JPH10326553A - 電磁リレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立における生産効率が良好で、直流電流開
閉時における開閉性能を向上する永久磁石を備えた電磁
リレーを提供する。 【解決手段】 ボディ１と、コイルを巻回した鉄芯の一
端部に結合された継鉄に回動自在に支持された接極子が
鉄芯の他端部に吸引及び釈放される電磁石部と、固定接
点３２ａと接離する可動接点３１ａを有して接極子によ
って開閉駆動される接点部３と、接点部３の近傍に配設
されて可動接点３１ａ及び固定接点３２ａ間に発生した
アークを駆動する永久磁石５と、外部へ開口して永久磁
石５を収容する収容凹部６１を設けるとともにボディ１
に嵌着される樹脂製のケース６と、を備えた電磁リレー
において、前記ケース６は溶融して前記永久磁石５を固
定する封止孔６３が、前記収容凹部６１の近傍位置に設
けられた構成にしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、接極子が接点部を
開閉駆動して、接点部に負荷された直流電流を開閉する
電磁リレーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電磁リレーとして、ボデ
ィと、コイルを巻回した鉄芯の一端部に結合された継鉄
に回動自在に支持された接極子が鉄芯の他端部に吸引及
び釈放される電磁石部と、固定接点と接離する可動接点
を有して接極子によって開閉駆動される接点部と、接点
部近傍に配設されて固定接点及び可動接点間に発生した
アークを駆動する永久磁石と、外方へ開口して永久磁石
を収容する収容凹部を設けるとともにボディに嵌着され
る樹脂製のケースと、を備えた構成のものが存在する。

【０００３】さらに詳しくは、直流電流が接点部に負荷
されて、固定接点及び可動接点間に発生したアークが、
永久磁石の磁力でもって駆動され引き延ばされて、その
結果冷却されて早期に消弧する。すなわち、永久磁石は
直流電流開閉時における開閉性能を向上するために設け
られて、また、ケースの収容凹部に接着剤でもって固定
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の電磁リ
レーでは、永久磁石を接点部近傍に配設し、固定接点及
び可動接点間に発生したアークを駆動して、直流電流遮
断時における遮断性能を向上できる。

【０００５】しかしながら、永久磁石はケースの収容凹
部に接着剤でもって固定されている。したがって、その
永久磁石を収容凹部に接着する接着工程が必要であっ
て、このとき接着剤の乾燥時間を必要とするので、組立
における生産効率が悪くコストアップの一つの要因にな
っていた。

【０００６】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、組立における生産効率が
良好で、直流電流開閉時における開閉性能を向上する永
久磁石を備えた電磁リレーを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、請求項１記載のものは、ボディと、コイルを巻
回した鉄芯の一端部に結合された継鉄に回動自在に支持
された接極子が鉄芯の他端部に吸引及び釈放される電磁
石部と、固定接点と接離する可動接点を有して接極子に
よって開閉駆動される接点部と、接点部近傍に配設され
て固定接点及び可動接点間に発生したアークを駆動する
永久磁石と、外部へ開口して永久磁石を収容する収容凹
部を設けるとともにボディに嵌着される樹脂製のケース
と、を備えた電磁リレーにおいて、前記ケースは溶融し
て前記永久磁石を固定する溶融突起が、前記収容凹部の
近傍位置に設けられた構成にしてある。

【０００８】請求項２記載のものは、請求項１記載のも
のにおいて、前記ケースは内部を外部から封止する封止
孔が設けられたものであって、前記溶融突起は封止孔で
もって形成された構成にしてある。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図１乃至図
３に基づいて以下に説明する。

【００１０】１はボディで、絶縁性の樹脂により、底部
を有した略直方体状に形成されて、軸孔１１ａを有した
コイル枠１１が一体成形されて底部から突設される。

【００１１】２は電磁石部で、鉄芯２１と、コイル２２
と、継鉄２３と、接極子２４とを備えて構成される。鉄
芯２１は、磁性材料により棒状に形成され、一端部２１
ａと他端部２１ｂとを有して、他端部２１ｂが鍔状に形
成され、コイル枠１１の軸孔１１ａに挿着される。

【００１２】コイル２２は、絶縁物で被覆された銅線に
より、コイル枠１１の軸孔１１ａを、すなわち鉄芯２１
を外囲して巻回され、その端末がコイル端子２２ａに結
線されている。

