JPH10325449A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JPH10325449A
JPH10325449A JP13504697A JP13504697A JPH10325449A JP H10325449 A JPH10325449 A JP H10325449A JP 13504697 A JP13504697 A JP 13504697A JP 13504697 A JP13504697 A JP 13504697A JP H10325449 A JPH10325449 A JP H10325449A
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center
wedge
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大滝  亮一
Koichi Sakai
幸一 坂井
Takashi Machida
尚 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心ローラ7を回転駆動する為の電動モータ
への非通電時に、外輪9の回転が上記中心ローラ7に伝
わる事を防止する。そして、上記電動モータの存在が上
記外輪9を回転させる事に対する抵抗とならない様にす
る。 【解決手段】 複数個の中間ローラ12a、12cのう
ちの中間ローラ12aを、動力伝達に伴って環状空間1
0の幅の狭い部分に変位するウェッジローラとして機能
自在とする。上記電動モータへの非通電時に、ソレノイ
ド36により上記ウェッジローラとして機能する中間ロ
ーラ12aを、ばね14の弾力に抗して、上記環状空間
10の幅の広い部分に変位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、電動モータ等の駆動部の回転駆動力を減速
或は増速しつつ被駆動部に伝達する摩擦ローラ式変速機
の改良に関し、駆動部の動力が不要の場合に、この駆動
部が負荷となる事を防止する事により、上記機械装置の
効率向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この様な摩擦ローラ式変速機を利用
し、電動モータの駆動力を補助動力として、自転車のペ
ダルを踏むのに要する踏力の軽減を図る電動補助自転車
が、例えば特開平7−95744号公報に記載されてい
る様に、従来から知られている。図15は、電動補助自
転車等の補助動力付駆動装置のブロック図である。自転
車のギヤ等の負荷1を駆動する為、ペダル等、人力によ
る第一の入力部2と、電動モータである第二の入力部3
とを互いに並列に設けている。第一の入力部2に比べて
高速であるが低トルクである上記第二の入力部3の後段
部には、減速機4を設けて、この第二の入力部3から入
力した動力の低速化とトルク増大とを図っている。上記
第二の入力部3は、図示しないセンサにより、上記第一
の入力部2から加えられる駆動力を検知し、この駆動力
に応じた駆動力を発生させて、上記第一の入力部2に加
える力が小さくても、上記負荷1を駆動自在とする。即
ち、上記第一の入力部2で発生する駆動トルクT1 に応
じた駆動トルクT2 を、上記第二の入力部3及び減速機
4により発生させる。そして、これら両駆動トルクT
1 、T2 を、合流部5で合流させ、これら両駆動トルク
1 、T2 を合計した駆動トルクT3 (摩擦等による損
失を考慮しない場合には、T3 =T1 +T2 )で、上記
負荷1を駆動する。
【0003】ところで、例えば補助動力付自転車を考え
た場合、緩い下り坂、或は強い追い風にも拘らずペダル
を勢い良く踏む場合等に、負荷1を駆動する為に要する
トルクT3 よりも第一の入力部2に加えられる駆動トル
クT1 が大きくなる(T1 >T3 )場合がある。この様
な場合には、上記第一の入力部2に加えられる駆動トル
クT1 のうち、負荷1の駆動に必要とするトルクT3
越えた余分なトルク(T1 −T3 )が、図16に矢印で
示す様に、合流部5から減速機4を通じて第二の入力部
3にまで逆流する。そして、この第二の入力部3を構成
する電動モータのロータを回転駆動する。この結果、上
記第一の入力部2に加えられる駆動トルクT1 が負荷1
の駆動に有効に使用されず、上記第一の入力部2で駆動
トルクT1 を発生させる為に要する力(例えばペダルを
踏む為に要する踏力)が徒に大きくなる。
【0004】この様な不都合を解消する為に従来は、上
記減速機4と合流部5との間に一方向クラッチを設け、
減速機4から合流部5に向けてのみ、動力の伝達を自在
としていた。これに対して、上記減速機4を、一般的な
摩擦ローラ式のものからウェッジローラ式のものに変え
る事により、上記一方向クラッチを省略する事が、例え
ば特願平9−061329号の様に考えられている。図
17は、この様なウェッジローラ型の摩擦ローラ式変速
機の構造を略示している。
【0005】このウェッジローラ型の摩擦ローラ式変速
機は、外周面を第一の円筒面6とした中心ローラ7と、
内周面を第二の円筒面8として上記中心ローラ7の周囲
に、この中心ローラ7に対する相対回転を自在に設けた
外輪9とを備える。上記中心ローラ7は、第一の回転軸
の端部にこの第一の回転軸と同心に固定し、上記外輪9
には第二の回転軸の端部を、この外輪9と同心に結合固
定する。上記第一の円筒面6と上記第二の円筒面8との
間の環状空間10内には3本の枢軸11a、11bを、
上記中心ローラ7及び外輪9と平行に配置し、これら各
枢軸11a、11bにより中間ローラ12a、12b、
12cを、回転自在に支持している。これら各中間ロー
ラ12a、12b、12cの外周面は、それぞれ第三の
円筒面13、13とし、これら各第三の円筒面13、1
