JPH10319798A - 像保持体の再生方法およびその装置 - Google Patents

像保持体の再生方法およびその装置

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JPH10319798A
JPH10319798A JP14337497A JP14337497A JPH10319798A JP H10319798 A JPH10319798 A JP H10319798A JP 14337497 A JP14337497 A JP 14337497A JP 14337497 A JP14337497 A JP 14337497A JP H10319798 A JPH10319798 A JP H10319798A
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image carrier
image forming
forming substance
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JP14337497A
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Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Kakuji Murakami
格二 村上
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成物質の除去処理を行った像保持体に
対して後処理を行うことにより、次回の再生処理時にお
いて、画像除去促進液の付与量を減らしても、良好な除
去特性を得ることができる像保持体の再生方法及びその
装置を提供する。 【解決手段】 画像剥離ユニット300による画像形成
物質の除去処理を行った像保持体1に対して画像形成物
質の付着力を弱める後処理液402を付与する後処理ユ
ニット400を設ける。ここで、画像形成物質の除去処
理を行った像保持体1上の画像形成物質の残存状態を検
知する表面センサ700と、該センサ700の検知結果
に基づいて後処理ユニット400における液絞りローラ
404の液付与ローラ403に対する押圧を制御する制
御手段とを設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置で画像が形
成された像保持体から、画像を構成する画像形成物質を
除去し、該像保持体を画像形成可能な状態に再生する像
保持体の再生方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法、熱転写法、ホットメ
ルト・インクを用いるインクジェット法や印刷法等のよ
うな画像形成方法を用いた複写機、ファクシミリ、プリ
ンター、印刷機等の画像形成装置が普及し、紙が大量に
使用されている。ところが、画像が形成される像保持体
として一般に用いられる紙は木材より得られるパルプを
原料とするため、紙を大量に消費することは、森林の伐
採、地球環境の悪化につながることになり、近年、社会
問題となってきつつある。更に、これらの画像形成方法
により画像が形成された像保持体が大量に廃棄されて、
ごみの処分が困難となるという問題も生じている。
【0003】従来、かかる問題を解消するために、画像
形成装置で画像が形成された像保持体から、画像を構成
する画像形成物質を除去し、該像保持体を画像形成可能
な状態に再生する像保持体の再生装置が知られている。
そして、このような像保持体の再生装置として、像保持
体から画像形成物質を除去する前に、該像保持体に形成
されている画像の画像形成物質と該像保持体との間の付
着力を低下させる付着力低下剤を含む画像除去促進液を
付与するものが知られている(例えば、特開平7−84
396号公報参照)。
【0004】上記画像除去促進液の付着力低下剤として
は、例えば、像保持体と画像形成物質との界面に到達し
て該画像形成物質の付着力を直接低下させるものがあ
る。また、画像形成物質が付着する表面部若しくは全体
が液で膨潤する繊維質等で構成されている像保持体を処
理する場合において、像保持体と画像形成物質との界面
部に上記液が浸透するのを促進させるものもある。後者
の付着力低下剤は、上記界面部への液の浸透を促進し、
該界面部を十分に膨潤させて画像形成物質の付着力を低
下させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の再生装置に
おいて上記付着力低下剤を含む画像除去促進液を像保持
体に付与する場合、像保持体の画像形成物質が付着して
いない部分には画像除去促進液が直接接触して付与され
る。一方、像保持体の画像形成物質が付着している部分
には画像除去促進液が直接接触しないで、画像除去促進
液が像保持体の内部を浸透したり画像形成物質の内部を
通過したりすることにより、画像形成物質と像保持体と
の界面部に画像除去促進液が到達する。このように画像
除去促進液を付与した後、画像形成物質の除去処理を行
うと、像保持体の画像形成物質が付着していた部分と付
着していなかった部分との間で、上記付着力低下剤の残
存量が異なってしまう。
【0006】このように上記付着力低下剤の残存量が異
なる部分を有する像保持体に対して画像形成を行うと、
該付着力低下剤の残存量が多い部分に形成された画像の
画像形成物質は像保持体との付着力が弱く、該付着力低
下剤の残存量が少ない部分に形成された画像の画像形成
物質は像保持体との付着力が強い傾向にある。
【0007】一方、上記画像を除去した像保持体を画像
形成に再利用する場合、該像保持体上に形成した画像に
ついて良好な定着性を得るという観点では、該像保持体
と画像形成物質との間にはある一定以上の付着力を有す
るのが好ましい。
【0008】ところが、上記画像除去を行った後、画像
形成に再利用した像保持体の全面に対して、再利用時の
画像の定着性を必要以上に損なわないような条件で再生
処理を行なおうとすると、上記画像除去促進液の付与時
に画像形成物質が付着していたことにより付着力低下剤
の残存量が少なく像保持体との付着力が比較的強くなっ
ている部分では、再利用時に形成した画像の画像形成物
質が良好に除去されないおそれがあった。
【0009】本発明は以上の背景のもとでなされたもの
であり、その目的は、画像除去促進液を付与して画像形
成物質の除去処理を行った像保持体に対し、画像形成物
質と像保持体との付着力を弱める後処理を行うことによ
り、画像除去促進液の付与時に画像形成物質が付着して
いた部分についても、次回の再生処理時において、画像
除去促進液の付与量を減らし又は該画像除去促進液の付
与を行わなくても、良好な除去特性を得ることができる
像保持体の再生方法及びその装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像保持体に形成されている画像
の画像形成物質と該像保持体との間の付着力を低下させ
る付着力低下剤を含む画像除去促進液を、該像保持体に
付与し、該画像除去促進液を付与した像保持体から該画
像形成物質を除去することにより、該像保持体を画像形
成可能な状態に再生する像保持体の再生方法において、
上記画像形成物質の除去処理を行った像保持体に対し
て、該像保持体と該画像形成物質との間の付着力を弱め
る後処理を行うことを特徴とするものである。
【0011】この再生方法においては、像保持体に形成
されている画像の画像形成物質と該像保持体との間の付
着力を低下させる付着力低下剤を含む画像除去促進液
を、該像保持体に付与し、該画像除去促進液を付与した
像保持体から画像形成物質を除去する。この画像形成物
質の除去処理を行った像保持体を後処理し、像保持体と
画像形成物質との間の付着力を弱める。この後処理によ
り、上記画像除去促進液の付与時に画像形成物質が付着
していた部分についても、像保持体と画像形成物質との
間の付着力を弱め、その後の再生処理時において画像除
去促進液の付与量を減らし又は該画像除去促進液の付与
を行わなくても良好な除去特性が得られるようにする。
【0012】なお、上記請求項1の再生方法において、
上記画像形成物質の除去処理によって像保持体上の画像
形成物質が完全に除去されない場合がある。このような
画像形成物質の残存があると、その残存している画像形
成物質が付着している部分の像保持体の表面に対して上
記後処理が良好に行われず、像保持体と画像形成物質と
の間の付着力を弱めることができない。従って、像保持
体の再生処理を繰り返すたびに、像保持体の品質が次第
に劣化にしていくおそれがあった。
【0013】そこで、上記像保持体の品質の劣化を防止
するために、請求項2の発明は、請求項1の像保持体の
再生方法において、上記画像形成物質の除去処理を行っ
た像保持体上の該画像形成物質の残存状態を検知し、そ
の検知結果に基づいて上記後処理の条件を変更すること
を特徴とするものである。
【0014】この再生方法においては、画像形成物質の
除去処理を行った像保持体上の画像形成物質の残存状態
を検知する。そして、この画像残存状態の検知結果に基
づいて、上記後処理の条件を変更し、画像形成物質が残
