JP3817358B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯に用いる水から硬度成分を除去する機能を備えた洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機で洗濯に使用される洗濯用水は、水道水等に代表される水源からホース等で洗濯機に供給され、使用者の操作で洗濯機内の洗濯槽に給水されて、衣類の洗濯に用いられている。
【0003】
しかし、例えば、水道水中には雑菌の殺菌を目的とした次亜塩素酸イオン等の陰イオン、水道源水に含まれる硬度成分としてのカルシウム、マグネシウム、あるいは水道源水に含まれる又は水道水供給配管系統から溶け出す銅、鉄、クロム等の陽イオンが含まれており、これら金属イオンは、使用洗剤の洗浄力に種々の悪影響を与える。
【0004】
洗剤の洗浄力に大きな影響を及ぼすのは、硬度成分としてのカルシウム、マグネシウムイオンという2価の陽イオンである。これらは、洗剤中の界面活性剤と反応して不溶性の金属せっけんを生成し、洗浄に寄与する界面活性剤量を減少させて洗浄力を低下させる。また、先の金属せっけんは、不溶性であり、被洗濯物に残留して特に黒色衣類では白い斑点となって見える。さらに、金属せっけんが洗濯槽の外壁等に付着堆積した場合には、そこにカビ等が繁殖する場合もある。
【0005】
従来の洗剤の中には、前述の硬度成分の悪影響を防止するためリン酸塩が混入されている。しかし、琵琶湖汚染問題として知られるように、リン酸塩の社会環境に及ぼす影響が取り上げられている。このため、従来の洗剤に含まれているビルダーとして用いられてきたリン酸塩にかわる代替ビルダーの研究が進み、この中でリン酸塩代替ビルダーとして合成ゼオライトが注目され、多くの市販洗剤に用いられている。洗濯用水にカルシウムイオン及びマグネシウムイオンが含まれていた場合、これに人工ゼオライト混入洗剤を投入すると、ゼオライトは確かに洗濯用水からこれらイオンを除去するが、それと同時に、これらイオンは洗剤の界面活性剤を金属せっけん化する。このため、ゼオライト混入の効果は、薄められることになる。本来ならば、洗濯用水からこれらイオンを除去した後、この用水に洗剤を溶かして洗濯に用いる方が好ましい。さらに、ビルダーとしてこの人工ゼオライトを洗剤に多量に混入すると、洗濯後の衣類にゼオライト粒子が付着して仕上がりを悪化させる問題もある。
【0006】
そこで、これら金属イオンの弊害を除去する洗濯機として、例えば、特開昭57−203495号公報やUSP3,937,042号や特開平4−20395号公報や特開平5−115681号公報に記載されたものがある。
【0007】
上記特開昭57−203495号公報に記載された洗濯機は、すすぎ給水経路中に、陽イオン交換樹脂を設けて、この陽イオン交換樹脂で、金属イオンを除去するものである。この技術では、陽イオン交換樹脂のイオン交換能力が減退してくると、陽イオン交換樹脂を給水経路から取り出して酸で洗浄し、イオン交換能力の再生を図ることにしている。
【0008】
上記USP3,937,042号に記載された洗濯機は、給水経路中に陽イオン交換樹脂槽を設けると共に、この陽イオン交換樹脂槽の上部に食塩水容器を設けたものである。この技術では、陽イオン交換樹脂の能力が減退ししてくると、イオン交換樹脂槽の上に食塩水容器を置き、この中に食塩水を入れて、イオン交換樹脂槽内に食塩水を滴下させて、この食塩水で陽イオン交換樹脂の再生を図ることにしている。
【0009】
上記特開平4−20395号公報に記載された洗濯機は、洗濯槽内に給水する給水経路途中に、活性炭等のイオン除去手段を設けたものである。この技術では、陰イオンを除去するための活性炭の吸着能力の限界にも着目し、イオン除去手段と並列な給水経路を用意し、選択的に用いて寿命延命を図っている。
【0010】
また、上記特開平5−115681号公報に記載された洗濯機は、隔膜を介して対向する電極対間で電圧を印加し、水をここに通して通電処理することにより、金属イオンを除去した陽極側の水を洗濯用水として用いるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭57−203495号公報に記載された技術では、陽イオン交換樹脂のイオン交換能力が低下すると、家庭の主婦等がわざわざ陽イオン交換樹脂を給水経路から取り出して酸で洗浄しなければならない。また、USP3,937,042号に記載された技術でも、陽イオン交換樹脂の能力が低下してくると、家庭の主婦等がわざわざイオン交換樹脂槽の上に食塩水容器を置き、この中に食塩水を入れなければならない。また、特開平4−20395号公報に記載された技術でも、活性炭の吸着能力が低下すると、この活性炭を給水経路から取り出して、新たな活性炭と交換しなければならない。すなわち、以上の従来技術では、いずれも、洗濯機を使用するユーザ自身がイオン交換樹脂や活性炭の能力低下を判断し、しかも、これらの再生処理等において、何らかの作業を行わなければならいという問題点がある。
【0012】
また、特開平5−115681号公報に記載された技術では、洗濯用水の通電処理の速度が一般的に遅く、静止水の状態であっても通電時間として5〜30分程度必要とし、毎分10〜15Lの洗濯用水を通電処理するためには非常に大型の処理装置が必要になる。さらに、感電に対する配慮、水の電気分解で生じる水素ガス等に対する配慮等も必要となる。すなわち、この技術では、装置が大型化すると共に、安全のための附帯設備が設備も必要になり、製造コストが嵩むという問題点がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、あまり製造コストを増加させることなく、しかも、使用者をわずらわせることなく、洗濯用水中の金属イオンを継続的に除去できる洗濯機を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための洗濯機は、
水源からの水を洗濯槽へ導く給水経路中に、陽イオン交換材が充填されている容器が配され、該容器内の該陽イオン交換材に水を接触させることにより、該水に含まれている陽イオンを除去する洗濯機において、
前記陽イオン交換材を再生させるための塩を溜めておく塩収納室と、
前記水源からの水の前記塩収納室内への注水を調節する塩溶解用注水調節手段と、
前記塩収納室内に入った水で塩水になった塩を前記容器内の前記陽イオン交換材へ導く通路と、
前記洗濯槽に対する給排水を制御して、洗い工程及びすすぎ工程を制御すると共に、該すすぎ工程中に前記塩溶解用注水調節手段を駆動させて、前記塩収納室内に水を注水させ、この注水でできた塩水により前記イオン交換樹脂を再生させる制御手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
ここで、前記容器は、
該容器内に設けられた隔壁により、第1室と第2室の上下2室に仕切られ、上の該第1室が前記塩収納室を形成し、下の該第2室に前記陽イオン交換材が収納され、前記隔壁には、前記第1室から前記第2室へ貫通し、前記通路を成す貫通孔が形成され、該貫通孔に該第2室側から該第1室側への流入を防ぐ逆止弁が設けられ、前記容器の前記第2室の底には、塩水排出口が形成されているものであってもよい。
【0016】
この場合、前記容器の前記第2室は、水を通すが前記陽イオン交換材を通さない二つのフィルタで、上空間、中空間、下空間の3空間に上下に仕切られ、前記容器の側周であって前記下空間の位置に、前記水源からの水が入る入水口が形成され、前記容器の側周であって前記上空間の位置に、該容器内の水を前記洗濯槽内へ排出する吐出口が形成され、前記中空間に前記陽イオン交換材が配されていてもよい。
【0017】
前記塩水排出口には、前記制御手段により制御され、前記容器内の塩水の排出を調節する塩水排出調節手段が接続されていてもよい。また、前記塩水排出口には、前記容器内の塩水の排出を排出するための塩水排出チューブが接続され、該塩水排出チューブは、該塩水排出口から前記上空間と前記下空間の境まで上がり、そこから下方へ下がっているものであってもよい。
【0018】
また、以上の各洗濯機において、
前記塩収納室の外壁の少なくとも一部は透明であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、図1〜図10を用いて、本発明に係る洗濯機の基本形態について説明する。
【0020】
この基本形態における洗濯機は、図1及び図2に示すように、全自動洗濯機であり、鋼鈑製の外枠1内に、吊り棒2及びコイルバネや弾性ゴムからなる防振機構3によって、合成樹脂製の外槽4を吊架する構成となっている。外槽4は、4組の吊り棒2及び防振機構3で、外枠1の上部4隅から吊り下げ支持されている。洗濯する水を溜める外槽4内には、ステンレス製の洗濯兼脱水槽5が回転自在に設けられている。洗濯兼脱水槽5には、多数の脱水孔5aが形成され、その中央底部には回転翼6が回転可能に設けられている。洗い及びすすぎ工程時には、洗濯兼脱水槽(以下、単に洗濯槽とする。)5を静止させ、回転翼6を時計方向(正)及び反時計方向(逆)に回転させる。また、脱水工程時には、洗濯槽5を一方向に回転させる。回転翼6及び洗濯兼脱水槽5の回転は、駆動装置により行われる。
