JPH10324509A - 保存安定性に優れた六方晶窒化硼素 - Google Patents

保存安定性に優れた六方晶窒化硼素

Info

Publication number
JPH10324509A
JPH10324509A JP13311097A JP13311097A JPH10324509A JP H10324509 A JPH10324509 A JP H10324509A JP 13311097 A JP13311097 A JP 13311097A JP 13311097 A JP13311097 A JP 13311097A JP H10324509 A JPH10324509 A JP H10324509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water content
boron nitride
hexagonal boron
purity
storage stability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13311097A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadaichi Kohara
原 定 一 菰
Takao Tanaka
中 隆 夫 田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP13311097A priority Critical patent/JPH10324509A/ja
Publication of JPH10324509A publication Critical patent/JPH10324509A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間保存しておくと、自己が含有し
ている水分によって加水分解を起こし、熱伝導性、電気
絶縁性等の優れた特性を失う。加水分解が発生しないB
N。 【解決手段】 純度98重量%以上、かつ水分含有量
が0.3重量%以下の六方晶窒化硼素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性に優れ
た六方晶窒化硼素に関する。
【0002】
【従来の技術】六方晶窒化硼素(以下、六方晶窒化硼素
をBNと記す)は、白色で黒鉛と同様に層状構造であり
種々の特性を有している。特に熱伝導性、電気絶縁性、
潤滑性、耐熱性、機械加工性等が優れており、これらの
性質を生かして多岐の用途に用いられている。粉体とし
ての用途には樹脂、ゴムへの添加剤、潤滑剤への添加
剤、固体潤滑剤等があり、成形体及び複合材としては窒
化アルミニウム用セッター、ブレークリング等の用途が
知られている。
【0003】最近では電子技術の進歩に伴って、電子回
路の集積度が上がっており、電子素子の温度上昇を防ぐ
ためBNの熱伝導性、電気絶縁性を利用した充填剤、添
加剤の用途が広がっている。例えば合成ゴム等はシート
を製造する際にBNを添加して電気絶縁性及び熱伝導性
を向上させている。このような用途に使用するBNに要
求される特性は、合成ゴム等の中への分散性が良い事、
合成ゴム等との密着性が良い事及び熱伝導性、電気絶縁
性が優れている事である。
【0004】しかし、BNは充填剤、添加剤等に加工し
た後は安定でその特長を維持できるが、未加工の粉末状
態で水分と接触すると加水分解し易いという性質を有し
ており、特に長期にわたって水分と接触すると、その水
分で加水分解し、下記(1)式に従って酸化硼素とアン
モニアになり、BNが硼素酸化物に変化する。
【0005】 2BN+3HO→B+NH・・・・・ (1) 従って、加水分解が進んだBNを例えばシリコンゴムへ
の添加剤として使用した場合、ゴムとBNとの密着性が
悪化し、それに伴い熱伝導性、電気絶縁性も低下し、優
れた特性が得られないという問題を生じる。また、焼結
体の原料として使用すると、燒結性が低下するため、得
られた製品の強度が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のBNは、上述の
ように水分と接触すると加水分解により硼素酸化物に変
化することは知られているが、特に水分含有量が制御さ
れていないため、外気を遮断した状態であっても、長期
間保存しておくと、自己が含有している水分によって加
水分解を起こし、熱伝導性、電気絶縁性等の優れた特性
を失ってしまうという問題点がある。したがってBNの
加水分解が発生しない対策を取る必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するためBNの純度と水分を特定することにより
保存安定性に優れたBNが得られることを見い出し、本
発明を完成させるに至った。即ち、本発明は純度98重
量%以上、かつ水分含有量が0.3重量%以下であるこ
とを特徴とする保存安定性に優れた六方晶窒化硼素に関
する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるBNは、六方晶構造を有するもので
れば、いかなる方法で製造したものでもよい。例えば、
硼酸、無水硼酸、あるいは無水硼砂、硼酸アンモニウム
等の硼酸塩類等をアンモニアガスまたは窒素ガス雰囲気
中で加熱することにより硼素を窒化させるか、あるい
は、これらの硼素化合物とメラミン、尿素、グアニジン
