JPH1032741A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JPH1032741A
JPH1032741A JP9071106A JP7110697A JPH1032741A JP H1032741 A JPH1032741 A JP H1032741A JP 9071106 A JP9071106 A JP 9071106A JP 7110697 A JP7110697 A JP 7110697A JP H1032741 A JPH1032741 A JP H1032741A
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JP
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image
imaging
optical system
imaging device
optical element
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JP9071106A
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English (en)
Inventor
Takeshi Utagawa
健 歌川
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光像を光電変換する撮像装置に関
し、大きな撮影画面の光電変換を可能とする撮像装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 撮影光学系Zの像空間側に配置され、所
定範囲を通過する光を反射もしくは屈折により偏向し、
像空間を所定範囲と所定範囲以外とに分割する光学素子
1と、光学素子1により複数に分割された像空間ごとに
個別配置され、像空間ごとに分割形成される光像を光電
変換する複数の撮像素子2a,2bと、複数の撮像素子
2a,2bにより光電変換された画像情報を、分割前の
像空間の位置関係に従い並べて合成する画像合成手段3
とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光像を撮像(光電
変換)する撮像装置に関し、特に、光像を複数に区切っ
て個別に撮像する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子カメラやビデオカメラなどで
は、光像を光電変換する撮像装置が搭載されている。こ
の種の撮像装置は、撮影光学系の結像面に、CCD撮像
素子その他の撮像素子の受光面を配置して構成される。
【0003】ところで、このような撮像装置では、撮影
画面と同じ受光面積を有する撮像素子を配置しなければ
ならない。そのため、例えば、銀塩カメラ用の撮影光学
系を使用する撮像装置では、銀塩カメラと同じ撮影画角
を得るために、フィルム判とほぼ同じ受光面積を有する
撮像素子を配置する必要がある。
【0004】このような撮像素子は1.7インチ程度の
大きなチップサイズとなるため、撮像素子を製造する際
の歩留まりが低く、必要数量の確保が困難となる。そこ
で、本出願人は、撮影光学系と撮像素子との間に、光像
を縮小する光学系(以下「縮小光学系」という)を配置
した撮像装置を開発している。このような構成では、撮
影画面の大きさが縮小される分だけ、小さな撮像素子を
使用することができる。
【0005】また、本出願人は、特開昭58−1005
77号公報において、ハーフミラーを介して光像を分解
する撮像装置を開示している。図21は、この種の撮像
装置を示す概略図である。図において、撮影光学系91
の光軸上には、ハーフミラー92が斜めに配置される。
このハーフミラー92は、被写体光を撮影画面の全域に
わたって2方向(透過光と反射光)に分解する。
【0006】分解された透過光および反射光は、それぞ
れの投光方向において個別に結像し、鏡映関係にある2
つの光像を形成する。反射光の結像面の左半分には、撮
像素子95aの受光面が配置され、左半分の光像を光電
変換する。
【0007】一方、透過光の結像面の左半分には、撮像
素子95bの受光面が配置され、左半分の光像を光電変
換する。反射光側で得られた画像情報は、鏡像から元に
戻すために左右を反転した後、透過光側で得られた画像
情報の右半分に挿入され、画面全域にわたる画像情報と
して出力される。
【0008】このような構成により、複数の撮像素子9
5a,95bを用いて、大きな撮影画面を簡易に撮像す
ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、撮影光学系
の結像面に撮像素子を直接配置する撮像装置では、撮影
画面と同じ受光面積を有する撮像素子を配置する必要が
ある。
【0010】そのため、撮影画面が大きくなるに従っ
て、大きなチップサイズの撮像素子を配置しなければな
らず、撮像素子の部品コストが格段に高くなるという問
題点があった。一方、縮小光学系を備えた撮像装置で
は、縮小された撮影画面を小さな撮像素子で撮像するた
め、画像情報の解像度を現状以上に高めることが困難で
あるという問題点があった。
【0011】また、縮小光学系は、撮影光学系と独立し
て色収差その他の諸収差を補正するため、複数枚の光学
レンズを使用して複雑かつ高精度に構成される。そのた
め、撮像装置の構成が大型化し、かつ撮像装置の組み立
て性も低下するという問題点があった。さらに、特開昭
58−100577号公報に記載の装置では、被写体光
を画面全域にわたって2方向に分解するため、撮像素子
95a,95bに到達する光量が半減するという問題点
があった。
【0012】そのため、光電変換時のS/Nが低くな
り、高画質の撮像用途に適さないという問題点があっ
た。そこで、請求項1に記載の発明では、上述の問題点
を解決するために、撮影画面の大型化を容易に実現しつ
つ、光電変換時のS/Nを高めることができる撮像装置
を提供することを目的とする。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1の目
的と併せて、合成後の画像情報に欠損部分が生じない撮
像装置を提供することを目的とする。請求項3に記載の
発明では、請求項2の目的と併せて、分割された像空間
にまたがるボケ形状を確実に撮像することができる撮像
装置を提供することを目的とする。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項3の目
的と併せて、分割撮像された画像情報の境界近辺に生じ
る輝度変化を正確かつ簡便に修正し、合成後の画像情報
の画質を格段に高めることができる撮像装置を提供する