【0021】
駆動装置は、電動機7と、この電動機7の回転を回転翼6あるいは洗濯槽5に伝達するためのプーリ8aやベルト8bからなる伝達機構8と、洗い及びすすぎ工程時に回転翼6のみを回転させたり、あるいは脱水工程時に洗濯槽5を回転させたりするクラッチ装置9と、を有して構成されている。この駆動装置は、外槽4の底面に設けられている鋼鈑製支持板10に、固定されている。
【0022】
外槽4には、外槽4内の水圧を水位センサ11に伝達する水位センサチューブ12と、外槽4内の洗濯用水の排水を行う排水装置13と、が設けられている。排水装置13は、排水電磁弁13aと、これを中に収納している排水溜容器13bと、排水ホース16と、有している。排水電磁弁13aは、外槽4の底面の排水孔14の直後に設けられ、その出口は排水溜容器13b内に開口している。排水ホース16は、その入り口が排水溜容器13bに接続され、その出口が外枠1外に露出している。外槽4の側面には、上端が開口する異常溢水パイプ15が設けられ、この下端は、排水溜容器13b内に開口している。異常溢水パイプ15は、給水に異常をきたし外槽4から洗濯用水が溢れ出る場合や、洗濯中の洗濯物の動きで外槽から洗濯用水が飛び出る場合に備えて設けられている。溢れ出た洗濯用水は、異常溢水パイプ15から排水溜容器13b内に流れ込み、排水ホース16で洗濯機外に排出される。
【0023】
外枠1の上部には、トップカバー17が設けられている。このトップカバー17には、洗濯物を投入する投入口17aと、イオン除去手段や水道栓口や給水電磁弁等を収納する後部収納箱17bと、マイコン等の電気部品を収納する前部操作箱17cとが形成されている。投入口17aには、合成樹脂製の蓋18が設けられている。
【0024】
前部操作箱17cの上面には、操作パネル19aが取り付けられており、その下には制御部であるマイコン等を内蔵した制御回路19bが設けられている。また前部操作箱17c内には、外槽4内の水圧を検出することにより、規定水位まで水が溜まったかを判定する水位センサ11が設けてある。操作パネル19aには、図3に示すように、電源スイッチ20、各種表示器21、各種操作ボタン22、ブザー23等が配置されており、使用者が操作ボタン22を操作し、また、洗濯機の動作状態を表示器21やブザー23で確認できるようになっている。さらに、操作パネル19aには、イオン除去処理(軟水化)中を表示する発光ダイオードからなる軟水化表示24と、後述するイオン交換樹脂の再生を催告表示する発光ダイオードからなる塩投入表示25とが配置されている。
【0025】
図4に示すように、後部収納箱17bには、水道栓等からのホースが接続される水道栓口26と、これに接続されている給水電磁弁27と、イオン交換樹脂が入る樹脂容器29と、樹脂容器29内から再生塩水を排出する手動塩水排出バルブ34と、風呂水を吸水する風呂水吸水ポンプ45と、洗濯槽5内に洗濯水を流下させる傾斜流路46と、等が収納されている。傾斜流路46の上流側には、この傾斜流路46に開口する部屋A47、部屋B48が設けられている。
【0026】
図5及び図6に示すように、樹脂容器29は、円筒状を成し、その側周面下部に入水口29aが形成され、その側周面上部に吐出口29bが形成され、その底面に塩水排出口29cが形成されている。樹脂容器29内は、二つのポリエチレン製メッシュフィルタ29d,29dで、下空間29e、中空間29f、上空間29gの3空間に仕切られている。二つのメッシュフィルタ29d,29dは、いずれも入水口29aより上方で吐出口29bより下方に設けられている。中空間29fには、イオン交換能を有する部材であるナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂(以下、単にイオン交換樹脂とする。)31が充填されている。樹脂容器29は、後部収納箱17bの底面に塩水排出口29cが箱底面を貫通するよう固定されている。メッシュフィルタ29dは、水を通過させることができるが、イオン交換樹脂31を通過させることができないメッシュサイズである。樹脂容器29の上部外周には、雌ネジ29hが形成されている。また、樹脂容器29の蓋30の内周には、雌ネジ30aが形成されている。蓋30の天板の内面(下面)には、薄いリング上のガスケット30bが設けられている。蓋30は、樹脂容器29の雄ネジ29hに捻じ込んで、固定される。ガスケット30bは、樹脂容器29の上端面に接触して、容器29内から水が漏出するのを防止する。
【0027】
イオン交換能を有する部材としては、上記イオン交換樹脂31の他、ポリエステル等の繊維にイオン交換樹脂を分散して保持させた素材、あるいはイオン交換能を持つ高分子材料を繊維状にした素材を用いてもよい。
【0028】
樹脂容器29内に、イオン交換樹脂31が収納される中空間29fの他に、下空間29e及び上空間29gを設け、下空間29eに入水口29aを連通させ、上空間29gに吐出口29bを連通させたのは、一部のイオン交換樹脂31のみに水が通過してしまうのを防止して、イオン交換樹脂31の全体に均一に水道水を通過させ、イオン交換効率を高めるためである。水道水は、入水口29aから下部空間29eに入り、ここを完全に満たしてから、その水面が上昇し、中空間29f内のイオン交換樹脂31全体を均等に通過する。水道水は、この中空間29fを通過することで、水道水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオン等がイオン交換樹脂31で除去され、つまり軟水化される。水道水は、中空間29fを通過した後、上空間29gに至り、ここをある程度満たしてから、吐出口29bから流出する。
【0029】
ここで、再び、図4を参照しながら、給水経路について説明する。
【0030】
水道水は、水道栓からのホースで水道栓口26に至り、給水電磁弁27の開閉により樹脂容器29内に導かれ、そこで、上述したように、軟水化されてから、部屋A47及び傾斜流路46を経て、洗濯槽5に給水される。また、風呂等からの水は、風呂水給水口45aに接続されるホースで風呂等から汲み出される。風呂水を給水するためには、まず、水道栓口26からの水道水を給水電磁弁27の開閉で樹脂容器29及び部屋A47に通す。そして、部屋A47に至った水道水を呼び水口45bから風呂水吸水ポンプ45へ呼び水する。その後、ポンプ45を駆動させて、風呂水が風呂水給水口45aから自吸され、吐出口45cから部屋B48及び傾斜流路46を経て、洗濯槽5に給水される。
【0031】
水道栓口26が設置される後部収納箱17bに樹脂容器29を設置するのは、給水配管長を短くできるので、流路損失が少なくなって給水量が多くなり、給水時間を短縮できるからである。給水では、イオン交換樹脂31が充填される樹脂容器29の中空間29fを水道水が通過するので、圧力損失が大きい。この損失を少しでもカバーするため、水道栓口26から樹脂容器29に至る配管長は、100mm以下が望ましい。一般的な洗濯機の洗濯給水流量は、水道水圧力にもよるが、10〜15リットル/分であり、これに近い流量を確保する意味で上述の配慮が必要になる。
【0032】
図6に示すように、樹脂容器29の塩水排出口29cには、チューブ35を介して、手動塩水排出装置34が接続されている。この手動塩水排出装置34は、ボールバルブ34aと、このボールバルブ34aの弁体であるボール34bを回転させるための押しボタン34cと、この押しボタン34cとボール34bとを連結する連結ロッド34dと、を有している。押しボタン34cは、後部収納箱17bの上面に配置され、ボールバルブ34aは押しボタン34cの真下であって後部収納箱17bの裏面に固定されている。ボールバルブ34aの出口には、塩水排出チューブ36が接続される。この塩水排出チューブ36の他端は、上述した異常溢水パイプ15に挿入されている(図2参照)。
【0033】
手動塩水排出装置34は、イオン交換樹脂31の再生時に使用する塩水を排出するものである。イオン交換樹脂31の再生時に樹脂容器29内に残留した塩水を排出する際には、使用者が押しボタン34cを押す。すると、連結ロッド34dがボールバルブ34aのボール34bを回転させ、ボールバルブ34aを開ける。樹脂容器29内の塩水は、塩水排出口29cから、チューブ35、ボールバルブ34a、塩水排出チューブ36、異常溢水パイプ15、排水溜容器13b、排水ホース16を介して洗濯機外に排出される。押しボタン34cは、ロック機構(図示せず)を持ち、一旦押し下げられると、押し下げられた状態で止まり、再度、押し下げられるとロック機構が外れ、バネ34eで戻るようになっている。押しボタン34cを戻せば、ボールバルブ34aが閉じる。
【0034】
