JPH10324652A - 含フッ素エーテルと塩素系有機溶剤からなる共沸及び共沸様組成物 - Google Patents

含フッ素エーテルと塩素系有機溶剤からなる共沸及び共沸様組成物

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JPH10324652A
JPH10324652A JP14859797A JP14859797A JPH10324652A JP H10324652 A JPH10324652 A JP H10324652A JP 14859797 A JP14859797 A JP 14859797A JP 14859797 A JP14859797 A JP 14859797A JP H10324652 A JPH10324652 A JP H10324652A
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雄司 望月
Takayuki Ishimura
隆行 石村
Tetsuya Suzuta
哲也 鈴田
Akira Sekiya
章 関屋
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素を含むフロン系炭化水素や塩素系炭化水
素が有するのと同様の洗浄性や低毒性等の優れた性質を
有するとともに、環境負荷の小さい新規な組成物を提供
する。 【解決手段】 2−ジフルオロメトキシ 1,1,1−
トリフルオロエタンと、塩化メチレン及び/又はトラン
ス−1,2−ジクロロエチレンとからなることを特徴と
する共沸又は共沸様組成物。3−ジフロロメトキシ
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと、塩化
メチレン及び/又はトランス−1,2−ジクロロエチレ
ンとからなることを特徴とする共沸又は共沸様組成物。
1,1,2,2−テトラフルオロエチル 2,2,2−
トリフルオロエチルエーテルと、トランス−1,2−ジ
クロロエチレンとからなることを特徴とする共沸又は共
沸様組成物。3−ジフルオロメトキシ 1,1,2,2
−テトラフルオロプロパンと、トランス−1,2−ジク
ロロエチレンとからなることを特徴とする共沸又は共沸
様組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素エーテル
と塩素系有機溶剤からなる共沸又は共沸様組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品、精密機械部品、樹
脂加工部品等の洗浄用溶剤としては、ハロゲン化炭化水
素が最もよく知られており、塩素原子または塩素原子と
フッ素原子が置換した炭化水素群が用いられている。こ
れらのハロゲン化炭化水素は、毒性が少なく、ハロゲン
の置換数が多いと不燃性を示し、また化学的及び熱的に
安定であって、しかもプラスチックやゴムなどの表面を
侵食することなくワックスや油脂類を溶解するという適
度な溶解性を有することから各種の産業分野に広く使用
されている。例えば、これらのハロゲン化炭化水素とし
ては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、
1,1,1−トリクロロエタン等の塩素系炭化水素や
1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエ
タン(フロン113)等のフロン系炭化水素が知られて
おり、特に後者のフロン系炭化水素は、毒性が少なく不
燃性で化学的及び熱的に安定であることから、広範囲な
分野で使用されている。しかし、かかる塩素を含むフロ
ン系炭化水素や1,1,1−トリクロロエタンは塩素原
子を有する為、成層圏のオゾン層を破壊するという重大
な欠点が指摘され、その生産と使用を停止することが国
際的に決められている。またトリクロロエチレン及びテ
トラクロロエチレンは、地下水汚染問題がクローズアッ
プされ、その後の環境汚染状況調査結果と慢性毒性等が
認められるとの有害性の調査結果に基づき、平成元年よ
り第2種特定化学物質に政令指定された。このような状
況下、かかる塩素を含むフロン系炭化水素や塩素系炭化
水素に代わる物質の開発が強く要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩素を含む
フロン系炭化水素や塩素系炭化水素が有するのと同様の
洗浄性や低毒性等の優れた性質を有するとともに、環境
負荷の小さい新規な組成物を提供することをその課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明によれば、2−ジフルオロメ
