JPH10323257A - シート用クラッチ装置およびシート背もたれ傾き調整装置 - Google Patents

シート用クラッチ装置およびシート背もたれ傾き調整装置

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JPH10323257A
JPH10323257A JP9263559A JP26355997A JPH10323257A JP H10323257 A JPH10323257 A JP H10323257A JP 9263559 A JP9263559 A JP 9263559A JP 26355997 A JP26355997 A JP 26355997A JP H10323257 A JPH10323257 A JP H10323257A
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JP
Japan
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seat
clutch
shaft
outer ring
clutch device
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Application number
JP9263559A
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English (en)
Inventor
Fumio Oba
文男 大庭
Shingo Kono
信吾 河野
Koji Sato
光司 佐藤
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作性が良く、無段階で調整できる簡単な構
成のシート用クラッチを提供する。 【解決手段】 回転ロック方向が互いに逆方向となる一
対のカム式の一方向クラッチ4,4を、外輪2および軸
3を互いに共通として軸方向に並べて設ける。各一方向
クラッチ4は、外輪2と軸3の間にころ5が介在し、外
輪2または軸3に設けたカム面7A,7Bに噛み合って
両者の相対回転をロックするものとする。このロックと
空転は、保持器6の動作により切換可能なものとし、保
持器6に操作レバー9を設ける。外輪2および軸3は、
いずれか一方がシートの背もたれに、他方が背もたれ支
持部材に各々設置される。なお、一対の一方向クラッチ
4,4に代えて、2ウェイクラッチを用いても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車や他の各
種設備のリクライニングシートにおいて、傾き調整に用
いられる無段階のシート用クラッチ装置、およびこのク
ラッチ装置を用いたシート背もたれ傾き調整装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マニュアル式のリクライニングシートで
は、背もたれを有段階で調整するものと無段階で調整す
るものとがあり、使用性の面で無段階のものが好まれて
いる。無段階のシート背もたれ傾き調整装置としては遊
星ギヤ式のものが主流であり、これは駆動部分のダイヤ
ル状摘みを手で回動させる構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この遊星ギヤ
式のものは、構造が複雑でコスト高になり、また操作部
がダイヤル状の摘みを回動操作するものであるため、操
作性が悪いという問題点がある。
【0004】この発明は、上記課題を解消するのもので
あり、無段階で希望の角度に調整できる簡単な構成のシ
ート用クラッチ装置およびシート背もたれ傾き調整装置
を提供することを目的とする。この発明の他の目的は、
操作性の良いシート用クラッチ装置およびシート背もた
れ傾き調整装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
のシート用クラッチ装置は、両方向に回転をロックする
クラッチを設け、このクラッチは、係合子により外輪と