ボールバルブ34aの弁体であるボール34bには、磁石37が固定され、ボールバルブ34aの弁箱には、磁界によりその抵抗値が変化する磁気抵抗素子38が固定されている。このため、押しボタン34cが押されてボール34bが回転すると、この回転による磁石37の移動を磁気抵抗効果素子38が検出する。この検出結果は、後述するように、ボールバルブ34aが開状態、言い換えると、塩水排出口29cが開状態であるとして、表示される。これは、使用者が押しボタン34cが押し下げた(ボールバルブ34aが開状態)ままで、次回の洗濯の給水が開始されると、樹脂容器29を通過する水道水の一部が塩水排出口29cから洗濯機外に無駄に捨てられるのを防止するべく、使用者に押しボタン34cの押し上げを催告するためである。
【0035】
図7は、マイクロコンピュータ50を中心に構成される洗濯機制御部のブロック図である。マイクロコンピュータ50は、操作ボタン入力回路51や水位センサ11が接続され、使用者のボタン操作、洗濯槽内の洗濯用水水位の情報信号を受ける。マイクロコンピュータ50からの出力は、双方向性3端子サイリスタ等で構成される複数の駆動回路52,52,…に接続されている。各駆動回路52,52,…は、それぞれ、電動機7、クラッチ装置9のクラッチソレノイド9a、排水電磁弁13a、風呂水ポンプ45、給水電磁弁27、排水装置13の排水電磁弁13a等に商用電源を供給して、これらの駆動を制御する。また、マイクロコンピュータ50は、使用者に洗濯機の動作を知らせるため、ブザー23や表示器21や発光ダイオード54,55などの報知手段にも接続されている。電源回路53は、商用電源を整流平滑してマイクロコンピュータ50に必要な直流電源を作る。発光ダイオード54は、前部操作箱17cに装着され、イオン交換樹脂への通水時に点灯して、軟水化処理中であることを軟水化表示24(図3参照)で使用者に知らせる。また、発光ダイオード55は、前部操作箱17cに装着され、塩投入が必要な時に点灯して、塩投入を塩投入表示25(図3参照)で使用者に知らせる。
【0036】
ここで改めて、水道水からのイオン除去、及びイオン除去した水の給水過程について説明する。
【0037】
使用者が被洗濯物を洗濯槽5に入れ、電源スイッチ19を押し、スタートボタンを操作すると、マイクロコンピュータ50は給水電磁弁27を開状態にする。水道水は、水道栓口26から給水電磁弁27を通過して、入水口29aから樹脂容器29の下空間29eに流入する。流入した水道水は、下空間29eを満たしてから、中空間29fに流入し、そこに充填されているナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂31の間を通過する。そして、上空間29gをある程度満たしてから、吐出口29bから流れ出す。水道水は、イオン交換樹脂31を通過する間に、イオン交換作用で中に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオン等が除去される。樹脂容器29の吐出口29bから流れ出た水道水は、部屋A47を通過した後、傾斜通路46で整流され、洗濯槽5内に流入する。この洗い給水中には、発光ダイオード54が点灯し、軟水化表示24あるいはブザー23を用いてイオン除去中の表示あるいは報知が行われる。
【0038】
以上のように、給水が行われ、洗濯槽5内に必要な洗濯用水が満たされると、水位センサ11がこれを検知して、この検知結果をマイクロコンピュータ50に知らせる。すると、マイクロコンピュータ50は、給水電磁弁27を閉じて、給水を停止させる。そして、マイクロコンピュータ50は、電動機7の駆動回路54に指示を与え、電動機7を駆動させる。この電動機7に伝達機構8を介して接続されている回転翼6は、正逆回転して、洗濯が開始される。洗濯槽5内に給水された洗濯用水は、カルシウムやマグネシウム等の陽イオンを含まないため、投入された洗剤中の界面活性剤と反応して不溶性の金属せっけんを生成したり、洗浄に寄与する界面活性剤量を減少させ洗浄力を低下させることはない。
【0039】
ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂31は、周知のように架橋した3次元の高分子基体に、スルホン酸基のようなイオン交換基を化学結合で結合させた合成樹脂である。カルシウム、マグネシウム等の2価の陽イオンを含んだ水道水が陽イオン交換樹脂間を流れると、陽イオン交換樹脂のイオン交換基であるスルホン酸基等の固定イオンと水道水中の陽イオンとがイオン交換され、結果、水道水中の陽イオンが除去される。
【0040】
ここで、以下の(化1)に、ナトリウム型強酸性イオン交換樹脂とカルシウムイオンとのイオン交換反応式を示し、(化2)に、ナトリウム型強酸性イオン交換樹脂とマグネシウムイオンとのイオン交換反応式を示す。
【0041】
【化1】
Figure 0003817358
【0042】
【化2】
Figure 0003817358
【0043】
ナトリウム型は、SO3 -の陰イオンを固定イオン、Na+の陽イオンを対イオンとする交換樹脂で、イオンの選択性を利用して、水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の多価陽イオンを除去する。イオン選択性は、低濃度、常温下では、強酸性陽イオン交換樹脂の場合、価数の高いイオン程大きく、同一価数では原子番号の大きいもの程大きい。天然水中に含まれるイオンでは、以下の(化3I)に示す順である。
【0044】
【化3】
Figure 0003817358
【0045】
イオン交換樹脂を通過する水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、以上の(化1)及び(化2)の左から右への反応で、樹脂のナトリウムイオンとイオン交換されて除去される。逆に、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを吸着した樹脂に高濃度塩水を流すと、(化1)及び(化2)の右から左への反応で、樹脂に吸着したカルシウム及びマグネシウムイオンがナトリウムイオンとイオン交換されて脱着し、樹脂が元の状態に戻り再生される。
【0046】
研究室等で使用する市販の軟水化装置は、上記のような樹脂2リットル以上を用い、これに天然水等の原水を10リットル/時間程度の微流量で軟水化処理を行っている。前述したように家庭用洗濯機においては、給水時間を短縮するために直接水道栓から10リットル/分以上の流量で洗濯槽に給水している。このため、一般的な市販の軟水化装置では、洗濯以外の時間を利用してバッチ処理したものを一旦貯水槽に溜めた後に、この貯水槽内の軟水を利用せざるを得ない。また、樹脂量2リットルは、比較的大きな容積を占めるため、これを家庭用洗濯機に搭載することは難しい。つまり、家庭用洗濯機では、上述のイオン交換樹脂での水流量、及び使用する樹脂容量の問題を解決する必要がある。
【0047】
過去に実施された水道統計によれば、調査した件数のうち、全硬度40ppm以下の件数が全体の半数であり、100ppmを超える件数が15%もあった。相加平均では54.5ppmである。
【0048】
図8に、ゼオライト入りの市販合成洗剤を使用して、洗剤濃度をパラメータにし、洗濯水の全硬度と洗浄を行った際の洗浄率との関係を示す。例えば、洗剤濃度0.067w%(標準使用量)では、相加平均硬度54.5ppmを半減することで、つまり硬度27ppmにすることで、洗浄率(38%→52%)を約50w%も増加させることが可能である。また、洗剤濃度0.133w%で硬度100ppmのときの洗浄率は、洗剤濃度0.067w%においては、硬度50ppm程度で得られる。つまり、洗剤濃度を標準の2倍にしたときの洗浄率が、硬度を下げることで標準洗剤濃度で得られる。このように硬度成分であるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去することで洗濯機の洗浄力を大きく改善することができる。また、洗剤使用量を削減することができる。このため、洗剤量を必要以上に使用する必要がなく、環境への影響も少なくなる。
【0049】
ゼオライト入り合成洗剤を用いた場合、各洗剤濃度においても、硬度が40ppm以下では、ほぼ洗浄率が飽和する傾向にある。これは、洗剤に含まれるゼオライトが硬度成分を封鎖するためで、ゼオライト入り合成洗剤を洗濯に使用する場合には、この40ppm程度まで硬度成分であるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去できることが望ましいことを示している。一方、天然粉せっけんでは、硬度が低くなっても洗浄率が飽和しないため、できるだけ硬度成分を除去するのが望ましい。
【0050】
イオン交換樹脂31のイオン交換能力は、約2.0meq/mL−R(樹脂1mLあたり2.0当量)と高く、例えば、全硬度100ppmの水道水72L(定格7kg洗い1回に要する水量)に含まれる硬度成分7.2g(CaCO3換算)を交換するには、容積72mLの少ない量で良い。しかし、この容積は、全てのイオン交換基が活性であり、すべてのナトリウムイオンがカルシウムイオン及びマグネシウムイオンと交換される理想的(理論的)な値である。実際には、下記に述べる理由から、先の理論値以上、例えば理論値の3〜4倍の樹脂が必要となる。
