JPH10327532A - 昇降同圧自律切替装置付き省電力変圧器の保護回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 省電力変圧器において、突入電流の電圧調整
回路への流れ込みを防止し、サイリスタの破損をなくし
て安全を図る。 【解決手段】 単相三線式又は二線式の単巻コイル型ト
ランスにおいて、入力端子と接続した複数組の主コイル
を単相内鉄形コアに２回路相巻きし、これらの各回路の
主コイルの端部間に、コアに巻いて相互に直列に接続さ
れた複数組の励磁コイルを、複数の組み合わせ結線によ
って接続すると共に、入力端子に接続された電圧センサ
ーの電圧値によって、オン、オフとなる複数組のサイリ
スタを、端部間及び各励磁コイル間に設け、これらの各
組のサイリスタのオン、オフによって端部間及び各励磁
コイル間の一組又は複数組を接続あるいはカットし、入
力電圧に対する出力電圧を無停電で昇圧、同圧、降圧す
る回路に自律的に切替え自在とし、かつ、主コイルの出
力側に時間差回路を設ける構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はトランス等の省電力
装置において、入力電圧がある一定の設定電圧範囲外に
降下もしくは上昇した時でも、その設定電圧範囲内の電
圧が出力電圧とされるように、自律的に調整する機能を
有する省電力変圧器の保護回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人にかかる昇降同圧自律切替装置
付き省電力変圧器（特開平８−１９１５４２号公報参
照）は、図１に示すとおり、単相三線式又は二線式の単
巻コイル型トランスにおいて、入力端子Ｒ、Ｔと接続し
た複数組の主コイルＬ1 、Ｌ2 及びＬ5 、Ｌ6 を単相内
鉄形コア（９）に２回路相巻きし、これらの各回路の主
コイルＬ2 とＬ6 との端部間に、前記コア（９）に巻い
て相互に直列に接続された複数組の励磁コイルＬ3 、Ｌ
7 及びＬ4 、Ｌ8 を、複数の組み合わせ結線によって接
続すると共に、前記入力端子に接続された電圧センサー
の検知した電圧値によって、オン、オフとなる複数組の
サイリスタ（１、２、３、４、５、６、７、８、）を前
記端部間及び各励磁コイル間に設け、これらの各組のサ
イリスタ（１、２、３、４、５、６、７、８）のオン、
オフによって、前記端部間及び各励磁コイル間の一組又
は複数組を接続あるいはカットし、入力電圧に対する出
力電圧を無停電で昇圧、同圧、降圧する回路に自律的に
切替自在とした構成を有していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ような省電力変圧装置においても、受電設備において受
電変圧器に電源を投入すると、進相コンデンサーとの兼
ね合いにより受電変圧器に過渡現象が起こり変圧器容量
の数十倍の突入電流が省電力機器の電圧調整回路に流れ
込み制御回路、サイリスタ等の半導体スイッチが耐容量
を越えて破損することが多かった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで上記課題を解決す
るために、本発明は突入電流が電圧調整回路に流れ込ま
ないように主コイルの出力側に時間差閉回路を設けたも
のである。すなわち、単相三線式又は二線式の単巻コイ
ル型トランスにおいて、入力端子と接続した複数組の主
コイルを単相内鉄形コアに２回路相巻きし、これらの各
回路の主コイルの端部間に、前記コアに巻いて相互に直
列に接続された複数組の励磁コイルを、複数の組み合わ
せ結線によって接続すると共に、前記入力端子に接続さ
れた電圧センサーの電圧値によって、オン、オフとなる
複数組のサイリスタを、前記端部間及び各励磁コイル間
に設け、これらの各組のサイリスタのオン、オフによっ
て前記端部間及び各励磁コイル間の一組又は複数組を接
続あるいはカットし、入力電圧に対する出力電圧を無停
電で昇圧、同圧、降圧する回路に自律的に切替え自在と
した昇降同圧自律切替装置付き省電力変圧器の主コイル
の出力側に時間差閉回路を設けることにより解決され
た。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の省電力変圧器によれば、
入力電圧が設定範囲内の電圧値を外れるような降下や上
昇をすると、これを電圧センサーが検知し、この電圧セ
ンサーからの出力信号を受けたサイリスタによって上記
複数組の励磁コイルの組み合わせが制御され、入力電圧
値の降下率を調整したり、逆に電圧を上昇させたりし
て、常に設定された範囲内の電圧値が出力できる。そし
て、さらに、入力電圧の値が設定範囲内の電圧値と同一
で、電圧の降下または上昇が不必要な場合には、電圧の
降下や上昇をさせず、入力電圧と同じ電圧が出力できる
ようになっている。また、入力電圧が下降していく場合
と上昇していく場合とでは、電圧の降下率と上昇率を切
り替える入力電圧値を異にしてヒステリシスを持たせ、
励磁コイル切り替え時の機械の判断ミスを解消し、か
つ、コイルに負担がかからないようになっている。そし
て、本発明の主たる特徴として、主コイルの出力側に時
間差回路を設けることにより、外部からの突入電流が電
圧調整回路に流れ込むことを防止し、サイリスタの破損
を防止することができる。