ことを目的とする。請求項5に記載の発明では、請求項
4の目的と併せて、合成後の画像情報の画質をより高め
ることができる撮像装置を提供することを目的とする。
【0015】請求項6に記載の発明では、請求項1の目
的と併せて、撮像素子の取り付け位置の調整などを簡便
に行うことができる撮像装置を提供することを目的とす
る。請求項7に記載の発明では、請求項1の目的と併せ
て、像空間を分割する際に色収差が一切生じない撮像装
置を提供することを目的とする。請求項8に記載の発明
では、請求項7の目的と併せて、像空間分割用の光学素
子を簡便に構成した撮像装置を提供することを目的とす
る。
【0016】請求項9または請求項10に記載の発明で
は、請求項7の目的と併せて、分割後の光路を対称に配
することができる撮像装置を提供することを目的とす
る。請求項11に記載の発明では、請求項7の目的と併
せて、複数の撮像素子を効率的に配置し、撮影画面をさ
らに大型化した撮像装置を提供することを目的とする。
【0017】請求項12または請求項13に記載の発明
では、像空間分割用の光学素子として偏角プリズムを使
用した撮像装置を提供することを目的とする。請求項1
4に記載の発明では、像空間分割用の光学素子として偏
心レンズを使用した撮像装置を提供することを目的とす
る。請求項15に記載の発明では、像空間の分割境界に
生じる回折現象を軽減した撮像装置を提供することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1に記載
の発明を説明する図である。請求項1に記載の発明は、
撮影光学系Zの像空間側に配置され、所定範囲を通過す
る光を反射もしくは屈折により偏向し、像空間を所定範
囲と所定範囲以外とに分割する光学素子1と、光学素子
1により複数に分割された像空間ごとに個別配置され、
像空間ごとに分割形成される光像を光電変換する複数の
撮像素子2a,2bと、複数の撮像素子2a,2bによ
り光電変換された画像情報を、分割前の像空間の位置関
係に従い並べて合成する画像合成手段3とを備えたこと
を特徴とする。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の撮像装置において、撮影光学系Z側から光学素子1を
介して見た複数の撮像素子は、仮想的な撮影画面上に隙
間なく配列されてなることを特徴とする。図2は、請求
項3に記載の発明を説明する図である。請求項3に記載
の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、撮影光
学系Z側から光学素子1を介して見た複数の撮像素子
は、光学素子1を介して瞳分割される「撮影光学系Zの
射出光束群」の到達区域β,β′において、重複配置さ
れてなることを特徴とする。
【0020】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の撮像装置において、画像合成手段3は、瞳分割される
射出光束群の到達区域については、重複配置される撮像
素子の画像情報を対応画素毎に加算して画像情報を求め
ることを特徴とする。請求項5に記載の発明は、請求項
4に記載の撮像装置において、画像合成手段3は、対応
画素の位置ズレを画素の補間処理により補正する画素補
間手段と、画素補間手段により補正された対応画素を加
算して、到達区域の画像情報を合成する画素加算手段と
を備えたことを特徴とする。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の撮像装置において、光学素子1は、撮影光学系Zの光
軸を略中心にして、撮影光学系Zの像空間を対称に分割
することを特徴とする。請求項7に記載の発明は、請求
項1に記載の撮像装置において、光学素子1は、撮影光
学系Zの像空間に配置され、所定範囲の通過光を反射し
て、像空間を部分的に鏡映する反射部材であることを特
徴とする。
【0022】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の撮像装置において、反射部材は、撮影光学系Zの光軸
上の垂線に平行して鏡映面の一辺が配され、かつその鏡
映面が撮影光学系Zの光軸に対して斜設されてなること
を特徴とする。請求項9に記載の発明は、請求項7に記
載の撮像装置において、反射部材は、2つの鏡映面が切
妻屋根状(略L字状)に配され、かつその2つの鏡映面
からなる稜線が、撮影光学系Z側に向けて配置されてな
ることを特徴とする。
【0023】請求項10に記載の発明は、請求項7に記
載の撮像装置において、反射部材は、複数の鏡映面が錐
体の側面に配され、かつその錐体の頂部が、撮影光学系
Z側に向けて配置されてなることを特徴とする。請求項
11に記載の発明は、請求項7に記載の撮像装置におい
て、反射部材は、中央部に光透過部を有し、その中央部
からテーパー状に広がる側面に複数の鏡映面を有し、か
つ中央部が撮影光学系Z側に向けて配置されてなること
を特徴とする。
【0024】請求項12に記載の発明は、請求項1に記
載の撮像装置において、光学素子1は、撮影光学系Zの
像空間に配置され、所定範囲の通過光を屈折して、像空
間を複数に分割するプリズムであることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の撮像装
置において、プリズムは、切妻屋根状に形成された光学
ガラスであり、その光学ガラスの凹面側が撮影光学系Z
に向けて配置されてなることを特徴とする。
【0025】請求項14に記載の発明は、請求項1に記
載の撮像装置において、光学素子1は、撮影光学系Zの
光軸外にレンズ主点を有し、所定範囲の通過光をアオリ
結像して、像空間を複数に分割する偏心レンズであるこ
とを特徴とする。請求項15に記載の発明は、請求項
1,8,11のいずれか1項に記載の撮像装置におい
て、光学素子1には、像空間を分割する境界部分にハー
フミラーが設けられ、その境界部分を通過する光の回折
現象を軽減してなることを特徴とする。
【0026】(作用)請求項1にかかわる撮像装置で
は、撮影光学系Zの像空間側に、光学素子1が配置され
る。この光学素子1は、予め設定された所定範囲(一部
範囲)を通過する光を反射もしくは屈折によって偏向す
ることにより、像空間を複数に(すなわち、所定範囲と
所定範囲以外とに)分割する。
【0027】例えば、図1では、光学素子1の鏡映面
が、所定範囲(図中の破線範囲)の通過光を選択的に反
射して、「撮影光学系Zによる像空間」の左半分を鏡映
する。一方、所定範囲以外を通過した「残りの光」は、
光学素子1の鏡映面に反射されずに、像空間の右半分を
そのまま形成する。このように分割された像空間では、
