JPH10326952A - 配線板用材料及び配線板 - Google Patents

配線板用材料及び配線板

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JPH10326952A
JPH10326952A JP13415397A JP13415397A JPH10326952A JP H10326952 A JPH10326952 A JP H10326952A JP 13415397 A JP13415397 A JP 13415397A JP 13415397 A JP13415397 A JP 13415397A JP H10326952 A JPH10326952 A JP H10326952A
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Japan
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resin
wiring board
layer
polycarbodiimide
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JP13415397A
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English (en)
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Katsuhiko Ito
克彦 伊藤
Shingo Yoshioka
愼悟 吉岡
Hiroki Tamiya
裕記 田宮
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電シート2の一方の面に、Bステージ化し
た樹脂組成物の層1を形成したシート状の配線板用材料
であって、樹脂組成物が割れたり、剥がれたりし難い配
線板用材料であり、かつ、耐熱性が優れた配線板が得る
ことが可能な配線板用材料を提供する。 【解決手段】 樹脂組成物に、ポリカルボジイミド樹脂
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器等
に使用される配線板、及びその配線板の製造に用いられ
る材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、多層の配線板は、例えば以下
の方法で製造されている。材料として、表面に銅箔の層
を有する銅張り積層板と、ガラスクロス等の基材にエポ
キシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、
加熱乾燥してBステージ化(半硬化)させたプリプレグ
と、外層用の銅箔とを用いる。そして、銅張り積層板の
表面の銅箔をエッチングして内層用の導体回路を形成し
た後、必要に応じてその導体回路に接着強度を高めるた
めに表面処理を行い、次いでその導体回路の表面に、プ
リプレグを所要枚数積層すると共に、外層用の銅箔をそ
のプリプレグの外側に積層する。次いで、加熱・加圧し
て成形を行うことにより一体化して、内層用の導体回路
と外層の銅箔の間に、基材及び樹脂組成物よりなる絶縁
層を形成した多層の積層板を製造する。
【0003】次いで、この多層の積層板に穴あけをした
後、この穴の壁面に内層用の導体回路と外層の銅箔を導
通するメッキ金属皮膜を形成し、次いで外層の銅箔をエ
ッチングして外層用の導体回路を形成することにより多
層の配線板は製造されている。
【0004】なお、プリプレグ中のBステージ化した樹
脂組成物は、成形時に加熱すると、いったん粘度が低下
して流動し、さらに加熱すると硬化して流れなくなる挙
動を示す。そのため、積層板を製造するときにプリプレ
グを用いると、積層時の取り扱いにおいては固体状のた
め扱いやすく、また、加熱・加圧して成形する途中で、
ある程度流動性を有するため、多少の樹脂量のばらつき
があっても、基材の厚みで調整されてほぼ均一の厚みの
積層板が得られるという特徴等があり一般に用いられて
いる。
【0005】近年の配線板の高密度化や、生産性向上の
要求に伴い、内層用の導体回路と外層の銅箔の間に、基
材を用いない樹脂組成物単独の絶縁層を形成した、一般
にビルドアップ基板と呼ばれる多層の積層板の使用が検
討されている。このビルドアップ基板は、内層用の導体
回路の表面に、樹脂組成物単独の絶縁層と、導体層と
を、交互に積み上げながら製造した積層板であり、基材
