JPH10323529A - 圧縮空気の乾燥装置 - Google Patents

圧縮空気の乾燥装置

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Publication number
JPH10323529A
JPH10323529A JP9135308A JP13530897A JPH10323529A JP H10323529 A JPH10323529 A JP H10323529A JP 9135308 A JP9135308 A JP 9135308A JP 13530897 A JP13530897 A JP 13530897A JP H10323529 A JPH10323529 A JP H10323529A
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JP
Japan
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chamber
air
compressed air
adiabatic expansion
expansion chamber
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Application number
JP9135308A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Nabe
勇一郎 奈部
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UD Trucks Corp
Original Assignee
UD Trucks Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エエアコンプレッサからエアタンクへの圧縮空
気に含まれる水分や油分の除去率を高める。また、メン
テナンスが厄介な乾燥剤に依存せず、圧縮空気を効果的
に除湿できるようにする。 【解決手段】エアコンプレッサ20からエアタンク21
への圧縮空気に含まれる水分や油分を除去する乾燥装置
22として、ボディ23内部を乾燥室26と凝縮室27
に仕切るフィルタ25と、エアコンプレッサ20の圧縮
空気を凝縮室27へ導く供給通路53と、その供給通路
53の途中部分を形成する放熱器30と、放熱器30を
収装する断熱膨張室24と、断熱膨張室24を略大気圧
に保つ手段44,45と、乾燥室26の圧縮空気をエア
タンク21へチェックバルブ33を介して供給するタン
ク側通路32と、乾燥室26の圧縮空気を断熱膨張室2
4へ噴出させるオリフィス36と、凝縮室27の底部に
溜まる水や油を外部へ排出するためのドレンバルブ28
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のブレーキ
システムなどにおいて、エアコンプレッサからエアタン
クへの圧縮空気に含まれる水分や油分を除去する圧縮空
気の乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のブレーキシステムなどにおいて
は、図5のようにエアコンプレッサ1からエアタンク2
への圧縮空気に含まれる水分や油分を除去するため、こ
れらの間を結ぶ通路途中に乾燥装置3(エアドライヤ)
が設けられる。
【0003】エアコンプレッサ1は車両のエンジンで駆
動され、エアタンク2の内圧(タンク圧)が所定値に達
するまでは、INポートから空気(外気)を吸入し、高
温高圧の圧縮空気としてOUTポートからエアタンク2
側へ供給する。エアコンプレッサ1はプレッシャレギュ
レータ4からの圧力に応じて作動するアンローダバルブ
(図示せず)を備え、タンク圧が所定値に達するとアン
ローダバルブを介して圧縮空気を供給しない無負荷運転
(空転状態)に切り替わる。
【0004】エアコンプレッサ1からエアタンク2側へ
の供給空気は、圧縮により多量の水分を含むし、エアコ
