JPH10317786A - 折れ戸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、特に車椅子の使用者に便利な折れ
戸に関するもので、使用勝手に優れ、スライド部分の破
損、変形の危険も少なく、使用中に折れ戸が下降し開閉
に支障をきたす事のない折れ戸を提供する事を目的とす
る。 【構成】 開放側端部が回動自在に支持された第１扉２
と、第１扉２に折り畳み自在に連結され、上部が固定部
材６に対し開閉方向にスライド支持部材５を介してスラ
イド自在に支持された第２扉３よりなる折れ戸１００に
おいて、折れ戸１００が全閉位置から所定位置まで開放
された時点から、第２扉３を開放方向付勢すると共に、
折れ戸１００が全開位置から所定位置まで閉鎖された時
点から、第２扉３を閉鎖方向に付勢する開閉補助部材９
を、固定部材６と第２扉３間に渡って設けたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】 本発明は、特に車椅子の使
用者に便利な折れ戸に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 従来、車椅子の使用者が折れ戸を開放
し通過するためには、少なくとも車椅子の通過巾の開放
状態は維持しておかなければならなかった。このため、
開放途中で車椅子の向きを変えなければ、折れ戸を必要
な巾まで開放する事ができず、さらに、車椅子の通過後
は、車椅子の向きを変えて閉鎖操作をしなけれならず、
使用勝手が悪かった。また、車椅子を使用しながら折れ
戸の開閉を行うと、上記した操作の形態によって、折れ
戸に開閉方向の操作力が負荷される以外に、出入り方向
の操作力も負荷される事と、車椅子の通過を考慮して、
床面側に折れ戸の支持部分を設けていないので、折れ戸
が出入り方向に揺れやすく、スライド部分が変形、破損
する危険があった。さらに、床面が水平に処理されてい
るとは限らないので、折れ戸の下面が床面に接触しない
よう、折れ戸の取付を上下方向で調整可能にしておく必
要もあり、この場合、折れ戸の支持部分は回動しながら
スライドするので、長年使用していると、上下方向の調
整部分が不測に回動し、折れ戸が下降して床面に接触す
る問題もあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】 本発明は、折れ戸を
ある程度開放させると、後は自動的に全開し、また、所
定位置まで閉鎖すると、後は自動的に全閉させる事によ
り車椅子での使用勝手を向上せしめ、出入り方向に操作
力が負荷されても、スライド部分の破損、変形の危険性
が少なく、又、長年使用しても折れ戸が下降する事もな
い、特に、車椅子の使用者に適した折れ戸を提供する事
を課題とする。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】 そこで、上記課題を解決
する為、本発明が第１の手段として構成したところは、
開放側端部が回動自在に支持された第１扉と、第１扉に
折り畳み自在に連結され、上部が固定部材に対し開閉方
向にスライド自在に支持された第２扉よりなる折れ戸に
おいて、折れ戸が全閉位置から所定位置まで開放された
時点から、第２扉を開放方向に付勢すると共に、折れ戸
が全開姿勢から所定位置まで閉鎖された時点から、第２
扉を閉鎖方向に付勢する開閉補助部材を固定部材側と第
２扉側間に渡って設けたものである。

【０００５】又、本発明が第二の手段として構成したと
ころは、前記開閉補助部材は、一端が固定部材側の第１
枢止点と、第２扉側の第２枢止点を有し、第２枢止点
は、折れ戸の閉鎖姿勢で第１枢止点の閉鎖側に位置する
と共に、折れ戸の開放途中で、第２枢止点は第１枢止点
の開放側に位置するよう設けられる一方、第１枢止点と
第２枢止点間の距離が常に広げられる方向に付勢されて
いるものである

【０００６】又、本発明が第三の手段として構成したと
ころは、前記開閉補助部材は、端部が固定部材側に枢止
される第１リンクと、第１リンクの他端部に一端が枢止
され、他端が第２扉側に枢止される第２リンクと、第１
リンクと第２リンクを常に開く方向に付勢する第１付勢
体より構成されているものである。

【０００７】又、本発明が第四の手段として構成したと
ころは、前記開閉補助部材は、端部が固定部材に枢止さ
れる第１リンクと、第１リンクの他端部に一端が枢止さ
れ、他端が第２扉側に枢止される第２リンクと、第１リ
ンクと第２リンクを常に開く方向に付勢する第１付勢体
と、前記第２扉を常に閉鎖方向に付勢する第２付勢体よ
りなり、第１付勢体の付勢力は第２付勢体の付勢力より
強く形成されているものである。

