JPH10330538A - セルロースアセテート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフイルムの製造方法 - Google Patents
セルロースアセテート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフイルムの製造方法Info
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- JPH10330538A JPH10330538A JP15925097A JP15925097A JPH10330538A JP H10330538 A JPH10330538 A JP H10330538A JP 15925097 A JP15925097 A JP 15925097A JP 15925097 A JP15925097 A JP 15925097A JP H10330538 A JPH10330538 A JP H10330538A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 セルロースアセテート溶液の安定性を向上さ
せる。また、セルロースアセテートフイルムの厚み方向
のレターデーション値を低下させる。 【解決手段】 3乃至6の双極子モーメントを有する有
機化合物を、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の
量で使用する。
せる。また、セルロースアセテートフイルムの厚み方向
のレターデーション値を低下させる。 【解決手段】 3乃至6の双極子モーメントを有する有
機化合物を、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の
量で使用する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアセテ
ート溶液、その調製方法およびそれを用いるセルロース
アセテートフイルムの製造方法に関する。
ート溶液、その調製方法およびそれを用いるセルロース
アセテートフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。写真材料
や光学材料として要求されるフイルムの品質を満足する
ためには、セルロースアセテートの平均酢化度は、5
8.0乃至62.5%であることが必要である。平均酢
化度が58%以上であるセルロースアセテートは、一般
にトリアセチルセルロース(TAC)に分類される。
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。写真材料
や光学材料として要求されるフイルムの品質を満足する
ためには、セルロースアセテートの平均酢化度は、5
8.0乃至62.5%であることが必要である。平均酢
化度が58%以上であるセルロースアセテートは、一般
にトリアセチルセルロース(TAC)に分類される。
【0003】セルロースアセテートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法により製造する。ソルベントキャ
スト法では、セルロースアセテートを溶媒中に溶解した
溶液(ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させて
フイルムを形成する。セルロースアセテートフイルムお
よびその製造方法については、従来から多くの改良手段
が提案されている。例えば、特開昭61−127740
号公報には、N−メチルピロリドンを溶媒として使用し
て製造したセルローストリアセテートフイルムが記載さ
れている。同公報には、N−メチルピロリドンを溶媒と
して使用すると、透明性、機械的強度および寸度安定性
が優れたフイルムが得られる旨の説明がある。さらに、
特開平2−69532号公報には、ポリオールを添加剤
として含むセルローストリアセテートフイルムが記載さ
れている。同公報には、ポリオールは可塑剤として機能
して、フイルムの引裂強度を改善する旨の説明がある。
ソルベントキャスト法により製造する。ソルベントキャ
スト法では、セルロースアセテートを溶媒中に溶解した
溶液(ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させて
フイルムを形成する。セルロースアセテートフイルムお
よびその製造方法については、従来から多くの改良手段
が提案されている。例えば、特開昭61−127740
号公報には、N−メチルピロリドンを溶媒として使用し
て製造したセルローストリアセテートフイルムが記載さ
れている。同公報には、N−メチルピロリドンを溶媒と
して使用すると、透明性、機械的強度および寸度安定性
が優れたフイルムが得られる旨の説明がある。さらに、
特開平2−69532号公報には、ポリオールを添加剤
として含むセルローストリアセテートフイルムが記載さ
れている。同公報には、ポリオールは可塑剤として機能
して、フイルムの引裂強度を改善する旨の説明がある。
【0004】最近では、セルロースアセテートと有機溶
媒の混合物を冷却し、さらに加温することによって、有
機溶媒中にセルロースアセテートを溶解してセルロース
アセテート溶液を調製する方法が提案されている(特開
平9−95544号、同9−95557号および同9−
95538号の各公報記載)。この冷却工程と加温工程
を有する方法(以下、冷却溶解法と称する)によると、
従来の方法では溶解することができなかった、セルロー
スアセテートと有機溶媒の組み合わせであっても、溶液
を調製することができる。冷却溶解法は、溶解性が低い
トリアセチルセルロース(平均酢化度が58%以上)か
らフイルムを製造する場合に特に有効である。
媒の混合物を冷却し、さらに加温することによって、有
機溶媒中にセルロースアセテートを溶解してセルロース
アセテート溶液を調製する方法が提案されている(特開
平9−95544号、同9−95557号および同9−
95538号の各公報記載)。この冷却工程と加温工程
を有する方法(以下、冷却溶解法と称する)によると、
従来の方法では溶解することができなかった、セルロー
スアセテートと有機溶媒の組み合わせであっても、溶液
を調製することができる。冷却溶解法は、溶解性が低い
トリアセチルセルロース(平均酢化度が58%以上)か
らフイルムを製造する場合に特に有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ソルベントキャスト法
によるセルロースアセテートフイルムの製造では、セル
ロースアセテート溶液の安定性が特に重要である。溶液
の移送時に、配管中で未溶解物が発生したり、製造装置
の保守管理のための停止期間中に凝固が起きることは避
けなければならない。また、セルロースアセテートフイ
ルムを光学材料に使用する場合、厚み方向のレターデー
ション値を低い値とする必要がある。本発明者の研究に
よれば、冷却溶解法により得られたセルロースアセテー
ト溶液には、安定性が低いとの問題がある。また、冷却
溶解法で製造したセルロースアセテートフイルムには、
厚み方向のレターデーション値が高いとの問題もある。
本発明の目的は、セルロースアセテート溶液の安定性を
改善することである。本発明の目的は、セルロースアセ
テートフイルムの厚み方向のレターデーション値を低い
値とすることでもある。
によるセルロースアセテートフイルムの製造では、セル
ロースアセテート溶液の安定性が特に重要である。溶液
の移送時に、配管中で未溶解物が発生したり、製造装置
の保守管理のための停止期間中に凝固が起きることは避
けなければならない。また、セルロースアセテートフイ
ルムを光学材料に使用する場合、厚み方向のレターデー
ション値を低い値とする必要がある。本発明者の研究に
よれば、冷却溶解法により得られたセルロースアセテー
ト溶液には、安定性が低いとの問題がある。また、冷却
溶解法で製造したセルロースアセテートフイルムには、
厚み方向のレターデーション値が高いとの問題もある。
本発明の目的は、セルロースアセテート溶液の安定性を
改善することである。本発明の目的は、セルロースアセ
テートフイルムの厚み方向のレターデーション値を低い
値とすることでもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、(1)
〜(6)により達成された。 (1)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテートが有機溶媒中に溶解しているセルロ
ースアセテート溶液であって、溶液中にさらに、3乃至
6の双極子モーメントを有する有機化合物が、有機溶媒
の0.1乃至10重量%の範囲の量で溶解していること
を特徴とするセルロースアセテート溶液。 (2)3乃至6の範囲の双極子モーメントを有する有機
化合物が、アミンまたはアミドである(1)に記載のセ
ルロースアセテート溶液。 (3)有機溶媒が、互いに異なる三種類の溶媒の混合溶
媒であり、第1の溶媒が炭素原子数が3乃至12のケト
ンおよび炭素原子数が3乃至12のエステルから選ば
れ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃至5の直鎖状一価ア
ルコールから選ばれ、そして第3の溶媒が沸点が30乃
至170℃のアルコールおよび沸点が30乃至170℃
の炭化水素から選ばれる(1)に記載のセルロースアセ
テート溶液。 (4)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテート、有機溶媒、および3乃至6の範囲
の双極子モーメントを有し、有機溶媒の量の0.1乃至
10重量%の範囲の量の有機化合物の混合物を−100
乃至−10℃に冷却する工程、および冷却した混合物を
0乃至120℃に加温して、有機溶媒中にセルロースア
セテートを溶解してセルロースアセテート溶液を調製す
る工程からなるセルロースアセテート溶液の調製方法。
〜(6)により達成された。 (1)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテートが有機溶媒中に溶解しているセルロ
ースアセテート溶液であって、溶液中にさらに、3乃至
6の双極子モーメントを有する有機化合物が、有機溶媒
の0.1乃至10重量%の範囲の量で溶解していること
を特徴とするセルロースアセテート溶液。 (2)3乃至6の範囲の双極子モーメントを有する有機
化合物が、アミンまたはアミドである(1)に記載のセ
ルロースアセテート溶液。 (3)有機溶媒が、互いに異なる三種類の溶媒の混合溶
媒であり、第1の溶媒が炭素原子数が3乃至12のケト
ンおよび炭素原子数が3乃至12のエステルから選ば
れ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃至5の直鎖状一価ア
ルコールから選ばれ、そして第3の溶媒が沸点が30乃
至170℃のアルコールおよび沸点が30乃至170℃
の炭化水素から選ばれる(1)に記載のセルロースアセ
テート溶液。 (4)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテート、有機溶媒、および3乃至6の範囲
の双極子モーメントを有し、有機溶媒の量の0.1乃至
10重量%の範囲の量の有機化合物の混合物を−100
乃至−10℃に冷却する工程、および冷却した混合物を
0乃至120℃に加温して、有機溶媒中にセルロースア
セテートを溶解してセルロースアセテート溶液を調製す
る工程からなるセルロースアセテート溶液の調製方法。
【0007】(5)58.0乃至62.5%の平均酢化
度を有するセルロースアセテートが有機溶媒中に溶解し
ているセルロースアセテート溶液であって、溶液中にさ
らに、3乃至6の双極子モーメントを有する有機化合物
が、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の量で溶解
しているセルロースアセテート溶液を支持体上に流延す
る工程、および有機溶媒と3乃至6の範囲の双極子モー
メントを有する有機化合物を蒸発させてフイルムを形成
する工程からなるセルロースアセテートフイルムの製造
方法。 (6)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテート、有機溶媒、および有機溶媒の0.
