JPH10316689A - シクロペンタジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の製造方法 - Google Patents

シクロペンタジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の製造方法

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JPH10316689A
JPH10316689A JP9130886A JP13088697A JPH10316689A JP H10316689 A JPH10316689 A JP H10316689A JP 9130886 A JP9130886 A JP 9130886A JP 13088697 A JP13088697 A JP 13088697A JP H10316689 A JPH10316689 A JP H10316689A
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cyclopentadiene
dimethylsilane
methoxy
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JP9130886A
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Kotohiro Nomura
琴広 野村
Nobuo Oi
伸夫 大井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程数の少ない工業的に有利なシクロペンタ
ジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の効率的な
製造方法を提供する。 【解決手段】 シクロペンタジエン骨格を有する基を有
するシラン化合物の製造方法であって、(1)20℃以
下の反応温度でシクロペンタジエン化合物と有機アルカ
リ金属化合物とを反応させてシクロペンタジエン化合物
のアルカリ金属塩化合物を生成せしめ、次いで(2)該
反応生成物を単離することなく塩素化シラン化合物と反
応させる、シクロペンタジエン骨格を有する基を有する
シラン化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工業的に有効なシク
ロペンタジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンタジエン骨格を有する基を有
する化合物は重合反応や、選択性を追求される有機合成
反応における遷移金属錯体触媒の配位子として広く用い
られている化合物である。また、最近では医農薬や写真
薬などの分野でも有効性が検討されている有望な化合物
である。
【0003】錯体触媒は選択的な有機合成反応や重合反
応において近年広く用いられており、シクロペンタジエ
ン形アニオン骨格を有する基を配位子とする錯体を用い
た触媒反応に関する研究例は数多く知られている。錯体
触媒の配位子としてのシクロペンタジエン骨格を有する
シラン化合物の合成方法としては、例えば特開平3−8
8092号公報や特表平5−507756号公報に、シ
クロペンタジエン化合物をヘキサンなどの溶媒の存在下
でメチルリチウムやノルマルブチルリチウムなどの有機
アルカリ金属化合物によりシクロペンタジエン化合物の
アルカリ金属塩とし、ろ過による単離・乾燥を行い、塩
素化シラン化合物と反応させることにより合成する方法
が開示されている。
【0004】シクロペンタジエン化合物のアルカリ金属
塩の調製法は一般的にC.M.Fendrickほかの
Organometallics 3号 819ページ
(1984年)に記載されている方法が広く知られてい
る。一般的に単離・乾燥したシクロペンタジエン化合物
のアルカリ金属塩は、空気に対して非常に敏感で、空気
と接触することにより発火性を示すことがある。またヘ
キサンには可溶なメチルリチウムやノルマルブチルリチ
ウムなどとは異なり、シクロペンタジエン化合物のアル
カリ金属塩はヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒に自由
な割合で溶解せず、かといってさらさらとした懸濁液に
なるでもない。脂肪族炭化水素溶媒中では体積が増加し
て大量の溶媒を使用しないと系内の攪拌が非常に困難で
あるばかりでなく、濾過効率が極端に低下することがあ
るなど、上記の合成法は工業的に実施するにはかなり多
くの問題点があった。なお、工業的にはブチルリチウム
などの有機アルカリ金属化合物はヘキサン溶液などとし
て通常使用されるものである。
【0005】本出願人らは先に、シクロペンタジエン化
合物のアルカリ金属塩を有機アルカリ金属化合物と反応
させてシクロペンタジエン化合物のアルカリ金属塩を
得、そのまま単離せず反応液を室温(通常25℃)と
し、塩素化シリル化合物と反応させることによりシクロ
ペンタジエン骨格を有するシラン化合物を合成する方法
を提案した(特願平8−185081号)。これによ
り、シクロペンタジエン化合物のアルカリ金属塩を単離
する工程を含む上記の合成法の問題点を改良し、工程を
簡略化することはできたが、さらなる収率の向上が望ま
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題、即ち本発明の目的は、工程数の少ない工業的
に有利なシクロペンタジエン骨格を有する基を有するシ
ラン化合物の効率的な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、シクロペ
ンタジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の製造
方法であって、(1)20℃以下の反応温度でシクロペ
ンタジエン化合物と有機アルカリ金属化合物とを反応さ
せてシクロペンタジエン化合物のアルカリ金属塩化合物
を生成せしめ、次いで(2)該反応生成物を単離するこ
となく塩素化シラン化合物と反応させる、シクロペンタ
ジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の製造方法
にかかるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるシクロペンタジエン骨格を有する基を有
するシラン化合物におけるシクロペンタジエン骨格を有
する基としてはシクロペンタジエン骨格を有すればどの
ような基でもよく、例えばシクロぺンタジエニル基、メ
チルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジ
エニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラ
メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロぺンタジ
エニル基、n−プロピルシクロペンタジエニル基、イソ
プロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペ
ンタジエニル基、sec−ブチルシクロペンタジエニル
基、tert−ブチルシクロぺンタジエニル基、n−ペ
ンチルシクロぺンタジエニル基、ネオペンチルシクロぺ
ンタジエニル基、n−ヘキシルシクロぺンタジエニル
基、n−オクチルシクロぺンタジエニル基、フェニルシ
クロぺンタジエニル基、ナフチルシクロぺンタジエニル
基、トリメチルシリルシクロぺンタジエニル基、トリエ
チルシリルシクロぺンタジエニル基、tert−ブチル
ジメチルシリルシクロぺンタジエニル基、置換されてい
てもよいインデニル基、置換されていてもよいフルオレ
ニル基などが挙げられ、好ましくはシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチ
ルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタ
ジエニル基などが挙げられる。
【0009】かかるシクロペンタジエン骨格を有する基
を有するシラン化合物が有するその他の基としては特に
制限されるものではなく、アルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基、シリル基、及びそれらの基の水素原子をハロゲン原
子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基もしく
はシリル基で置換した基等を例示することができる。
【0010】即ち、本発明のシクロペンタジエン骨格を
有するシラン化合物としては、一般式 CpSiR
3(式中、Cpはシクロペンタジエン骨格を有する基
を、Siはケイ素原子を示す。3つのRはそれぞれ独立
に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基、及びそ
れらの基の水素原子をハロゲン原子、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アミノ基もしくはシリル基で置換した
基からなる群から選ばれた基を示す。)で表される化合
物を例示することができる。上記一般式において、アル
キル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基およびシリル基はそれぞれ、次に述べる
一般式[I]におけるものと同様である。また、アミノ
基としてはメチルアミノ基、エチルアミノ基、tert
−ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ
基、ジメチルアミノ基などが例示できる。
【0011】本発明のシクロペンタジエン骨格を有する
シラン化合物として好ましくは、下記一般式[I]で表
される化合物である。 (式中、Cpはシクロペンタジエン骨格を有する基を示
し、Siはケイ素原子を、Oは酸素原子を示す。R1
2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原
子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素原子数1
〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数
7〜20のアラルキル基、置換されていてもよい炭素原
子数6〜20のアリール基、置換されていてもよい炭素
原子数1〜20のシリル基、置換されていてもよい炭素
原子数1〜20のアルコキシ基、置換されていてもよい
炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、または置換
されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ
基を示す。R1、R2、R3、R4、R5およびR6は任意に
結合して環を形成していてもよい。R7は置換されてい
てもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原
子数3〜30の3置換シリル基を示す。)
【0012】上記一般式[I]の置換基R1、R2
3、R4、R5、R6における炭素原子数1〜20のアル
キル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペン
チル基、、アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル
基、n−エイコシル基などが挙げられ、好ましくはメチ
ル基、tert−ブチル基である。
【0013】置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6にお
ける炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例え
ばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3
−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)
メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、
(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジ
メチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニ
ル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル
基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,
3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5
−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリ
メチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチル
フェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニ
ル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニ
ル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニ
ル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニ
ル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、
(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニ
ル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、
(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフ
ェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチ
ル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペン
チルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メ
チル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デ
シルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチ
ル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチ
ルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられ、
好ましくはベンジル基である。
【0014】また、置換基R1、R2、R3、R4、R5
6における炭素原子数6〜20のアリール基として
は、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、
4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル
基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4
−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリ
メチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル
基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−
トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニ
ル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,
3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6
−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、
エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロ
ピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチ
ルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペン
チルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシ
ルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフ
ェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシル
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げ
られ、好ましはフェニル基である。
【0015】これらのアルキル基、アラルキル基及びア
リール基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基
等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ
基などで置換されていてもよい。
【0016】置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6にお
けるシリル基とは炭化水素基を有するシリル基であっ
て、ここで炭化水素基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチ
ル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル
基などのアリール基などが挙げられる。かかる炭素原子
数1〜20のシリル基としては、例えばメチルシリル
基、エチルシリル基、フェニルシリル基などの炭素原子
数1から20の1置換シリル基、ジメチルシリル基、ジ
エチルシリル基、ジフェニルシリル基などの炭素原子数
2〜20の2置換シリル基、トリメチルシリル基、トリ
エチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイ
ソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ
−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシ
リル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル
−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、ト
リ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル
基、トリフェニルシリル基などの炭素原子数3〜20の
3置換シリル基などが挙げられ、好ましくはトリメチル
シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基である。これらのシリル基はいずれもそ
の炭化水素基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等の
アルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基な
どで置換されていてもよい。
【0017】置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6にお
ける炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t
ert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキ
シ基、、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基、n−デ
ソキシ基、n−ドデソキシ基、n−ペンタデソキシ基、
n−エイコソキシ基などが挙げられ、好ましくは、メト
キシ基、tert−ブトキシ基である。
【0018】置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6にお
ける炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基として
は、例えばベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)
メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4
−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフ
ェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メ
トキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、
(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−
ジメチルフェニル)メトキシ基、(4,6−ジメチルフ
ェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニ
ル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)
メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メト
キシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ
基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、
(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ
基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキ
シ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メト
キシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチ
ルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メ
トキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n
−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェ
ニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メト
キシ基、(n−ペンチルフェニル)メトキシ基、(ネオ
ペンチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニ
ル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ
基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−デシル
フェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)
メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメト
キシ基などが挙げられ、好ましくはベンジルオキシ基で
ある。
【0019】また、置換基R1、R2、R3、R4、R5
6における炭素原子数6〜20のアリールオキシ基と
しては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ
基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ
基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチル
フェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6
−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ
基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリ
メチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキ
シ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,
6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチル
フェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキ
シ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、
2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメ
チルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピル
フェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチル
フェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert
−ブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノキシ基、ネ
オペンチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、
n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、
n−ドデシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキ
シ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などが挙げら
れ、好ましくはフェノキシ基である。
【0020】これらのアルコキシ基、アラルキルオキシ
基及びアリールオキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換さ
れていてもよい。また、置換基R1、R2、R3、R4、R
5及びR6は任意に結合して環を形成していてもよい。
【0021】置換基R7として示される炭化水素基とし
てはメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、デ
シル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基、ベンジ
ル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,4,6
−トリメチルフェニル)メチル基などの炭素原子数7〜
12のアラルキル基などが例示される。これらの炭化水
素基はいずれもハロゲン原子、アルコキシ基もしくはア
リールオキシ基などで置換されていてもよく、ハロゲン
原子で置換された炭化水素基としては、例えば2−クロ
ロ−2−プロペニル基等が挙げられ、アルコキシ基で置
換された炭化水素基としては、メトキシメチル基、メト
キシエトキシメチル基などが挙げられる。3置換シリル
基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、
トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル
基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチル
シリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イ
ソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル
基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシル
シリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニル
シリル基などが例示される。
【0022】上記の一般式[I]で示されるシクロペン
タジエン骨格を有する基を有するシラン化合物をより具
体的に例示すると、例えば、(シクロペンタ−1,3−
ジエニル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(シクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−
3−メチルフェニル)ジメチルシラン、(シクロペンタ
−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチル
−2−メトキシフェニル)(シクロペンタ−1,3−ジ
エニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチル−2
−メトキシ−5−メチルフェニル)(シクロペンタ−
1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(3,5−ジ−t
ert−ブチル−2−メトキシフェニル)(シクロペン
タ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(シクロペン
タ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル−
3−フェニルフェニル)ジメチルシラン、(シクロペン
タ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル−
3−トリメチルシリルフェニル)ジメチルシラン、(3
−tert−ブチルジメチルシリル−2−メトキシ−5
−メチルフェニル)(シクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)ジメチルシラン、(3,5−ジアミル−2−メトキ
シフェニル)(シクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメ
チルシラン、(3−tert−ブチル−2,5−ジメト
キシフェニル)(シクロペンタ−1,3−ジエニル)ジ
メチルシラン、(5−tert−ブチル−3−クロロ−
6−メトキシフェニル)(シクロペンタ−1,3−ジエ
ニル)ジメチルシラン、
【0023】(2−メトキシフェニル)(メチルシクロ
ペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(2−メ
トキシ−3−メチルフェニル)(メチルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−
3,5−ジメチルフェニル)(メチルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert−
ブチル−2−メトキシフェニル)(メチルシクロペンタ
−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert
−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)(メチ
ルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−メトキシフェニ
ル)(メチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチ
ルシラン、(2−メトキシ−5−メチル−3−フェニル
フェニル)(メチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
ジメチルシラン、(2−メトキシ−5−メチル−3−ト
リメチルシリルフェニル)(メチルシクロペンタ−1,
3−ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチ
ルジメチルシリル−2−メトキシ−5−メチルフェニ
ル)(メチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチ
ルシラン、(3,5−ジアミル−2−メトキシフェニ
ル)(メチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチ
ルシラン、(3−tert−ブチル−2,5−ジメトキ
シフェニル)(メチルシクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)ジメチルシラン、(5−tert−ブチル−3−ク
ロロ−6−メトキシフェニル)(メチルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)ジメチルシラン、
【0024】(tert−ブチルシクロペンタ−1,3
−ジエニル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラ
ン、(tert−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)(2−メトキシ−3−メチルフェニル)ジメチルシ
ラン、(tert−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエ
ニル)(2−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジ
メチルシラン、(tert−ブチルシクロペンタ−1,
3−ジエニル)(3−tert−ブチル−2−メトキシ
フェニル)ジメチルシラン、(tert−ブチルシクロ
ペンタ−1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル−
2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチルシラン、
(tert−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−メトキシフェニ
ル)ジメチルシラン、(tert−ブチルシクロペンタ
−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル−3
−フェニルフェニル)ジメチルシラン、(tert−ブ
チルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ
−5−メチル−3−トリメチルシリルフェニル)ジメチ
ルシラン、(tert−ブチルシクロペンタ−1,3−
ジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−2
−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチルシラン、
(3,5−ジアミル−2−メトキシフェニル)(ter
t−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチル
シラン、(tert−ブチルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)(3−tert−ブチル−2,5−ジメトキシ
フェニル)ジメチルシラン、(5−tert−ブチル−
3−クロロ−6−メトキシフェニル)(tert−ブチ
ルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、
【0025】(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2
−メトキシ−3−メチルフェニル)ジメチルシラン、
(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2
−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラ
ン、(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
(3−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメ
チルシラン、(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−
メチルフェニル)ジメチルシラン、(n−プロピルシク
ロペンタ−1,3−ジエニル)(3,5−ジ−tert
−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2
−メトキシ−5−メチル−3−フェニルフェニル)ジメ
チルシラン、(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)(2−メトキシ−5−メチル−3−トリメチル
シリルフェニル)ジメチルシラン、(n−プロピルシク
ロペンタ−1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル
ジメチルシリル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)
ジメチルシラン、(3,5−ジアミル−2−メトキシフ
ェニル)(n−プロピルシクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)ジメチルシラン、(n−プロピルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル−2,5−
ジメトキシフェニル)ジメチルシラン、(5−tert
−ブチル−3−クロロ−6−メトキシフェニル)(n−
プロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシ
ラン、
【0026】(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2
−メトキシ−3−メチルフェニル)ジメチルシラン、
(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2
−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラ
ン、(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
(3−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメ
チルシラン、(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−
メチルフェニル)ジメチルシラン、(イソプロピルシク
ロペンタ−1,3−ジエニル)(3,5−ジ−tert
−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2
−メトキシ−5−メチル−3−フェニルフェニル)ジメ
チルシラン、(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)(2−メトキシ−5−メチル−3−トリメチル
シリルフェニル)ジメチルシラン、(イソプロピルシク
ロペンタ−1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル
ジメチルシリル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)
ジメチルシラン、(3,5−ジアミル−2−メトキシフ
ェニル)(イソプロピルシクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)ジメチルシラン、(イソプロピルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル−2,5−
ジメトキシフェニル)ジメチルシラン、(5−tert
−ブチル−3−クロロ−6−メトキシフェニル)(イソ
プロピルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシ
ラン、
【0027】(n−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエ
ニル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、(n
−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メト
キシ−3−メチルフェニル)ジメチルシラン、(n−ブ
チルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ
−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、(n−
ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−ter
t−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(n−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−
tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニ
ル)ジメチルシラン、(n−ブチルシクロペンタ−1,
3−ジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−
メトキシフェニル)ジメチルシラン、(n−ブチルシク
ロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メ
チル−3−フェニルフェニル)ジメチルシラン、(n−
ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキ
シ−5−メチル−3−トリメチルシリルフェニル)ジメ
チルシラン、(n−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエ
ニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチルシラン、(3,
5−ジアミル−2−メトキシフェニル)(n−ブチルシ
クロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(n
−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−te
rt−ブチル−2,5−ジメトキシフェニル)ジメチル
シラン、(5−tert−ブチル−3−クロロ−6−メ
トキシフェニル)(n−ブチルシクロペンタ−1,3−
ジエニル)ジメチルシラン、
【0028】(イソブチルシクロペンタ−1,3−ジエ
ニル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、(イ
ソブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メト
キシ−3−メチルフェニル)ジメチルシラン、(イソブ
チルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ
−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、(イソ
ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−ter
t−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(イソブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−
tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニ
ル)ジメチルシラン、(イソブチルシクロペンタ−1,
3−ジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−
メトキシフェニル)ジメチルシラン、(イソブチルシク
ロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メ
チル−3−フェニルフェニル)ジメチルシラン、(イソ
ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキ
シ−5−メチル−3−トリメチルシリルフェニル)ジメ
チルシラン、(イソブチルシクロペンタ−1,3−ジエ
ニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチルシラン、(3,
5−ジアミル−2−メトキシフェニル)(イソブチルシ
クロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(イ
ソブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−te