【０００８】又、本発明が第五の手段として構成したと
ころは、開放側端部が回動自在に支持された第１扉と、
第１扉に折り畳み自在に連結され、上部が固定部材に配
設されたスライド部材に形成されたスライド支持部材
に、支持金具を介してスライド自在に支持された第２扉
よりなり、支持金具は第２扉を上下方向に取付位置調節
可能で、スライド支持部材とは回動不能で第２扉とのみ
回動可能に形成されているものである。

【０００９】又、本発明が第六の手段として構成したと
ころは、前記スライド部材は、固定部材に垂直方向に配
設された第１スライドレールと、第１スライドレールと
同一形状で、固定部材に水平方向に配設された第２スラ
イドレールより構成され、前記スライド支持部材は、第
１スライドレールと第２スライドレールに渡って形成さ
れているものである。

【００１０】又、本発明が第七の手段として構成したと
ころは、前記支持金具は、スライド支持部材に回動不能
に嵌合される嵌合軸部と、第２扉の上端部に回動自在に
挿通する回動軸部を有しているものである。

【００１１】又、本発明が第八の手段として構成したと
ころは、開放側端部が回動自在に支持された第１扉と、
第１扉に折り畳み自在に連結され、上部が固定部材に配
設されたスライド部材に形成されたスライド支持部材
に、支持金具を介してスライド自在に支持された第２扉
と、第２扉が閉鎖姿勢から所定位置まで開放された時点
から、第２扉を開放方向に付勢すると共に、開放姿勢か
ら所定位置まで閉鎖された時点から、第２扉を閉鎖方向
に付勢する開閉補助部材より構成された折れ戸におい
て、前記開閉補助部材は、端部が固定部材に枢止される
第１リンクと、第１リンクの他端部に一端が枢止され、
他端が第２扉のスライド支持部に枢止される第２リンク
と、第１リンクと第２リンクを常に開く方向に付勢する
第１付勢体と、前記第２扉を常に閉鎖方向に付勢する第
２付勢体よりなり、第１付勢体の付勢力は第２付勢体の
付勢力より強く構成され、前記支持金具は第２扉をスラ
イド支持部材に対し上下方向に取付位置調節可能で、ス
ライド支持部材とは回動不能で第２扉とのみ回動可能に
連結され、前記スライド部材は、固定部材に垂直方向に
配設された第１スライドレールと、第１スライドレール
と同一形状で、固定部材に水平方向に配設された第２ス
ライドレールより構成され、前記スライド支持部材は、
第１スライドレールと第２スライドレールに渡って形成
されているものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明は、開放側端部が回動自在
に支持された第１扉と、第１扉に折り畳み自在に連結さ
れ、上部が固定部材に配設されたスライド部材に形成さ
れたスライド支持部材に、支持金具を介してスライド自
在に支持された第２扉と、第２扉が全閉位置から所定位
置まで開放された時点から、第２扉を開放方向に付勢す
ると共に、全開位置から所定位置まで閉鎖された時点か
ら、第２扉を閉鎖方向に付勢する開閉補助部材より構成
された折れ戸において、前記開閉補助部材は、端部が固
定部材側に枢止される第１リンクと、第１リンクの他端
部に一端が枢止され、他端が第２扉のスライド支持部側
に枢止される第２リンクと、第１リンクと第２リンクを
常に開く方向に付勢する第１付勢体と、前記第２扉を常
に閉鎖方向に付勢する第２付勢体よりなり、第１付勢体
の付勢力は第２付勢体の付勢力より強く構成され、前記
支持金具は第２扉をスライド支持部材に対し上下方向に
取付位置調節可能で、スライド支持部材とは回動不能で
第２扉とのみ回動可能に連結され、前記スライド部材
は、垂直方向に配設された第１スライドレールと、第１
スライドレールと同一形状で、水平方向に配設された第
２スライドレールより構成され、前記スライド支持部材
は、第１スライドレールと第２スライドレールに渡って
形成されているものである。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を添付図面に基づいて詳述す
る。図２は本発明をトイレ用の折れ戸として使用した状
態の正面図を示している。そして、図２において右側を
閉鎖側、左側を開放側、正面側を表面側、背面側を裏面
側、表裏側方向を出入り方向として以下本発明を説明す
る。符号１００は本発明の折れ戸を示し、折れ戸１００
は、開閉側の端部に立設された開閉側縦枠１１、１１
と、開閉側の縦枠１１、１１の上端部に配設された上枠
１２より構成された三方枠１と、開放側の縦枠１１の閉
鎖側内面上下端部に形成されたピボットヒンジ２１にて
開放側上下端部が回動自在に支持され、開放側端面に戸
当たり２２を有する第１扉２と、第１扉２の閉鎖側端部
と丁番３１（図３に示す。）を介して折り畳み自在に連
結され閉鎖側端面に戸当たり３２を有する第２扉３と、
三方枠１の内側の表裏両面側で、第１扉２、第２扉３の
上方に位置し、内部構造を隠蔽している表裏ランマパネ
ル１０、１０等より構成されている。

