JPH10328485A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JPH10328485A
JPH10328485A JP9143689A JP14368997A JPH10328485A JP H10328485 A JPH10328485 A JP H10328485A JP 9143689 A JP9143689 A JP 9143689A JP 14368997 A JP14368997 A JP 14368997A JP H10328485 A JPH10328485 A JP H10328485A
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JP
Japan
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water
washing
ion
exchange resin
washing machine
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Pending
Application number
JP9143689A
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English (en)
Inventor
Gichu Ota
義注 太田
Toshifumi Koike
敏文 小池
Yosuke Nagano
洋介 永野
Tamotsu Shikamori
保 鹿森
Hiroshi Osugi
寛 大杉
Takami Koyama
高見 小山
Akira Miyao
明 宮尾
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Priority to TW087107670A priority patent/TW392018B/zh
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  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】洗濯用水に含まれ、被洗濯物あるいは洗剤の働
きに悪影響を及ぼすカルシウム、マグネシウムイオンを
除去し、洗浄力の向上したあるいは使用する洗剤量を低
減できる洗濯機を提供する。 【解決手段】ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂を充
填してなる着脱可能な円筒容器Aと、入水口と吐出口を
持ちこの間の空間に円筒容器Aを収納する円筒容器B
と、円筒容器Bの上面を閉じる蓋とを備えたイオン除去
手段を、洗濯機のトップカバー内の給水経路途中に設け
る。円筒容器Aを円筒容器Bから取り外し、再生処理し
て再使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯に用いる水か
ら硬度成分を除去する手段およびこれを搭載した洗濯機
に関する。
【0002】
【従来の技術】洗濯機で洗濯に使用される洗濯用水は、
水道水等に代表される水源からホース等で洗濯機に供給
され、使用者の操作で洗濯機内の洗濯槽に給水されて、
衣類の洗濯に用いられている。
【0003】しかし、例えば水道水中には雑菌の殺菌を
目的とした次亜塩素酸イオン等の陰イオン、水道源水に
含まれる硬度成分としてのカルシウム、マグネシウムあ
るいは水道源水に含まれるあるいは水道水供給配管系統
から溶け出す銅、鉄、クロム等の陽イオンが含まれてお
り、これら金属イオンは被洗濯物、使用洗剤の洗浄力に
種々の悪影響を与える。
【0004】洗剤の洗浄力に大きな影響を及ぼすのは、
硬度成分としてのカルシウム、マグネシウムイオンとい
う2価の陽イオンである。これらは洗剤中の界面活性剤
と反応して不溶性の金属せっけんを生成し、洗浄に寄与
する界面活性剤量を減少させ洗浄力を低下させる。また
先の金属せっけんは不溶性であり、被洗濯物に残留して
特に黒色衣類では白い斑点となって見える。さらに洗濯
槽の外壁等に付着堆積した場合には、そこにカビ等が繁
殖する場合もある。
【0005】従来洗剤の中には前述の硬度成分の悪影響
を防止するためリン酸塩が混入されていた。しかし、琵
琶湖汚染問題として知られるように、リン酸塩の社会環
境に及ぼす影響が取り上げられた。このため従来洗剤に
含まれているビルダーとして用いられてきたリン酸塩に
かわる代替ビルダーの研究が進み、この中でリン酸塩代
替ビルダーとして合成ゼオライトが注目され多くの市販
洗剤に用いられている。洗濯用水にカルシウム、マグネ
シウムイオンが含まれていた場合、これに人工ゼオライ
ト混入洗剤を投入するとゼオライトは確かに洗濯用水か
ら吸着によりこれらイオンを除去するが、それと同時に
これらイオンは洗剤の界面活性剤を金属せっけん化す
る。このためゼオライト混入の効果は薄められることに
なる。本来ならば洗濯用水からこれらイオンを除去した
後、この用水に洗剤を溶かして洗濯に用いる方が好まし
い。さらにビルダーとしてこの人工ゼオライトを洗剤に
多量に混入すると洗濯後の衣類にゼオライト粒子が付着
して仕上がりを悪化させる問題もある。
【0006】これら金属イオンの弊害を除去する方法と
して特開平4−20395号に記載される洗濯機あるい
は特開平5−115681号に記載される洗濯方法およ
び洗濯装置がある。これらは供給される洗濯用水から金
属イオンを除去した後に、洗剤の投入されている洗濯槽
に給水して洗濯を行うものである。
【0007】上記特開平4−20395号公報に記載さ
れた洗濯機では、衣類の洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯
槽内に給水する給水手段とを備えており、この給水手段
の給水経路途中にイオン除去手段を設けている。またこ
のイオン除去手段として、イオン交換樹脂や活性炭を用
いることが開示されている。
【0008】さらにこの公報では、陰イオンを除去する
ための活性炭の吸着能力の限界に着目し、イオン除去手
段と並列な給水経路を用意し、選択的に用いて寿命を延
ばすことが開示されている。
【0009】また、特開平5−115681号公報で
は、隔膜を介して対向する電極対間で電圧を印加して通
電処理することにより金属イオンを除去した陽極側の水
を洗濯用水として用い、これに洗浄剤を加えたのち、被