3を、上記第一、第二の円筒面6、8に当接させてい
る。又、上記中心ローラ7の中心と上記外輪9の中心と
を偏心させる事により、上記環状空間10の幅寸法を円
周方向に亙って不同にしている。そして、上記3個の中
間ローラ12a、12b、12cのうちの1個の中間ロ
ーラ12aを、上記環状空間10の円周方向に亙る若干
の変位自在に支持してウェッジローラとすると共に、押
圧手段であるばね14により、上記ウェッジローラとな
る中間ローラ12aを上記環状空間10の幅の狭い部分
に向け、弾性的に押圧している。
【0006】上述の様に構成する摩擦ローラ式変速機に
よる回転力の伝達時に、例えば、上記中心ローラ7が図
17に矢印イで示す様に、同図の時計方向に回転する
と、上記ウェッジローラとなる中間ローラ12aが、同
図に矢印ロで示す様に、上記枢軸11aを中心に反時計
方向に回転し、上記外輪9が同じく矢印ハで示す様に反
時計方向に回転する。この様に、上記中間ローラ12a
が矢印ロで示す様に回転し、この中間ローラ12aを挟
持した中心ローラ7及び外輪9がそれぞれ矢印イ、ハに
示す様に回転する結果、上記中間ローラ12a全体が、
図17に矢印ニで示す様に、図17の時計方向に変位す
る傾向となる。即ち、上記中間ローラ12aは、矢印イ
方向に回転する上記中心ローラ7から、上記矢印ニ方向
の力を受け、中間ローラ12a自身が矢印ロ方向に回転
する事で外輪9の内周面に設けた第二の円筒面8との当
接部から受ける反作用により、やはり上記矢印ニ方向の
力を受ける。この結果、上記中心ローラ7の回転時に上
記中間ローラ12aが、上記環状空間10の幅の狭い部
分に向けて移動する傾向になる。そして、この中間ロー
ラ12aの外周面に設けた第三の円筒面13が、上記中
心ローラ7の外周面に設けた第一の円筒面6と外輪9の
内周面に設けた第二の円筒面8とを強く押圧する。この
結果、上記第三の円筒面13と上記第一の円筒面6との
当接部である内径側当接部15、及び、上記第三の円筒
面13と上記第二の円筒面8との当接部である外径側当
接部16の当接圧が高くなる。
【0007】上記ウェッジローラとなる中間ローラ12
aに関する内径側、外径側両当接部15、16の当接圧
が高くなると、それぞれがこの中間ローラ12aの外周
面に設けた第三の円筒面13により押圧される部材であ
る、上記中心ローラ7と外輪9とのうちの少なくとも一
方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づき、
それぞれの直径方向に亙り僅かに変位する。この結果、
残り2個の中間ローラ12b、12cの外周面に設けた
第三の円筒面13、13と上記第一の円筒面6との当接
部である2個所の内径側当接部15、15、及びこれら
各第三の円筒面13、13と上記第二の円筒面8との当
接部である2個所の外径側当接部16、16の当接圧が
高くなる。上記ウェッジローラとして機能する中間ロー
ラ12aを、上記環状空間10内でこの環状空間10の
幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心
ローラ7から上記外輪9に伝達するトルクの大きさに応
じて変化する。そして、この力が大きくなる程、上記各
内径側、外径側両当接部15、16の当接圧が大きくな
る。この為、上記伝達するトルクに応じた当接圧を自動
的に選定して、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を確保す
る。
【0008】上述の例は、中心ローラ7を入力側とし、
外輪9を出力側とする事により、摩擦ローラ式変速機を
減速機として利用する場合に就いて示した。これに対し
て、外輪9を入力側とし、中心ローラ7を出力側とする
事により、摩擦ローラ式変速機を増速機として利用する
場合も、回転方向が逆になる以外、同様の作用により、
伝達するトルクに応じた当接圧を自動的に選定して、摩
擦ローラ式変速機の伝達効率を確保しつつ、上記外輪9
と中心ローラ7との間で動力の伝達を行なえる。
【0009】これに対して、出力側の部材が、入力側の
部材に応じた速度よりも高速で回転する場合には、上記
ウェッジローラとして機能する中間ローラ12aが、上
記環状空間10の幅の広い部分に移動する傾向となり、
上記各内径側当接部15、15及び外径側当接部16、
16の当接圧が喪失し、上記中心ローラ7と外輪9との
間での動力伝達が断たれる。即ち、上記摩擦ローラ式変
速機を減速機として使用する場合、上記中心ローラ7が
停止した状態のまま上記外輪9が図17の矢印ハ方向に
回転すると、上記中間ローラ12aが、前記ばね14の
弾力に抗して上記環状空間10の幅の広い部分に移動す
る傾向となる。上記摩擦ローラ式変速機を増速機として
使用する場合でも、上記外輪が停止した状態のまま上記
中心ローラ7が図17の矢印イと逆方向に回転すると、
上記中間ローラ12aが、前記ばね14の弾力に抗して
上記環状空間10の幅の広い部分に移動する傾向とな
る。この様に、ウェッジローラ型の摩擦ローラ式変速機
の場合には、出力側の部材が入力側の部材に応じた速度
よりも高速で回転する際に、上記中心ローラ7と外輪9
との間での動力伝達を断つ。この為、前述の図15〜1
6に示した駆動系で、減速機4と合流部5との間の一方
向クラッチを省略しても、電動モータである第二の入力
部3の存在に基づき、第一の入力部2に加えるべき駆動
力が徒に大きくなる事を防止できる。
【0010】電動補助自転車の様に、負荷1に加えるべ
き駆動力の方向が決まっている構造の場合には、減速機
4として図17に示す様なウェッジローラ型の摩擦ロー
ラ式変速機を使用すれば、一方向クラッチを省略する事
によるコスト低減と、当接圧の適正化による伝達効率の
確保とを両立できる。これに対して、負荷1に加えるべ