ンプレッサ1の潤滑油分もまじり込んでしまう。これら
水分や油分は高温状態において、気体(ミスト状態)と
して存在するが、エアタンク2や配管において放熱され
ると、液体(水滴や油滴)に凝縮する。そのため、エア
コンプレッサ1からエアタンク2への圧縮空気に含まれ
る水分や油分を除去する乾燥装置3が設けられるのであ
る。
【0005】乾燥装置3はボディ5とパージチャンバ6
とからなり、ボディ5内部に乾燥剤8を入れたケース7
(上下面に通気孔を備える)と、その入口を塞ぐフィル
タ9と、が収装される。ケース7の周囲はエアコンプレ
ッサ1からの圧縮空気をフィルタ9へと導く環状通路1
0に形成され、フィルタ9および乾燥剤8を通過した圧
縮空気を上側のパージチャンバ6へ導入するチェックバ
ルブ11がボディ5に備えられる。ボディ5の底部には
水や油の排出口12aが形成され、プレッシャレギュレ
ータ4からの圧力に応じて排出口12aを開閉するドレ
ンバルブ12が設けられる。17はエアコンプレッサの
出口をボデイの入口に接続する配管を表す。
【0006】エアタンク2はパージチャンバ6からの配
管18に接続する入口部13と、車両のブレーキ装置な
どの配管14に接続する出口部と、を備えるものであ
り、タンク圧をプレッシャレギュレータ4へ通路14を
介して供給する。入口部13に圧縮空気の逆流を阻止す
るチェックバルブ(図示せず)が設けられる。プレッシ
ャレギュレータ4はタンク圧が所定値以上になると、エ
アコンプレッサ1のアンローダバルブおよび乾燥装置3
のドレンバルブ12へ通路15,16を介して圧縮空気
を供給する。
【0007】タンク圧が所定値に達するまでは、エアコ
ンプレッサ1は圧縮空気を供給する負荷運転状態に維持
される。エアコンプレッサ1からの圧縮空気は、乾燥装
置3において、ボディ5の環状通路10からフィルタ9
および乾燥剤8を通過し、水分や油分を除去される。そ
の後、チェックバルブ11を通してパージチャンバ6に
入り、エアタンク2へと供給される。
【0008】タンク圧が所定値以上になると、エアコン
プレッサ1は圧縮空気を供給しない無負荷運転に切り替
わる。同時に乾燥装置3のドレンバルブ12が開いてボ
ディ5の底部に溜まった水を外部へ排出するのである。
ボディ5はドレンバルブ12を介して急激に大気開放さ
れるため、ケース7内の圧縮空気がフィルタ9を逆流
し、その付着した水や油を吹き飛ばしながら、これらを
外部へ運び出すようになる。つまり、フィルタ9は圧縮
空気の逆流に伴う清掃効果により再生される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ケース7に
入れた乾燥剤は水分を吸って劣化するため、これを定期
的に交換しなければならない。そのため、メンテナンス
に多少とも費用が掛かるし、これを怠ると、良好な除湿
効果が得られず、エアタンクや配管の内部に凝縮水が溜
まるようにもなりかねない。
【0010】この発明はこのような不具合を解決するた
めになされたものであり、また圧縮空気中の水分や油分
の除去率を高めることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、エアコ
ンプレッサからエアタンクへの圧縮空気に含まれる水分
や油分を除去する乾燥装置として、ボディ内部を乾燥室
と凝縮室に仕切るフィルタと、エアコンプレッサの圧縮
空気を凝縮室へ導く供給通路と、その供給通路の途中部
分を形成する放熱器と、放熱器を収装する断熱膨張室
と、断熱膨張室を略大気圧に保つ手段と、乾燥室の圧縮
空気をエアタンクへチェックバルブを介して供給するタ
ンク側通路と、乾燥室の圧縮空気を断熱膨張室へ噴出さ
せるオリフィスと、凝縮室の底部に溜まる水や油を外部
へ排出するためのドレンバルブと、を備える。
【0012】第2の発明では、第1の発明における断熱
膨張室を略大気圧に保つ手段として、断熱膨張室の空気
をエアコンプレッサの入口側へチェックバルブを通して
供給する還流通路を設ける。