1乃至10重量%の範囲の量の3乃至6の範囲の双極子
モーメントを有する有機化合物の混合物を−100乃至
−10℃に冷却する工程、冷却した混合物を0乃至12
0℃に加温して、有機溶媒中にセルロースアセテートを
溶解してセルロースアセテート溶液を調製する工程、得
られたセルロースアセテート溶液を支持体上に流延する
工程、および有機溶媒と3乃至6の範囲の双極子モーメ
ントを有する有機化合物を蒸発させてフイルムを形成す
る工程からなるセルロースアセテートフイルムの製造方
法。
度を有するセルロースアセテートが有機溶媒中に溶解し
ているセルロースアセテート溶液であって、溶液中にさ
らに、3乃至6の双極子モーメントを有する有機化合物
が、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の量で溶解
しているセルロースアセテート溶液を支持体上に流延す
る工程、および有機溶媒と3乃至6の範囲の双極子モー
メントを有する有機化合物を蒸発させてフイルムを形成
する工程からなるセルロースアセテートフイルムの製造
方法。 (6)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテート、有機溶媒、および有機溶媒の0.
1乃至10重量%の範囲の量の3乃至6の範囲の双極子
モーメントを有する有機化合物の混合物を−100乃至
−10℃に冷却する工程、冷却した混合物を0乃至12
0℃に加温して、有機溶媒中にセルロースアセテートを
溶解してセルロースアセテート溶液を調製する工程、得
られたセルロースアセテート溶液を支持体上に流延する
工程、および有機溶媒と3乃至6の範囲の双極子モーメ
ントを有する有機化合物を蒸発させてフイルムを形成す
る工程からなるセルロースアセテートフイルムの製造方
法。
【0008】
[3乃至6の双極子モーメントを有する有機化合物]本
発明は、3乃至6の双極子モーメントを有する有機化合
物を使用する。有機化合物には、電荷分布が非対称で、
外部電場の影響なしに本来電気双極子をもつ化合物が含
まれている。有機化合物の双極子モーメントは、そのよ
うな永久電気双極子のモーメントを意味する。3乃至6
の双極子モーメントは、その有機化合物の極性がかなり
強いことを意味している。有機化合物の双極子モーメン
トは、気体の誘電率測定、溶液の誘電率測定、マイクロ
波分光測定、分子線測定あるいはレーザーシュタルク分
光測定の結果から求めることができる。また、未測定の
分子であっても、結合モーメントまたはグループモーメ
ントのベクトル和として近似的に、双極子モーメントを
計算することができる。代表的な有機化合物の双極子モ
ーメントについては、溶剤ハンドブック(講談社サイエ
ンティフィク、1976年)、溶剤ポケットブック(オ
ーム社、昭和42年)や化学便覧基礎編II−576〜5
77頁(平成5年)に記載がある。以下に、3乃至6の
双極子モーメントを有する有機化合物の具体例を示す。
かっこ内の数値が双極子モーメント(μ/D、D:デバ
イ単位)である。
発明は、3乃至6の双極子モーメントを有する有機化合
物を使用する。有機化合物には、電荷分布が非対称で、
外部電場の影響なしに本来電気双極子をもつ化合物が含
まれている。有機化合物の双極子モーメントは、そのよ
うな永久電気双極子のモーメントを意味する。3乃至6
の双極子モーメントは、その有機化合物の極性がかなり
強いことを意味している。有機化合物の双極子モーメン
トは、気体の誘電率測定、溶液の誘電率測定、マイクロ
波分光測定、分子線測定あるいはレーザーシュタルク分
光測定の結果から求めることができる。また、未測定の
分子であっても、結合モーメントまたはグループモーメ
ントのベクトル和として近似的に、双極子モーメントを
計算することができる。代表的な有機化合物の双極子モ
ーメントについては、溶剤ハンドブック(講談社サイエ
ンティフィク、1976年)、溶剤ポケットブック(オ
ーム社、昭和42年)や化学便覧基礎編II−576〜5
77頁(平成5年)に記載がある。以下に、3乃至6の
双極子モーメントを有する有機化合物の具体例を示す。
かっこ内の数値が双極子モーメント(μ/D、D:デバ
イ単位)である。
【0009】1。(4.05)1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン 2。(4.81)スルホラン 3。(4.30)ジメチルスルホキシド 4。(3.72)ジメチルアセトアミド 5。(3.86)N,N−ジメチルホルムアミド 6。(4.09)N−メチルピロリドン 7。(3.47)テトラメチル尿素 8。(4.05)ベンゾニトリル 9。(3.96)イソホロン 10。(4.12)γ−ブチロラクトン 11。(4.87)エチレンカーボネート 12。(4.21)ニトロベンゼン 13。(5.58)トリエチレングリコール 14。(3.11)アクリルアルデヒド 15。(3.89)アクリロニトリル 16。(3.00)アセトフェノン 17。(3.83)イソシアン化メチル 18。(3.18)イソシアン酸メチル
イミダゾリジノン 2。(4.81)スルホラン 3。(4.30)ジメチルスルホキシド 4。(3.72)ジメチルアセトアミド 5。(3.86)N,N−ジメチルホルムアミド 6。(4.09)N−メチルピロリドン 7。(3.47)テトラメチル尿素 8。(4.05)ベンゾニトリル 9。(3.96)イソホロン 10。(4.12)γ−ブチロラクトン 11。(4.87)エチレンカーボネート 12。(4.21)ニトロベンゼン 13。(5.58)トリエチレングリコール 14。(3.11)アクリルアルデヒド 15。(3.89)アクリロニトリル 16。(3.00)アセトフェノン 17。(3.83)イソシアン化メチル 18。(3.18)イソシアン酸メチル
【0010】19。(3.72)シアノアセチレン 20。(3.30)シクロペンタノン 21。(4.43)ジメチルスルホン 22。(3.08)硝酸メチル 23。(3.28)1,3,4−チアジアゾール 24。(3.16)チオシアン酸メチル 25。(3.70)ニトロエチレン 26。(3.46)ニトロメタン 27。(4.22)ピリダジン 28。(3.45)ピルボニトリル 29。(4.08)cis−2−ブテンニトリル 30。(4.02)プロピオニトリル 31。(4.18)β−プロピオラクトン 32。(3.26)ホルミルシクロプロパン(s−tr
ans) 33。(3.71)ホルムアミド 34。(3.73)マロノニトリル 35。(5.10)Fe(CO)4 (PPh3 ) 36。(4.70)cis−[PtCl2 (CO)2 ]
ans) 33。(3.71)ホルムアミド 34。(3.73)マロノニトリル 35。(5.10)Fe(CO)4 (PPh3 ) 36。(4.70)cis−[PtCl2 (CO)2 ]
【0011】双極子モーメントは、3.4乃至5.0で
あることが好ましい。また、有機化合物は、30乃至5
0の誘電率を有することが好ましい。有機化合物の種類
としては、アミンまたはアミド(具体例番号の1、4〜
7、23、27)が特に好ましい。二種類以上の有機化
合物を併用してもよい。有機化合物は有機溶媒中に溶解
して使用する必要がある。よって、具体的な有機化合物
の種類の選択は、後述する有機溶媒の種類に応じて決定
する。有機化合物は、常温で液体または固体であり、か
つ後述するフイルムの製造工程において有機溶媒と共に
蒸発させて除去できるような沸点を有することが好まし
い。製造したフイルム中の有機化合物の残留量は、1重
量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であ
ることがより好ましく、0.01重量%以下であること
がさらに好ましく、0.001重量%以下であることが
最も好ましく、全く検出されないことが特に好ましい。
有機化合物の使用量は、有機溶媒の0.1乃至10重量
%の範囲である。使用量は、有機溶媒の0.2乃至8重
量%の範囲であることが好ましく、0.5乃至7重量%
の範囲であることがさらに好ましく、2乃至5重量%の
範囲であることが最も好ましい。
あることが好ましい。また、有機化合物は、30乃至5
0の誘電率を有することが好ましい。有機化合物の種類
としては、アミンまたはアミド(具体例番号の1、4〜
7、23、27)が特に好ましい。二種類以上の有機化
合物を併用してもよい。有機化合物は有機溶媒中に溶解
して使用する必要がある。よって、具体的な有機化合物
の種類の選択は、後述する有機溶媒の種類に応じて決定
する。有機化合物は、常温で液体または固体であり、か
つ後述するフイルムの製造工程において有機溶媒と共に
蒸発させて除去できるような沸点を有することが好まし
い。製造したフイルム中の有機化合物の残留量は、1重
量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であ
ることがより好ましく、0.01重量%以下であること
がさらに好ましく、0.001重量%以下であることが
最も好ましく、全く検出されないことが特に好ましい。
有機化合物の使用量は、有機溶媒の0.1乃至10重量
%の範囲である。使用量は、有機溶媒の0.2乃至8重
量%の範囲であることが好ましく、0.5乃至7重量%
の範囲であることがさらに好ましく、2乃至5重量%の
範囲であることが最も好ましい。
【0012】[セルロースアセテート]本発明に用いる
セルロースアセテートは、平均酢化度(アセチル化度)
が58.0から62.5%である。酢化度とは、セルロ
ース単位重量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度
は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテー
ト等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算
に従う。セルロースアセテートの粘度平均重合度(D
P)は、250以上であることが好ましく、290以上
であることがさらに好ましい。また、本発明に使用する
セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによるMw/Mn(Mwは重量平均分子
量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好
ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至
1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であ
ることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であること
が最も好ましい。
セルロースアセテートは、平均酢化度(アセチル化度)
が58.0から62.5%である。酢化度とは、セルロ
ース単位重量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度
は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテー
ト等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算
に従う。セルロースアセテートの粘度平均重合度(D
P)は、250以上であることが好ましく、290以上
であることがさらに好ましい。また、本発明に使用する
セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによるMw/Mn(Mwは重量平均分子