撮影光学系Zによる光像がそれぞれ部分的に結像する。
複数の撮像素子2a,2bは、これらの光像を個別に撮
像し、画像情報に変換する。
【0028】画像合成手段3は、分割前の像空間の位置
関係に基づいて、個々に撮像された画像情報を再配列し
て合成し、撮影画面の全域にわたる画像情報を得る。請
求項2にかかわる撮像装置では、撮影光学系Z側から光
学素子1を見ると、光学素子1による「撮像素子の逆投
影像」が、残りの撮像素子と共に、仮想的な撮影画面上
に隙間なく配列されて見える。
【0029】したがって、「撮影光学系Zから仮想的な
撮影画面に向かう被写体光」は、光学素子1を介して、
いずれかの撮像素子に必ず到達する。その結果、合成後
の画像情報に欠損部分は生じない。請求項3にかかわる
撮像装置では、図2(a)〜(e)に示されるように、
射出光束の到達位置に応じて、射出瞳に分割が生じる。
【0030】すなわち、図2(a)では、射出光束が、
光学素子1を素通りして、撮像素子2bのγ区域に到達
する。この射出光束については、射出瞳は分割されな
い。図2(b)〜(d)では、射出光束が、光学素子1
に一部反射されて、撮像素子2aのβ区域と、撮像素子
2bのβ′区域に振り分けられる。これらの射出光束に
ついては、射出瞳に分割が生じる。
【0031】図2(e)では、射出光束が、光学素子1
に全て反射されて、撮像素子2aのα区域に到達する。
この射出光束については、射出瞳は分割されない。一般
に、射出瞳の形状は、撮影画面上においてボケ形状とし
て表れる。そのため、図2(f)に示すように、β区域
とβ′区域とには、ボケ形状が分割されて表れる。
【0032】したがって、撮像素子2aをβ区域まで配
置し、撮像素子2bをβ′区域まで配置することによ
り、分割されたボケ形状を確実に撮像することができ
る。請求項4にかかわる撮像装置では、図3(a)〜
(c)に示されるように、射出光束の到達位置に従っ
て、射出瞳の分割比が変化する。
【0033】一般に、光像の明るさは、射出瞳の面積に
比例する。そのため、瞳分割される区域では、射出瞳の
面積変化に応じて、画像情報の輝度パターンが変化す
る。例えば、図4(a)に示すような被写体の輝度パタ
ーンは、光学素子1を介して、図4(b),(c)に示
すような輝度パターンに分割される。図中のα区域およ
びγ区域では、(口径蝕の影響を除いて)射出瞳の面積
は変わらないので、被写体の輝度パターンがそのまま表
れる。
【0034】一方、β区域およびβ′区域では、射出瞳
の面積変化(図中の破線)に応じて輝度パターンが変化
する。ここで、分割された射出瞳E1,E2について面
積の総和を求めると、図3(a)〜(c)に示されるよ
うに、撮影光学系の射出瞳の面積と常に一致する。した
がって、β区域およびβ′区域において、対応画素ごと
に画像情報を加算することにより、被写体本来の輝度パ
ターンを正確に再現することができる。
【0035】なお、β区域(またはβ′区域)の画像情
報を、射出瞳の分割比に応じて、利得補正することによ
り、輝度パターンの変化を打ち消すこともできる。しか
しながら、このような利得補正では、一方の画像情報の
みを使用するためにボケ形状を正確に再現できない。さ
らに、低輝度の画像情報を増幅するため、画像情報のS
/Nが低下してしまう。
【0036】一方、本発明の構成では、複数の画像情報
を加算することにより、非相関なノイズ成分(CCD撮
像素子の暗電流ノイズなど)が的確に低減される。ま
た、複数の撮像素子に分断されたボケ形状を正確に再現
することもできる。請求項5にかかわる撮像装置では、
対応画素の位置ズレを「画素の補間処理」を用いて補正
した後に、画像情報を合成する。したがって、撮像素子
ごとの画像情報を張り合わせた区域に、画像の位置ズレ
が無くなり、画質を一層高めることができる。
【0037】請求項6にかかわる撮像装置では、光学素
子1が、撮影光学系Zの光軸を略中心にして、撮影光学
系Zの像空間を対称に分割する。これらの対称な像空間
に合わせて、複数の撮像素子を対称に配置すればよいの
で、複数の撮像素子を取り付ける際の位置調整などが簡
便になる。また、複数の撮像素子として、同じチップサ
イズの撮像素子を使用することができる。
【0038】請求項7〜11にかかわる撮像装置では、
反射部材を用いて像空間を分割する。請求項12,13
にかかわる撮像装置では、偏角プリズムを用いて像空間
を分割する。請求項14にかかわる撮像装置では、偏心
レンズを用いて像空間を分割する。請求項15にかかわ
る撮像装置には、像空間を分割する境界部分にハーフミ
ラーが設けられる。
【0039】通常、像空間の境界部分では、回折現象に
より光波が回り込む。そのため、光像に干渉パターンが
重畳して、光像の結像品質を落としてしまう。しかしな
がら、請求項15の撮像装置では、境界部分にハーフミ
ラーを設けるので、光波が急激に遮断されず、回折現象
が軽減する。したがって、干渉パターンの発生を効果的
に抑制し、光像の結像品質を高めることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明に
おける実施の形態を説明する。図5は、第1の実施形態
(請求項1〜8に対応する)を示す図である。図6は、
第1の実施形態における反射部材14の構成を示す説明
図である。これらの図において、撮像装置11に撮影光
学系12が取り付けられ、撮影光学系12の光軸上に、
絞り13および反射部材14が順に配置される。
【0041】この反射部材14は、光学ガラスや透明樹
脂などからなる直方体状の透明ブロック14sと、この
透明ブロック14s内部の左半分を斜め向きに横切る鏡
映面14aとから構成される。
【0042】なお、このような反射部材14は、例え
ば、次のように製造される。まず、透明部材14sを
「斜めに分断された形状」に分けて成形し、各面の研磨
加工を行う。その後、一方の断面の半分に鏡映面14a
を形成して、両方の断面を貼り合わせる。このように形
成された反射部材14の反射方向に撮像素子15aが配
置され、透過方向に撮像素子15bが配置される。これ
らの撮像素子15a,15bにはレリーズ制御部11a
が接続される。
【0043】これらの撮像素子15a,15bは次の位
置関係を満足するように配置される。 (1)撮像素子15bの受光面は、撮影光軸上に予め設
定された仮想的な撮影画面上に配置され、受光面の右端
は、撮影画面の右枠に一致する。一方、受光面の左端
は、「開放絞りにおける撮影光学系12の射出瞳が鏡映
面14aに全て隠れる位置」に達する。
【0044】(2)鏡映面14aによる「撮像素子15
aの受光面」の鏡像は、上述の撮影画面上に位置し、そ
の鏡像の左端は、撮影画面の左枠に一致する。一方、そ
の鏡像の右端は、「上述の射出瞳が鏡映面14aに隠れ