存しているとき又は画像形成物質の残存量が多いときに
は、像保持体と画像形成物質との間の付着力がより一層
弱まるようにする。このように後処理の条件を変更する
ことにより、その後の再生処理において、上記像保持体
に残存していた画像形成物質も確実に除去し、再生処理
後の像保持体の品質が劣化しないようにする。
【0015】上記目的を達成するために、請求項3の発
明は、像保持体に形成されている画像の画像形成物質と
該像保持体との間の付着力を低下させる付着力低下剤を
含む画像除去促進液を、該像保持体に付与する液付与手
段と、該画像除去促進液を付与した像保持体から該画像
形成物質を除去する画像形成物質除去手段とを備え、該
像保持体を画像形成可能な状態に再生する像保持体の再
生装置において、上記画像形成物質除去手段による画像
形成物質の除去処理を行った上記像保持体に対して該像
保持体と該画像形成物質との間の付着力を弱める後処理
を行う後処理手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0016】この再生装置においては、像保持体に形成
されている画像の画像形成物質と該像保持体との間の付
着力を低下させる付着力低下剤を含む画像除去促進液
を、液付与手段で該像保持体に付与し、画像形成物質除
去手段で該画像除去促進液を付与した像保持体から画像
形成物質を除去する。この画像形成物質の除去処理を行
った像保持体を後処理手段で後処理し、像保持体と画像
形成物質との間の付着力を弱める。この後処理により、
上記画像除去促進液の付与時に画像形成物質が付着して
いた部分についても、像保持体と画像形成物質との間の
付着力を弱め、その後の再生処理時において画像除去促
進液の付与量を減らし又は該画像除去促進液の付与を行
わなくても良好な除去特性が得られるようにする。
【0017】また、前述の像保持体の品質の劣化を防止
するために、請求項4の発明は、請求項3の像保持体の
再生装置において、上記画像形成物質除去手段による画
像形成物質の除去処理を行った像保持体上の該画像形成
物質の残存状態を検知する画像残存状態検知手段と、該
画像残存状態検知手段による検知結果に基づいて上記後
処理手段による後処理の条件を変更する制御手段とを設
けたことを特徴とするものである。
【0018】この再生装置においては、画像残存状態検
知手段により、画像形成物質除去手段による画像形成物
質の除去処理を行った像保持体上の画像形成物質の残存
状態を検知する。そして、この画像残存状態検知手段に
よる検知結果に基づいて、制御手段で後処理手段による
後処理の条件を変更し、画像形成物質が残存していると
き又は画像形成物質の残存量が多いときには、像保持体
と画像形成物質との間の付着力がより一層弱まるように
する。このように後処理の条件を変更することにより、
その後の再生処理において、上記像保持体に残存してい
た画像形成物質も確実に除去し、再生処理後の像保持体
の品質が劣化しないようにする。
【0019】請求項5の発明は、請求項4の像保持体の
再生装置において、上記後処理手段として、上記画像形
成物質を除去した像保持体の画像形成物質に対する付着
力を弱める後処理液を該像保持体に対して付与する後処
理液付与手段を用いたことを特徴とするものである。
【0020】この再生処理においては、上記後処理手段
として、画像形成物質を除去した像保持体の画像形成物
質に対する付着力を弱める後処理液を該像保持体に付与
するという簡易な構成の後処理液付与手段を用いること
により、上記後処理の制御を容易に行えるようにすると
ともに、装置の低コスト化を図る。
【0021】請求項6の発明は、請求項4の像保持体の
再生装置において、上記画像残存状態検知手段として、
上記画像形成物質除去手段で画像形成物質の除去処理を
行った像保持体の除去処理面に光を照射し、その反射光
を検出する光学型の画像残存状態検知手段を用いたこと
を特徴とするものである。
【0022】この再生装置においては、上記画像残存状
態検知手段として、上記像保持体の除去処理面に光を照
射し、その反射光を検出するという簡易な構成の光学型
の画像残存状態検知手段を用いることにより、装置の低
コスト化を図る。
【0023】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る像保持体の再
生方法の実施形態について説明する。本再生方法は、像
保持体に形成されている画像の画像形成物質と該像保持
体との間の付着力を低下させる付着力低下剤を含む画像
除去促進液を、該像保持体に付与し、該画像除去促進液
を付与した像保持体から該画像形成物質を除去すること
により、該像保持体を画像形成可能な状態に再生する像
保持体の再生方法であって、上記画像形成物質の除去処
理を行った像保持体に対して、該像保持体と該画像形成
物質との間の付着力を弱める後処理を行う。そして、上
記画像形成物質の除去処理を行った像保持体上の該画像
形成物質の残存状態を検知し、その検知結果に基づいて
上記後処理の条件を変更する。
【0024】像保持体上に画像を形成する方法として
は、従来より多くの方法が提案されている。例えば、乾
式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性イ
ンク・シートを用いた熱転写法、熱拡散性染料を用いた
熱拡散転写法、インクジェット法、熱により発色する材
料を用いた感熱記録方法、銀塩写真法、オフセット版、
凹版、凸版、孔版を用いる印刷方法などが挙げることが
できる。本実施形態に係る再生方法で除去可能な画像
は、上記従来から用いられている画像形成方法の中で、
特に通常の電子写真法、熱転写方法、ホットメルト・イ
ンクを用いるインクジエット法または印刷法などように
熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質が用いられ、且
つ、画像形成物質が像保持体の表面近傍に皮膜状に形成
される画像形成方法で形成した画像である。
【0025】ここで、上記皮膜状とは、必ずしも画像全
体が一つの膜を形成している必要はなく、単に画像形成
物質が像保持体の内部に深く浸透していないことや、染
料を含有する水性インクで印字した場合のように画像形
成物質がほとんど分子レベルで像保持体に吸着されてい
る状態ではないことを意味する。従って、例えば乾式ト
ナーを用いる電子写真法により形成された画像であっ
て、1つの文字画像の中でその画像がとぎれているよう
な場合や一つのトナー粒子が独立して存在する状態で
も、そのトナー粒子が像保持体の内部深くまで浸透して
いない場合には、その除去原理から被膜状の画像とみな
すことができ、本実施形態の方法で除去可能な画像の範
疇に含まれる。
【0026】本実施形態で用いられる像保持体は、セル
ロース繊維を主成分とする一般の記録用紙、プラスチッ
ク・フィルム、プラスチック・フィルムと紙とを積層し
たもの、発泡させた高分子材料フィルム、プラスチック
・フィルムの表面に顔料とバインダーとの混合物を塗布
したもの等の合成紙等である。
【0027】本実施形態の再生方法で用いられる画像除
去促進液は、像保持体と画像形成物質との付着力を弱め
るために用いられるものである。この液の構成例として
は、上記付着力低下剤としての界面活性剤、水、およ
び、界面活性剤又は界面活性剤と水とを溶解するための
溶解剤を含有するものが挙げられる。
【0028】ここで、上記界面活性剤としては、像保持
体と画像形成物質との間の付着力を弱める作用を有する
ものが選択され、画像形成物質の除去に必要な量が添加
される。本実施形態における画像除去促進液に使用され
る、画像形成物質との接着性を弱める作用が強い界面活
性剤は、画像形成物質の組成、像保持体の組成により適
宜選択されるべきものであるが、通常の電子写真法で用
いられる乾式トナーと上質紙に対しては、比較的、疎水
性の強い界面活性剤を選択することができる。
【0029】本実施形態に係る再生方法で使用できる界
面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオ
キシエチレンアルキルソルビタンエステル類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類、グリセリン脂肪酸エステ
ル類、デカグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンブロツクポリマー類、パーフル
オロアルキル燐酸エステル類、ポリオキシエチレン変性
ポリジメチルシロキサン類、等のノニオン系界面活性
剤、高級脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化べプ
チド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、モノあるい
はジアルキルスルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアミ
ド硫酸塩、モノアルキル燐酸塩、ジアルキル燐酸塩、ト