【0013】第3の発明では、第1の発明において、乾
燥室からオリフィスを介して断熱膨張室へ噴出される圧
縮空気の供給通路を開閉する電磁弁と、断熱膨張室の雰
囲気温度を検出する温度センサと、その検出信号に基づ
いて断熱膨張室の雰囲気温度を所定値に保つよう電磁弁
を制御する手段と、を設ける。
【0014】第4の発明では、第1の発明において、凝
縮室からフィルタを通過して乾燥室へ流れる圧縮空気を
除湿する乾燥剤を設ける。
【0015】
【発明の効果】第1の発明では、エアコンプレッサの圧
縮空気は、供給通路を通して凝縮室へ導かれる。供給通
路の途中部分は放熱器に形成され、この放熱器は断熱膨
張室に収装される。断熱膨張室は略大気圧に保たれ、乾
燥室から高温高圧の圧縮空気がオリフィスを通して噴出
されると、圧縮空気の急激な断熱膨張により、その内部
の雰囲気温度は大きく低下する。その断熱膨張室の低温
空気により、放熱器を通過する圧縮空気が冷却され、そ
の中に含まれるミスト状の水分や油分は凝縮されるよう
になる。放熱器から水分や油分は、圧縮空気と一緒に凝
縮室へ送られ、フィルタを通して乾燥室へと流れる際に
圧縮空気から分離され、滴化して次第にボディ底部に溜
まってゆく。そして、乾燥室からドライで清浄な圧縮空
気がチェックバルブを通してエアタンクへと供給され
る。乾燥室の圧縮空気の一部は、断熱膨張室へオリフィ
スから噴出され、放熱器を冷却する低温空気として使用
される。ボディ底部に溜まる水や油はドレバルブを通し
て外部へ排出される。
【0016】このように圧縮空気の断熱膨張に伴う冷却
効果により、エアタンクへの圧縮空気に含まれる水分や
油分の凝縮を促進するようにしたので、これら成分の除
去率を高めることができる。この断熱膨張による冷却効
果には、乾燥剤のような劣化を伴わないから、高い除去
率が安定的に維持される。また、乾燥剤のような定期的
な交換も必要ないため、メンテナンスの簡易化も実現で
きる。
【0017】第2の発明では、放熱器を冷却する断熱膨
張に乾燥室からのドライで清浄な圧縮空気が使用される
ため、断熱膨張室の低温空気をエアコンプレッサの入口
側へ還流させることにより、エアコンプレッサが吐き出
す圧縮空気に含まれる水分量は次第に減少するようにな
る。つまり、ドライで清浄な空気の還流により、エアタ
ンクへの圧縮空気の除湿率を高める効果が得られる。
【0018】第3の発明では、コントローラが温度セン
サの検出信号に基づいて電磁弁を介して圧縮空気の噴出
を制御する。断熱膨張室の雰囲気温度は、所定の制御温
度に保たれるため、放熱器を通過する圧縮空気を適正に
冷却することができる。また、断熱膨張室において、乾
燥室からのドライで清浄な圧縮空気に残存する水分や油
分の滴化も防止できる。
【0019】第4の発明では、凝縮室から乾燥室へフィ
ルタを通して流れる圧縮空気に残存する水分の除去が図
れる。エアタンクへの圧縮空気の除湿率は高まり、冬期
などにおいて、エアタンクや配管に凝縮水が凍結して通
路を詰まらせるという不具合も、圧縮空気の加熱に拠ら
ずに防止することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1において、20はエンジンで
駆動されるエアコンプレッサ、21は車両のブレーキシ
ステムなどへ圧縮空気を供給するエアタンクであり、こ
れらの間に乾燥装置22(エアドライヤ)が設けられ
る。乾燥装置22は筒形のボディ23と後述の断熱膨張
室24と、から構成される。ボディ23の内部を上下に
仕切るフィルタ25が収装され、その上側に圧縮空気の
乾燥室26、同じく下側に水分や油分の凝縮室27、を
形成する。ボディ23の底部は従前と同様に排出口28
aとこれを開閉するドレンバルブ28が設けられる。断
熱膨張室24はボディ23の上部に仕切壁29を介して
形成され、その内部にパイプを螺旋状に巻いた放熱器3
0(凝縮器)が収装される。
【0021】放熱器30は一端が断熱膨張室24の外部
へ突き出され、エアコンプレッサ20のOUTポートに
チェックバルブ39を介して接続される。また、反対側