の厚みに制限されないため絶縁層の厚みを薄くできると
いう特徴や、基材を用いないためレーザーや薬品で穴あ
けが可能となり、穴あけの生産性が高いという特徴があ
り、増加しつつある。
【0006】このビルドアップ基板の絶縁層を形成する
方法としては、Aステージ状態の樹脂組成物を内層用の
導体回路の表面に塗布した後、硬化させて形成する方法
が一般に行われている。しかし、この方法の場合、形成
時に樹脂組成物が流動しやすく、絶縁層の厚みのばらつ
きが発生しやすいという問題があった。
【0007】そのため、導電シートの一方の面に、Aス
テージ状態の樹脂組成物を塗布した後、加熱して硬化を
多少進める方法等により製造した、Bステージ化した樹
脂組成物の層が一方の面に露出すると共に、その層と接
着した導電シートが他方の面に露出するシート状配線板
用材料を用いて、その樹脂組成物の層を内層用の導体回
路と接するように積層した後、成形することにより接着
して、内層用の導体回路と外層の導電シートの間に、樹
脂組成物単独の絶縁層を形成する方法が検討されてい
る。
【0008】なお、この配線板用材料のBステージ化し
た樹脂組成物の層は、一般に脆く、取り扱い等において
樹脂組成物に大きな力が加わると樹脂組成物が割れ、そ
の樹脂組成物の割れた粉が導電シートから剥がれる場合
があった。そして樹脂組成物が割れたり、剥がれた配線
板用材料を用いて製造した配線板は、割れたり、剥がれ
た部分の絶縁部に空洞が生じ、内層用の導体回路と外層
の導体回路の間の絶縁性が低下する場合があった。
【0009】また、樹脂組成物が剥がれた配線板用材料
を用いた場合、樹脂組成物の破断された粉が積層時に浮
遊して、導電シートの樹脂組成物の層を形成していない
側の面に付着し、得られる積層板表面の導電シート上に
微細な樹脂硬化物が形成される場合があった。そして、
配線板を製造するために、この樹脂硬化物が形成された
積層板表面の外層の導電シートをエッチングして導体回
路を形成した場合、樹脂硬化物が形成された部分がエッ
チングされずに残って、導体回路間にショート不良が発
生する場合があり、配線板の歩留まりが低いという問題
もあった。
【0010】そのため、特開昭58−83014や特開
昭59−138254に記載されたような、ポリアクリ
ルゴム等の架橋ゴムを配合することにより柔構造とした
樹脂組成物を用いて、樹脂組成物が割れたり、剥がれた
りし難くすることが検討されている。しかしこの架橋ゴ
ムを配合した樹脂組成物を用いた場合、得られる配線板
のガラス転移温度が低く、耐熱性が低いという問題があ
った。
【0011】そのため、Bステージ化した樹脂組成物の
層が、一方の面に露出すると共に、その層と接着した導
電シートが、他方の面に露出するように形成した、基材
を用いないシート状配線板用材料であって、樹脂組成物
が割れたり、剥がれたりし難く、かつ、耐熱性が優れた
配線板が得られる配線板用材料が求められている。ま
た、この配線板用材料を用いた配線板であって、表面の
導電シート上に形成される樹脂硬化物の数が少なく、か
つ、耐熱性が優れた配線板が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、Bステージ化した樹脂組成物の層が、一方の面に
露出すると共に、その層と接着した導電シートが、他方
の面に露出するシート状の配線板用材料であって、樹脂
組成物が割れたり、剥がれたりし難い配線板用材料であ
り、かつ、耐熱性が優れた配線板を得ることが可能な配
線板用材料を提供することにある。
【0013】また、Bステージ化した樹脂組成物の層
が、一方の面に露出すると共に、その層と接着した導電
シートが、他方の面に露出する配線板用材料を用いた配
線板であって、表面の導電シート上に形成される樹脂硬
化物の数が少なく、かつ、耐熱性が優れた配線板を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
配線板用材料は、ポリカルボジイミド樹脂を含有するB
ステージ化した樹脂組成物の層が、一方の面に露出する
と共に、その樹脂組成物の層と接着した導電シートが、
他方の面に露出するシート状の配線板用材料であること
を特徴とする。
【0015】本発明の請求項2に係る配線板用材料は、
請求項1記載の配線板用材料において、樹脂組成物に、
エポキシ樹脂をも含有することを特徴とする。
【0016】本発明の請求項3に係る配線板用材料は、
請求項1又は請求項2記載の配線板用材料において、樹
脂組成物の層の厚みが、30〜150μmであることを