き駆動力の方向が一定でない場合には、図17に示す様
な摩擦ローラ式変速機では対応できない。即ち、図17
に示す様な摩擦ローラ式変速機では、伝達すべき動力の
回転方向が逆になると、ウェッジローラとして機能する
中間ローラ12aが、環状空間10の幅の広い部分に移
動する傾向になり、各内径側当接部15、15及び各外
径側当接部16、16の当接圧が喪失して、中心ローラ
7と外輪9との間で動力の伝達を行なえなくなる。例え
ば、遊園地の遊戯具、或は足漕ぎ式のボートの如く、ペ
ダルを踏んで駆動する装置で、しかもペダルを両方向に
回転させる可能性がある部分には、図17に示す様な摩
擦ローラ式変速機を使用する事はできない。
【0011】この様な場合には、図18に示す様に、3
個の中間ローラ12a、12b、12cのうち、2個の
中間ローラ12a、12bをウェッジローラとして機能
させる構造の摩擦ローラ式変速機を使用する。この図1
8は、米国特許第4709589号明細書に記載された
摩擦ローラ式変速機を略示している。この第2例の摩擦
ローラ式変速機の場合には、3個の中間ローラ12a、
12b、12cのうちの2個の中間ローラ12a、12
bを、それぞれ環状空間10の円周方向に亙る若干の変
位自在に支持する事によりウェッジローラとしている。
そして、これらウェッジローラとなる2個の中間ローラ
12a、12bを上記環状空間10の幅の狭い部分に向
け、押圧手段であるばね14、14により、円周方向に
関して互いに逆方向(互いに近づき合う方向)に弾性的
に押圧している。この様な第2例の構造によれば、中心
ローラ7と外輪9との相対回転方向が何れの場合でも、
上記ウェッジローラとなる2個の中間ローラ12a、1
2bのうちの何れか一方の中間ローラ12a(又は12
b)が、上記環状空間10の幅の狭い部分に食い込み、
各内径側当接部15、15及び各外径側当接部16、1
6の当接圧を確保する。従って、伝達すべき動力の回転
方向に拘らず、当接圧の適正化により伝達効率を確保で
きる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図18に示す様な、伝
達すべき動力の回転方向に拘らず伝達効率を確保できる
摩擦ローラ式変速機の場合には、前述の図16に示した
様に、負荷1を駆動する為に要するトルクT3 よりも第
一の入力部2に加えられる駆動トルクT1 が大きくなる
(T1 >T3 )場合に、上記第一の入力部2で駆動トル
クT1 を発生させる為に要する力が徒に大きくなる。即
ち、図18に示した摩擦ローラ式変速機の場合には、中
心ローラ7と外輪9との相対回転方向に関係なく、常に
これら中心ローラ7と外輪9との間で動力を伝達する。
従って、負荷1を駆動する為に要するトルクT3 よりも
第一の入力部2に加えられる駆動トルクT1 が大きくな
ると、上記第一の入力部2から人力で加えた動力によ
り、負荷1だけでなく、第二の入力部3を構成する電動
モータも駆動しなければならなくなる。この結果、上記
第一の入力部2に加えるべき力が徒に大きくなる為、好
ましくない。
【0013】又、図17に示す様な、1個の中間ローラ
12aのみをウェッジローラとして機能させる摩擦ロー
ラ式変速機の場合にも、負荷1側から逆方向の回転力が
加わると、この負荷1と第二の入力部3(図15〜1
6)とを切り離す事ができない。例えば、電動補助自転
車を後退させる場合、負荷1となる自転車の後輪1から
チェン及びクランク軸を介して上記減速機4を構成する
外輪9(図17)が、図17の時計方向(同図の矢印ハ
と逆方向)に回転する傾向となる。この様な場合には、
上記中間ローラ12aが環状空間10の幅の狭い部分に
変位する傾向となり、上記外輪9から中心ローラ7に回
転力を伝達する。この結果、電動補助自転車を後退させ
る場合、上記第二の入力部3を構成する電動モータを回
転させなければならず、その分、電動補助自転車を後退
させる為に要する力が大きくなってしまう。
【0014】一方、米国特許第4481842号明細書
には、摩擦ローラ式変速機を介して伝達しようとするト
ルクが一定値以上になった場合に動力の伝達を絶つ構造
が記載されている。但し、この明細書に記載された構造
の場合には、トルクが上記一定値未満であると、動力伝
達を行ないたくない場合でも動力を伝達してしまう。反
対に、トルクが上記一定値以上の場合は、動力伝達を行
ないたい場合でも、動力の伝達を絶ってしまう。従って
上述の様な問題を解決する為の手段とはなり得ない。本
発明の摩擦ローラ式変速機は、この様な事情に鑑みて、
動力伝達を行なうか否かを任意に選択できる構造を実現
すべく発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、従来から知られている摩擦ローラ式変速機と同
様に、第一の回転軸と、この第一の回転軸の端部にこの
第一の回転軸と同心に固定され、外周面を第一の円筒面
とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面として上記
中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対回転
を自在に設けた外輪と、この外輪と同心で一端部をこの
外輪に結合固定した第二の回転軸と、上記第一の円筒面
と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記第一の
回転軸と平行に配置された複数本の枢軸と、これら各枢
軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三
の円筒面とした複数個の中間ローラとを備える。そし
て、上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外
輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸
法を円周方向に亙って不同にしている。又、上記複数個
の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、
上記環状空間の円周方向に亙る若干の変位自在に支持し
てウェッジローラとすると共に、このウェッジローラと
なる上記少なくとも1個の中間ローラを上記環状空間の
幅の狭い部分に向けて弾性的に押圧する押圧手段を設け
ている。
【0016】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於い
ては、上記ウェッジローラとなる中間ローラ若しくはこ
の中間ローラを枢支する枢軸を、磁性材若しくは永久磁
石製とする。そして、この磁性材若しくは永久磁石製の
中間ローラ若しくはこの中間ローラを枢支する枢軸に対
向させてソレノイドを支持固定し、このソレノイドへの
通電若しくは通電停止に基づいて上記ウェッジローラと
なる中間ローラを、上記環状空間の幅の広い部分に向け
変位自在としている。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機の場合には、本来の入力側から加えられる回転駆動力
の伝達時にウェッジローラとなる中間ローラのみを、本
来の入力側から回転駆動力が入力される場合にのみ、環
状空間の幅の狭い部分に向け弾性的に押圧する。この
為、本来の入力側から加えられる回転駆動力の伝達時以
外には、中心ローラと外輪との間で回転力の伝達が行な
われる事がなくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜7は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本発明の対象となる摩擦ローラ
式変速機17は、アルミニウム合金等の非磁性材により
造られたハウジング18を備える。このハウジング18
は、第二の入力部を構成する電動モータ19の回転駆動
軸20の端部にこの回転駆動軸20と同心に、且つこの
回転駆動軸20と一体に設けた中心ローラ7を覆う状態
で設け、図示しないフレーム等に固定している。尚、上
記回転駆動軸20が、請求項に記載した第一の回転軸又
は第二の回転軸に相当する。上記ハウジング18は、有
底円筒状の本体21と、この本体21の基端開口部を塞
ぐ蓋体22とから成る。上記中心ローラ7は、この蓋体
22のほぼ中心に設けた通孔23を通じて、上記ハウジ
ング18内に挿入している。又、この通孔23の内周面
と上記中心ローラ7の基端部外周面との間には、軸受2
4を設けている。
【0019】又、上記ハウジング18の内側で上記中心
ローラ7の周囲部分には、3本の枢軸11a、11b
を、それぞれこの中心ローラ7と平行に配置している。
即ち、これら各枢軸11a、11bの一端部(図1、4
の右端部)を上記蓋体22に支持すると共に、他端部
(図1、4の左端部)を連結板25に支持している。
尚、これら3本の枢軸11a、11bのうちの2本の枢
軸11b、11bは、両端部を上記蓋体22及び連結板
25に設けた嵌合孔26、26に圧入若しくはがたつき
なく挿入する事により、固定している。従って、これら
2本の枢軸11b、11bが、上記ハウジング18内で
円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0020】これに対して、残り1本の枢軸11aは、
両端部を上記蓋体22及び連結板25に対し、上記ハウ
ジング18の円周方向及び直径方向に亙る若干の変位自
在に支持している。この為に、上記蓋体22及び連結板
25の一部で上記枢軸11aの両端部に整合する部分に
は、図2〜4に示す様に、上記枢軸11aの両端部の外
径よりも大きな内径を有する円形の、或は上記蓋体22
及び連結板25の円周方向に長い長孔状の支持孔27、
27を、互いに整合させて形成し、これら両支持孔2
7、27に上記枢軸11aの両端部を緩く係合させてい
る。そして、これら各枢軸11a、11bによりそれぞ
れ中間ローラ12a、12b、12cを、回転自在に支
持している。尚、上記連結板25の一部は、上記蓋体2
2の内面(上記各中間ローラ12a、12b、12cを
設置した空間側の面で、図1の左面)の一部で上記各中
間ローラ12a、12b、12cから外れた位置に突設
した、突部28に結合している。
【0021】又、前記ハウジング18の内側で上記各中
間ローラ12a、12b、12cを囲む部分には、有底
円筒状の外輪9を、回転自在に設けている。この外輪9
は、円筒部29と、この円筒部29の一端(図1、4の
左端)開口を塞ぐ円板部30とから成る。このうちの円
筒部29の内周面は平滑な第二の円筒面8として、やは
り平滑に形成した、上記各中間ローラ12a、12b、
12cの外周面に設けた第三の円筒面13、13と当接
自在としている。又、上記円板部30の外側面(上記各
中間ローラ12a、12b、12cを設置した空間と反
対側面で、図1、4の左面)には、出力軸31の基端部
(図1、4の右端部)を結合固定している。この出力軸
31が、請求項に記載した第二の回転軸又は第一の回転
軸に相当する。そしてこの出力軸31を、上記ハウジン
グ18を構成する本体21の中央部に設けた第二の通孔
32を通じて、上記ハウジング18外に突出させてい
る。尚、上記出力軸31の基端寄り部分の外周面と上記
第二の通孔32の内周面との間には軸受33を設けて、
上記外輪9及び出力軸31を、上記ハウジング18に対
し回転自在に支持している。
【0022】上記各中間ローラ12a、12b、12c
の外周面は、前記中心ローラ7の外周面と上記外輪9の
内周面とに当接させている。本発明の摩擦ローラ式変速
