JPH10317249A - 杢調織物の製造方法 - Google Patents

杢調織物の製造方法

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JPH10317249A
JPH10317249A JP9128252A JP12825297A JPH10317249A JP H10317249 A JPH10317249 A JP H10317249A JP 9128252 A JP9128252 A JP 9128252A JP 12825297 A JP12825297 A JP 12825297A JP H10317249 A JPH10317249 A JP H10317249A
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JP
Japan
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yarn
thick
polyamide
woven fabric
thin
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JP9128252A
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English (en)
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Yoshihisa Okamoto
佳久 岡本
Mamoru Shinomiya
守 四宮
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 明瞭なかすり調外観および触感を有する杢調
織物の製造方法を提供する。 【解決手段】 複屈折率(Δn)が15×10-3〜35
×10-3の範囲にあるポリアミド未延伸糸を交絡処理し
た後,熱処理温度110〜200℃,フィード率−20
〜+20%で熱処理し,次いで延伸倍率1.2〜3.0倍で
延伸してなるポリアミドシックアンドシンヤーンを,張
力0.3g/d以下,乾燥温度80〜90℃でサイジング
し,得られたサイジングヤーンを経糸に用いて製織後,
染色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,明瞭なかすり調外
観および触感を有する杢調織物の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】織物や編物に杢調を表現する方法として
は,従来から(1)原糸の段階で予め異色に染色した
後,合撚等の方法で杢調の糸条にし,これを製編製織す
る先染法や,(2)異種素材の混繊,混紡,交撚,交織
等により得られた織編物を後染法で異色に染色する方
法,(3)単一素材の糸条の長手方向に太細斑や濃淡染
着性差を有するシックアンドシンヤーンを用いて得られ
た織編物を染色する後染法等がある。上記(1)の先染
法においては,後染法では得られないような色の深みを
得ることができるが,反面,この方法では,製造ロット
が小さくなり,原価が高くなる。また,受注してから製
品になるまで時間がかかるため,市況や流行の変化に対
処しにくい欠点がある。上記(2)の異種素材の混繊,
交織等による場合は,その構成素材の組合せ方によって
得られる製品の価値が左右されたり,明瞭なかすり調外
観および触感が得られにくい等の問題があった。
【0003】一方,糸条の長手方向に太細斑や濃淡染着
性差を有するシックアンドシンヤーンを製造する試みも
種々なされている。例えば,ポリアミド未延伸糸を延伸
するに際し,表面温度に分布をもつ熱板を用い,未延伸
糸を所定の周期で熱板上をトラバースさせたり,あるい
は熱板を垂直方向に振動させることにより,延伸時に繊
維に与える熱を周期的に変化させてシックアンドシンヤ
ーンを得る方法(特公昭37−10856号公報)や,
ポリアミド未延伸糸を延伸する前に,未延伸糸を加熱表
面と冷却表面とを交互に有するローラに接触させて間歇
的な熱処理を行うことにより,糸条の長手方向に結晶化
部分と非結晶化部分を交互に形成させた後,延伸してシ
ックアンドシンヤーンを得る方法(特公昭49−176
12号公報)等がある。しかしながら,上記のような方