洗物と接触させる洗濯方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記各公報に記
載された従来技術では、洗濯用水の給水に必要な流量、
イオン交換樹脂の量またはイオンの除去効率について配
慮されていない。すなわち、特開平4−20395号公
報に記載の洗濯機では、流量を確保しようとすれば多量
のイオン交換樹脂が必要になり、イオン除去手段を洗濯
機内部に収納あるいはコンパクトに構成することが難し
くなる。一方、イオン交換樹脂量を少なくしてイオン交
換手段のコンパクト化を図れば、通常必要とされる毎分
10〜15Lの流量を得ることは困難である。また、イ
オン交換手段を洗濯機内部に収納するため、イオン交換
手段を洗濯機下方に配置しようとすれば、イオン交換手
段前後に長い給水路を設ける必要があり、この給水路で
の圧力損失が増大し、流量の確保がさらに難しくなる。
またイオン交換樹脂は一定量のイオンを吸着した後には
その除去効果がなくなるため、一定量の洗濯用水を処理
した後、再生する必要があるが、必要な流量を確保しか
つ洗濯機内部に構成できる限られた量のイオン交換樹脂
を再生使用することについては配慮されていない。
【0011】また、特開平5−115681号公報の洗
濯方法は、洗濯用水を電極対の間で通電処理し、その中
に含まれる金属イオンを除去した後、これに洗剤を加え
て洗濯するものであるが、一般に処理速度が遅いため、
静止水の状態で通電時間として5〜30分程度必要とす
る。従って、毎分10〜15Lの流量を確保する除去手
段を洗濯機内部にコンパクトに構成することは困難であ
る。さらに通電処理のため回路価格の増加、また水を扱
う家庭用洗濯機では感電に対する配慮、水の電気分解で
生じる水素ガス等に対する配慮等が必要となる。
【0012】本発明の目的は、洗濯用水に含まれる陽イ
オンを毎分10L以上の流水を確保しながら除去するイ
オン除去手段をコンパクトに備えた洗濯機を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の洗濯機は、洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内
に給水する給水経路途中に、イオン交換樹脂を収めた着
脱可能な容器を収納するイオン除去手段とを備える。ま
た本発明の洗濯機は、洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽
内に給水する給水経路途中に、イオン交換能を持つ素材
を有する着脱可能な容器を収納するイオン除去手段とを
備える。また上記の洗濯機に対して、容積150mL以
上300mL以下のイオン交換樹脂とメッシュフィルタ
を備えた容器を用意するとよい。
【0014】容積150mL以上300mL以下のイオ
ン交換樹脂は洗濯機内部の給水経路途中に内蔵可能であ
り、かつ洗濯機に要求される流量の洗濯用水を少なくと
も1回の洗濯分確保できる量である。このとき、上記手
段のように、イオン交換樹脂あるいはイオン交換能を有
する素材を収めた容器を洗濯機に着脱可能に備えたこと
により、この容器をイオン除去手段から取り外し、塩水
に浸してイオン交換樹脂あるいはイオン交換能を有する
素材を再生することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照し説明する。
【0016】図1は本発明による全自動洗濯機の概観図
であり、図2は図1のII−II矢視断面図ある。全自動洗
濯機は、鋼鈑製の外枠1内に吊り棒2およびコイルバネ
や弾性ゴムからなる防振装置3によって合成樹脂製の外
槽4を吊架する構成となっている。外槽4は4組の吊り
棒および防振装置で外枠1の上部4隅から吊り下げ支持
されている。洗濯する水を溜める外槽4内には、ステン
レス製の洗濯兼脱水槽5を回転自在に設ける。洗濯兼脱
水槽5には多数の脱水孔5aを設け、中央底部には回転
翼6を回転可能に設ける。洗いおよびすすぎ工程時には
洗濯兼脱水槽5を静止させ、回転翼6を時計方向(正)
および反時計方向(逆)に回転させる。また脱水工程時
には洗濯兼脱水槽5を一方向に回転させる。回転翼6お
よび洗濯兼脱水槽5の回転は駆動装置により行われる。
【0017】駆動装置は電動機8とこの電動機8の回転
を、回転翼6あるいは洗濯兼脱水槽5に伝達するための
プーリ9aやベルト9bからなる伝達手段9と、洗いお
よびすすぎ工程時に回転翼6のみを回転させたり、ある
いは脱水工程時に洗濯兼脱水槽5を回転させたりするク
ラッチ装置10とその切り替えを行うクラッチソレノイ
ド10aからなる。
【0018】駆動装置は外槽4の底面に鋼鈑製の支持板
7を用いて固定される。また外槽4には外槽内の水圧を
水位センサ11に伝達するチューブ12と外槽4内の洗
濯用水の排水を行う排水装置13が設けてある。
【0019】外枠1の上部には洗濯物を投入する投入口
16aとイオン除去手段、水道栓口、給水電磁弁等を収
納する後部収納箱16bとマイコン等の電気部品を収納
する前部操作箱16cとを形成したトップカバー16が
設けてある。投入口16aには合成樹脂製の蓋17を設
けてある。
【0020】前部操作箱16cの上面には図3に示す操
作パネル18aが取りつけてあり、その下にはマイコン
等を内蔵した制御部18bが設けてある。また前部操作
箱16c内には、外槽4内の水圧を検出することによ
り、規定水位まで水が溜まったかを判定する水位センサ
11が設けてある。操作パネル18aには、電源スイッ
チ19、表示器20、操作ボタン21、ブザー22等が
配置されており、使用者が操作ボタン21で洗濯機を操
作し、またその動作状態を表示器20、ブザー22で確
認できるようになっている。またイオン除去処理(軟水
化)を表示する発光ダイオードからなる軟水化表示23
がある。
【0021】図4は本発明の主要構成である洗濯用水の
給水に関わる後部収納箱16bを示す、図2のIV−IV矢
視断面図である。後部収納箱16bには水道栓等からの
ホースが接続される水道栓口24、これに続いて給水電
磁弁25、円筒容器Aとこれを内部に収納する円筒容器
B等からなるイオン除去手段26、風呂水を吸水する風
呂水吸水ポンプ35、洗濯槽5内に洗濯水を流下させる
傾斜流路36等が収納されている。傾斜流路36の上流
側には流路36に開口する部屋A37、部屋B38が設
けられる。
【0022】図5に本発明の主要構成であるイオン除去