機の場合には、前述の図17〜18に示した、従来構造
の摩擦ローラ式変速機の場合と同様に、上記中心ローラ
7の中心と上記出力軸31及び外輪9の中心とを偏心さ
せている。即ち、前述の様に、上記中心ローラ7を挿通
する通孔23は、上記ハウジング18のほぼ中心に設け
ているのに対し、上記出力軸31を挿通する第二の通孔
32は、上記ハウジング18の中心から少しだけ外れた
位置に設けている。この為に、上記ハウジング18の周
壁の肉厚は、円周方向に亙り不同にしている。又、この
第二の通孔32の内側に支持された出力軸31と外輪9
とは互いに同心である。従って、上記中心ローラ7と上
記外輪9及び出力軸31とは、上記第二の通孔32のハ
ウジング18の中心からのずれ量δ(図1、4)分だ
け、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ7の
外周面と上記外輪9の内周面との間に存在して上記各中
間ローラ12a、12b、12cが設けられた環状空間
10の幅寸法を、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円
周方向に亙り不同にしている。
【0023】この様に、上記環状空間10の幅寸法を円
周方向に亙り不同にした分、上記各中間ローラ12a、
12b、12cの外径を異ならせている。即ち、上記外
輪9に対し中心ローラ7が偏心している側(図2、4の
下側)に位置する2個の中間ローラ12a、12bの径
を、互いに同じとすると共に比較的小径にしている。こ
れに対して、上記外輪9に対し中心ローラ7が偏心して
いるのと反対側(図1、2、4の上側)に位置する中間
ローラ12cの径を、上記2個の中間ローラ12a、1
2bの径よりも大きくしている。そして、これら3個の
中間ローラ12a、12b、12cの外周面に設けた第
三の円筒面13、13を、上記中心ローラ7の外周面に
設けた第一の円筒面6と上記外輪9の内周面に設けた第
二の円筒面8とに当接させている。尚、摩擦ローラ式変
速機17の変速比は、上記第一の円筒面6の直径と第二
の円筒面8の直径との比により定まる。従って、必要な
減速比を得る為に、上記中心ローラ7の先端部にスリー
ブを外嵌固定し、このスリーブの外周面と上記各中間ロ
ーラ12a、12b、12cの外周面とを当接させる事
もできる。この場合、第一の円筒面は、上記スリーブの
外周面となる。
【0024】又、比較的小径で互いに同径に形成した2
個の中間ローラ12a、12bのうち、前記枢軸11a
の周囲に回転自在に支持した一方(図2の右方)の中間
ローラ12aを、ウェッジローラとして機能自在として
いる。この為に本例の場合には、上記中間ローラ12a
を枢支した枢軸11aと、前記連結板25との間に、図
2、4、5に示す様に、押圧手段であるばね14を設け
ている。圧縮コイルばねである、このばね14は、押圧
片34及び上記枢軸11aを介して上記ウェッジローラ
12aを、前記環状空間10の幅の狭い部分に向け、弾
性的に押圧している。
【0025】更に、本発明の摩擦ローラ式変速機17の
場合には、上記ウェッジローラとして機能する中間ロー
ラ12aを支持した上記枢軸11aを、鋼等の磁性材に
より構成している。そして、前記蓋体22の一部に保持
孔35を、この蓋体22に形成した前記支持孔27の内
周面のうち、上記環状空間10の幅の広い側に開口する
状態で設けている。そして、上記保持孔35内にソレノ
イド36を保持すると共に、このソレノイド36の先端
面(図3の左下端面)を、上記枢軸11aの端部外周面
に対向させている。上記ソレノイド36への通電時に、
このソレノイド36と上記枢軸11aとの間に作用する
磁気吸引力は、上記ばね14の弾力よりも大きい。この
様に、上記ばね14を上記連結板25に、上記ソレノイ
ド36を上記蓋体22内に、互いに整合させた状態で設
ける事により、上記枢軸11aに枢支された中間ローラ
12aの変位方向の選択を自在としている。即ち、上記
ソレノイド36への非通電時には上記枢軸11a及びこ
の枢軸11aに枢支した中間ローラ12aを、上記ばね
14の弾力に基づいて上記環状空間10の幅の狭い部分
に向け弾性的に押圧し、上記ソレノイド36への通電時
には上記枢軸11a及びこの枢軸11aに枢支した中間
ローラ12aを、上記環状空間10の幅の広い部分に向
け変位させる様にしている。
【0026】上述の様に構成する摩擦ローラ式変速機1
7により回転力の伝達を行なえば、上記ウェッジローラ
として機能する中間ローラ12a及びガイドローラとし
て機能する2個の中間ローラ12b、12cの外周面に
設けた第三の円筒面13、13と、上記中心ローラ7の
外周面に設けた第一の円筒面6及び上記外輪9の内周面
に設けた第二の円筒面8との当接圧を確保できる。そし
て、上記3個の中間ローラ12a、12b、12cを介
して、上記中心ローラ7から前記外輪9に、効率良く回
転駆動力を伝達できる。この様に、中心ローラ7から外
輪9に回転駆動力を伝達する際の作用は、前述の図17
に示した従来構造の第1例の場合と同様であるから、重
複する説明を省略する。
【0027】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機の場合
には、本来の入力側である中心ローラ7から加えられる
回転駆動力の伝達時に、この中心ローラ7から回転駆動
力が入力される場合にのみ、ウェッジローラとして機能
する中間ローラ12aを、上記環状空間10の幅の狭い
部分に向け弾性的に押圧する。例えば本例の場合には、
前記ソレノイド36への通電を、図6のフローチャート
に示す様な条件で制御する。先ず、前記電動モータ19
に通電し、この電動モータ19が発生する回転駆動力
を、中心ローラ7から上記3個の中間ローラ12a、1