トキシ 1,1,1−トリフルオロエタンと、塩化メチ
レン又はトランス−1,2−ジクロロエチレンとからな
ることを特徴とする共沸又は共沸様組成物が提供され
る。また、本発明によれば、3−ジフロロメトキシ
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと、塩化
メチレン又はトランス−1,2−ジクロロエチレンとか
らなることを特徴とする共沸又は共沸様組成物が提供さ
れる。さらに、本発明によれば、1,1,2,2−テト
ラフルオロエチル 2,2,2−トリフルオロエチル
エーテルと、トランス−1,2−ジクロロエチレンとか
らなることを特徴とする共沸又は共沸様組成物が提供さ
れる。さらにまた、本発明によれば、3−ジフルオロメ
トキシ 1,1,2,2−テトラフルオロプロパンと、
トランス−1,2−ジクロロエチレンとからなることを
特徴とする共沸又は共沸様組成物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の組成物の具体例を以下に
示す。なお、共沸組成物とは、その蒸気組成と液体組成
が同一であり、蒸発、凝縮を繰り返した後の組成物の組
成変化がないものを意味する。また、共沸様組成物と
は、その蒸気組成と液体組成がほぼ同一であり、蒸発、
凝縮を繰り返した後の組成物の組成変化が無視できる程
度にしか変化しないものを意味する。 (1)2−ジフルオロメトキシ 1,1,1−トリフル
オロエタン 75〜85重量%及び塩化メチレン15〜
25重量%からなる共沸様液体組成物、好ましくは2−
ジフルオロメトキシ 1,1,1−トリフルオロエタン
76.14重量%及び塩化メチレン 23.86重量
%からなる共沸液体組成物。この共沸液体組成物の沸点
は、大気圧(760mmHg)で26.53℃である。 (2)2−ジフルオロメトキシ 1,1,1−トリフル
オロエタン 75〜90重量%及びトランス−1,2−
ジクロロエチレン 10〜25重量%からなる共沸様液
体組成物、好ましくは2−ジフルオロメトキシ 1,
1,1−トリフルオロエタン 81.87重量%及びト
ランス−1,2−ジクロロエチレン 18.13重量%
からなる共沸液体組成物。この共沸液体組成物の沸点
は、大気圧(760mmHg)で27.32℃である。 (3)3−ジフルオロメトキシ 1,1,1,2,2−
ペンタフルオロプロパン 50〜60重量%及び塩化メ
チレン 40〜50重量%からなる共沸様液体組成物、
好ましくは 3−ジフルオロメトキシ 1,1,1,
2,2−ペンタフルオロプロパン 54.15重量%及
び塩化メチレン 45.85重量%からなる共沸液体組
成物。この共沸組液体成物の沸点は、大気圧(760m
mHg)で33.85℃である。 (4)3−ジフルオロメトキシ 1,1,1,2,2−
ペンタフルオロプロパン 60〜70重量%及びトラン
ス−1,2−ジクロロエチレン 30〜40重量%から
なる共沸様液体組成物、好ましくは3−ジフルオロメト
キシ 1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン
63.90重量%及びトランス−1,2−ジクロロエチ
レン 36.10重量%からなる共沸液体組成物。この
共沸液体組成物の沸点は、大気圧(760mmHg)で
37.85℃である。 (5)1,1,2,2−テトラフルオロエチル 2,
2,2−トリフルオロエチル エーテル 45〜60重
量%及びトランス−1,2−ジクロロエチレン40〜5
5重量%からなる共沸及び共沸様液体組成物、好ましく
は1,1,2,2−テトラフルオロエチル 2,2,2
−トリフルオロエチル エーテル 49.83重量%及
びトランス−1,2−ジクロロエチレン 50.17重
量%からなる共沸液体組成物。この共沸液体組成物の沸
点は、大気圧(760mmHg)で41.52℃であ
る。 (6)3−ジフルオロメトキシ 1,1,2,2−テト
ラフルオロプロパン10〜25重量%及びトランス−
1,2−ジクロロエチレン 75〜90重量%からなる
共沸様液体組成物、好ましくは3−ジフルオロメトキシ
1,1,2,2−テトラフルオロプロパン 17.3
7重量%及びトランス−1,2−ジクロロエチレン 8
2.63重量%からなる共沸液体組成物。この共沸液体
組成物の沸点は、大気圧(760mmHg)で47.0
0℃である。
【0006】本発明で用いる2−ジフルオロメトキシ
1,1,1−トリフルオロエタンは既知物質であり、例
えば、水酸化カリウムの存在下で、2,2,2−トリフ
ルオロエタノールとクロロジフルオロメタンとを反応さ
せることにより容易に得られる。本発明で用いる3−ジ
フルオロメトキシ 1,1,1,2,2−ペンタフルオ