ない位置」に達する。このように配置された撮像素子1
5aの出力は、第1記憶部16aを介して画像合成部1
7に接続され、一方の撮像素子15bの出力は、第2記
憶部16bを介して画像合成部17に接続される。
【0045】画像合成部17の出力は、合成画像記憶部
17aを介して出力制御部18に接続され、出力制御部
18の出力は、表示部19および画像出力端子20に接
続される。なお、請求項1〜8に記載の発明と本実施形
態との対応関係については、所定範囲は鏡映面14aに
対応し、光学素子1は反射部材14に対応し、複数の撮
像素子は撮像素子15a,15bに対応し、画像合成手
段3は画像合成部17に対応する。
【0046】図7は、第1の実施形態の動作を示す流れ
図である。以下、これらの図に基づいて、第1の実施形
態の動作を説明する。まず、レリーズ制御部11aが全
押し操作されると(図7S1)、撮像素子15a,15
bにおいて、光電荷の蓄積が開始される(図7S2)。
この状態で、所定の露光時間が経過すると(図7S
3)、撮像素子15a,15bから光電荷が順次に転送
され、第1記憶部16aおよび第2記憶部16bにそれ
ぞれ記憶される(図7S4)。
【0047】ここで、画像合成部17は、図8に示すよ
うな撮像画素の位置ズレδ1,δ2と画素幅Pとを用い
て、 μ1=(P−δ1)・(P−δ2)/(P・P) ・・・(1) μ2=δ1・(P−δ2)/(P・P) ・・・(2) μ3=(P−δ1)・δ2/(P・P) ・・・(3) μ4=δ1・δ2/(P・P) ・・・(4) を予め算出し、画素補間用の重み係数μ1〜4として記
憶している。
【0048】画像合成部17は、これらの重み係数μ1
〜4と、第2記憶部16bに記憶された画素値C(i,
j)とを用いて、 B(i,j)=μ1・C(i,j)+μ2・C(i-1,j)+μ3・C(i,j-1) +μ4・C(i-1,j-1) ・・・(5) を画素ごとに算出し、位置ズレを補正した画素値B(i,
j)を求める(図7S5)。
【0049】次に、画像合成部17は、第1記憶部16
aに記憶された画素値A(i,j)について、左右の反転
を行う(図7S6)。このように前処理された画像情報
に対し、画像合成部17は、以下のような画像合成を施
す。すなわち、重複しない区域(図9中のα区域,γ区
域)の画素を C(i,j)=A(i,j) (ただし、1≦i≦6,1≦j≦4)・・・(6) C(i,j+4)=B(i,j) (ただし、1≦i≦6,3≦j≦6)・・・(7) に従って再配列し、合成画像記憶部17aに記憶する
(図7S7)。
【0050】次に、重複した区域(図9中のβ区域,
β′区域)の画素を C(i,j)=A(i,j)+B(i,j-4) (ただし、1≦i≦6,5≦j≦6) ・・・(8) に従って加算し、合成画像記憶部17aに記憶する(図
7S8)。出力制御部18は、合成画像記憶部17aか
ら合成後の画像情報を読み出し、外部に逐次出力する
(図7S9)。
【0051】以上説明した動作により、第1の実施形態
では、撮影画面を左右に区切って撮像を行うので、撮像
素子15a,15bのチップサイズを小さくすることが
できる。したがって、大型の撮像素子を単体で使用する
必要がなく、撮像素子にかかる部品コストを格段に下げ
ることができる。また、複数の撮像素子15a,15b
を組み合わせて、1つの撮影画面を撮像するので、撮影
画面の解像度を容易に高めることができる。したがっ
て、高精細な画像情報を出力する撮像装置11を容易に
実現することができる。
【0052】さらに、特開昭58−100577号公報
の従来例と比較して、撮像素子15a,15bの受光量
が半減することがないので、光電変換時のS/Nが高く
なり、高画質の画像情報を出力することができる。ま
た、撮影光学系12側から見て、複数の撮像素子15
a,15bが仮想的な撮影画面上に隙間なく配置されて
見えるので、撮影画面の全体を欠損なく、撮像すること
ができる。
【0053】さらに、瞳分割される射出光束群の到達区
域(図5中のβ区域,β′区域)に、撮像素子15a,
15bを重複して配置するので、反射部材14を介して
振り分けられる射出光束を全て撮像できる。したがっ
て、分割後の像空間にまたがって形成されるボケ形状ま
でも逃さず撮像することができる。
【0054】また、瞳分割される射出光束群の到達区域
(図5中のβ区域,β′区域)について、画像情報を対
応画素ごとに加算することにより、分割撮像された画像
情報の境界近辺に生じる輝度変化を正確かつ簡便に修正
することができる。さらに、対応画素の位置ズレを補正
した後に、画像情報の加算を行っているので、合成画像
に位置ズレが生じず、合成後の画像情報の画質を一層高
めることができる。
【0055】また、撮影光学系12の像空間を対称に分
割して鏡映するので、撮像素子15a,15bの撮像画
素は、鏡映面14aを対称面にして対称位置に配置され
る。したがって、撮像素子15a,15bを組み込む際
の位置調整が簡便になる。その上、撮像素子15a,1
5bとしては、同じチップサイズのものを使用すること
ができる。
【0056】さらに、像空間分割用の光学素子として、
反射部材14を使用するので、像空間を分割する際に色
収差が一切生じない。したがって、色収差を補正するた
めの光学系を備える必要がなく、撮像装置11の構成を
単純にすることができる。次に、別の実施形態について
説明する。図10は、第2の実施形態(請求項1〜4,
6,7,9に対応する)を示す図である。
【0057】図11は、第2の実施形態における反射部
材24の構成を示す説明図である。これらの図におい
て、撮像装置21に撮影光学系22が取り付けられ、撮
影光学系22の光軸上に、絞り23および反射部材24
が順に配置される。この反射部材24は、図11に示す
ように、光学ガラスや透明樹脂などからなる透明ブロッ
ク24sと、この透明ブロック24sの下面側に配され
た鏡映面24a,24bとから構成される。
【0058】なお、鏡映面24a,24bは、透明ブロ
ック24sの断面部が全反射条件を満たすならば、鏡面
処理の必要はない。この鏡映面24aの反射方向に撮像
素子25aが配置され、鏡映面24bの反射方向に撮像
素子25bが配置される。これらの撮像素子25a,2
5bにはレリーズ制御部21aおよび転送制御部21b
が接続される。
【0059】これらの撮像素子25a,25bは、次の
位置関係を満足するように配置される。 (1)鏡映面24aによる「撮像素子25aの受光面」
の鏡像は、撮影光軸上に予め設定された仮想の撮影画面
上に位置し、その鏡像の左端は、撮影画面の左枠に一致
する。一方、その鏡像の右端は、「撮影光学系22の射
出瞳が鏡映面24aに隠れない位置」に達する。
【0060】(2)鏡映面24bによる「撮像素子25