手段26の詳細を示す。(a)は全体斜視図、(b)は
縦断面図である。イオン除去手段26は入水口27a、
吐出口27bを持つ円筒容器B27とこの中に収納され
る円筒容器A28、蓋29で構成される。円筒容器B2
7は後部収納箱16bの底面に固定される。円筒容器A
28はその上面および下面がポリエチレン等のメッシュ
フィルタ28aで構成され、ナトリウム型強酸性陽イオ
ン交換樹脂(以下イオン交換樹脂と言う)30が内部に
充填されている。メッシュフィルタ28aにより水はイ
オン交換樹脂30間を通過する。またこれは円筒容器A
28内からイオン交換樹脂30が漏出することを防止す
る。さらに円筒容器A上面にはこれを取り出すための取
っ手28bが設けられており、簡易にこれを円筒容器B
27から取り出すことができる。図示するように、円筒
容器A28は円筒容器B27内に外周にほとんど隙間が
ないように、円筒容器B27内壁の引っ掛かり27cま
で挿入して収納される。蓋29には円周にメスネジ29
aがきってあり、薄いリング上のガスケット29bがそ
れに沿うよう設けてある。円筒容器B27の上部円周に
はオスネジ27dがきってあり、蓋29は円筒容器B2
7にネジで接合固定される。この時、ガスケット29b
は円筒容器B27の上部円周端面に接触して、水が漏出
するのを防止する。
【0023】上記イオン交換樹脂は、ポリエステル等の
繊維にイオン交換樹脂を分散して保持させた素材あるい
はイオン交換能を持つ高分子材料を繊維状にした素材で
あってもよい。
【0024】この状態で円筒容器B27内部は円筒容器
A28を挟んで上部空間31と下部空間32に分けられ
る。この上部および下部に空間を設けるのは、イオン交
換樹脂30内の一部のみに水の通路ができるのを防止し
て、樹脂層全体に均一に水道水を流下させ、吸着効率を
高めるためである。水道水は一旦上部空間を満たしてか
ら、樹脂層面に均一に流下する。
【0025】水道栓からのホースは水道栓口24に接続
される。水道水は給水電磁弁25開閉により円筒容器B
27の入水口27aに導かれ、上部空間31を満たして
からイオン交換樹脂30を充填した円筒容器A28を流
下する。水道水はここで軟水化つまりカルシウム、マグ
ネシウムイオンが除去されて下部空間32を満たし吐出
口27bから流出する。そして部屋A37から傾斜流路
36に流下して洗濯槽5に給水される。風呂等からの水
は風呂水給水口35aに接続されるホースで汲み出され
る。風呂水は、まず水道栓口24からの水道水を給水電
磁弁25の開閉でイオン除去手段26、部屋A37を通
して、呼び水口35bから風呂水吸水ポンプ35に呼び
水する。その後ポンプモータを回転させて風呂水を風呂
水給水口35aから自吸し、吐出口35cから部屋B3
8を介して傾斜流路36に導き、ここから洗濯槽5に給
水する。
【0026】円筒容器A、Bよりなるイオン除去手段2
6を水道栓口24が設置される後部収納箱16bに設置
するのは、給水配管長を短くでき、流路損失が削減し
て、流量すなわち給水時間を短縮できるからである。給
水ではイオン交換樹脂30が充填される円筒容器A28
を水道水が通過するのでこの樹脂充填の流路損失が大き
い。この損失を少しでもカバーするため水道栓口から円
筒容器A28に至る配管長は100mm以下が望まし
い。従来洗濯機の洗濯給水流量は、水道水圧力にもよる
が10から15リットル/分であり、これに近い流量を
本発明で得るためには上述の配慮が必要になる。
【0027】図6はマイクロコンピュータ50を中心に
構成される洗濯機制御部のブロック図である。マイクロ
コンピュータ50は、操作ボタン入力回路51や水位セ
ンサ11とも接続され使用者のボタン操作、洗濯槽内の
洗濯用水水位の情報信号を受ける。マイクロコンピュー
タ50からの出力は、双方向性3端子サイリスタ等で構
成される駆動回路53に接続され、前記電動機8や給水
電磁弁25、排水装置13の排水電磁弁55等に商用電
源を供給して、これらの開閉あるいは回転を制御する。
また使用者に洗濯機の動作を知らせるため、ブザー12
や表示器20などの報知手段にも接続される。電源回路
56は商用電源を整流平滑してマイクロコンピュータ5
0に必要な直流電源を作る。59は点灯して軟水処理を
表示する発光ダイオードである。発光ダイオード59は
前部操作箱16cに装着され、イオン交換樹脂への通水
時に点灯して、軟水化処理中であることを軟水化表示2
3で使用者に知らせる。
【0028】次に本発明によるイオン除去手段の動作を
説明する。使用者が被洗濯物を洗濯槽5に入れ、電源ス
イッチ19を押し、スタートボタンを操作すると、マイ
クロコンピュータ50は給水電磁弁25を開とする。水
道水は水道栓24から給水電磁弁25を通過して入水口
27aから円筒容器B27の上部空間31に流入する。
流入した水道水は上部空間31を満たしながら、円筒容
器A28にメッシュフィルタ28aで挟まれて充填され
るナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂30の間を通過
して、下部空間32を満たした後、吐出口27bから流
れ出し、部屋A37を介して傾斜路36に流出する。そ
して傾斜通路36で整流され、洗濯槽5内に流入する。
この洗い給水中には発光ダイオード59が点灯し軟水化
表示23あるいはブザー12を用いてイオン除去中の表
示あるいは報知が行われる。
【0029】水位センサ11で必要な洗濯用水が洗濯槽
5内に給水されたこと知ったマイクロコンピュータ50
は、給水電磁弁25を閉じて、給水を停止させる。そし
て回転翼6を正逆回転させて、洗濯を開始する。洗濯槽
5内に給水された洗濯用水はカルシウム、マグネシウム
等の陽イオンを含まないため、投入された洗剤中の界面
活性剤と反応して不溶性の金属せっけんを生成したり、
洗浄に寄与する界面活性剤量を減少させ洗浄力を低下さ
せることはない。
【0030】ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂30
は周知のように架橋した3次元の高分子基体に、スルホ
ン酸基のようなイオン交換基を化学結合で結合させた合
成樹脂である。カルシウム、マグネシウム等の2価の陽
イオンを含んだ水道水が陽イオン交換樹脂間を流れる
と、陽イオン交換樹脂のイオン交換基であるスルホン酸
基等の固定イオンと水道水中の陽イオンがイオン交換さ
れ、結果水道水中の陽イオンが除去される。
【0031】ナトリウム型強酸性イオン交換樹脂のイオ