法では,延伸工程前や延伸工程で特殊な熱処理装置が必
要であり,シックアンドシンヤーンを市場に供給するに
は実用的な方法ではないばかりか,熱処理装置が機械的
に制御されるものであるため,得られるシックアンドシ
ンヤーンの太細斑に周期性があり,布帛にした場合,モ
アレや規則的な太細パターンが現れやすいという問題が
あった。
【0004】このような問題を解決し,安価な方法でシ
ックアンドシンヤーンを得る方法として,例えば,ポリ
アミド未延伸糸をネッキングポイントが残るに十分な低
倍率で延伸するに際し,80℃以上の2次転移温度を有
する熱可塑性重合体を混合したポリアミドを紡糸して得
た未延伸糸を供給糸とする方法(特開昭58−3621
0号公報)や,ポリアミド未延伸糸に非水系油剤を付着
させて交絡処理を行った後,不完全延伸を行う方法(特
開平3−199442号公報)等が提案されている。し
かしながら,このような方法で得られるシックアンドシ
ンヤーンは,太部と細部の境界が不明瞭であり,この糸
条から得られる布帛は,いわゆる霜降り調の杢外観であ
り,メリハリのある明瞭なかすり調外観が得られないば
かりか,人工的な杢パターンになる場合が多く,自然な
癖のない杢外観が得られない等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて行われたもので,特殊な装置を使用すること
なくポリアミドシックアンドシンヤーンを製造し,製
織,染色することにより,明瞭なかすり調外観および触
感を有する杢調織物を製造することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,複屈折率(Δn)が15×10-3〜35
×10-3の範囲にあるポリアミド未延伸糸を交絡処理し
た後,熱処理温度110〜200℃,フィード率−20
〜+20%で熱処理し,次いで,延伸倍率1.2〜3.0倍
で延伸してなるポリアミドシックアンドシンヤーンを,
張力0.3g/d以下,乾燥温度80〜90℃でサイジン
グし,得られたサイジングヤーンを経糸に用いて製織
後,染色することを特徴とする杢調織物の製造方法を要
旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
する。本発明では,供給糸として複屈折率(Δn)が1
5×10-3〜35×10-3のポリアミド未延伸糸を用い
ることが必要である。本発明でいうポリアミドとしては
ナイロン6,ナイロン66,ナイロン69,ナイロン4
6等,あるいはこれらの共重合体等が挙げられる。複屈
折率(Δn)が15×10-3未満のポリアミド未延伸糸
を使用すると,熱処理によって脆化し,後続の延伸時に
糸切れが発生するので好ましくない。また複屈折率(Δ
n)が35×10-3を超えるポリアミド未延伸糸を使用
すると,熱処理後に延伸してもネッキングを伴った不均
一延伸とならず,その結果,本発明で使用するポリアミ
ドシックアンドシンヤーンが得られず,織物にした際,
明瞭なかすり調外観および触感が得られない。
【0008】本発明では,まず,上記のポリアミド未延
伸糸に交絡処理を施す。この交絡処理により糸条の長手
方向に交絡部と非交絡部がランダムに形成され,そのた
め,後続の延伸時に延伸度合いを糸条の長手方向で変化
させることができる。ここでポリアミド未延伸糸に交絡
処理を施す方法としては,インターレーサやエアージェ
ットノズルなどを使用した公知のエアー加工方法を用い
ることができる。また,交絡の程度を示す交絡数は,使
用するポリアミド未延伸糸の繊度や要求されるシックア
ンドシンのピッチにより異なるため,特に限定されるも
のではないが,5〜40個/mの範囲にあることが好ま
しい。交絡数が5個/m未満では後続の延伸時に交絡部
がほどけやすく,目的とするシックアンドシンヤーンが
得られない場合があるので好ましくない。また,交絡部
が40個/mを超えると,シックアンドシンのピッチが
細かくなり,織物にした際,明瞭なかすり調の外観が得
られない場合があるので好ましくない。
【0009】本発明では,上述の交絡処理を施した未延
伸糸に温度110〜200℃,好ましくは130〜18
0℃,フィード率−20〜+20%,好ましくは−5〜
+5%で熱処理を施す。熱処理温度が110℃未満で