【００１４】第２扉３は、表面側に把手３３、表示部３
４が設けられ、裏面側に、閉鎖側縦枠１１の内面に形成
された係合孔３５０（図３に示す。）に係脱自在で、表
示部３４と連動する表示錠３５（図３に示す。）が回動
自在に設けられ、さらに表裏両面側にわたって形成され
た確認窓３６を有し、開閉側方向の略中央部上面に回動
自在に設けられた支持金具４（図２、図５に示す。）
と、支持金具４が連結されるスライド支持部材５を介し
て、開閉側縦枠１１、１１の上端部間内面に配設された
固定部材６のスライド部材７００に対し開閉方向にスラ
イド自在に支持されている。

【００１５】符号３７は、閉鎖側縦枠１１の段部１１１
の表面側に取付られた、第２扉３の閉鎖時の衝撃を和ら
げる緩衝部材を示し、符号９は、折れ戸１００の開閉操
作が容易となるよう第２扉３の上方に位置し、固定部材
６と第２扉３側間に形成された開閉補助部材を示してい
る。

【００１６】前記支持金具４は上下端部に形成された、
上下ナット４１、４１、４２、４２が螺合する上下螺軸
部４３、４４と、下螺軸部４４の上端に連続する円柱形
に形成された回動軸部４５と、回動軸部４５の上端に連
続する六角軸に形成された嵌合軸部４６より形成されて
いる。そして、支持金具４は、第２扉３の上端部内面に
ネジ止めされた支持金具取付座５８に回動自在に取付ら
れる。

【００１７】すなわち、前記支持金具取付座５８は、上
壁５８１と、上壁５８１の開閉側端部に下方に突出して
連設された開閉側の側壁５８２、５８２と、開閉側の側
壁５８２、５８２の下端部に開閉側に突出して連設され
た連結壁５８３、５８３より形成され、上壁５８１の中
央部には 回動支持筒５８５が嵌入する回動孔５８６が
形成されており、回動支持筒５８５は、回動孔５８６に
嵌入する円筒形の筒部５８７と、筒部５８７の下端部に
連設され上壁５８１の下面に当接する当接支持部５８８
と、上下方向に貫通する貫通孔５８９を有している。

【００１８】そして、貫通孔５８９に支持金具４の回動
軸部４５が嵌挿し、当接支持部５８８の下方に突出する
下螺軸部４４に下ワッシャ５８０が取付られたのち、下
ナット４２、４２と螺合し、下ナット４２、４２の下方
に突出する下螺軸部４４に抜け止めピン４４１が取付ら
れ、そして、支持金具４が取付られた状態で支持金具取
付座５８は、第２扉３の上端部内面にねじ止めされ、支
持金具取付座５８を介して、支持金具４は第２扉３に回
動自在に、上方に突出して連結される。

【００１９】前記スライド支持部材５は、固定部材６に
連結された第１、第２スライドレール７、８に一体的あ
るいはネジ止め等にて連結されており、前記支持金具４
が取付られる水平支持部５１と、水平支持部５１の裏面
側端部から上方に連設され、表面側に上がり止め金具４
０が取付られ、裏面側に開閉補助部材９の一部が取付け
られる垂直支持部５２と、垂直支持部５２の上端から表
面側に向かって連設される上水平部５３と、上水平部５
３の表面側端部から、上方に向かって逆Ｌ字形に形成さ
れた、第１取付部５４と第２取付部５５よりなるスライ
ドレール連結部５６より形成されている。