ン交換反応式を以下に示す。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】ナトリウム型は−SO3(-)を固定イオン、
Na(+)を対イオンとする交換樹脂で、イオンの選択性
を利用して水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等
の多価陽イオンを除去するものである。イオン選択性は
低濃度、常温下では強酸性陽イオン交換樹脂の場合、価
数の高いイオン程大きく、同一価数では原子番号の大き
いもの程大きい。天然水中に含まれるイオンでは、 Na(+)<K(+)<Mg2(+)<Ca2(+) の順である。尚、上記の化学式或いはイオン種の記載に
おいて、(+)及び(-)はそれぞれ上付きの+及び−として
表記されるべきものである。
【0035】イオン交換樹脂を通過する水中のカルシウ
ム、マグネシウムイオンは化1、化2の左から右への反
応で樹脂に吸着して除去される。逆にカルシウム、マグ
ネシウムイオンを吸着した樹脂に高濃度塩水を流すと化
1、化2の右から左への反応でカルシウム、マグネシウ
ムイオンが脱着し、樹脂が元の状態に戻り再生される。
【0036】従来市販の半導体工場等で使用する軟水化
装置は上記のような樹脂2L以上を用い、これに天然水
等の原水を毎時10L程度の微流量で軟水化処理を行っ
ている。前述したように家庭用洗濯機においては、給水
時間を短縮するために直接水道栓から毎分10L以上の
流量で洗濯槽に給水している。このため軟水化装置のよ
うな流量では洗濯以外の時間を利用してバッチ処理した
ものを一旦貯水槽に溜めた後に利用せざるを得ない。ま
た樹脂量2Lは大きな容積を占めるためこれを家庭用洗
濯機に搭載することができない。つまり家庭用洗濯機で
は上述のイオン交換樹脂での流量、使用する樹脂容量の
問題を解決する必要がある。
【0037】過去に実施された水道統計によれば、調査
した件数のうち、全硬度40ppm以下の件数が全体の
半数であり、100ppmを超える件数が15%もあっ
た。相加平均では54.5ppmである。
【0038】図7に市販洗剤濃度をパラメータにして全
硬度を変化させて洗浄を行った場合の洗浄率と硬度の関
係を示す。例えば洗剤濃度0.8w%(標準使用量)で
は相加平均硬度54.5ppmを半減することで洗浄率
を約50%も増加させることが可能である。また硬度1
00ppmではこれを半減することで、洗剤量(濃度
1.6w%)を倍加したときの洗浄率が得られる。つま
り洗剤量(濃度)を標準の2倍にしたときの洗浄率が硬
度を下げることで標準洗剤量で得られる。このように硬
度成分であるカルシウム、マグネシウムを除去すること
で洗濯機の洗浄力を大きく改善することができる。また
洗剤使用量を削減することができる。
【0039】図7に示すように硬度が40ppm以下で
は、ほぼ洗浄率が飽和する。これは洗濯に使用する洗濯
用水ではこの40ppm以下まで硬度成分であるカルシ
ウム、マグネシウムイオンを除去する必要のないことを
示している。イオン交換樹脂のイオン吸着能力は2.0
meq/mL−R(樹脂1mLあたり2.0当量)と高
く、例えば全硬度100ppmの水道水72L(定格7
kg洗濯1回に要する水量)に含まれる硬度成分7.2
g(CaCO3換算)を吸着するには容積72mLの少
ない量で良い。しかしこの容積は全てのイオン交換基が
活性であり、長時間をかけて樹脂と原水を攪拌しながら
接触させた場合である。実際には先の理論値以上例えば
理論値の3〜4倍の樹脂が必要となる。
【0040】図8に樹脂量をパラメータにして、流量と
漏洩カルシウムイオン濃度(入力として原水硬度100
ppmを使用)の関係を示す。流量が増加するに比例し
て漏洩イオン濃度は増加する。また樹脂量が少ない程漏
洩イオン濃度が多い。これは樹脂間を流れるカルシウム
イオンがイオン交換基と接触する時間で説明される。流
量が大であればイオン交換反応をせずに単に樹脂間を通
過してしまうカルシウムイオンが多くなるためである。
従来の軟水化装置の流量(10L/時=0.17L/
分)ではほとんどのカルシウムイオンを吸着できるが洗
濯機のような流量(10〜15L/分)では40ppm
(入力の1/3)近くのカルシウムイオンが吸着されず
に漏洩する(樹脂量260mLの場合)。しかし前述し
たように硬度成分が40ppm以下であれば洗浄性能を
向上させることができるため、この漏洩量つまり流量で
も効果有らしめることが可能である。この時の実験で確
認した樹脂量は260mLで理論値の3〜4倍であっ
た。この樹脂量は家庭用洗濯機に搭載可能な量である。
しかしこの樹脂に水道水を通し続ければやがては全ての
イオン交換基にカルシウム、マグネシウムイオンが吸着
してしまい、それ以上の吸着除去が不可能となる。つま
り化1、化2の右から左への反応である塩水による再生
処理が必要となる。
【0041】図9にこの樹脂量のイオン除去手段に流量
毎分13Lで水道水(入力原水カルシウム濃度100p
pm)を流した場合の漏洩カルシウム濃度と積算流量の
関係を示す。図中初回で示す線は初期の状態から水を流
した場合である。この量のイオン交換樹脂は積算流量2
00Lまでは漏洩濃度を40ppm以下に維持してい
る。さらに流量が増加するに従いつまりカルシウムイオ
ンを吸着した樹脂が増えて行くに従い、漏洩カルシウム
濃度も増加する。500Lの積算流量で樹脂はイオン交
換能力を失い、次の洗濯のため再生処理が必要になる。
この再生処理は後述する。
【0042】洗い工程が終了したら、マイクロコンピュ
ータ50は排水装置13の排水電磁弁55を開き、洗濯
槽5内の洗濯用水を排水する。排水終了後、続いてすす
ぎ工程に移行する。まず給水電磁弁25を開き、前述の
洗い給水と同様に洗濯槽5内にすすぎ水を供給する。こ
の時の給水量は先の洗い給水量と同じ程度かそれ以下で
ある。これはすすぎの方法による。一旦水を溜めてから
回転翼6を回転させ、衣類に残留した洗剤を洗い出しを
希釈するいわゆるためすすぎでは先の洗い給水とほぼ同
水量が必要となる。すすぎの回数については少なくとも
1回あるいは2回である。先の洗い給水での72L、こ
のすすぎでの72L×2回の給水量の合計で224Lで
ある。図9に示すように初期の樹脂ではほぼこの水量ま
で40ppm以下の硬度を維持できる。しかし後述する
塩水による再生では全ての樹脂を再生することができな
いため、2回目、3回目の給水では初期量の1/3程度
