JPH10316714A - アクリルアミド系重合体の製造方法 - Google Patents

アクリルアミド系重合体の製造方法

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JPH10316714A
JPH10316714A JP13915197A JP13915197A JPH10316714A JP H10316714 A JPH10316714 A JP H10316714A JP 13915197 A JP13915197 A JP 13915197A JP 13915197 A JP13915197 A JP 13915197A JP H10316714 A JPH10316714 A JP H10316714A
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acrylamide
polymer
polymerization
drying
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Susumu Seki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、不溶化を伴わずに高温乾燥が可能な
高分子量アクリルアミド系ポリマーを得ることを目的と
する。 【解決手段】酵素法で製造したアクリルアミドを単独
で、又は該アクリルアミドとこれと共重合可能な他の重
合性単量体とを10〜60重量%の濃度範囲で水溶液重
合させてアクリルアミド系重合体を得、得られたアクリ
ルアミド系重合体を95℃以上で乾燥することを特徴と
するアクリルアミド系重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリルアミド又はそ
れを主体としてなる単量体からの、高分子量で、しかも
水不溶解分の少ないアクリルアミド系重合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルアミド系重合体は凝集剤、濾水
性向上剤、石油回収剤など多くの用途に利用される有用
な重合体である。中でも、凝集剤として利用される場
合、水溶解性がよく、しかも、分子量が高ければ高いほ
ど、優れた凝集性能を示し、使用量も削減できるので、
水溶解性に優れた高分子量アクリルアミド系重合体が求
められている。
【0003】アクリルアミド系重合体を得る方法として
は、種々の方法が知られているが、高分子量重合体を得
るには一般的に水溶液重合が採用されている。しかし、
この方法で得られたアクリルアミド系重合体は、90〜
40重量%の水を含んだ弾性のゲル体となり、このゲル
体を解砕しただけでは大量の水を運んでいるようなもの
で輸送効率が悪く、又、このゲルの水への溶解速度も遅
いため、実際の使用に際しては効率が悪い。
【0004】そのため、重合体から水分を除去した乾燥
粉末の状態で、凝集剤等の製品として利用される。含水
アクリルアミド系重合体から脱水する方法には、メタノ
ールもしくはアセトン等の溶媒を用いて脱水し、その後
乾燥する方法もあるが、多量の溶媒と使用後の溶媒を回
収するために多大な設備を必要とするため工業的には採
用し難く、熱風等によって加熱乾燥する方法が一般的で
ある。なお、工業的な規模で加熱乾燥する場合、生産性
を高めるために乾燥温度を出来るだけ高める必要があ
る。
【0005】一方、アクリルアミド単量体は通常、高
温、高圧の条件下、銅触媒法で製造されており、このよ
うなアクリルアミド単量体を用いたアクリルアミド系重
合体では、アクリルアミド中の微量不純物の影響と推察
されるが、乾燥温度が高すぎると重合体の一部あるいは
全部が不溶化するという現象を示す。この様な現象はア
クリルアミド系重合体の分子量が高くなればなるほど顕
著になるため、分子量が1,000万以上の高分子量ア
クリルアミド系重合体については、従来技術では生産性
を犠牲にしても乾燥温度を低く設定せざるを得なかっ
た。
【0006】これらを改善するために、不溶化防止剤の
添加方法が多く提案されている。例えば、エチレントリ
チオカーボネート、フェノチアジン、チオニコチン酸ア
ミドなどの硫黄化合物を添加する方法(特開平5-230141