rt−ブチル−2,5−ジメトキシフェニル)ジメチル
シラン、(5−tert−ブチル−3−クロロ−6−メ
トキシフェニル)(イソブチルシクロペンタ−1,3−
ジエニル)ジメチルシラン、
【0029】(sec−ブチルシクロペンタ−1,3−
ジエニル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、
(sec−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
(2−メトキシ−3−メチルフェニル)ジメチルシラ
ン、(sec−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)(2−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメ
チルシラン、(sec−ブチルシクロペンタ−1,3−
ジエニル)(3−tert−ブチル−2−メトキシフェ
ニル)ジメチルシラン、(sec−ブチルシクロペンタ
−1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチルシラン、(se
c−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3,5
−ジ−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメ
チルシラン、(sec−ブチルシクロペンタ−1,3−
ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル−3−フェニル
フェニル)ジメチルシラン、(sec−ブチルシクロペ
ンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル
−3−トリメチルシリルフェニル)ジメチルシラン、
(sec−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−メトキシ
−5−メチルフェニル)ジメチルシラン、(3,5−ジ
アミル−2−メトキシフェニル)(sec−ブチルシク
ロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(se
c−ブチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−t
ert−ブチル−2,5−ジメトキシフェニル)ジメチ
ルシラン、(5−tert−ブチル−3−クロロ−6−
メトキシフェニル)(sec−ブチルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)ジメチルシラン、
【0030】(tert−ブチルジメチルシリルシクロ
ペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシフェニル)
ジメチルシラン、(tert−ブチルジメチルシリルシ
クロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−3−
メチルフェニル)ジメチルシラン、(tert−ブチル
ジメチルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2
−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラ
ン、(tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル−2−メト
キシフェニル)ジメチルシラン、(tert−ブチルジ
メチルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−
tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニ
ル)ジメチルシラン、(tert−ブチルジメチルシリ
ルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3,5−ジ−t
ert−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメチルシラ
ン、(tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル−3−
フェニルフェニル)ジメチルシラン、(tert−ブチ
ルジメチルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
(2−メトキシ−5−メチル−3−トリメチルシリルフ
ェニル)ジメチルシラン、(tert−ブチルジメチル
シリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−ter
t−ブチルジメチルシリル−2−メトキシ−5−メチル
フェニル)ジメチルシラン、(3,5−ジアミル−2−
メトキシフェニル)(tert−ブチルジメチルシリル
シクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、
(tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−1,
3−ジエニル)(3−tert−ブチル−2,5−ジメ
トキシフェニル)ジメチルシラン、(5−tert−ブ
チル−3−クロロ−6−メトキシフェニル)(tert
−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)ジメチルシラン、
【0031】(フェニルシクロペンタ−1,3−ジエニ
ル)(2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、(フェ
ニルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ
−3−メチルフェニル)ジメチルシラン、(フェニルシ
クロペンタ−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−3,
5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、(フェニルシ
クロペンタ−1,3−ジエニル)(3−tert−ブチ
ル−2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、(フェニ
ルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−tert−
ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチル
シラン、(フェニルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−メトキシフェニ
ル)ジメチルシラン、(フェニルシクロペンタ−1,3
−ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル−3−フェニ
ルフェニル)ジメチルシラン、(フェニルシクロペンタ
−1,3−ジエニル)(2−メトキシ−5−メチル−3
−トリメチルシリルフェニル)ジメチルシラン、(フェ
ニルシクロペンタ−1,3−ジエニル)(3−tert
−ブチルジメチルシリル−2−メトキシ−5−メチルフ
ェニル)ジメチルシラン、(3,5−ジアミル−2−メ
トキシフェニル)(フェニルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)ジメチルシラン、(フェニルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)(3−tert−ブチル−2,5−
ジメトキシフェニル)ジメチルシラン、(5−tert
−ブチル−3−クロロ−6−メトキシフェニル)(フェ
ニルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラ
ン、
【0032】(メチルインデニル)(2−メトキシフェ
ニル)ジメチルシラン、(メチルインデニル)(2−メ
トキシ−3−メチルフェニル)ジメチルシラン、(メチ
ルインデニル)(2−メトキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)ジメチルシラン、(メチルインデニル)(3−t
ert−ブチル−2−メトキシフェニル)ジメチルシラ
ン、(メチルインデニル)(3−tert−ブチル−2
−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチルシラン、
(メチルインデニル)(3,5−ジ−tert−ブチル
−2−メトキシフェニル)ジメチルシラン、(メチルイ
ンデニル)(2−メトキシ−5−メチル−3−フェニル
フェニル)ジメチルシラン、(メチルインデニル)(2
−メトキシ−5−メチル−3−トリメチルシリルフェニ
ル)ジメチルシラン、(メチルインデニル)(3−te
rt−ブチルジメチルシリル−2−メトキシ−5−メチ
ルフェニル)ジメチルシラン、(3,5−ジアミル−2
−メトキシフェニル)(メチルインデニル)ジメチルシ
ラン、(メチルインデニル)(3−tert−ブチル−
2,5−ジメトキシフェニル)ジメチルシラン、(5−
tert−ブチル−3−クロロ−6−メトキシフェニ
ル)(メチルインデニル)ジメチルシラン、
【0033】(2−メトキシフェニル)(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジ
メチルシラン、(2−メトキシ−3−メチルフェニル)
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ−1,3
−ジエニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−3,5
−ジメチルフェニル)(2,3,4,5−テトラメチル
シクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、
(3−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ−1,3
−ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチル
−2−メトキシ−5−メチルフェニル)(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジ
メチルシラン、(3,5−ジ−tert−ブチル−2−
メトキシフェニル)(2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(2
−メトキシ−5−メチル−3−フェニルフェニル)
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ−1,3
−ジエニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−5−メ
チル−3−トリメチルシリルフェニル)(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジ
メチルシラン、(3−tert−ブチルジメチルシリル
−2−メトキシ−5−メチルフェニル)(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジ
メチルシラン、(3,5−ジアミル−2−メトキシフェ
ニル)(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ−
1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert−
ブチル−2,5−ジメトキシフェニル)(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジ
メチルシラン、(5−tert−ブチル−3−クロロ−
6−メトキシフェニル)(2,3,4,5−テトラメチ
ルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、
【0034】(2−メトキシフェニル)(ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−
3−メチルフェニル)(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチ
ルシラン、(3−tert−ブチル−2−メトキシフェ
ニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシラ
ン、(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチ
ルフェニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチ
ルシラン、(3,5−ジ−tert−ブチル−2−メト
キシフェニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメ
チルシラン、(2−メトキシ−5−メチル−3−フェニ
ルフェニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチ
ルシラン、(2−メトキシ−5−メチル−3−トリメチ
ルシリルフェニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジメチルシラン、(3−tert−ブチルジメチルシリ
ル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジメチルシラン、(3,5−ジア
ミル−2−メトキシフェニル)(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチル−
2,5−ジメトキシフェニル)(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジメチルシラン、(5−tert−ブチル−
3−クロロ−6−メトキシフェニル)(ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジメチルシラン、
【0035】(2−メトキシフェニル)(トリメチルシ
クロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(2
−メトキシ−3−メチルフェニル)(トリメチルシクロ
ペンタジエニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−
3,5−ジメチルフェニル)(トリメチルシクロペンタ
ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチル−
2−メトキシフェニル)(トリメチルシクロペンタジエ
ニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチル−2−
メトキシ−5−メチルフェニル)(トリメチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチルシラン、(3,5−ジ−ter
t−ブチル−2−メトキシフェニル)(トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−
5−メチル−3−フェニルフェニル)(トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−
5−メチル−3−トリメチルシリルフェニル)(トリメ
チルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン、(3−t
ert−ブチルジメチルシリル−2−メトキシ−5−メ
チルフェニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジ
メチルシラン、(3,5−ジアミル−2−メトキシフェ
ニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシ
ラン、(3−tert−ブチル−2,5−ジメトキシフ
ェニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジメチル
シラン、(5−tert−ブチル−3−クロロ−6−メ
トキシフェニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)
ジメチルシラン、
【0036】(2−メトキシフェニル)(トリメチルシ
リルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラ
ン、(2−メトキシ−3−メチルフェニル)(トリメチ
ルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシ
ラン、(2−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)
(トリメチルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
ジメチルシラン、(3−tert−ブチル−2−メトキ
シフェニル)(トリメチルシリルシクロペンタ−1,3
−ジエニル)ジメチルシラン、(3−tert−ブチル
−2−メトキシ−5−メチルフェニル)(トリメチルシ
リルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラ
ン、(3,5−ジ−tert−ブチル−2−メトキシフ
ェニル)(トリメチルシリルシクロペンタ−1,3−ジ
エニル)ジメチルシラン、(2−メトキシ−5−メチル
−3−フェニルフェニル)(トリメチルシリルシクロペ
ンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラン、(2−メト
キシ−5−メチル−3−トリメチルシリルフェニル)
(トリメチルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)
ジメチルシラン、(3−tert−ブチルジメチルシリ
ル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)(トリメチル
シリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラ
ン、(3,5−ジアミル−2−メトキシフェニル)(ト
リメチルシリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメ
チルシラン、(3−tert−ブチル−2,5−ジメト
キシフェニル)(トリメチルシリルシクロペンタ−1,
3−ジエニル)ジメチルシラン、(5−tert−ブチ
ル−3−クロロ−6−メトキシフェニル)(トリメチル
シリルシクロペンタ−1,3−ジエニル)ジメチルシラ
ンなどや、これらの化合物のメトキシをベンジルオキ
シ、エトキシ、トリメチルシリルオキシ、tert−ブ
チルジメチルシリルオキシ、メトキシメトキシに変更し
た化合物、ジメチルシランをジエチルシラン、ジフェニ
ルシラン、ジメトキシシランに変更した化合物、2−メ
トキシフェニルを3−フェニル−2−メトキシフェニ
ル、3−トリメチルシリル−2−メトキシフェニル、3
−tert−ブチルジメチルシリル−2−メトキシフェ
ニルに変更した化合物などが挙げられる。
【0037】これらの化合物は、その置換基Cpにおけ
るシクロペンタジエン骨格の置換基の位置や二重結合の
位置の相違に由来する複数の異性体が存在することもあ
るが、本発明における化合物にはこれら全ての異性体が
含まれる。
【0038】本発明においては、上記に述べたシクロペ
ンタジエン骨格を有する基を有するシラン化合物を合成
するに際し、まず第一ステップとして、(1)20℃以
下の反応温度でシクロペンタジエン化合物と有機アルカ
リ金属化合物とを反応させてシクロペンタジエン化合物
のアルカリ金属塩化合物を生成せしめる。
【0039】この反応(1)において使用するシクロペ
ンタジエン化合物とは、有機アルカリ金属化合物との反
応の後、塩素化シラン化合物との反応により、上述した
シクロペンタジエン骨格を有する基となる化合物であ
り、例えば下記一般式[II]で示される化合物である。 Cp−H [II] (式中、Cpはシクロペンタジエン骨格を有する基を示
し、Hは水素原子を示す。)
【0040】具体例としては、シクロぺンタジエン、メ
チルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエ
ン、トリメチルシクロペンタジエン、テトラメチルシク
ロペンタジエン、エチルシクロぺンタジエン、n−プロ
ピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジ
エン、n−ブチルシクロペンタジエン、sec−ブチル
シクロペンタジエン、tert−ブチルシクロぺンタジ
エン、n−ペンチルシクロぺンタジエン、ネオペンチル
シクロぺンタジエン、n−ヘキシルシクロぺンタジエ
ン、n−オクチルシクロぺンタジエン、フェニルシクロ
ぺンタジエン、ナフチルシクロぺンタジエン、トリメチ
ルシリルシクロぺンタジエン、トリエチルシリルシクロ
ぺンタジエン、tert−ブチルジメチルシリルシクロ
ぺンタジエン、置換されていてもよいインデン、置換さ
れていてもよいフルオレンなどが挙げられ、好ましくは
シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、te
rt−ブチルシクロペンタジエン、テトラメチルシクロ
ペンタジエンなどが挙げられる。
【0041】これらのシクロペンタジエン化合物の使用
量は、次の反応(2)で使用する塩素化シラン化合物に
対し通常1.00モル倍以上であり、一般的には1.0
0〜1.50倍程度用いられる。
【0042】反応(1)において使用する有機アルカリ
金属化合物としては、例えばメチルリチウム、エチルリ
チウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、tert−ブチルリチウム、リチウムトリメチルシ
リルアセチリド、リチウムアセチリド、トリメチルシリ
ルメチルリチウム、ビニルリチウム、フェニルリチウ
ム、アリルリチウムなどが挙げられる。この中でもメチ
ルリチウムやノルマルブチルリチウムが好ましく使用さ
れ、特にノルマルブチルリチウムが好ましい。
【0043】かかる有機アルカリ金属化合物の使用量は
シクロペンタジエン化合物に対して通常0.5〜5モル
倍の範囲であり、0.7〜2.2モル倍の範囲であるこ
とが好ましい。とりわけ本発明では過剰の有機アルカリ
金属化合物を使用すると、次工程の塩素化シラン化合物
との反応を実施する際に、残存する有機アルカリ金属化
合物がシクロペンタジエン化合物のアルカリ金属塩化合
物と同時に塩素化シラン化合物と反応することがあり、