軸の相対回転をロックし、かつ前記係合子に作用する係
脱操作部材の動作でロック状態と空転状態とに切り換え
可能なものとし、前記クラッチの前記係脱操作部材を操
作する操作子を設け、前記外輪および軸の一方がシート
の背もたれに他方が背もたれ支持部材に各々連結される
ものである。前記クラッチは、係合子が軸および外輪に
接してその摩擦によりロックする摩擦クラッチである。
なお、ここで言う軸は、外輪と対応する内輪を設けた場
合、その内輪を含む概念である。この構成によると、両
回転方向がロック状態にあるときに、操作子で係脱操作
部材を空転側に動かすと、空転可能となる。この状態
で、背もたれの傾き角度を任意方向に調整し、操作子で
係脱操作部材をロック側に動かすことにより、背もたれ
がその角度に固定される。このように、背もたれを無段
階で希望の角度に調整することができる。無段階の調整
のため、微調整も可能となる。
【0006】この構成のシート用クラッチ装置におい
て、前記クラッチを、回転ロック方向が互いに逆方向と
なる一対のカム式の一方向クラッチとし、前記操作子を
前記係脱操作部材に設けられた操作レバーとしても良
い。
【0007】この構成によると、次のように動作する。
両回転方向がロック状態にあるときに、両側の一方向ク
ラッチにおける係脱操作部材を操作レバーで空転側に動
かすと、両方向に空転可能となる。両方向のロック状態
から、片方の一方向クラッチの係脱操作部材を動かした
ときは、一方向のみに空転可能となる。また、両方向に
空転状態にあるときに、両側の一方向クラッチの係脱操
作部材を同時に操作レバーでロック側に動かすと、両方
向にロックが可能になる。両方向の空転状態から、片方
の係脱操作部材のみをロック側に動かすと、一方向のみ
に回転ロックされる。このように、併設された2個の一
方向クラッチの係脱操作部材をロック側や空転側に動作
させることにより、任意の状態から、ロック、空転の任
意の状態を選択できる。また、各一方向クラッチはカム
クラッチ形式であるため、無段階で希望の角度に回転角
度を固定でき、構成も簡単である。係脱操作部材は、操
作レバーで操作できるため、操作性が良い。
【0008】上記構成において、前記各一方向クラッチ
は、前記係合子が係合する楔状空間を外輪の内径面と軸
の外径面との間に形成するカム面を、これら外輪内径面
または軸外径面に設けたカムクラッチとしても良い。こ
のようにカム面で形成した楔空間に係合子を係合させる
構成とすることにより、無段階の回転角度ロックが簡単
な構成で行える。
【0009】また、この構成において、前記各一方向ク
ラッチの係合子は、2列に設けた各ころ列のころとし、
前記係脱操作部材は各列のころを保持する環状の保持器
からなり、各ころを前記カム面側へ付勢するばね部材を
設け、前記各操作レバーは前記保持器に一体に設けたも
のとしても良い。このように、係合子をころとした一方
向クラッチを用い、保持器に係脱操作部材を兼用させる
ことで、構成が一層簡単なものとなり、低コストで生産
できる。
【0010】前記構成において、係合子は、外周がカム
面とされて姿勢変化によって前記外輪および軸に対して
係合状態と非係合状態とに切り替わるものとしても良
い。この構成の場合、外輪の内径面および軸の外径面が
円筒面であっても、前記と同様なロックおよび空転の切
り換えが行える。また、前記各構成において、前記一対
の一方向クラッチは、外輪および軸を互いに共通とし、
軸方向に並べて設けたものとすることが好ましい。これ
により、構造が簡素なものとなる。
【0011】この発明の請求項7記載のシート用クラッ
チ装置は、請求項1記載のシート用クラッチ装置におい
て、前記クラッチを、前記係合子であるころを一列に設
けた単独の2ウェイクラッチであって、軸の外径面に形
成したカム面により、軸と外輪の内径面の間に回転方向
の一方および他方に各々狭まる一対となった楔状空間を
形成するものとし、前記係脱操作部材は、前記ころを保
持する環状の保持器からなり、この保持器を外輪に対し
て回転方向の中立位置へ付勢するセンタリングばねを設
けたものである。前記操作子は、前記保持器を回転可能
