JP3397754B2 - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JP3397754B2
JP3397754B2 JP2000198682A JP2000198682A JP3397754B2 JP 3397754 B2 JP3397754 B2 JP 3397754B2 JP 2000198682 A JP2000198682 A JP 2000198682A JP 2000198682 A JP2000198682 A JP 2000198682A JP 3397754 B2 JP3397754 B2 JP 3397754B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画、又は、静止
画を撮像可能なビデオカメラ等の撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカラーカメラでは、レリーズボ
タンの押下に応動して、CCDやCMOSセンサなどの固体撮
像素子に物体像を所望の時間露光し、これより得られた
画像信号をデジタル信号に変換した後、YC処理などの所
定の処理を施して、所定の形式の画像信号を得る。この
デジタル画像信号は、半導体メモリに記録される。そし
て、記録された画像信号を随時読み出して表示または印
刷可能な信号に再生し、モニタなどに出力して記録画像
を可視化することが可能である。
【0003】デジタルカラーカメラの技術の一つとし
て、特開平9-284617号公報の開示例がある。特開平9-28
4617号公報は、温度変化による撮影光学系-光電変換素
子間の距離変化と、撮影光学系の屈折率変化とを考慮し
て、環境温度に関わらず常にピントのあった撮影を可能
とする技術である。
【0004】また、特開平10-145802号公報は、撮影画
面を複数の領域に分割し、領域毎に結像光学系を設けて
物体の部分画像を形成するカメラの薄型化技術を開示し
ている。一つの結像光学系に対して一つの物体像が形成
され、撮影画面を分割した数に相当する物体像が撮像素
子上に投影される。撮影画面を複数に分割することで、
個々の結像光学系を固体撮像素子上に近接させて配置す
ることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平10-145802
号公報に開示される複眼式カメラにおいては、環境温度
が変化すると、撮影レンズ-光電変換素子間の距離変化
や結像光学系の屈折率変化が生じるばかりではなく、撮
像領域毎に設けられた結像光学系間の距離が変化して、
良好な画像が得られなくなる。
【0006】本発明の目的は、温度変化による画像の劣
化を抑えることのできる撮像装置を提供しようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数の撮像領域を備えた撮像素子と、該撮
像素子上に物体像を形成する撮影レンズとを有する撮像
装置において、前記撮影レンズは一体化された複数のレ
ンズ部を備えてなり、該複数のレンズ部は前記複数の撮
像領域上に物体像を各々形成するとともに線膨張係数α
Lが次式を満たすように構成する撮像装置とするもので
ある。
【0008】
【外4】 (Aは前記複数の撮像領域上に形成されるそれぞれの物
体像の対応する個所の間隔[mm]、Pは画素ピッチ[m
m]
【0009】また、本発明は、被写体光の異なる波長成
分をそれぞれ受光するための複数の撮像部と、前記複数
の撮像部に前記被写体光をそれぞれ案内するための、一
体に構成される複数の光学系とを有し、前記複数の光学
系は、以下の条件を満たす撮像装置とするものである、
【0010】
【外5】 但し、αLは前記一体的に構成される複数の光学系の線
膨張係数、Aは前記複数の撮像部に形成されるそれぞれ
の被写体像の対応する個所の間隔[mm]である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。
【0012】図17(a)、(b)、(c)は本発明によ
るデジタルカラーカメラの全体構成を表す図である。図
17(a)は正面図、図17(c)は裏面図、図17
(b)は図17(c)の裏面図に示した矢印Aの位置での
断面図である。
【0013】図17(a)、(b)、(c)において、1は
カメラ本体、2はカラー液晶モニタ4の背後に位置し、白
色拡散板よりなる照明光取り込み窓である。5はメイン
スイッチ、6はレリーズ釦、7,8,9は使用者がカメラの
状態をセットするためのスイッチで、特に9は再生ボタ
ン、13は撮影可能な残り枚数の表示である。11はファイ
ンダー接眼窓であって、ファインダー前枠3からプリズ
ム12に入射した物体光がここから射出する。10は撮像
系、14は外部のコンピュータ等に接続して、データの送
受信をするための接続端子である。
【0014】信号処理系の概略構成を説明する。図14
は、信号処理系のブロック図である。本カメラは、CCD
あるいはCMOSセンサなどの固体撮像素子120 を用いた単
板式のデジタルカラーカメラであり、固体撮像素子120
を連続的または単発的に駆動して動画像または静止画像
を表わす画像信号を得る。ここで、固体撮像素子120
は、露光した光を各画素毎に電気信号に変換してその光
量に応じた電荷をそれぞれ蓄積し、その電荷を読み出す
タイプの撮像デバイスである。
【0015】なお、図14には本発明に直接関係ある部
分のみが示されており、本発明に直接関係ない部分は図
示とその説明を省略している。
【0016】図14に示すように、撮像装置は、撮像系
10と、画像処理手段であるところの画像処理系20と、記
録再生系30と、制御系40とを有する。さらに、撮像系10
は、撮影レンズ100 、絞り110および固体撮像素子120を
含み、画像処理系20は、A/D変換器500、RGB画像処理回
路210 およびYC処理回路230を含み、記録再生系30は、
記録処理回路300および再生処理回路310 を含み、制御
系40は、システム制御部400、操作検出部410および固体
撮像素子の駆動回路420を含む。
【0017】撮像系10は、物体からの光を絞り110と撮
影レンズ100を介して固体撮像素子120 の撮像面に結像
する光学処理系であり、撮影レンズ100の光透過率を