ロプロパンは既知物質であり、例えば、水酸化カリウム
存在下で、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパ
ノールとクロロジフルオロメタンを反応させることによ
り容易に得られる。また、本発明で用いる1,1,2,
2−テトラフルオロエチル 2,2,2−トリフルオロ
エチル エーテルは既知物質であり、例えば、水酸化カ
リウム存在下で、2,2,2−トリフルオロエタノール
とテトラフルオロエチレンを反応させることにより容易
に得られる。さらに本発明で用いる3−ジフルオロメト
キシ 1,1,2,2−テトラフルオロプロパンは既知
物質であり、例えば、水酸化カリウム存在下で、2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノールとクロロジフ
ルオロメタンを反応させることにより容易に得られる。
【0007】本発明による組成物は、過酷な条件での使
用に際しては更に各種の安定剤を添加してもよい。安定
剤としては、蒸留操作により同伴留出されるもの或いは
共沸様混合物を形成するものが望ましい。このような安
定剤の具体例としては、ニトロメタン、ニトロエタン等
の脂肪族ニトロ化合物、ニトロベンゼン、ニトロスチレ
ン等の芳香族ニトロ化合物、ジメトキシメタン、1,2
−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3,5
−トリオキサン等のエーテル類、グリシドール、メチル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェ
ニルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキシド、
シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリン等のエポ
キシド類、ヘキセン、ヘプテン、ペンタジエン、シクロ
ペンテン、シクロヘキセン等の不飽和炭化水素類、アリ
ルアルコ−ル、1−ブテン−3−オ−ル等のオレフィン
系アルコ−ル類、3−メチル−1−ブチン−3−オ−
ル、3−メチル−1−ペンチン−3−オール等のアセチ
レン系アルコール類、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ビニル等のアク
リル酸エステル類が挙げられる。また更に相乗的安定化
効果を得る為に、フェノール類、アミン類、ベンゾトリ
アゾ−ル類を併用してもよい。これらの安定剤は、単独
で使用してもよく或いは2種以上組み合わせて使用して
もよい。安定剤の使用量は、安定剤の種類等により異な
るが、組成物の共沸様の性質に支障のない程度とする。
その使用量は、通常、組成物中0.01〜10重量%程
度であり、0.1〜5重量%程度とすることがより好ま
しい。
【0008】また本発明組成物には、洗浄力、界面作用
等をより一層改善する為に、必要に応じて各種の界面活
性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ソ
ルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等
のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンの
ソルビットテトラオレエート等のポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラ
ウレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンオレイン酸ア
ミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミ
ド類等のノニオン系界面活性剤が挙げられ、単独で使用
してもよく或いは2種以上組み合わせて使用してもよ
い。相乗的に洗浄力及び界面作用を改善する目的で、こ
れらのノニオン系界面活性剤に更にカチオン系界面活性
剤またはアニオン系界面活性剤を併用してもよい。界面
活性剤の使用量は、その種類等により異なるが、組成物
の共沸様の性質に支障のない程度で、通常、組成物中
0.1〜20重量%程度であり、0.3〜5重量%程度
とすることがより好ましい。
【0009】本発明の組成物は、すぐれた溶解性を有
し、公知の洗浄及び乾燥用途に広く使用できるが、特に
フラックス洗浄剤、洗浄溶剤、脱脂洗浄剤、水切り乾燥
剤として使用でき、従来のフロン113や1、1,1−
トリクロロエタンの代替物として極めて有用なものであ
る。その具体的な用途としては、フラックス、グリー
ス、油、ワックス、インキ等の除去剤、電子部品(プリ