【0051】
図9に、樹脂量をパラメータにして、原水流量(原水硬度100ppmを使用)とイオン交換樹脂で除去できなかった漏洩カルシウムイオン濃度との関係を示す。図9から理解できるように、原水流量の増加に比例して、漏洩イオン濃度は増加する。また、樹脂量が少ない程、漏洩イオン濃度が多い。これは、樹脂間を流れるカルシウムイオンがイオン交換基と接触する時間で説明できる。原水流量が大で樹脂量が少なければ、イオン交換反応をせずに単に樹脂間を通過してしまうカルシウムイオンが多くなるためである。従来の軟水化装置の流量(10L/時=0.17L/分)では、ほとんどのカルシウムイオンを交換できるが、洗濯機のような流量(10〜15L/分)では、40ppm(入力の1/3)近くのカルシウムイオンが交換されずに漏洩する(樹脂量260mLの場合)。しかし、前述したように硬度成分が40ppm以下であれば洗浄性能を向上させることができるため、この漏洩量つまり流量でも効果有らしめることが可能である。このときの実験で確認した樹脂量は、260mLで理論値の3〜4倍であった。洗濯容量5〜9kgの洗い1回に要する洗濯用水は約50〜90Lであり、上述から樹脂量は150〜360mLとなる。流水中では、イオン交換樹脂のイオン交換能力は樹脂粒径で変化する。これは粒径が小さければ表面積が増えるため、カルシウムイオンがイオン交換基と接触する確率が増すためである。結果、図9の原水流量に対する漏洩濃度も小さくなる。実験では、平均粒径を2割程度小さくすれば、漏洩濃度も2割程度小さくできた。これを考慮すれば、左記の樹脂量は約100〜300mLとなる。この樹脂量は、家庭用洗濯機に搭載可能な量である。しかし、この樹脂に水道水を通し続ければ、やがて全てのイオン交換基は、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンと交換してしまい、それ以上のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの除去が不可能となる。つまり(化1)及び(化2)の右から左への反応である再生処理が必要となる。
【0052】
図10に、実験で求めた適切な量(260mL)のイオン交換樹脂に、毎分13Lで水道水(入力原水カルシウム濃度100ppm)を流した場合の漏洩カルシウム濃度と積算流量との関係を示す。水道水をまったく新しいイオン交換樹脂に通した場合(初回)、積算流量200Lまでは漏洩濃度を40ppm以下に維持できる。さらに、積算流量が増加すると、つまりカルシウムイオンとイオン交換した樹脂が増えて行くに従い、漏洩カルシウム濃度も増加する。500Lの積算流量で、樹脂はイオン交換能力をほぼ完全に失い、次の洗濯のため再生処理が必要になる。この再生処理は後述する。
【0053】
洗い工程が終了したら、マイクロコンピュータ50は、排水電磁弁13aの駆動回路52に対して指示を与え、排水電磁弁13aを開かせ、洗濯槽5内の洗濯用水を排水させる。マイクロコンピュータ50は、排水終了後、駆動回路52に対して指示を与えて、排水電磁弁13aを閉じらせてから、すすぎ工程に移行する。マイクロコンピュータ50は、まず、給水電磁弁27を開き、前述の洗い給水と同様に洗濯槽5内にすすぎ水を供給する。この時の給水量は先の洗い給水量と同じ程度かそれ以下である。これは、すすぎの方法による。一旦、水を溜めてから、電動機7を駆動させ回転翼6を回転させて、衣類に残留した洗剤を洗い出し、これを希釈する、いわゆるためすすぎでは先の洗い給水とほぼ同水量が必要となる。すすぎの回数については、少なくとも1回あるいは2回である。先の洗い給水での72L、このすすぎでの72L×2回の給水量の合計で224Lである。図10に示すように、初期の樹脂では、ほぼこの水量(224L)まで40ppm以下の硬度を維持できる。しかし,後述する塩水による再生では、一度イオン交換能力一杯までイオン交換したイオン交換樹脂全てを再生することができないため、2回目、3回目の給水では、初期量の1/3程度しか硬度40ppm以下の水量を維持できない。
【0054】
そして、すすぎ水を排水後、脱水工程に移行する。脱水工程では、マイクロコンピュータ50はクラッチ装置9のソレノイド9aを制御して電動機7で洗濯槽5を高速に回転させる。この間、排水電磁弁13aは開かれている。
【0055】
脱水終了後、マイクロコンピュータ50は、使用者にイオン交換樹脂31の再生が必要なことを使用者に知らせるため、発光ダイオード55を点灯させ、塩投入表示25を行う。これを見て、使用者は、イオン交換樹脂31を再生するために、樹脂容器29の蓋30を開けて、所定量の食塩、例えば、スプーン2杯の約30gを樹脂容器29の中空間29f内に投入する。
【0056】
樹脂容器28内のイオン交換樹脂31は、上述の洗いとすすぎのための給水で、多くのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンとイオン交換した状態になっている。また、給水終了時点(給水電磁弁を閉にした時点)で、樹脂容器29内にはイオン交換樹脂31を浸して吐出口29bの下端水位まで水道水が残水している(図5(b)中に破線Aで示す)。樹脂容器29内に投入された食塩は、イオン交換樹脂31上の残水中に入り、ここで溶解して塩水となる。この塩水は、拡散により徐々にイオン交換樹脂31内に浸透してゆく。投入塩量は、後述する塩水による再生効率を考慮して決定し、ここではスプーン2杯の約30gである。また、樹脂容器29内の残水量は、投入塩が全て溶解するように、ここでは100mL前後である。また、樹脂量は、前述したように260mLとしている。
【0057】
これらの値は、
(1)家庭内に必ずある塩を使い、スプーンで計量できる点、
(2)イオン交換樹脂の塩水再生では10%前後濃度がもっとも効率良い点と、
(3)先の樹脂量で少なくとも毎回1槽分(90L)の洗濯用水(洗いのための)を硬度40ppm以下にする必要塩(塩化ナトリウム)量である点
等を勘案して設定している。
【0058】
所定時間、例えば、10分(塩が溶解するに必要十分な時間であればよい)経過後、使用者が押しボタン34cを押し下げると、この塩水は、イオン交換樹脂31間を流下して塩水排出口29cから排出される。以上の過程で、前述した(化1)及び(化2)の右から左への反応が起き、イオン交換樹脂31に吸着しているカルシウムイオン及びマグネシウムイオンとナトリウムイオンとが置換される。これでイオン交換樹脂31は再生され、再びそのイオン交換能力を復活し、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、塩水と共に排出される。
【0059】
マイクロコンピュータ50は、押しボタン34cの押し下げによる磁石37の回転、これによる磁界変動から磁気抵抗素子38の出力が変化することで、イオン交換樹脂の再生処理の終了を把握し、発光ダイオード55を消灯して、塩投入表示25を消す。脱水終了後、所定時間すぎても使用者の塩投入、押しボタン操作がない場合には、表示又はブザー等で、使用者に塩投入、押しボタン操作を催告をする。
【0060】
再生に使った塩水は、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを大量に含むために、洗濯槽5内でなく、塩水排出口29cからチューブ35、ボールバルブ34a、塩水排出チューブ36を介して、異常溢水パイプ15に導かれ、排水装置13から洗濯機外に排出される。
【0061】
図10に示す矢印点は、この時点で食塩29gの投入、10分後の手動排出で前述再生処理を行ったことを示している。その後(2回目以降)の曲線は、初期からの積算流量と漏洩カルシウム濃度を示す。初期に比べれば、2回目以降は、硬度40ppm以下である水量は100L以下で、交換能力がなくなる水量は300L程度である。これは、前述したように、この再生処理ではイオン交換基全てを再生できないからである。この図10に基づいて、初期状態でのイオン交換量を計算すると(図中初回曲線より上の面積から)、カルシウムイオン量は約26g(CaCO3換算)であり、このカルシウムイオンを全て塩水中のナトリウムイオンで交換再生するには、(化1)によれば、ほぼ同量の塩(塩化ナトリウム)30g程度が必要である。しかし、29gの塩投入、再生処理後の2回目で前述同様、イオン交換量を計算する(2回目曲線より上の面積)と約8.5g(CaCO3換算)である。これから、ほぼ全てのイオン交換基を再生するに足る塩29gの投入したとしても、実際にはイオン交換基の1/3(≒8.5/29)しか再生されていないことがわかる。これは、投入した塩の1/3の約10gしか、イオン交換基の再生に寄与できたにすぎないことを示す。投入した塩の量は29gであるが、そのすべてが再生に寄与するにいたらないため、再生効率は約30%つまりイオン交換基の1/3しか再生されていないことがわかる。これは、塩水のイオン交換樹脂内での流下速度が大きく影響しているためである。