は,繊維の結晶化度を上げることができず,結果として
シックアンドシンを発現させることができない。また一
方,熱処理温度が200℃を超えると,繊維の融化が起
こり,糸切れや脆化が発生しやすくなる。
【0010】ここでいう熱処理温度とは,交絡処理を施
した未延伸糸が受熱して到達する糸条自体の温度であ
り,糸条とヒータとの間に十分な接触長がある接触型ヒ
ータを用いる場合は,概ね接触型ヒータの温度と受熱し
た糸条の温度が同じになるが,非接触型ヒータを用いる
場合は,糸条の温度が本発明の範囲を満足するようにヒ
ータ温度を高温に設定する必要がある。なお,非接触型
ヒータを用いた糸条の到達温度の測定法の一例として
は,FIBER TEMP(アメリカ,トランスメット
社製)による測定が挙げられる。また,熱処理時のフィ
ード率が−20%未満になると,この時点で強い伸長作
用を受け,後続の延伸時に不均一延伸の現象が現れなく
なるので好ましくない。一方,フィード率が+20%を
超えると,繊維の熱収縮率以上の過供給となって糸条に
たるみが生じ,その結果,熱処理斑が発生したり,後続
の延伸での糸条の工程通過性が著しく低下するので好ま
しくない。
【0011】本発明では,交絡処理した後,熱処理した
未延伸糸を延伸倍率1.2〜3.0倍で延伸することにより
不均一延伸現象を発生させ,糸条の長手方向に太細斑を
形成したポリアミドシックアンドシンヤーンを得る。こ
こで延伸倍率が1.2倍未満では,不均一延伸の現象が明
瞭に現れず,たとえ不均一延伸部分が部分的に形成され
たとしても,明瞭な太細斑を有する糸条は得られない。
また,延伸倍率が3.0倍を超えると,強い伸長作用によ
り本来太部となる部分も延伸されるため,均一な糸条し
か得られない。上述の延伸時の温度は,特に限定される
ものではないが,不均一延伸現象により明瞭な太細斑を
形成させるために,比較的低温で行うことが好ましく,
特に室温下で行うのが好ましい。延伸温度がポリアミド
未延伸糸のガラス転移温度より20℃以上高くなると,
明瞭な太細斑を形成し難くなりやすい。
【0012】次に上述のごとくして得られたポリアミド
シックアンドシンヤーンを経糸に使用して織物を製織す
るのであるが,このポリアミドシックアンドシンヤーン
は,太細斑を形成させるために不均一延伸を行ってお
り,残留伸度が大きいので,サイジング時の張力は0.3
g/d以下にする必要があり,サイジング後の乾燥温度
は80〜90℃に設定する必要がある。サイジング時の
張力が0.3g/dを超えると,糸条に対して伸長作用が
働き,本来太部となるべき部分が延伸され,かすり調外
観が弱くなるとともに太細感も低下し,商品品位を落と
すのでよくない。また,サイジング後の乾燥温度が80
℃未満では,乾燥しにくく,乾燥温度が90℃を超える
高温度になると,張力が0.3g/d以下であっても,糸
条に対して伸長作用が働くのでよくない。
【0013】製織に際し,織物の緯糸には任意の糸条を
用いることができるが,上述のサイジング前のシックア
ンドシンヤーンをそのまま緯糸として用いてもよい。本
発明において織物の組織は,従来公知の種々のものを任
意に採用することができる。この後,本発明では,上述
の織物に染色仕上げ加工を施す。染色仕上げ加工は,従
来より公知の方法で任意に行うとよい。例えば,液流染
色機を用いて温水中で通常の精練を行い,酸性染料また
は含金属染料等で通常の染色を100℃で30分程度行
う。以上のようにして,明瞭なかすり調外観および触感
を有する杢調織物を得ることができる。
【0014】
【作用】本発明によれば,延伸時に特別な装置を用いる
ことなく,太細斑と濃淡染着性差を有するポリアミドシ
ックアンドシンヤーンを得ることができ,製織して染色
すれば,明瞭なかすり調外観および触感を有する杢調織
物を得ることが可能となるが,その理由は次のように推
測される。ポリアミド未延伸糸に交絡処理を施すことな
く前述の条件で熱処理と延伸を施せば,熱処理でポリア
ミド未延伸糸の結晶化度の増加,結晶サイズの増大が起
こるので,延伸時に分子鎖の解きほぐしがスムーズに行
われず均一な延伸が妨げられ,その結果比較的応力集中
を受けやすい部分を中心にネッキングが発生し,個々の
フィラメントの長手方向に太細斑が形成される。しかし
ながら,この場合,太細斑は個々のフィラメントにラン