量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好
ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至
1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であ
ることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であること
が最も好ましい。
【0013】[有機溶媒]有機溶媒は、炭素原子数が3
乃至12のエーテル類、炭素原子数が3乃至12のケト
ン類、炭素原子数が3乃至12のエステル類および炭素
原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶
媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエス
テルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケト
ンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO
−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合
物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒
は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有してい
てもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場
合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合
物の規定範囲内であればよい。
乃至12のエーテル類、炭素原子数が3乃至12のケト
ン類、炭素原子数が3乃至12のエステル類および炭素
原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶
媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエス
テルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケト
ンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO
−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合
物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒
は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有してい
てもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場
合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合
物の規定範囲内であればよい。
【0014】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。炭素原子
数が1乃至6のハロゲン化炭化水素としては、メチレン
クロリドが代表的である。なお、技術的には、メチレン
クロリドのようなハロゲン化炭化水素は問題なく使用で
きるが、地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒はハ
ロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。
「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲン化炭
化水素の割合が5重量%未満(好ましくは2重量%未
満)であることを意味する。また、製造したセルロース
アセテートフイルムから、メチレンクロリドのようなハ
ロゲン化炭化水素が全く検出されないことが好ましい。
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。炭素原子
数が1乃至6のハロゲン化炭化水素としては、メチレン
クロリドが代表的である。なお、技術的には、メチレン
クロリドのようなハロゲン化炭化水素は問題なく使用で
きるが、地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒はハ
ロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。
「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲン化炭
化水素の割合が5重量%未満(好ましくは2重量%未
満)であることを意味する。また、製造したセルロース
アセテートフイルムから、メチレンクロリドのようなハ
ロゲン化炭化水素が全く検出されないことが好ましい。
【0015】特に好ましい有機溶媒は、互いに異なる三
種類の溶媒の混合溶媒であって、第1の溶媒が炭素原子
数が3乃至12のケトンおよび炭素原子数が3乃至12
のエステルから選ばれ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃
至5の直鎖状一価アルコールから選ばれ、そして第3の
溶媒が沸点が30乃至170℃のアルコールおよび沸点
が30乃至170℃の炭化水素から選ばれる。第1の溶
媒のケトンおよびエステルについては、前述した通りで
ある。第2の溶媒は、炭素原子数が1乃至5の直鎖状一
価アルコールから選ばれる。アルコールの水酸基は、炭
化水素直鎖の末端に結合してもよいし(第一級アルコー
ル)、中間に結合してもよい(第二級アルコール)。第
2の溶媒は、具体的には、メタノール、エタノール、1
−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、
2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール
および3−ペンタノールから選ばれる。直鎖状一価アル
コールの炭素原子数は、1乃至4であることが好まし
く、1乃至3であることがさらに好ましく、1または2
であることが最も好ましい。エタノールが特に好ましく
用いられる。
種類の溶媒の混合溶媒であって、第1の溶媒が炭素原子
数が3乃至12のケトンおよび炭素原子数が3乃至12
のエステルから選ばれ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃
至5の直鎖状一価アルコールから選ばれ、そして第3の
溶媒が沸点が30乃至170℃のアルコールおよび沸点
が30乃至170℃の炭化水素から選ばれる。第1の溶
媒のケトンおよびエステルについては、前述した通りで
ある。第2の溶媒は、炭素原子数が1乃至5の直鎖状一
価アルコールから選ばれる。アルコールの水酸基は、炭
化水素直鎖の末端に結合してもよいし(第一級アルコー
ル)、中間に結合してもよい(第二級アルコール)。第
2の溶媒は、具体的には、メタノール、エタノール、1
−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、
2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール
および3−ペンタノールから選ばれる。直鎖状一価アル
コールの炭素原子数は、1乃至4であることが好まし
く、1乃至3であることがさらに好ましく、1または2
であることが最も好ましい。エタノールが特に好ましく
用いられる。
【0016】第3の溶媒は、沸点が30乃至170℃の
アルコールおよび沸点が30乃至170℃の炭化水素か
ら選ばれる。アルコールは一価であることが好ましい。
アルコールの炭化水素部分は、直鎖であっても、分岐を
有していても、環状であってもよい。炭化水素部分は、
飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコール
の水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。
アルコールの例には、メタノール(沸点:64.65
℃)、エタノール(78.325℃)、1−プロパノー
ル(97.15℃)、2−プロパノール(82.4
℃)、1−ブタノール(117.9℃)、2−ブタノー
ル(99.5℃)、t−ブタノール(82.45℃)、
1−ペンタノール(137.5℃)、2−メチル−2−
ブタノール(101.9℃)およびシクロヘキサノール
(161℃)が含まれる。
アルコールおよび沸点が30乃至170℃の炭化水素か
ら選ばれる。アルコールは一価であることが好ましい。
アルコールの炭化水素部分は、直鎖であっても、分岐を
有していても、環状であってもよい。炭化水素部分は、
飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコール
の水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。
アルコールの例には、メタノール(沸点:64.65
℃)、エタノール(78.325℃)、1−プロパノー
ル(97.15℃)、2−プロパノール(82.4
℃)、1−ブタノール(117.9℃)、2−ブタノー
ル(99.5℃)、t−ブタノール(82.45℃)、
1−ペンタノール(137.5℃)、2−メチル−2−
ブタノール(101.9℃)およびシクロヘキサノール
(161℃)が含まれる。
【0017】アルコールについては、前記第2の溶媒の
定義と重複するが、第2の溶媒として使用するアルコー
ルとは異なる種類のアルコールであれば、第3の溶媒と
して使用できる。例えば、第2の溶媒として、エタノー
ルを使用する場合は、第2の溶媒の定義に含まれる他の
アルコール(メタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペン
タノール、2−ペンタノールまたは3−ペンタノール)
を第3の溶媒として使用していもよい。炭化水素は、直
鎖であっても、分岐を有していても、環状であってもよ
い。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いる
ことができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽
和であってもよい。であることがさらに好ましい。炭化
水素の例には、シクロヘキサン(沸点:80.7℃)、
ヘキサン(69℃)、ベンゼン(80.1℃)、トルエ
ン(110.6℃)およびキシレン(138.4〜14
4.4℃)が含まれる。
定義と重複するが、第2の溶媒として使用するアルコー
ルとは異なる種類のアルコールであれば、第3の溶媒と
して使用できる。例えば、第2の溶媒として、エタノー
ルを使用する場合は、第2の溶媒の定義に含まれる他の
アルコール(メタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペン
タノール、2−ペンタノールまたは3−ペンタノール)
を第3の溶媒として使用していもよい。炭化水素は、直
鎖であっても、分岐を有していても、環状であってもよ