bの受光面」の鏡像は、上述の撮影画面上に位置し、そ
の鏡像の右端は、撮影画面の右枠に一致する。一方、そ
の鏡像の左端は、「撮影光学系22の射出瞳が鏡映面2
4bに隠れない位置」に達する。このように配置された
撮像素子25a,25bの出力は、画像合成部27に接
続され、画像合成部27の出力は、合成画像記憶部27
aを介して出力制御部28に接続される。この出力制御
部28の出力は、表示部29および画像出力端子30に
接続される。
【0061】なお、請求項1〜4,6,7,9に記載の
発明と本実施形態との対応関係については、所定範囲は
鏡映面24aおよび鏡映面24bに対応し、光学素子1
は反射部材24に対応し、複数の撮像素子は撮像素子2
5a,25bに対応し、画像合成手段3は転送制御部2
1b,画像合成部27に対応する。図12は、第2の実
施形態の動作を示す流れ図である。
【0062】以下、これらの図に基づいて、第2の実施
形態の動作を説明する。まず、レリーズ制御部21aが
全押し操作されると(図12S1)、撮像素子25a,
25bにおいて、光電荷の蓄積が開始される(図12S
2)。
【0063】この状態で、所定の露光時間が経過すると
(図12S3)、転送制御部21bは、撮像素子25a
から重複しない区域(図10中のα区域)の画像情報を
ライン転送する。画像合成部27は、この画像情報をA
/D変換しつつ、合成画像記憶部27aに順次記憶する
(図12S4)。続いて、転送制御部21bは、撮像素
子25aの重複区域(図10中のβ区域)と、撮像素子
25bの重複区域(図10中のβ′区域)とから、同期
を取りつつ、画像情報をライン転送する(図12S
5)。
【0064】画像合成部27は、同時に転送された画像
情報をラインごとに加算してA/D変換し、合成画像記
憶部27aに順次記憶する(図12S6)。次に、転送
制御部21bは、撮像素子25bから重複しない区域
(図10中のγ区域)の画像情報をライン転送する。画
像合成部27は、この画像情報をA/D変換しつつ、合
成画像記憶部27aに順次記憶する(図12S7)。
【0065】この状態で、出力制御部28は、合成画像
記憶部27aから合成後の画像情報を読み出し、外部に
逐次出力する(図12S8)。以上説明した動作によ
り、第2の実施形態では、第1の実施形態とほぼ同様の
効果を得ることができる。さらに、第2の実施形態に特
有な効果としては、撮像素子25a,25bに到達する
までの撮影光路が全て対称に配置されるので、両方の受
光面において、光像の明るさや像倍率などを高精度に一
致させることができる点である。
【0066】そのため、合成後の画像情報に輝度ムラな
どを生じることがなく、画質を格段に向上させることが
できる。次に、像空間分割用の光学素子に関して、その
他の構成例を挙げて説明する。図13は、請求項9に対
応する反射部材44の構成例を示す図である。図におい
て、撮影光学系42の光軸上に、反射部材44が配置さ
れる。この反射部材44は、鏡映面44a,44bを切
妻屋根状に配置して構成され、鏡映面44a,44bか
らなる稜線部が、撮影光学系42側に向けて配置され
る。
【0067】この鏡映面44aの反射方向に撮像素子4
5aが配置され、鏡映面44bの反射方向に撮像素子4
5bが配置される。このような反射部材44を使用した
撮像装置では、第2の実施形態と同様の効果を得ること
ができる。さらに、反射部材44を使用した撮像装置に
特有な効果としては、透明ブロックを具備しないため、
撮像装置の軽量化を容易に実現できる点である。
【0068】図14は、請求項10に対応する反射部材
54の構成例を説明する図である。図において、反射部
材54は、四角錐の側面に鏡映面を形成して構成され
る。この反射部材54の頂部は撮影光学系側に向けて配
置され、この反射部材54を取り囲んで、撮像素子55
a〜55dが配置される。ここで、反射部材54による
撮像素子55a〜55dの鏡像は、図14(b)に示す
ように、仮想の撮影画面上に一部重複して配置される。
【0069】このような反射部材54を使用した撮像装
置では、第2の実施形態と同様の効果を得ることができ
る。さらに、反射部材54を使用した撮像装置に特有な
効果としては、4枚の撮像素子を配置するため、撮影画
面の大型化を容易に実現できる点である。図15は、請
求項11に対応する反射部材64の構成例を示す図であ
る。
【0070】図において、反射部材64は、直方体状に
形成された透明ブロック64sと、透明ブロック64s
の中央に設けられた光透過部64cと、その中央部から
左右方向に広がる鏡映面64a,64bとから構成され
る。この反射部材64は、光透過部64cを撮影光学系
62側に向けて配置される。この反射部材64の左右の
側面には、撮像素子65a,65bが対称に配置され、
光透過部64cの後方には、撮像素子65cが配置され
る。
【0071】ここで、鏡映面64a,64bによる撮像
素子65a,65bの鏡像は、撮像素子65cの左右に
一部重複して配置される。このような反射部材64を使
用した撮像装置では、第1の実施形態と同様の効果を得
ることができる。さらに、反射部材64を使用した撮像
装置に特有な効果としては、3枚の撮像素子が仮想的な
撮影画面に一列に配置されるため、撮影画面のアスペク
ト比を大きくすることができる点である。したがって、
撮影画面のパノラマ化を容易に実現することができる。
【0072】図16は、請求項11に対応する反射部材
74の構成例を示す図である。図において、反射部材7
4は、中央に設けられた光透過部74aと、その中央部
から8方向に広がる鏡映面74b〜74iとから構成さ
れる。この反射部材74は、光透過部74aを撮影光学
系側に向けて配置される。この反射部材74の周囲には
撮像素子75b〜75iが配置され、光透過部74aの
後方には、撮像素子75aが配置される。
【0073】ここで、鏡映面74b〜74iによる撮像
素子75b〜75iの鏡像は、図16(b)に示すよう
に、撮像素子75aの上下と左右と斜めに一部重複して
配置される。このような反射部材74を使用した撮像装
置では、第1の実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0074】さらに、反射部材74を使用した撮像装置
に特有な効果としては、9枚の撮像素子を配置できるた
め、撮影画面をさらに大型化できる点である。図17
は、請求項12,13に対応するプリズムの構成例を示
す図である。図において、プリズム83は、光学ガラス
や透明樹脂を切妻屋根状に形成して構成される。このプ
リズム83の稜線部は、撮影光学系82に対して後ろ向
きに配置される。このプリズム83の後方には、撮像素
子84a,84bが並設される。