号公報)、アスコルビン酸誘導体を添加する方法(特開
平5-247136号公報)、ピリジンおよびピリジン誘導体を
添加する方法(特開平8-208720号公報)等が挙げられ
る。
【0007】しかしながら、これらの不溶化防止剤を添
加して重合する場合であっても、乾燥温度は高々85〜
90℃であり(上記各公報実施例参照)、これらの乾燥
温度は上記の乾燥不溶化防止剤を加えずに重合する方法
(例えば、特公昭55-27563号公報)で採用されている乾
燥温度(85℃)と大差なく、不溶化防止剤によるポリ
マーの耐熱性向上効果は僅かであると云わざるを得な
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不溶化を伴
わずに高温乾燥が可能な高分子量アクリルアミド系ポリ
マーを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、原料として使用す
るアクリルアミドを、従来の銅化合物を触媒として用い
る接触水和法(以下、銅触媒法)で製造されたものから
酵素法で製造されたものに切り替えると云う、従来技術
からは全く予想できない技術思想に基づいた極めて簡便
な方法で達成出来ることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】即ち、本発明は、酵素法で製造したアクリ
ルアミドを単独で、又は該アクリルアミドとこれと共重
合可能な他の重合性単量体とを10〜60重量%の濃度
範囲で水溶液重合させてアクリルアミド系重合体を得
て、得られたアクリルアミド系重合体を95℃以上で乾
燥することを特徴とするアクリルアミド系重合体の製造
方法に関する。
【0011】重合体の乾燥温度は製造プロセスの生産性
を左右する重要な因子である。例えば、含水率16%の
アクリルアミド重合体を乾燥温度、70℃、90℃、1
00℃で乾燥したときの乾燥速度は、70℃の時を1と
すると、90℃:1.23倍、100℃:1.54倍になる。同
様に、含水率9%の場合の乾燥速度は、70℃の時を1
とすると、90℃:2.4倍、100℃:4.0倍とな
り、乾燥温度を上げることで乾燥時間の大幅短縮が可能
になる。この様に、乾燥速度についての乾燥温度の効果
は乾燥終期にポリマーの含水率が低くなった場合に一層
有効である。すなわち、特に、乾燥終期に乾燥温度を上
げることによる生産コスト低減効果は著しいものがあ
る。
【0012】本発明の効果は酵素法により製造されたア
クリルアミドの使用によって初めて得られるものであ
り、従来の銅触媒法によって製造されたアクリルアミド
水溶液製品の使用によっては得ることは出来ない。この
様な両者の相違は、それぞれのアクリルアミドの製法に
基づく何らかの不純物の有無に起因するするものと推察
される。即ち、銅触媒法においては高温、高圧で水和反
応を行うためアクリロニトリルのアクリルアミドへの水
和反応以外にも、アセトンシアンヒドリン、β−ヒドロ
キシプロピオンアミド等に代表される複数の有機物が副
生するのに対して、酵素法では、基質特異性が厳密であ
るという酵素反応の特性により有機の副生物が極めて少
ないために、酵素法によるアクリルアミドの純度が高い
ことに起因するものと推察される。
【0013】本発明でいう酵素法により製造されたアク
リルアミドとは、ニトリルヒドラターゼの触媒作用によ
りアクリロニトリルを水和して製造されたアクリルアミ
ドを意味する。ニトリルヒドラターゼとは、ニトリル化
合物を対応するアミドに変換する酵素であり、例えば、
バチルス(Bucillus)属、バクテリジューム(Bacterid
ium)属、マイクロコッカス(Micrococcus)属,ブレビ
バクテリウム(Brevibacterium)属[特公昭62-21519
号]、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノ
カルディア(Nocardia)属[特公昭56-17918号]、シュ
−ドモナス(Pseudomonas)属[特公昭59-37951号]、
ミクロバクテリウム(Microbacterium)属[特公平4-48
73号]、ロドコッカス(Rhodococcus)属[特公平4-409