調節して、適切な光量の被写体像を固体撮像素子120 に
露光する。前述のように、固体撮像素子120 は、CCDやC
MOSセンサなどの撮像デバイスが適用され、固体撮像素
子120 の露光時間および露光間隔を制御することによ
り、連続した動画像を表わす画像信号、または一回の露
光による静止画像を表わす画像信号を得ることができ
る。
【0018】図1は撮像系10の詳細図である。まず、絞
り110は図3に示すような3つの円形開口110a、110b、11
0cを有し、この各々から撮影レンズ100の光入射面100e
に入射した物体光は、撮影レンズ100の3つのレンズ部10
0a、100b、100cから射出して固体撮像素子120の撮像面
上に3つの物体像を形成する。絞り110と光入射面100eお
よび固体撮像素子120の撮像面は平行に配置されてい
る。このように、入射側のパワーを弱く、射出側のパワ
ーを強くし、入射側に絞りを設けることで、像面の湾曲
を少なくすることができる。なお、ここでは、撮影レン
ズ100の光入射面100eを平面としたが、3つの球面あるい
は3つの回転対称非球面で構成しても良い。
【0019】3つのレンズ部100a、100b、100cは、撮影
レンズ100を光射出側から見た図5に示すように円径の
球面部を持ち、この球面部には670nm以上の波長域につ
いて低い透過率を持たせた赤外線カットフィルターが、
また、ハッチングをかけて示した平面部100dには遮光性
膜が形成されている。すなわち、撮影光学系は撮影レン
ズ100と絞り110より成り、3つのレンズ部100a、100b、1
00cのそれぞれが結像系である。
【0020】撮影レンズ100をガラス製とする場合には
ガラスモールド製法、樹脂製とする場合には射出成形を
用いると製作上容易である。
【0021】図2は固体撮像素子120の正面図で、形成
される3つの物体像に対応させて3つの撮像領域120a、12
0b、120cを備えている。撮像領域120a、120b、120cの各
々は、縦横のピッチが2.8μmの画素を800×600個配列し
てなる2.24mm×1.68mmの領域であって、撮像領域全体の
寸法は2.24mm×5.04mm、また、各撮像領域の対角寸法は
2.80mmとなる。図において、51a、51b、51cは内部に物
体像が形成されるイメージサークルである。イメージサ
ークル51a、51b、51cは絞りの開口と撮影レンズ100の射
出側球面部の大きさで決定される円形であり、イメージ
サークル51aと51b、および、イメージサークル51bと51c
には互いに重なり合う部分が生じる。
【0022】図1において、絞り110と撮影レンズ100に
挟まれた領域のハッチングで示した部分52a、52b、52c
は撮影レンズ100の光入射面100e上に形成された光学フ
ィルターである。光学フィルター52a、52b、52cは撮影
レンズ100を光入射側から見た図4で示すように、絞り
開口110a、110b、110cを完全に含む範囲に形成されてい
る。
【0023】光学フィルター52aは図6にGで示した主に
緑色を透過する分光透過率特性を有し、光学フィルター
52bはRで示した主に赤色を透過する分光透過率特性を有
し、さらに、光学フィルター52cはBで示した主に青色を
透過する分光透過率特性を有している。すなわち、これ
らは原色フィルターである。レンズ部100a、100b、100c
に形成されている赤外線カットフィルターの特性との積
として、イメージサークル51aに形成されている物体像
は緑色光成分、イメージサークル51bに形成されている
物体像は赤色光成分、イメージサークル51cに形成され
ている物体像は青色光成分によるものとなる。
【0024】一方、固体撮像素子120の3つの撮像領域12
0a、120b、120c上にもまた光学フィルター53a、53b、53
cが形成され、これらの分光透過率特性もまた図6に示
したものと同等である。つまり、撮像領域120aは緑色光
(G)に対して、撮像領域120bは赤色光(R)に対して、
撮像領域120cは青色光(B)に対して感度を持つ。
【0025】各撮像領域の受光スペクトル分布は瞳と撮
像領域の分光透過率の積として与えられるため、瞳と撮
像領域の組み合わせは波長域によって選択される。つま
り、絞りの開口110aを通過した物体光は主に撮像領域12
0aで光電変換され、絞りの開口110bを通過した物体光は
主に撮像領域120bで光電変換され、さらに、絞りの開口
110cを通過した物体光は主に撮像領域120cで光電変換さ
れる。すなわち、撮像領域120aはG画像を、撮像領域120
bはR画像を、撮像領域120cはB画像を出力することにな
る。このように、撮像光学系の瞳と撮像素子に色分解の
ための光学フィルターを多重に使用すると、色純度を高
めることができる。これは、同種の光学フィルターを2
回通すと、透過特性が鋭く立ち上がるようになって赤色
(R)と青色(B)のオーバーラップが無くなるためであ
る。なお、各撮像領域での信号レベルが同一の蓄積時間
でそれぞれ適切になるように、光学フィルター52a、52
b、52cあるいは光学フィルター53a、53b、53cの透過率
を設定すると良い。
【0026】画像処理系20は、固体撮像素子120の複数
の撮像領域が、各々、前記複数の画像の一つから得た選
択的光電変換出力に基づいてカラー画像を形成する。こ
の際、比視感度のピーク波長は555nmであるので、この
波長を含むG画像信号を基準画像信号として信号処理を
行う。
【0027】固体撮像素子の画素ピッチを固定して考え
ると、固体撮像素子上に例えば2×2画素を一組としたRG
Bカラーフィルターを形成して画素の一つ一つに波長選
択性を付与し、これによって物体像をRGBの各画像に分
離する一般のデジタルカラーカメラに採用されている方
式に比較して、物体像の大きさが1/√3になり、これに
伴って撮影レンズの焦点距離はおおよそ1/√3となる。
したがって、カメラの薄型化に対して極めて有利であ
る。
【0028】なお、光学フィルター52a、52b、52cと、
光学フィルター53a、53b、53cの分光透過率特性は、図
6に示したように、RとBはほぼ分離されているものの、
RとGおよびGとBは互いにオーバーラップしている。
【0029】したがって、赤色光のイメージサークル51