【００２０】前記スライド支持部材５の水平支持部５１
には、前記支持金具４の嵌合軸部４６が表面側から回動
不能に嵌合する嵌合孔５１１が形成されており、支持金
具４の上螺軸部４３に上ワッシャ４１１が取付られ、上
ナット４１、４１が螺合した状態で、表面側から嵌合軸
部４６が嵌合孔５１１に嵌合される。この状態で、上ワ
ッシャ４１１、上ナット４１にて第２扉３は支持金具４
を介してスライド支持部材５に吊下げられ、さらに、表
面側から抜け止め金具５７を水平支持部５１に連結し
て、支持金具４及び第２扉３の表面側方向への移動を阻
止する。すなわち、抜け止め金具５７は、裏面側から形
成された嵌合孔５１１と同様の嵌合切り欠き５７１を有
し、この嵌合切り欠き５７１が、表面側から水平支持部
５１の下面で、嵌合軸部４６に嵌合され、水平支持部５
１とネジ止めされる。

【００２１】そして、上ナット４１、４１を回動して上
螺軸部４３との螺合位置を調整する事によって、第２扉
３の上下方向の取付高さを調整した後、上がり止め金具
４０をスライド支持部材５の表面側にネジ止めし、第２
扉３が上方に移動するのを防止する。すなわち、上がり
止め金具４０は、断面略Ｌ字形に形成され、スライド支
持部材５の垂直支持部５２に表面側からネジ止めされる
取付部４０１と、取付部４０１の上端から表面側に向か
って突出し、支持金具４の上螺軸部４３の上端部が貫通
する挿通孔４０２を有し、上ナット４１の上端面に当接
する上がり止め突片４０３と、上がり止め突片４０３の
表面側端部略中央部で下方に突出し、上螺軸部４３の上
端部の表面側に位置する下向き突出片４０４より形成さ
れている。

【００２２】前記固定部材６は、開閉側縦枠１１、１１
の上端部間に配設され、表面側に開閉方向全幅に渡って
形成されたスライド部材連結凹部６１内に形成された水
平取付壁６２と、水平取付壁６２の裏面側端部から下方
に連設された垂直取付壁６３と、水平取付壁６２と垂直
取付壁６３の裏面側に所定間隔を有して一体に形成され
た、上水平壁６４と、裏面側垂直壁６５より形成されて
いる。

【００２３】スライド部材連結凹部６１内に取付られる
前記スライド部材７００は、前記垂直取付壁６３の表面
側の開閉方向全幅に渡って配設される第１スライドレー
ル７と、前記水平取付壁６２の下面側の開閉方向全幅に
渡って配設される第２スライドレール８より構成され、
第１スライドレール７は、垂直取付壁６３にネジ止めさ
れる断面略Ｃ字形の固定レール７１と、固定レール７１
にボールリテーナー７２、ボール７３・・・を介してス
ライド自在に配設される断面略Ｃ字形の移動レール７４
より構成されてなり、移動レール７４の開閉方向の巾寸
法は、支持金具４が連結されるスライド支持部材５の開
閉方向の巾寸法のほぼ倍の長さで、ボールリテーナー７
２は、移動レール７４の移動距離の２分の１の距離、移
動する事に対応して、固定レール７１の開閉方向の巾寸
法のほぼ２分の１の長さに形成されている。

【００２４】前記第２スライドレール８は、水平取付壁
６２にネジ止めされる断面横向き略Ｃ字形の固定レール
８１と、固定レール８１にボールリテーナー８２、ボー
ル８３・・・を介してスライド自在に配設される断面横
向き略Ｃ字形の移動レール８４より構成されてなり、移
動レール８４の開閉方向の巾寸法は、支持金具４が連結
されるスライド支持部材５の開閉方向の巾寸法のほぼ倍
の長さで、ボールリテーナー８２は、移動レール８４の
移動距離の２分の１の距離移動する事に対応して、固定
レール７１の開閉方向の巾寸法のほぼ２分の１の長さに
形成されている。