【0075】ここで、撮影光学系82側から見た「プリ
ズム83による撮像素子84a,84bの屈折像」は、
仮想的な撮影画面上に一部重複して並ぶ。このような反
射部材84を使用した撮像装置では、第2の実施形態と
同様の効果を得ることができる。さらに、反射部材84
を使用した撮像装置に特有な効果としては、像空間が鏡
映されないので、画像情報の左右を入れ替えるような画
像処理を省くことができる点である。
【0076】図18は、請求項14に対応する偏心レン
ズを示す図である。図において、偏心レンズ86a,8
6bは、撮影光学系85の光軸を挟んだ対称位置に、主
点が配置されてなる複合レンズである。この偏心レンズ
86a,86bの後方には、撮像素子87a,87bが
並設される。
【0077】ここで、撮影光学系85側から見た「偏心
レンズ86a,86bによる撮像素子87a,87bの
逆投影像」は、仮想的な撮影画面上に一部重複して並
ぶ。このような反射部材84を使用した撮像装置では、
第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さら
に、反射部材84を使用した撮像装置に特有な効果とし
ては、像空間が鏡映されないので、画像情報の左右を入
れ替えるような画像処理を省くことができる点である。
【0078】また、偏心レンズ86a,86bを用いて
像倍率を自在に設定できるので、分割撮像される撮影画
面の大きさを、撮像素子87a,87bの受光面の大き
さに合わせて拡大縮小させることができる。したがっ
て、撮像素子87a,87bの受光面の使用効率を極限
まで高め、画像情報の解像度を極力高めることができ
る。図19は、請求項15に対応する反射部材の構成例
を示す図である。
【0079】図19において、撮影光学系102の光軸
上に、絞り103および反射部材104が順に配置され
る。この反射部材104は、光学ガラスや透明樹脂など
からなる直方体状の透明ブロック104sと、この透明
ブロック104s内部の左半分を斜め向きに横切る鏡映
面104aとから構成される。この鏡映面104aの端
部では、蒸着膜が徐々に薄くなることにより、ハーフミ
ラー104hが設けられる。
【0080】このような反射部材104の反射方向に撮
像素子105aが配置され、透過方向に撮像素子105
bが配置される。このとき、撮像素子105a,105
bにおける重複区域β,β′は、ハーフミラー104h
からの半透過光および半反射光を受光する分だけ広くな
る。なお、撮像素子104a,105bの出力画像の合
成処理は、上述した実施形態と同様なので、ここでの説
明を省く。
【0081】図20は、このようなハーフミラー104
hの形成方法を説明する図である。まず、透明部材10
4sを「斜めに分断された形状」に分けて成形する。そ
の後、一方の貼り合わせ面104pの半分を蒸着マスク
107で遮蔽して、銀やアルミニウムなどを蒸着する。
このような蒸着に際して、蒸着マスク107は、貼り合
わせ面104pと間隔(図20中に示すΔ)を空けて配
置される。この間隔Δの作用により、金属蒸気は蒸着マ
スク107の端で僅かににじみ、ハーフミラー104h
が形成される。
【0082】なお、ハーフミラー104hの形成方法
は、これに限定されるものではない。例えば、蒸着マス
ク107を貼り合わせ面104pに密着して配し、蒸着
期間中に蒸着マスク107を僅かに変位させてもよい。
このような形成方法では、蒸着箇所の露出時間に応じて
蒸着膜の厚みをコントロールし、任意の反射率を有する
ハーフミラー104hを形成することが可能となる。
【0083】このようにハーフミラー104hを形成す
ることにより、例えば図20(b)に示すように、鏡映
面104aの端部で反射率は段階的に変化する。また、
これらのブロックを接着することにより、透明ブロック
104s形成後の透過率も端で段階的に変化する。その
ため、光波が鏡映面104aの後ろに回り込む回折現象
は軽減し、撮像素子105bの受光面に生じる干渉パタ
ーンが抑制される。したがって、干渉パターンによる光
像の品質低下を極力回避し、結像品質を確実に高めるこ
とが可能となる。
【0084】なお、上述した実施形態では、電子シャッ
タ(光電荷の蓄積時間を撮像素子側で制御するシャッ
タ)を使用しているが、それに限定されるものではな
く、例えば、レンズシャッタやフォーカルプレーンシャ
ッタその他のシャッタを使用してもよい。また、上述し
た実施形態では、合成中の画像情報を一時的に記憶する
ために、合成画像記憶部を設けているが、本発明は、そ
の構成に限定されるものではない。例えば、合成画像記
憶部を無くして、合成中の画像情報をメモリーカードそ
の他の外部記憶媒体に直接記憶するようにしてもよい。
【0085】さらに、上述した実施形態では、静止画像
の撮像について述べたが、本発明はそれに限定されるも
のではない。特に、本発明における画像情報の合成処理
は、画像情報の転送処理および加算処理からなる単純な
処理なので、合成処理を実時間で行うことができる。し
たがって、画像合成を実時間で行うことにより、動画像
の撮像が可能となる。
【0086】また、上述した実施形態では、撮像された
画像情報をデジタル処理しているが、本発明はそれに限
定されるものではない。画像情報の転送処理および加算
処理をアナログ処理で行ってもよい。さらに、上述した
実施形態では、個々の撮像素子を同時に露光している
が、意図的に露光のタイミングをずらす手段を付加して
もよい。このような構成により、複数の画像を1つの画
面にまとめて撮影することができる。すなわち、ミラー
ジュレンズ(mirage lens)を使用したような画面を模
擬的に撮像したり、同一人物が複数存在する画面を容易
に撮像することができる。
【0087】また、第1の実施形態では、画素の位置ズ
レのみを補正しているが、本発明はそれに限定されるも
のではない。例えば、個々の撮像素子の感度差や、個々
の像空間における光透過率の差などを、画像情報の利得
制御または位相制御などにより補正してもよい。さら
に、第1の実施形態では、画素の位置ズレ量(図8に示
したδ1,δ2)が一定値をとる場合について説明した
が、画素ごとにδ1,δ2が異なる場合は、画素ごとに
重み係数μ1〜4を算出し、位置ズレの補正を行えばよ
い。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明では、予め設定された所定範囲を通過する光を偏向
して像空間を複数に分割し、分割された像空間ごとに撮
像を行う。したがって、個々の撮像素子について、チッ
プサイズを小さくすることができる。通常、チップサイ
ズが1/2になると、製造上の歩留まりは4倍程度に高
くなる。そのため、撮像素子を必要量だけ確保すること