リアルキル燐酸塩、モノポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル燐酸塩、ビスポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル燐酸塩、トリスポリオキシエチレンアルキルエーテル
燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
燐酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフル
オロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルケニルア
リールスルホン酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホ
ニルグルタミン酸塩、パーフルオロアルキル−N−エチ
ルスルホニルグリシン塩、3−(ω−フルオロアルカノ
イル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸
塩、パーフルオロアルキルエチル燐酸エステル塩、カル
ボン酸変性ポリジメチルシロキサン、スルホン酸変性ポ
リジメチルシロキサン、等のアニオン型界面活性剤、高
級アルキルアミン塩、高級アルキル第4級アンモニウム
塩、アルキルベンゼンアミン塩、アルキルベンゼン第4
級アンモニウム塩、アルキル複索環第4級アンモニウム
塩、等のカチオン型界面活性剤、べタイン、アミノカル
ボン酸、等の両性界面活性剤、を挙げることができる。
【0030】これらの界面活性剤の中でも、特に、画像
形成物質除去手段に用いる剥離部材と像保持体との付着
力を低下させるのに有効な界面活性剤は、アニオン系の
ものであり、特に、フッ素で置換されたアルキル基を有
するアニオン界面活性剤、アルキルスルホコハク酸塩、
ジアルキルスルホコハク酸塩が有効である。アルキルス
ルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩は、剥離
部材と像保持体との付着力を低下させるのに特に有効な
ばかりではなく、比較的コストも安価であるという利点
も有している。
【0031】上記アニオン系の界面活性剤、特に、フッ
素で置換されたアルキル基を有するアニオン界面活性
剤、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩が剥離部材と像保持体との付着力を低下させるの
に有効である理由は必ずしも明らかではないが、これら
の界面活性剤は、親水基に対して疎水基のかさ密度が高
く、像保持体に付着した状態において疎水基で紙の表面
が覆われるため、紙の表面が撥水・撥油性となり、画像
形成物質の流れ性が低下することによるものと推測され
る。
【0032】画像除去促進液に水は必ずしも必要ではな
いが、界面活性剤を溶解する安全性の高い溶媒として使
用することが好ましい。
【0033】上記界面活性剤または界面活性剤と水とを
溶解するための溶解剤の例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロビレングリコール、グリ
セリン、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサン
ジオール、2−メチル−ペンタンジオール、などの多価
アルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3,
−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなど
の複素環式化合物、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、
ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、な
どが挙げられる。
【0034】これらの水溶性有機化合物は、界面活性剤
を溶解したり、水に界面活性剤を溶解したり、画像除去
促進液の乾燥による画像形成物質除去手段を構成する部
品への固着を防止したり、画像除去促進液の物性の変化
を防止したり、画像除去促進液の液粘度を下げて液の供
給性を向上したり、画像形成物質の剥離特性を向上する
のに効果がある。
【0035】また、本実施形態の再生方法においては、
再生処理の回数が予め設定された所定の基準回数よりも
少ない場合にのみ、像保持体に画像除去促進液が付与さ
れた後、物理的あるいは機械的作用により画像形成物質
が除去される。そして、同一像保持体に関して、再生処
理の回数が予め設定された所定の基準回数以上になった
場合の再生処理においては、像保持体に画像除去促進液
を付与することなく、物理的あるいは機械的作用により
像保持体上の画像形成物質が除去される。ここで、上記
画像除去促進液を付与しなくなる再生処理の回数である
所定の基準回数は、主として、画像形成装置や像保持体
の種類(紙種)などの特性に応じて選択される。
【0036】上記像保持体の再生処理の回数が所定の基
準回数以上のときに、画像除去促進液を付与せずに画像
形成物質を除去できるメカニズムは、必ずしも明らかで
はない。上記基準回数よりも少ない回数での初期の再生
処理で使用した画像除去促進液中の界面活性剤等の付着
力低下剤が、像保持体の表面近傍に残留し、基準回数以
上の再生処理において上記残留した付着力低下剤によ
り、画像形成物質と像保持体との付着力が低下している
ことが、画像除去促進液の付与なしに画像形成物質を除
去できる理由の一つとして考えられる。 (以下、余白)
【0037】上記物理的あるいは機械的作用により像保
持体上の画像形成物質が除去する方法としては、次のよ
うな方法を例示することができる。例えば、(1)粘着
剤を付与した剥離部材により、画像形成物質を剥離部材
に粘着させ、画像形成物質を像保持体から剥離部材へと
転写して剥離する方法、(2)ブレード、ブラシなどで
像保持体上の画像形成物質を擦ることにより、画像形成
物質を像保持体から除去する方法、(3)画像形成物質
をその軟化点以上に加熱することにより軟化し、剥離部
材と圧接せしめて接着させた後、像保持体と剥離部材と
を分離することにより、画像形成物質を像保持体から転
写し剥離する方法等を例示することができる。これらの
物理的あるいは機械的作用により像保持体上の画像形成
物質が除去する方法の中でも、画像形成物質をその軟化
点以上に加熱することにより軟化し、剥離部材と圧接せ
しめて接着させた後、像保持体と剥離部材とを分離する
ことにより、画像形成物質を像保持体から転写し剥離す
る方法が、画像形成物質を像保持体から確実に除去でき
ること、再生処理において像保持体を損傷することがな
いこと等の点で、特に好ましい。
【0038】また、本実施形態の再生方法では、像保持
体の再生処理の回数が予め設定された所定の基準回数よ
りも少ない場合に、像保持体から画像形成物質を除去し
た後、画像形成物質と像保持体との間の付着力を弱める
後処理を行っている。この後処理としては、像保持体と
画像形成物質と付着力を弱めるための液(以下、「後処
理液」を像保持体に付与する処理が、後処理条件を変更
しやすいという点で好ましい。
【0039】上記後処理液に要求される作用は、画像除
去促進液に要求される作用と同様であるので、後処理液
としては、上記画像除去促進液と同様に、像保持体と画
像形成物質との付着力を低下せしめる界面活性剤等の付
着力低下剤を含むものを用いることができる。
【0040】上記後処理液を付与することにより、未使
用の像保持体上に形成された画像部での乾式再生処理時
の次のような画像除去不良の問題を解決することができ
る。すなわち、未使用の像保持体に画像を形成した後、
この像保持体に画像除去促進液を付与して画像形成物質
の除去処理を行うと、像保持体の画像形成物質が付着し
ていた部分と付着していなかった部分との間で、上記付
着力低下剤の残存量が異なってしまう。この付着力低下
剤の残存量が異なる部分を有する像保持体に対して再び
画像形成を行うと、該付着力低下剤の残存量が多い部分
に形成された画像の画像形成物質は像保持体との付着力
が弱く、該付着力低下剤の残存量が少ない部分に形成さ
れた画像の画像形成物質は像保持体との付着力が強い傾
向にある。従って、上記画像除去を行った後、画像形成
に再利用した像保持体の全面に対して、再利用時の画像
の定着性を必要以上に損なわないような条件下で再生処
理を行なおうとすると、上記画像除去促進液の付与時に
画像形成物質が付着していたことにより付着力低下剤の
残存量が少なく像保持体との付着力が比較的強くなって
いる部分では、再利用時に形成した画像の画像形成物質
が良好に除去されないおそれがあるという問題があっ
た。本実施形態の再生方法では、画像形成物質を除去し
た像保持体に上記後処理を付与し、上記付着力低下剤の
残存量が少ない部分の画像形成物質に対する付着力を低
下させることにより、上記問題を解決している。
【0041】また、上記後処理を含む再生処理が少なく
とも1回行われた像保持体は、その表面の画像形成物質
に対する付着力が低下している点に着目し、本実施形態
の再生方法では、上記像保持体の再生処理の回数が所定
の基準回数以上のときに上記後処理を行わないようにす
