JPH10330398A - 新規環状ペプチド - Google Patents

新規環状ペプチド

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JPH10330398A
JPH10330398A JP9138870A JP13887097A JPH10330398A JP H10330398 A JPH10330398 A JP H10330398A JP 9138870 A JP9138870 A JP 9138870A JP 13887097 A JP13887097 A JP 13887097A JP H10330398 A JPH10330398 A JP H10330398A
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JP
Japan
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peptide
group
cyclic peptide
residue
bond
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JP9138870A
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Jun Sasaki
潤 佐々木
Yasushi Matsumura
靖 松村
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オピオイドレセプターの作用物質としての生理
活性を有し、かつ生体内での酵素分解を受けにくい等の
特性を有するペプチドを提供する。 【解決手段】一般式(1)で表される環状ペプチド、ま
たはその塩(ただし、Xは、フェニルアラニン残基、ト
リプトファン残基等の2価のアミノ酸残基、2価のペプ
チド残基、単結合などを表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた薬理作用を有
する環状ペプチドおよびその塩に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、オピオイドレセプターの作用物質としては、モル
ヒネが知られている。また、臨床的にも、癌性疼痛など
の重い痛みに用いられている。モルヒネにはこのような
強力な鎮痛作用がある反面、耐性形成や依存症の発症な
どの欠点がある。一方、最近オピオイドレセプターの内
因性結合物質としてアミノ酸残基4個からなるポリペプ
チドであるエンドモルフィンが発見された(Nature, 38
6(1997), 499-502)。このエンドモルフィンはミューオ
ピオイドレセプターに作用活性をもつ内因性物質であ
り、鎮痛作用を有しているため、モルヒネの欠点である
耐性形成や依存症などを克服する化合物として期待され
ている。しかし、これを鎮痛薬などの医薬品として考え
る場合、ペプチドであるが故に体内安定性や体内吸収性
の低さが危惧される。
【0003】そもそもペプチドは、生体分子であるため
生体内酵素の消化を受けやすく一般には、速やかに分解
される。また一般に、消化管からの吸収性が低く経口投
与などの簡便な投与が困難である。従って、エンドモル
フィンを医薬品として考えた場合、生体内での酵素分解
を受けにくく、また体内吸収性もよい化合物が望まれて
いた。また、環状のオピオイドペプチドとして、J. Me
d. Chem.,38(13),1995,2410-2417 に記載の化合物が知
られているが、活性や選択性などの点において、不十分
であり実用化に至っていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はエンドモルフ
ィンの上記課題を解決する手段としてそれを環状化した
環状ペプチドを見いだした。本発明はエンドモルフィン
と同等ないし類似の生理活性を有する下記一般式(1)
で表される環状ペプチドおよびその塩に関する発明であ
る。この環状ペプチドは、ペプチド分子のアミノ末端の
アミノ基およびカルボキシル末端のカルボキシル基また
はアミド基を持たず、生体内での酵素分解を受けにく
く、脂溶性が向上するため体内吸収性も向上する。従っ
て、低濃度でモルヒネ様の鎮痛作用を示す。これにより
本発明の化合物は鎮痛薬として有用である。また、種々
の神経疾患の予防薬または治療薬として有用である。
【0005】
【化2】
【0006】[一般式(1)中、Xは2価のアミノ酸残
基、2価のペプチド残基、2価の炭化水素基、または単
結合を表す。ただし、2価の炭化水素基の場合は、アミ
ノ基、カルボニル基などの置換基を有していてもよく、
エーテル結合、チオエーテル結合などの異種原子を含む
結合が挿入されていてもよい。]
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、一般式(1)で
表される環状ペプチド中のアミノ酸残基、Xである2価
のアミノ酸残基、およびXである2価のペプチド残基中
のアミノ酸残基はL体の天然型のアミノ酸の残基が好ま
しい。しかしこれに限られるものではなく、D体の天然
型のアミノ酸の残基であってもよく、天然には存在しな
いような合成型アミノ酸の残基であってもよい。またこ
れらアミノ酸はα−アミノ酸が好ましいが、これに限ら
れるものではない。