bが青色光を光電変換する撮像領域120cにかかっていて
も、逆に、青色光のイメージサークル51cが赤色光を光
電変換する撮像領域120bにかかっていても、これらの画
像が撮像領域の出力となることはない。ところが、赤色
光のイメージサークル51bが緑色光を光電変換する撮像
領域120aにかかっている部分と、緑色光のイメージサー
クル51aが赤色光を光電変換する撮像領域120bにかかっ
ている部分では、本来遮断すべき異なる波長の画像が僅
かではあるが重畳してしまう。つまり、物体像の選択性
は光学フィルター52aと光学フィルター53bの分光透過率
特性の積と、光学フィルター52bと光学フィルター53aの
分光透過率特性の積で与えられるため、R画像信号とG画
像信号のクロストークは小さいものの、完全にはゼロに
ならない。
【0030】そこで、撮影レンズ100にはRとGのオーバ
ーラップ部の波長域の透過率を低下させる特性をさらに
持たせてある。これは色純度補正フィルタと呼ばれる光
学フィルター技術を用いればよい。
【0031】この色純度補正フィルタは、透明合成樹脂
またはガラスから成る母材中に希土類の金属イオンを所
定量含有させた光学フィルターである。
【0032】希土類の金属イオンとしては、ネオジムイ
オン、プラセオジムイオン、エルビウムイオン、ホルミ
ウムイオン等の1種または2種以上が挙げられるが、少
なくとも、ネオジムイオンを必須イオンとして使用する
のが好ましい。なお、これらのイオンとしては、通常3
価のイオンが使用される。そして、金属イオンの含有量
は、撮影レンズ100の母材の100質量部に対し、通常0.01
〜40質量部、好ましくは0.04〜30質量部の範囲から選択
される。
【0033】図7に示すように、色純度補正フィルタ
は、RGBの各色成分のうちピーク波長間の所定波長範囲
の光を選択的に吸収してその透過量を低減する特性を有
する。この作用によって、赤色光のイメージサークル51
bが緑色光を光電変換する撮像領域120aにかかること、
それから、緑色光のイメージサークル51aが赤色光を光
電変換する撮像領域120bにかかることによるクロストー
クはほとんど生じなくなる。
【0034】さらに、撮影レンズ100には光により暗化
し、光の照射をやめると可逆的に無色状態にもどる現象
であるフォトクロミック特性を併せ持たせる。これは、
固体撮像素子120の蓄積時間制御範囲が限られているこ
とから、極めて被写界が明るい場合に固体撮像素子に到
達する光量を抑え、撮影可能な輝度範囲を拡大するため
である。
【0035】フォトクロミックガラスとしては、例え
ば、眼鏡用として実用化されているチャンス−ピルキン
トン社製のリン酸塩系のフォトクロミックガラス(商品
名:Reactolite Rapide)を用いるとよい。
【0036】図8は、撮影レンズ100に用いたフォトク
ロミックガラスの分光透過率特性を示す図であり、図8
において実線が太陽光を20分照射した後の特性であ
り、破線が未照射の場合の特性を示したものである。晴
天時の屋外等でカメラを持ち歩くと、絞り110から撮影
レンズ100に入射した光束によって撮影レンズ100そのも
のが暗化し、固体撮像素子120に入射する光量を約1/2に
抑えることができる。この結果、蓄積時間を2倍に伸ば
すことが可能であって、高輝度側の制御限界を引き上げ
ることになる。
【0037】各撮像領域120a、120b、120cの画面サイズ
は、前述のように画素ピッチ2.8μm、画素数800×600よ
り、2.24mm×1.68mmであって、画面の対角寸法は2.80mm
となる。一般に、小型カメラの撮影画角θは対角方向に
70°程度とするのが最も使いやすい。撮影画角を70°と
すると、画面の対角寸法から焦点距離が決定され、この
場合は2.0mmとなる。
【0038】人物等を撮影対象とする場合は、ヒトの身
長が170cm前後であることや、1から3人を一緒に写すこ
とが多いことを根拠として、仮想被写体距離D[m]を撮影
画角θ[°]の関数として式(1)のように定義すること
ができる。
【0039】
【外6】 式(1)のθに70°を代入すると、D=2.0mを得る。そこ
で、被写体距離2mの時に最良のピントを結ぶように撮像
系10を構成するとすれば、無限遠位置からのレンズの繰
り出しは0.002mmであり、後述する許容錯乱円径との関
係からレンズ繰り出し機構のない固定焦点撮像光学系と
しても実用上全く問題はない。
【0040】また、空気中に置かれた平凸レンズの焦点
距離fは、屈折率をn、球面の半径をrとして、
【0041】
【外7】 で表すことができる。したがって、仮に、撮影レンズ10
0の屈折率nを1.5とすれば、2.0mmの焦点距離を得るrは
1.0mmとなる。
【0042】赤色、緑色、青色の各物体像について、像
の大きさを揃えておくと後の信号処理で像倍率補正を行
う必要がないので処理時間を伸ばすことがなく都合がよ
い。このため、RGB光学フィルターの透過光のピーク波
長530nm 、620nm 、450nmについてレンズ部100a、100
b、100cを最適化し、各像倍率を一定に設定する。これ
は各レンズ部の主点位置から固体撮像素子までの距離を
一律にすることで、近軸的には実現できる。
【0043】d線(587.6nm)の屈折率nd=1.5、アッベ
数νd=60のガラスの場合、波長530nm 、620nm 、450nm
における屈折率は、それぞれ1.503、1.499、1.509程度
である。仮に、レンズ部100a、100b、100cの球面の半径
rが均一に-1.0mmとすると、これらの波長における焦点
距離は式(2)により次のようになる。
【0044】 レンズ部100a 代表波長530nm: 1.988mm レンズ部100b 代表波長620nm: 2.004mm レンズ部100c 代表波長450nm: 1.965mm 画素ピッチから許容錯乱円径を3.0μmとし、さらに、撮
影レンズのFナンバーをF5.6と仮定すれば、これらの積
で表される焦点深度は16.8μmとなり、620nmと450nmの
焦点距離の差0.039mmはすでにこれを越えていることが
分かる。すなわち、近軸的な像倍率だけはそろっている
が、被写体の色によってはピントが合わない。通常、物
体の分光反射率は、広い波長域にまたがっているので、