等の含窒素化合物と混合したあと、この混合物をアンモ
ニア、窒素、アルゴン、ヘリウム等の還元性ガスまたは
不活性ないし非酸化性ガス雰囲気中で加熱することによ
り、硼酸を窒化させる製造方法が挙げられる。
【0009】そして本発明のBNは、純度が98重量%
以上のものが対象となる。このようなBNを安定的に保
存するには、水分含有量が0.3重量%以下であること
が必要である。BNに含まれる水分含有量が0.3重量
%を超えると外気を遮断した状態で保存していても加水
分解を防ぐことができない。また、水分含有量は0.3
重量%以下であれば常温に於いて、外気を遮断した状態
で長期にわたって加水分解を防ぐことができるが、特に
保存条件が厳しい、即ち、保存温度が40〜50℃のよ
うに高い場合には0.2重量%以下まで下げることが好
ましい。また、本発明で言う水分含有量とは試料を加熱
温度300℃、2時間加熱したときの重量減少で測定し
た値のことをいう。
【0010】更に、本発明に用いられるBNは比表面積
(SA)が25m/g以下が好ましく、更に好ましく
は、15m/g以下である。比表面積が25m/g
を超えると水分含有量が高くなりやすく、水分含有量を
0.3重量%以下にすることが困難であるだけでなく、
結晶構造も準黒鉛構造をしており、結晶性が低いため、
熱伝導性等が悪くなるため本発明の対象から除かれる。
【0011】本発明の保存安定性に優れたBNの効力
は、純度98重量%以上、水分含有量が0.3重量%以
下の条件下で発揮するのである。以上の如く、品質を管
理されたBNは、外気を遮断し保存した場合に加水分解
を生じない保存安定性が非常に優れた製品となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって詳細に説明す
る。また、%は特記しないかぎり重量基準で表す。 実施例1 容量50mlガラス製カラムと両側にガス導入管、排ガ
ス管、そしてカラムに接続するジョイントを備えた装置
を使用し、このカラムの中央にBN純度98.5%、水
分含有量0.25%、比表面積15m/gのBN粉末
を10g入れカラム両側のコックを閉じ外気と遮断し
た。このカラムを40℃の乾燥器に入れ、7日及び1ヶ
月保存した後、取り出して、ガス導入管(入口)よりN
ガスを10ml/minで10分間通気し、排ガス管
(出口)より排出してくるガスを50mlの純水に吸収
させその臭気及びpHを測定した。その結果を表1に示
す。なお、水分含有量についてはサンプルを秤量瓶に1
0g入れ、300℃、2時間加熱した後の重量減少より
計算した。また比表面積については柴田表面積測定装置
ASA−2000型で測定した。以下の実施例ではこと
わりのない限り本方法で測定した値を示す。
【0013】実施例2 実施例1と同じ純度のBN及び装置を使用し、このカラ
ムの中央に水分含有量0.25%、比表面積25m
gの高純度の六方晶BNを10g入れカラム両側のコッ
クを閉じ外気と遮断した。以下実施例1と同じ条件下の
基で、臭気及びpHを測定した。その結果を表1に示
す。
【0014】実施例3 実施例1と同じ純度のBN及び装置を使用し、このカラ
ムの中央に水分0.3%、比表面積2m/gの高純度
の六方晶BNを10g入れカラム両側のコックを閉じ外
気と遮断した。以下実施例1と同じ条件下の基で、臭気
及びpHを測定した。その結果を表1に示す。
【0015】比較例1 実施例1の水分含有量0.5%を用いた他は実施例1と
同様に行った。その結果を表1に示す。
【0016】比較例2 実施例1と同じ純度のBN及び装置を使用し、このカラ
ムの中央に水分0.5%、比表面積25m/gの高純
度の六方晶BNを10g入れカラム両側のコックを閉じ
外気と遮断した。以下実施例1と同じ条件下の基で、臭
気及びpHを測定した。その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】 加水分解の評価結果はアンモニア臭の有無により行っ
た。 ○:アンモニア臭なし ×:アンモニア臭あり
【0018】
【発明の効果】本発明はBN純度と水分含有量を特定す
ることにより、BNが加水分解することなく、保存安定
性に優れたBNを得ることができる。即ち、本発明の範
囲外の比較例ではこれらを満足することができない。し
かしながら、本発明の範囲内の実施例ではBNが加水分
解することなく、保存安定性に優れたBNが得られ、熱
伝導性、電気絶縁性の良好な加工品が得られるものと期
待される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度98重量%以上、かつ水分含有量
    が0.3重量%以下であることを特徴とする保存安定性
    に優れた六方晶窒化硼素。
  2. 【請求項2】 水分含有量が0.2重量%以下である
    請求項1記載の保存安定性に優れた六方晶窒化硼素。
  3. 【請求項3】 六方晶窒化硼素の比表面積(SA)が
    25m/g以下である請求項1記載の保存安定性に優
    れた六方晶窒化硼素。
JP13311097A 1997-05-23 1997-05-23 保存安定性に優れた六方晶窒化硼素 Pending JPH10324509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13311097A JPH10324509A (ja) 1997-05-23 1997-05-23 保存安定性に優れた六方晶窒化硼素