48号]、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus r
hodochrous)種[特公平6-55148号、SU 1731814号]、
フザリウム(Fusarium)属[特開昭64-86889号]、アグ
ロバクテリウム(Agrobacterium)属[特開平5-103681
号、特開平6-14786号]に属する微生物由来のものが挙
げられる。
【0014】ニトリルヒドラターゼの使用形態として
は、上記微生物の培養液、培養液から分離した休止菌体
又は固定化菌体、あるいは、休止菌体からニトリルヒド
ラターゼ活性酵素を抽出したもの又はこれを担体に固体
化したもの等、何れでもよい。
【0015】アクリロニトリルのアクリルアミドへの水
和反応条件は常温、常圧で反応する酵素法の条件に準ず
るものであれば、特に制限されない。また、水和反応後
のアクリルアミド水溶液をそのまま用いても、濃縮操作
によりアクリルアミド濃度を上げてから使用しても差し
支えない。
【0016】本発明でいうアクリルアミド系重合体と
は、アクリルアミドのホモポリマー、あるいはアクリル
アミドとこれと共重合可能な1種以上の不飽和単量体と
の共重合体をいう。
【0017】アクリルアミドと共重合可能な単量体とし
ては、メタクリルアミド、2-アクリルアミド-2- メチル
プロパンスルホン酸(塩)、N-メチロールアクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド又はその第
四級アンモニウム塩、N,N-ジメチルアクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド誘導体:
【0018】(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸、
アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸等の酸、及びそ
れらの水溶性塩:エチルアクリレート、メチルアクリレ
ート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、等の(メ
タ)アクリル酸の低級アクリルエステル誘導体:N,N-ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルア
クリレート、又はその第四級アンモニウム塩、等の(メ
タ)アクリル酸のアルキル(メチル又はエチル)アミノ
アルキル(エチル又はプロピル)エステル又はそれらの
第四級アンモニウム誘導体:
【0019】2-ビニルイミダゾリン及び2-ビニルピリミ
ジン又はそれらの第四級アンモニウム誘導体:N-ビニル
アセトアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン等の他、
得られる重合体の水溶性を損なわない限り、アクリロニ
トリル、スチレン等の難水溶性ないし疎水性単量体を使
用することが出来る。
【0020】本発明の製造方法において、ホモポリマー
の場合は重合にあたっての水溶媒中におけるアクリルア
ミドの濃度、共重合の場合はアクリルアミドとこれと共
重合可能な単量体との合計の濃度は、通常10〜60重量
%、より好ましくは20〜50重量%の範囲で行われる。10
重量%未満では、高分子量のアクリルアミド系重合体が
得難く、また60重量%を越えては、アクリルアミド系重
合体が重合中に架橋反応を引き起こし、ポリマーの不溶
化の原因となるため好ましくない。
【0021】本発明における重合方法は水溶媒中で重合
する方法であれば特に制限されることなく、重合温度は
10〜100℃の範囲で、好ましくは20〜90℃の範
囲で、断熱重合方式あるいはベルト上で除熱しながらシ
ート重合する方式などを必要に応じて採用できる。
【0022】本発明の製造方法において使用される、重
合開始剤としては従来より知られている一般的なものが
使用可能であり、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、t-ブチルハ
イドロパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物、又、ベンゾインエチルエー