【００２５】すなわち、第１スライドレール７と第２ス
ライドレール８は同形で、それぞれのボール７３・・
・、８３・・・が位置する方向にはガタ付が生じず強度
的に強い構成となっているから、それぞれの移動レール
７４、８４と、スライド支持部材５の第１取付部５４と
第２取付部５５を一体とする事により、第２扉３の荷重
は第１スライドレールで支持され、又、スライド支持部
材５に表裏側方向の負荷が発生しても、水平方向に配設
された第２スライドレール８が負荷を受け止めるので、
スライド支持部材５に支持金具４を介して吊下げられた
第２扉３に生じる開閉時の表裏方向への揺れは最小限に
おさえられる。尚、実施例では、第２スライドレール８
は水平に配設されているが、第２扉３の出入り方向の揺
れを防止する方向、すなわち、スライド支持部材５が第
１スライドレール７を中心部分として回動する方向に沿
って、水平からやや傾けた水平方向に設けると、より効
果的である。

【００２６】前記開閉補助部材９は、固定部材６の上水
平壁６４の開閉方向の略中央部上面に上方に突出して設
けられたリンク取付座９１の上端に、折れ戸１００の閉
鎖状態で閉鎖側に向かって略水平姿勢に端部が枢止され
る第１枢止点９０１を有する第１リンク９２と、第１リ
ンク９２の他端部に一端が枢止され、他端がスライド支
持部材５の裏面側に設けられたリンク下取付座９３に枢
止される第２枢止点９０２を有する第２リンク９４と、
第１リンク９２と第２リンク９４間に配設され、第１リ
ンク９２と第２リンク９４を常に開く方向に付勢する第
１付勢体９５（弓状となした板バネ、圧縮バネ、ねじり
コイルばね等）と、固定部材６の閉鎖側端部とスライド
支持部材５間に配設され、常に第２扉を閉鎖方向に付勢
すると共に、第１付勢体９５の付勢力より弱く設定され
た第２付勢体９６（定荷重バネが望ましい。）より構成
されている。

【００２７】開閉補助部材９は、上記の如く構成されて
いるので、第２扉３の全閉位置では、第２枢止点９０２
は第１枢止点９０１の閉鎖側に位置し、第１付勢体９５
は常に第１リンク９２、第２リンク９４を開く方向に付
勢しているので、第１付勢体９５は第２扉３が常に全閉
位置を維持するよう付勢し、かつ、第２付勢体９６も第
２扉３を常に第２扉３が閉鎖する方向に付勢し、常に全
閉姿勢が維持される。この状態から、第２扉３を第１、
第２付勢体９５、９６の付勢力に抗して開放していく
と、スライド支持部材５の移動に伴って第２枢止点９０
２が第１枢止点９０１との距離を縮めながら開放側に移
動し、やがて第２枢止点９０２が第１枢止点９０１の下
方に位置する。（図７仮想線に示す状態）。この状態
で、第１付勢体９６の付勢力は下向きに負荷され、第２
付勢体９６が無い場合は第２扉３は開放途中で停止状態
となる。

【００２８】さらに、第２付勢体９６の付勢力に抗して
第２扉３を開放すると、第２枢止点９０２が第１枢止点
９０１の開放側に位置した瞬間から、第１付勢体９５の
付勢力は、第２付勢体９６の付勢力より強く形成され、
さらに第１枢止点９０１と第２枢止点９０２の距離が遠
ざかるよう付勢されているので、スライド支持部材５は
開放方向に開放力を負荷しなくても、自動的に開放方向
に移動し、折れ戸１００は開放姿勢となり、その状態が
維持される。

【００２９】次に、折れ戸１００の開放姿勢から、第２
扉３を第１付勢体９５の付勢力に抗して閉鎖していく
と、スライド支持部材５の移動に伴って第２枢止点９０
２が第１枢止点９０１との距離を縮めながら閉鎖側に移
動し、やがて第２枢止点９０２が第１枢止点９０１の下
方に位置する。この状態で、第１付勢体９６の付勢力は
下向きに負荷され、第２付勢体９６が無い場合は第２扉
３は開放途中で停止状態となる。