の一端は乾燥室26およびフィルタ25を貫通して凝縮
室27に開口される。乾燥室26はエアタンク21への
通路32にチェックバルブ33を介して接続され、圧縮
空気をエアタンク21へと供給する。乾燥室26と断熱
膨張室24とを結ぶ連絡路34が形成され、その乾燥室
26側の開口部にチェックバルブ35が設けられる。断
熱膨張室24側の開口部はオリフィス36に形成され、
乾燥室26からの圧縮空気を断熱膨張室24へ噴出す
る。
【0022】連絡路34を開閉する電磁弁38が介装さ
れ、電磁弁38を制御するコントローラ40と、断熱膨
張室24の雰囲気温度を検出する温度センサ41が設け
られる。コントローラ40は温度センサ41の検出信号
に基づいて、断熱膨張室24の雰囲気温度を所定の制御
温度(例えば、6℃)に保つよう、電磁弁38を介して
連絡路34の開閉を制御する。エアコンプレッサ20の
INポートは吸入通路42を介してエアクリーナ43に
接続され、その通路42途中に断熱膨張室24からの還
流通路44が合流される。還流通路44の断熱膨張室2
4側の開口部にチェックバルブ45が介装され、エアコ
ンプレッサ20のINポートへと断熱膨張室24の低温
空気を還流させる。
【0023】エアコンプレッサ20はアンローダバルブ
46を備えるものであり、エアタンク21の内圧(タン
ク圧)が所定値に達するまでは、INポートから吸入し
た空気を圧縮してOUTポートから供給通路53を介し
て乾燥装置22の凝縮室27へ送り出す一方、タンク圧
が所定値以上になると、圧縮空気を供給しない無負荷運
転(空転状態)に切り替わる。アンローダバルブ46の
開閉およびドレンバルブ28の開閉を制御するのがプレ
ッシャレギュレータ47であり、従前と同じくタンク圧
が所定値以上になると、これらバルブ46,28を作動
(開き)状態に保持する圧力を供給する。
【0024】乾燥装置22のフィルタとしては、多孔質
材料(フィルタ材)の表面に撥水撥油性の材質、例えば
フッ素樹脂や酸化ケイ素など、の被膜を形成したもの
(いわゆる、撥水撥油性フィルタ)が用いられる。これ
は水や油の表面張力を利用してこれら成分の滴化を促
し、微細な多孔質構造により圧縮空気から水分や油分を
除去するものである。50はエアタンク21の圧縮空気
をプレッシャレギュレータ47に導く通路、51,52
はプレッシャレギュレータ47とアンローダバルブ46
およびドレンバルブ28の背圧室をそれぞれ結ぶ通路で
ある。また、乾燥装置22の放熱器30においては、そ
の外部通路(供給通路53の一部分)に放熱フィン54
が形成される。
【0025】タンク圧が所定値に達するまでは、エアコ
ンプレッサ20は高温高圧の圧縮空気を供給する負荷運
転状態に維持される。例えば、エアコンプレッサ20の
INポートにおける空気の温度を20℃、圧力は大気圧
(1kg/cm2)とし、これをエアコンプレッサ20
で8kg/cm2(絶対圧)まで圧縮する場合におい
て、OUTポートから吐き出される圧縮空気の理論温度
は、次式により求められる。
【0026】T2=(P2/P1k-1/k×T11;入口空気の絶対温度 T2;出口空気(圧縮空気)の絶対温度 P1;入口空気の絶対圧 P2;出口空気の絶対圧 k;定数(空気は1.4) すなわち、 T2=(8/1)1・4-1/1・4×(273+20) =80・2857×293 Y=80・2857 とおく。
【0027】logY=0.2857log8=0.2580 Y=1.812 となる。よって T2=1.812×293=531°K 出口空気の理論温度は258℃、となる。この圧縮空気
は放熱フィン54などで冷却されながら、乾燥装置22
の放熱器30へ供給される。断熱膨張室24はチェック
バルブ45を介してエアクリーナ43側へ開放のため、
その内部は略大気圧に保たれる。乾燥室22の圧縮空気
が連絡路34を介してオリフィス36から断熱膨張室2
4へ噴出されると、急激な体積膨張により噴出空気の温
度は大きく低下する。
【0028】絶対圧8kg/cm2、温度100℃の圧