が容易になり、撮像素子にかかる部品コストを格段に下
げることができる。
【0089】また、縮小光学系を備えた従来例に比べ、
縮小光学系を配置する必要がないので、撮像装置の小型
化を図り、撮像装置の組み立て性を向上させることがで
きる。さらに、個々の撮像素子を組み合わせて、1つの
撮影画面を撮像するので、撮影画面の大型化を容易に実
現することができる。また、単体の撮像素子を使用する
場合に比べ、複数の撮像素子を組み合わせるので、撮影
画面の解像度を容易に高めることができる。
【0090】したがって、大画面かつ高精細な画像情報
を出力する撮像装置を容易に実現することができる。さ
らに、特開昭58−100577号公報の従来例と比較
して、撮像素子の受光量が半減することがない。したが
って、光電変換時のS/Nが高くなり、高画質の画像情
報を出力することができる。
【0091】請求項2に記載の発明では、撮影光学系側
から見て、複数の撮像素子が仮想的な撮影画面上に隙間
なく配置されて見える。このような位置関係に撮像素子
が配置されることにより、「撮影光学系から仮想的な撮
影画面に向かう被写体光」は、光学素子を介して、いず
れかの撮像素子に必ず到達する。したがって、撮影画面
の全体を欠損なく、撮像することができる。
【0092】請求項3に記載の発明では、瞳分割される
射出光束群の到達区域に、複数の撮像素子を重複して配
置する。したがって、光学素子により振り分けられる射
出光束を全て撮像することができる。したがって、分割
後の像空間にまたがって形成されるボケ形状までも逃さ
ず撮像することができる。請求項4に記載の発明では、
瞳分割される射出光束群の到達区域について、画像情報
を対応画素ごとに加算することにより、分割撮像された
画像情報の境界近辺に生じる輝度変化を正確かつ簡便に
修正することができる。
【0093】また、画像情報の加算を行うことにより、
複数の撮像素子に分断されたボケ形状を正確に再現する
ことができる。さらに、画像情報の加算を行うことによ
り、非相関なノイズ成分(CCD撮像素子の暗電流ノイ
ズなど)を的確に低減することもできる。請求項5に記
載の発明では、対応画素の位置ズレを補正した後に、画
像情報の加算を行うので、合成画像に位置ズレが生じ
ず、合成後の画像情報の画質を一層高めることができ
る。
【0094】請求項6に記載の発明では、撮影光学系の
像空間を対称に分割するので、複数の撮像素子は、それ
ぞれ対称位置に配置される。したがって、複数の撮像素
子を組み込む際の位置調整が簡便になる。
【0095】また、複数の撮像素子として、同じチップ
サイズの撮像素子を使用することができる。請求項7に
記載の発明では、像空間分割用の光学素子として、反射
部材を使用する。したがって、像空間を分割する際に色
収差が一切生じず、色収差を補正するための光学系を備
える必要がない。その結果、撮像装置の構成を単純にす
ることができる。
【0096】請求項8に記載の発明では、像空間分割用
の光学素子として、鏡映面を1つ配置するだけなので、
撮像装置の構成をさらに単純にすることができる。請求
項9または請求項10に記載の発明では、各撮像素子ま
での光路が全て対称に配される。したがって、射出光束
が個々の撮像素子に到達するまでの光学作用が等しくな
るので、分割撮像された個々の画像情報において、明る
さや像倍率などの光学特性が高精度に一致する。
【0097】そのため、合成後の画像情報に輝度ムラな
どを生じることがなく、画質を格段に向上させることが
できる。請求項11に記載の発明では、光学素子の中央
部に光透過部を有するので、撮影画面の中央を撮像する
撮像素子は、光学素子の裏側に配置される。その他の撮
像素子は、光学素子の側面部からの反射光を受光するた
め、光学素子の周辺に配置される。
【0098】このように、光学素子を取り囲むように、
撮像素子を効率的に配置することができる。したがっ
て、撮影画面を広く確保しつつ、撮像装置の小型化を極
力図ることができる。請求項12または請求項13に記
載の発明では、像空間分割用の光学素子として偏角プリ
ズムを使用するので、分割後の像空間は鏡映されない。
したがって、分割撮像された画像情報の左右を入れ替え
るような画像処理を省くことができる。
【0099】請求項14に記載の発明では、像空間分割
用の光学素子として偏心レンズを使用するので、分割後
の像空間は鏡映されない。したがって、分割撮像された
画像情報の左右を入れ替えるような画像処理を省くこと
ができる。また、偏心レンズを用いて像倍率を自在に設
定できるので、分割された撮影画面の大きさを、撮像素
子の受光面の大きさまで拡大縮小させることができる。
したがって、撮像素子の受光面の使用面積を極限まで高
め、画像情報の解像度を極力高めることができる。
【0100】請求項15に記載の発明では、像空間を分
割する境界部分にハーフミラーを設けるので、境界部分
における光波の回り込みが減少する。したがって、干渉
パターンの発生が抑制され、光像の結像品質を確実に高
めることができる。以上説明したように、本発明を適用
することにより、撮影画面が大きくて高画質な撮像装置
を低コストかつ簡便に実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明を説明する図である。
【図2】請求項3に記載の発明を説明する図である。
【図3】光学素子による瞳分割を示す説明図である。
【図4】請求項4に記載の発明を説明する図である。
【図5】第1の実施形態(請求項1〜8に対応する)を
示す図である。
【図6】第1の実施形態における反射部材の構成を示す
説明図である。
【図7】第1の実施形態の動作を示す流れ図である。
【図8】画素補間による「位置ズレの補正」を説明する
図である。
【図9】画像合成を説明する図である。
【図10】第2の実施形態(請求項1〜4,6,7,9
に対応する)を示す図である。
【図11】第2の実施形態における反射部材の構成を示
す説明図である。
【図12】第2の実施形態の動作を示す流れ図である。
【図13】請求項9に対応する反射部材の構成例を示す
図である。
【図14】請求項10に対応する反射部材の構成例を説
明する図である。
【図15】請求項11に対応する反射部材の構成例を示
す図である。
【図16】請求項11に対応する反射部材の構成例を示
す図である。
【図17】請求項12,13に対応するプリズムの構成
例を示す図である。
【図18】請求項14に対応する偏心レンズの構成例を
示す図である。
【図19】請求項15に対応する反射部材の構成例を示
す図である。
【図20】ハーフミラーの形成方法を示す図である。