【0062】
しかし、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去しなければならないのは洗い給水である。この洗い給水量は、例えば、容量8kg、浴比9L/kgで72Lであり、実際には、上記の塩投入で、この給水量の全てを40ppm以下の硬度で得ることができる。続くすすぎ工程で使用される水の硬度は、40ppmを超過しても洗浄性能への影響はない。すなわち、洗い工程の給水に対してのみ、金属イオンを効果的に除去できればよく、すすぎ工程の給水に対しては金属イオンを効果的に除去できなくてもよい。
【0063】
なお、以上は、原水の硬度100ppmでの話であり、この時の漏洩硬度40ppm維持とは原水に含まれるイオンの2/3を除去することを意味する。したがって、この性能であれば、原水硬度が60ppmであれば、処理後はこれの1/3である20ppm以下に維持できることを示している。
【0064】
押しボタン34cが押し下げられたままで、次回の洗濯の給水が開始されると、樹脂容器29を通過する水道水の一部が、塩水排出口29cから漏れて、異常溢水パイプ15、排出装置13から洗濯機外に無駄に捨てられることになる。これを防止するため、前述したように、マイクロコンピュータ50は、給水中に磁気抵抗素子38の出力でボールバルブ栓34aの開閉状態を監視し、もし押しボタン34cが押されたままであれば、発光ダイオード54を点滅させ、軟水化表示24を点滅させることで、これを使用者に知らせ、再度押しボタン34cを押してロック機構をはずし、バネ34eで押しボタン34cを引き上げさせることを催告することができる。(通常であれば、軟水化表示24が点灯表示されている。)
なお、樹脂容器29及びこの中のイオン交換樹脂31の保守あるいは交換は、樹脂容器29に接続される配管を抜き、これを後部収納箱17bから取り外すことで行う。
【0065】
以上説明のように、この基本形態では、
(1)カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの所定量除去を洗い給水のみに限定した点、
(2)洗いに許されるイオン除去性能を洗剤の洗浄力にあわせ従来の軟水化装置より低めに設定した点、
(3)毎洗濯毎に所定量の塩投入で再生を行う点、
で必要イオン交換樹脂量を最小限度に抑えている。このため、イオン除去装置(樹脂容器29、蓋30等)を小型安価にでき、これを洗濯機に搭載することが可能になる。また、イオン交換樹脂31が少量であるため、給水流路での樹脂による圧力損失を低減でき、流量10〜15L/分以上と言う大流量でも必要性能を維持して、給水時間の増加を防止している。
【0066】
また、再生処理においては、樹脂容器29の蓋30を取り外し、どの家庭にもある安価な塩を、スプーン2杯(約30g)容器内に投入して、押しボタンを押すという簡便な操作としたため、使用者が容易に行うことができる。また、塩は非常に安価なため再生コストはほとんどかからない。逆に、硬度成分のため余計に使用していた洗剤量を削減できるので、一回の洗濯に必要なコストを低減させることができる。また、環境に与える影響も少なくすることができる。
【0067】
再生に使用した塩水は、洗濯槽5内に排出するのではなく、異常溢水パイプ15から洗濯機外に排出するため、塩水が洗濯槽5に流入して錆を生じることはない。また、脱離した高濃度カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが洗濯槽5に流入して、次の洗濯で界面活性剤を金属せっけん化して洗浄力を低下させることもない。
【0068】
なお、以上は、水道栓口26からの水道水に対して処理を行ったものであるが、風呂水に対しても同様に処理を行ってもよい。この場合、樹脂容器29に、もう一つの入水口を設け、この入水口に風呂水吸水ポンプ45の吐出口45cからの配管を接続する。そして、風呂水を風呂水吸水ポンプ45で吸い上げて、これを樹脂容器29に通せばよい。このように、樹脂容器29に二つの入水口を設ければ、水道水と風呂水双方を同時に給水しながら、これらからカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去できる。
【0069】
また、水道栓口26からの水道水に対してカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去し、風呂水に対しては処理を行わず、そのまま給水し、洗濯槽5内でこれらを混合してもよい。例えば、72Lの洗濯槽5の半分については、イオン除去した水道水を用い、残り半分については風呂水を用いる。この場合、洗濯槽内の洗濯用水の硬度は、全て水道水を用いた場合よりも高いが、温度が約30℃の風呂水を使用した場合、混合した水温を上昇させることができる。硬度が多少上昇する分は、この洗濯用水の温度上昇で補うことができる。こうすれば、風呂水による節水とイオン除去による洗浄性能増加をうまく組み合わせることができる。
【0070】
次に、イオン除去系統の他の形態について、図11及び図12を用いて説明する。なお、先に述べた基本形態に同一物に対しては、同一符号を付し、重複した説明を省略する。
【0071】
本形態は、基本形態における手動塩水排出装置34のボールバルブ34aの開閉動作を自動化して、使用者の労力軽減を図ると共に、イオン交換樹脂をカートリッジ化して、この保守交換を容易ならしめたものである。
【0072】
本形態では、図11に示すように、基本形態における押しボタン34cの換わりに塩水排出ソレノイド40を設け、連結ロッド34dを介して、この塩水排出ソレノイド40でボールバルブ34aを開閉動作させるようにしている。なお、塩水排出ソレノイド40と連結ロッド34dとボールバルブ34aとで、塩排出電磁弁39を構成している。また、本形態では、イオン交換樹脂31を充填したカートリッジ容器42を用いている。このカートリッジ容器42は、中空円筒状の容器本体42cと、円筒状の容器本体42cの端面、つまり上面及び下面を塞ぐメッシュフィルタ42a,42aと、容器本体42cから容器本体外に突出している取っ手42bとを有して構成されている。容器本体42cは、その外径が樹脂容器29の内径とほぼ同じ大きさに形成されている。樹脂容器29の内周面で、入水口29aより僅かに上の位置には、内周方向に突出した突起29iが形成されている。カートリッジ容器42は、樹脂容器29のこの突起29iの上に載る形で、樹脂容器29内に収納される。取っ手42bは、カートリッジ容器42を樹脂容器29内に収納して蓋30を閉めた際に、蓋30の内面にほぼ接触する長さに形成されている。このため、樹脂容器29への通水時に、水圧でカートリッジ容器42が浮き上がるのを防ぐことができる。なお、本形態においても、基本形態と同様に、二つのメッシュフィルタ42a,42aにより、樹脂容器29内が三つの空間に仕切られ、中空間となるカートリッジ容器42内にイオン交換樹脂31が充填されている。
【0073】
図12は、本形態の制御部のブロック図である。マイクロコンピュータ50には、塩水排出電磁弁39を駆動させる駆動回路52が接続されている。この駆動回路52に塩水排出電磁弁39が接続され、マイクロコンピュータ50からの指示で、塩水排出電磁弁39の開閉を自動化している。このように、マイクロコンピュータ50が塩水排出電磁弁39の開閉指示を行うので、基本形態のように、外部からの信号で塩排出電磁弁39(ボールバルブ34a)の動作状態をマイクロコンピュータ50が知る必要はない。このため、本形態では、基本形態と異なり、ボールバルブ34aには、磁石37及び磁気抵抗素子38が設けられていない。
【0074】
イオン交換樹脂31を再生するために、先に述べた基本形態同様、脱水終了後、マイクロコンピュータ50は、使用者にイオン交換樹脂31の再生が必要なことを使用者に知らせるため、発光ダイオード55を点灯させ、塩投入表示25を行う。使用者は、これを見て、樹脂容器29の蓋30を開けて、所定量の食塩、例えばスプーン2杯分の約30gの食塩を樹脂容器29の上空間29g内に投入する。すると、残水中に投入された塩は溶解して塩水になる。
【0075】
所定時間,例えば10分(塩が溶解するに必要十分な時間であればよい)経過後、マイクロコンピュータ50は、塩水排水ソレノイド40を制御して、連結ロッド34dを押し下げ、ボールバルブ34aを開く。すると、この塩水はイオン交換樹脂31間を流下して、塩水排出口29cから排出される。これにより、塩水がイオン交換樹脂31内を流れ、(化1)及び(化2)の右から左への反応が起き、イオン交換樹脂31に吸着したカルシウムイオン及びマグネシウムイオンとナトリウムイオンとが置換される。これで、イオン交換樹脂31は再生され再びそのイオン交換能力を復活し、逆に、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、塩水内に抽出される。塩水が排出される時間を経過したら、マイクロコンピュータ50は、塩水排出電磁弁39を制御して、これを閉じる。このように、本形態では、先に述べた基本形態の使用者による塩水排出弁の手動開閉を自動化したものである。