【００３０】さらに、第２付勢体９６の付勢力と共に第
２扉３を閉鎖すると、第２枢止点９０２が第１枢止点９
０１の閉鎖側に位置した瞬間から、第１付勢体９５の付
勢力は、第１枢止点９０１と第２枢止点９０２の距離が
遠ざかるよう付勢されているので、第２付勢体９６の付
勢力と共に、スライド支持部材５は閉鎖方向に閉鎖力を
負荷しなくても、自動的に閉鎖方向に移動し、折れ戸１
０は閉鎖姿勢となり、その状態が維持される。

【００３１】すなわち、第２枢止点９０２を第１枢止点
９０１の閉鎖側に位置させた時点から折れ戸１００は自
動的に閉鎖し、第２枢止点９０２を第１枢止点９０１の
開放側に位置させた時点から、折れ戸１００は自動的に
開放するので、車椅子での通過が容易で、使い勝手がよ
い。そして、実施例では第２付勢体９６を設けている
が、これを設けなくても上記の機能は十分に発揮され
る。しかしながら、第１付勢体９５だけで使用すると、
第２扉３は全閉時には、スライド支持部材５は殆ど閉鎖
側に移動することなく、支持金具４と第２扉３の回動で
全閉するので、確実に全閉させる為、第１付勢体９５の
付勢力を強くすると、折れ戸１００の開放途中から急激
に開放され、全開時に衝撃音が発生する。（使用に際し
ては特に問題となるものではないが。）

【００３２】そして、衝撃音をなくす為、第１付勢体９
５の付勢力を弱くすると、折れ戸１００の閉鎖時、自動
的に全閉しきれないという問題が発生する可能性があ
り、折れ戸１００としての完成度を上げるため、第２扉
３を常に閉鎖方向に付勢する第２付勢体９６を設け、第
１付勢体９５の付勢力に第２付勢体９６の付勢力を加え
ることで、折れ戸１００を自動的に全閉させ、第２付勢
体９６の付勢力を第１付勢体９５の付勢力よりやや弱く
設定する事により、開放途中からの開放方向への付勢力
を弱め、急激に全開されて発生する衝撃音を防止する。

【００３３】尚、実施例の開閉補助部材９は、第１付勢
体９５を第１リンク９２と第２リンク９４間に配設し、
第２付勢体９６を固定部材６とスライド支持部材５間に
配設しているが、基本的には前記開閉補助部材９は、一
端が固定部材６に枢止された第１枢止点９０１と、他端
が第２扉３側に枢止された第２枢止点９０２を有し、第
２枢止点９０２は、折れ戸１００の閉鎖姿勢で第１枢止
点９０１の閉鎖側に位置すると共に、折れ戸１００の開
放途中で、第２枢止点９０２は第１枢止点９０１の開放
側に位置するよう設けられる一方、第１枢止点９０１と
第２枢止点９０２間の距離が常に広げられる方向に付勢
されている構成であればよい。

【００３４】すなわち、第１リンク９２、第２リンク９
３、第１付勢体９５の代わりに、ねじりコイルバネ、あ
るいは、ガススプリングを使用して、一端を第１枢止点
９０１に、他端を第２枢止点９０２に枢止する構成であ
っても本発明の目的を達成することができる。さらに前
記実施例において、第１付勢体９５に圧縮バネを使用し
ているので、第２扉３の移動時に圧縮バネが弓状にしな
るのを防止する為、心棒の一端を第２リンク９４に対し
回動自在となし、他端を第１リンク９２に回動かつスラ
イド可能に、圧縮バネ内に配設してもよい。

【００３５】ランマパネル１０は、上端に形成された上
向き係止突片（図示せず）を、三方枠１の上枠１２の内
側に係止させ、開閉側両端部を開閉側縦枠１１、１１の
内面側で、それぞれ開閉方向に突出せしめたランマ取付
座（図示せず）にネジ止めして着脱自在に取付られる。

【００３６】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、折れ戸
が閉鎖姿勢から所定位置まで開放された時点から、第２
扉を開放方向に付勢すると共に、折れ戸が開放姿勢から
所定位置まで閉鎖された時点から、第２扉を閉鎖方向に
付勢する開閉補助部材を固定部材側と第２扉側間に渡っ
て設けているので、車椅子の使用者が、本発明の折れ戸
を開閉する場合、車椅子の静止状態で所定位置まで、折
れ戸を開放、あるいは閉鎖すれば、後は自動的に折れ戸
は開放、あるいは閉鎖するので、車椅子の方向を転換し
なくて折れ戸の全開、全閉を行え、使い勝手が非常に良
い。