2b、12cを介して上記外輪9に伝達する際には、上
記ソレノイド36への通電を停止する。この結果、前述
の図17に示した従来構造の第1例の場合と同様にし
て、上記中心ローラ7から前記外輪9に、効率良く回転
駆動力を伝達できる。
【0028】これに対して、上記電動モータ19に通電
せず、この電動モータ19から回転駆動力を取り出す必
要がない場合には、上記ソレノイド36に通電する。そ
して、前記枢軸11aを介して上記中間ローラ12a
を、図7に示す様に、前記環状空間10の幅の広い部分
に向け変位させる。この結果、上記3個の中間ローラ1
2a、12b、12cの外周面にそれぞれ設けた第三の
円筒面13、13と、上記中心ローラ7の外周面に設け
た第一の円筒面6及び上記外輪9の内周面に設けた第二
の円筒面8との当接圧が喪失する。この状態では、上記
外輪9の回転運動が上記中心ローラ7に伝達される事が
なくなり、上記電動モータ19の存在が上記外輪9の回
転に対して抵抗にはならなくなる。従って、例えば電動
補助自転車を後退させる作業を、軽く行なえる様にな
る。
【0029】次に、図8は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。上述した第1例が、図5に示す様に、
ソレノイド36への通電時に、このソレノイド36の先
端面と磁性材製の枢軸11aの外周面とを当接させてい
たのに対して、本例の場合には、これら両面同士を互い
に離隔させたままとしている。即ち、本例の場合には、
ソレノイド36への通電に基づき、枢軸11aをばね1
4の弾力に抗して吸引した場合に、上記ソレノイド36
の先端面と枢軸11aの外周面とが当接する以前に、こ
の外周面と支持孔27、27の内周面とが当接する様に
している。この様に構成する事により、上記ソレノイド
36への通電停止時に、このソレノイド36の先端面と
枢軸11aの外周面とを離隔し易くすると共に、この枢
軸11aが磁化されにくくできる。その他の構成及び作
用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0030】次に、図9〜11は、本発明の実施の形態
の第3例を示している。本例は、前述の図18に示した
従来構造の第2例の様に、伝達すべき回転駆動力の回転
方向が何れの場合でも十分な伝達効率を確保すべく、2
個の中間ローラ12a、12bをそれぞれウェッジロー
ラとして機能させる構造に、本発明を適用したものであ
る。この様な構造に本発明を適用する為に、本例の場合
には、上記各中間ローラ12a、12bを枢支した枢軸
11a、11aを円周方向に関して互いに逆方向に弾性
的に押圧するばね14、14と整合させて、それぞれソ
レノイド36a36bを設置している。これら各ソレノ
イド36a、36bの設置構造は、前述した第1例或は
上述した第2例の場合と同様である。
【0031】上述の様に構成する本例の摩擦ローラ式変
速機の場合には、上記両ソレノイド36a、36bへの
通電を、図11のフローチャートに示す様な条件で制御
する。先ず、中心ローラ7を回転駆動する電動モータ1
9(図1)に通電し、この電動モータ19が発生する回
転駆動力を、中心ローラ7から外輪9に伝達する際に
は、回転方向(図10の矢印イ、ロ参照)に応じて何れ
かのソレノイド36a(又は36b)に通電し、他のソ
レノイド36b(36a)への通電を停止する。この結
果、前述の図18に示した従来構造の第2例の場合と同
様にして、上記中心ローラ7から前記外輪9に、効率良
く回転駆動力を伝達できる。
【0032】これに対して、上記電動モータ19に通電
せず、この電動モータ19から回転駆動力を取り出す必
要がない場合には、上記両ソレノイド36a、36bに
通電する。そして、上記両枢軸11a、11aを介して
上記中間ローラ12a、12bを、環状空間10の幅の
広い部分に向け、互いに離れる方向に変位させる。この
結果、3個の中間ローラ12a、12b、12cの外周
面にそれぞれ設けた第三の円筒面13、13と、上記中
心ローラ7の外周面に設けた第一の円筒面6及び上記外
輪9の内周面に設けた第二の円筒面8との当接圧が喪失
する。この状態では、上記外輪9の回転運動が上記中心
ローラ7に伝達される事がなくなり、上記電動モータ1
9の存在が上記外輪9の回転に対して抵抗にはならなく
なる。
【0033】次に、図12は、本発明の実施の形態の第
4例を示している。本例の場合には、ばね14の弾力に
抗して枢軸11aを変位させる為のソレノイド36を、
蓋体22を貫通する状態で中心ローラ7と平行に設けた
保持孔35a内に設けている。上記蓋体22は、電動モ
ータ19(図1)に隣接して設ける為、上述の様に構成
する事により、上記ソレノイド36に通電する為の配線
を、摩擦ローラ式変速機付電動モータの外部に出す事な
く行なえる。又、電動モータ19を構成するステータへ
の通電制御とソレノイド36への通電制御とは、互いに
関連づけて行なうが、図12に示した構造の場合には、
これらステータとソレノイド36とを近接配置できるの
で、上記通電制御の為の配線を単純化できる。その他の
構成及び作用は、例えば前述した第1例と同様である。
【0034】尚、上述した各例の場合には、ソレノイド
への通電に基づいてウェッジローラとして機能する中間
ローラを、この中間ローラを枢支した枢軸を介して、環
状空間の幅の広い部分に変位させる様にしている。但
し、本発明の目的を達成する為には、これとは逆に、ソ
レノイドへの非通電時に、ウェッジローラとして機能す
る中間ローラを、ソレノイドの吸引力よりも弱い弾性を
有するばねの弾力に基づき、上記環状空間の幅の広い部
分に変位させる様にする事もできる。この場合には上記
ソレノイドが、上記ウェッジローラとして機能する中間
ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に向けて弾性的に