特徴とする。
【0017】本発明の請求項4に係る配線板は、請求項
1から請求項4のいずれかに記載の配線板用材料の樹脂
組成物の層を、導体回路と接するように積層した後、成
形して成ることを特徴とする。
【0018】本発明によると、樹脂組成物の層に可撓性
が優れたポリカルボジイミド樹脂を含有するため、耐衝
撃性が高くなり、樹脂組成物が割れたり、剥がれたりし
難くなると考えられる。またこのポリカルボジイミド樹
脂は、硬化時に強固に架橋して高分子化するため、耐熱
性が優れた硬化物となり、得られる配線板の耐熱性が優
れると考えられる。
【0019】また、樹脂組成物の層にエポキシ樹脂をも
含有する場合、エポキシ樹脂とポリカルボジイミド樹脂
が反応して硬化するため、ポリカルボジイミド樹脂とエ
ポキシ樹脂が架橋構造中に共存し、耐熱性が優れたポリ
カルボジイミド樹脂の特徴と、接着強度の優れたエポキ
シ樹脂の特徴を併せ持つ硬化物となり、得られる配線板
の耐熱性が特に優れると考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1から請求項3に
係る配線板用材料を、図面に基づいて説明する。図1は
本発明の請求項1から請求項3に係る配線板用材料の、
一実施の形態を説明する正面図である。
【0021】本発明の請求項1から請求項3に係る配線
板用材料は、図1に示すように、Bステージ化した樹脂
組成物の層1が、一方の面に露出すると共に、その樹脂
組成物の層1と接着した導電シート2が、他方の面に露
出する、シート状の配線板用材料である。
【0022】この樹脂組成物の層1を形成する方法とし
ては、導電シート2の一方の面に、Aステージ状の樹脂
組成物を塗布した後、加熱して樹脂組成物の硬化を進め
ることによってBステージ化する方法や、導電シート2
の一方の面に、Bステージ化した樹脂組成物を加熱溶融
させて塗布した後、冷却する方法等で製造される。この
樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定するもの
ではなく、転写コーター法や、カーテンコーター法や、
コンマコーター法等が挙げられる。
【0023】なお、このBステージ化した樹脂組成物の
層1には、ポリカルボジイミド樹脂を含有することが重
要である。ポリカルボジイミド樹脂を含有しない場合
は、樹脂組成物の層1が脆くなり、取り扱い等において
樹脂組成物が割れたり、剥がれたりし易くなる。
【0024】このポリカルボジイミド樹脂は、下記式
(a)に示すような、有機ジイソシアネートの脱炭酸縮
合反応により、一般に得られる化合物である。なお、式
(a)中、Rは2価の有機基を表し、nは2以上の数を
表す。そして、ポリカルボジイミド樹脂を加熱すると、
下記式(b)及び式(c)に示すような反応等により架
橋して高分子化すると考えられ、耐熱性が優れた硬化物
となる。
【0025】
【化1】
【0026】なお、ポリカルボジイミド樹脂の、有機ジ
イソシアネートが重合する重合度は、ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィ(GPC)により求めるポリスチ
レン換算で、数平均分子量が、2000〜10000
0、より好ましくは5000〜50000であることが
好ましい。2000未満の場合は、得られる配線板用材
料の樹脂組成物の層1が脆くなり、取り扱い等において
樹脂組成物が割れたり、剥がれたりする場合がある。な
お、100000以上のポリカルボジイミド樹脂は、製
造が困難である。
【0027】上記ポリカルボジイミド樹脂の製造に用い
る有機ジイソシアネートとしては、芳香族系、脂環式
系、脂肪族系等のジイソシアネートが挙げられ、複数の
ジイソシアネートを併用しても良い。なお、芳香族系の
有機ジイソシアネートを用いると、得られる配線板の耐
熱性が特に優れ好ましい。なお、イソシアネート基を3
個以上有する有機多官能イソシアネートを併用すること
もできる。
【0028】上記有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反
応は、反応触媒を用いて一般に行われる。この反応に用
いる反応触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン
−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オ
キシド、及びこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホ
レンオキシドが挙げられる。
【0029】なお、この反応は、無溶剤下でも進行する
が、溶剤を用いて反応させると、得られる樹脂組成物の
粘度が低くなり、導電シート2に塗布する際の作業性が
向上し好ましい。用いることができる溶剤としては、ト
ルエン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等の単
独、混合物等が挙げられるが、反応に用いる有機ジイソ
シアネートに応じて適宜選択可能である。
【0030】なお、樹脂組成物には、ポリカルボジイミ
ド樹脂を必須として含有し、必要に応じて、エポキシ樹
脂等のポリカルボジイミド樹脂以外の熱硬化性樹脂や、
その硬化剤、硬化促進剤、無機充填材等をも含有するこ
とができる。なおエポキシ樹脂をも含有すると、得られ
る配線板の、樹脂組成物の層1が硬化した部分と導電シ
ート2との接着強度や、耐熱性が特に優れ好ましい。こ
のエポキシ樹脂の配合量としては、ポリカルボジイミド
樹脂とエポキシ樹脂の合計100重量部に対して、エポ
キシ樹脂が90重量部以下となるよう配合すると好まし
い。なお、エポキシ樹脂の硬化剤等をも配合する場合に
は、エポキシ樹脂とその硬化剤等の合計の配合量が、9
0重量部以下となるよう配合すると好ましい。
【0031】なお、エポキシ樹脂のように自己硬化性の
低い熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を硬化するための硬
化剤等も含有することが一般には必要であるが、ポリカ
ルボジイミド樹脂は、エポキシ樹脂と反応して、エポキ
シ樹脂を硬化可能なため、ポリカルボジイミド樹脂を含
有していれば、他の硬化剤等は含有していなくても良
い。そして、このポリカルボジイミド樹脂とエポキシ樹
脂の架橋した硬化物は、耐熱性が優れたポリカルボジイ
ミド樹脂の特徴と、接着強度の優れたエポキシ樹脂の特
徴を併せ持つため、得られる配線板の、樹脂組成物の層
1が硬化した部分と導体回路との接合部の耐熱性が特に
高くなる。
【0032】なお、エポキシ樹脂としては、例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、及びこれら
のエポキシ樹脂構造体中の水素原子の一部をハロゲン化
することにより難燃化したエポキシ樹脂等が挙げられ
る。
【0033】また、含有することができる硬化剤として
は、例えば、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミド等の
アミド系硬化剤や、アンモニア、トリエチルアミン等の
アミン系硬化剤や、フェノールノボラック樹脂、クレゾ
ールノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤や、酸無水
物類等が挙げられる。含有することができる硬化促進剤
としては、例えば、2−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール類、トリエチレンジアミン等の三級アミン類、ト
リブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のテトラフ
ェニルボロン塩等が挙げられる。含有することができる
無機充填材としては、水酸化アルミニウム、タルク等が
挙げられる。
【0034】なお、樹脂組成物の層1を形成する樹脂組
成物は、Bステージ化されていることが重要である。こ
の「Bステージ」とは、室温では流動性がないが、加熱
を行うと溶融して流動性を持ち、更に加熱すると粘度の
上昇が始まり、やがて流動性がなくなる挙動をもつ状態
を表すものである。なお、樹脂組成物がAステージの場
合、樹脂組成物が流動して、得られる配線板の絶縁層の
厚みのばらつきが大きくなりやすいという問題や、配線
板用材料の取り扱い性が低いという問題が発生する。ま
た、樹脂組成物がCステージの場合、加熱しても樹脂組
成物が流動せず、配線板が製造できないという問題が発
生する。
【0035】なお、樹脂組成物のBステージ化の硬化程
度(例えば溶融粘度)は、積層時の取り扱いにおいては
固体状であり、加熱・加圧して成形する途中で、内層用
の導体回路間の凹部を埋めることが可能な程度の流動性
を有する硬化状態とする。
【0036】また、樹脂組成物の層1の厚みは、特に限
定するものではなく、任意の厚みの樹脂組成物の層1を
形成して良いが、30〜150μmであると好ましい。
30μm未満の場合は、配線板を製造するとき、配線板