一般にシャープなピントが得られることは極めて稀であ
る。
【0045】そこで、レンズ部100a、100b、100cの球面
の半径rを各代表波長毎に最適化する。すなわち、ここ
では可視域全体の色収差を除去する色消しを行わず、レ
ンズ毎に波長別の設計を適用する。まず、式(2)を変
形して、式(3)を得る。
【0046】 r=(1-n)f …………(3) 式(3)にf=2.0と順次n=1.503、n=1.499、n=1.509
を代入し、各半径を算出すると、次のようになる。
【0047】 レンズ部100a 代表波長530nm: r=-1.006mm レンズ部100b 代表波長620nm: r=-0.998mm レンズ部100c 代表波長450nm: r=-1.018mm 像高の高い位置での像倍率差のバランスを取るために、
レンズ部100a、100b、100cの頂点高さを僅かに調整すれ
ば、シャープネスと像倍率の両者に関して理想的な形態
となる。さらには、各レンズ部に非球面を用いて、像面
湾曲を良好に補正する。像の歪曲については後の信号処
理で補正すればよい。
【0048】このように、視感度が最も高い緑色555nm
の波長を含む物体光による基準G画像信号と、赤色と青
色の物体光による画像信号とをそれぞれ得て、結像系に
単一の波長については異なる焦点距離を、各スペクトル
分布の代表波長については略同一の焦点距離を設定すれ
ば、これらの画像信号を合成することにより良好に色収
差の補正されたカラー画像を得ることができる。各結像
系は1枚構成であるので、撮像系を薄型化する効果もあ
る。また、通常、色消しは分散の異なる2枚のレンズの
組み合わせが必要であるのに対し、1枚構成であること
によるコストダウンの効果もある。
【0049】撮影レンズ100には画素ピッチと同レベル
までの高い空間周波数帯域まで高コントラストの解像が
求められる。撮像系10は波長域別の3つの物体像を取り
込むことから、ベイヤー配列等のモザイク状光学フィル
ターを備えた同一画素数の撮像系と比較したとき、前述
のように約1/√3の焦点距離で同じ撮影画角となる。し
たがって、より高い空間周波数成分の高コントラストな
解像を実現しなくてはならない。前述した各レンズ部の
波長別最適化はこのための色収差抑制技術である。
【0050】一般に、撮影光学系の収差特性を改善して
偽解像を生じ難くし、問題を軽減する方法には、構成
レンズの枚数を増やす、非球面化する、異常分散ガラス
を用いる、回折光学素子を複合的に用いる、といった幾
つかの手法を用いて設計自由度を増す、結像光束を絞
る、という2通りがある。
【0051】上記の設計自由度を増やす方向性は、焦
点距離が1/√3になったにもかかわらず撮影光学系の構
成を複雑化することになって、撮影装置の薄型化に逆行
することになるので適切でない。一方、上記の細い光
束を用いる方向性は薄型の撮影装置との整合性が良い。
【0052】結像光束を絞ると、OTFと呼ばれるレスポ
ンス関数は図10の実線(b)で示すように低周波成分
において緩やかに単調減少し、その後僅かに負の値をと
ったあと再び僅かに正の値をとる特性となる。一方、結
像光束を絞らずに太い光束を用いる場合は図10の波線
(a)で示すように低周波成分において急速に減少した
あと、いったん負の値をとり、また正の値をとる特性と
なる。
【0053】OTFが負の値をとる状態が偽解像の発生を
表し、実際の画像では白い部分が黒くなり反対に黒い部
分が白くなる、ネガポジ反転現象が発生している状態に
相当する。したがって、結像光束を絞った方が自然な画
像が得られることが分かる。
【0054】ところが、極端に光束を絞り込むと、今度
は光の回折の影響によって逆に高周波域のコントラスト
の低下が発生する。このような状況では、点像は中心の
輝点とその周りを何重かに取り囲む回折縞とで構成され
ている。この原因はよく知られているように、絞り開口
の縁から発する周辺波による回折縞の強度が相対的に増
すためである。
【0055】回折縞を減らすには、中央部が透明で周辺
に行くにしたがって濃度が大きくなるフィルターを撮影
レンズに付加すればよい。この手法はアポダイゼイショ
ンと呼ばれ、光学技術ハンドブック増補版(昭和50年、
朝倉書店)の172ページから174ページに詳しく述べられ
ている。
【0056】図9は撮影レンズ100の光入射面100e上で
あって、絞り開口110a、110b、110cに対向する位置に設
けた透過率分布型フィルターの透過率分布を表す図であ
る。透過率分布型フィルターは図1の54a、54b、54cで
示され、透過率が最も高い位置は絞り開口110a、110b、
110cの中心に一致し、透過率がゼロになる位置は絞り開
口110a、110b、110cの縁に一致させてある。すなわち、
透過率分布は絞りの中心で最も高く、中心から離れるほ
ど単調に減少する。
【0057】透過率分布型フィルターは撮影レンズ100
の光入射側に、インコネル、クロメル、クローム等の薄
膜を蒸着またはスパッタリングすることによって形成す
る。薄膜の厚さを中央部が最も薄く、周辺部が最も厚く
なるようにすることによって、図9に示した特性を得る
ことが可能である。なお、こういった薄膜の形成には蒸
着またはスパッタリング過程における遮蔽物の位置制御
を連続的に行う。
【0058】ここでは、透過率分布型フィルター54a、5
4b、54cを撮影レンズ上に形成したが、ガラス板上に形
成して、撮影レンズ100の光入射側、あるいは光射出側
に配置する構成であってもよい。
【0059】図11は点像の輝度分布を示す図である。
図において波線(a)は絞り開口の透過率が一定の場
合、実線(b)は絞り開口の透過率を中心から周辺にか
けて低下させた場合である。(a)の特性に対し(b)の
特性は点像の裾部分での跳ね返りが無く、明らかに良好
な画像となっていることを示している。これが、アポダ
イゼイションで周辺光束を減ずることによる回折縞低減
効果の現れである。
【0060】次に、撮影レンズと撮像領域の位置関係に
ついて述べる。撮像系は3つのレンズ部を有するため
に、被写体距離に応じて3つの物体像の位置が相対的に
変化する。前述のように各撮像領域は2.24mm×1.68mmで
あって、これらは長辺を接するように隣接して配置され
ている。したがって、隣り合う撮像領域の中心間隔は1.
