物。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート、架橋剤と官能性化合
    物とを予め含有するフッ素系エラストマーとからなる組
    成物を該架橋剤の架橋温度以上の温度で混合または成形
    することを特徴とするポリカーボネート組成物物品の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネート、官能性化合物を予め
    含有するフッ素系エラストマーとの組成物を混合し、つ
    いで得られた混合組成物に架橋剤を添加して該架橋剤の
    架橋温度以上の温度で混合または成形することを特徴と
    するポリカーボネート組成物物品の製造方法。
JP13897897A 1997-05-28 1997-05-28 ポリカーボネート組成物およびポリカーボネート組成物物品の製造方法 Pending JPH10330608A (ja)

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