縮空気が急激に大気圧まで断熱膨張する場合において
は、その膨張後の空気の理論温度は次式により求められ
る。
【0029】 T2=(1/8)1・4-1/1・4×(273+100) =0.1250・2857×373 Y=0.1250・2857 とおく。
【0030】logY=0.2857×log0.125 Y=0.552 となる。よって、 T2=0.552×373=206°K 噴出空気の理論温度は−67℃、となる。コントローラ
40が温度センサ41の検出信号に基づき、連絡路34
の電磁弁38を制御するため、断熱膨張室24は設定の
制御温度(例えば、6℃)に保たれるようになり、放熱
器30を通過する圧縮空気を冷却する。エアコンプレッ
サ20の圧縮空気に含まれるミスト状態の水分や油分
は、放熱器30を通過しながら、断熱膨張室24の低温
空気により凝縮される。なお、オリフィス36の開度
(通路面積)により、断熱膨張室24への空気流量の調
整も可能になる。
【0031】放熱器30から圧縮空気と一緒に水分や油
分は凝縮室27へ送られ、撥水撥油性のフィルタ25に
より、これを通して乾燥室26へと流れる圧縮空気から
分離され、滴化して次第にボディ23の底部に溜まって
ゆく。このようにして、圧縮空気は水分や油分を除去さ
れ、ドライで清浄な圧縮空気になり、乾燥室26へ送り
込まれ、そこからチェックバルブ33を通してエアタン
ク21へと供給されるのである。
【0032】乾燥室26の圧縮空気の一部は、既述のよ
うに連絡路34を通してオリフィス36から断熱膨張室
24へ噴出され、放熱器30を冷却する低温空気として
使用される。また、断熱膨張室24のドライで清浄な空
気は、チェックバルブ45を介してエアコンプレッサ2
0のINポートへと還流されるため、OUTポートに送
り出される圧縮空気の水分量は次第に減少するようにな
る。
【0033】タンク圧が所定値以上になると、エアコン
プレッサ20は圧縮空気を供給しない無負荷運転に切り
替わる。同時に乾燥装置22のドレンバルブ28が開い
てボディ23の底部に溜まった水や油を外部へ排出す
る。ボディ23はドレンバルブ28を介して急激に大気
開放されるため、乾燥室26からドライで清浄な圧縮空
気がフィルタ35を逆流し、付着する水や油を凝縮室2
7に吹く飛ばしながら、これらを一緒に外部へと運び出
すようになる。そのため、フィルタ25は良好に再生さ
れる。エアタンク21の圧縮空気が消費され、タンク圧
が低下すると、プレッシャレギュレータ47がアンロー
ダバルブ46とドレンバルブ28への圧力を開放するた
め、エアコンプレッサ20は負荷運転状態に切り替わ
り、ボディ23の排出口28aも閉じられる。
【0034】このように圧縮空気の断熱膨張に伴う冷却
効果により、エアタンク21への圧縮空気に含まれる水
分や油分の凝縮を促進するようにしたので、これら成分
の除去率を高めることができる。また、この断熱膨張に
伴う冷却効果は、乾燥剤のような劣化を生じないから、
高い除去率が安定的に維持される。また、乾燥剤を使用
しないため、メンテナンスの簡易化も実現できる。
【0035】図2は乾燥装置22の作用を説明する飽和
蒸気圧線図を表すものである。エアコンプレッサ20に
より圧縮された空気が、絶対圧8kg/cm2、温度2
50℃のA点の状態のときは、圧縮空気に含まれる水分
は水蒸気として気体で存在する。放熱フィン54などで
冷却され、B点の状態(温度は200℃)へ移行する。
断熱膨張室24の放熱器30を通して冷却されると、さ
らにC点の状態(温度は30℃)へ移行する。圧縮空気
の圧力は冷却に伴って理論的には低下するが、エアコン
プレッサ20の稼働中は、その吐出圧(絶対圧8kg/
cm2)に維持される。この温度圧力下において、圧縮
空気に含まれる水蒸気は、飽和蒸気圧線を越える分量が
気体から液体(水滴)に凝縮される。
【0036】エアコンプレッサ20の入口空気の温度2
0℃、その相対湿度60%と仮定する。この空気1m3
