JPH10330318A - 高純度ピルビン酸エステルの製造方法および保管方法 - Google Patents

高純度ピルビン酸エステルの製造方法および保管方法

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JPH10330318A
JPH10330318A JP14429297A JP14429297A JPH10330318A JP H10330318 A JPH10330318 A JP H10330318A JP 14429297 A JP14429297 A JP 14429297A JP 14429297 A JP14429297 A JP 14429297A JP H10330318 A JPH10330318 A JP H10330318A
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JP
Japan
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pyruvate
purity
dimer
pyruvic acid
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JP14429297A
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English (en)
Inventor
Takae Ono
孝衛 大野
Shinzo Imamura
伸三 今村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質のピルビン酸エステルの品質を維持
し、高品質のピルビン酸エステルを提供する。 【解決手段】有効段数1以上の能力を持つ精留塔で蒸留
を行なった高品質のピルビン酸エステルをできるだけ速
やかに貯蔵または運搬用の容器に入れて、密閉し、設定
温度を保管および運搬期間との関係を下記(I)式から
算出した温度以下にすることで、高品質のピルビン酸エ
ステルの品質を維持でき、高品質のピルビン酸エステル
を提供できる。 logD=(2.75/(t+273))×103−6.73 (I) D:保管日数(日)を表す。保管日数とは運搬などに必
要な日数を含む。 t:設定温度(℃)を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ピルビン酸エステルは、医薬
や農薬製造の原料、電子材料製造の洗浄剤などに利用さ
れているが、いずれも不純物の混入を嫌う用途である。
特に医薬や農薬製造の原料に用いる場合、ピルビン酸エ
ステルのカルボニル基を反応基として利用ことが多く、
ピルビン酸エステルの類縁体である二量体もカルボニル
基を有するため、混入するとピルビン酸エステルと同種
の反応が起こり、副生物が生成する危険がある。従っ
て、類縁化合物の混入が少ない高純度のピルビン酸エス
テルを提供する必要がある。
【0002】
【従来の技術】ピルビン酸エステルの製造法として、乳
酸エステルを脱水素または酸化する方法(特公昭57−
24336号公報、特開平1−242554号公報な
ど)、メタクリル酸エステルをオゾン酸化する方法(E
P−147593、特開昭55−62040号公報)、
ピルビン酸をアルコールでエステル化する方法(J.A
m.Chem.Soc.,66,1656(194
4)、特願平8−218864号公報)などいくつか知
られているが、類縁化合物の混入が少ない高純度ピルビ
ン酸エステルを製造する優れた方法は見当たらない。本
発明者らは、ピルビン酸エステルの製造の原料や中間工
程から混入する類縁化合物を既存の精製法で完全に除去
しても、保管や運搬条件によりピルビン酸エステルから
新たに類縁化合物が生成することを見いだし、生成を抑
制する方法を検討して本発明に到達した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ピルビン酸エステルか
ら生成する類縁化合物は2種類のピルビン酸エステルの
二量体が主なものであり、これは有効段数1以上の蒸留
で比較的容易にピルビン酸エステルと分離できることが
分かった。従って、発明が解決しようとする課題は製造
工程内で生成した二量体を除去する方法と製品が利用さ
れるまでに新たな生成を抑制することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】ピルビン酸エステル二量
体生成の要因とピルビン酸エステルとの分離方法を詳細
に調べた結果、分離については有効段数1以上の精留能
力を持つ塔を用いて蒸留する方法が最も容易であり、生
成を抑制するには、熱履歴を少なくすることが有効であ
ることが分かった。ピルビン酸エステルを利用する場合
のピルビン酸エステル二量体を許容不純物レベル以下と
するには下記(I)式をみたす設定温度以下で保管する
ことが有効であることが分かった。
【0005】すなわち、本発明は (1)ピルビン酸エステルを留出温度90℃以下で蒸留