ることにより、再生した像保持体に画像を形成するとき
の画像の定着性が損なわれないようにしている。
【0042】また、本実施形態の再生方法において、上
記画像形成物質の除去処理後の像保持体上に画像形成物
質が残存していると、その画像形成物質が付着している
部分の像保持体の表面に対して上記後処理が良好に行わ
れず、像保持体と画像形成物質との間の付着力を弱める
ことができない。従って、像保持体の再生処理を繰り返
すたびに、後述のように像保持体の品質が次第に劣化に
していくおそれがあった(図4参照)。
【0043】そこで、本実施形態の再生方法では、画像
除去処理後の像保持体の表面状態、すなわち画像形成物
質の残存状態を検知し、その検知結果に基づいて、上記
後処理の条件を変更している。上記画像形成物質の取り
残し量が多い場合には、上記後処理液の付与量を増加さ
せ、その後の再生処理において、上記像保持体に残存し
ていた画像形成物質も確実に除去し、再生処理後の像保
持体の品質が劣化しないようにしている。
【0044】次に、図面を用いて、上記像保持体の再生
方法を実施する上で好適な像保持体の再生装置の実施形
態について説明する。図1は、本実施形態に係る再生装
置の概略構成図である。図1において、電子写真式の画
像形成装置などにより画像が形成され、かつ、不要とな
ったコピー用紙等の像保持体1は、給紙ユニット100
のペーパートレー101に収納され、このトレー101
から給紙コロ103により、給紙ガイド104a、10
4bを介して、像保持体に画像除去促進液を付与する液
付与手段としての画像除去促進液付与ユニット200に
搬送される。
【0045】上記給紙ユニット100には、像保持体が
既に受けている再生処理の回数を表示するように形成さ
れた像保持体上のマークを検知するための光学的、誘電
的、機械的手段等よりなるマーク検知手段としてのマー
ク検知ユニット105が設けられている。このマーク検
知ユニット105は、再生処理後に再生処理の回数を表
示するマークを像保持体に形成するマーク形成手段との
組み合わせで、適宜選択される。例えば、マーク形成手
段が押印、インクジェットなどによる印字記録である場
合や、パンチユニットによる像保持体への穴穿けや角面
取りである場合には、上記マーク検知ユニット105は
本実施形態にように発光部と受光部との組合せからなる
光学的手段が好ましい。上記発光部には、LED、タン
グステンランプ、ハロゲンランプ、半導体レーザー等を
用いることができ、上記受光部には、シリコン、硫化カ
ドミウム等からなる光電池や、シリコン、硫化カドミウ
ム、フタロシアニン等からなる有機光半導体等の光導電
性半導体や、CCD等を用いることができる。これらの
光学的手段によるマーク検知手段のほか、音や超音波を
検出する手段(例えば、PZT、電磁コイル等からなる
マイクロフォン)、厚みなどを検出する機械的手段、像
保持体の表面の電気抵抗、誘電率を検出する手段(例え
ば電極対、発振器などからなるもの)等も、上記マーク
検知手段として用いることができる。マーク検知手段1
05で像保持体上のマークを検知することにより、トレ
ー101から画像除去促進液付与ユニット200に搬送
される像保持体の再生処理の回数または再生処理の有無
を判定できるようになる。
【0046】像保持体に画像除去促進液を付与する液付
与手段としての画像除去促進液付与ユニット200は、
液容器201a、201b、液付与ローラ203a、2
03b、液付絞りローラ204a、204b、画像除去
促進液付与ユニット200から画像形成物質除去手段と
しての画像剥離ユニット300へ像保持体を導くための
ガイド205a、205b等により構成されている。給
紙ガイド104a、104bにより案内される像保持体
は、液付与ローラ203a、203bの間を搬送され
る。図1における液付与ローラ203a、203bは、
図示しないカムやソレノイド等からなる接離手段により
接離が可能になるように構成されている。また、液付与
ローラ203a、203bの接離は、やはり図示しない
カムやソレノイド等からなる接離手段により制御できる
ように構成されている。すなわち、給紙ユニット100
に設けられたマーク検知手段105で検知した像保持体
の再生処理の回数を、所定の基準回数と比較し、基準回
数よりも少ないと図示しない制御手段で判定した場合に
は、液付与ローラ203a、203bは、カムやソレノ
イド等により、その間に搬送される像保持体に接する位
置に移動され、像保持体への画像除去促進液の付与が行
われる。像保持体の再生処理の回数が所定の基準回数以
上の場合には、液付与ローラ203a、203bが像保
持体に接しない位置に移動され、像保持体への画像除去
促進液の付与は行われない。
【0047】図1の再生装置では、像保持体の両面に画
像が形成されていることを想定して、像保持体の両面に
画像除去促進液を付与する装置の例を示しているが、片
面画像しか無い場合には、片側の液付与ローラを像保持
体の押さえローラとして、像保持体の片面のみに画像除
去促進液を付与することもできる。
【0048】液容器201a、201bには、前述の画
像除去促進液202a、202bが収容される。液付与
ローラ203a、203bは、表面に螺旋状の溝、ディ
ンプル状の窪み、サンドブラストによる凹凸など、画像
除去促進液を計量し、一定量が像保持体に付着するよう
に工夫された、プラスチック、アルミ、ステンレス等の
金属等からなるローラである。
【0049】液付絞りローラ204a、204bは、液
付与ローラに付着した余剰の画像除去促進液をスクイズ
することにより、液付与ローラが像保持体に接する前に
画像除去促進液の付着量を一定にするためのものであ
る。液付絞りローラの代わりに、プラスチック・フィル
ムやゴムのブレードで余剰の液を掻き落とすようにして
も、同様な効果が得られる。また、前述のように液の付
与量が制御されるように表面に凹凸の加工を施した液付
与ローラを用いて、液付与ローラを、像保持体の搬送速
度と同一線遠で回転させて画像除去促進液を像保持体に
付与することが、像保持体の種類が変化した場合にも一
定の付与量が得られるという点で好ましい。
【0050】画像除去促進液付与ユニット200から搬
送された像保持体は、ガイド205a、205bにより
導かれて、画像剥離ユニット300へと搬送される。画
像剥離ユニットは、ハロゲンランプなどの加熱部材30
1a、301b、301c、301dを内部に有する加
熱・加圧ローラ302a、302b、302c、302
d、加圧ローラ303a、303b、303c、入口ロ
ーラ304a、304b、分離ローラ305a、306
b、クリーニング・バックアップ・ローラ306、30
9、ローラ307、308、剥離部材としてのエンドレ
ス状の剥離ベルト310a、310b、剥離ベルトに付
着した画像除去促進液を除去するためのクリーニング・
ローラ321a、321b、画像形成物質容器322
a、322b)、画像剥離ユニット300で画像形成物
質が除去された像保持体を後処理手段としての後処理ユ
ニット400へと導くためのガイド部材331a、33
1b等により構成されている。
【0051】上記2つのエンドレス状の剥離ベルト31
0a、310bは、加熱・加圧ローラ302a、302
b、302c、302d、加圧ローラ303a、303
b、303c、入口ローラ304a、304b、分離ロ
ーラ305a、306b、クリーニング・バックアップ
・ローラ306、309、ローラ307、308の内接
するように、ローラに巻き付けらた状態で張り巡らさ
れ、図示しない駆動手段により、矢印方向に回動され
る。
【0052】上記加熱・加圧ローラ302a、302
b、302c、302dは、例えばアルミニウム、ステ
ンレスなどの金属よりなるローラであり、加圧ローラ3
03a、303b、303cは、アルミニウム、ステン
レスなどの金属よりなるローラを用いてもよいし、表面
にシリコン・ゴム等の弾性部材の被膜を設けたローラを
用いてもよい。ローラ307とローラ308には、図示
されていないバネ、油圧などの付勢手段により、圧力が
加えられ、エンドレス・ベルト状の剥離ベルト310
a、310bに一定の張力がかかるように調整される。
【0053】図1の装置例では、画像形成物質を像保持
体から除去するために、エンドレス・ベルト状の剥離部
材が用いられるが、剥離部材を構成する材料としては、
画像形成物質とある程度以上の接着性や耐熱性を示すこ
とが必要であるが、その材料としては、イソプレンゴ
ム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴ
ム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、天然
のゴム、ビスフェノール・エヒクロルヒドリン縮合物な
どのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メ
ラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルム
アルデヒド樹脂などのアミノ樹脂、テルペンフェノール
樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール横脂などの
フェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ピニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン‐テトラフルオロエチレン共
重合体、ポリフツ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビ
ニルブチラール、ポリピニルホルマール、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのビニル系重合体、ポリブチルア
クリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレ
ートなどのアクリル樹脂、ポリイミド、6,6‐ナイロ
ン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエー
テルニトリル、アラミド、などの熱可塑性あるいは熱硬
化性の合成樹脂、ニッケル、ステンレススチール、アル
ミニウムなどの金属及びその酸化物、セラミックス材料
等がその例として挙げることができる。
【0054】これらの材料は単独でも用いられるが、積
層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィス
カー、カーボン、シリカ、酸化チタンなどの他の添加剤
を加えるなどにより複合して用いることもできる。最適
な剥離部材の材料は、剥離しようとする画像形成物質の
種類、画像形成物質除去プロセスにより選定されるべき
であるが、剥離部材を繰り返し使用することが再生処理
のコストを下げるなど種々の点で有利であり、その場合
には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が要求される。
画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥離部材の例と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニ
トリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ステンレススチール、ニッケル、アルマイトが挙げられ
る。
【0055】画像除去促進液付与ユニット300から搬
送される像保持体は、入口ローラ304a、304bの
間から、上下の剥離ベルト310a、310bの間に挿
入され、加熱・加圧ローラ302a、302b、302
c、302d、加圧ローラ303a、303b、303
cにより、剥離ベルトを介して加熱、加圧される。この
間に像保持体上の画像除去促進液は、軟化点以上に加熱
され、剥離ベルトに接着する。図1のようにローラに像
保持体を巻き付けた状態では、上記加熱・加圧の工程の
途中で、上下の剥離ベルトの間には速度差すなわちずれ
が生じる。このずれにより像保持体上の画像形成物質と
剥離部材とは分離され、画像形成物質は像保持体から剥
離ベルトへと転写・剥離される。
【0056】図1の再生装置においいては、剥離ベルト
310a、310bはジグザグ状に巻付けられているた
め、上下の剥離ベルトの間、像保持体と剥離ベルトとの
間には像保持体及び剥離ベルトの厚みに対応する速度差
を生じる。すなわち、上下の剥離ベルト間、像保持体と
剥離ベルトとの間に、ずれが発生する。このずれの発生
により、画像形成物質を介して接着していた像保持体と
剥離ベルトとは分離し、画像形成物質は剥離ベルトへ転
写する。
【0057】剥離ベルト310a、310bには、像保
持体の画像形成物質が転写されるが、剥離ベルト上の画
像形成物質はクリーニング・ローラ321a、321b
により除去され、剥離ベルトは繰り返し使用される。剥
離ベルトより除去された画像形成物質323a、323
bは、画像形成物質容器322a、322bに蓄積さ
れ、適宜処分される。
【0058】剥離ベルト310a、310bに付着して
いる画像形成物質を除去してクリーニングするクリーニ
ング手段としては、スパイラル状に刃を形成したロー
ラ、ループ状に金属や有機ポリマーの細線を巻き付けた
たわし状の表面を有するローラ、金属や有機ポリマーの
ワイアを植毛したローラ等が用いられる。このクリーニ
ング手段としては、必ずしも回転可能なローラを用いる
必要はなく、金属やセラミックス、有機ポリマーの平刃
状の固定のブレードにより剥離ベルトをクリーニングす
ることも可能である。
【0059】また、図1の再生装置においては、画像形
成物質除去後の像保持体上の該画像形成物質の残存状態
を検知する画像残存状態検知手段を設けている。本実施
形態では、この画像残存状態検知手段として、図2の構
成例に示すように像保持体の除去処理面に光を照射し、
その反射光を検出する光学型の表面センサ700a,7
00bを、像保持体の搬送路両側に設置している。
【0060】図2の構成例において、各表面センサ70
0a,700bは、光源としての半導体レーザ素子70
1、コリメータレンズ702、像保持体から反射してき
た光を受光する受光素子703が一体になったものであ
り、これが像保持体の幅方向(搬送方向に対して直交す
る方向)に幾つか並んでいる。半遺体レーザ素子701
から出たレーザ光が像保持体で反射され受光素子703
で光量が検出される。画像形成物質が残存している場合
としていない場合とで反射光量が異なるため光量検出す
ることで画像形成物質の取り残しの状態が検出される。
【0061】また、図1の再生装置では、上記画像形成
物質除去工程の後、更に画像形成物質と像保持体との付
着力を弱めるための後処理を行っている。図1におい
て、画像剥離ユニット300の分離ローラ305a、3
05bにおいて剥離ベルト310a、310bから分離
された像保持体は、ガイド331a、331bに導かれ
て後処理ユニット400に搬送される。後処理ユニット
400は、画像除去促進液付与ユニット200とほぼ同
等な構成となっている。すなわち、液容器401a、4
01b、液付与ローラ403a、403b、液絞りロー
ラ404a、404b、後処理ユニット400から乾燥
・仕上げユニット500へ像保持体を導くためのガイド
411a、411b等により構成されている。この液付
与口一ラ403a,403bと液絞りローラ404a,
404bは、例えば片方をクロロプレン、EPD 等の
ゴムを表面に有するローラで、もう片方を表面に螺旋状
の溝、ディンプル状の窪み、サンドブラストによる凹凸
などを有するプラスチックまたはアルミ、ステンレス等
の金属からなるローラで組み合わせることができる。そ
して、各液絞りローラ404a、404bは、液付与ロ
ーラ403a、403bに対してスプリング等により一
定荷重がかけられている。
【0062】上記後処理ユニット400においても、画
像除去促進液付与ユニット200と同様に、給紙ガイド
331a、331bにより案内される像保持体は、液付
与ローラ403a、403bの間を搬送され、液付与ロ
ーラ403a、403bは、図示しない接離手段により
接離が可能になるように構成されている。また、液付与
ローラ403a、403bの接離は、同じく図示しない
カムやソレノイド等からなる接離手段により制御され
る。すなわち、給紙ユニット100に設けられた像保持
体の再生回数検知手段105で検知した像保持体の再生
処理の回数が所定の基準回数よりも少ない場合には、液
付与ローラ403 a、403bは、カムやソレノイド
等からなる接離手段により、その間に搬送される像保持
体に接する位置に移動され、像保持体と画像形成物質と
付着力を弱めるための後処理液が像保持体に付与され
る。像保持体の再生処理の回数が所定の基準回数以上で
ある場合には、液付与ローラ403 a、403bが像
保持体に接しない位置に移動され、像保持体への後処理
液の付与は行われない。
【0063】液容器401a、401bには、後処理液
402a、402bが入れられ、液付与ローラ403
a、403bにより像保持体に付与される。この後処理
液402a、402bとしては、上記画像除去促進液と
同様に、像保持体と画像形成物質との付着力を低下せし
める界面活性剤等の付着力低下剤を含むものを用いてい
る。このように画像除去促進液と後処理液とを同一処方
とすることにより、再生装置において、再生処理に必要
な液体のタンクを別に持つ必要がなくなり、装置の小型
化が可能になるとともに、液補給も1種の液のみで可能
になることから、メンテナンスの上からも操作性が向上
する。
【0064】上記後処理ユニット400において、上記
液付与口一ラ403a,403b等による後処理液の付
与量は、液絞りローラ404a,404bの液付与ロー
ラ403a,403bに対する絞り圧を調整することで
変化させることができる。この場合、ゴム硬度が比較的
軟質の場合(例えば30°以下)には押圧を増すことで
ゴムが凹部に食い込み、後処理液の付与量が変化する。
【0065】上記液絞りローラ404a、404bの押
圧力を変化させる機構(不図示)は、制御部からの制御
信号により動作するモータ、該モータの動力が伝達され
るカム、該カムの回転によりスプリング長が可変となる