い。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いる
ことができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽
和であってもよい。であることがさらに好ましい。炭化
水素の例には、シクロヘキサン(沸点:80.7℃)、
ヘキサン(69℃)、ベンゼン(80.1℃)、トルエ
ン(110.6℃)およびキシレン(138.4〜14
4.4℃)が含まれる。
【0018】三種混合溶媒中には、第1の溶媒が50乃
至95重量%含まれることが好ましく、60乃至92重
量%含まれることがより好ましく、65乃至90重量%
含まれることが更に好ましく、70乃至88重量%含ま
れることが最も好ましい。第2の溶媒は、1乃至30重
量%含まれることが好ましく、2乃至27重量%含まれ
ることがより好ましく、3乃至24重量%含まれること
がさらに好ましく、4乃至22重量%含まれることが最
も好ましい。第3の溶媒は、1乃至30重量%含まれる
ことが好ましく、2乃至27重量%含まれることがより
好ましく、3乃至24重量%含まれることがさらに好ま
しく、4乃至22重量%含まれることが最も好ましい。
さらに他の有機溶媒を併用して、四種以上の混合溶媒と
してもよい。四種以上の混合溶媒を用いる場合の4番目
以降の溶媒も、前述した三種類の溶媒から選択すること
が好ましい。前述した三種類の溶媒以外の溶媒して、炭
素原子数が3乃至12のエーテル類(例、ジイソプロピ
ルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、フェネトール)やニトロメタ
ンを併用してもよい。
至95重量%含まれることが好ましく、60乃至92重
量%含まれることがより好ましく、65乃至90重量%
含まれることが更に好ましく、70乃至88重量%含ま
れることが最も好ましい。第2の溶媒は、1乃至30重
量%含まれることが好ましく、2乃至27重量%含まれ
ることがより好ましく、3乃至24重量%含まれること
がさらに好ましく、4乃至22重量%含まれることが最
も好ましい。第3の溶媒は、1乃至30重量%含まれる
ことが好ましく、2乃至27重量%含まれることがより
好ましく、3乃至24重量%含まれることがさらに好ま
しく、4乃至22重量%含まれることが最も好ましい。
さらに他の有機溶媒を併用して、四種以上の混合溶媒と
してもよい。四種以上の混合溶媒を用いる場合の4番目
以降の溶媒も、前述した三種類の溶媒から選択すること
が好ましい。前述した三種類の溶媒以外の溶媒して、炭
素原子数が3乃至12のエーテル類(例、ジイソプロピ
ルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、フェネトール)やニトロメタ
ンを併用してもよい。
【0019】[溶液の調製(冷却溶解法)]本発明で
は、冷却溶解法により、以上のような有機溶媒中にセル
ロースアセテートを溶解して、溶液を形成することが好
ましい。溶液の調製においては、最初に、室温で有機溶
媒中にセルロースアセテートを撹拌しながら徐々に添加
する。この段階では、セルロースアセテートは、一般に
有機溶媒中で膨潤するが溶解しない。なお、室温でセル
ロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶
解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果があ
る。前述した3乃至6の双極子モーメントを有する有機
化合物は、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の量
で有機溶媒に添加しておくことが好ましい。セルロース
アセテートの量は、この混合物中に10乃至40重量%
含まれるように調整することが好ましい。セルロースア
セテートの量は、10乃至30重量%であることがさら
に好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加
剤を添加しておいてもよい。
は、冷却溶解法により、以上のような有機溶媒中にセル
ロースアセテートを溶解して、溶液を形成することが好
ましい。溶液の調製においては、最初に、室温で有機溶
媒中にセルロースアセテートを撹拌しながら徐々に添加
する。この段階では、セルロースアセテートは、一般に
有機溶媒中で膨潤するが溶解しない。なお、室温でセル
ロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶
解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果があ
る。前述した3乃至6の双極子モーメントを有する有機
化合物は、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の量
で有機溶媒に添加しておくことが好ましい。セルロース
アセテートの量は、この混合物中に10乃至40重量%
含まれるように調整することが好ましい。セルロースア
セテートの量は、10乃至30重量%であることがさら
に好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加
剤を添加しておいてもよい。
【0020】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースアセテート、有機化合物と有機溶
媒の混合物は固化する。冷却速度は、4℃/分以上であ
ることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好
ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷
却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理
論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であ
り、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、
冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温
度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達す
るまでの時間で割った値である。
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースアセテート、有機化合物と有機溶
媒の混合物は固化する。冷却速度は、4℃/分以上であ
ることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好
ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷
却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理
論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であ
り、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、
冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温
度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達す
るまでの時間で割った値である。
【0021】さらに、これを0乃至120℃(好ましく
は0乃至50℃)に加温すると、混合溶媒中にセルロー
スアセテートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだ
けでもよし、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4
℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上である
ことがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最
も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、100
00℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技
術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限
である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と
最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な
加温温度に達するまでの時間で割った値である。以上の
ようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充
分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。
溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を
観察するだけで判断することができる。
は0乃至50℃)に加温すると、混合溶媒中にセルロー
スアセテートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだ
けでもよし、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4
℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上である
ことがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最
も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、100
00℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技
術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限
である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と
最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な
加温温度に達するまでの時間で割った値である。以上の
ようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充
分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。
溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を
観察するだけで判断することができる。
【0022】冷却溶解方法においては、冷却時の結露に
よる水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望
ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧
し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することがで