精製した後、下記(I)式で計算される設定温度(t)
以下の温度に冷却することを特徴とする高純度ピルビン
酸エステルの製造方法。
【0006】 logD=(2.75/(t+273))×103−6.73 (I) ここで、Dは保管日数(日)、tは設定温度(℃)を表
す。
【0007】(2)ピルビン酸エステルの二量体が、
0.2重量%以下であることを特徴とする(1)記載の
高純度ピルビン酸エステルの製造方法。
【0008】(3)ピルビン酸エステルが、ピルビン酸
メチルエステルまたはピルビン酸エチルエステルである
ことを特徴とする(1)または(2)記載の高純度ピル
ビン酸エステルの製造方法。
【0009】(4)蒸留精製を有効段数1以上の能力を
持つ塔を用いることを特徴とする(1)〜(3)記載の
いずれかに記載の高純度ピルビン酸エステルの製造方
法。
【0010】(5)ピルビン酸エステルを下記(I)式
で計算される設定温度(t)以下の温度で保管すること
を特徴とする高純度ピルビン酸エステルの保管方法。
【0011】 logD=(2.75/(t+273))×103−6.73 (I) ここで、Dは保管日数(日)、tは設定温度(℃)を表
す。
【0012】(6)ピルビン酸エステルの二量体が、
0.2重量%以下であることを特徴とする(5)記載の
高純度ピルビン酸エステルの保管方法。
【0013】(7)ピルビン酸エステルが、ピルビン酸
メチルエステルまたはピルビン酸エチルエステルである
ことを特徴とする(5)または(6)記載の高純度ピル
ビン酸エステルの保管方法、である。
【0014】ここで、Dで表す保管日数には、運搬など
に必要な日数を含む。
【0015】
【発明の実施の形態】ピルビン酸エステル二量体はピル
ビン酸エステルから生成する物質であるのでピルビン酸
エステルをいかなるルートで製造しようとも、製造の過
程および製品化以降の取り扱い条件に因っては生成する
可能性がある。従って本発明の方法はピルビン酸エステ
ルの製造ルートはいかなるものでも良い。例えば、特公
昭57−24336号公報の実施例で、熔融アルミナに
メタバナジン酸アンモニウム、シュウ酸を付着させ焼成
した触媒の存在下に、乳酸メチルを200℃、乳酸メチ
ルに対する酸素モル比10、乳酸メチルに対する窒素モ
ル比40の条件下で反応し、ピルビン酸メチルを収率9
3.1%で得る方法などである。
【0016】ただし製造の最終工程で好ましくは有効段
数1以上の能力を持つ塔を用いて90℃以下で蒸留を行
ない、留出した製品をできるだけ速やかに貯蔵または運
搬用の容器に入れて、密閉し、保管期間(D)と前記
(I)式から算出される設定温度(t)以下に冷却す
る。ピルビン酸エステルを保管する場合はこの設定温度
(t)以下で保管する。ピルビン酸エステル二量体の生
成には、酸素、水分、光などが直接関与しないが、これ
らの要因で副生する物質の副次的関与の可能性を排除す
るため遮光できる容器に密閉するのが好ましい。有効段
数はさらに好ましくは5段以上である。
【0017】また、最終製造工程で実施する蒸留の加熱
温度はピルビン酸エステルの熱安定性を配慮し、90℃
以下とする。
【0018】ピルビン酸エステルとは、例えばピルビン
酸メチルまたはピルビン酸エチルなどがあげられる。
【0019】ピルビン酸エステル二量体の濃度分析は、
キャピラリーカラム(例えば、Neutrabond−
1、60m×0.25mmI.D)を用いたガスクロマ
トグラムで行なう。
【0020】ピルビン酸エステル二量体の具体例は、質
量分析のガスクロマトグラムより同定した次の2種類が
ある。
【0021】
【化1】 ただし、Rはピルビン酸メチルエステルの場合メチル
基、ピルビン酸エチルエステルの場合エチル基を表す。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、
ピルビン酸メチルエステルまたはピルビン酸エチルエス
テルの濃度、純度分析はガスクロマトグラムで行なっ
た。
【0023】実施例1 回転子の入った500ml三ッ口フラスコに、特願平8
−218864号に記載された方法と同様にピルビン酸
をエタノールでエステル化した粗ピルビン酸エチル液
(ピルビン酸エチル二量体濃度0.5%でピルビン酸エ
チル濃度85%のピルビン酸エチル液)400gを入
れ、スターラーで攪拌した。このフラスコにHelip
acパッキンNo.2(1.25W×2.5D×2.5
H、mm)を充填した有効段数約15段の精留塔を装着
し、7.3kPaの減圧の条件下で、ウォーターバスを
徐々に90℃まで加熱した。コンデンサーからの留出液
を分留し、50℃以下まで冷却し、主留分として純度9
9%upでピルビン酸エチル二量体濃度0ppmのピル
ビン酸エチルを260g得た。
【0024】このピルビン酸エチルの50gを遮光した
ガラス容器に入れ50℃で30日間保存した。その結
果、ピルビン酸エチル中のピルビン酸エチル二量体の濃
度は、0.13%であった。(保管日数(D):30日
のとき設定温度(t):60℃) 実施例2 実施例1の精留で得たピルビン酸エチル50gを遮光し
たガラス容器に入れ、40℃で30日間保存した。その