ント基板、液晶表示器、磁気記録部品、半導体材料
等)、電機部品、精密機械部品、樹脂加工部品、光学レ
ンズ、衣料品等の洗浄剤や水切り乾燥剤等を挙げること
ができる。その洗浄方法としては、浸漬、スプレー、沸
騰洗浄、超音波洗浄、蒸気洗浄等或いはこれらの組み合
わせ等の従来から用いられている方法が採用できる。ま
た本発明の組成物は、従来のフロンと同様に塗料用溶
剤、抽出剤、熱媒体及び発泡剤等の各種用途にも使用で
きる。
【0010】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0011】実施例1 気液平衡測定装置を用いて2−ジフルオロメトキシ
1,1,1−トリフルオロエタンと塩化メチレンとの混
合物の気液平衡組成(x1及びy1)及び沸点を測定し
た。2−ジフルオロメトキシ 1,1,1−トリフルオ
ロエタンと塩化メチレンとの一定組成の混合試料を試料
容器部に入れ、加熱した。そして気相凝縮液の滴下速度
が適正になるように加熱を調整して、安定した沸騰を4
0分間以上保った。圧力及び沸点が安定していることを
確かめた後、それらを測定した。また液相及び気相凝縮
液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによりサ
ンプリング液の組成分析を行った。前記実験結果を表
1、図1及び図2に示す。図1及び図2に示した実線
は、実験により得られた複数の実測値を相関するように
決定したWilson式による計算曲線である。この場
合のWilson式については、例えば、J.Am.C
hem.Soc.,86,127(1964)に詳述さ
れている。また、後記実施例との関連で示す図3〜図1
2における実線も、同様のWilson式による計算曲
線である。前記実験結果から、2−ジフルオロメトキシ
1,1,1−トリフルオロエタン 75〜85重量%
及び塩化メチレン 15〜25重量%の範囲にある本発
明の組成物は、共沸様組成物である。ここで2−ジフル
オロメトキシ 1,1,1−トリフルオロエタン 7
6.14重量%及び塩化メチレン 23.86重量%か
らなる組成物は共沸組成物であり、その沸点は大気圧
(760mmHg)で26.53℃である。
【0012】実施例2 実施例1の組成物に変えて2−ジフルオロメトキシ
1,1,1−トリフルオロエタンとトランス−1,2−
ジクロロエチレンを用いた以外、実施例1と同様にして
実験を行った。その結果を表2、図3及び図4に示す。
この結果から、2−ジフルオロメトキシ 1,1,1−
トリフルオロエタン 75〜90重量%及びトランス−
1,2−ジクロロエチレン 10〜25重量%の範囲に
ある本発明の組成物は、共沸様組成物である。ここで2
−ジフルオロメトキシ 1,1,1−トリフルオロエタ
ン 81.87重量%及びトランス−1,2−ジクロロ
エチレン 18.13重量%からなる組成物は共沸組成
物であり、その沸点は、大気圧(760mmHg)で2
7.32℃である。
【0013】実施例3 実施例1の組成物に変えて3−ジフルオロメトキシ
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと塩化メ
チレンを用いた以外、実施例1と同様にして実験を行っ
た。その結果を表3、図5及び図6に示す。この結果か
ら、3−ジフルオロメトキシ 1,1,1,2,2−ペ
ンタフルオロプロパン 50〜60重量%及び塩化メチ
レン 40〜50重量%の範囲にある本発明の組成物
は、共沸様組成物である。ここで、3−ジフルオロメト
キシ 1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン
54.15重量%及び塩化メチレン 45.85重量%
からなる組成物は共沸組成物であり、その沸点は、大気
圧(760mmHg)で33.85℃である。
【0014】実施例4 実施例1の組成物に変えて3−ジフルオロメトキシ
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンとトラン
ス−1,2−ジクロロエチレンを用いた以外、実施例1
と同様にして実験を行った。その結果を表4、図7及び
図8に示す。この結果から、3−ジフルオロメトキシ
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン 60〜
70重量%及びトランス−1,2−ジクロロエチレン
30〜40重量%の範囲にある本発明の組成物は、共沸
様組成物である。ここで3−ジフルオロメトキシ 1,
1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン 63.90
重量%及びトランス−1,2−シクロエチレン 36.