押圧する、押圧手段を構成する。更には、上記ウェッジ
ローラとして機能する中間ローラを鋼等の磁性材製とす
ると共に、この中間ローラの外周面に対向させて設けた
ソレノイドへの通電に基づき、この中間ローラを上記環
状空間の幅の広い部分(又は狭い部分)に変位させる様
に構成しても良い。この様に構成すれば、上記中間ロー
ラを枢支した枢軸の両端部をばねにより、この中間ロー
ラを上記環状空間の幅の狭い部分(又は広い部分)に向
け弾性的に押圧できる。従って、上記枢軸及び中間ロー
ラに作用する、上記環状空間の円周方向に亙る力のバラ
ンスが良くなる。
【0035】次に、図13は、本発明の実施の形態の第
5例を示している。本例の場合には、ウェッジローラと
して機能する中間ローラを枢支する枢軸11aの端部を
緩く係合させた支持孔27を挟んで1対の保持孔35
b、35cを、環状空間の円周方向に関して互いに反対
側に設けている。そして、これら各保持孔35b、35
c内にそれぞれソレノイド36c、36dを配置し、こ
れら各ソレノイド36c、36dの先端面を、上記枢軸
11aの端部外周面に対向させている。前述した第1〜
4例の場合とは異なり、上記枢軸11aを環状空間の狭
い側に押圧する為のばねは設けていない。
【0036】上述の様に1対のソレノイド36c、36
dを設けた、本例の場合には、中心ローラ7と外輪との
間で回転力の伝達を行なうか否かにより、何れか一方の
ソレノイド36c(36d)に通電し、他方のソレノイ
ド36d(36c)への通電を停止する。即ち、中心ロ
ーラ7から外輪に回転駆動力を伝達する際には、一方
(図13の左下方)のソレノイド36cに通電すると共
に他方(図13の右上方)のソレノイド36dへの通電
を停止する。この結果、上記枢軸11a並びにこの枢軸
11aに枢支された中間ローラが、上記環状空間の幅の
狭い部分に変位する。この状態で本例の構造は、前述の
図17に示した従来構造の第1例の場合と同様にして、
上記中心ローラ7から外輪に、効率良く回転駆動力を伝
達できる。即ち、本例の場合には、上記一方のソレノイ
ド36cが、ウェッジローラとなる上記中間ローラを上
記環状空間の幅の狭い部分に向けて弾性的に押圧する押
圧手段として機能する。
【0037】これに対して、上記中心ローラ7から外輪
に対して回転駆動力を伝達する必要がない場合には、上
記他方のソレノイド36dに通電すると共に一方のソレ
ノイド36cへの通電を停止する。そして、上記枢軸1
1a及びこの枢軸11aに枢支された上記中間ローラ
を、上記環状空間の幅の広い部分に向け変位させる。こ
の状態では、上記外輪の回転運動が上記中心ローラ7に
伝達される事がなくなり、この中心ローラ7に結合した
電動モータの存在が、上記外輪の回転に対して抵抗には
ならなくなる。
【0038】尚、本例の様にウェッジローラとして機能
する中間ローラを枢支した枢軸毎に1対のソレノイドを
設ける構造を、前述の第3例の様に、2個の中間ローラ
をそれぞれウェッジローラとして機能させる構造に適用
する事もできる。更には、ウェッジローラとして機能す
る中間ローラを鋼等の磁性材製とすると共に、この中間
ローラの外周面反対側に対向させて設けた1対のソレノ
イドへの通電制御に基づき、この中間ローラを上記環状
空間の円周方向に亙り変位させる様に構成しても良い。
【0039】次に、図14は、本発明の実施の形態の第
6例を示している。本例の場合には、ウェッジローラと
して機能する中間ローラ12aを枢支した枢軸11aを
軸方向(図14の左右方向)に亙って着磁すると共に、
この枢軸11aの一端部(図14の右端部)外周面にソ
レノイド36の先端面(図14の下端面)を対向させて
いる。そして、このソレノイド36への通電方向の切り
換えに基づき、上記先端面をS極とN極とに切り換え自
在としている。本例の場合も、上記枢軸11aを環状空
間の狭い部分に押圧する為のばねは設けていない。尚、
上記ソレノイド36を上記枢軸11aに対して、環状空
間の幅が狭くなる側に設けるか、或は広くなる側に設け
るかは任意であり、設置空間の有無等に応じて、設計的
に定める。但し、何れの側に設けるかにより、中心ロー
ラと外輪との間で回転力の伝達を行なうか否かに応じて
のソレノイド36への通電方向が互いに逆になる。
【0040】上述の様に構成する本例の場合には、中心
ローラと外輪との間で回転力の伝達を行なうか否かによ
り、上記ソレノイド36への通電方向を切り換え、この
ソレノイド36の先端面の磁極を切り換える。尚、以下
の説明は、上記ソレノイド36を上記枢軸11aに対し
て、環状空間10の幅が広くなる側に設け、この枢軸1
1aの一端部をS極とした場合に就いて説明する。中心
ローラから外輪に回転駆動力を伝達する際には、上記先
端面をS極に着磁する。この結果、同極同士の反発に基
づく弾性反発力により、上記枢軸11a並びにこの枢軸
11aに枢支された中間ローラ12aが、上記環状空間
10の幅の狭い部分に変位する。この状態で本例の構造
は、前述の図18に示した従来構造の第1例の場合と同
様にして、上記中心ローラから外輪に、効率良く回転駆
動力を伝達できる。即ち、本例の場合には、上記一方の
ソレノイド36が、ウェッジローラとなる上記中間ロー
ラ12aを上記環状空間の幅の狭い部分に向けて弾性的
に押圧する押圧手段として機能する。
【0041】これに対して、上記中心ローラから外輪に
対して回転駆動力を伝達する必要がない場合には、上記
先端面をN極に着磁する。そして、異極同士の間に作用
する磁気吸引力により、上記枢軸11a及びこの枢軸1
1aに枢支された上記中間ローラ12aを、上記環状空
間の幅の広い部分に向け変位させる。この状態では、上
記外輪の回転運動が上記中心ローラに伝達される事がな