ように設置されたスプリング支点、および該支点の位置
の変動を検知するための光電スイッチ等により構成され
ている。また、上記モータに対する制御信号は、画像形
成物質の取り残しが存在する部分が、後処理ユニット4
00を通過する直前で後処理液の量が変化するようにタ
イミングをとって発生する。
【0066】なお、上記後処理液の付与量を変化させる
方法としては、像保持体の搬送速度を変化させる方法、
液付与ローラ403a,403bもしくは絞りローラ4
04a,404bの回転速度を変化させる方法等を採用
することもできる。
【0067】図1の再生装置において、上記後処理ユニ
ット400により後処理液が塗布された像保持体は、ガ
イド板411a、411bに案内され、乾燥・仕上げユ
ニット500に搬送される。乾燥・仕上げユニット50
0は、内部にハロゲン・ランプ等の熱源501を有する
ドラム502、ローラ503、504、505、508
に張り巡らされた透気性のエンドレス・ベルト507よ
りなる。このベルト507の素材としては、綿布、麻
布、ポリエステル布、芳香族ナイロン繊維布、などが耐
熱性、耐薬品性、透気性の点で好ましい。像保持体に付
与された画像除去促進液および後処理液の中の水、界面
活性剤の溶解剤などの成分は、乾燥・仕上げユニットの
ドラム502とベルト507の間を搬送される間に、加
熱され、気化し、蒸発する。更に、ドラム502とベル
ト507の間を搬送される間に、像保持体は、波打ち、
皺などが除去される。 (以下、余白)
【0068】また、図1の再生装置において、乾燥・仕
上げユニット500で揮発性成分が除去され、平滑化さ
れた像保持体1は、ガイド板511a、511b、像保
持体搬送ローラ603a、603bを介して、排紙ユニ
ット600の排紙トレー601上に排出される。ガイド
板511a、511bと像保持体搬送ローラ603a、
603bとの間には、像保持体の再生処理の回数を表示
するマークを像保持体に形成するマーク形成手段520
が設けられており、必要に応じて像保持体に上記マーク
を形成する。
【0069】上記マーク形成手段520としては、図1
の再生装置で採用したパンチユニットによる穴穿けの
他、コーナー・カット、エッジ・カット、押印等のマー
クを形成するものを用いることができる。また、インク
ジェット、熱転写などで数字、バーコード、文字等のマ
ークを記録する手段も挙げられる。数字等を記録する手
段において、マークを赤外線や紫外線で検知する場合は
それらの波長の光を吸収するインクで記録し、マークを
誘電的に検知する場合は誘電率の高い材料を含むインク
で記録し、電気抵抗の違いでマークを検知する場合は電
気抵抗が像保持体と異なる材料で記録する。このマーク
形成手段は、上記マークを検知するマーク検知手段との
組み合わせで、目的に応じて適宜、選択される。
【0070】図1の再生装置において、上記後処理ユニ
ット400等を制御する制御手段としての制御部は、C
PU、ROM、RAM等により構成され、I/Oインタ
ーフェースを介して上記表面センサ700a,700b
のドライバ、上記後処理ユニット400の図示しないカ
ムを回転させるモータを駆動するドライバ等に接続され
ている。
【0071】図3は、上記構成の再生装置を用いた像保
持体に対する画像形成と再生処理の繰り返し工程をフロ
ーチヤート化して示したものである。図中の2点鎖線で
囲んだ部分は、再生処理の工程を示している。まず、未
使用の像保持体に、画像形成(コピー等)を行う(ステ
ップ1、2)。この像保持体上の画像が不要となったと
きに、像保持体を再利用するため再生処理を行うが、利
用者が用紙セットを行った後、再生装置内では再生に先
立ち、像保持体の再生回数(ここでは、n回とする)が
所定回数(ここでは、N回とする)の再生処理を既に実
施しているかどうか判断する(ステップ3,4)。像保
持体の再生回数が所定回数Nに達していない場合は、画
像除去促進液の付与を行い、画像除去処理、後処理液付
与、乾燥仕上げ、再生処理済み表示の順で処理が行われ
た後、排出される(ステップ5〜10)。再生処理後、
排紙された像保持体は利用者に取り出され、必要時に再
利用(画像形成)されるが、さらにまたその画像が不要
になったときには再度再生処理を行う。
【0072】上記再生回数nが所定回数Nに達するまで
は、画像形成、画像除去促進液および後処理液の付与を
行う再生処理の繰り返しとなるが、再生回数nが所定回
数Nに達したと判断されたときには、画像除去促進液の
付与および後処理液の付与を行わず再生処理を行う(ス
テップ11、8〜10)。以降は、画像形成、画像除去
促進液、後処理液の付与を行わない再生処理の繰り返し
となる。
【0073】画像除去促進液が付与された像保持体から
表面の画像形成物質を除去(剥離)するために、像保持
体と画像形成物質との付着力より大きい付着力を該画像
形成物質に対して発揮し得る剥離ベルト310を像保持
体に圧接または加熱圧接する。この加熱は画像形成物質
を軟化させ、これにより画像形成物質を像保持体の表面
から剥がれやすくするために行われる。したがって加熱
による昇温は、画像形成物質の軟化点以上の温度で、且
つ画像形成物質が溶離しない程度の設定するのが好まし
い。画像形成物質が溶融すると像保持体上の画像形成物
質を像保持体側と剥離ベルト310側に分断することな
く剥離ベルト310側に転写させるのが困難になるため
である。この剥離処理後、像保持体を剥離ベルト310
から分離すると画像形成物質は像保持体から剥離ベルト
310に転写され、像保持体は画像形成される前の状態
に再生される。
【0074】上記図3の処理フローの後処理工程(ステ
ップ7)では、上記表面センサ700a,700bで検
知した画像除去工程後の像保持体の表面状態、すなわち
画像形成物質の残存状態に基づいて、後処理液402の
付与条件を変化させている。
【0075】本実施形態の再生装置において、ある回数
の再生処理を行った像保持体上に画像形成物質の取り残
しがある場合、その回以降の画像除去促進液を付与しな
い剥離処理において像保持体の品質が極端に劣化するこ
とが多い。そのため、像保持体からの画像形成物質除去
の取り残しが多い場合には、後処理液の付与量を増加さ
せることにより、次回以降の画像除去が行われやすいよ
うにし、像保持体の品質の劣化を未然に防ぐことが可能
となる。
【0076】特に上記再生回数n=N−1となったとき
の像保持体上に画像形成物質の取り残しがある場合、そ
の後のN回目以降の画像除去促進液202および後処理
液402を付与しない剥離処理において極端に劣化する
ことが多い。N回目以降の画像除去特性が、N−1回後
の画像形成物質の取り残しがある場合に像保持体の品質
が著しく劣化するのは、以下の理由によるものと考えら
れる。
【0077】図4(a)は画像除去後、画像形成物質2
の取り残しがほとんどない状態の像保持体1に対し、
後処理液402を塗布したとき、画像形成に再利用し
たとき、画像形成物質2を剥離ベルト310a、31
0bに転写して除去したときの像保持体1の断面を模式
化して示したものである。なお、本図では簡単のため片
面画像に対応し、片面のみに液付与等を実施している
が、両面においても全く同様である。図4(a)のに
おいて、像保持体1上には画像形成物質2がないため後
処理液402が像保持体の表面近傍の領域1’に分布し
ている。この像保持体1に画像を形成した場合、画像形
成物質2には像保持体1の後処理液402を含んでいる
領域が接し、画像形成物質2と像保持体1の界面には後
処理液402が介在しているため、N回後の処理におい
ては、およびの断面に示すように画像除去促進液2
02を付与しなくとも剥離ベルト310a、310bと
の加熱下の圧接により、剥離ベルト310a、310b
側に画像が転写される。
【0078】一方、図4(b)は、画像形成物質2’の
取り残しがある状態の像保持体1に対し、上記図4
(a)と同様に、後処理液402を塗布したとき、
画像形成に再利用したとき、画像形成物質2を剥離ベ
ルト310a、310bに転写して除去したときの像保
持体1の断面を模式化して示したものである。この場
合、後処理液402は像保持体1の表面および取り残さ
れた画像形成物質2’の表面に塗布されるが、画像形成
物質表面の後処理液は浸透が良好でないため像保持体1
と画像形成物質2’の界面に到達せず、さらにその後の
処理または像保持体に対する取り扱い(仕上げ処理、あ
るいは再生された後の像保持体同志の積み重ね、こすれ
等)によって表面の液成分の多くがふき取られてしま
う。この状態で画像形成()を行った場合、像保持体
1と画像形成物質2の間に後処理液が多く介在せず、そ
の後の画像除去がしづらく上に重なった画像形成物質も
残りやすい状態となる()。
【0079】そこで、本実施形態の再生装置では、画像
除去処理後、像保持体からの面偉形成物質除去の取り残
しが多い場合に、後処理条件としての後処理液の付与量
を増加させている。この後処理液の付与量の制御によ
り、次回以降の画像除去が行われやすいようになり、劣
化を未然に防ぐことが可能となる。
【0080】図5は、上記後処理液の付与量の制御のフ
ローチャートである。画像処理後の像保持体が表面セン