【0076】
水道水には微細な無機あるいは有機物が含まれる。このため、長期間、樹脂容器29に通水すると、内部のメッシュフィルタ42aあるいはイオン交換樹脂31にこれらが堆積して種々の問題を誘発する。例えば、メッシュフィルタ42aの目詰まりのため通水抵抗が増加して、流量を確保できずに給水時間が増加する。あるいはイオン交換樹脂31が有機物汚染され、そのイオン交換能力が劣化する。使用者は、このようなとき、塩投入時と同様、蓋30を開け、取っ手42bを手でつかみ、カートリッジ容器42を取り出す。そして、水洗して目詰まりを取り除いた後、再度収納するか、あるいは新しいカートリッジ容器と交換する。
【0077】
以上、本形態によれば、前述の基本形態と同様、洗いに使う水道水中の硬度成分を除去できるため、洗濯機の洗浄性能を向上させることができる。さらに、イオン交換樹脂31の再生に用いた塩水の排出が自動化されているため、使用者は塩を投入するのみで、ボタン押し操作を省くことができ、より再生操作を簡便に行うことができる。また使用者がボタン押し上げを忘れ、給水の一部を無駄に排出することもない。さらに、イオン交換樹脂がカートリッジ化されているため、これを着脱することで保守点検、交換が容易となる。
【0078】
次に、本発明に係る洗濯機の第1の実施形態について、図12〜図16を用いて説明する。なお、本実施形態において、前述した基本形態と異なる部位は、基本的にイオン除去系統のみであり、その他は基本形態と基本的に同じである。なお、基本形態、さらに先の形態と同一部位については、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0079】
本実施形態は、図13及び図14に示すように、イオン交換樹脂31及びこのイオン交換樹脂31を再生するための食塩を入れる中空円筒状の容器60を備えている。
【0080】
この容器60は、基本形態の樹脂容器29と同様に、円筒状を成し、その側周面下部に入水口29aが形成され、その側周面中部に吐出口29bが形成され、その側周面上部に塩溶解用注水管60hが形成され、その底面に塩水排出口29cが形成されている。また、この容器60の側周面上端には、凸部60jが形成されており、蓋61は、この凸部60jに嵌合するかたちで固定される。この蓋61には、その天面に空気孔61aが形成されている。この容器60は、後部収納箱17bの底面に塩水排出口29cが箱底面を貫通するよう固定される。
【0081】
この容器60内は、吐出口29bより僅かに上の位置も設けられている隔壁60dにより、上下の第1空間及び第2空間に仕切られている。隔壁60dより上の第1空間は、塩収納空間60aを形成し、隔壁60dより下の第2空間は、二つのメッシュフィルタ29d,29dにより、さらに、上空間29g、中空間29f、下空間29eの三つの空間に仕切られている。二つのメッシュフィルタ29d,29dは、いずれも入水口29aより上方で吐出口29bより下方に設けられている。中空間29fには、イオン交換樹脂31が充填されている。隔壁60dには、塩収納空間60aから上空間に貫通する貫通孔60eが形成されている。この貫通孔60eの下、上空間29g側には逆止弁60fが配され、上空間29gが水で満たされている間、貫通孔60eを塞ぎ、上空間29gから塩収納空間60aに水が流れ込むのを防ぐ。また、貫通孔60eの上、塩収納空間60a側には塩粒流出防止フィルタ60gが配され、塩投入空間60aから塩粒が上空間29gに流出するのを防止する。塩溶解用注水管60hは、その吐出口が、塩収納空間60a内の上部に位置し、斜め下方を向いている。この塩収納空間60aは、一週間分の食塩62、約200g(再生1回に必要な塩29gの7回分)を収納できる容積である。塩収納空間60aは、後部収納箱17bの上面より上に位置し、使用者が蓋61を容易に開け閉めできるようになっていると共に、周囲壁面全部あるいは一部が透明になっており、洗濯毎のイオン交換樹脂の再生で消費される食塩62が洗濯機前面から観察できるようになっている。
【0082】
塩水排出口29cには、先に述べた形態と同様に、チューブ35、ボールバルブ34a、塩水排出チューブ36が接続されている。また、ボールバルブ34aには、連結ロッド34dを介して、塩水排出ソレノイド40が設けられている。これら、ボールバルブ34aと連結ロッド34dと塩水排出ソレノイド40とで、塩水排出電磁弁39を構成している。
【0083】
図15に示すように、後部収納箱17bには、前述した容器60の他に、水道栓等からのホースが接続される水道栓口26、これに接続される給水電磁弁27及び注水電磁弁(塩溶解用注水調節手段)63、容器60内の再生塩水を排出する塩水排出電磁弁39、風呂水を給水する風呂水給水ポンプ45、洗濯槽5内に洗濯水を流下させる傾斜流路46等が収納されている。給水電磁弁27の出口には、容器60の入水口29aに接続され、注水電磁弁63の出口には塩溶解用注水管60hに接続される。容器60の吐出口29bは部屋A47に接続される。
【0084】
図16に、本実施形態における洗濯機の制御部のブロック図を示す。本実施形態の制御部は、図12に示した先の形態の制御部に、注水電磁弁63及びその駆動回路52を追加したものである。注水電磁弁63及びその駆動回路52は、マイクロコンピュータ(制御手段)50に接続されている。
【0085】
次に、本実施形態の洗濯機の動作について説明する。
【0086】
まず、洗い及びすすぎのための給水動作を説明する。使用者が電源スイッチを投入して、スタート操作ボタンを押すと洗いのための給水が始まる。マイクロコンピュータ50は、給水電磁弁27を制御して開状態にする。このとき、塩溶解用注水電磁弁63及び塩水排水電磁弁39も閉状態になっている。水道水は、給水電磁弁27を通じて容器60の入水口29aに導かれ、容器60の下空間29eを満たしてから、イオン交換樹脂31が充填されている中空間29fを上昇しながら通過する。水道水は、ここで軟水化、つまりカルシウムイオン及びマグネシウムイオンが除去されて、上空間29gを満たしながら吐出口29bから流出する。そして,部屋A47から傾斜流路46に流下して洗濯槽5に給水される。必要量の水道水が洗濯槽5に溜まり、これを水位センサ11が検知した時点で、マイクロコンピュータ50は、給水電磁弁27を閉状態にして給水を停止する。そして、回転翼6を正逆回転させ洗い工程を行う。洗いに続く1回目のすすぎ工程も同様である。給水中は、容器60の上空間60gは水道水で満たされ、この圧力のため逆止弁60fが貫通孔60eを塞いでいる。このため、給水中に水道水が塩投入空間60aに浸水することはない。給水時以外では、上空間29gは大気に開放されているため逆止弁60fは開いた状態にある。
【0087】
続いて最終の(2回目の)すすぎ給水が開始され、上空間29gが水道水で満たされると(これは所定時間経過したことで判明する)、マイクロコンピュータ50は塩溶解用注水電磁弁63を制御して、塩溶解用注水管60hを介して、容器60の塩収納空間60aに注水が開始される。この注水量は100mL前後の少量とし、塩溶解用注水電磁弁63の開制御時間で調整する。塩溶解用注水管60hの開口部は細いノズル状になっており、ここから水道水が塩収納室60a内の塩62の上部にシャワー状に注水される。所定量、例えば100mL注水する時間が経過したら、マイクロコンピュータ50は塩溶解用注水電磁弁63を制御してこの注水を停止させる。このとき、給水電磁弁27は開かれており、給水が継続している。注水された100mLの水道水は塩62を徐々に溶解し、給水中の間(3〜5分)にはある濃度の塩水となる。この濃度は、注水時間つまり水量と水中に塩が漬積している時間と塩の量で決まる。塩の溶解度は水100mLあたり、35.7gであり、時間をかけ十分攪拌できれば飽和塩水濃度は26w%となる。これ以上の濃度にはならなく過剰な塩は残留する。水道水100mLで十分に塩があり1分程度放置で約23w%の濃度になる。この時の塩水100mL中の塩量は約30gである。これは基本形態での投入塩量とほぼ同量である。
【0088】
所定量のすすぎ給水が終了したら、マイクロコンピュータ50は給水電磁弁27を閉じる。すると、容器60の上空間29g内の水道水は、吐出口29bから僅かに流れ出し、上空間29g内の水位は、吐出口29bの下端(図14中の一点破線Aで示す)の位置になる。このため、逆止弁60fが開き、塩収納空間60a内の塩水は、上空間29g中に流下する。同時に、マイクロコンピュータ50は、塩水排出電磁弁39を制御して、これを開く。この塩水は、上空間29g内の残水上に注がれながら、残水と一緒に、徐々に、中空間29f内のイオン交換樹脂31内を流下して、塩水排出口29cから排出される。これにより、イオン交換樹脂31に関して、(化1)及び(化2)の右から左への反応が起き、今までの給水でイオン交換したカルシウムイオン及びマグネシウムイオンと塩水中のナトリウムイオンとが置換され、イオン交換樹脂31は再生される。イオン交換樹脂31から離脱したカルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、塩水と共に塩水排出口29cから排出される。