【0008】一般式(1)で表される環状ペプチドの塩
としては、この環状ペプチドと無機酸または有機酸から
誘導される酸付加塩がある。このような塩としては、例
えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタ
ンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸
塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、酢酸塩、トリ
フルオロ酸塩、種々のアミノ酸塩などがある。
【0009】また、一般式(1)で表される環状ペプチ
ドの塩としては、このポリペプチドと塩基とから形成さ
れる塩がある。このような塩としては、例えば、アルカ
リ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土
類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム)、アンモ
ニウムおよび置換アンモニウム(例えば、ジメチルアン
モニウム、トリエチルアンモニウム)などから形成され
る塩がある。
【0010】Xである2価のアミノ酸残基としては、L
体の天然型のアミノ酸の残基が好ましい。2価の残基に
おける結合手としては、α位に結合したアミノ基とカル
ボキシ基に由来する結合手、すなわちα位に結合したア
ミノ基の水素原子とカルボキシ基の水酸基とを除いて形
成される2価の結合手が好ましい。同様に、2価のペプ
チド残基における結合手も、その両端におけるアミノ酸
残基のα位に結合したアミノ基とカルボキシ基に由来す
る結合手であることが好ましい。
【0011】Xである2価のペプチド残基におけるアミ
ノ酸残基数は2〜8、特に2〜4が好ましい。同様に、
置換または非置換の2価の炭化水素基における主鎖の炭
素数(結合手間の炭素数)は1〜8、特に1〜4が好ま
しい。2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シク
ロアルキレン基、アリーレン基、およびこれらの2種以
上が連結したものなどがある。また、炭化水素基は主鎖
の炭素原子間にエーテル結合、チオエーテル結合などの
異種原子を含む結合が挿入されていてもよい。また、炭
化水素基はアミノ基、カルボキシ基、その他の置換基を
有していてもよい。
【0012】好ましいXは、2価のアミノ酸残基、アミ
ノ酸残基数2〜4の2価のペプチド残基、および単結合
である。特に2価のアミノ酸残基が好ましく、そのアミ
ノ酸としては、L体の天然型のα−アミノ酸が好まし
い。以下特に言及しない限り、アミノ酸とはこのL体の
天然型のα−アミノ酸をいう。最も好ましいXはトリプ
トファン残基とフェニルアラニン残基である。
【0013】一般式(1)で表される環状ペプチドは、
Xを除いて、チロシン残基、プロリン残基、フェニルア
ラニン残基から構成される。Xがトリプトファン残基で
あるこの環状ペプチドを「環状(チロシニル−プロリニ
ル−トリプトファニル−フェニルアラニン)」という。
同様にXがフェニルアラニン残基であるこの環状ペプチ
ドを「環状(チロシニル−プロリニル−フェニルアラニ
ル−フェニルアラニン)」という。
【0014】一般式(1)で表される環状ペプチドは、
例えば、「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善株式会
社)、に記載されているような一般的なペプチド合成法
により製造することができる。すなわち、ペプチド液相
合成法またはペプチド固相合成法によりペプチドカルボ
キシル末端より順次アミノ酸を縮合したのち環化縮合反
応を行うことにより一般式(1)で表される環状ペプチ
ドを製造することができる。または、ペプチド液相合成
法またはペプチド固相合成法により目的の環状ペプチド
の断片を製造した後、これらをペプチド液相合成法また
はペプチド固相合成法によりつなぎ合わせたのち環化縮
合反応を行うことにより一般式(1)で表される環状ペ
プチドを製造することができる。用いるアミノ酸原料と
しては、アミノ酸のアミノ基が、例えば、t−ブチルオ
キシカルボニル基(Boc)や9−フルオレニルメチル
オキシカルボニル基(Fmoc)などの保護基で保護さ
れているものが好ましい。
【0015】また、用いるアミノ酸原料の側鎖官能基は
それぞれ好ましい保護基で保護されているものが好まし
い。これらアミノ酸側鎖保護基としては、例えば、t−
ブチルオキシカルボニル基(Boc)、t−ブチル基
(tBu)、トリチル基(Trt)、ベンジル基(Bz
l)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマンスル
フォニル基(Pmc)などがあげられる。ペプチド結合
を形成するための縮合剤としては、例えば、N,N−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル
−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド(WSC)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ
−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサ
フルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール
−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウ
ム ヘキサフルオロホスフェート(pyBOP)、2−
(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,
3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホス
フェート(HBTU)、2−(1H−ベンゾトリアゾー
ル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニ
ウム テトラフルオロボレートなどがあげられる。
【0016】また、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBt)と上記縮合剤を適切な割合で混合して用い
ることもできる。また、ペプチド結合の形成にはカルボ
キシル末端を活性化する方法を用いてもよく、その活性
化剤としては、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミ
ド、p−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェ
ニルエステルがある。ペプチド結合を形成する際に用い
る塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプ
ロピルエチルアミン(DIEA)などがあげられる。ペ
プチド結合形成反応に用いる溶媒としては、例えば、ク
ロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどがあ
る。ペプチドの環状構造を形成するには、原料となる直
鎖ペプチドから上記載と同様の方法で行うことができ
る。また、J. Chem. Soc. Chem. Commun.,(1992)180 に
記載の方法と同様に、ペプチド固相樹脂上で環化反応を
行うことができる。
【0017】ペプチドまたはアミノ酸のアミノ末端アミ
ノ基の保護基であるBocおよびFmocは、それぞれ
トリフルオロ酢酸(TFA)またはピペリジンにより除
去することができる。ペプチドのアミノ酸残基の側鎖官
能基の保護基は、例えば、TFA、フッ化水素(H
F)、トリフルオロメタンスルホン酸などにより除去す
ることができる。また、ペプチド固相合成法に於いて、
ペプチドまたはアミノ酸残基の側鎖官能基に保護基が付
いているペプチドをペプチド固相合成樹脂より脱離させ
る方法としては、例えば、TFAを用いることができ
る。ペプチド固相樹脂からのペプチドの脱離と、アミノ
酸残基の側鎖官能基の保護基の脱離は、それぞれ同一反
応系内で同時に行うこともできる。あるいは、それぞれ
独立に行うこともできる。ペプチド固相合成用のペプチ
ド固相合成樹脂としては、例えば、4−ヒドロオキシメ
チル−3−メトキシフェノキシ酪酸−ベンズヒドリルア
ミン−ポリスチレン樹脂、p−ベンジルオキシベンジル
アルコール−ポリスチレン樹脂やオキシム樹脂など通常
市販されているものを用いることができる。
【0018】目的の環状ペプチドまたはその中間体は、
例えば、イオンクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマト
グラフィー、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグ
ラフィー、再結晶、抽出、分別結晶化など、種々の方法
により単離、精製を行うことができる。また、こうして
得られた目的化合物である一般式(1)で表される環状
ペプチドは、常法によってそれぞれの塩に変換できる。
【0019】本発明の一般式(1)で表される環状ペプ
チドおよびその塩は、ミューオピオイドレセプターに対
し作用活性を有する。この化合物は、医薬品、化粧品、
食品などの用途に有用であるが、特に医薬品の有効成分
として有用である。そのうちでも、神経疾患の予防また
は治療薬の有効成分として、および鎮痛剤の有効成分と
して有用である。
【0020】医薬品の有効成分として本発明の化合物を
用いる場合、本発明の化合物を活性成分とし、経口投
与、非経口投与あるいは外用に適した有機あるいは無機
固体または液体賦形剤等の医薬として許容しうる担体と
の混合物として該化合物を含有する慣用的医薬製剤の形
で用いる。医薬製剤は、錠剤、顆粒、散剤、カプセル等
の固形状であってもよく、液剤、懸濁液、シロップ、乳
剤、レモナーデ剤の液状であってもよい。必要ならば、
上記製剤に補助剤、安定化剤、湿潤剤、その他の常用添
加剤、例えば、乳糖、クエン酸、酒石酸、ステアリン
酸、ステアリン酸マグネシウム、白土、蔗糖、トウモロ
コシ澱粉、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、落花生
油、オリーブ油、カカオ油、エチレングリコール等を配
合してもよい。
【0021】本発明の化合物の用量は、患者の年齢、症
状、疾患または病状の種類、適用しようとする本発明の
化合物等によっても変動するが、一般的には1日あたり
0.01〜500mgの範囲の量を、あるいはさらに多
量を患者に投与すればよい。諸疾患の処置に当たって、
本発明の目的化合物の平均1回量を0.05mg、0.