中に含まれる水蒸気重量を求めると、 ρ=pd/ps×100=γd/γs×100=60% γd=0.6×γs ρ;相対温度 pd;不飽和水蒸気分圧 ps;飽和水蒸気分圧 γd;空気1m3中の不飽和水蒸気重量(kg/m3) γs;空気1m3中の飽和水蒸気重量(kg/m3) 飽和蒸気圧表から、γs=1/v=1/57.8kg/
3 γd=0.6×1/57.8=0.0104kg/m3 =10.4g/m3 となる。
【0037】この空気を絶対圧8kg/cm2まで圧縮
して温度30℃まで冷却すると、 P1・V1/T1=P2・V2/T21(圧縮前の空気圧)=1kg/cm21(圧縮前の空気体積)=1m31(圧縮前の空気の絶対温度)=273+20=29
3℃ P2(圧縮後の空気圧)=8kg/cm22(圧縮後の空気の絶対温度)=273+30=30
3℃ V2(圧縮後の空気体積)=P1・V1/T1×T2/P2
1/293×1×303/8=0.129=1/7.7
4m3 となる。
【0038】圧縮後の空気は圧縮前の空気に較べると、
7.74倍の水蒸気を含む。したがって、圧縮後の空気
1m3中の水ドレン量は、 W=10.4×7.74−γs γs;温度30℃における飽和水蒸気重量 γsは、飽和蒸気圧表から、γs=1/32.91kg
/m3=30.4g/m3 よって W=10.4×7.74×30.4=50.1g/m3
となる。ここで、エアコンプレッサの能力を160リ
ットル/minとすると、(160/103)m3/mi
n。吸入空気中の水分は、160×10-3×10.4g
/min=1.6g/min となる。圧縮後は7.7
4倍になるから、1.6×7.74=12.384g/
minの水分が存在する。このときのドレン量は、W=
50.1×160×10-3=8g/min となる。
【0039】したがって、圧縮後の温度30℃の空気中
には12.384−8=4.384g/minの水分が
気体として残存する。通常の使用条件下では、圧縮空気
は30℃以上で使用されるので問題ないが、冬期など気
温が低く湿度が高いような場合、凝縮水の凍結防止用に
加熱手段が必要とされる。なお、乾燥装置22の内部に
おいては、断熱膨張室24でもコントローラ40の制御
温度(例えば、6℃)に保たれるので、凝縮水が凍結す
る可能性は殆どない。
【0040】図3の実施形態では、この点を改善するた
め、フィルタ25の上に重なる筒形ケース61(上下面
に通気孔を備える)が設けられ、その内側に少量の再生
可能な乾燥剤60が収装される。エアコンプレッサ20
の圧縮空気は、乾燥装置22の放熱器30で水分や油分
が分離され、凝縮室27の底部に溜められる。撥水撥油
性のフィルタ25を通して水分や油分が濾過され、さら
に乾燥剤60を通して通常は問題にならない水分も除去
される。このため、冬期などに備える凍結防止用の加熱
手段を省略することが可能になる。
【0041】乾燥剤60はエアタンク21およびその配
管(通路32を含む)途中に介装するようにしてもよ
い。その場合、乾燥剤60の交換時期を延ばすため、外
気条件に応じて圧縮空気の流れを通常時と凍結防止時と
に切り替えるパラレルな通路構成を取り、その凍結防止
用の通路に乾燥剤60を介装するとよい。
【0042】図4はコストの削減を図る上から、断熱膨
張室24の温度制御を省略した、別の実施形態を表すも
のである。断熱膨張室24はフィルタ25a(ボディ2
3側のフィルタ25と同じ撥水撥油性を備える)によ
り、その一部分がエアコンプレッサ20のINポートへ
低温空気を還流させる出口側の室24aに仕切られる。
エアコンプレッサ20へ還流空気はフィルタ25aを通
して送り出されるため、エアコンプレッサ20から乾燥
装置22を経由してエアタンク21へ供給される圧縮空
気のドライ化が促進される。
【0043】断熱膨張室24の温度制御手段(図1にお
ける、電磁弁38,コントローラ40,温度センサ4
1)を備えないため、圧縮空気の断熱膨張により、断熱
膨張室24の温度が過度に下がり、低温空気中の水分や
油分を凝縮させる可能性がある。これら滴は断熱膨張室
24の底部に溜まるから、これを外部へ排出するドレン