しか硬度40ppm以下の水量を維持できない。
【0043】そしてすすぎ水を排水後、脱水工程に移行
する。脱水工程ではマイクロコンピュータ50はクラッ
チ装置10のソレノイド10aを制御して電動機8で洗
濯槽5を高速に回転させる。この間排水装置の排水電磁
弁55は開かれている。
【0044】脱水終了後、使用者はイオン交換樹脂30
を再生するため、イオン除去手段26の蓋29を開け
て、円筒容器A28を取り出す。イオン交換樹脂30は
上述の洗いとすすぎのための給水で、多くのカルシウ
ム、マグネシウムイオンを吸着した状態になっている。
予めコップ等を用意して、家庭内の塩と水道水で塩水を
作成する。この塩水の濃度は10%前後でその量はコッ
プ7割程度の100mL前後が先の樹脂量では妥当であ
る。これは(1)家庭内では大量の高濃度塩水を用意す
るのは困難である点と、(2)イオン交換樹脂の塩水再
生では10%前後濃度がもっとも効率良い点と、(3)
先の樹脂量を収納した円筒容器A28を入れて揺動でき
る容器で家庭に必ずあるものがコップである点と、
(4)計量の簡単なスプーン一杯の塩(約15g)を使
用する点等を勘案して設定している。
【0045】使用者が円筒容器A28をこの塩水内で数
十秒間揺動させる。これにより塩水がイオン交換樹脂3
0内を流れ、上記化1、化2の右から左への反応が起
き、樹脂に吸着したカルシウム、マグネシウムイオンと
ナトリウムイオンが置換される。これでイオン交換樹脂
は再生され再びその吸着能力を復活し、逆にカルシウ
ム、マグネシウムイオンは塩水内に抽出される。
【0046】残った塩水はカルシウム、マグネシウムイ
オンを大量に含むために、洗濯槽内でなく台所の流し等
に捨てられる。そして次回の洗濯において、水道水中の
カルシウム、マグネシウムイオンを再び除去するために
再び円筒容器A28を円筒容器B27に収納し蓋をす
る。
【0047】図9に示す矢印点はこの時点で100m
L、12.5%濃度の塩水で前述再生処理を行ったこと
を示している。その後の曲線が初期からの積算流量と漏
洩カルシウム濃度を示す。初期に比べれば、硬度40p
pm以下である水量は100L以下である。そして30
0L程度の水量で交換能力がなくなる。これは前述の再
生処理ではイオン交換基全てが再生できていないことを
しめす。図9から初期状態でのイオン吸着量を計算する
と(図中初回曲線より上の面積から)カルシウムイオン
量は約26g(CaCO3換算)であり、このカルシウ
ムイオンを全て塩(ナトリウムイオン)で交換再生する
には化1、化2を用いれば、ほぼ同量の塩(塩化ナトリ
ウム)30g程度が必要である。100mL、12.5
%に含まれる塩の量は13.4gである。もともと塩の
絶対量が不足しており、かつ数十秒間揺動しているため
再生効率が約30つまりイオン交換基1/3しか再生さ
れていないことがわかる。(初回曲線より上の面積と2
回目曲線より上の面積比較から判明する。)しかしカル
シウム、マグネシウムイオンを除去しなければならない
のは洗い給水である。この洗い給水量は例えば72Lで
あり、上記ではこの量を40ppm以下の硬度で得るこ
とができる。続くすすぎ工程で必要な水量では硬度40
ppmを超過しても洗浄性能への影響はない。以上は硬
度100ppmでの話であり、この時の硬度40ppm
維持とは原水に含まれるイオンの2/3を除去すること
を意味する。当然この性能であれば、原水硬度が60p
pmであれば、処理後はこれの1/3である20ppm
以下に維持できることを示している。
【0048】以上説明のように本発明は、(1)カルシ
ウム、マグネシウムイオンの所定量除去を洗い給水のみ
を対象にした点、(2)洗いに許されるイオン除去性能
(漏洩イオン濃度)を洗剤の洗浄力にあわせ従来の軟水
化装置より低めに設定した点、(3)毎洗濯毎に塩水再
生を行う点で、必要イオン交換樹脂量を最小限度に抑え
ている。このためイオン除去装置を小型安価にでき、こ
れを洗濯機に搭載することが可能となった。また少量で
あるため流路への樹脂挿入による圧力損失を低減でき、
流量10〜15L/分以上と言う大流量でも必要性能を
維持して、給水時間の増加を防止している。
【0049】また再生処理については、円筒容器A28
を簡便に着脱できる構造としたため、使用者は容易にこ
れを取り外すことができる。またどの家庭にもある安価
な塩を使い、コップ等に塩水を予め用意して取り外した
容器をこれで洗うと言う簡単な操作でイオン交換樹脂を
再生できるため、洗濯機内に塩が残留して、錆を生ずる
こともなく、再生コストはほとんどかからない。また吸
着したカルシウム、マグネシウムイオンが次回の洗い給
水時に洗濯槽内に放出されることはない。さらにこのイ
オン除去手段の使用により洗剤量を25%削減すれば、
塩水再生にかかる費用を差し引いて年間2000円程度
の洗濯費用コストが削減できる。(塩100円/kg、
洗剤400円/kgとして計算) なお本実施例では水道水からイオン除去手段でカルシウ
ム、マグネシウムイオン除去する動作を説明したがこれ
に限ることはない。例えば風呂水吸水ポンプ35で自吸
した風呂水からイオン除去手段26でカルシウム、マグ
ネシウムイオンを除去してもよい。例えば円筒容器B2
7にもう一つの入水口を設け、この入水口に風呂水吸水
ポンプ35の吐出口35cからの配管を接続する。そし
て風呂水からカルシウム、マグネシウムイオンを除去し
て洗濯槽に給水とき風呂水ポンプ35を駆動すればよ
い。このように円筒容器Bに二つの入水口を設ければ、
水道水と風呂水双方を同時に給水しながら、これらから
カルシウム、マグネシウムイオンを除去できる。
【0050】以上洗濯給水動作を中心に本願のイオン除
去手段26の詳細を説明した。
【0051】図10は本発明の他のイオン除去手段を示
す図である。(a)は全体斜視図、(b)は縦断面図で
ある。図10で図5と同一符号は同一物を示す。本実施
例は図5の蓋29と円筒容器A28を夫々の回転中心で
連結部材40を用いて連結固定し、蓋29のネジを回し
て開き、持ち上げることで同時に円筒容器A28を取り
出せる構造にしたものである。図11に円筒容器B27
から円筒容器A28を取り出した状態の詳細斜視図を示
す。図12に、図10実施例での使用者の再生操作を示
す。イオン交換樹脂30を再生する場合には、家庭内に
ある透明コップ41に塩水42を満たした後、蓋29を
手に持ち円筒容器A28を塩水中で上下に数十秒間揺動