1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、20m
g、50mg、100mg等として用いればよい。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0023】[例1] 環状(チロシニル−プロリニル−フェニルアラニル−フ
ェニルアラニン)の合成。 (合成例1) Fmoc−プロリン−4−ヒドロキシメチル−3−メト
キシフェノキシ酪酸−ベンズヒドリルアミン−ポリスチ
レン樹脂(Fmoc−プロリン−HMPB−BHA樹
脂)合成。
【0024】Fmoc−プロリン 2.94g(8.7
mmol)、およびDCC 0.9mg(4.4mmo
l)をジクロロメタン17ml中、氷温下にて15分間
反応させた。反応終了後、ジクロロメタンを減圧留去
し、残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に
溶解させた。この溶液と4−ジメチルアミノピリジン1
10mg(0.87mmol)を4−ヒドロキシメチル
−3−メトキシフェノキシ酪酸−ベンズヒドリルアミン
−ポリスチレン樹脂(HMPB−BHA樹脂)0.5g
(架橋率0.87mmol/g)に加え一昼夜のあいだ
撹拌し、DMFを添加して、Fmoc−プロリン−HM
PB−BHA樹脂を得た。
【0025】(合成例2) Boc−フェニルアラニル−フェニルアラニル−チロシ
ニル(tBu)−プロリン−HMPB−BHA樹脂の合
成。 合成例1で得られた、Fmoc−プロリン−HMPB−
BHA樹脂 約600mgを用い、これより順次、アミ
ノ酸の縮合を行った。Fmocの除去には、20%ピペ
リジン/DMF溶液を用い、ペプチド結合形成反応に
は、PyBOP133mg(0.25mmol)、HO
Bt 15.3mg(0.1mmol)、DIEA 8
6μl(0.5mmol)を用いた。それぞれ用いるF
moc−アミノ酸またはBoc−アミノ酸を縮合に用い
る順番に表1に示す。最終的に、メタノールでペプチド
が結合した樹脂を洗浄し、乾燥後目的のBoc−フェニ
ルアラニル−フェニルアラニル−チロシニル(tBu)
−プロリン−HMPB−BHA樹脂を約1g得た。
【0026】
【表1】
【0027】(合成例3) Boc−フェニルアラニル−フェニルアラニル−チロシ
ニル(tBu)−プロリンの合成。 合成例2で得られた化合物1gに1%TFA/塩化メチ
レン溶液10mlを加え2分間撹拌したのち、溶液を1
%ピリジン/メタノール溶液中に吸引した。この操作を
10回繰り返し、得られた溶液を減圧濃縮した。残渣を
酢酸エチルに溶解させ有機層を水にて洗浄した。有機層
を分離し、これを減圧濃縮して目的のBoc−フェニル
アラニル−フェニルアラニル−チロシニル(tBu)−
プロリンを80mg得た(TLC Rf:0.61、ク
ロロホルム:メタノール:酢酸:水=8:2:0.1:
0.05)。
【0028】(合成例4) Boc−フェニルアラニル−フェニルアラニル−チロシ
ニル(tBu)−プロリン スクシンイミドエステルの
合成。 合成例3で得られた化合物80mgをDMFに溶解さ
せ、これに1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプ
ロリル)カルボジイミド・HCl 31.6mg(0.
165mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド19
mg(0.165mmol)、DIEA 57μl
(0.33mmol)を加えて一昼夜撹拌した。反応液
を濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、水にて洗浄し
た。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過、濃縮
を行い、目的のBoc−フェニルアラニル−フェニルア
ラニル−チロシニル(tBu)−プロリン スクシンイ
ミドエステル約80mgを得た。
【0029】(合成例5) 環状フェニルアラニル−フェニルアラニル−チロシニル
−プロリンの合成。 合成例4で得られた、Boc−フェニルアラニル−フェ
ニルアラニル−チロシニル(tBu)−プロリン スク
シンイミドエステル約80mgを1mlのTFAに溶解
した。これをピリジン50mlに滴下し、60℃で3時
間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた
残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を水にて洗浄後、
硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、濃縮して目的物
である環状フェニルアラニル−フェニルアラニル−チロ
シニル−プロリンの粗生成物を3mg得た。これを酢酸
1mlに溶解させ、0.1%水/アセトニトリル混合溶
媒を用いた逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製
を行い、目的化合物である、環状フェニルアラニル−フ
ェニルアラニル−チロシニル−プロリンを1.2mg得
た(TLC Rf:0.43 クロロホルム:メタノー
ル=4:1 ニンヒドリン反応陰性)。
【0030】
【発明の効果】本発明の環状ペプチドおよびその塩は、
モルヒネに替わる鎮痛薬として有用である。また、種々
の神経疾患の治療薬または予防薬としても有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される環状ペプチド、ま
    たはその塩。 【化1】 [一般式(1)中、Xは2価のアミノ酸残基、2価のペ
    プチド残基、2価の炭化水素基、または単結合を表す。
    ただし、2価の炭化水素基の場合は、アミノ基、カルボ
    ニル基などの置換基を有していてもよく、エーテル結
    合、チオエーテル結合などの異種原子を含む結合が挿入
    されていてもよい。]
  2. 【請求項2】Xがα位に結合したアミノ基の水素原子と
    カルボキシ基の水酸基とを除いた2価のアミノ酸残基で
    ある、請求項1記載の環状ペプチド、またはその塩。
  3. 【請求項3】2価のアミノ酸残基がフェニルアラニン残
    基またはトリプトファン残基である請求項1または2記
    載の環状ペプチド、またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の環状ペプチド
    またはその塩を有効成分とする医薬品。
  5. 【請求項5】請求項1、2または3記載の環状ペプチド
    またはその塩を有効成分とする神経疾患の予防または治
    療薬。
  6. 【請求項6】請求項1、2または3記載の環状ペプチド
    またはその塩を有効成分とする鎮痛薬。
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