JPH10321041A - 固定化液膜導電体及びその製造方法 - Google Patents

固定化液膜導電体及びその製造方法

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JPH10321041A
JPH10321041A JP14729897A JP14729897A JPH10321041A JP H10321041 A JPH10321041 A JP H10321041A JP 14729897 A JP14729897 A JP 14729897A JP 14729897 A JP14729897 A JP 14729897A JP H10321041 A JPH10321041 A JP H10321041A
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polyolefin
conductor
terminal
film
polypropylene
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JP14729897A
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Koichi Kono
公一 河野
Kotaro Takita
耕太郎 滝田
Norimitsu Kaimai
教充 開米
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜化、大面積化が容易で広い温度範囲で非
プロトン性電解質溶液の保持性に優れ、長期安定性と機
械的強度の向上した固定化液膜導電体とその製造方法の
提供。 【解決手段】 非プロトン性電解質溶液に溶解性を有す
る末端変性ポリプロピレン及び電子導電性材料を含有す
るポリオレフィンフィルムに、非プロトン性電解質溶液
を固定化させたことを特徴とする、固定化液膜導電体と
その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定化液膜導電体
及びその製造方法に関し、特に高い電子導電性を有する
導電性フィルムにイオン導電体を固定化した固定化液膜
導電体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ブタジエ
ンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー、エポキシ樹脂などにカーボンブラック
などの電子導電性物質を混和して成る導電体は広く知ら
れている。そして、これらの導電体は、静電防止材料、
電磁波シールド用材料、導電性塗料、接着剤、IC包装
材、面状発熱体、面スイッチなどに使用されている。
【0003】また、かかる導電体において、高い導電性
を有する薄膜導電体は、固体高分子電解質あるいは液体
電解質を用いるデバイスにおける電極や電極構成材料と
して極めて効果的に用いることができる。すなわち、電
極と電解質との接触界面を大面積化することができ、従
って例えば、これを用いてリチウム系一次電池、リチウ
ム系二次電池などの高性能の電池を製造することが可能
となる。
【0004】前記の薄膜導電体の開発例としては、ポリ
エチレンの可塑剤溶液にケッチェンブラック(Akzo
Chemic社商標)を混合し、シート成形、延伸の
後、可塑剤を除去した多孔質薄膜に、電解液を毛管凝縮
力を利用して固定化した多孔性導電膜とその製造方法
(特開平3−87096号)がある。しかし、電解液保
持性に問題を有している。一方、最近では、ポリ弗化ビ
ニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体にLi
Mn24とカーボンブラックあるいは石油コークスとカ
ーボンブラックを混合しリチウム塩を溶解したカーボネ
ート系溶液を含浸させたポリマーゲルを電池の正極ある
いは負極に用いる技術(USP5,296,318号)
が提案されているが、高温におけるゲル収縮による電解
液の滲み出の問題があり、電解液保持性に関する完全な
解決策にはならない。したがって、薄膜化、大面積化が
容易で、広い温度範囲で電解質溶液の安定した保持能力
を持つ薄膜導電体の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点を解消し、薄膜化、大面積化が容易で広
い温度範囲で非プロトン性電解質溶液の保持性に優れ、
長期安定性と機械的強度の向上した固定化液膜導電体と
その製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、電子
導電性材料および末端鎖に使用する電解液溶媒と親和性
を有する官能基を有するポリマーを含有するポリオレフ
ィンフィルムに電解質溶液を含浸させることにより、非
プロトン性電解液を膜に固定化することによって、上記
目的を達成できることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明の固定化液膜導電体は、
末端変性ポリプロピレン及び電子導電性材料を含有する
ポリオレフィンフィルムに非プロトン性電解質溶液を固
定化した固定化液膜導電体である。また、本発明の固定
化液膜導電体の製造方法は、末端変性ポリプロピレン及
び電子導電性材料を含有するポリオレフィンフィルムに
非プロトン性電解質溶液を含浸し、固定化するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の固定化液膜導電体は、電