68mmである。後述するYC処理回路230では、物体像の中
心と撮像領域の中心が一致しているものとして信号処理
を行う。仮想被写体距離2mにある物体像をこれと同じ間
隔で撮像部上に形成するとすれば、図12に示すように
撮影レンズ100のレンズ部100a、100b、100cの間隔を1.6
783mmに設定することになる。図において矢印55a、55
b、55cは、撮影レンズ100の3つのレンズ部100a、100b、
100cによる正のパワーを有する結像系を表す記号、矩形
56a、56b、56cは撮像領域120a、120b、120cの範囲を表
す記号、L1、L2、L3は結像系55a、55b、55cの光軸であ
る。撮影レンズ100の光入射面は平面、光射出面となる
レンズ部100a、100b、100cは球面であるので、各球心を
通って光入射面100eに垂直な直線が光軸となる。
【0061】このとき、無限遠物体の像は図13に示す
ようにレンズ部100a、100b、100cと同一の間隔で形成さ
れるため、G物体像とR物体像の間隔、および、R物体像
とB物体像の間隔は1.6783mmである。したがって、撮像
領域の中心間隔1.68mmよりも若干狭く、この差ΔYは0.0
017mmすなわち1.7μm である。また、最も視感度の高い
G物体像を基準としてB物体像の移動を考えると、差ΔY
は2倍となり、3.4μmである。撮影画面の中央には人物
等の近距離物体が位置し、画面の周辺に遠距離の物体が
位置することが多いこと、さらに、画面の周辺では撮影
レンズの収差が増大して画像性能が低下することから、
最大像間隔変化が画素ピッチの2倍よりも小さければ、
実用上の問題はないと言える。前述のように固体撮像素
子120の画素ピッチPは2.8μmであるので、ΔY<2×P と
なり、この程度の無限遠像の色ズレは許容可能なレベル
である。
【0062】さらに、撮像系10の温度変化によっても像
間隔は変動する。固体撮像素子120の線膨張係数をαS
撮影レンズ100の線膨張係数をαL、温度変化をΔTとす
ると、撮像系10は結像倍率が極めて小さいために、像間
隔変化量ΔZは撮影レンズの伸びと固体撮像素子の伸び
の差として、式(4)で表すことができる。
【0063】 ΔZ=1.68×(αL−αS)×ΔT …………(4) ここで、αS=0.26×10-5、ΔT=20[°] 、さらに、撮
影レンズ100を低融点ガラスで作成するとしてαL=1.2
×10-5とすると、ΔZは0.00032[mm]と算出される。これ
はG物体像とR物体像の間隔変化、および、R物体像とB物
体像の間隔変化量である。
【0064】基準画像信号であるG物体像に対する変化
としてB物体像を考えると、像の間隔は1.68×2であるた
め、像間隔変化量もΔZ×2=0.00063[mm]となる。カメ
ラの使用温度範囲を0〜40°とすれば、基準温度20°か
らの偏差ΔTは20°であって、このとき、ΔZ×2が画素
ピッチの1/2よりも小さければ、実用上問題はない。一
般に、固体撮像素子120の線膨張係数αSは0.26×10-5
度の小さい値をとるので、撮影レンズ100の線膨張係数
αLを式(5)を満たすように選択する必要がある。
【0065】
【外8】 なお、AはR像、G像、B像のいずれか2像の間隔、Pは
画素ピッチである。
【0066】先程使用した撮影レンズ100の線膨張係数
αL=1.2×10-5は式(5)の関係を満足しているので、
本カメラに好適な材料と言える。
【0067】また、物体距離や温度変化による像間隔の
変動とは別に、固体撮像素子の撮像領域120a、120b、12
0cを相互に1/2 画素ずらすことにより、少ない画素数で
解像度を上げる画素ずらしという手法を用いる。1/2画
素ずらし量は仮想被写体距離2mに対して設定する。
【0068】図15に示すようにG画像信号用の撮像領
域120aに対してR画素出力用の撮像領域120bとB画素出
力用の撮像領域120cは水平方向および垂直方向に1/2 画
素ずつずらして配置されている。
【0069】この画素ずらしは、撮影レンズ100のレン
ズ部100bと100cをレンズ部100aに対して僅かに偏心させ
ることで実現しても、固体撮像素子120の撮像領域120b
と120cを撮像領域120aに対して僅かに偏心させることで
実現してもよい。
【0070】ベイヤー配列等の光学フィルター配列で
は、例えば緑色の光学フィルターを備えた画素の間には
赤色の光学フィルターを備えた画素や青色の光学フィル
ターを備えた画素が入り込むために、折り返し歪みを抑
制する光学ローパスフィルターが必要である。ところ
が、このようにスペクトル分布の異なる画像を撮像領域
別に取り込むように構成すると、それぞれの光学フィル
ターを備えた画素を密に配列することができ、その結
果、折り返し歪みの影響は小さく光学ローパスフィルタ
ーを必要とせずに高精細な画像を得ることができる。し
たがって、撮像系の小型化とコストの大幅な削減が可能
である。
【0071】次に、信号処理について説明する。
【0072】前述のように固体撮像素子120 は、長辺方
向に1800画素、短辺方向にそれぞれ800画素の合計144万
の画素数を有する撮像デバイスが有効に適用されて、そ
の前面には赤色(R) 、緑色(G) 、青色(B) の3原色の光
学フィルターが所定の領域毎に配置されている。
【0073】図14に表すように、固体撮像素子120 か
ら読み出された画像信号は、それぞれ画像処理系20のA/
D変換器500に供給される。A/D 変換器500 は、たとえ
ば、露光した各画素の信号の振幅に応じた、たとえば10
ビットのデジタル信号に変換して出力する信号変換回路
であり、以降の画像信号処理はデジタル処理にて実行さ
れる。
【0074】画像処理系20は、R,G,B のデジタル信号か
ら所望の形式の画像信号を得る信号処理回路を有し、R,
G,B の色信号を輝度信号Yおよび色差信号(R-Y),(B-Y)
にて表わされるYC信号などに変換する。
【0075】RGB画像処理回路210 は、A/D 変換器500を
介して固体撮像素子120 から受けた1800×800画素の画
像信号を処理する信号処理回路であり、ホワイトバラン
ス回路、ガンマ補正回路、補間演算による高解像度化を
行う補間演算回路を有する。
【0076】YC処理回路230 は、輝度信号Yおよび色差
信号R-Y,B-Y を生成する信号処理回路である。高域輝度
信号YHを生成する高域輝度信号発生回路、低域輝度信号