用材料と積層した導体回路間の凹部が埋まりにくく、得
られる配線板の絶縁層中に気泡が残留して、絶縁信頼性
が低下する場合がある。また、150μmを越える場合
は、配線板の製造時に、穴開けの生産性が低下する場合
がある。
【0037】本発明に用いる導電シート2としては、銅
箔、ニッケル箔、ステンレス箔や、これらの複合箔等が
挙げられるが、銅箔を用いると、得られる配線板の電気
的信頼性が優れ好ましい。この導電シート2の厚みとし
ては、12〜70μm程度のものが一般に使用される。
なお、導電シート2の、樹脂組成物の層1を形成する面
が粗面化されていると、得られる配線板の、樹脂組成物
の層1が硬化した部分と導電シート2との接着強度が特
に優れ好ましい。
【0038】そして配線板用材料の樹脂組成物の層1
を、導体回路と接するように積層した後、加熱・加圧し
て成形することにより、配線板用材料と導体回路を接着
して、内層用の導体回路と外層の導電シート2の間に、
樹脂組成物単独の絶縁層を形成した多層の積層板を製造
する。次いで、この多層の積層板に穴あけをした後、こ
の穴の壁面に内層用の導体回路と外層の導電シート2を
導通するメッキ金属皮膜を形成し、次いで外層の導電シ
ート2をエッチングして外層用の導体回路を形成する等
の加工を行うことにより配線板(本発明の請求項4に係
る配線板)を製造する。
【0039】なお一般に、樹脂組成物の層1と積層する
導体回路は、絶縁板の表面に形成された導体回路であ
り、その製造方法としては、例えば、熱硬化性樹脂のシ
ートの片面又は両面に銅箔等の金属箔が張られている板
や、ガラス等の無機質繊維やポリエステル、ポリアミ
ド、木綿等の有機質繊維のクロス、ペーパー等の基材
を、熱硬化性樹脂で接着し、片面又は両面に金属箔が張
られている板等を用いて、金属箔をエッチングして導体
回路を表面に形成したもの、及び、金属箔が張られてい
ない上記板の表面に金属メッキを行い、導体回路を表面
に形成したもの等が挙げられる。なお、この板には、内
部にも導体回路を有していてもよく、その壁面に金属層
を形成したスルホールや、その内部に銀ペースト等の導
電体を充填したスルホールを有していてもよい。なお、
絶縁板に用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポ
リエステル樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の
熱硬化性樹脂や、これらの熱硬化性樹脂に無機充填材等
を配合したもの等が挙げられる。
【0040】なお、樹脂組成物の層1と積層する導体回
路は、酸化処理等を行って表面を粗化した後、樹脂組成
物の層1と積層すると、得られる配線板の、樹脂組成物
の層1が硬化した部分と導体回路との間の接着強度が特
に優れ好ましい。
【0041】
【実施例】
(実施例1〜3)樹脂組成物の層を形成する樹脂組成物
の原料として、GPCより求めるポリスチレン換算で、
数平均分子量が約9000、重量平均分子量が約180
00のポリカルボジイミド樹脂[日清紡績株式会社製、
商品名MT−02T]と、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂[東都化成株式会社製、商品名YD−128]を使
用した。
【0042】そして、これらのポリカルボジイミド樹脂
及びエポキシ樹脂を、表1に示す重量部配合した後、実
施例2及び3は均一に混合して、Aステージ状態の樹脂
組成物を得た。次いで、厚み18μmの銅箔[古河サー
キットフォイル株式会社製、商品名GT]の一方の面
に、コンマコーターを用いて樹脂組成物を塗布した後、
130℃で20分加熱してその樹脂組成物をBステージ
化し、ポリカルボジイミド樹脂を含有する、厚み50μ
mのBステージ化した樹脂組成物の層が、一方の面に露
出すると共に、その樹脂組成物の層と接着した導電シー
トが、他方の面に露出する、シート状の配線板用材料を
得た。
【0043】
【表1】
【0044】また、銅箔を除く厚み1.0mmのガラス
基材エポキシ樹脂両面銅張り積層板[松下電工株式会社
製、商品名R−1766]の表面の銅箔(厚み35μ
m)をエッチングして、銅回路を一方の面に有する基板
を得た。次いでこの基板に、一般に黒化処理と呼ばれる
酸化処理を行い、銅回路の表面に酸化銅皮膜を形成して
祖面化した。
【0045】次いで、配線板用材料の樹脂組成物の層
を、基板表面の銅回路と接するように積層した後、ステ
ンレス製平板で両側から挟み、次いで、100℃、0.