させる。その後コップ41から円筒容器A28を取り出
し、洗濯機に固定される円筒容器B27に挿入し、蓋2
9のネジを回して、収納する。再生に使用した塩水は洗
面所等に捨てる。
【0052】本実施例によれば使用者は蓋29を持って
再生操作を行えるため、手を汚さずに再生操作を簡便に
行うことができる。なお本実施例では入水口を円筒容器
Bの上部、吐出口を下部に設け、水道水が円筒容器Bの
上から下に流れる構造であるが、これに限ることはな
く、例えば入水口と吐出口の上下関係を逆にし、水道水
が下から上に流れる構造でも良いのはあきらかである。
【0053】図13に前実施例のための塩水再生専用容
器を示す。43が塩水再生専用容器であり、これは円筒
容器B27と同様先端円周にオスネジをきった同寸法の
透明ケースで作成される。もちろん入水口27a、吐出
口27bは削除してある。塩水再生専用容器43には再
生に必要な塩の量を示すマーク44と水道水の量を示す
マーク45が表示されている。使用者はマーク44の所
まで塩を投入し、続いてマーク45の所まで水道水を注
ぐ。そして円筒容器B27から取り外した円筒容器A2
8を専用容器43に挿入し、ネジを回して蓋29を専用
容器43に固定する。次に使用者は専用容器43を手に
して、矢印のようにこれを数十秒間シェイクする。塩は
水道水に溶解して塩水となり、この塩水が円筒容器A2
8内のイオン交換樹脂30を通過してこれを再生する。
その後蓋29を回して専用容器43から円筒容器A28
を取り出す。そして再び洗濯機に固定される円筒容器B
27に挿入し、蓋29のネジを回して収納固定する。再
生に使用した塩水は洗面所等に捨てる。
【0054】本実施例によれば使用者は再生に必要な塩
の量、水道水量を簡便適切に設定でき、手を汚さずに再
生操作をより簡便に行うことができる。
【0055】図14は本発明の他のイオン除去手段を示
す図である。(a)は全体斜視図、(b)は縦断面図で
ある。図14で図5と同一符号は同一物を示す。本実施
例は図5の円筒容器A28、円筒容器B27を直方体と
したものである。直方体容器B46には入水口27a、
吐出口27bが設けれれている。また上面周囲には凹部
46aが切ってある。直方体容器A47にはメッシュフ
ィルタ28aで挟まれたイオン交換樹脂30が充填して
ある。蓋48も直方体であり内壁周囲に凸部48aがあ
り、底面周囲にガスケット48bを備える。蓋48はそ
の凸部48aを直方体容器47の凹部46aに嵌めるこ
とで固定される。このときガスケット48bは直方体容
器46上部端面に接触して水漏れを防ぐ。同一空間を占
める場合、円筒よりも直方体である方が効率良く空間を
充填できる。つまり前実施例と同じ空間にイオン除去手
段を設計する場合、入水口、吐出口寸法が同じとすれ
ば、内臓する直方体容器Aの容積は前実施例の円筒容器
Aの容積より大にすることができる。つまりイオン交換
樹脂量を増加することが可能となる。このため本実施例
ではイオン除去して供給できる水量を増やすことができ
る。他の動作等は前実施例と同様なため説明を省く。
【0056】図15は本実施例のイオン除去手段を洗濯
機に搭載する場合の、洗濯用水の給水に関わる後部収納
箱の通水配管の他の一実施例の平面断面図である。本実
施例では洗い給水時以外つまりすすぎ工程の給水では、
イオン除去手段をバイパスして洗濯槽に給水する給水経
路を設けている。後部収納箱16bには水道栓等からの
ホースが接続される水道栓口24に接続される二つの給
水電磁弁A60およびB61を備える。給水電磁弁A6
0を通過した水道水は部屋37に導かれる。一方給水電
磁弁B61を通過した水道水はイオン除去手段26の入
水口27aに導かれ、ここでカルシウム、マグネシウム
イオンを除去され吐出口27bから部屋37に流出す
る。部屋37からの水は傾斜流路36を流下し洗濯槽5
内に供給される。
【0057】図16は操作パネル18aの他の実施例を
示す。軟水化処理を示す軟水化中表示23の他に、イオ
ン交換樹脂の再生処理が必要なことを示す再生必要表示
63、軟水化給水を指示する軟水洗い操作ボタン64を
新たに設けている。
【0058】図17に他実施例の洗濯機制御部のブロッ
ク図を示す。図6と同一符号は同一物を示す。65は発
光ダイオードで点灯して再生必要表示63を行う。66
は電気的書き込みが可能な不揮発性メモリであるEEP
ROM、67は磁界強度によりその抵抗値が変化する磁
気抵抗素子である。
【0059】図18にイオン除去手段26の他実施例を
示す。図11(b)と同一符号は同一物を示す。これは
図10に示すイオン除去手段26に円筒容器A28の着
脱を検出する機能を持たせたものである。68は円筒容
器A28内に設けられた磁石である。磁気抵抗素子67
は、蓋29が円筒容器B27にネジで固定された状態で
円筒容器A内の磁石68近傍で対向するように円筒容器
B27の外壁に設ける。磁気抵抗素子の出力はマイクロ
コンピュータ50の入力ポートに接続される。マイクロ
コンピュータ50は、磁気抵抗素子出力の変化つまり磁
石68の磁気抵抗素子への近接により、使用者が円筒容
器A28を円筒容器B27から着脱したことを知る。
【0060】以下図15から図18をもとに本発明の他
実施例を説明する。
【0061】使用者は洗濯機を使い始めるにあたり、市
販の硬度指示薬等を用いて、使用する水道水の概略硬度
値を確認して、この硬度値をEEPROM66に記憶さ
せる。これは操作ボタン21を使い、例えば予約操作ボ
タンとコース選択操作ボタンを同時に押すことでマイク
ロコンピュータ50を硬度値入力モードとし洗剤量/水
量設定操作ボタンを押した回数で行う。例えば1回であ
れば20ppm以下、2回であれば20〜40ppm等
とすれば良い。このような操作は販売店員等がお客に洗
濯機を届け、設置する時に行うのが望ましい。これでE
EPROM66に使用する水道水の硬度値が記憶され
る。なおEEPROM66にはイオン除去手段の性能つ
まり入力原水の硬度成分の何割を除去できるかの性能を
記憶して出荷する。
【0062】使用者が被洗濯物を洗濯槽5に入れ、電源
スイッチ19を押し、軟水洗いボタン64を押すと、マ
イクロコンピュータ50は給水電磁弁B61を開とす
る。水道水は水道栓口24から給水電磁弁B61を通過
してイオン除去手段26に流入する。流入した水道水は
円筒容器A28にメッシュフィルタ28aで挟まれて充
填されるナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂30の間