きる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器
を用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20重量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
平均酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機
溶媒により異なる。
よる水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望
ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧
し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することがで
きる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器
を用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20重量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
平均酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機
溶媒により異なる。
【0023】[フイルムの製造]調製したセルロースエ
ステル溶液から、セルロースアセテートフイルムを製造
することができる。具体的には、溶液をソルベントキャ
スト法におけるドープとして利用する。ドープは、ドラ
ムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルム
を形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至3
5%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラ
ムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくこと
が好ましい。ソルベントキャスト法における流延および
乾燥方法については、米国特許2336310号、同2
367603号、同2492078号、同249297
7号、同2492978号、同2607704号、同2
739069号、同2739070号、英国特許640
731号、同736892号の各明細書、特公昭45−
4554号、同49−5614号、特開昭60−176
834号、同60−203430号、同62−1150
35号の各公報に記載がある。
ステル溶液から、セルロースアセテートフイルムを製造
することができる。具体的には、溶液をソルベントキャ
スト法におけるドープとして利用する。ドープは、ドラ
ムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルム
を形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至3
5%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラ
ムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくこと
が好ましい。ソルベントキャスト法における流延および
乾燥方法については、米国特許2336310号、同2
367603号、同2492078号、同249297
7号、同2492978号、同2607704号、同2
739069号、同2739070号、英国特許640
731号、同736892号の各明細書、特公昭45−
4554号、同49−5614号、特開昭60−176
834号、同60−203430号、同62−1150
35号の各公報に記載がある。
【0024】ドープは、表面温度が10℃以下のドラム
またはバンド上に流延することが好ましい。流延した2
秒上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイ
ルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100
から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残
留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公
平5−17844号公報に記載がある。この方法による
と、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能
である。この方法を実施するためには、流延時のドラム
またはバンドの表面温度においてドープがゲル化するこ
とが必要である。本発明に従い調製した溶液(ドープ)
は、この条件を満足する。製造するフイルムの厚さは、
5乃至500μmであることが好ましく、20乃至20
0μmであることがさらに好ましく、60乃至120μ
mであることが最も好ましい。
またはバンド上に流延することが好ましい。流延した2
秒上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイ
ルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100
から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残
留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公
平5−17844号公報に記載がある。この方法による
と、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能
である。この方法を実施するためには、流延時のドラム
またはバンドの表面温度においてドープがゲル化するこ
とが必要である。本発明に従い調製した溶液(ドープ)
は、この条件を満足する。製造するフイルムの厚さは、
5乃至500μmであることが好ましく、20乃至20
0μmであることがさらに好ましく、60乃至120μ
mであることが最も好ましい。
【0025】[その他の添加剤]セルロースアセテート
フイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥
速度を向上するために、可塑剤を添加することができ
る。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸
エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリ
フェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジル
ホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステ
ルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステル
が代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチル
フタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DE
P)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタ
レート、(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート
(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、
クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエ
ン酸アセチルトリブチル(OACTB)が含まれる。そ
の他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチ
ル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチ
ル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル
酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DO
P、DEHP)が好ましく用いられる。DEPが特に好
ましい。
フイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥
速度を向上するために、可塑剤を添加することができ
る。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸
エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリ
フェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジル
ホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステ
ルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステル
が代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチル
フタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DE
P)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタ
レート、(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート
(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、
クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエ
ン酸アセチルトリブチル(OACTB)が含まれる。そ
の他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチ
ル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチ
ル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル
酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DO
P、DEHP)が好ましく用いられる。DEPが特に好
ましい。
【0026】可塑剤の添加量は、セルロースアセテート
の量の0.1乃至25重量%であることが好ましく、1
乃至20重量%であることがさらに好ましく、3乃至1
5重量%であることが最も好ましい。また、一般に結晶
核形成剤(核剤)として知られている化合物を添加して
もよい。結晶核形成剤は、従来から、結晶性高分子(特
にポリプロピレン)を溶融成型する場合に、その光学的
性質、機械的性質、熱的性質や成型性の向上するための
改質剤として使用されている。そのような化合物の例に
は、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−
ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−1
1、旭電化(株)製)、リン酸ビス(4−t−ブチルフ
ェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−10、旭電化
(株)製)、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビド
ール(ゲルオールMD、新日本理化(株)製)およびビ
ス(p−エチルビンジリデン)ソルビトール(NC−
4、三井東圧化学(株)製)が含まれる。
の量の0.1乃至25重量%であることが好ましく、1
乃至20重量%であることがさらに好ましく、3乃至1
5重量%であることが最も好ましい。また、一般に結晶
核形成剤(核剤)として知られている化合物を添加して
もよい。結晶核形成剤は、従来から、結晶性高分子(特
にポリプロピレン)を溶融成型する場合に、その光学的
性質、機械的性質、熱的性質や成型性の向上するための
改質剤として使用されている。そのような化合物の例に
は、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−
ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−1
1、旭電化(株)製)、リン酸ビス(4−t−ブチルフ
ェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−10、旭電化
(株)製)、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビド
ール(ゲルオールMD、新日本理化(株)製)およびビ
ス(p−エチルビンジリデン)ソルビトール(NC−
4、三井東圧化学(株)製)が含まれる。
【0027】本発明では、上記化合物を結晶核形成剤と
して使用するのではなく、ドープのゲル化温度を高くす
るために使用することができる。上記化合物は、その両
親媒性のある化学構造から、セルロースアセテートとの
相互作用を有する。一方、上記化合物の自己凝集作用が
アセチルセルロースよりも高いため、結果としてアセチ
ルセルロースの凝集を促し、ゲル化温度が高くなると考
えられる。上記化合物は、ドープの粘度を下げる効果も
ある。上記化合物は、有機溶媒とセルロースアセテート
の水酸基との溶媒和を妨害するため、ポリマーの広がり
を抑えるためであると考えられる。セルロースアセテー
トフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化
物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲
剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防
止剤については、特開平3−199201号、同5−1
907073号、同5−194789号、同5−271
471号、同6−107854号の各公報に記載があ
る。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の
0.01乃至1重量%であることが好ましく、0.1乃
至0.2重量%であることがさらに好ましい。添加量が
0.01重量%未満であると、劣化防止剤の効果がほと
んど認められない。添加量が1重量%を越えると、フイ
ルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)
が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例
としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙
げることができる。紫外線防止剤については、特開平7
−11056号公報に記載がある。
して使用するのではなく、ドープのゲル化温度を高くす
るために使用することができる。上記化合物は、その両
親媒性のある化学構造から、セルロースアセテートとの
相互作用を有する。一方、上記化合物の自己凝集作用が
アセチルセルロースよりも高いため、結果としてアセチ
ルセルロースの凝集を促し、ゲル化温度が高くなると考
えられる。上記化合物は、ドープの粘度を下げる効果も
ある。上記化合物は、有機溶媒とセルロースアセテート
の水酸基との溶媒和を妨害するため、ポリマーの広がり
を抑えるためであると考えられる。セルロースアセテー
トフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化
物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲
剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防
止剤については、特開平3−199201号、同5−1
907073号、同5−194789号、同5−271
471号、同6−107854号の各公報に記載があ
る。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の
0.01乃至1重量%であることが好ましく、0.1乃
至0.2重量%であることがさらに好ましい。添加量が
0.01重量%未満であると、劣化防止剤の効果がほと
んど認められない。添加量が1重量%を越えると、フイ
ルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)
が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例
としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙
げることができる。紫外線防止剤については、特開平7
−11056号公報に記載がある。
【0028】[厚み方向のレターデーション]本発明に
従うセルロースアセテートフイルムには、冷却溶解法に
より製造しても厚み方向のレターデーション値が低いと
の効果がある。フイルムの厚み方向のレターデーション
値は、エリプソメーターを用いて測定できる。具体的に
は、波長632.8nmにおけるレターデーション値を
エリプソメーター(例えば、偏光解析計AEP−10:
島津製作所(株)製)を用いてフイルム面に垂直な方向
に測定した結果およびフイルム面を傾けながら同様に測
定したレターデーション値の外挿値から、下記式(1)
により算出する。 式(1) 厚み方向のレターデーション値=[(nx+ny)/2
−nz]×d(nm) 式中、nxはフイルム平面内のx方向の屈折率であり、
nyはフイルム平面内のy方向の屈折率であり、nzは
フイルム面に垂直な方向の屈折率であり、そしてdはフ
イルムの厚みである。
従うセルロースアセテートフイルムには、冷却溶解法に
より製造しても厚み方向のレターデーション値が低いと
の効果がある。フイルムの厚み方向のレターデーション
値は、エリプソメーターを用いて測定できる。具体的に
は、波長632.8nmにおけるレターデーション値を
エリプソメーター(例えば、偏光解析計AEP−10:
島津製作所(株)製)を用いてフイルム面に垂直な方向
に測定した結果およびフイルム面を傾けながら同様に測
定したレターデーション値の外挿値から、下記式(1)
により算出する。 式(1) 厚み方向のレターデーション値=[(nx+ny)/2
−nz]×d(nm) 式中、nxはフイルム平面内のx方向の屈折率であり、
nyはフイルム平面内のy方向の屈折率であり、nzは
フイルム面に垂直な方向の屈折率であり、そしてdはフ
イルムの厚みである。
【0029】
[実施例1]室温において、平均酢化度59.4%セル
ロースアセテート17重量部、酢酸メチル/メタノール
/n−ブタノール混合溶媒(混合比=80/15/5重
量%)80.28重量部、トリフェニルホスフェート
(可塑剤)2.72重量部および1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン(双極子モーメント:4.05)2
重量部を混合した。室温では、セルロースアセテートは
溶解せずに混合溶媒中で膨潤した。得られた膨潤混合物
は、溶解せずにスラリーを形成していた。次に、膨潤混
合物を二重構造の容器に入れた。混合物をゆっくり撹拌
しながら外側のジャケットに冷媒として水/エチレング
リコール混合物を流し込んだ。これにより内側容器内の
混合物を−30℃まで冷却した(冷却速度:8℃/
分)。混合物が均一に冷却されて固化するまで(30分
間)、冷媒による冷却を継続した。
ロースアセテート17重量部、酢酸メチル/メタノール
/n−ブタノール混合溶媒(混合比=80/15/5重
量%)80.28重量部、トリフェニルホスフェート
(可塑剤)2.72重量部および1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン(双極子モーメント:4.05)2
重量部を混合した。室温では、セルロースアセテートは
溶解せずに混合溶媒中で膨潤した。得られた膨潤混合物
は、溶解せずにスラリーを形成していた。次に、膨潤混
合物を二重構造の容器に入れた。混合物をゆっくり撹拌
しながら外側のジャケットに冷媒として水/エチレング
リコール混合物を流し込んだ。これにより内側容器内の
混合物を−30℃まで冷却した(冷却速度:8℃/
分)。混合物が均一に冷却されて固化するまで(30分
間)、冷媒による冷却を継続した。
【0030】容器の外側のジャケット内の冷媒を除去
し、代わりに温水をジャケットに流し込んだ。内容物の
ゾル化がある程度進んだ段階で、内容物の撹拌を開始し
た。このようにして、室温まで加温した(加温速度:8
℃/分)。さらに、以上の冷却および加温の操作を、も
う一回繰り返した。冷却溶解法により得られた溶液(ま
たはスラリー)の状態を、常温(23℃)で静置保存し
たまま観察し、以下のA、BおよびCの三段階で評価し
たところ、良好なAの評価が得られた。 A:20日間経時しても、透明性と均一性を保持し、良
好な溶解性と溶液安定性を示す。 B:攪拌終了時には、透明性と均一性を呈して良好な溶
解性を示すが、一日経時すると相分離を生じ、不均一な
状態となる。 C:攪拌終了直後から不均一なスラリーを形成し、透明
性と均一性のある溶液状態を示さない。
し、代わりに温水をジャケットに流し込んだ。内容物の
ゾル化がある程度進んだ段階で、内容物の撹拌を開始し
た。このようにして、室温まで加温した(加温速度:8
℃/分)。さらに、以上の冷却および加温の操作を、も
う一回繰り返した。冷却溶解法により得られた溶液(ま
たはスラリー)の状態を、常温(23℃)で静置保存し
たまま観察し、以下のA、BおよびCの三段階で評価し
たところ、良好なAの評価が得られた。 A:20日間経時しても、透明性と均一性を保持し、良
好な溶解性と溶液安定性を示す。 B:攪拌終了時には、透明性と均一性を呈して良好な溶
解性を示すが、一日経時すると相分離を生じ、不均一な
状態となる。 C:攪拌終了直後から不均一なスラリーを形成し、透明
性と均一性のある溶液状態を示さない。
【0031】得られた溶液を、有効長6mのバンド流延
機を用いて、乾燥膜厚が100μmになるように流延し
た。バンド温度は0℃とした。乾燥のため、2秒風に当
てた後、フイルムをバンドから剥ぎ取り、さらに100
℃で3分、130℃で5分、そして160℃で5分、フ
イルムの端部を固定しながら段階的に乾燥して、残りの