くなる。この様に構成される本例の構造の場合には、ば
ねを省略して1個のソレノイドを設けるのみで、上記枢
軸11a及びこの枢軸11aに枢支された上記中間ロー
ラを、上記環状空間の円周方向両方向に変位させる事が
できる。従って、比較的小型且つ軽量に構成できる。ソ
レノイドを枢軸に対して環状空間10の幅が狭くなる側
に設ける場合にも、回転駆動力伝達の要否に対する着磁
方向が逆となる以外、同様の作用・効果を得られる。
【0042】尚、上述の説明は、枢軸を3本、中間ロー
ラを3個、それぞれ設けた場合を中心に説明したが、枢
軸は複数本、中間ローラは複数個あれば、ウェッジロー
ラ型の摩擦ローラ式変速機を構成できる。即ち、上記中
間ローラは、2個であっても、或は4個であっても良
い。但し、中間ローラを2個設ける場合には、これら2
個の中間ローラを、中心ローラの円周方向に関して、直
径方向反対側よりも、少しだけ環状空間の幅の狭い側に
寄った部分に配置する。又、ウェッジローラを2個設け
る場合には、中間ローラは3個以上必要である。
【0043】
【発明の効果】本発明の摩擦ローラ式変速機は、以上に
述べた通り構成され作用するので、伝達効率の確保と、
無用な抵抗付加の防止とを両立させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】同B−B断面図。
【図4】図2のC−C断面図。
【図5】同拡大D−D断面図。
【図6】第1例の構造を使用する場合に於けるソレノイ
ドの制御状態を示すフローチャート。
【図7】ソレノイドへの通電時の状態を示す、図4の略
E−E断面図。
【図8】本発明の実施の形態の第2例を示す、図5と同
様の図。
【図9】本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同
様の図。
【図10】同じく図3と同様の図。
【図11】第3例の構造を使用する場合に於けるソレノ
イドの制御状態を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施の形態の第4例を示す、図5と
同様の図。
【図13】同第5例を示す、図3と同様の図。
【図14】同第6例を示す、図5と同様の図。
【図15】補助動力機構付駆動装置の通常の作動状態を
示すブロック図。
【図16】補助動力機構付駆動装置の作動状態を、負荷
に比べて第一の入力部の駆動速度が速くなった状態で示
すブロック図。
【図17】従来の摩擦ローラ式変速機の第1例を示す略
断面図。
【図18】同2例を示す略断面図。
【符号の説明】
1 負荷 2 第一の入力部 3 第二の入力部 4 減速機 5 合流部 6 第一の円筒面 7 中心ローラ 8 第二の円筒面 9 外輪 10 環状空間 11a、11b 枢軸 12a、12b、12c 中間ローラ 13 第三の円筒面 14 ばね 15 内径側当接部 16 外径側当接部 17 摩擦ローラ式変速機 18 ハウジング 19 電動モータ 20 回転駆動軸 21 本体 22 蓋体 23 通孔 24 軸受 25 連結板 26 嵌合孔 27 支持孔 28 突部 29 円筒部 30 円板部 31 出力軸 32 第二の通孔 33 軸受 34 押圧片 35、35a、35b、35c 保持孔 36、36a、36b、36c、36d ソレノイド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転軸と、この第一の回転軸の端
    部にこの第一の回転軸と同心に固定され、外周面を第一
    の円筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面と
    して上記中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する
    相対回転を自在に設けた外輪と、この外輪と同心で一端
    部をこの外輪に結合固定した第二の回転軸と、上記第一
    の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上
    記第一の回転軸と平行に配置された複数本の枢軸と、こ
    れら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周
    面を第三の円筒面とした複数個の中間ローラとを備え、
    上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外輪の
    中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を
    円周方向に亙って不同にし、上記複数個の中間ローラの
    うちの少なくとも1個の中間ローラを、上記環状空間の
    円周方向に亙る若干の変位自在に支持してウェッジロー
    ラとすると共に、このウェッジローラとなる上記少なく
    とも1個の中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に
    向けて弾性的に押圧する押圧手段を設けた摩擦ローラ式
    変速機に於いて、上記ウェッジローラとなる中間ローラ
    若しくはこの中間ローラを枢支する枢軸を磁性材若しく
    は永久磁石製とすると共に、この磁性材若しくは永久磁
    石製の中間ローラ若しくはこの中間ローラを枢支する枢
    軸に対向させてソレノイドを支持固定し、このソレノイ
    ドへの通電若しくは通電停止に基づいて上記ウェッジロ
    ーラとなる中間ローラを、上記環状空間の幅の広い部分
    に向け変位自在としている事を特徴とする摩擦ローラ式
    変速機。
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