を通過して、硬度成分であるカルシウム、マグネシウム
イオンを除去され軟水となって流れ出し、部屋A37を
介して傾斜流路36に流出する。そして傾斜流路36で
整流され、洗濯槽5内に流下する。この洗濯給水中には
発光ダイオード59を点灯して、軟水化表示23で軟水
化中の表示が行われる。
【0063】水位センサ11で必要な洗濯用水が洗濯槽
5内に給水されたこと知ったマイクロコンピュータ50
は、給水電磁弁B61を閉じて、給水を停止させる。そ
して回転翼6を正逆回転させて、洗濯を開始する。
【0064】洗い給水が終了した時点でマイクロコンピ
ュータ50は水位センサ11の情報からイオン交換手段
26を通過した水道水量を演算して、先の水道水硬度値
と除去能力から、イオン交換樹脂30が吸着したカルシ
ウム、マグネシウムイオンの量を演算してEEPROM
66に記憶する。
【0065】洗いを所定時間行った後、マイクロコンピ
ュータ50は続いて、給水電磁弁A60を開いて、すす
ぎのため洗濯槽5への給水を開始する。水道水は水道栓
口24から給水電磁弁A60を通過して、そのまま部屋
A37を介して傾斜流路36に流出する。そして傾斜流
路36で整流され、洗濯槽5内に流下する。このすすぎ
給水中には発光ダイオード59を点灯させない。水位セ
ンサ11ですすぎ給水量が所定の値に達したら、マイク
ロコンピュータ50は給水電磁弁A60を閉じて、給水
を停止させる。そして回転翼6を正逆回転させて、すす
ぎを開始する。この後、排水装置13の排水電磁弁を開
きすすぎ水を排水した後、クラッチ装置10のクラッチ
ソレノイド10aを制御して洗濯槽5を高速回転させ脱
水を行う。
【0066】このようにすすぎ給水ではイオン除去手段
26を用いた軟水化処理を行わない。これはすすぎ用水
に軟水化が必要ないためである。このため、前実施例の
ようにすすぎ水まで軟水処理を行う場合に比べ、イオン
交換樹脂30の除去能力を次回洗濯まで延命することが
できる。さらに1回に使用する洗濯水量が少なく、水道
水(原水)の硬度が小さい場合には、イオン交換樹脂3
0の吸着するカルシウム、マグネシウムイオン量が少な
いため、6回つまり1週間程度の洗濯後にイオン交換樹
脂の再生処理をすれば良いことになる。
【0067】毎回の軟水洗い(洗濯)でマイクロコンピ
ュータ50はイオン交換樹脂30が吸着したカルシウ
ム、マグネシウムイオン量をEEPROM66に積算し
て記憶してゆく。そしてこの値が内臓しているイオン交
換樹脂30が吸着可能な限界値を超えた時、ダイオード
65を点灯して、再生必要表示63でこれを使用者に知
らせる。
【0068】使用者はこの点灯でイオン交換樹脂30の
再生処理が必要なことを知る。使用者は前実施例で説明
したように蓋29のネジを回して、円筒容器A28を円
筒容器B27から取り出し、これをコップ等の塩水中で
揺動して再生する。マイクロコンピュータ50は、この
この使用者の円筒容器A28取り出しを磁気抵抗素子6
7の出力で知る。そして再び使用者が再生処理を終え
て、円筒容器A28を円筒容器B27に収納したことも
この磁気抵抗素子67の出力で知る。そして再生必要表
示63を消去するとともに、EEPROM66に積算記
憶している吸着カルシウム、マグネシウムイオン量をリ
セットする。
【0069】以上本実施例によれば、洗い給水時のみイ
オン除去手段を通して洗濯層5に給水するため、毎洗濯
ごとのイオン交換樹脂の塩水再生が不要となる。またイ
オン交換樹脂の再生が必要になればこれを表示するた
め、使用者はこれに従い塩水再生をすれば良く、使用者
の利便性を向上させることができる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、洗濯用水に含まれる陽
イオンを毎分10L以上の流水を確保しながら除去する
イオン除去手段をコンパクトに備えた洗濯機を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による全自動洗濯機の概観斜視図であ
る。
【図2】本発明による全自動洗濯機の縦断面図である。
【図3】本発明による全自動洗濯機の操作パネル図であ
る。
【図4】本発明による後部収納箱内部の平面図である。
【図5】本発明によるイオン除去手段の斜視図と縦断面
図である。
【図6】本発明による全自動洗濯機の電気接続ブロック
図である。
【図7】硬度と洗浄率の関係を示す図である。
【図8】流量と漏洩カルシウム濃度の関係を示す図であ
る。
【図9】積算流量と漏洩カルシウム濃度の関係を示す図
である。
【図10】本発明による他のイオン除去手段の斜視図と
縦断面図
【図11】蓋および円筒容器Aの詳細斜視図である。
【図12】塩水による再生処理を示す図である。
【図13】再生専用容器の斜視図である。
【図14】本発明による他のイオン除去手段の斜視図と
縦断面図である。
【図15】本発明による全自動洗濯機の他の後部収納箱
内部の平面図である。
【図16】本発明による全自動洗濯機の他の操作パネル
図である。
【図17】本発明による全自動洗濯機の他の電気接続ブ
ロック図である。
【図18】本発明による他のイオン除去手段の縦断面図
である。
【符号の説明】
5…洗濯兼脱水槽、16b…後部収納箱、23…軟水化
表示、24…水道栓口、25…給水電磁弁、26…イオ
ン除去手段、27…円筒容器B、27a…入水口、27
b…吐出口、27c…引っ掛かり、27d…オスネジ、
28…円筒容器A、28a…メッシュフィルタ、28b
…取っ手、29…蓋、29a…メスネジ、29b…ガス
ケット、30…イオン交換樹脂、31…上部空間、32
…下部空間、40…連結部材、41…コップ、42…塩
水、43…塩水再生専用容器、44…塩マーク、45…
水マーク、46…直方体容器B、46a…凹部、47…
直方体容器A、48…蓋、48a…凹部、48b…ガス
ケット、50…マイクロコンピュータ、60…給水電磁
弁A、61…給水電磁弁B、63…再生必要表示、64
…軟水洗い操作ボタン、65…発光ダイオード、66…
EEPROM、67…磁気抵抗素子、68…磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿森 保 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内 (72)発明者 大杉 寛 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内 (72)発明者 小山 高見 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内 (72)発明者 宮尾 明 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給水