子導電性材料を含有するポリオレフィンフィルムを主骨
格とし、これに使用する電解液溶媒に親和性を有する官
能基を末端鎖に有する末端変性ポリマーを含有させ、電
解質を溶媒に溶解した電解質溶液が充填され、安定的に
保持させることにより構成される。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0009】1.末端変性ポリプロピレン及び電子導電
性材料を含有するポリオレフィンフィルム a.ポリオレフィン ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、
ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられる。これら
の中ではポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンと
しては、ポリプロピレンの単独重合体、プロピレンとエ
チレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4
−メチル−ペンテン−1等のα−オレフィンとのランダ
ム、ブロックまたはグラフト共重合体等が挙げられる。
【0010】b.末端変性ポリプロピレン 末端変性ポリプロピレンは末端に官能基構造を有するポ
リプロピレンである。ここでポリプロピレンとしては、
プロピレン単独重合体に限らず、プロピレンと他のα−
オレフィン(例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン等)との1種または2種
以上のブロック共重合体ゴムを包含する。
【0011】末端に官能基構造を有するポリプロピレン
は、次のようにして製造できる。すなわち、特定のバナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒
の存在下でプロピレンをリビング重合して得られるリビ
ングポリプロピレンを官能基含有モノマーと反応させる
ことにより製造する。バナジウム化合物としてはV(ア
セチルアセトナト)3、V(2−メチル−1、3−ブタ
ンジオナト)3、V(1、3−ブタンジオナト)3が好ま
しい。有機アルミニウム化合物としては、炭素数1〜1
8個、好ましくは炭素数2〜6個を有する有機アルミニ
ウム化合物またはその混合物または錯化合物であり、例
えばジアルキルアルミニウムモノハライド、モノアルキ
ルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセス
キハライドなどが挙げられる。
【0012】重合反応は、重合反応に対して不活性で、
かつ重合時に液状である溶媒中で行うのが好ましい。そ
のような溶媒としては、飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環
式炭化水素、芳香族炭化水素が挙げられる。プロピレン
の重合時の重合触媒の使用量はプロピレン1モル当たり
バナジウム化合物が1×10-4〜0.1モル、好ましく
は5×10-4〜5×10-2モルで、有機アルミニウム化
合物が1×10-4〜0.5モル、好ましくは1×10-3
〜0.1モルである。なお、バナジウム化合物1モル当
たり、有機アルミニウム化合物は4〜100モル用いら
れるのが望ましい。
【0013】リビング重合は、通常−100℃〜100
℃で、0.5〜50時間行われる。得られるリビングポ
リプロピレンの分子量は反応温度および反応時間を変え
ることにより調節できる。重合温度を低温、特に−30
℃以下にすることにより、単分散に近い分子量分布を持
つポリマーとすることができる。−50℃以下ではMw
(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.05
〜1.40のリビング重合体とすることができる。上記
のようにして、約800〜400,000の数平均分子
量を持ち、単分散に近いリビングポリプロピレンを製造
できる。
【0014】次に、末端に官能基構造を導入するため
に、リビングポリプロピレンと官能基含有モノマーと反
応させる。導入するモノマーとしては、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリルアミド、アクリルニトリル、スチレンおよ
びその誘導体等が用いられる。具体的には、例えばアク
リル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、ラウリルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、エチルデシルアクリレー
ト、エチルヘキサデシルアクリレート、2−エトキシエ
チルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、1、4ブタンジオールジアクリレート、
1、6−ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリル
系モノマーが挙げられ、メタクリル酸エステルとして
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸グリシジル、ジメタクリル
酸エチレングリコール等のメタクリル系モノマーが挙げ
られる。これらの1種類又は複数種類を選択して用いる