10重量%からなる組成物は共沸組成物であり、その沸
点は、大気圧(760mmHg)で37.85℃であ
る。
【0015】実施例5 実施例1の組成物に変えて1,1,2,2−テトラフル
オロエチル 2,2,2−トリフルオロエチル エーテ
ルとトランス−1,2−ジクロロエチレンを用いた以
外、実施例1と同様にして実験を行った。前記実験結果
を表5、図9及び図10に示す。前記実験結果から、
1,1,2,2−テトラフルオロエチル 2,2,2−
トリフルオロエチル エーテル 45〜60重量%及び
トランス−1,2−ジクロロエチレン 40〜55重量
%の範囲にある本発明の組成物は、共沸様組成物であ
る。ここで1,1,2,2−テトラフルオロエチル
2,2,2−トリフルオロエチル エーテル 49.8
3重量%及びトランス−1,2−ジクロロエチレン 5
0.17重量%からなる組成物は共沸組成物であり、そ
の沸点は、大気圧(760mmHg)で41.52℃で
ある。
【0016】実施例6 実施例1の組成物に変えて3−ジフルオロメトキシ
1,1,2,2−テトラフルオロプロパンとトランス−
1,2−ジクロロエチレンを用いた以外、実施例1と同
様にして実験を行った。その結果を表6、図11及び図
12に示す。この結果から、3−ジフルオロメトキシ
1,1,2,2−テトラフルオロプロパン10〜25重
量%及びトランス−1,2−ジクロロエチレン 75〜
90重量%の範囲にある本発明の組成物は、共沸様組成
物である。ここで3−ジフルオロメトキシ 1,1,
2,2−テトラフルオロプロパン 17.37重量%及
びトランス−1,2−ジクロロエチレン 82.63重
量%からなる組成物は共沸組成物であり、その沸点は大
気圧(760mmHg)で47.00℃である。
【0017】
【表1】 *1.液相中のCF3CH2OCHF2濃度 *2.気相中のCF3CH2OCHF2濃度
【0018】
【表2】 *1.液相中のCF3CH2OCHF2濃度 *2.気相中のCF3CH2OCHF2濃度
【0019】
【表3】 *1.液相中のCF3CF2CH2OCHF2濃度 *2.気相中のCF3CF2CH2OCHF2濃度
【0020】
【表4】 *1.液相中のCF3CF2CH2OCHF2濃度 *2.気相中のCF3CF2CH2OCHF2濃度
【0021】
【表5】 *1.液相中のCHF2CF2OCH2CF3濃度 *2.気相中のCHF2CF2OCH2CF3濃度
【0022】
【表6】 *1.液相中のCHF2CF2CH2OCHF2濃度 *2.気相中のCHF2CF2CH2OCHF2濃度
【0023】
【発明の効果】本発明の共沸及び共沸様組成物は、フロ
ン系及び塩素系炭化水素が有するのと同様の洗浄性や低
毒性等のすぐれた性質を有するものである。本発明の組
成物の使用により、従来のフロンや塩素系炭化水素に比
べて、環境負荷を大幅に軽減させることができる。ま
た、本発明の組成物は、蒸留等によりリサイクルして使
用しても組成の変動がないか無視し得るほど小さいの
で、従来一般的に用いられてきたCFC−113やCF
C−11の代替品として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】CF3CH2OCHF2/塩化メチレン系の気液
平衝(760mmHg)における液相中のCF3CH2
CHF2濃度(x1)と気相中のCF3CH2OCHF2
度(y1)との関係を示す。
【図2】CF3CH2OCHF2/塩化メチレン系の気液
平衝(760mmHg)における液相中のCF3CH2
CHF2濃度(x1)と沸点温度(t)との関係を示す。
【図3】CF3CH2OCHF2/トランス−1,2−ジ
クロロエチレン系の気液平衝(760mmHg)におけ
る液相中のCF3CH2OCHF2濃度(x1)と気相中の