【００３７】請求項２に記載の発明によれば、開閉補助
部材は、第１枢止点と他端が第２扉側に枢止された第２
枢止点を有し、第２枢止点は折れ戸の全閉位置で第１枢
止点の閉鎖側に位置し、折れ戸の開放途中で、第１枢止
点の開放側に位置するよう設けられる一方、第１枢止点
と第２枢止点間の距離が常に広げられる方向に付勢され
るているから、簡単な構造で所定の機能を得る事がで
き、安価に製作できる。

【００３８】請求項３に記載の発明によれば、前記効果
に加え、開閉補助部材は、端部が固定部材に枢止される
第１リンクと、第１リンクの他端部に一端が枢止され、
他端が第２扉側に枢止される第２リンクと、第１リンク
と第２リンクを常に開く方向に付勢する第１付勢体より
構成されているから、部品点数が少なく、組立が容易で
安価に製作できる。

【００３９】請求項４に記載の発明によれば、請求項３
の構成に加え、第２扉を常に閉鎖方向に付勢する第２付
勢体を設け、第１付勢体の付勢力を第２付勢体の付勢力
より強く設定したので、第１付勢体の付勢力を弱く設定
する事により、全開時に急激に開放される事がなく、自
動的に開放運動をスムーズに行う事ができる。

【００４０】請求項５に記載の発明によれば、第２扉は
スライド支持部材に支持金具を介してスライド自在に支
持され、支持金具は、第２扉を上下方向に取付位置調節
可能で第２扉とのみ回動可能に形成されているので、床
面が水平に処理されていなくても、取付位置を上下方向
に調節する事で、第２扉の下面が床面に接触せず、スム
ーズな開閉状態を得る事が出来、しかも、長年使用して
いても、スライド支持部材と支持金具は回動しないの
で、使用中、第２扉に上下方向の位置ずれが生じること
はない。

【００４１】請求項６に記載の発明によれば、スライド
部材は固定部材に垂直方向に配設された第２スライドレ
ールと、第１スライドレールと同一形状で、固定部材に
水平方向に配設された第２スライドレールより構成さ
れ、スライド支持部材は第１スライドレールと第２スラ
イドレールにわたって形成されているので、折れ戸の開
閉の操作時出入り方向（表裏方向）に操作力が負荷され
ても、スライド部分が、変形、破損する事はない。

【００４２】請求項７に記載の発明によれば、支持金具
はスライド支持部材に回動不能に嵌合される嵌合軸部
と、第２扉の上端部に回動自在に挿通する回動軸部を有
しているので、簡単な構成で安価に製作できる。

【００４３】請求項８に記載の発明によれば、折れ戸が
ある程度開放されると、後は自動的に全開し、又、所定
位置まで閉鎖すると後は自動的に全閉するので、車椅子
での使用勝手に優れ、出入り方向に操作力が負荷されて
も、スライド部分の破損、変形の危険も少なく、又、長
年使用しても、折れ戸が下降して床面と接触する恐れも
ない、車椅子の使用者に最適な折れ戸である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の要部縦断面図

【図２】 本発明の正面図

【図３】 図２のＡーＡ線拡大断面図

【図４】 図３のＢ部拡大図

【図５】 スライド支持部材と支持金具部分の分解斜
視図

【図６】 スライド部材の拡大断面図

【図７】 開閉補助部材の作動状態を示す説明図

【符号の説明】

１ 三方枠 １１ 縦枠 １００ 折れ戸 ２ 第１扉 ３ 第２扉 ４ 支持金具 ４６ 嵌合軸部 ５ スライド支持部材 ６ 固定部材 ７ 第１スライドレール ７００ スライド部材 ８ 第２スライドレール ９ 開閉補助部材 ９０１ 第１枢止点 ９０２ 第２枢止点 ９２ 第１リンク ９４ 第２リンク ９５ 第１付勢体 ９６ 第２付勢体