YLを生成する低域輝度信号発生回路、および、色差信号
R-Y,B-Y を生成する色差信号発生回路で構成されてい
る。輝度信号Yは高域輝度信号YHと低域輝度信号YLを合
成することによって形成される。
【0077】RGB画像処理回路210の詳細を説明する。
【0078】A/D 変換器500 を介してR,G,B領域毎に出
力されたRGB 信号は、まず、RGB画像処理回路210内のホ
ワイトバランス回路にてそれぞれ所定の白バランス調整
が行なわれ、さらに、ガンマ補正回路にて所定のガンマ
補正が行なわれる。
【0079】RGB画像処理回路210 内の補間演算回路
は、600×800画素の4倍の解像度を画像信号を補間処理
によって生成し、固体撮像素子120からの画像信号を高
精細画質の信号に変換して、後段の高域輝度信号発生回
路、低域輝度信号発生回路、色差信号発生回路に供給す
る。
【0080】RGB各物体像の大きさは撮影レンズ100の設
定によって、すでに同一になっているので、まず、公知
の手法によって撮影光学系の歪曲収差を補正する演算処
理を各画像信号について行う。その後の、補間処理や輝
度信号処理、色差信号処理は通常のデジタルカラーカメ
ラでの処理に準じたものとなる。補間処理は次に示すと
おりである。
【0081】まず、基準画像信号である撮像領域120aか
らのG画像信号を、次式(6)〜(9)にてそれぞれ補間
演算する。
【0082】 G2i2j=Gij …………(6) G2i(2j+1)=Gij・1/2+Gi(j+1)・1/2 …………(7) G(2i+1)2j=Gij・1/2+G(i+1)j・1/2 …………(8) G(2i+1)(2j+1)=Gij・1/4+Gi(j+1)・1/4+G(i+1)j・1/4+G(i+1)(j+1)・1/4 …………(9) これにより、図16に示すようにそれぞれ4個のG画素
から16個のG画素が生成されて、撮像領域120aからの60
0×800 画素のG画像信号が1200×1600画素に変換され
る。
【0083】次に、上式(6)〜(9)にて求めたG画像
信号のそれぞれの位置に対応して撮像領域120bからのR
画素出力を次式(10)〜(13)にて補間演算する。
【0084】 R2i2j=R(i-1)(j-1)・1/4+R(i-1)j・1/4+Ri(j-1)・1/4+Rij・1/4 …………(10) R2i(2j+1)=R(i-1)j・1/2+Rij・1/2 …………(11) R(2i+1)2j=Ri(j-1)・1/2+Rij・1/2 …………(12) R(2i+1)(2j+1)=Rij …………(13) 前述のようにR物体像の撮像領域とB物体像の撮像領域は
G物体像の撮像領域に対して1/2画素だけずらした配置に
なっているため、式(13)のようにij番地の元出力を(2
i+1)(2j+1)番地に適用している。
【0085】同様に、R画素と同様に撮像領域120cから
のB画素を上式(6)〜(9)にて求めたG画像信号のそ
れぞれの位置に対応して次式(14)〜(17)にて補間演
算する。
【0086】 B2i2j=B(i-1)(j-1)・1/4+B(i-1)j・1/4+Bi(j-1)・1/4+Bij・1/4 …………(14) B2i(2j+1)=B(i-1)j・1/2+Bij・1/2 …………(15) B(2i+1)2j=Bi(j-1)・1/2+Bij・1/2 …………(16) B(2i+1)(2j+1)=Bij …………(17) 以上の処理により、撮像領域120a、120b、120cからの各
600×800画素のRGB 信号が高精細画質の1200×1600画素
のRGB 信号に変換される。
【0087】YC処理回路230内の高域輝度信号発生回路
は、色成分信号の中で最も高い空間周波数成分を有する
色信号から高域輝度信号YHを形成する公知の信号形成回
路である。低域輝度信号発生回路は、R,G,B すべての色
成分を含む信号から低域周波数の輝度信号YLを形成する
公知の信号形成回路である。また、色差信号発生回路
は、高精細のRGB 信号から色差信号R-Y,B-Y を演算する
公知の演算回路である。
【0088】記録再生系30は、メモリへの画像信号の出
力と、液晶モニタ4への画像信号の出力とを行う処理系
であり、メモリへの画像信号の書き込みおよび読み出し
処理を行なう記録処理回路300 と、メモリから読み出し
た画像信号を再生して、モニタ出力とする再生処理回路
310 とを含む。より詳細には、記録処理回路300 は、静
止画像および動画像を表わすYC信号を所定の圧縮形式に
て圧縮し、また、圧縮データを読み出した際に伸張する
圧縮伸張回路を含む。圧縮伸張回路は、信号処理のため
のフレームメモリなどを含み、このフレームメモリに画
像処理系20からのYC信号をフレーム毎に蓄積して、それ
ぞれ複数のブロック毎に読み出して圧縮符号化する。圧
縮符号化は、たとえば、ブロック毎の画像信号を2次元
直交変換、正規化およびハフマン符号化することにより
行なわれる。
【0089】再生処理回路310 は、輝度信号Y および色
差信号R-Y,B-Y をマトリックス変換してたとえばRGB 信
号に変換する回路である。再生処理回路310 によって変
換された信号は液晶モニタ4に出力され、可視画像が表
示再生される。
【0090】一方、制御系40は、外部操作に応動して撮
像系10、画像処理系20、記録再生系30をそれぞれ制御す
る各部の制御回路を含み、レリーズボタン6の押下を検
出して、固体撮像素子120 の駆動、RGB画像処理回路210
の動作、記録処理回路300の圧縮処理などを制御する。
具体的には、レリーズボタン6の操作を検出する操作検
出回路410 と、その検出信号に応動して各部を制御し、
撮像の際のタイミング信号などを生成して出力するシス
テム制御部400 と、このシステム制御部400 の制御の下
に固体撮像素子120 を駆動する駆動信号を生成する固体
撮像素子の駆動回路420 とを含む。
【0091】次に、本実施の形態による撮像装置の動作
を図14及び図17を用いて説明する。まず、メインス
イッチ5をオンとすると、各部に電源電圧が供給されて
動作可能状態となる。次に、メモリに画像信号を記録可
能か否かが判定される。この際に、残り容量に応じて撮
影可能記録枚数が液晶モニタ4の残り枚数表示13に表示
される。その表示を見た操作者は、撮影可能であれば、
被写界にカメラを向けて、レリーズボタン6を押下す
る。