ル等の光分解型の重合開始剤、更には、上記過酸化物と
レドックス反応により開始剤を形成する亜硫酸水素ナト
リウム、亜硫酸ナトリウム、ハイドロスルファイトナト
リウム、トリエタノールアミン、硫酸第1鉄等の還元剤
も使用することが出来る。これらの重合開始剤は1種類
あるいは2種類以上を常法に従って使用することが出来
る。
【0023】得られた重合体はミートチョッパーなどの
解砕機を用いて解砕した後、95℃以上の温度で乾燥
し、更に、常法に従って粉砕器で粉砕して粉末状のポリ
アクリルアミド系乾燥品を得る。乾燥装置は乾燥温度を
95℃以上に設定できるものであれば特に制限はなく、
棚段式乾燥機、ベルト乾燥機、回転乾燥機、流動乾燥
機、赤外線乾燥機、高周波乾燥機など、適宜使用でき
る。
【0024】本発明の効果は、重合・乾燥して得られた
アクリルアミド系重合体の分子量が、1重量%濃度で4
重量%食塩水中に溶解したものをB型粘度計を用いて、
No.3ロータを使用し、回転数6rpm の条件下、25℃
で粘度測定した場合、2,000mPa・s以上、更には、3,000m
Pa・s以上となる高分子量である場合に顕著である。この
粘度2,000mPa・sは、アクリルアミド系重合体の分子量約
1000万程度に相当する。
【0025】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例において、部は重量部を示す。
【0026】〔酵素法によるアクリルアミドの製造〕 製造例1 (1)J−1菌株の生体触媒の調製 下記培地に、前記の特公平6−55148号公報記載の
ロドコッカス ロドクロウス J−1菌株(微工研条寄
第1478号)を接種し、30℃で72時間培養した。
得られた菌株を分離し、洗浄した後、常法によりポリア
クリルミドゲルで固定化し生体触媒とした。 グルコース 10g/L K2HPO4 0.5g/L KH2PO4 0.5g/L MgSO4・7H2O 0.5g/L イーストエキス 1.0g/L ペプトン 7.5g/L 尿素 7.5g/L CoCl2 10mg/L (2)アクリルアミド水溶液の調製 J−1菌株の生体触媒をイオン交換水中に懸濁し、攪拌
下、pH7、5℃でアクリロニトリルを逐次添加し、ア
クリルアミド濃度30%の水溶液を得た。反応終了後、
生体触媒を分離してから、0.45ミクロンのフィルタ
ーで濾過した後、減圧濃縮し50%アクリルアミド水溶
液(試料1)を得た。
【0027】製造例2 (1)B−23菌株の生体触媒の調製 下記培地に、前記の特公昭59−37951号公報記載
のシュードモナス クロロラフィス B―23菌株(微
工研条寄第187号)を接種し、25℃で48時間培養
した。得られた菌体を分離し、洗浄した後、常法により
ポリアクリルアミドゲルで固定化し生体触媒とした。 シュークロス 30g/L K2HPO4 1.0g/L KH2PO4 1.0g/L MgSO4・7H2O 1.0g/L FeSO4・7H2O 0.05g/L イーストエキス 1.0g/L 味液 20g/L メタクリルアミド 9.5g/L (2)アクリルアミド水溶液の調製 B−23菌株を用いる他は、製造例1と同様な操作を行
い、50%アクリルアミド水溶液(試料2)を得た。
【0028】使用したアクリルアミドの種類を纏めると
以下の通りである。 試料1 〔製造例1による酵素法 50%アクリルア
ミド水溶液〕 試料2 〔製造例2による酵素法 50%アクリルア
ミド水溶液〕 比較試料1〔銅触媒法 50%アクリルアミド水溶液
(三井東圧化学(株)製)〕 比較試料2〔銅触媒法 50%アクリルアミド水溶液
(三菱化学(株)製)〕
【0029】実施例1 [重合・乾燥・粉砕]試料1のアクリルアミド50重量
%水溶液348部に98重量%のアクリル酸2部を加え
たものを1Lビーカーに秤取した。これにイオン交換水
400部を加え、苛性ソーダで中和してからイオン交換
水を加えて全体を797部にし、液温を10℃に調整し
てから、溶液を1Lジュワー瓶に移した。この溶液を窒
素ガスで30分間パージした後、重合開始剤として、2,
2'−アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩10%水溶
液 1.5部、ハイドロサルファイトナトリウム 0.2%水溶