状態と回転阻止状態とに切り換えるものとする。この構
成の場合、保持器が中立状態にあると、外輪と係合子と
軸との間に隙間があり、クラッチはクランプしない。し
たがって背もたれは動く。保持器を操作子で固定する
と、背もたれが角度変更しようとしても、保持器と軸に
相対回転が生じて、係合子が楔状空間のカム面にクラン
プ状態となり、背もたれが固定される。保持器の固定
は、任意の位置で行うことができ、無段階で背もたれの
位置決めが可能となる。
【0012】この発明の請求項8記載のシートの背もた
れ支持装置は、シートの背もたれを、前記のいずれかの
構成のシート用クラッチ装置を介して、背もたれ支持部
材に起倒可能に設置し、背もたれを前方へ付勢する復帰
ばねを設けたものである。この構成の場合、シートに座
った状態で、空転状態として背もたれの傾きを調整する
ときに、後方へは人の背中で背もたれを押すことによ
り、また前方へは背もたれ復帰ばねの付勢力で角度を調
整することができる。
【0013】この発明の請求項9記載のシート背もたれ
傾き調整装置は、前記2ウェイクラッチを用いたシート
用クラッチ装置における前記軸にウォームを形成し、こ
のウォームに噛み合うウォ−ムホイルを、シートの背も
たれに取付け、前記外輪を背もたれ支持部材に設置した
ものである。このようにウォ−ムを用いることで、その
大きな回転伝達比により、係合子とカム面との間の小さ
なロック力で背もたれを確実にロックすることができ、
また構成も簡単なもので済む。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1ない
し図3と共に説明する。このシート用クラッチ装置1
は、外輪2と軸3との間に、回転ロック方向が互いに逆
方向となる一対のカム式の一方向クラッチ4,4を軸方
向に並べて設けたクラッチ1Aを用いたものである。こ
れら一方向クラッチ4,4は、外輪2および軸3を互い
に共通とし、これら外輪2と軸3ととの間に、係合子で
あるころ5と、保持器6とを各々を設けて構成される。
保持器6は、円周方向複数箇所にポケット6aを形成し
た円筒状のものであり、互いに軸方向に並べて設けら
れ、2列に配列される各列のころ5をポケット5a内に
保持する。
【0015】外輪2の内径面には、各列のころ5に接す
る溝状のカム面7A,7Bが各々円周方向の複数箇所に
形成してある。これらカム面7A,7Bは、図2
(A),(B)に各々示すように、円周方向の一方が斜
面部7aとされて軸3の外径面との間にころ5が係合す
る楔状空間を形成するものであり、2個の一方向クラッ
チ4,4のカム面7A,7Bは、互いに斜面部7aが円
周方向に対称に形成されている。
【0016】保持器6の各ポケット6a内には、ころ5
を斜面部7a側へ付勢するばね部材8が設けてある。各
保持器6は、ころ5を斜面部7aに対して係脱させる係
脱操作部材を兼用するものであり、図1に示すように、
各々外輪2の端部側の側縁に、回転操作用の操作レバー
9が半径方向外側へ延びて一体に設けられている。操作
レバー9は、ロックおよびロック解除の操作を行う操作
子となるものである。これら保持器6の操作レバー9
は、外輪2に設けられた開口10から外輪2の外径側に
突出している。また、2個の保持器6,6は、外輪2の
両端近傍の内径面に形成された止め輪溝に係合する一対
の止め輪11,11により、外輪2に対して軸方向に位
置規制されている。また、各保持器6は、操作レバー9
の形成箇所で、ばね部材12(図1(B))により外輪
2に対してカム面7A,7Bの斜面部7aへころ5を押
し付ける方向に付勢されている。なお、保持器6の操作
レバー9は、人の手が直接に触れるものとしても良く、
また別部材(図示せず)を継ぎ足し、その別部材を介し
て操作レバー9を回動操作するものとしても良い。
【0017】上記構成の作用を説明する。図2(A)
は、図1(A)の左側の保持器6に配置されたころ5が
外輪2のカム面7Aにおける左側の斜面部7aに噛み合
い、軸3の左回転(反時計回り)をロックした状態を示
す。この状態で、保持器6を右側に回転させると、ころ