【0092】レリーズボタン6を半分だけ押下すると、
露光時間の算出が行なわれる。すべての撮影準備処理が
終了すると、撮影可能となり、その表示が撮影者に報じ
られる。これにより、レリーズボタン6が終端まで押下
されると、操作検出回路410はシステム制御回路400 に
その検出信号を送出する。その際に、あらかじめ算出さ
れた露光時間の経過をタイムカウントして、所定の露光
時間が経過すると、駆動回路420 にタイミング信号を供
給する。これにより、駆動回路420 は水平および垂直駆
動信号を生成して露光された1600×800画素のそれぞれ
を水平および垂直方向に順次読み出す。
【0093】読み出されたそれぞれの画素は、A/D 変換
器500 にて所定のビット値のデジタル信号に変換され
て、画像処理系20のRGB画像処理回路210 に順次供給さ
れる。RGB画像処理回路210 では、これらをそれぞれホ
ワイトバランス、ガンマ補正を施した状態にて画素の解
像度を4倍にする補間処理を行なって、YC処理回路230
に供給する。
【0094】YC処理回路230 では、その高域輝度信号発
生回路にて、RGBそれぞれの画素の高域輝度信号YHを生
成し、同様に、低域輝度信号発生回路にて低域輝度信号
YLをそれぞれ演算する。演算した結果の高域輝度信号YH
は、ローパス・フィルタを介して加算器に出力される。
同様に、低域輝度信号YLは、高域輝度信号YHが減算され
てローパス・フィルタを通って加算器に出力される。こ
れにより、高域輝度信号YHとその低域輝度信号との差YL
-YH が加算されて輝度信号Yが得られる。同様に、色差
信号発生回路では、色差信号R-Y,B-Y を求めて出力す
る。出力された色差信号R-Y,B-Y は、それぞれローパス
・フィルタを通った成分が記録処理回路300 に供給され
る。
【0095】次に、YC信号を受けた記録処理回路300
は、それぞれの輝度信号Yおよび色差信号R-Y,B-Y を所
定の静止画圧縮方式にて圧縮して、順次メモリに記録す
る。
【0096】メモリに記録された静止画像または動画像
を表わす画像信号からそれぞれの画像を再生する場合に
は、再生ボタン9を押下すると操作検出回路410 にてそ
の操作を検出して、システム制御部400 に検出信号を供
給する。これにより記録処理回路300 が駆動される。駆
動された記録処理回路300 は、メモリから記録内容を読
み取って、液晶モニタ4に画像を表示する。操作者は、
所望の画像を選択ボタンなどの押下により選択する。
【0097】以上が本発明の実施の形態の説明である
が、本発明は、これら実施の形態の構成に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲の記載で示した機能、また
は、実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であ
ればどのようなものであっても適用できるものである。
【0098】例えば、以上の実施の形態では、色分解の
ための光学フィルタは、赤、緑、青の原色フィルタを用
いているが、本発明は、これらに代えてシアン、マゼン
タ、イエローの補色フィルタを用いるようにても適用で
きるものである。
【0099】また、以上の実施の形態では、最も視感度
の高い(緑色)物体像を基準として、その他の視感度
(色)の物体像との物体距離の変化による間隔の変化つ
いてれを説明しているが、これは、最も視感度の高い
(緑色)物体像を基準としない場合であっても本発明は
適用できるものである。
【0100】また、本発明は、特許請求の範囲、また
は、実施の形態の構成の全体若しくは一部が、1つの装
置を形成するものであっても、他の装置と結合するよう
なものであっても、装置を構成する要素となるようなも
のであってもよい。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
温度変化による画像性能の劣化を抑えることのできる撮
像装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカラーカメ
ラの撮像系の断面図である。
【図2】図1の撮像系の固体撮像素子の正面図である。
【図3】図1の撮像系の絞りの正面図である。
【図4】図1の撮像系の光学フィルターの形成範囲を表
す図である。
【図5】図1の撮像系の撮影レンズを光射出側から見た
図である。
【図6】図1の撮像系の光学フィルターの分光透過率特
性を表す図である。
【図7】図1の撮像系の色純度補正フィルタの分光透過
率特性を表す図である。
【図8】図1の撮像系のフォトクロミックガラスの分光
透過率特性を表す図である。
【図9】図1の撮像系の透過率分布型フィルターの透過
率分布を表す図である。
【図10】図1の撮像系の撮影レンズのOTF特性を表
す図である。
【図11】図1の撮像系の点像の輝度分布を表す図であ
る。
【図12】図1の撮像系のレンズ部の間隔設定を説明す
るための図である。
【図13】図1の撮像系の無限遠物体の像の位置を説明
するための図である。
【図14】図1のデジタルカラーカメラの信号処理系の
ブロック図である。
【図15】図1の撮像系のG画像用の撮像領域に対する
R画素用の撮像領域とB画素用の撮像領域の位置関係を
示す図である。
【図16】図1のデジタルカラーカメラの補間処理の説
明図である。
【図17】図1のデジタルカラーカメラの全体構成を表
す図である。
【符号の説明】
1 カメラ本体 2 照明光取り込み窓 3 ファインダー前枠 4 カラー液晶モニタ 5 メインスイッチ 6 レリーズ釦 7、8、9 スイッチ 10 撮像系 11 ファインダー接眼窓 12 プリズム 13 撮影可能な残り枚数の表示 14 接続端子 51a、51b、51c イメージサークル 52a、52b、52c 撮影レンズ上に形成された光
学フィルター 53a、53b、53c 固体撮像素子上に形成された
光学フィルター 54a、54b、54c 透過率分布型フィルター 100 撮影レンズ 100a、100b、100c 撮影レンズのレンズ部 110 絞り 120 固体撮像素子

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の撮像領域を備えた撮像素子と、該
    撮像素子上に物体像を形成する撮影レンズとを有する撮
    像装置において、 前記撮影レンズは一体化された複数のレンズ部を備えて
    なり、該複数のレンズ部は前記複数の撮像領域上に物