    する給水経路途中に、イオン交換樹脂を収めた着脱可能
    な容器を収納するイオン除去手段とを備えたことを特徴
    とする洗濯機。
  2. 【請求項2】洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給水
    する給水経路途中に、イオン交換能を持つ素材を有する
    着脱可能な容器を収納するイオン除去手段とを備えたこ
    とを特徴とする洗濯機。
  3. 【請求項3】洗濯容量5kgから9kgの洗濯機であっ
    て、洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給水する給水
    手段と、前記給水経路途中に、容積150mL以上30
    0mL以下のイオン交換樹脂を収めた着脱可能な容器を
    収納するイオン除去手段とを備えたことを特徴とする洗
    濯機。
  4. 【請求項4】洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給水
    する給水経路途中に、容積150mL以上300mL以
    下のイオン交換樹脂を収めた着脱可能な容器を収納する
    イオン除去手段を設け、前記イオン交換樹脂を通して毎
    分10L以上で前記洗濯槽に給水することを特徴とする
    洗濯機。
  5. 【請求項5】洗濯を行う洗濯槽と、水道栓等に接続され
    洗濯用水を取り込む取水口と、この取水口から洗濯槽内
    に給水する給水経路途中に、前記取水口から配管長10
    0mm以内に、イオン交換樹脂を収めた着脱可能な容器
    を収納するイオン除去手段を設けたことを特徴とする洗
    濯機。
  6. 【請求項6】洗濯を行う洗濯槽と、それを収納する外枠
    と、外枠上面に設置され、操作パネルを有する前部操作
    箱と洗濯用水を取り込む取水口および給水手段を有する
    後部収納箱と洗濯物を投入する投入口からなるトップカ
    バーとを備えた洗濯機であって、前記洗濯機後面のトッ
    プカバー内にイオン交換樹脂を収めた着脱可能な容器を
    収納するイオン除去手段を備えたことを特徴とする洗濯
    機。
  7. 【請求項7】洗濯機の給水経路途中に、イオン交換樹脂
    を収めた容器が着脱可能に収納されたイオン除去手段を
    設け、前記容器を前記イオン除去手段から取り外し、こ
    れを塩水に浸し、揺動して再生することを特徴とする洗
    濯機におけるイオン交換樹脂再生方法。
  8. 【請求項8】洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給水
    する給水経路途中に、イオン交換樹脂を収めた着脱可能
    な容器を収納するイオン除去手段とを備えた洗濯機であ
    って、前記イオン交換樹脂を通した給水時に、これを報
    知する報知手段を備えたことたことを特徴とする洗濯
    機。
  9. 【請求項9】洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給水
    する給水経路途中に、イオン交換樹脂を収めた着脱可能
    な容器を収納するイオン除去手段とを備えた洗濯機であ
    って、前記イオン除去手段が、入水口と吐出口を持ち上
    部が開口する容器Bと、前記容器Bの開口部を塞ぐ蓋
    と、前記容器B内の入水口と吐出口の間に着脱可能に収
    納され前記入水口および吐出口側にメッシュフィルタを
    有する容器Aとを備え、容器A内にイオン交換樹脂を収
    めたことを特徴とする洗濯機。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記容器Bと前記蓋
    とをネジで締結することを特徴とする洗濯機。
  11. 【請求項11】洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給
    水する給水経路途中にイオン交換樹脂を収めた着脱可能
    な容器を収納するイオン除去手段と、このイオン除去手
    段をバイパスして前記洗濯槽に給水するバイパス通路
    と、前記イオン除去手段と前記バイパス通路への水位水
    を切り替える通水切替手段と、前記イオン除去手段への
    通水を指示する操作ボタンとを設け、前記操作ボタンで
    前記通水切替手段を制御することを特徴とする洗濯機。
  12. 【請求項12】洗濯を行う洗濯槽と、この洗濯槽内に給
    水する給水経路途中に、イオン交換樹脂を収めた着脱可
    能な容器を収納するイオン除去手段と、前記イオン交換
    樹脂の再生時期を判定する再生時期判定手段とを設け、
    前記イオン交換樹脂の再生時期を報知することを特徴と
    する洗濯機。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記容器の着脱を
    検出する着脱検出手段を設け、前記着脱検出手段出力で
    前記再生時期判定手段をリセットすることを特徴とする
    洗濯機。
  14. 【請求項14】容積150mL以上300mL以下のイ
    オン交換樹脂とメッシュフィルタを備えたことを特徴と
    する容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100525334B1 (ko) * 1998-06-01 2005-11-02 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 세탁기용 양이온 제거 장치 및 이를 사용한 세탁기와 그 제어방법
JP2010194026A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Panasonic Corp 洗濯機

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