ダムに形成されるため,糸条全体として見た場合,明瞭
な太細斑が発現せず,このため,織物にしても霜降り調
の外観しか得られず,本発明の目的であるかすり調の外
観を有する織物となるポリアミドシックアンドシンヤー
ンは得られない。
【0015】また,ポリアミド未延伸糸を熱処理するこ
となく前述の条件で交絡処理と延伸を行うと,まず,交
絡処理により未延伸糸に交絡部と非交絡部が形成され,
次いで,交絡部が延伸の初期段階でほどけ,結果として
延伸の完了時には均一な延伸がなされ,糸条に太細斑は
形成されない。一方,本発明のように,ポリアミド未延
伸糸に前述した条件で交絡処理−熱処理−延伸処理を行
うと,まず交絡処理で未延伸糸に形成された交絡部と非
交絡部が熱処理を受けるが,交絡部と非交絡部では受熱
効果が異なるので,結晶化度,結晶サイズ等の物性が異
なってくる。次いで,この未延伸糸が延伸されると,交
絡部と非交絡部との境界部がネッキングポイントとなっ
て不均一延伸が行われ,その結果,糸条全体として見た
場合,各フィラメント間に太部と細部との位相差がな
く,明瞭な太細斑と濃淡染着性差が発現するものと認め
られる。したがって,このポリアミドシックアンドシン
ヤーンを使用して製織した織物を染色すると,明瞭なか
すり調外観および触感を有する杢調織物が得られるので
ある。
【0016】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における織物の性能の評価は,下
記の方法で行った。 (1)外 観 織物の外観を目視により次の3段階で評価した。 ○ : かすり調の外観 △ : 霜降り調の外観 × : 濃淡染着差なし (2)太細比 得られた織物の触感を糸条の太細比で評価すべく,織物
の経糸横断面を光学顕微鏡で写真撮影し,糸条の太部と
細部のそれぞれ30個所の断面積を測定し,太部の断面
積の平均値を細部の断面積の平均値で除算した値(太部
の断面積の平均値/細部の断面積の平均値)を太細比と
して評価した。
【0017】実施例1 m−クレゾール溶媒中にて濃度0.5g/デシリットル,
温度20℃で測定した相対粘度2.6のナイロン6を紡糸
して得た複屈折率(Δn)が15.0×10-3,19.5×
10-3,30.0×10-3,35.0×10-3,36.7×1
-3のナイロン6マルチフィラメント未延伸糸205d
/48fをそれぞれ供給糸とし,まず,デュポン社製イ
ンターレーサJD−1を用いて,空気圧2.0kg/cm2
空気交絡処理を施し,25個/mの交絡を付与した。次
いで,接触型ヒータを用い,フィード率+1.5%,温度
140℃,時間1.36秒の条件で熱処理を行った後,延
伸倍率2.50倍,延伸速度500m/分にて加熱せずに
延伸処理を行い,ポリアミドシックアンドシンヤーン8
0d/48fを得た。次に,得られたポリアミドシック
アンドシンヤーンに張力0.2g/d,乾燥温度85℃で
サンジングを行って整経後,前述のポリアミドシックア
ンドシンヤーンをそのまま緯糸に打ち込んで,経糸密度
113本/吋,緯糸密度85本/吋のポリアミドシック
アンドシンヤーンを100%含有する平織物を製織し
た。
【0018】ここで,この織物をサーキュラー型液流染
色機(日阪製作所株式会社製)に投入し,下記処方1に
より80℃で20分間のリラックス,精練後,ピンテン
ター(市金工業株式会社製,ヒートセッター)で170
℃,1分間のプレセットを行った。 処方1 サンモール FL 1g/リットル (日華化学株式会社製,界面活性剤) NaOH(フレーク) 1g/リットル
【0019】続いて同じ液流染色機を用いて,下記処方
2により100℃,30分間の染色を行い,乾燥後,ピ
ンテンターで170℃,1分間の仕上げセットを行っ
て,経糸密度132本/吋,緯糸密度96本/吋の本発
明および比較用の杢調織物(複屈折率(Δn)36.7×
10-3を用いたものを比較例1とする。)を得た。 処方2 スミノールファーストブルー G 0.75%owf (住友化学工業株式会社製,酸性染料) テロンネービーブルー R(182%) 0.145%owf (バイエルジャパン株式会社製,酸性染料) レベラン NKD 2.0%owf (丸菱油化株式会社製,均染剤) 酢 酸(48%) 0.3cc/リットル
【0020】複屈折率(Δn)19.5×10-3の供給糸