液1部、t-ブチルハイドロパーオキサイド 0.2%水溶液
0.5 部を添加し重合を開始した。重合は断熱的に進行
し、ピーク温度は約74℃に達した。ピーク温度に達し
てから30分後、重合体を取り出し、鋏で5cm角に切
り、目皿5mmφの解砕機(ミートチョッパー)で解砕し
た。解砕したゲルを60℃で16時間、温風乾燥器にて
乾燥したものを目皿2mmφのウイレー型粉砕器にて粉砕
した。次に、粒径0.15〜 1.0mmに篩別したポリマーを
「60℃乾燥サンプル」とした。
【0030】次に「60℃乾燥サンプル」の耐熱性を調
べるために、「60℃乾燥サンプル」を更に、100
℃、110℃で2時間加熱したサンプルをそれぞれ「1
00℃加熱サンプル」、「110℃加熱サンプル」とし
た。
【0031】[粘度測定・不溶解分の測定]評価用サン
プルを1重量%濃度で4重量%食塩水中に溶解したもの
をB型粘度計を用いて、 No.3ロータを使用し、回転数
6rpmの条件下、25℃で1%塩粘度を測定した。「6
0℃乾燥サンプル」および「加熱サンプル」の水溶解性
を調べるために、重合体粉末をイオン交換水500g
中、0.1重量%に溶解した後、80メッシュの金網で
濾過して、金網上に残った不溶解分の重量を測定した。
この測定法による、サンプルポリマーの使用可否の目安
となる不溶解分量は10g以下である。
【0032】試料2、比較試料1、比較試料2について
も、それぞれ試料1で行ったと同様にして重合し、「6
0℃乾燥サンプル」、「100℃加熱サンプル」、「1
10℃加熱サンプル」を得て、測定を行った。それらの
測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 (但し、水溶解性の表示……◎:良好、○:合格、×:
不良、 以下同様)
【0034】表1の結果から、酵素法で製造されたアク
リルアミドである試料1及び試料2を用いたポリマーの
水溶解性は良好であり、100℃、及び110℃で乾燥
したポリマーも良好な水溶性を示すことが分かった。一
方、銅触媒法により製造されたアクリルアミドである比
較試料1を用いたポリマーの水溶解性は、60℃乾燥で
は良好であったが、100℃以上で加熱すると不良とな
った。更に、同じ銅触媒法によって製造されたアクリル
アミドである比較試料2を用いたポリマーの水溶解性は
60℃乾燥で既に不良となった。
【0035】この様に、酵素法では、J−1菌株、B−
23菌株と全く異なる種類の菌株を用いて得られたアク
リルアミドを原料としたにも拘わらず、得られたポリマ
ーの粘度、水溶解性はいずれも良好であり品質は安定し
ていた。ところが、銅触媒法では、製造メーカーが異な
ると得られたポリマーの水溶解性は大きく異なった。こ
れは、同じ銅触媒法でありながら、銅触媒の調製条件の
違い、高温、高圧の反応条件の違いのために、比較試料
1、2に含まれる副生物の種類、量が微妙に異なること
に起因すると推察された。
【0036】実施例2 [重合・乾燥・粉砕]試料1の50重量%のアクリルア
ミド水溶液を348部と98重量%のアクリル酸2部と
を1Lビーカーに秤取した。これにイオン交換水400
部を加え、苛性ソーダで中和してから、ほう酸0.8
部、連鎖移動剤3,3',3"-ニトリロトリスプロピオン酸
0.075部、イオン交換水を加えて全体を792.8
部にした。液温を10℃に調整してから、溶液を1Lジ
ュワー瓶に移した。容器を窒素ガスで30分間パージし
た後、重合開始剤として、2,2'−アゾビス(2-アミジノ
プロパン)二塩酸塩10%水溶液1.2部、亜硫酸ナトリ
ウム 1.0%水溶液2部、過硫酸アンモニウム 1.0%水溶
液4部を添加し重合を開始した。重合は断熱的に進行
し、ピーク温度は約74℃に達した。
【0037】その後の操作は、ポリマー乾燥条件を80
℃、95℃、110℃で16時間直接乾燥に変更した以
外は実施例1と同様に行い、評価した。試料2、比較試
料1、比較試料2についても試料1と同様にして重合、
乾燥し評価した。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】 (*):80℃で乾燥したポリマーについて1%塩粘度を
測定した。
【0039】実施例3 試料1の50重量%のアクリルアミド水溶液192部、