サ700a,700bによる検知位置を通過すると、表
面状態が反射光量として検出(表面検知)される(ステ
ップ1,2)。画像形成物質がある一定量以上残存して
いると判断された場合、すなわち反射光量Rがしきい値
Rth以下である場合は、絞りローラ404a,404
bの押圧を低減するように制御する(ステップ3,
4)。この絞りローラの押圧を低減することで表面の凹
部に食い込んでいたゴムローラの食い込み量が低減さ
れ、汲み上げられる後処理液の量が増え、像保持体に対
する付与量が増加する。この後処理液を付与した像保持
体に対して、乾燥仕上げ処理が施される(ステップ
6)。
【0081】一方、上記ステップ3で、画像形成物質の
残存量がある一定量未満と判断された場合、すなわち反
射光量Rがしきい値Rthを超えている場合は、上記絞
りローラ404a,404bの押圧を変化させないよう
に制御し、後処理液の付与量を変化させない(ステップ
8、9)。
【0082】なお、上記像保持体の表面状態の検出は、
本実施形態にように反射光量の絶対値Rthを基準に判
断してもいいが、反射光量Rが像保持体の地肌濃度に依
存してしまうため、反射光量の最大値と最大値の差をと
って判断してもよい。また、1枚の像保持体の先端から
後端までのすべてが、上記表面センサ700a,700
bによる検知位置を通過した後に後処理条件を設定する
のでもいいが、像保持体中の一部に取り残しがあると判
断された後、像保持体が後処理ユニット400まで搬送
された時に、後処理条件がその部分で変化するようにタ
イミングをとって後処理条件に制御をかけるようにして
もよい。前者の場合、表面センサ700a,700bか
ら後処理ユニット400までの距離を像保持体の長さ以
上に設定する必要があるが、後者の場合はその距離を確
保する必要がない。
【0083】以上、本実施形態に係る再生方法又はその
装置によれば、画像形成物質除去後の後処理液の付与に
より、画像除去促進液の付与時に画像形成物質が付着し
ていた部分についても、像保持体と画像形成物質との間
の付着力を弱めることができるので、次回の再生処理時
において画像除去促進液の付与量を減らし又は該画像除
去促進液の付与を行わなくても良好な除去特性を得るこ
とができる。
【0084】また、本実施形態に係る再生方法又はその
装置によれば、画像除去処理後の像保持体に残存してい
る画像形成物質を検知したときには、像保持体と画像形
成物質との間の付着力がより一層弱まるように後処理液
の付与条件を変更することにより、次回の再生処理にお
いて、像保持体に残存していた画像形成物質も確実に除
去し、再生処理後の像保持体の品質の劣化を抑制するこ
とができる。
【0085】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例について
説明する。 〔実施例1〕図1の再生装置で像保持体としての用紙か
らの画像形成物質の除去を実施した。再生回数が0回、
すなわち未再生処理と検知された場合にのみ、画像除去
促進液及び後処理液が付与されるように再生装置を設定
して再生処理を行った。像保持体等の具体的な内容は次
のとおりである。 用紙:市販のコピー用上質紙 画像形成装置:市販の複写機(商品名:FT6500,
リコー製) 複写方法:両面コピー 再生処理線速:30mm/sec 加熱・加圧ローラ温度:100℃
【0086】また、画像除去促進液及び後処理液として
は、次の処方の液を用いた。そして、この画像除去促進
液を、図1の再生装置における画像除去促進液液付与ユ
ニットの液容器201a、201bに入れ、A4版片面
あたり0.3gずつ、用紙の両面に付与した。また、画
像剥離ユニット300で画像形成物質が除去された用紙
には、後処理ユニット400により後処理液を付与し
た。 ジアルキルスルホ琥珀酸ソーダ 25重量% ジプロピレングリコール 15重量% イオン交換水 残量
【0087】上記用紙を用いて作成したコピー・サンプ
ル50枚について、再生処理を連続して行ったところ、
両面の画像は除去され、トレー上に排出された。このト
レー上の用紙内の画像除去促進液の水分は、トレーで放
置され、次の用紙が排出され重ねられる前の時間で、完
全に蒸発し、紙の再生がなされた。処理した用紙には、
パンチ520で穴を穿け、再生処理を施したことを記録
した。再生処理した50枚の用紙に上記複写機で、未処
理の用紙にコピーしたのと同じ画像を、出来る限り未処
理の用紙にコピーした画像と位置が重なるように、連続
50枚の両面複写処理を行った。その結果、未処理の用
紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジ
ストのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのもの
の発生はなかった。
【0088】再コピーした用紙上の画像を、再び図1の
再生装置で再生処理を行った。再生装置の再生回数検知
センサー105により、紙は再生処理されたものである
ことが検知され、画像除去促進液塗布ローラ203a、
203bのギャップが開いたまま、用紙が搬送され、画
像除去促進液が紙に付与されることなく再生処理がなさ
れた。その結果、両面の画像は除去され、トレーに排出
され、再生された。
【0089】2回目の再生処理をほどこした用紙に、上
記の複写機で、未処理の紙にコピーしたのと同じ画像
を、出来る限り未処理の紙にコピーした画像と位置が重
なるように、連続50枚の両面複写処理を行った(3回
目の複写)。その結果、未処理の用紙とほぼ同質の画像
が得られ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキュ
ーも肉眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。
【0090】3回目の複写をした画像を、再び図1の再
生装置で再生処理を行った(3回目の再生処理)。この
3回目の再生処理においても、再生装置の再生回数検知
センサー105により、紙は再生処理されたものである
ことが検知され、画像除去促進液塗布ローラ203a、
203bのギャップが開いたまま、紙が搬送され、画像
除去促進液が紙に付与されることなく再生処理がなされ
た。その結果、両面の画像は除去され、トレーに排出さ
れ、再生された。
【0091】更に、同様に4回目のコピー操作、再生処
理を繰り返したが、コピーにおいては、未処理の紙とほ
ぽ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジストの
ずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのものの発生
はなかった。また、再生処理においては(4回目の再生
処理)、両面の画像とも除去が可能であった。
【0092】再生処理された紙に5回目の複写を行った
が、未処理の紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺
はなく、レジストのずれ、スキューも肉眼で認識できる
レベルのものの発生はなかった。
【0093】〔実施例2〕次に、再生処理にかける用紙
として、次のミスコピーを想定し、サンプルを作成し
た。すなわち、あらかじめ画像が片面に形成されている
状態から、片面に新たな画像を形成しようとして誤って
表面に重ねて画像を形成した場合である。このサンプル
の作製は同一の画像を同一面側に2度コピーして行っ
た。このサンプルを50枚連続で再生処理したところ、
画像形成物質(トナー)が重なって形成されていた部分
において一部取り残しが発生した。ただし、取り残しの
程度は再利用するのに支障の出るような目立つものでは
ない。また、再生装置内の表面センサ700a,700
bにおいて、このサンプルの取り残しが検出され、後処
理液の付与量を上記実施例1の場合に比較して増加し
た。増加量はあらかじめ液付与ローラ403a,403
bに対する液絞りローラ404a,404bの押圧を調
整し、付与量が上記実施例1の場合の150%程度にな
るようにした。
【0094】再生処理した50枚の紙に上記の複写機
で、未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、出来る限
り未処理の紙にコピーした画像と位置が重なるように、
連続50枚の両面複写処理を行った。その結果、未処理
の紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レ
ジストのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのも
のの発生はなかった。
【0095】再コピーした画像を再生装置で再生操作を
行った。再生装置の再生回数検知センサー105によ
り、紙は再生処理されたものであることが検知され、画
像除去促進液塗布ローラ203a、203bのギャップ
が開いたまま、紙が搬送され、画像除去促進液が紙に付
与されることなく再生処理がなされた。画像除去後の後
処理液付与も行わなかったが、両面の画像は取り残しが
あった部分においても除去され、トレーに排出され、再
生された。