溶剤を蒸発させた。このようにして、セルロースアセテ
ートフイルムを製造した。得られたフイルムは、さらに
120℃で3時間乾燥した。フイルム中の1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノンの残留量は、0.1重量%
以下であった。フイルムの厚み方向のレターデーション
値を測定したところ、100nmであった。
機を用いて、乾燥膜厚が100μmになるように流延し
た。バンド温度は0℃とした。乾燥のため、2秒風に当
てた後、フイルムをバンドから剥ぎ取り、さらに100
℃で3分、130℃で5分、そして160℃で5分、フ
イルムの端部を固定しながら段階的に乾燥して、残りの
溶剤を蒸発させた。このようにして、セルロースアセテ
ートフイルムを製造した。得られたフイルムは、さらに
120℃で3時間乾燥した。フイルム中の1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノンの残留量は、0.1重量%
以下であった。フイルムの厚み方向のレターデーション
値を測定したところ、100nmであった。
【0032】[実施例2]平均酢化度2.86%セルロ
ースアセテートを使用した以外は、実施例1と同様にし
て、セルロースアセテート溶液を調製し、セルロースア
セテートフイルムを製造した。溶液の安定性は、Aの評
価であった。製造したフイルムの厚み方向のレターデー
ションを測定したところ、80nmであった。
ースアセテートを使用した以外は、実施例1と同様にし
て、セルロースアセテート溶液を調製し、セルロースア
セテートフイルムを製造した。溶液の安定性は、Aの評
価であった。製造したフイルムの厚み方向のレターデー
ションを測定したところ、80nmであった。
【0033】[実施例3]1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンの使用量を4重量部に変更した以外は、実
施例1と同様にして、セルロースアセテート溶液を調製
し、セルロースアセテートフイルムを製造した。溶液の
安定性は、Aの評価であった。製造したフイルムの厚み
方向のレターデーションを測定したところ、80nmで
あった。
ダゾリジノンの使用量を4重量部に変更した以外は、実
施例1と同様にして、セルロースアセテート溶液を調製
し、セルロースアセテートフイルムを製造した。溶液の
安定性は、Aの評価であった。製造したフイルムの厚み
方向のレターデーションを測定したところ、80nmで
あった。
【0034】[実施例4]1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンの使用量を4重量部に変更した以外は、実
施例2と同様にして、セルロースアセテート溶液を調製
し、セルロースアセテートフイルムを製造した。溶液の
安定性は、Aの評価であった。製造したフイルムの厚み
方向のレターデーションを測定したところ、60nmで
あった。実施例1〜4の結果を下記第1表に示す。
ダゾリジノンの使用量を4重量部に変更した以外は、実
施例2と同様にして、セルロースアセテート溶液を調製
し、セルロースアセテートフイルムを製造した。溶液の
安定性は、Aの評価であった。製造したフイルムの厚み
方向のレターデーションを測定したところ、60nmで
あった。実施例1〜4の結果を下記第1表に示す。
【0035】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 実施例 1,3−ジメチル−2− セルロースアセ 溶液 レター イミダゾリジノンの添加量 テート平均酢化度 安定性 デーション ──────────────────────────────────── 1 2重量部 59.4 A 100nm 2 2重量部 60.9 A 80nm 3 4重量部 59.4 A 80nm 4 4重量部 60.9 A 60nm ────────────────────────────────────
【0036】[実施例5〜8]1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンに代えてスルホラン(双極子モーメン
ト:4.81)を使用した以外は、実施例1〜4と同様
にして、セルロースアセテート溶液を調製し、セルロー
スアセテートフイルムを製造した。溶液の安定性および
フイルムのレターデーションを、実施例1〜4と同様に
評価した。実施例5〜8の結果を下記第2表に示す。
イミダゾリジノンに代えてスルホラン(双極子モーメン
ト:4.81)を使用した以外は、実施例1〜4と同様
にして、セルロースアセテート溶液を調製し、セルロー
スアセテートフイルムを製造した。溶液の安定性および
フイルムのレターデーションを、実施例1〜4と同様に
評価した。実施例5〜8の結果を下記第2表に示す。
【0037】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 実施例 スルホラン セルロースアセ 溶液 レター の添加量 テート平均酢化度 安定性 デーション ──────────────────────────────────── 5 2重量部 59.4 A 110nm 6 2重量部 60.9 A 90nm 7 4重量部 59.4 A 90nm 8 4重量部 60.9 A 70nm ────────────────────────────────────
【0038】[実施例9〜19]1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノンに代えて、第3表に示す有機化合物
を4重量部使用した以外は、実施例3と同様にして、セ
ルロースアセテート溶液を調製し、セルロースアセテー
トフイルムを製造した。実施例9〜19の結果は、第3
表に示す。
−イミダゾリジノンに代えて、第3表に示す有機化合物
を4重量部使用した以外は、実施例3と同様にして、セ
ルロースアセテート溶液を調製し、セルロースアセテー
トフイルムを製造した。実施例9〜19の結果は、第3
表に示す。
【0039】[比較例1]1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンを使用しなかった以外は、実施例3と同様
にして、セルロースアセテート溶液を調製し、セルロー
スアセテートフイルムを製造した。結果は、第3表に示
す。
ダゾリジノンを使用しなかった以外は、実施例3と同様
にして、セルロースアセテート溶液を調製し、セルロー
スアセテートフイルムを製造した。結果は、第3表に示
す。
【0040】[比較例2]1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンに代えて、β−ピコリン(双極子モーメン
ト:2.41)を4重量部使用した以外は、実施例3と
同様にして、セルロースアセテート溶液を調製し、セル
ロースアセテートフイルムを製造した。以上の実施例9
〜19、比較例1、2の結果を、下記第3表に示す。な
お、第3表には、実施例3および実施例7の結果も再掲
する。
ダゾリジノンに代えて、β−ピコリン(双極子モーメン
ト:2.41)を4重量部使用した以外は、実施例3と
同様にして、セルロースアセテート溶液を調製し、セル
ロースアセテートフイルムを製造した。以上の実施例9
〜19、比較例1、2の結果を、下記第3表に示す。な
お、第3表には、実施例3および実施例7の結果も再掲
する。
【0041】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 実施 有機化合物 溶液 レター 例 名称 双極子モーメント 安定性 デーション ──────────────────────────────────── 3 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン 4.05 A 80nm 7 スルホラン 4.81 A 90nm 9 ジメチルスルホキシド 4.30 A 106nm 10 ジメチルアセトアミド 3.72 A 105nm 11 N,N−ジメチルホルムアミド 3.86 A 110nm 12 N−メチルピロリドン 4.09 A 109nm 13 テトラメチル尿素 3.47 A 123nm 14 ベンゾニトリル 4.05 A 110nm 15 イソホロン 3.96 A 110nm 16 γ−ブチロラクトン 4.12 A 105nm 17 エチレンカーボネート 4.87 C 100nm 18 ニトロベンゼン 4.21 A 105nm 19 トリエチレングリコール 5.58 A 90nm ──────────────────────────────────── 比1 なし − B 150nm 比2 β−ピコリン 2.41 A 150nm ────────────────────────────────────
【0042】[実施例20]実施例1で調製したセルロ
ースアセテート溶液(ドープ)を80℃で200時間加
熱処理したところ、ドープの粘度が加熱処理前の80%
に低下した。次に、実施例1で製造したセルロースアセ
テートフイルムを、メチレンクロライドに溶解して、得
られた溶液の極限粘度(η)を測定した。極限粘度
(η)は、0.3、0.6および1.0g/dl濃度で
の水(30℃、150秒)の流下の粘度管における溶媒
流下時間(to)と溶液流下時間(t)を測定し、濃度
c(g/dl)に対する値として計算した。測定された
極限粘度(η)は、1.2であった。さらに、実施例1
で製造したセルロースアセテートフイルムを、90℃、
相対湿度100%の条件下で200時間放置してから、
上記と同様にメチレンクロライドに溶解して、得られた
溶液の極限粘度(η)を測定した。測定された極限粘度
(η)は、0.8であって、若干の物性低下が認められ
た。
ースアセテート溶液(ドープ)を80℃で200時間加
熱処理したところ、ドープの粘度が加熱処理前の80%
に低下した。次に、実施例1で製造したセルロースアセ
テートフイルムを、メチレンクロライドに溶解して、得
られた溶液の極限粘度(η)を測定した。極限粘度
(η)は、0.3、0.6および1.0g/dl濃度で
の水(30℃、150秒)の流下の粘度管における溶媒
流下時間(to)と溶液流下時間(t)を測定し、濃度
c(g/dl)に対する値として計算した。測定された
極限粘度(η)は、1.2であった。さらに、実施例1
で製造したセルロースアセテートフイルムを、90℃、
相対湿度100%の条件下で200時間放置してから、
上記と同様にメチレンクロライドに溶解して、得られた
溶液の極限粘度(η)を測定した。測定された極限粘度
(η)は、0.8であって、若干の物性低下が認められ
た。
【0043】[実施例21]実施例1で調製したセルロ
ースアセテート溶液(ドープ)1000重量部に、ブチ
ル化ヒドロキシトルエン1重量部(0.1重量%)を添
加した。添加後、ドープを80℃で200時間加熱処理
したところ、ドープの粘度は加熱処理前と同じ(100
%)で、変化が認められなかった。ブチル化ヒドロキシ
トルエンを添加したドープを用いて実施例1と同様にセ
ルロースアセテートフイルムを製造した。フイルムを実
施例20と同様にメチレンクロライドに溶解して、得ら
れた溶液の極限粘度(η)を測定した。測定された極限
粘度(η)は、1.2であった。さらに、製造したセル
ロースアセテートフイルムを、90℃、相対湿度100
%の条件下で200時間放置してから、上記と同様にメ
チレンクロライドに溶解して、得られた溶液の極限粘度
(η)を測定した。測定された極限粘度(η)は、1.