CF3CH2OCHF2濃度(y1)との関係を示す。
【図4】CF3CH2OCHF2/トランス−1,2−ジ
クロロエチレン系の気液平衝(760mmHg)におけ
る液相中のCF3CH2OCHF2濃度(x1)と沸点温度
(t)との関係を示す。
【図5】CF3CF2CH2OCHF2/塩化メチレン系の
気液平衝(760mmHg)における液相中のCF3
2CH2OCHF2濃度(x1)と気相中のCF3CF2
2OCHF2濃度(y1)との関係を示す。
【図6】CF3CF2CH2OCHF2/塩化メチレン系の
気液平衝(760mmHg)における液相中のCF3
2CH2OCHF2濃度(x1)と沸点温度(t)との関
係を示す。
【図7】CF3CF2CH2OCHF2/トランス−1,2
−ジクロロエチレン系の気液平衝(760mmHg)に
おける液相中のCF3CF2CH2OCHF2濃度(x1
と気相中のCF3CF2CH2OCHF2濃度(y1)との
関係を示す。
【図8】CF3CF2CH2OCHF2/トランス−1,2
−ジクロロエチレン系の気液平衝(760mmHg)に
おける液相中のCF3CF2CH2OCHF2濃度(x1
と沸点温度(t)との関係を示す。
【図9】CHF2CF2OCH2CF3/トランス−1,2
−ジクロロエチレン系の気液平衝(760mmHg)に
おける液相中のCHF2CF2OCH2CF3濃度(x1
と気相中のCHF2CF2OCH2CF3濃度(y1)との
関係を示す。
【図10】CHF2CF2OCH2CF3/トランス−1,
2−ジクロロエチレン系の気液平衝(760mmHg)
における液相中のCHF2CF2OCH2CF3濃度
(x1)と沸点温度(t)との関係を示す。
【図11】CHF2CF2CH2OCHF2/トランス−
1,2−ジクロロエチレン系の気液平衝(760mmH
g)における液相中のCHF2CF2CH2OCHF2濃度
(x1)と気相中のCHF2CF2CH2OCHF2濃度
(y1)との関係を示す。
【図12】CHF2CF2CH2OCHF2/トランス−
1,2−ジクロロエチレン系の気液平衝(760mmH
g)における液相中のCHF2CF2CH2OCHF2濃度
(x1)と沸点温度(t)との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石村 隆行 東京都文京区本郷2−40−17本郷若井ビル 6階財団法人地球環境産業技術研究機構 新規冷媒等プロジェクト室内 (72)発明者 鈴田 哲也 東京都文京区本郷2−40−17本郷若井ビル 6階財団法人地球環境産業技術研究機構 新規冷媒等プロジェクト室内 (72)発明者 関屋 章 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−ジフルオロメトキシ 1,1,1−
    トリフルオロエタンと、塩化メチレン又はトランス−
    1,2−ジクロロエチレンとからなることを特徴とする
    共沸又は共沸様組成物。
  2. 【請求項2】 3−ジフルオロメトキシ 1,1,1,
    2,2−ペンタフルオロプロパンと、塩化メチレン又は
    トランス−1,2−ジクロロエチレンとからなることを
    特徴とする共沸又は共沸様組成物。
  3. 【請求項3】 1,1,2,2−テトラフルオロエチル
    2,2,2−トリフルオロエチル エーテルと、トラ
    ンス−1,2−ジクロロエチレンとからなることを特徴
    とする共沸又は共沸様組成物。
  4. 【請求項4】 3−ジフルオロメトキシ 1,1,2,
    2−テトラフルオロプロパンと、トランス−1,2−ジ
    クロロエチレンとからなることを特徴とする共沸又は共
    沸様組成物。
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