【０００６】以下、本発明を図面を引用して説明する。
図１は本発明の省電力変圧器の概略構成回路図であっ
て、この回路図で示すとおり、入力端子Ｒ、Ｔと接続し
た複数の主コイルＬ1 、Ｌ2 及びＬ5 、Ｌ6 を単相内鉄
形コア（９）に２回路相巻きし、これらの各回路の主コ
イルＬ2 とＬ6 との端部間に、前記コア（９）に巻いて
相互に直列に接続された複数組の励磁コイルＬ3 、Ｌ7
及びＬ4 、Ｌ8 を、複数の組み合わせ結線によって接続
する。また、トランスの出力端子ｒを、前記回路の主コ
イルＬ2 と励磁コイルＬ3 との間に、出力端子ｔを主コ
イルＬ6 と励磁コイルＬ7 との間にそれぞれ接続し、零
相の入力端子Ｎと出力端子ｎとを相互に接続する。

【０００７】入力電圧を検知するための電圧センサー
（図示しない）は、基盤（図示しない）の中に組み込ま
れており、一方の端子を前記各主コイルＬ1 、Ｌ5 の入
力端に接続し、他方の端子を各コイル間に設けられた、
それぞれのサイリスタ（１、２、３、４、５、６、７、
８）に接続してあるもので、該サイリスタ（１、２、
３、４、５、６、７、８）は前記電圧センサーの検知し
た電圧値によって送られる出力信号によってオン、オフ
となり、回路における各主コイルＬ1 、Ｌ2 、Ｌ5、Ｌ6
及び各励磁コイルＬ3 、Ｌ4 、Ｌ7 、Ｌ8 の組み合わ
せ方を制御し、出力電圧を自律的に調整するものであ
る。

【０００８】これら各サイリスタ（１、２、３、４、
５、６、７、８）は図１で示すとおり、サイリスタ
（１）が主コイルＬ6 と励磁コイルＬ3 の間に、サイリ
スタ（２）が主コイルＬ2 と励磁コイルＬ7 の間に、サ
イリスタ（３）が主コイルＬ2 と励磁コイルＬ3 の間
に、サイリスタ（４）が主コイルＬ6 と励磁コイルＬ7
の間に、サイリスタ（５）が励磁コイルＬ3 とＬ7 の間
に、サイリスタ（６）が励磁コイルＬ4 とＬ8 の間に、
そして、サイリスタ（７）は主コイルＬ2 と励磁コイル
Ｌ8 の間に、サイリスタ（８）は主コイルＬ6 と励磁コ
イルＬ4 の間にそれぞれ接続されている。