2であって、物性低下は認められなかった。
ースアセテート溶液(ドープ)1000重量部に、ブチ
ル化ヒドロキシトルエン1重量部(0.1重量%)を添
加した。添加後、ドープを80℃で200時間加熱処理
したところ、ドープの粘度は加熱処理前と同じ(100
%)で、変化が認められなかった。ブチル化ヒドロキシ
トルエンを添加したドープを用いて実施例1と同様にセ
ルロースアセテートフイルムを製造した。フイルムを実
施例20と同様にメチレンクロライドに溶解して、得ら
れた溶液の極限粘度(η)を測定した。測定された極限
粘度(η)は、1.2であった。さらに、製造したセル
ロースアセテートフイルムを、90℃、相対湿度100
%の条件下で200時間放置してから、上記と同様にメ
チレンクロライドに溶解して、得られた溶液の極限粘度
(η)を測定した。測定された極限粘度(η)は、1.
2であって、物性低下は認められなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明に従い3乃至6の双極子モーメン
トを有する有機化合物を使用すると、安定性の高いセル
ロースアセテート溶液を調製することができる。また、
本発明に従い3乃至6の双極子モーメントを有する有機
化合物を使用すると、厚み方向のレターデーション値が
低いセルロースアセテートフイルムも製造することもで
きる。
トを有する有機化合物を使用すると、安定性の高いセル
ロースアセテート溶液を調製することができる。また、
本発明に従い3乃至6の双極子モーメントを有する有機
化合物を使用すると、厚み方向のレターデーション値が
低いセルロースアセテートフイルムも製造することもで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 1:00 B29L 7:00
Claims (6)
- 【請求項1】 58.0乃至62.5%の平均酢化度を
有するセルロースアセテートが有機溶媒中に溶解してい
るセルロースアセテート溶液であって、溶液中にさら
に、3乃至6の双極子モーメントを有する有機化合物
が、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の量で溶解
していることを特徴とするセルロースアセテート溶液。 - 【請求項2】 3乃至6の範囲の双極子モーメントを有
する有機化合物が、アミンまたはアミドである請求項1
に記載のセルロースアセテート溶液。 - 【請求項3】 有機溶媒が、互いに異なる三種類の溶媒
の混合溶媒であり、第1の溶媒が炭素原子数が3乃至1
2のケトンおよび炭素原子数が3乃至12のエステルか
ら選ばれ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃至5の直鎖状
一価アルコールから選ばれ、そして第3の溶媒が沸点が
30乃至170℃のアルコールおよび沸点が30乃至1
70℃の炭化水素から選ばれる請求項1に記載のセルロ
ースアセテート溶液。 - 【請求項4】 58.0乃至62.5%の平均酢化度を
有するセルロースアセテート、有機溶媒、および3乃至
6の範囲の双極子モーメントを有し、有機溶媒の量の
0.1乃至10重量%の範囲の量の有機化合物の混合物
を−100乃至−10℃に冷却する工程、および冷却し
た混合物を0乃至120℃に加温して、有機溶媒中にセ
ルロースアセテートを溶解してセルロースアセテート溶
液を調製する工程からなるセルロースアセテート溶液の
調製方法。 - 【請求項5】 58.0乃至62.5%の平均酢化度を
有するセルロースアセテートが有機溶媒中に溶解してい
るセルロースアセテート溶液であって、溶液中にさら
に、3乃至6の双極子モーメントを有する有機化合物
が、有機溶媒の0.1乃至10重量%の範囲の量で溶解
しているセルロースアセテート溶液を支持体上に流延す
る工程、および有機溶媒と3乃至6の範囲の双極子モー
メントを有する有機化合物を蒸発させてフイルムを形成
する工程からなるセルロースアセテートフイルムの製造
方法。 - 【請求項6】 58.0乃至62.5%の平均酢化度を
有するセルロースアセテート、有機溶媒、および有機溶
媒の0.1乃至10重量%の範囲の量の3乃至6の範囲
の双極子モーメントを有する有機化合物の混合物を−1
00乃至−10℃に冷却する工程、冷却した混合物を0
乃至120℃に加温して、有機溶媒中にセルロースアセ
テートを溶解してセルロースアセテート溶液を調製する
工程、得られたセルロースアセテート溶液を支持体上に
流延する工程、および有機溶媒と3乃至6の範囲の双極
子モーメントを有する有機化合物を蒸発させてフイルム
を形成する工程からなるセルロースアセテートフイルム
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15925097A JPH10330538A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | セルロースアセテート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフイルムの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15925097A JPH10330538A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | セルロースアセテート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフイルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10330538A true JPH10330538A (ja) | 1998-12-15 |
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ID=15689648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15925097A Withdrawn JPH10330538A (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | セルロースアセテート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフイルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH10330538A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001226495A (ja) * | 2000-02-16 | 2001-08-21 | Konica Corp | 光学用フィルム、光学用フィルムの製造方法及びこれらの光学用フィルムを用いた偏光板と該偏光板を用いたバーティカルアライメント(va)型液晶表示装置 |
JP2003055476A (ja) * | 2001-08-15 | 2003-02-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフイルム |
-
1997
- 1997-06-02 JP JP15925097A patent/JPH10330538A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001226495A (ja) * | 2000-02-16 | 2001-08-21 | Konica Corp | 光学用フィルム、光学用フィルムの製造方法及びこれらの光学用フィルムを用いた偏光板と該偏光板を用いたバーティカルアライメント(va)型液晶表示装置 |
JP4534290B2 (ja) * | 2000-02-16 | 2010-09-01 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 光学用フィルムの製造方法 |
JP2003055476A (ja) * | 2001-08-15 | 2003-02-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフイルム |
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