5の噛み合いが外れ、空転状態となる。図2(B)は、
図1(A)の右側の保持器6に配置されたころ5が外輪
2のカム面7Bにおける右側の斜面部7aに噛み合い、
軸3の右回転(時計回り)をロックした状態を示す。こ
の状態で、保持器6を左側に回転させると、ころ5の噛
み合いが外れ、空転状態となる。
【0018】このロックと空転の各切換形態を説明す
る。 両方向にロック状態にあるときに、両側の一方向クラ
ッチ4,4の保持器6,6を同時に空転側に動かすと、
両方向に空転可能となる。 両方向にロック状態にあるときに、片方の一方向クラ
ッチ4,4の保持器6のみを空転側へ動かしたときは、
一方向のみに空転可能となる。 両方向に空転状態にあるときに、両側の一方向クラッ
チ4,4の保持器6,6を同時にロック側に動かすと、
両方向にロック状態となる。 両方向に空転状態にあるときに、片方の一方向クラッ
チ4の保持器6のみをロック側に動かすと、一方向のみ
に回転ロックされる。 このように、直列に配置された2個の保持器6,6をロ
ック,空転側に任意に制御することにより、軸3(ある
いは外輪2)の各方向のロックおよび空転を任意の状態
に切り換えることができる。各保持器6の操作は、保持
器6に設けられた操作レバー9を押し引きすることで行
える。
【0019】図3は、この実施形態のシート用クラッチ
装置1をシート背もたれ傾き調整装置30に用いた自動
車用のリクライニングシート20の概略側面図である。
シート用クラッチ装置1の外輪2は、シート20の背も
たれ支持部材を兼ねる座面側部材20aに固定され、軸
3は背もたれ20bの下端に一体に固定さている。背も
たれ20bは、座面側部材20aと背もたれ20bとの
間に設けた復帰ばね21により前方へ付勢されている。
背もたれ20bを動かすときは、操作レバー9を動か
し、シート用クラッチ装置1を空転状態にし、後ろ方向
(矢印A方向)または前方向(矢印B方向)に動かす。
このとき、後ろ方向Aへは、人の背中の力により動か
し、前方向へは背もたれ20bに復帰ばね21のばね力
で動かす。このように背もたれ20bを希望の角度に調
整した後、操作レバー9を動かしてシート用クラッチ装
置1により背もたれ20bの角度を固定する。シート用
クラッチ装置1のロック,空転の操作は、図3(A),
(B)に矢印U,Dで示すように、操作レバー9を引き
上げ、あるいは押し下げることで行えるため、シート2
0に座った状態で、簡単にかつ軽い操作力で行える。そ
のため操作性が良い。操作レバー9は、この例では手で
直接に操作するものとしたが、別部材のレバーを設け、
その別部材のレバーの回動等に連動して操作レバー9を
動作させるようにしても良い。
【0020】なお、前記実施形態では、カム面7A,7
Bを外輪2に設けたが、ころ5に接するカム面は軸3の
外径面に設けても良い。また、外輪2は、鋼板等の絞り
成形品からなるシェルタイプとし、ハウジングに圧入す
るものとしても良い。さらに、外輪2と軸3との間に係
合する係合子として、ころ5に代えて、ボールや断面非
円形の部材を用いても良い。さらに、カム面は、外輪2
や軸3に設ける代わりに、係合子に設けても良い。例え
ば、図4に示すように、外輪31と軸32との間に、外
径面がカム面となるスプラグからなる係合子33を介在
させ、ばね34で係合子33を規制したスプラグ式のカ
ムクラッチを、この発明のシート用クラッチにおける各
一方向クラッチとして用いても良い。各係合子33は、
内外2つのリング状の保持器35,36のポケット内に
保持されており、前記保持器35,36のいずれか片方
または両方が、操作レバー(図示せず)の設けられた係
脱操作部材となる。
【0021】図5ないし図7は、この発明のさらに他の
実施形態を示す。図5(A)は同図(B)のY−Y線断
面を、同図(B)は同図(A)のZ−Z線断面を各々示
す。この例は、シート用クラッチ装置41に単独の2ウ
ェイクラッチ41Aを用いたものである。このシート用
クラッチ装置41は、底付き円筒状の外輪42内に、軸
受44を介して軸43の一端を回転自在に支持し、外輪
42と軸43との間に係合子となる複数のころ45を介