を用いた本発明との比較のため,同じ複屈折率(Δn)
19.5×10-3のものを用いて,下記のごとく比較例2
〜7の比較用の織物を得た。まず,空気交絡処理を省く
他は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の織
物(比較例2)を得た。次に,熱処理を省く他は,本実
施例とまったく同一の方法により比較用の織物(比較例
3)を得た。また,熱処理温度を80℃に変更する他
は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の織物
(比較例4)を得た。さらに,熱処理時のフィード率を
−25%に変更する他は,本実施例とまったく同一の方
法により比較用の織物(比較例5)を得た。また,サイ
ジング時の張力を0.4g/dに変更する他は,本実施例
とまったく同一の方法により比較用の織物(比較例6)
を得た。さらにまた,サイジング後の乾燥温度を100
℃に変更する他は,本実施例とまっく同一の方法により
比較用の織物(比較例7)を得た。
【0021】上記比較例1〜7以外に,供給糸として複
屈折率(Δn)が13.4×10-3のポリアミド未延伸糸
を用いる他は,本実施例と同様にして加工しようとした
が,延伸時に糸切れが多発して延伸糸を採取できなかっ
た。また,複屈折率(Δn)19.5×10-3のものにつ
いて,熱処理温度を210℃に変更する以外は,本実施
例と同様にして加工しようとしたが,糸切れが多発して
延伸糸を採取できなかった。さらに熱処理時のフィード
率を+1.5%から+30%に変更する以外は,本実施例
と同様にして加工しようとしたが,糸条にたるみが発生
し,後続の延伸加工を施すことができなかった。さらに
また,延伸倍率を1.15倍と3.20倍に変更する以外
は,本実施例と同様にして加工したが,いずれも太細斑
を有する糸条は得られなかったので,以後の加工は中止
した。本発明及び比較用の織物の性状を評価し,その結
果を合わせて表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1より明らかなように,本発明方法によ
って得られた織物は,太細斑が明瞭であり,また,濃淡
染着差が明瞭なかすり調の外観を有するものであった。
一方,空気交絡処理を省く他は,本実施例と同様にして
得られた比較例2の織物には,太細斑は認められたが,
その値は小さく,霜降り調の外観を呈するものしか得ら
れなかった。また,供給糸の複屈折率(Δn)が本発明
より大きい未延伸糸を用いた比較例1,熱処理を施さな
かった比較例3,熱処理温度を80℃に変更した比較例
4,熱処理時のフィード率を−25%に変更した比較例
5では,いずれも太細斑のある織物が得られず,そのた
め,濃淡染着差がないものしか得られなかった。サイジ
ング時の張力を0.4g/dに変更した比較例6,サイジ
ング後の乾燥温度を100℃に変更した比較例7の織物
では,太細斑は認められたが,その値が小さくなってお
り,霜降り調の外観のものしか得られなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば,特別な装置を用いるこ
となく,ポリアミドシックアンドシンヤーンが得られ,
これを製織して染色することにより,明瞭なかすり調の
外観および触感を有する杢調織物を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複屈折率(Δn)が15×10-3〜35
    ×10-3の範囲にあるポリアミド未延伸糸を交絡処理し
    た後,熱処理温度110〜200℃,フィード率−20
    〜+20%で熱処理し,次いで,延伸倍率1.2〜3.0倍
    で延伸してなるポリアミドシックアンドシンヤーンを,
    張力0.3g/d以下,乾燥温度80〜90℃でサイジン
    グし,得られたサイジングヤーンを経糸に用いて製織
    後,染色することを特徴とする杢調織物の製造方法。
JP9128252A 1997-05-19 1997-05-19 杢調織物の製造方法 Pending JPH10317249A (ja)

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