イオン交換水8部、連鎖移動剤ニトリロトリスプロピオ
ン酸アミド0.18部を混合し、0.1規定NaOH水
溶液でpH10に調整してから、光開始剤ベンゾインエ
チルエーテルを1%溶解したメタノール溶液0.5部を
添加した。光を遮断して、この重合溶液を窒素置換し
た。 SUS製バットを重合容器として用い、上部にガラス
板を設置し、バス温度 20℃の水浴上に置き窒素雰囲
気下にあるバット容器中に、窒素置換した重合溶液をシ
ート厚さ5mmとなるように送液し、上方からケミカルラ
ンプ(東芝FL-20S-BL)を照射して、光開始シート重合
を行った。即ち、光強度1.0W/m2 で40分間、光
照射して重合した後、更に、光強度40W/m2 で30
分間、光照射した。
【0040】重合後のゲルは鋏で2〜3ミリ角に裁断
し、60℃で16時間、乾燥した。これをウイレー型粉
砕器で粉砕し、粒径0.15〜1.0mmに篩別したポリ
マーを「60℃乾燥サンプル」とした。「60℃乾燥サ
ンプル」を更に、100℃、110℃で2時間、加熱し
たサンプルを「各温度加熱サンプル」とした。粘度測定
および不溶解分の測定は実施例1に準じて行った。比較
試料1、比較試料2についても上記と同様にして光開始
シート重合を行い、粘度測定、不溶解分の測定を行っ
た。それらの結果を表3に示す。
【0041】
【表3】 (*):60℃で乾燥した「乾燥サンプル」について1%
塩粘度を測定した。
【0042】実施例4 試料1、比較試料1、比較試料2について、それぞれ連
鎖移動剤ニトリロトリスプロピオン酸アミドの添加量を
0.36部に、光開始剤ベンゾインエチルエーテルを1
%溶解したメタノール溶液の添加量を1.0部に変更し
た以外は実施例3と同等にして、重合、乾燥を行い「6
0℃乾燥サンプル」を得、これらを120℃で2時間加
熱して「120℃加熱サンプル」を得た。これらのサン
プルにつき、実施例1と同様にして評価を行った。それ
らの結果を表4に示す。
【0043】
【表4】 (*):60℃で乾燥した「乾燥サンプル」について1%
塩粘度を測定した。
【0044】表2に示したように、通常用いられる重合
触媒、連鎖移動剤を用いた断熱重合系においても、本発
明の酵素法によるアクリルアミドを用いた製法で得られ
た重合体は従来の銅触媒法によるアクリルアミドを用い
て得られた重合体に比べ、特に高温乾燥において、不溶
解分が少ないという優れた効果を示す。又、光シート重
合においても、特に高重合度のポリマーにおいては従来
に比べ高温乾燥のみならず通常の乾燥温度でも顕著な差
を示し、通常の比較的高い重合度のポリマーにおいても
特に高温乾燥での効果の差は顕著となる。なお、以上の
実施例ではJ−1菌株と、B−23菌株を用いた例を示
したが、本発明の詳細な説明において、ニトリルヒドラ
ターゼとして記載したいずれの菌株を用いても、同様の
効果が得られるものである。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の酵素法によ
るアクリルアミドを用いた製造法により得られるアクリ
ルアミド系重合体は、高重合度の重合体とし、95℃以
上の乾燥を行っても不溶解分の生成が少ないため製造コ
ストの低減を図ることができ、凝集剤、濾水性向上剤、
石油回収剤など多くの用途に適した高重合度重合体を得
ることができるという優れた特徴を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素法で製造したアクリルアミドを単独
    で、又は該アクリルアミドとこれと共重合可能な他の重
    合性単量体とを10〜60重量%の濃度範囲で水溶液重
    合させてアクリルアミド系重合体を得、得られたアクリ
    ルアミド系重合体を95℃以上で乾燥することを特徴と
    するアクリルアミド系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】アクリルアミド系重合体の1重量%濃度に
    おける4重量%食塩水中でのブルックフィールド粘度が
    25℃において2,000mPa・s以上である請求項1記載の製
    造方法
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