【０００９】以上のように、昇降同圧自律切替装置付き
省電力変圧器は、本願出願人に係る特開平８−１９１５
４２号公報に、入力電圧に対する出力電圧を無停電で昇
圧、同圧、降圧回路に自律的に切替自在の技術内容が詳
しく開示されているが、その概略は、電圧センサーが検
知する入力電圧の値によって、各主コイルの端部間及び
各励磁コイル間に設けられたサイリスタが制御され、任
意に設定した負荷側電圧の最低電圧値を下回らないよう
に、回路が自律的に切り替わるものであって、このよう
な切り替わりを繰り返して、入力電圧が降下時でも上昇
時でも、また、入力電圧の値によらずに、ある一定の設
定電圧範囲内の電圧値が出力できるものである。

【００１０】このような昇降同圧自律切替付き省電力変
圧器において、外部からの突入電流が電圧調整回路に流
れ込まないように、主コイルの出力側に時間差閉回路を
設けることによりサイリスタの破損を防止することがで
きる。そこで、時間差閉回路の具体的実施例を以下に回
路図を用いて説明する。

【００１１】図２は、省電力変圧器の主コイルの出力側
に遅延回路ＤＬ（１０）および電磁接触器ＭＣ（１１）
（電磁開閉器、マグネットスイッチ等）をセットした時
間差閉回路を設けた実施例を示す。省電圧変圧器の電源
投入時に、主コイルと励磁コイルに設けられた電磁接触
器は遮断されており、このような状態で受電トランスに
電源が投入されると主コイルに通電され、スルー状態に
なり、その後遅延回路が作動し、１〜２秒後には主コイ
ル側と励磁側各コイルを接続することにより、受電トラ
ンスの投入時の突入電流を遮断し、省電力変圧器の電圧
調整回路破損がなくなり、安全性が十分に確保できる。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、出力電圧を降下させて
消費電力の減少を図り、節電できることはいうまでもな
く、入力電圧が設定電圧の範囲外に降下もしくは上昇し
ても、自律的に設定範囲内の電圧値が出力されるように
調整されるものであるため、負荷への影響は皆無にな
る。また、本発明は、単に励磁コイルの接続を切り替え
ることによって出力電圧が自律的に調整できるものであ
るため、容易に実施が可能であるという利点がある。そ
して、外部からの突入電流が電圧調整回路に流れるのを
防ぐことにより、サイリスタの破損がなくなり、安全が
十分に確保できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の昇降同圧自律切替装置付き省電力変圧
器の概略構成回路図

【図２】本発明の概略構成回路図。

【符号の説明】

Ｌ1 、Ｌ2 、Ｌ5 、Ｌ6 主コイル Ｌ3 、Ｌ4 、Ｌ7 、Ｌ8 励磁コイル １〜８ サイリスタ ９ 単相内鉄形コア １０ 遅延回路ＤＬ １１ 電磁接触器ＭＣ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｈ０２Ｊ 3/12 Ｈ０２Ｍ 5/12 Ｚ Ｈ０２Ｍ 5/12 Ｈ０１Ｆ 33/00 Ｌ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 単相三線式又は二線式の単巻コイル型ト
   ランスにおいて、入力端子と接続した複数組の主コイル
   を単相内鉄形コアに２回路相巻きし、これらの各回路の
   主コイルの端部間に、前記コアに巻いて相互に直列に接
   続された複数組の励磁コイルを、複数の組合わせ結線に
   よって接続すると共に、前記入力端子に接続された電圧
   センサーの電圧値によって、オン、オフとなる複数組の
   サイリスタを、前記端部間及び各励磁コイル間に設け、
   これらの各組のサイリスタのオン、オフによって前記端
   部間及び各励磁コイル間の一組又は複数組を接続あるい
   はカットし、入力電圧に対する出力電圧を無停電で昇
   圧、同圧、降圧する回路に自律的に切替え自在とした昇
   降同圧自律切替装置付き省電力変圧器の主コイルの出力
   側に時間差閉回路を設けたことを特徴とする昇降同圧自
   律切替装置付き省電力変圧器の保護回路。
2. 【請求項２】 主コイルの出力側に設けた時間差閉回路
   は遅延回路と開閉器とからなる請求項１に記載の昇降同
   圧自律切替装置付き省電力変圧器の保護回路。