用のフロートバルブ65が仕切壁29に設けられる。フ
ロートバルブ65は、断熱膨張室24の底部に溜まる滴
量が所定値以上になると開弁するものであり、これを通
過した水滴た油滴は通路66を伝ってボディ23の排出
口28aから外部へ放出される。
【0044】連絡路34のチェックバルブ(図1の3
5)を省略したので、エアタンク21の内圧が所定値以
上になり、ドレンバルブ28が開くと、断熱膨張室24
のドライで清浄な低温空気も、乾燥室26の圧縮空気と
同様にフィルタ25に付着した水滴や油滴を吹く飛ばし
ながら、凝縮室27へと逆流するため、フィルタ25の
再生を促進できる。また、還流通路44のチェックバル
ブ(図1の45)の省略により、低温空気の逆流に伴う
フィルタ25aの再生も期待できる。断熱膨張室24は
温度制御を行わないので、結果的に放熱器30へ及ぼす
冷却効果が大きくなり、外部通路53の放熱フィン54
を削減または省略が可能になる。また、コストの削減を
図る上から、放熱器30のチェックバルブ(図1の3
9)も省略される。
【0045】図3および図4において、図1と同じ部品
は同じ符号を付け、重複説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表す構成図である。
【図2】同じく乾燥装置の作用を説明する飽和蒸気圧線
図である。
【図3】別の実施形態を表す構成図である。
【図4】別の実施形態を表す構成図である。
【図5】従来技術を説明する構成図である。
【符号の説明】
20 エアコンプレッサ 21 エアタンク 22 乾燥装置(ドライヤ) 23 ボデイ 24 断熱膨張室 25 撥水撥油性のフィルタ 26 乾燥室 27 凝縮室 28 ドレンバルブ 30 放熱器(凝縮器) 33,35,39,45 チェックバルブ 34 連絡路 36 オリフィス 38 電磁弁 40 コントローラ 41 温度センサ 46 アンローダバルブ 47 プレッシャレギュレータ 53 供給通路 54 放熱フィン 60 乾燥剤 65 フロートバルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアコンプレッサからエアタンクへの圧縮
    空気に含まれる水分や油分を除去する乾燥装置として、
    ボディ内部を乾燥室と凝縮室に仕切るフィルタと、エア
    コンプレッサの圧縮空気を凝縮室へ導く供給通路と、そ
    の供給通路の途中部分を形成する放熱器と、放熱器を収
    装する断熱膨張室と、断熱膨張室を略大気圧に保つ手段
    と、乾燥室の圧縮空気をエアタンクへチェックバルブを
    介して供給するタンク側通路と、乾燥室の圧縮空気を断
    熱膨張室へ噴出させるオリフィスと、凝縮室の底部に溜
    まる水や油を外部へ排出するためのドレンバルブと、を
    備えたことを特徴とする圧縮空気の乾燥装置。
  2. 【請求項2】断熱膨張室を略大気圧に保つ手段として、
    断熱膨張室の空気をエアコンプレッサの入口側へチェッ
    クバルブを通して供給する還流通路を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 【請求項3】乾燥室からオリフィスを介して断熱膨張室
    へ噴出される圧縮空気の供給通路を開閉する電磁弁と、
    断熱膨張室の雰囲気温度を検出する温度センサと、その
    検出信号に基づいて断熱膨張室の雰囲気温度を所定値に
    保つよう電磁弁を制御する手段と、を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の乾燥装置。
  4. 【請求項4】凝縮室からフィルタを通過して乾燥室へ流
    れる圧縮空気を除湿する乾燥剤を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の乾燥装置。
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