【図21】撮像装置の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 光学素子 2a,2b 複数の撮像素子 3 画像合成手段 11 撮像装置 12 撮影光学系 13 絞り 14 反射部材 14a 鏡映面 14s 透明ブロック 15a 撮像素子 15b 撮像素子 16a 第1記憶部 16b 第2記憶部 17 画像合成部 17a 合成画像記憶部 18 出力制御部 19 表示部 20 画像出力端子 21 撮像装置 21b 転送制御部 22 撮影光学系 23 絞り 24 反射部材 24a 鏡映面 24b 鏡映面 24s 透明ブロック 25a 撮像素子 27 画像合成部 27a 合成画像記憶部 28 出力制御部 29 表示部 30 画像出力端子 42 撮影光学系 44 反射部材 44a 鏡映面 44b 鏡映面 45a 撮像素子 45b 撮像素子 54 反射部材 55a〜55d 撮像素子 64 反射部材 64a 鏡映面 64c 光透過部 64s 透明ブロック 65a 撮像素子 65c 撮像素子 91 撮影光学系 92 ハーフミラー 102 撮影光学系 103 絞り 104 反射部材 104a 鏡映面 104h ハーフミラー 104s 透明ブロック 105a 撮像素子 105b 撮像素子

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光学系の像空間側に配置され、所定
    範囲を通過する光を反射もしくは屈折により偏向し、前
    記像空間を所定範囲と所定範囲以外とに分割する光学素
    子と、 前記光学素子により複数に分割された像空間ごとに個別
    配置され、像空間ごとに分割形成される光像を光電変換
    する複数の撮像素子と、 前記複数の撮像素子により光電変換された画像情報を、
    分割前の像空間の位置関係に従い並べて合成する画像合
    成手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撮像装置において、 前記撮影光学系側から前記光学素子を介して見た前記複
    数の撮像素子は、 仮想的な撮影画面上に隙間なく配列されてなることを特
    徴とする撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の撮像装置において、 前記撮影光学系側から前記光学素子を介して見た前記複
    数の撮像素子は、 前記光学素子を介して瞳分割される「前記撮影光学系の
    射出光束群」の到達区域において、重複配置されてなる
    ことを特徴とする撮像装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の撮像装置において、 前記画像合成手段は、 瞳分割される前記射出光束群の前記到達区域について
    は、重複配置される撮像素子の画像情報を対応画素毎に
    加算して画像情報を求めることを特徴とする撮像装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の撮像装置において、 前記画像合成手段は、 前記対応画素の位置ズレを画素の補間処理により補正す
    る画素補間手段と、 前記画素補間手段により補正された対応画素を加算し
    て、前記到達区域の画像情報を求める画素加算手段とを
    備えたことを特徴とする撮像装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の撮像装置において、 前記光学素子は、 前記撮影光学系の光軸を略中心にして、前記撮影光学系
    の像空間を対称に分割することを特徴とする撮像装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の撮像装置において、 前記光学素子は、 前記撮影光学系の像空間に配置され、前記所定範囲の通
    過光を反射して、像空間を部分的に鏡映する反射部材で
    あることを特徴とする撮像装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の撮像装置において、 前記反射部材は、 前記撮影光学系の光軸上の垂線に平行して鏡映面の一辺
    が配され、かつその鏡映面が前記撮影光学系の光軸に対
    して斜めに配置されてなることを特徴とする撮像装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の撮像装置において、 前記反射部材は、 2つの鏡映面が切妻屋根状(略L字状)に配され、かつ
    その2つの鏡映面からなる稜線が、前記撮影光学系側に
    向けて配置されてなることを特徴とする撮像装置。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の撮像装置において、 前記反射部材は、 複数の鏡映面が錐体の側面に配され、かつその錐体の頂
    部が、前記撮影光学系側に向けて配置されてなることを
    特徴とする撮像装置。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の撮像装置において、 前記反射部材は、 中央部に光透過部を有し、その中央部から広がる側面に
    複数の鏡映面を有し、かつ前記中央部が前記撮影光学系
    側に向けて配置されてなることを特徴とする撮像装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の撮像装置において、 前記光学素子は、 前記撮影光学系の像空間に配置され、前記所定範囲の通
    過光を屈折して、像空間を複数に分割するプリズムであ
    ることを特徴とする撮像装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の撮像装置におい
    て、 前記プリズムは、 切妻屋根状に形成された光学ガラスであり、その光学ガ
    ラスの凹面側が前記撮影光学系側に向けて配置されてな
    ることを特徴とする撮像装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の撮像装置において、 前記光学素子は、 前記撮影光学系の光軸外にレンズ主点を有し、前記所定
    範囲の通過光をアオリ結像して、像空間を複数に分割す
    る偏心レンズであることを特徴とする撮像装置。
  15. 【請求項15】 請求項1,8,11のいずれか1項に
    記載の撮像装置において、 前記光学素子には、 前記像空間を分割する境界部分にハーフミラーが設けら
    れ、該境界部分を通過する光の回折現象を軽減してなる
    ことを特徴とする撮像装置。
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