その結果として反応収率を低下させることがあるので、
有機アルカリ金属化合物の使用量は少ないほうが好まし
い。より好ましくは0.80〜1.05モル倍である。
【0044】本発明の反応(1)は、20℃以下の反応
温度で実施する。反応温度が20℃を越えると、エーテ
ル系溶媒を使用する際にはシクロペンタジエン化合物の
アルカリ金属塩化合物や反応原料である有機アルカリ金
属化合物と溶媒とが反応する場合があり好ましくない。
従って、反応(1)の反応温度として好ましくは、−5
0〜15℃であり、さらに好ましくは−20〜10℃で
ある。
【0045】反応(1)の溶媒としては種々のものが使
用されるが、エーテル系溶媒の使用が反応成績や、得ら
れるシクロペンタジエン化合物のアルカリ金属塩化合物
の系内でのスラリー性状が良好であり、良好な攪拌が得
られることなどより好ましく使用される。
【0046】かかるエーテル系溶媒としては、例えばテ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどであり、
この中ではテトラヒドロフランが好ましく使用される。
【0047】但し、反応(1)で用いる有機アルカリ金
属化合物は無溶媒でも実施可能な場合もあるが、またエ
ーテル系溶媒に希釈された溶液を使用することも可能で
あるが、通常ヘキサンやトルエンなどの芳香族または脂
肪族炭化水素溶媒などに希釈されているものの入手が容
易であり、有機アルカリ金属化合物の溶媒としては芳香
族または脂肪族炭化水素溶媒が好ましい。
【0048】即ち、反応(1)で使用する溶媒は、有機
アルカリ金属化合物の溶媒として芳香族または脂肪族炭
化水素溶媒を使用し、シクロペンタジエン化合物の溶媒
としてエーテル系溶媒を使用することが好ましい。
【0049】これらの溶媒の使用量の比は、反応成績
や、得られるシクロペンタジエン化合物のアルカリ金属
塩化合物の系内でのスラリー性状を考慮すると、エーテ
ル系溶媒の使用量が30重量%以上であることが好まし
く、より好ましくは35〜98重量%、さらに好ましく
は40〜95重量%である。容積効率を考慮すると、エ
ーテル系溶媒の使用量は55〜90重量%であることが
特に好ましい。
【0050】次に各試剤に対する溶媒の使用量を示す
と、シクロペンタジエン化合物については使用するシク
ロペンタジエン化合物にもよるが、一般的には5〜10
0重量倍の範囲で使用される。特に生成するシクロペン
タジエン化合物のアルカリ金属塩の溶媒中でのスラリー
性状や反応の容積効率などを考慮すると10〜50重量
倍の範囲で希釈して使用することが好ましく、特に10
〜30重量倍の範囲内で使用することがより好ましい。
【0051】また有機アルカリ金属化合物の溶媒中での
濃度については、一般的には、5〜80重量%であり、
特に工業的なスケールで実施する際に溶液の発火性など
の安全面を考慮すると、5〜20重量%溶液を使用する
ことが特に好ましい。
【0052】反応(1)において各試剤を添加する順序
については特に制限はなく、シクロペンタジエン化合物
に有機アルカリ金属化合物を添加してもよく、その逆で
もよい。反応(1)は20℃以下の反応温度で実施する
必要があるが、各試剤をすべて20℃以下にしていて
も、一方のみを20℃以下にしていても、反応温度が2
0℃以下で実施されるならばどちらでもかまわない。好
ましくはシクロペンタジエン化合物を20℃以下に保持
し、それに20℃以下に保持した又は保持しない有機ア
ルカリ金属化合物を徐々に添加することにより、20℃
以下の反応温度で反応を実施する。
【0053】次いで本発明においては、(2)上記反応
生成物を単離することなく塩素化シラン化合物と反応さ
せて、シクロペンタジエン骨格を有する基を有するシラ
ン化合物を製造する。
【0054】ここで使用する塩素化シラン化合物とは、
上述したシクロペンタジエン骨格を有する基を有するシ
ラン化合物において、シクロペンタジエン骨格を有する
基を塩素原子に変更した化合物であり、同様に一般式
ClSiR3(式中、Clは塩素原子を、Siはケイ素
原子を示す。3つのRはそれぞれ独立に、アルキル基、
アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アミノ基、シリル基、及びそれらの基の水素原
子をハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アミノ基もしくはシリル基で置換した基からなる群から
選ばれた基を示す。)で表される化合物を例示すること
ができる。ここで、アルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基およ
びシリル基はそれぞれ既に述べたものと同様である。
【0055】本発明の塩素化シラン化合物として好まし
くは、下記一般式[III]で表される化合物である。 (式中、Clは塩素原子を、Siはケイ素原子を、Oは
酸素原子を示す。R1、R2、R3、R4、R5およびR6
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換されてい
てもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されて
いてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、置換さ
れていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換
されていてもよい炭素原子数1〜20の置換シリル基、
置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ
基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラル
キルオキシ基、または置換されていてもよい炭素原子数
6〜20のアリールオキシ基を示す。R1、R2、R3
4、R5およびR6は任意に結合して環を形成していて
もよい。R7は置換されていてもよい炭素原子数1〜2
0の炭化水素基または炭素原子数3〜30の3置換シリ
ル基を示す。)上記一般式[III]におけるハロゲン原
子、置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキ
ル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラ
ルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6〜20の
アリール基、置換されていてもよい炭素原子数1〜20
の置換シリル基、置換されていてもよい炭素原子数1〜
20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素原子数
7〜20のアラルキルオキシ基、および置換されていて
もよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基は、既に
一般式[I]において述べたものと同様である。
【0056】ここで一般式[III]で表される化合物を
より具体的に例示すると、例えばクロロ(2−メトキシ
フェニル)ジメチルシラン、クロロ(2−メトキシ−3
−メチルフェニル)ジメチルシラン、クロロ(2−メト
キシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、
(3−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)クロ
ロジメチルシラン、(3−tert−ブチル−2−メト
キシ−5−メチルフェニル)クロロジメチルシラン、
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−メトキシフェニ
ル)クロロジメチルシラン、クロロ(2−メトキシ−3
−フェニルフェニル)ジメチルシラン、クロロ(2−メ
トキシ−5−メチル−3−フェニルフェニル)ジメチル
シラン、(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−
メトキシフェニル)クロロジメチルシラン、(3−te
rt−ブチルジメチルシリル−2−メトキシ−5−メチ
ルフェニル)クロロジメチルシラン、クロロ(2−メト
キシ−3−トリメチルシリルフェニル)ジメチルシラ
ン、クロロ(2−メトキシ−5−メチル−3−トリメチ
ルシリルフェニル)ジメチルシラン、(3,5−ジアミ
ル−2−メトキシフェニル)クロロジメチルシラン、
(3−tert−ブチル−2,5−ジメトキシフェニ)
クロロジメチルシラン、(3−tert−ブチル−5−
クロロ−2−メトキシフェニル)クロロジメチルシラン
などが例示される。また、メトキシをベンジルオキシ、
エトキシ、トリメチルシリルオキシ、tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ、メトキシメトキシに変更した化
合物、クロロジメチルシランをクロロジエチルシラン、
クロロジフェニルシラン、クロロジメトキシシラン、ブ
ロモジメチルシラン、ジメチルヨードシランに変更した
化合物も同様に例示できる。
【0057】本発明の反応(2)は、通常20℃以下の
温度で反応を開始する。これは上記の反応(1)で記述し
た理由により、または初期の反応で副生物を出来る限り
抑制する目的より20℃以下の反応温度で開始すること
が好ましい。反応(2)のより好ましい反応開始温度は
−50〜20℃であり、より好ましくは−20〜20℃
であり、さらに好ましくは0℃〜20℃である。特に好
ましくは0〜15℃である。
【0058】本発明の反応(2)は、反応を開始した後
は無理のない反応温度であればそれ以上の温度で反応を
行ってもよい。好ましくは、20℃以下の反応開始温度
で反応を開始した後、昇温して反応を促進し転化率を効
率的に向上させるとともに、副生物の生成を抑制させる
方法が有効である。特に反応(1)より単離せずに工業
的に大きな反応スケールで効率よく反応を実施する場合
には、20℃以下の反応開始温度で反応を開始し徐々に
室温まで昇温し、室温にて所定時間保温・攪拌を続けた
後に50℃付近まで昇温する方法が好ましく使用され
る。
【0059】塩素化シラン化合物は溶媒に希釈しなくと
も、反応(1)で得られたシクロペンタジエン化合物の
アルカリ金属塩化合物を含有する反応液中へ添加するこ
とも可能であるが、添加初期の発熱を出来る限り抑制す
る目的より、溶媒に希釈されているものを使用すること
が好ましい。好ましい溶媒の使用量は使用する装置の容
量や、反応(1)での溶媒組成などにもよるが、通常塩
素化シラン化合物に対して0.5〜20重量倍であり、
特に好ましくは1〜10重量倍である。
【0060】塩素化シラン化合物の溶媒としては種々の
ものが使用されるが、エーテル系溶媒の使用が反応成績
などより好ましく使用される。かかるエーテル系溶媒と
しては前記と同様に、例えばテトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテルなどであり、この中ではテトラヒドロ
フランが好ましく使用される。
【0061】反応(1)でエーテル系溶媒と芳香族また
は脂肪族炭化水素溶媒との混合溶媒系を使用し、反応
(2)で使用する塩素化シラン化合物の溶媒としてエー
テル系溶媒を使用する場合、反応成績は混合溶媒系の各
溶媒の比率に依存する場合もあり、使用する溶媒全体に
占めるエーテル系溶媒の比率が70%重量以上であるこ
とが好ましい。さらに好ましくはエーテル系溶媒の比率