【0089】
この再生に使った塩水は、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを大量に含むため、洗濯槽5内でなく、塩水排出口29cからチューブ35、塩水は異排出電磁弁39、塩水排出チューブ36を介して、異常溢水パイプ15に導かれ、排水装置13から洗濯機外に排出される。塩水が排出されるに必要な所定時間経過したら、マイクロコンピュータ50は、塩水排出電磁弁39を制御して、これを閉じる。以上でイオン交換樹脂の再生処理が終了する。
【0090】
この塩水のイオン交換樹脂内の流下速度は、貫通孔60e及び塩水排出口29c等の口径で決められる。また、この流下速度は、3分間で100mL前後が望ましい。このため、本実施形態では、貫通孔60e及び塩水排出口29cの孔径は、直径2mm程度にしている。
【0091】
塩収納空間60a内の食塩62は、再生のたびに、約30gずつ消費され、徐々に減少する。使用者は、塩収納空間60aに残存している食塩量を透明窓から見て、なくなりしだい蓋61を開けて、補充する。
【0092】
なお、容器60及びこの中のイオン交換樹脂31の保守あるいは交換は、基本形態と同様、容器60に接続される配管を抜き、これを後部収納箱17bから取り外すことで行う。
【0093】
以上、本実施形態によれば、基本形態や先の形態と同様、洗濯槽1槽分の洗いに使う水道水中の硬度成分を除去できるため(すすぎに使う水道水中の硬度成分は十分に除去できない)、洗濯機の洗浄性能を向上させることができる。さらにイオン交換樹脂31の再生に用いる塩水は、予め塩収納空間60aに収納しておいた大量の塩(例えば7回分)を用い、毎回自動的に製造され、且つ自動的にイオン交換樹脂31内に流下されるので、すなわち、イオン交換樹脂31の再生処理が完全自動化されているので、基本形態や先の形態のように毎洗濯終了後に塩を投入する必要がなく、使用者の利便性はさらに向上する。また、再生に使用した塩水は洗濯槽5内に排出するのではなく、異常溢水パイプ15から洗濯機外に排出するため、塩水が洗濯槽5に流入して錆を生じることはない。さらに、イオン交換樹脂31から脱離した高濃度カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが洗濯槽5に流入して、次の洗濯で界面活性剤を金属せっけん化して洗浄力を低下させることもない。
【0094】
次に、本発明に係る洗濯機の第2の実施形態について、図17〜図19を用いて説明する。
【0095】
本実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様の動作をするものであるが、部品の一部共有化及び部品の一部削除により、製造コストの削減を図ったものである。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部位については、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0096】
図17に示すように、後部収納箱17bには、第1の実施形態と同様、容器60、水道栓等からのホースが接続される水道栓口26、これに接続される給水電磁弁27及び注水電磁弁63、風呂水を給水する風呂水給水ポンプ45、洗濯槽5内に洗濯水を流下させる傾斜流路46等が収納されている。給水電磁弁27の出口には、容器60の入水口29aに接続され、注水電磁弁63の出口には塩溶解用注水管60hに接続される。容器60の吐出口29bは部屋A47に接続される。本実施形態では、第1の実施形態において、容器60の塩排出口29cに接続されていた塩水排出電磁弁39がなく、この塩排出口29cには、塩排出チューブ64が接続されている。この塩水排出チューブ64の出口は、傾斜流路46に接続されている。傾斜流路46中には、ソフト仕上げ剤を入れておくためのソフナー(仕上げ剤器)100が配されている。このソフナー100には、これを傾けてこの中の仕上げ剤を排出させるソフナーソレノイド102が接続されている。
【0097】
図18に、本実施形態における洗濯機の制御部のブロック図を示す。本実施形態の制御部は、図16に示した第1の実施形態における塩水排出電磁弁39及びその駆動回路52を削除すると共に、注水電磁弁63の駆動回路52に、ソフナーソレノイド102を接続し、この駆動回路52を注水電磁弁63とソフタナーソレノイド102の共有回路にしたものである。
【0098】
容器60の塩水排出口29cに接続されている塩水排出チューブ64は、図19に示すように、イオン交換樹脂31の上面、言い換えると、上側のメッシュフィルタ29dまで一旦持ち上げられた後、容器60の下端の位置まで下げられてから、傾斜流路46内に開口している。
【0099】
入水口29aからの水道水は、そのほとんどが容器60の中空間29f内のイオン交換樹脂31を通過して、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが除去された後、吐出口29bから、部屋A47及び傾斜流路46を経て、洗濯槽5に給水される。また、入水口29aからの水道水の一部は、容器60の塩水排出口29cから塩水排出チューブ64を流れ、傾斜流路46を経て、洗濯槽5に供給される。塩水排出口29cおよび塩水排出チューブ64の内径は、2mm程度である。このため、イオン交換樹脂31を通過する水は13L/分に対し、塩水排出チューブ64からの漏れは0.5L/分以下であり、影響は少ない。
【0100】
次に、本実施形態における洗濯機の動作について説明する。洗い工程、一回目のすすぎ工程での給水は、第1の実施形態と同様である。最終の(二回目の)すすぎ給水が開始されると、マイクロコンピュータ50は、ソフナーソレノイド102を制御して、ソフナー100を傾ける。ソフナー100内のソフト仕上げ剤は、傾斜流路46に流出し、傾斜流路46を流れている給水中の水に混入され、洗濯槽5へ注がれる。このとき、ソフナーソレノイド102と駆動回路52を共用している塩溶解用注水電磁弁63も、ソフナーソレノイド102のONと同時駆動して開かれる。塩溶解用注水電磁弁63が開くと、水道口栓26からの水道水の一部が、塩溶解用注水管60hを通過し、塩収納空間60aに注がれる。ソフナーソレノイド102が駆動する時間は、1秒以下の短時間である。よって、同時に操作される塩溶解用注水電磁弁63が開かれるている時間も同様にわずかである。このため、塩収納空間60aに注がれる水量は、少量であり必要十分ではない。この少量の水は、塩収納空間60a内の一部の食塩を溶かすが、給水電磁弁27が開いている給水中は容器60の上空間29gの水圧により貫通孔60eが逆止弁60fにより閉じられているため、貫通孔60eから食塩水は流出せずに塩収納空間60a内に留まる。
【0101】
水位センサー11で洗濯槽5への所定量のすすぎ給水終了が検知されると、マイクロコンピュータ50は、給水電磁弁27を閉じる。容器60内には、給水終了直後では吐出口29bの下端の位置まで残水するが、この残水は塩水排出口29cに接続される塩水排出チューブ64からゆっくりと傾斜流路46を経て洗濯槽5に排出される。そして、マイクロコンピュータ50は、洗濯槽5内で最終すすぎを行っている間、又は最低でもその最終すすぎ水を排出する前に、イオン交換樹脂31の再生に必要な塩水の量が確保できるまで数回塩溶解用注水電磁弁63を開く。同時に、塩溶解用注水電磁弁63と駆動回路52を共有しているソフナーソレノイド101にも通電され、ソフナー100が傾くが、ソフナー100内が空なので、この動作には基本的に何の意味もない。これにより、塩収納空間60a内に十分に水が注がれ、塩収納空間60a内の食塩62が塩水となる。この塩水は、貫通孔60eから塩粒流出防止フィルタ60gを通り、上部空間60bが大気開放となったことにより開かれた逆止弁60fを通過し、上空間29gに流出する。塩収納空間60aに注水された水の全てが塩水となり流下すると、イオン交換樹脂31が充填さている中空間29f及び下空間29e内、さらに、塩水排出チューブ64の最高点の位置まで塩水に満たされる。塩水排出チューブ64の最高点の位置まで塩水が達して、塩水排出チューブ64の開口部より流出しだすと、サイフォン効果により、中空間29f及び下空間29e内を満たしていた全ての塩水をゆっくりと塩水排出チューブ64の開口部から、最終すすぎ水で満たされている洗濯槽5へと流出する。
【0102】