【００１３】継鉄２３は、磁性材料により、一方片２３
ａ及び他方片２３ｂを有して略Ｌ字型に形成され、一方
片２３ａが鉄芯２１の一端部２１ａにかしめ結合され
て、他方片２３ｂがコイル枠１１の軸孔１１ａに沿って
並設される。また、舌片を有したヒンジばね２３ｃが、
コイル枠１１の軸孔１１ａに沿って他方片２３ｂの中央
部に固定されて、舌片が他方片２３ｂ端部から導出され
る。

【００１４】接極子２４は、磁性材料により、一片２４
ａと他片２４ｂとを有して、鈍角で略Ｌ字型の長尺板状
に折曲形成されて、導出孔（図示せず）が他片２４ｂに
設けられる。そして、ヒンジばね２３ｃの舌片が導出孔
から導出されその舌片で押圧されることによって、継鉄
２３の他方片２３ｂ端部に回動自在に支持されて、一片
２４ａが鉄芯２１の他端部２１ｂに吸引及び釈放され
る。

【００１５】３は接点部で、可動接点ばね３１と固定接
点板３２とを備えて、それぞれが一対で構成されてい
る。可動接点ばね３１は、弾性を有した銅合金により、
長尺板状に形成され、一端部に銀合金からなる可動接点
３１ａを固定し、他端部が可動接点端子３１ｂとなって
いる。固定接点板３２は、銅又は銅合金の導電材料によ
り、長尺板状に形成され、一端部に銀合金からなる固定
接点３２ａを可動接点３１ａに対向するよう固定し、他
端部が固定接点端子３２ｂとなっている。

【００１６】４はカードで、絶縁性の樹脂により、断面
十字状に形成され、一方端面及び他方端面を有して、一
方端面が接極子２４の他片２４ｂに、他方端面が可動接
点ばね３１にそれぞれ当接して接点部３を開閉駆動す
る。

【００１７】５は永久磁石で、一対の固定接点板３２及
び可動接点ばね３１の間で、かつ互いに対向する可動接
点３１ａ及び固定接点３２ａの側方に位置して、すなわ
ち接点部３の近傍に配設されて、固定接点３２ａ及び可
動接点３１ａ間に発生したアークを駆動する。

【００１８】６はケースで、絶縁性の樹脂により、図３
に示すように、一面６ａを有した有底箱形に形成され、
外方へ開口した収容凹部６１と、その収容凹部６１に連
通して底部を有する有底溝６２を一面６ａ側へ設け、収
容凹部６１に永久磁石５を収容した状態でボディ１に嵌
着される。ここで、貫通孔６３ａを有した封止孔６３
が、収容凹部６１の近傍位置にて、有底溝６２の底部か
ら外方へ向かって突設され、溶融突起を形成する。

【００１９】ボディ１は電磁石部２、及び接点部３が装
着された後、ケース６が嵌着される。ボディ１と、電磁
石部２、接点部３、及びケース６との間の空隙が封止剤
でもって封止され、その封止剤から発生したケース６内
部のガスを封止孔６３の貫通孔６３ａから脱気する。そ
して、ケース６は永久磁石５を収容凹部６１に収容した
状態で、封止孔６３つまり溶融突起が加熱された押圧棒
でもって押圧されて溶融し、いわゆる熱かしめされる。
図１に示すように、封止孔６３は溶融すると樹脂が永久
磁石５側へはみ出して、永久磁石５を収容凹部６１に固
定するとともに、封止孔６３が封止されてケース６の内
部を外部から封止する。

【００２０】このものの動作を説明する。直流電圧がコ
イル端子２２ａに印加されると、鉄芯２１に巻回された
コイル２２が励磁し、鉄芯２１と、その鉄芯２１の一端
部２１ａに一方片２３ａがかしめ結合された継鉄２３
と、継鉄２３の他方片２３ｂの端部に回動自在に支持さ
れた接極子２４とで磁路を形成する。この結果、接極子
２４は一片２４ａが鉄芯２１の他端部２１ｂに吸引され
駆動力を発生し、その駆動力がカード４を介して可動接
点ばね３１に伝達されて、接点部３を開閉駆動する。そ
して、可動接点３１ａが固定接点３２ａに接触し、可動
接点端子３１ｂと固定接点端子３２ｂとが閉極して、そ
の可動接点端子３１ｂ及び固定接点端子３２ｂ間に負荷
された直流電流を通電する。