在させて構成される。各ころ45は、円筒状の係脱操作
部材である保持器46に形成されたポケット46a(図
6)に回転自在に収容されている。軸42の各ころ45
と対応する外径面部分には、ころ45の個数だけカム面
43aが形成されている。このカム面43aは、軸42
の軸心に平行な平坦面であり、軸42のカム面43aが
形成された軸方向部分の断面形状は、図5(B)のよう
に正多角形状となっている。これら各カム面43aと、
外輪42の円筒面状の内径面との間で、回転方向の一方
および他方に各々狭まる一対となった楔状空間S(図
6)が形成される。保持器46は、軸43と保持器46
との間に介在させたセンタリングばね52により、中立
位置にころ45が位置するように、つまり前記一対の楔
状空間Sの中間位置にころ45が位置するように付勢さ
れている。センタリングばね52はねじりコイルばねか
らなり、一端が保持器46の端部に形成されたばね係止
部に、他端が軸43に形成されたばね係止部に各々係合
する。
【0022】外輪42は、静止側の部材である背もたれ
支持部材50に固定され、軸43の他端は、同じく背も
たれ支持部材50に軸受53を介して回転自在に支持さ
れている。軸43の外輪42から延出した部分には、ウ
ォ−ム47が形成され、ウォ−ムホイル48と噛み合っ
ている。ウォ−ムホイル48は、背もたれ(図示せず)
に、その傾動中心軸と同心に固定されている。
【0023】図7に示すように、背もたれ支持部材50
には、シート(図示せず)の側方に位置してシートレバ
ー55がその一端で支軸56回りに起倒回動自在に設置
され、摩擦部材57を下端に有する昇降自在なリンク5
8が、シートレバー55の中間に連結されている。シー
トレバー55は、ばね等の弾性部材59により下降方向
に付勢され、その付勢力で、摩擦部材57が保持器46
の外径面に押し当てられる。この摩擦部材57およびシ
ートレバー55により、係脱操作部材である保持器46
をロック状態と非ロック状態とに切換操作する操作子6
0が構成される。
【0024】この構成のシート用クラッチ装置41の動
作を説明する。保持器46が中立状態にあると、外輪4
2ところ45と軸43との間に隙間があり、クラッチ4
1Aはクランプしない。したがって背もたれは動く。保
持器46を回転阻止状態に固定すると、背もたれが角度
変更しようとしても、保持器46と軸43に相対回転が
生じて、ころ45が軸43のカム面43a(すなわち楔
状空間Sのカム面)にクランプ状態となり、背もたれが
いずれの回転方向に対しても固定される。図6(A)は
軸43が右回転しかけて固定された状態を、同図(B)
は軸43が左回転しかけて固定された状態を各々示す。
符号a,bは、各状態において、ころ45が外輪42お
よび軸43に押しつけられる箇所各々示す。保持器46
の固定は、任意の位置で行うことができ、無段階で背も
たれの位置決めが可能となる。保持器46の固定および
固定解除は、シートレバー55により行われる。図7
(A)のようにシートレバー55は、非操作状態では、
弾性体59の付勢力で押し下げられていて、摩擦部材5
7が保持器46に押しつけられた状態となる。この状態
では、保持器46は固定状態となり、前記のように軸4
3の回転をロックして、背もたれを角度固定状態とす
る。同図(B)のように、シートレバー55を弾性体5
9の付勢力に抗して引き上げると、摩擦部材57が保持
器46から離れ、保持器46はセンタリングばね52に
より中立位置とされて、軸43の回転、すなわち背もた
れの角度調整が可能となる。
【0025】このように、シートレバー55を引き上げ
るだけで、背もたれを自由に倒し、あるいは起こして任
意角度に調整することができ、調整後、シートレバー5
5を離すと、その調整された角度に背もたれが固定され
る。このため、操作性が良く、また無段階であるため、
微調整が可能となる。また、2ウェイクラッチ41Aを
使用したため、簡単な構造となる。さらに、ウォ−ム4
7の採用により、ころ43に作用する小さな摩擦力で堅
固に背もたれの角度を固定することができる。