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13311097A JPH10324509A (ja) 1997-05-23 1997-05-23 保存安定性に優れた六方晶窒化硼素

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10324509A true JPH10324509A (ja) 1998-12-08

Family

ID=15097053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13311097A Pending JPH10324509A (ja) 1997-05-23 1997-05-23 保存安定性に優れた六方晶窒化硼素

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10324509A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164192A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 デンカ株式会社 窒化ホウ素粉末の梱包体、化粧料及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164192A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 デンカ株式会社 窒化ホウ素粉末の梱包体、化粧料及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011043082A1 (ja) 六方晶窒化ホウ素粉末およびその製造方法
WO2011021366A1 (ja) 球状化窒化ほう素の製造法
JPS60180965A (ja) 高熱伝導率の窒化アルミニウムセラミツク体とその製法
JP2019182737A (ja) 六方晶窒化ホウ素粉末およびその製造方法
KR20190017539A (ko) 구형의 질화알루미늄 분말을 제조하기 위한 방법
EP0015422B1 (en) Method for producing powder of alpha-silicon nitride
JPS6112844B2 (ja)
JPH1059702A (ja) 窒化ホウ素及びその製造方法
Chu et al. Carbon‐containing droplet combustion–carbothermal synthesis of well‐distributed AlN nanometer powders
JPH10324509A (ja) 保存安定性に優れた六方晶窒化硼素
JPH1072205A (ja) 微細な盤状六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法
JP3521178B2 (ja) 六方晶窒化ほう素粉末及び用途
Sjöberg et al. Nitridation of amorphous silica with ammonia
JP2845983B2 (ja) 窒化硼素粉末
JPS61201608A (ja) 高純度窒化アルミニウム粉末の製造方法
JPS6256307A (ja) 窒化ほう素と他の非酸化物セラミックスとの混合粉末の製造方法
JP4222716B2 (ja) 酸窒化アルミニウム粉末及び用途
JP5033948B2 (ja) 窒化アルミニウム粉末の製造方法ならびに窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JPH04175209A (ja) 窒化アルミニウム及びその製法
JP3521173B2 (ja) 六方晶窒化ほう素粉末の製造方法
JPH064481B2 (ja) 窒化アルミニウム粉末の製法
JPH01264914A (ja) 窒化アルミニウム粉末及び粉末組成物の製造方法
JPH0459609A (ja) 窒化アルミニウム粉末の製造方法
JPS61295211A (ja) 高純度非晶質窒化硼素微粉末の製造法
JPH0664906A (ja) 窒化珪素粉末

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20060424

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060912

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02