ことができる。また、必要に応じてビニルアクリレー
ト、ビニルメタクリレート、ジビニルベンゼン、ビニル
アクリル酸ブチル等の架橋性モノマーも用いることがで
きる。上記したモノマーのうちではアクリル酸、メタク
リル酸またはこれらのエステルからなるモノマー、アク
リルアミドまたはその誘導体からなるアクリル系モノマ
ーを用いるのが好ましい。
【0015】本発明では、リビング重合体を形成する単
一モノマーあるいは複数モノマーの配合量を、電解溶液
の溶媒に合わせて調節する。こうすることにより、電解
溶液に効果的に膨潤ゲル化し、それを強固に固定化する
ことができるようになる。ここで、末端変性リビング重
合体を含有するフィルムは、リビング重合官能基に親和
性のある電解液溶媒を選択的に取り込むが、主骨格が耐
溶剤性に優れたポリオレフィンから構成されているの
で、全体としてその膨潤は適度に抑えられ、大きな変
形、強度の低下を防止できる。
【0016】リビングポリプロピレンと官能基含有モノ
マーとの反応は、リビングポリプロピレンが存在する反
応系にモノマーを供給し、反応させる。反応は通常−1
00℃〜150℃の温度で5分間〜50時間行う。反応
温度を高くするか、反応時間を長くすることにより、モ
ノマーユニットによるポリプロピレン末端の変性率を増
大することができる。リビングポリプロピレン1モルに
対して、通常モノマーを1〜1,000モル使用する。
【0017】上記のようにして得られた末端変性ポリプ
ロピレンは約800〜500,000の数平均分子量
(Mn)を有し、かつ前記のリビングポリプロピレンそ
のものを踏襲した非常に狭い分子量分布(Mw/Mn=
1.05〜1.40)を有する。しかも、その末端に、平
均して0.1〜500個、好ましくは0.5〜100個の
前記モノマーの末端構造を有する。またこのようにして
製造した末端変性ポリプロピレンは、シンジオタクチッ
クダイアッド分率が0.6以上であることが1つの特徴
である。末端変性リビング重合ポリプロピレンの使用量
は、ポリオレフィンの10〜100重量%で、好ましく
は30〜100重量%である。10重量%未満では電解
溶液の溶媒の含浸、固定化の効果が期待出来ない。
【0018】c.電子導電性材料 電子導電性材料としては、各種の金属や半導体、酸化物
系及び硫化物系の電子導電性材料、及びカーボンもしく
はグラファイトが挙げられる。これらは粒子状、繊維
状、フィブリル状、ウイスカー状等のいかなる形状であ
ってもよい。特に好ましいものは、TiS3、TiS2
TiO2、V25、NbSe3、MnO2、LiCoO2
LiNiO2、LiMn24、PbO2、NiOOHなど
の電池正極活物質、石油コークス、天然グラファイト、
カーボンファイバー、Pb、Cdなどの電池負極活物質
及びアセチレンブラック、ケッチェンブラック(Akz
oChemic社商標)、カーボンウィスカー、グラフ
ァイトウィスカー、グラファイトフィブリル等の導電剤
がある。電子導電性材料の配合量は、使用するポリオレ
フィンの1〜200重量%、特に5〜100重量%であ
ることが好ましい。この配合量が1重量%未満では十分
な導電性が得られにくく、200重量%を超えると実用
的に十分な強度のフィルムを得ることが困難となる。
【0019】d.製法 末端変性ポリプロピレン及び電子導電性材料を含有する
ポリオレフィンフィルムの製造方法としては、ポリオレ
フィンに上記の末端変性ポリプロピレン及び上記の電子
導電性材料を配合した組成物から製造でき、溶融混合法
あるいはポリオレフィンと末端変性ポリプロピレンの溶
剤による溶解法で行えばよい。溶解法の場合、例えば次
のようにして行うことができる。ポリオレフィンに末端
変性ポリプロピレンを配合した組成物をデカリン、キシ
レン等のような溶媒に溶解して均一な溶液とし、これに
電子導電性材料を均一に配合する。この溶液からフィル
ムを形成し、ついで乾燥する方法等である。
【0020】なお、ポリオレフィンフィルムには、必要
に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、顔料、染料、無機充填剤などの各種添加
剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することが
できる。
【0021】e.物性 電子導電性材料および末端変性ポリプロピレンを含有す
るポリオレフィンフィルムは、1〜1000μm、好ま
しくは5〜500μmの膜厚を有する。厚さが1μm未
満では、機械的強度及び取扱の観点から実用に供するこ
とが難しい。一方、1000μmを超える場合には、実
効抵抗が大きくなり、導電体としての体積効率も不利と
なる。
【0022】2.末端変性ポリプロピレン及び電子導電
性材料を含有するポリオレフィンフィルムへの非プロト
ン性電解質溶液の固定化 a.電解質溶液 非プロトン性電解質溶液の電解質としては、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩が用いられ、例えばLiF、
NaI、LiI、LiClO4、LiAsF6、LiPF
6、LiBF4、LiCF3SO3、NaSCN等が挙げら
れる。また、非プロトン性電解質溶液の電解質を溶解す
る非プロトン性溶媒としては、アルカリ金属に対して安
定な溶媒で、具体的には、プロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシ
エタン、アセトニトリル、フォルムアミド、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル等の非プロトン性の高誘電
率溶媒が、単独又は2種以上の組み合わせで使用され
る。
【0023】b.固定化法 末端変性ポリプロピレン及び電子導電性材料を含有する
ポリオレフィンフィルムに非プロトン性電解質溶液を固
定化し、固定化液膜導電体とする方法としては、含浸、
塗布またはスプレーなどを単独あるいは組み合わせて使
用することができる。また、電解質溶液を固定化するの
は、電池に組み込む前でもよいし、電池組立途中工程で
もよいし、電池組立最終工程でもよい。
【0024】c.固定化液膜導電体の比導電率 上記によって構成される本発明の固定化液膜導電体は、
10-5Scm-1以上、好ましくは10-3Scm-1以上の
比導電率を有する。比導電率が10-5Scm-1未満では
実効抵抗が大きくなり実用的でない。例えば、膜厚1μ
mのときの実効抵抗は1μm/10-5Scm-1、即ち1
0Ωcm2となる。
【0025】
【実施例】本発明を以下の具体的な実施例によりさらに
詳細に説明する。 実施例1 結晶性ポリプロピレン(重量平均分子量4.5×1
5)20重量部、各々分子末端にメチルアクリレート
基を有するリビング重合ポリプロピレン(重量平均分子
量5×104)10重量部と石油コークス粉末30重量
部とケッチェンブラック粉末(Akzo Chemic
社商標)3重量部とデカリン70重量部を含む混合物1
00重量部に酸化防止剤0.37重量部を加えて160
℃で撹拌溶解した。これを金属トレーに注入すると同時
にフィルムを形成させた。このフィルム中の溶媒を室温
で蒸発させた後、120℃で真空乾燥して末端変性ポリ
プロピレン及び電子導電性材料を含有するポリプロピレ
ンフィルムを得た。
【0026】得られた厚さ25μmのフィルムに、25
℃の温度で、1モルのLiPF6を含むプロピレンカー
ボネート溶液を滴下し、密閉容器の中に1時間放置し
て、膨潤率(重量増加率)87%の固定化液膜導電体を
得た。得られた固定化液膜導電体を直径10mmに打ち
抜き、これを白金黒電極で挟み、周波数1kHzの交流
で電気抵抗値を測定し、この値と固定化液膜導電体の厚
み及び面積より算出した比導電率は5×10-2Scm-1
であった。
【0027】実施例2 各々分子末端にメチルアクリレート基を有するリビング
重合ポリプロピレン(重量平均分子量5×104)30
重量部と石油コークス粉末30重量部とケッチェンブラ
ック粉末(Akzo Chemic社商標)3重量部と
塩化メチレン70重量部を含む混合物100重量部に酸
化防止剤0.37重量部を加えて撹拌溶解した。これを
金属トレーに注入し、この中の溶媒を室温で蒸発させた
後、真空乾燥して電子導電性材料を含有するポリプロピ
レンフィルムを得た。
【0028】得られた厚さ30μmのフィルムに、25
℃の温度で、1モルのLiPF6を含むプロピレンカー
ボネート溶液を滴下し、密閉容器の中に1時間放置し
て、膨潤率(重量増加率)135%の固定化液膜導電体
を得た。得られた固定化液膜導電体を直径10mmに打
ち抜き、これを白金黒電極で挟み、周波数1kHzの交
流で電気抵抗値を測定し、この値と固定化液膜導電体の
厚み及び面積より算出した比導電率は7×10-2Scm
-1であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の固定化液膜導電体は末端変性ポ
リマーの溶解性により電解質溶液を固定化し、ポリオレ
フィンでできた基材骨格によりその過度な膨潤を抑える
ことにより、広い温度範囲で安定的に電解質溶液を保持
することができると共に、電解質溶液の蒸発速度を極め
て低く保つことができることにより、良好な導電性を広
い温度にわたり維持できる。即ち、電子導電性を著しく
低下させることなく、過充電での安全性を向上すること
ができる。さらに、この固定化液膜導電体はポリオレフ
ィンでできた骨格により、機械強度が優れており、従来
の電池製造工程をほとんど変更することなく適用するこ
ともできる。また、この固定化液膜導電体は、イオンと
電子の導電性を併せ持つため、電解質、特に液体電解質
を用いる電池、エレクトロクロミック素子、電気二重層
コンデンサー、液晶素子などの電極に有用である。この
固定化液膜導電体中のイオン導電体は電極間の電解質と
連続し、かつ導電膜とも広い面積で密着しているので、
電解質を用いる各種セル、素子の電極材料として有効で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端変性ポリプロピレン及び電子導電性
    材料を含有するポリオレフィンフィルムに非プロトン性
    電解質溶液を固定化した固定化液膜導電体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンフィルムが末端変性ポリ
    プロピレンを10〜100重量%及び電子導電性材料を
    1〜200重量%含有するポリオレフィン組成物からな
    るフィルムである請求項1に記載の固定化液膜導電体。
  3. 【請求項3】 末端変性ポリプロピレン及び電子導電性
    材料を含有するポリオレフィン組成物からなるポリオレ
    フィンフィルムに非プロトン性電解質溶液を含浸し、固
    定化することを特徴とする固定化液膜導電体の製造方
    法。
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