5MPaの条件で加熱・加圧した後、引き続いて170
℃、3MPa、120分の条件で加熱・加圧して成形
し、配線板製造用の多層の積層板を得た。
【0046】(比較例1)銅箔の一方の面に塗布するA
ステージ状態の樹脂組成物として、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂と、硬化剤としてジシアンジアミドを配合
して混合した、一般にガラスクロスに含浸してプリプレ
グの製造に用いられるエポキシ樹脂組成物を用いたこと
以外は、実施例1〜3と同様にして、配線板用材料、及
び配線板製造用の多層の積層板を得た。
【0047】(評価、結果)各実施例及び比較例1で得
られた配線板用材料の樹脂組成物割れ性、及び、多層の
積層板の、表面の銅箔上に形成される樹脂硬化物発生率
と、はんだ耐熱性と、表面の銅箔の引きはがし強さを測
定した。
【0048】樹脂組成物割れ性は、曲げ試験機で2mm
径の180度曲げ試験を行った後、樹脂組成物の層中の
樹脂組成物が割れたり、剥がれたりした部分の有無を、
目視で評価した。
【0049】また、樹脂硬化物発生率は、多層の積層板
の表面の銅箔上に形成された樹脂硬化物の有無を目視で
評価し、樹脂硬化物が形成された積層板の比率を求め
た。はんだ耐熱性は、JIS規格C6481に準じて多
層の積層板を260℃のはんだに浸漬し、膨れや剥がれ
が発生するまでの時間を求めた。表面の銅箔の引きはが
し強さは、JIS規格C6481に基づき測定した。
【0050】その結果は、表1に示したように、各実施
例は、比較例1と比べて、配線板用材料の樹脂組成物割
れ性が優れると共に、積層板の表面の銅箔上に形成され
る樹脂硬化物の発生率が低いことが確認された。
【0051】また、各実施例は、比較例1と比べて、は
んだ耐熱性が優れると共に、表面の銅箔の引きはがし強
さが優れた配線板製造用の多層の積層板が得られること
が確認された。
【0052】また、樹脂組成物の層にエポキシ樹脂をも
含有する実施例2及び3は、実施例1と比べて、はんだ
耐熱性が優れると共に、表面の銅箔の引きはがし強さが
優れた配線板製造用の多層の積層板が得られることが確
認された。
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1から請求項3に係る配
線板用材料は、樹脂組成物の層にポリカルボジイミド樹
脂を含有するため、樹脂組成物が割れたり、剥がれたり
し難い配線板用材料となり、かつ、耐熱性が優れた配線
板を得ることが可能となる。
【0054】本発明の請求項4に係る配線板は、樹脂組
成物の層にポリカルボジイミド樹脂を含有した配線板用
材料を用いているため、表面の導電シート上に形成され
る樹脂硬化物の数が少なく、かつ、耐熱性が優れた配線
板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1から請求項3に係る配線板用
材料の、一実施の形態を説明する正面図である。
【符号の説明】
1 樹脂組成物の層 2 導電シート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカルボジイミド樹脂を含有するBス
    テージ化した樹脂組成物の層が、一方の面に露出すると
    共に、その樹脂組成物の層と接着した導電シートが、他
    方の面に露出することを特徴とするシート状配線板用材
    料。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物に、エポキシ樹脂をも含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の配線板用材料。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物の層の厚みが、30〜150
    μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    の配線板用材料。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の配線板用材料の樹脂組成物の層を、導体回路と接する
    ように積層した後、成形して成ることを特徴とする配線
    板。
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