結果、ピルビン酸エチル中のピルビン酸エチル二量体の
濃度は0.10%であった。
【0025】実施例3 実施例1の精留で得たピルビン酸エチル50gを遮光し
たガラス容器に入れ、30℃で30日間保存した。その
結果、ピルビン酸エチル中のピルビン酸エチル二量体の
濃度は0.03%であった。
【0026】実施例4 実施例1の精留で得たピルビン酸エチル50gを遮光し
たガラス容器に入れ、5℃で1年間保存した。その結
果、ピルビン酸エチル中のピルビン酸エチル二量体の濃
度は0ppmであった。(保管日数(D):365日の
とき設定温度(t):21℃)実施例5 ピルビン酸エチルをピルビン酸メチル二量体0ppmの
ピルビン酸メチルにかえた以外は、実施例4と同様の操
作を行なった。その結果、ピルビン酸メチル中のピルビ
ン酸メチル二量体の濃度は0ppmであった。
【0027】比較例1 実施例1の精留で得たピルビン酸エチル50gを遮光し
たガラス容器に入れ、30°Cで1年間保存した。その
結果、ピルビン酸エチル中のピルビン酸エチル二量体の
濃度は0.50%であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、有効段数1以上の能力
を持つ精留塔で蒸留を行なった高品質のピルビン酸エス
テルをできるだけ速やかに貯蔵または運搬用の容器に入
れて、密閉し、設定温度以下で保管または運搬すること
で、高品質のピルビン酸エステルの品質を維持でき、高
品質のピルビン酸エステルを提供できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピルビン酸エステルを留出温度90℃以
    下で蒸留精製した後、下記(I)式で計算される設定温
    度(t)以下の温度に冷却することを特徴とする高純度
    ピルビン酸エステルの製造方法。 logD=(2.75/(t+273))×103−6.73 (I) ここで、Dは保管日数(日)、tは設定温度(℃)を表
    す。
  2. 【請求項2】 ピルビン酸エステルの二量体が、0.2
    重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の高純
    度ピルビン酸エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 ピルビン酸エステルが、ピルビン酸メチ
    ルエステルまたはピルビン酸エチルエステルであること
    を特徴とする請求項1または2記載の高純度ピルビン酸
    エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸留精製を有効段数1以上の能力を持つ
    塔を用いることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれ
    か1記載の高純度ピルビン酸エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 ピルビン酸エステルを下記(I)式で計
    算される設定温度(t)以下の温度で保管することを特
    徴とする高純度ピルビン酸エステルの保管方法。 logD=(2.75/(t+273))×103−6.73 (I) ここで、Dは保管日数(日)、tは設定温度(℃)を表
    す。
  6. 【請求項6】 ピルビン酸エステルの二量体が、0.2
    重量%以下であることを特徴とする請求項5記載の高純
    度ピルビン酸エステルの保管方法。
  7. 【請求項7】 ピルビン酸エステルが、ピルビン酸メチ
    ルエステルまたはピルビン酸エチルエステルであること
    を特徴とする請求項5または6記載の高純度ピルビン酸
    エステルの保管方法。
JP14429297A 1997-06-02 1997-06-02 高純度ピルビン酸エステルの製造方法および保管方法 Pending JPH10330318A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005325050A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Toray Fine Chemicals Co Ltd 2−ケト酸エステルの保管方法
JP2005336120A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toray Fine Chemicals Co Ltd 高純度2−ケト酸エステルの製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005325050A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Toray Fine Chemicals Co Ltd 2−ケト酸エステルの保管方法
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