【0096】2回目の再生処理をほどこした紙に、上記
複写機で、未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、出
来る限り未処理の紙にコピーした画像と位置が重なるよ
うに、連続50枚の両面複写処理を行った(3回目の複
写)。その結果、未処理の紙とほぼ同質の画像が得ら
れ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキューも肉
眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。
【0097】更に、上記実施例1と同様に4回目までの
再生処理操作と5回目までのコピー操作を繰り返した
が、コピーにおいては、未処理の紙とほぼ同質の画像が
得られ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキュー
も肉眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。ま
た、再生処理においては(4回目の再生処理)、両面の
画像とも除去が可能であった。再生処理された紙に5回
目の複写を行ったが、未処理の紙とほぼ同質の画像が得
られ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキューも
肉眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。
【0098】〔比較例〕上記実施例2と同様のコピーサ
ンプルを使用し、再生処理を行った。ただし、表面セン
サ700a,700bを取り外し、後処理液の付与量を
画像形成物質の取り残し状態(残存状態)と無関係に一
定量付与するようにした。その後、実施例2と同様に再
コピーを行い、さらに2回目の再生処理を行ったとこ
ろ、画像形成物質取り残しの発生していないサンプルで
は良好な画像除去が行われていたものの、取り残しのあ
ったサンプルにおいてさらに取り残しが増えていた。
【0099】〔実施例3〕像保持体としての用紙と画像
形成装置を、それぞれ市販の普通紙3紙(A,B,C)
と、複写機2機種(商品名:FT6500(リコー
製)、他社機D)を組み合わせ6サンプル作製した。な
お、作製は実施例2に示す手順にて行った。これらのサ
ンプルを上記実施例2、比較例と同様に2回目までの再
生処理を行い、その結果を得た。さらに、上記実施例1
と同様な再生処理においても同様の評価を行った。その
評価の結果を表1に示す。
【0100】表1において、記号「○」は全く見えない
程度にまでトナーを取り除くことができたもの、記号
「△」は完全ではないものの再コピーに支障のない程度
にまで取り除くことができたもの、記号「×」は再コピ
ーに支障のある程度の取り残しがあるものをそれぞれ示
している。また、*印を付したものは、再生1回目にお
いて画像形成物質(トナー)の取り残しを検出し、後処
理液の付与量を増加した場合の結果である。表1から、
再生1回目において画像形成物質(トナー)の取り残し
が発生した場合でも、後処理液の付与量を増加させるこ
とにより、画像形成物質取り除くことができ、用紙の品
質劣化を防止できることが確認できた。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】請求項1又は3の発明によれば、画像形
成物質除去後の後処理により、画像除去促進液の付与時
に画像形成物質が付着していた部分についても、像保持
体と画像形成物質との間の付着力を弱めることができる
ので、次回の再生処理時において画像除去促進液の付与
量を減らし又は該画像除去促進液の付与を行わなくても
良好な除去特性が得られるという効果がある。
【0103】請求項2又は4の発明によれば、画像形成
物質が残存しているとき又は画像形成物質の残存量が多
いときには、像保持体と画像形成物質との間の付着力が
より一層弱まるように後処理の条件を変更することによ
り、次回の再生処理において、像保持体に残存していた
画像形成物質も確実に除去し、再生処理後の像保持体の
品質の劣化を抑制することができるという効果がある。
【0104】請求項5の発明によれば、画像形成物質を
除去した像保持体の画像形成物質に対する付着力を弱め
る後処理液を該像保持体に付与するという簡易な構成の
後処理液付与手段を用いることにより、上記後処理の制
御を容易に行うことができるとともに、装置の低コスト
化を図ることができるという効果がある。
【0105】請求項6の発明によれば、像保持体の除去
処理面に光を照射し、その反射光を検出するという簡易
な構成の光学型の画像残存状態検知手段を用いることに
より、装置の低コスト化を図ることができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る像保持体の再生装置の
概略構成図。
【図2】同再生装置の表面センサの概略構成図。
【図3】同再生装置を用いた像保持体の繰り返し使用の
フローチャート。
【図4】(a)は画像形成物質の取り残しがない像保持
体についての画像形成及び画像形成物質除去の説明図。
(b)は画像形成物質の取り残しがある像保持体につい
ての画像形成及び画像形成物質除去の説明図。
【図5】後処理液の付与量の制御のフローチャート。
【符号の説明】
1 像保持体(用紙) 1’ 像保持体(用紙)の後処理液を含んでいる領域 2 画像形成物質 100 給紙ユニット 200 画像除去促進液付与ユニット 202(a,b) 画像除去促進液 300 画像剥離ユニット 400 後処理ユニット 401(a、b) 液容器 402(a,b) 後処理液 403(a,b) 液付与口一ラ 404(a,b) 液絞りローラ 500 乾燥・仕上げユニット 600 排紙ユニット 700(a,b) 表面センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像保持体に形成されている画像の画像形成
    物質と該像保持体との間の付着力を低下させる付着力低
    下剤を含む画像除去促進液を、該像保持体に付与し、該
    画像除去促進液を付与した像保持体から該画像形成物質
    を除去することにより、該像保持体を画像形成可能な状
    態に再生する像保持体の再生方法において、 上記画像形成物質の除去処理を行った像保持体に対し
    て、該像保持体と該画像形成物質との間の付着力を弱め
    る後処理を行うことを特徴とする像保持体の再生方法。
  2. 【請求項2】請求項1の像保持体の再生方法において、 上記画像形成物質の除去処理を行った像保持体上の該画
    像形成物質の残存状態を検知し、その検知結果に基づい
    て上記後処理の条件を変更することを特徴とする像保持
    体の再生方法。
  3. 【請求項3】像保持体に形成されている画像の画像形成
    物質と該像保持体との間の付着力を低下させる付着力低
    下剤を含む画像除去促進液を、該像保持体に付与する液
    付与手段と、該画像除去促進液を付与した像保持体から
    該画像形成物質を除去する画像形成物質除去手段とを備
    え、該像保持体を画像形成可能な状態に再生する像保持
    体の再生装置において、 上記画像形成物質除去手段による画像形成物質の除去処
    理を行った像保持体に対して該像保持体と該画像形成物
    質との間の付着力を弱める後処理を行う後処理手段を設
    けたことを特徴とする像保持体の再生装置。
  4. 【請求項4】請求項3の像保持体の再生装置において、 上記画像形成物質除去手段による画像形成物質の除去処
    理を行った像保持体上の該画像形成物質の残存状態を検
    知する画像残存状態検知手段と、 該画像残存状態検知手段による検知結果に基づいて上記
    後処理手段による後処理の条件を変更する制御手段とを
    設けたことを特徴とする像保持体の再生装置。
  5. 【請求項5】請求項4の像保持体の再生装置において、 上記後処理手段として、上記画像形成物質を除去した像
    保持体の画像形成物質に対する付着力を弱める後処理液
    を該像保持体に対して付与する後処理液付与手段を用い
    たことを特徴とする像保持体の再生装置。
  6. 【請求項6】請求項4の像保持体の再生装置において、 上記画像残存状態検知手段として、上記画像形成物質除
    去手段で画像形成物質の除去処理を行った像保持体の除
    去処理面に光を照射し、その反射光を検出する光学型の
    画像残存状態検知手段を用いたことを特徴とする像保持
    体の再生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011186474A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Toshiba Corp 消去装置、用紙印字面の印字状態検出方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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