【0026】なお、この2ウェイクラッチ41Aを用い
たシート用クラッチ装置41において、ロック解除状態
時に背もたれが倒れないように起立付勢する背もたれ復
帰ばね(図示せず)、あるいは角度保持する手段を設け
ることが好ましい。また、この2ウェイクラッチ41A
を用いたシート用クラッチ装置41においても、軸43
を静止側部材である背もたれ支持部材50に固定し、外
輪42を回転自在としても良い。その場合、外輪42に
ウォ−ムを形成するなどして、外輪42を背もたれに連
結する。さらに、2ウェイクラッチ41Aを用いたシー
ト用クラッチ装置41においても、ころ45に代えて各
種形状の係合子を用いることができる。
【0027】
【発明の効果】この発明のシート用クラッチ装置は、両
方向に回転をロックするクラッチを設け、このクラッチ
は、係合子により外輪と軸の相対回転をロックし、かつ
前記係合子に作用する係脱操作部材の動作でロック状態
と空転状態とに切り換え可能なものとし、前記クラッチ
の前記係脱操作部材を操作する操作子を設けたものであ
るため、構成が簡単でコンパクトとなり、低コストの無
段階クラッチ装置とできる。前記クラッチとして、回転
ロック方向が互いに逆方向となる一対のカム式の一方向
クラッチを用い、操作レバーの操作でロックと空転の切
り換えを行うようにした場合は、操作性が良く、しかも
構成が簡単で、低コストの無段階クラッチ装置とでき
る。この発明の請求項7記載のシート用クラッチ装置
は、前記クラッチが、ころを一列に設けた単独の2ウェ
イクラッチであって、軸の外径面に形成したカム面によ
り、軸と外輪の内径面の間に回転方向の一方および他方
に各々狭まる一対となった楔状空間を形成するものと
し、前記係脱操作部材は、前記ころを保持する環状の保
持器からなり、この保持器を外輪に対して回転方向の中
立位置へ付勢するセンタリングばねを設け、前記操作子
は、前記保持器を回転可能状態と回転阻止状態とに切り
換えるものとしたため、この場合も、操作性が良く、し
かも構成が簡単でより一層コンパクトとなり、低コスト
の無段階クラッチ装置とできる。また、この発明の請求
項8記載のシート背もたれ傾き調整装置は、上記のシー
ト用クラッチ装置を用い、背もたれを前方へ付勢する復
帰ばねを設けたため、座席に座った状態で、前後いずれ
の方向にも簡単に傾き調整することができる。この発明
の請求項9記載のシート背もたれ傾き調整装置は、この
2ウェイクラッチを用いたシート用クラッチ装置におけ
る軸にウォームを形成し、このウォームに噛み合うウォ
−ムホイルを、シートの背もたれに取付け、前記外輪を
背もたれ支持部材に設置したものであるため、座席に座
った状態で、前後いずれの方向にも簡単に傾き調整する
ことができるうえ、背もたれの傾き角度の堅固なロック
を簡単な機構で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかるシート
用クラッチ装置の破断正面図、(B)はその破断側面図
である。
【図2】同シート用クラッチ装置の動作説明図である。
【図3】同シート用クラッチ装置を応用したシート背も
たれ傾き調整装置を側面から示す動作説明図である。
【図4】この発明の他の実施形態にかかるシート用クラ
ッチ装置の部分破断側面図である。
【図5】(A)はこの発明のさらに他の実施形態にかか
るシート用クラッチ装置の破断正面図、(B)はその破
断側面図である。
【図6】同シート用クラッチ装置の動作説明図である。
【図7】同シート用クラッチ装置とシートレバーとの関
係を示す各動作状態の破断正面図である。
【符号の説明】
1A…クラッチ 32…軸 1…シート用クラッチ装置 33…係合子 2…外輪 41A…2ウェイ
クラッチ 3…軸 41…シート用
クラッチ装置 4…一方向クラッチ 42…外輪 5…ころ(係合子) 43…軸 6…保持器(係脱操作部材) 43a…カム
面 7A,7B…カム面 45…ころ
(係合子) 7a…斜面部 46…保持
器(係脱操作部材) 8…ころ付勢用のばね部材 47…ウォ−
ム 9…操作レバー(操作子) 48…ウォ−