このとき、イオン交換樹脂31は、(化1)及び(化2)の右から左への反応が起き、今までの給水でイオン交換されたカルシウムイオン及びマグネシウムイオンと塩水中のナトリウムイオンとが置換される。これでイオン交換樹脂31は再生され、再びそのイオン交換能力を復活し次の洗濯給水で利用できるようになる。イオン交換樹脂31から離脱したカルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、塩水と共に洗濯槽5へと流出し、先に給水した大量のすすぎ水(通常、前述したようにためすすぎの場合洗濯容量7kgで72L程度)と攪はん混合されて薄められる。ちなみに濃度23w%の塩水130mL(塩約30g)を72Lの水で希釈すればその濃度は0.04w%であり、生理食塩水0.9w%よりも低い。その後、すすぎのための攪拌が所定時間経過したら、給水電磁弁27を再度開き、容器60内へ水道水を数L流し、容器60の下空間29e及び塩水排出チューブ64に付着しているカルシウム、マグネシウムを大量に含んだ塩水を、塩水排出口29c及び塩水排出チューブ64から、さらに吐出口29bから傾斜流路46を通して、洗濯槽5内に洗い流す。そして、すすぎ終了時、マイクロコンピュータ50は、排水電磁弁13aを開いて、排水ホース16からこの再生処理を終えたカルシウム・マグネシウムを含む塩水の混合したすすぎ水を洗濯機外に排出する。なお、前述したように硬度成分は洗浄性能に影響するがすすぎ性能には影響しない。
【0103】
以上、本実施形態によれば、すすぎ工程中に再生処理を行うことができるため、洗濯工程の1サイクルの時間を延長せずに再生工程を含むイオン除去を行うことができる。また、最終すすぎ給水が終了した後で、且つすすぎ水の排出までの間にイオン交換樹脂再生を行うために、次の洗濯の際にも何ら支障なくイオン除去を行うことができる。また、第1の実施形態における塩水排出電磁弁39及びその駆動回路52がなく、しかも、塩溶解用注水電磁弁63の駆動回路52には、既存のソフナーソレノイド102の駆動回路52を用いているので、部品点数が少なくなり、製造コストを削減することができる。
【0104】
なお、以上の第1及び第2の実施形態において、塩収納室を形成する塩容器と、イオン交換樹脂を収納する樹脂容器とを別体にし、塩容器の底に貫通孔、この貫通孔に逆止弁や塩粒流出防止フィルタを設け、塩容器を樹脂容器の上に接続した状態で使用するようにしてもよい。このようにすることにより、塩容器を外すことで、樹脂容器から容易にイオン交換樹脂を回収することができるようになる。また、この場合、図11を用いて説明した形態と同様に、イオン交換樹脂用のカートリッジ容器を設けるとよい。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、洗濯水中の金属イオンを陽イオン交換材で除去し、この陽イオン交換材の再生を自動化しているので、使用者をわずらわせることなく、洗濯用水中の金属イオンを継続的に除去することができる。また、各洗濯毎のすすぎ工程中に再生処理を行うため、洗濯工程の1サイクルの時間を延長せずに再生工程を含むイオン除去を行うことができる上に、次の洗濯の際にも何ら支障なくイオン除去を行うことができる。さらに、各洗濯毎に陽イオン交換材を再生しているために、陽イオン交換材の量を少なくすることができ、結果としてこれを入れておく容器の小型化を図ることができる。
【0106】
また、洗濯水中の金属イオンを陽イオン交換材で除去し、しかも、この再生に塩を用いているので、特別に安全のための附帯設備は不要になり、製造コストの削減を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基本形態おける全自動洗濯機の概観斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】本発明に係る基本形態における全自動洗濯機の操作パネルの平面図である。
【図4】図1におけるIV−IV線断面図である。
【図5】本発明に係る基本形態における樹脂容器の斜視図である。
【図6】本発明に係る基本形態における樹脂容器及びその附帯部品の縦断面図である。
【図7】本発明に係る基本形態における全自動洗濯機の制御ブロック図である。
【図8】原水硬度と洗浄率との関係を示すグラフである。
【図9】原水流量と漏洩カルシウム濃度との関係を示すグラフである。
【図10】原水の積算流量と漏洩カルシウム濃度との関係を示すグラフである。
【図11】本発明に係る他の形態における樹脂容器及びその附帯部品の縦断面図である。
【図12】本発明に係る他の形態における全自動洗濯機の制御ブロック図である。
【図13】本発明に係る第1の実施形態における容器の斜視図である。
【図14】本発明に係る第1の実施形態における容器及びその附帯部品の縦断面図である。
【図15】本発明に係る第1の実施形態における後部収納箱内部の平面図である。
【図16】本発明に係る第1の実施形態における全自動洗濯機の制御ブロック図である。
【図17】本発明に係る第2の実施形態における後部収納箱内部の平面図である。
【図18】本発明に係る第2の実施形態における全自動洗濯機の制御ブロック図である。
【図19】本発明に係る第2の実施形態における容器及びその附帯部品の縦断面図である。
【符号の説明】
5…洗濯兼脱水槽、15…異常溢水パイプ、17b…後部収納箱、24…軟水化表示、25…塩投入表示、26…水道栓口、27…給水電磁弁、29…樹脂筒容器、29a…入水口、29b…吐出口、29c…塩水排出口、29d…メッシュフィルタ、29e…下空間、29f…中空間、29g…上空間、30,61…蓋、31…陽イオン交換樹脂、34a…ボールバルブ、34c…押しボタン、34d…連結ロッド、36,64…塩水排出チューブ、37…磁石、38…磁気抵抗素子、39…塩水排出電磁弁、40…塩水排出ソレノイド、42…カートリッジ容器、42a…メッシュフィルタ、45…風呂水吸水ポンプ、50…マイクロコンピュータ、54…発光ダイオード、55…発光ダイオード、60…容器、60a…塩収納空間、60d…隔壁、60e…貫通孔、60f…逆止弁、60g…塩粒流出防止フィルタ、60h…塩溶解用注水管、62…食塩、63…塩溶解用注水電磁弁、100…ソフナー、102…ソフナーソレノイド

Claims (6)

  1. 水源からの水を洗濯槽へ導く給水経路中に、陽イオン交換材が充填されている容器が配され、該容器内の該陽イオン交換材に水を接触させることにより、該水に含まれている陽イオンを除去する洗濯機において、
    前記陽イオン交換材を再生させるための塩を溜めておく塩収納室と、
    前記水源からの水の前記塩収納室内への注水を調節する塩溶解用注水調節手段と、
    前記塩収納室内に入った水で塩水になった塩を前記容器内の前記陽イオン交換材へ導く通路と、
    前記洗濯槽に対する給排水を制御して、洗い工程及びすすぎ工程を制御すると共に、該すすぎ工程中に前記塩溶解用注水調節手段を駆動させて、前記塩収納室内に水を注水させ、この注水でできた塩水により前記イオン交換樹脂を再生させる制御手段と、
    を備えていることを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項1に記載の洗濯機において、
    前記容器は、該容器内に設けられた隔壁により、第1室と第2室の上下2室に仕切られ、上の該第1室が前記塩収納室を形成し、下の該第2室に前記陽イオン交換材が収納され、
    前記隔壁には、前記第1室から前記第2室へ貫通し、前記通路を成す貫通孔が形成され、該貫通孔に該第2室側から該第1室側への流入を防ぐ逆止弁が設けられ、
    前記容器の前記第2室の底には、塩水排出口が形成されていることを特徴とする洗濯機。
  3. 請求項2に記載の洗濯機において、
    前記容器の前記第2室は、水を通すが前記陽イオン交換材を通さない二つのフィルタで、上空間、中空間、下空間の3空間に上下に仕切られ、
    前記容器の側周であって前記下空間の位置に、前記水源からの水が入る入水口が形成され、前記容器の側周であって前記上空間の位置に、該容器内の水を前記洗濯槽内へ排出する吐出口が形成され、前記中空間に前記陽イオン交換材が配されていることを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項2及び3のいずれか一項に記載の洗濯機において、
    前記塩水排出口には、前記制御手段により制御され、前記容器内の塩水の排出を調節する塩水排出調節手段が接続されていることを特徴とする洗濯機。
  5. 請求項3に記載の洗濯機において、
    前記塩水排出口には、前記容器内の塩水の排出を排出するための塩水排出チューブが接続され、該塩水排出チューブは、該塩水排出口から前記上空間と前記下空間の境まで上がり、そこから下方へ下がっていることを特徴とする洗濯機。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の洗濯機において、
    前記塩収納室の外壁の少なくとも一部は透明であることを特徴とする洗濯機。
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