    像を各々形成するとともに線膨張係数αLが次式を満た
    すことを特徴とする撮像装置。 【外1】 (Aは前記複数の撮像領域上に形成されるそれぞれの物
    体像の対応する個所の間隔[mm]、Pは画素ピッチ[m
    m]
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撮像装置において、前
    記複数のレンズ部の光入射側に、それぞれ色フィルタを
    配置したことを特徴とする撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の撮像装置において、前
    記色フィルタと同色の色フィルタを、前記複数のレンズ
    部に対応する前記撮像素子の複数の撮像領域上に配置し
    たことを特徴とする撮像装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の撮像装置において、前
    記レンズ部は3つであり、前記色フィルタは赤(R)色
    フィルタ、緑(G)色フィルタ、青(B)色フィルタで
    あることを特徴とする撮像装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮
    像装置において、前記レンズ部はフォトクロミックガラ
    スであることを特徴とする撮像装置。
  6. 【請求項6】 被写体光の異なる波長成分をそれぞれ受
    光するための複数の撮像部と、前記複数の撮像部に前記
    被写体光をそれぞれ案内するための、一体に構成される
    複数の光学系とを有し、前記複数の光学系は、以下の条
    件を満たすことを特徴とする撮像装置、 【外2】 但し、αLは前記一体的に構成される複数の光学系の線
    膨張係数、Aは前記複数の撮像部に形成されるそれぞれ
    の被写体像の対応する個所の間隔[mm]である。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の撮像装置において、前
    記被写体の異なる波長成分は、それぞれ異なるスペクト
    ル分布の光の代表波長であることを特徴とする撮像装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の撮像装置におい
    て、前記被写体の異なる波長成の1つは、視感度のピー
    ク波長を含んだスペクトル分布に含まれることを特徴と
    する撮像装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載の撮
    像装置において、前記異なる波長成分は、それぞれ赤、
    緑、青のいずれか2つの色成分であることを特徴とする
    撮像装置。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれか1項に記載
    撮像装置において、前記複数の光学系は、前記異なる波
    長成分をそれぞれ抽出するためのフィルタを有すること
    を特徴とする撮像装置。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、前記複数の光学系は、それぞれ単
    レンズを有することを特徴とする撮像装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の撮像装置におい
    て、前記単レンズは、ガラス材又は樹脂材により一体的
    に形成されることを特徴とする撮像装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の撮像装置におい
    て、前記一体的に形成される単レンズの間に遮光膜を有
    することを特徴とする撮像装置。
  14. 【請求項14】 請求項6〜13のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、前記複数の光学系は、それぞれ赤
    外カットフィルタを備える単レンズを有することを特徴
    とする撮像装置。
  15. 【請求項15】 請求項6〜14のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、前記複数の光学系は、それぞれフ
    ォトクロミックガラスを有することを特徴とする撮像装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項6〜15のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、前記複数の光学系は、それぞれ色
    純度補正フィルタを有することを特徴とする撮像装置。
  17. 【請求項17】 請求項6〜16のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、所定被写体距離D[m]を前記複
    数の光学系の撮像画角θ[°]の関数として 【外3】 と定義したとき、被写体が前記所定被写体距離にあると
    きと無限遠にあるときとで、前記複数の撮像部の1つが
    受光する被写体像と前記複数の撮像部の他の1つが受光
    する被写体像との対応する個所の間隔の変化が前記撮像
    部の画素ピッチの2倍よりも小さくなるように、前記複
    数の光学系の光軸間隔を設定することを特徴とする撮像
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項6〜17のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、前記複数の撮像部は、一体的に構
    成されることを特徴とする撮像装置。
  19. 【請求項19】 請求項6〜18のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、前記複数の撮像部は、平面状に構
    成されることを特徴とする撮像装置。
  20. 【請求項20】 請求項6〜18のいずれか1項に記載
    の撮像装置において、前記複数の光学系がそれぞれ外光
    を取り込む複数の開口を有することを特徴とする撮像装
    置。
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