ムホイル 12…保持器付勢用のばね部材 50…背も
たれ支持部材 20…シート 52…セン
タリングばね 20a…背もたれ ) 55…シー
トレバー 20b…座面側部材(背もたれ支持部材 57…摩擦
部材 21…復帰ばね 60…操作
子 30…シート背もたれ傾き調整装置 S…楔状
空間 31…外輪

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両方向に回転をロックするクラッチを設
    け、このクラッチは、係合子により外輪と軸の相対回転
    をロックし、かつ前記係合子に作用する係脱操作部材の
    動作でロック状態と空転状態とに切り換え可能なものと
    し、前記クラッチの前記係脱操作部材を操作する操作子
    を設け、前記外輪および軸の一方がシートの背もたれ
    に、他方が背もたれ支持部材に各々連結されるシート用
    クラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチは、回転ロック方向が互い
    に逆方向となる一対のカム式の一方向クラッチであり、
    前記操作子は前記係脱操作部材に設けられた操作レバー
    である請求項1記載のシート用クラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記各一方向クラッチは、前記係合子が
    係合する楔状空間を外輪の内径面と軸の外径面との間に
    形成するカム面を、これら外輪内径面または軸外径面に
    設けたカムクラッチである請求項2記載のシート用クラ
    ッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記各一方向クラッチの係合子は、2列
    に設けた各ころ列のころであり、前記係脱操作部材は各
    列のころを保持する環状の保持器からなり、各ころを前
    記カム面側へ付勢するばね部材を設け、前記各操作レバ
    ーは前記保持器に一体に設けた請求項3記載のシート用
    クラッチ装置。
  5. 【請求項5】 前記係合子を、外周がカム面とされて姿
    勢変化によって前記外輪および軸に対して係合状態と非
    係合状態とに切り替わるものとした請求項2記載のシー
    ト用クラッチ装置。
  6. 【請求項6】 前記一対の一方向クラッチは、外輪およ
    び軸を互いに共通とし、軸方向に並べて設けられたもの
    である請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のシー
    ト用クラッチ装置。
  7. 【請求項7】 前記クラッチは、前記係合子であるころ
    を一列に設けた単独の2ウェイクラッチであって、軸の
    外径面に形成したカム面により、軸と外輪の内径面の間
    に回転方向の一方および他方に各々狭まる一対となった
    楔状空間を形成するものとし、前記係脱操作部材は、前
    記ころを保持する環状の保持器からなり、この保持器を
    外輪に対して回転方向の中立位置へ付勢するセンタリン
    グばねを設け、前記操作子は、前記保持器を回転可能状
    態と回転阻止状態とに切り換えるものとした請求項1記
    載のシート用クラッチ装置。
  8. 【請求項8】 シートの背もたれを、請求項2ないし請
    求項7のいずれかに記載のシート用クラッチ装置を介し
    て背もたれ支持部材に起倒可能に設置し、前記背もたれ
    を前方へ付勢する背もたれ復帰ばねを設けたシートの背
    もたれ傾き調整装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のシート用クラッチ装置に
    おける軸にウォームを形成し、このウォームに噛み合う
    ウォ−ムホイルを、シートの背もたれに取付け、前記外
    輪を背もたれ支持部材に設置したシート背もたれ傾き調
    整装置。
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