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開放側端部が回動自在に支持された第１
   扉と、第１扉に折り畳み自在に連結され、上部が固定部
   材に対し開閉方向にスライド自在に支持された第２扉よ
   りなる折れ戸において、折れ戸が全閉位置から所定位置
   まで開放された時点から、第２扉を開放方向に付勢する
   と共に、折れ戸が全開位置から所定位置まで閉鎖された
   時点から、第２扉を閉鎖方向に付勢する開閉補助部材を
   固定部材側と第２扉側間に渡って設けた事を特徴とする
   折れ戸
2. 【請求項２】 前記開閉補助部材は、一端が固定部材側
   の第１枢止点と、第２扉側の第２枢止点を有し、第２枢
   止点は、折れ戸の閉鎖姿勢で第１枢止点の閉鎖側に位置
   すると共に、折れ戸の開放途中で、第１枢止点の開放側
   に位置するよう設けられる一方、第１枢止点と第２枢止
   点間の距離が常に広げられる方向に付勢されている事を
   特徴とする請求項１に記載の折れ戸。
3. 【請求項３】 前記開閉補助部材は、端部が固定部材側
   に枢止される第１リンクと、第１リンクの他端部に一端
   が枢止され、他端が第２扉側に枢止される第２リンク
   と、第１リンクと第２リンクを常に開く方向に付勢する
   第１付勢体より構成されている事を特徴とする請求項２
   に記載の折れ戸。
4. 【請求項４】 前記開閉補助部材は、端部が固定部材側
   に枢止される第１リンクと、第１リンクの他端部に一端
   が枢止され、他端が第２扉側に枢止される第２リンク
   と、第１リンクと第２リンクを常に開く方向に付勢する
   第１付勢体と、前記第２扉を常に閉鎖方向に付勢する第
   ２付勢体よりなり、第１付勢体の付勢力は第２付勢体の
   付勢力より強く形成されている事を特徴とする請求項２
   に記載の折れ戸。
5. 【請求項５】 閉鎖側端部が回動自在に支持された第１
   扉と、第１扉に折り畳み自在に連結され、上部が固定部
   材に配設されたスライド部材に形成されたスライド支持
   部材に、支持金具を介してスライド自在に支持された第
   ２扉よりなり、支持金具は第２扉を上下方向に取付位置
   調節可能で、スライド支持部材とは回動不能で第２扉と
   のみ回動可能に形成されている事を特徴とする折れ戸。
6. 【請求項６】 前記スライド部材は、固定部材に垂直方
   向に配設された第１スライドレールと、第１スライドレ
   ールと同一形状で、固定部材に水平方向に配設された第
   ２スライドレールより構成され、前記スライド支持部材
   は、第１スライドレールと第２スライドレールに渡って
   形成されている事を特徴とする請求項５に記載の折れ
   戸。
7. 【請求項７】 前記支持金具は、スライド支持部材に回
   動不能に嵌合される嵌合軸部と、第２扉の上端部に回動
   自在に挿通する回動軸部を有している事を特徴とする請
   求項５に記載の折れ戸。
8. 【請求項８】 開放側端部が回動自在に支持された第１
   扉と、第１扉に折り畳み自在に連結され、上部が固定部
   材に配設されたスライド部材に形成されたスライド支持
   部材に、支持金具を介してスライド自在に支持された第
   ２扉と、第２扉が全閉位置から所定位置まで開放された
   時点から、第２扉を開放方向に付勢すると共に、全開位
   置から所定位置まで閉鎖された時点から、第２扉を閉鎖
   方向に付勢する開閉補助部材より構成された折れ戸にお
   いて、前記開閉補助部材は、端部が固定部材に枢止され
   る第１リンクと、第１リンクの他端部に一端が枢止さ
   れ、他端が第２扉のスライド支持部側に枢止される第２
   リンクと、第１リンクと第２リンクを常に開く方向に付
   勢する第１付勢体と、前記第２扉を常に閉鎖方向に付勢
   する第２付勢体よりなり、第１付勢体の付勢力は第２付
   勢体の付勢力より強く構成され、前記支持金具は第２扉
   をスライド支持部材に対し上下方向に取付位置調節可能
   で、スライド支持部材とは回動不能で、第２扉とのみ回
   動可能に連結され、前記スライド部材は、固定部材に垂
   直方向に配設された第１スライドレールと、第１スライ
   ドレールと同一形状で、固定部材に水平方向に配設され
   た第２スライドレールより構成され、前記スライド支持
   部材は、第１スライドレールと第２スライドレールに渡
   って形成されている事を特徴とする折れ戸。