【００２１】次いで、直流電圧がコイル端子２２ａから
除去されると、接極子２４の一片２４ａが鉄芯２１の他
端部２１ｂから釈放されて、可動接点３１ａが固定接点
３２ａから開離し、可動接点端子３１ｂと固定接点端子
３２ｂとが開極して、その可動接点端子３１ｂ及び固定
接点端子３２ｂ間に負荷された直流電流を遮断する。

【００２２】この閉極時又は開極時に、可動接点３１ａ
及び固定接点３２ａ間に発生したアークは、永久磁石５
の磁力でもって駆動され引き延ばされて、その結果冷却
され早期に消弧する。

【００２３】かかる一実施形態の電磁リレーにあって
は、上記したように、封止孔６３がケース６の収容凹部
６１の近傍位置に設けられたから、封止孔６３を溶融す
ることによって永久磁石５が収容凹部６１に固定され
て、永久磁石５を収容凹部６１に接着剤でもって固定す
る接着工程が不要になって、組立における生産効率を向
上することができる。

【００２４】また、封止孔６３でもって溶融突起を形成
したから、封止孔６３が溶融することによってケース６
の内部と外部とを封止すると共に、永久磁石５を収容凹
部６１に固定して、新規に溶融突起を設けることなくシ
ンプルな構成で、組立における生産効率を向上すること
ができる。

【００２５】なお、本実施形態では、内部を外部から封
止する封止孔６３をケース６に設けて、その封止孔６３
を溶融して永久磁石を固定する溶融突起としたが、封止
孔６３及び溶融突起のそれぞれを独立して個別に設けて
もよく、また封止孔６３を設けなくてもよく、限定され
ない。

【００２６】また、本実施形態では、接点部３がカード
４を介して接極子２４によって開閉駆動されるものとし
たが、カード４を設けずに直接接極子２４で駆動されて
もよく、限定されない。

【００２７】

【発明の効果】請求項１記載のものは、溶融突起がケー
スの収容凹部の近傍位置に設けられたから、溶融突起を
溶融することによって永久磁石が収容凹部に固定され
て、永久磁石を収容凹部に接着剤でもって固定する接着
工程が不要になって、組立における生産効率を向上する
ことができる。

【００２８】請求項２記載のものは、請求項１記載のも
のの効果に加えて、内部を外部から封止する封止孔がケ
ースに設けられたものであれば、溶融突起が封止孔でも
って形成されたから、封止孔が溶融することによってケ
ースの内部と外部とを封止すると共に、永久磁石を収容
凹部に固定して、新規に溶融突起を設けることなくシン
プルな構成で、組立における生産効率を向上することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す正断面図である。

【図２】同上の側断面図である。

【図３】同上の斜視図である。

【符号の説明】

１ ボディ ２ 電磁石部 ２１ 鉄芯 ２１ａ 一端部 ２１ｂ 他端部 ２２ コイル ２３ 継鉄 ２４ 接極子 ３ 接点部 ３１ａ 可動接点 ３２ａ 固定接点 ５ 永久磁石 ６ ケース ６１ 収容凹部 ６３ 封止孔（溶融突起）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボディと、コイルを巻回した鉄芯の一端
   部に結合された継鉄に回動自在に支持された接極子が鉄
   芯の他端部に吸引及び釈放される電磁石部と、固定接点
   と接離する可動接点を有して接極子によって開閉駆動さ
   れる接点部と、接点部近傍に配設されて固定接点及び可
   動接点間に発生したアークを駆動する永久磁石と、外部
   へ開口して永久磁石を収容する収容凹部を設けるととも
   にボディに嵌着される樹脂製のケースと、を備えた電磁
   リレーにおいて、 前記ケースは溶融して前記永久磁石を固定する溶融突起
   が、前記収容凹部の近傍位置に設けられたことを特徴と
   する電磁リレー。
2. 【請求項２】 前記ケースは内部を外部から封止する封
   止孔が設けられたものであって、前記溶融突起は封止孔
   でもって形成されてなることを特徴とする請求項１記載
   の電磁リレー。