が80〜99重量%である。エーテル系溶媒の比率が高
いほど反応速度および転化率が向上する傾向にあり、さ
らにはスラリー性状が良好となって、攪拌性や容積効
率、操作性に優れ、好ましい。
【0062】反応(2)において各試剤を添加する順序
については特に制限はなく、反応(1)で得られた反応
液に塩素化シラン化合物を添加しても、その逆でもかま
わない。前述の通り反応(2)は20℃以下の反応温度
で開始することが好ましく、反応(1)で得られた反応
液に塩素化シラン化合物を徐々に添加することにより初
期の反応温度を制御する方法が好ましい。塩素化シラン
化合物を20℃以下に保持してから反応を実施すること
もよい。
【0063】
【実施例】以下に本発明を実施例により本発明を具体的
に説明するが、本発明の範囲は本実施例に限定されたも
のではない。
【0064】実施例1 窒素置換されたシュレンク管中にテトラヒドロフラン1
25gおよび1,2,3,4−テトラメチルシクロペン
タジエン5.1g(96%純度)を仕込み、0℃まで冷
却した後にノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1
5wt.%)15.66gをゆっくりと滴下した。滴下
後、0℃付近で3時間保温・攪拌し、予め0℃に冷却し
ておいた(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−
メチルフェニル)クロロジメチルシラン9.38g(9
6%純度)のテトラヒドロフラン(60g)溶液をゆっ
くりと滴下、徐々に室温まで昇温し、14時間室温にて
攪拌を続けた。上述の反応液をガスクロマトグラフィー
にて分析したところ、(3−tert−ブチル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランが9
2.7%の反応収率で生成していることが確認された。
上述の反応液を減圧条件下にて濃縮し、ついでヘキサン
30gを加えて副生する白色固体をろ過した後、さらに
ろ液を減圧濃縮することにより(3−tert−ブチル
−2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(2,
3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シラ
ンを得ることが出来た。
【0065】実施例2 窒素置換されたシュレンク管中にテトラヒドロフラン1
25gおよび1,2,3,4−テトラメチルシクロペン
タジエン5.1g(96%純度)を仕込み、0℃まで冷
却した後にノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1
5wt.%)16.37gをゆっくりと滴下した。滴下
後、0℃付近で3時間保温・攪拌し、予め0℃に冷却し
ておいた(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−
メチルフェニル)クロロジメチルシラン9.38g(9
6%純度)のテトラヒドロフラン(60g)溶液をゆっ
くりと滴下、徐々に室温まで昇温し、14時間室温にて
攪拌を続けた。上述の反応液をガスクロマトグラフィー
にて分析したところ、(3−tert−ブチル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランが8
8.4%の反応収率で生成していることが確認された。
【0066】実施例3 窒素置換されたシュレンク管中にテトラヒドロフラン1
25gおよび1,2,3,4−テトラメチルシクロペン
タジエン5.0g(96%純度)を仕込み、0℃まで冷
却した後にノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1
5wt.%)16.37gをゆっくりと滴下した。滴下
後、0℃付近で3時間保温・攪拌し、予め0℃に冷却し
ておいた(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−
メチルフェニル)クロロジメチルシラン9.38g(9
6%純度)のテトラヒドロフラン(60g)溶液をゆっ
くりと滴下、徐々に室温まで昇温し、14時間室温にて
攪拌を続けた。上述の反応液をガスクロマトグラフィー
にて分析したところ、(3−tert−ブチル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランが8
6.7%の反応収率で生成していることが確認された。
【0067】実施例4 窒素置換されたシュレンク管中にテトラヒドロフラン2
00gおよび1,2,3,4−テトラメチルシクロペン
タジエン9.76g(96%純度)を仕込み、0℃まで
冷却した後にノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液
(15wt.%)33.92gをゆっくりと滴下した。
滴下後、0℃付近で2時間保温・攪拌し、予め0℃に冷
却しておいた(3−tert−ブチル−2−メトキシ−
5−メチルフェニル)クロロジメチルシラン18.00
g(99%純度)のテトラヒドロフラン(60g)溶液
をゆっくりと滴下、徐々に室温まで昇温し、14時間室
温にて攪拌を続けた。上述の反応液をガスクロマトグラ
フィーにて分析したところ、(3−tert−ブチル−
2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(2,
3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シラ
ンが83.8%の反応収率で生成していることが確認さ
れた。
【0068】実施例5 窒素置換されたシュレンク管中にテトラヒドロフラン1
25gおよび1,2,3,4−テトラメチルシクロペン
タジエン5.0g(96%純度)を仕込み、0℃まで冷
却した後にノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1
5wt.%)16.94gをゆっくりと滴下した。滴下
後、0℃付近で3時間保温・攪拌し、予め0℃に冷却し
ておいた(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−
メチルフェニル)クロロジメチルシラン9.38g(9
6%純度)のテトラヒドロフラン(60g)溶液をゆっ
くりと滴下、徐々に室温まで昇温し、14時間室温にて
攪拌を続けた。上述の反応液をガスクロマトグラフィー
にて分析したところ、(3−tert−ブチル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランが8
1.2%の反応収率で生成していることが確認された。
【0069】実施例6 窒素置換された500リットル容量のファウドラー攪拌
器付き反応装置に、テトラヒドロフラン250Kgおよ
び1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエン1
0.29Kg(94.2%純度)を仕込み、−2℃まで
冷却した後にノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液
(15wt.%)31.08Kgを約3時間かけてゆっ
くりと滴下した。滴下後の反応液を−2℃付近で4時間
保温・攪拌し、次いでその系内に(3−tert−ブチ
ル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロロジメチ
ルシラン18.78Kg(96.9%純度)のテトラヒ
ドロフラン(50.2Kg)溶液を滴下し、滴下管をさ
らに10.15Kgのテトラヒドロフランで洗浄した。
滴下後の反応液を徐々に室温まで昇温し、11時間室温
(約20℃付近)にて、ついでゆっくりと50℃まで昇
温し1時間攪拌を続けた。上記の反応液を室温まで冷却
した後に、系内をガスクロマトグラフィーにて分析した
ところ、(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−
メチルフェニル)ジメチル(2,3,4,5−テトラメ
チルシクロペンタジエニル)シランが89.2%の反応
収率で生成していることが確認された。上述の反応液を
ゆっくりと約150Torrまで減圧にし、反応液の温
度を35℃として反応液の重量が約43Kgになるまで
濃縮を行い、ヘキサン約20Kgを加えた後に系内に副
生した白色固体をろ別して無色のヘキサン溶液を得た。
この溶液をガスクロマトグラフィーにて分析したとこ
ろ、反応収率は95.9%(仕込み(3−tert−ブ
チル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロロジメ
チルシランに対し)で(3−tert−ブチル−2−メ
トキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シランの生成
が確認された。さらに得られた溶液を減圧濃縮(150
Torrから1Torr)によりヘキサンなどを留去し
て、3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチル
フェニル)ジメチル(2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタジエニル)シランを22.87Kgを含有す
る無色の液体を得た(純度91.8%)。
【0070】比較例1 (反応(1)の反応温度及び溶
媒の比率の影響) 窒素置換されたシュレンク管中にテトラヒドロフラン4
5gおよび1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエン3.0g(96%純度)を仕込み、0℃まで冷却
した後にノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(15
wt.%)10.48gをゆっくりと滴下した。滴下
後、0 ℃付近で1.5時間保温・攪拌し、次いで室温
にて22時間攪拌を行った。さらにその反応液を−25
℃まで冷却し、予め0℃に冷却しておいた(3−ter
t−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロ
ロジメチルシラン6.2g(96%純度)のテトラヒド
ロフラン(5g)溶液をゆっくりと滴下、徐々に室温ま
で昇温し、28時間室温にて攪拌を続けた。上述の反応
液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、(3
−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニ
ル)ジメチル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)シランが5%の反応収率で生成している
ことが確認された。なお、原料である(3−tert−
ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロロジ
メチルシランの転化率は約50%であった。
【0071】比較例2 (反応(1)の反応温度の反応
成績への影響1) 以下の実験は反応スケールを1/2にし、すべての反応
温度を室温とした以外はすべて実施例5に準拠して行っ
た。詳細は以下の通りである。窒素置換されたシュレン
ク管中にテトラヒドロフラン62.5gおよび1,2,
3,4−テトラメチルシクロペンタジエン2.5g(9
6%純度)を仕込み、ノルマルブチルリチウムのヘキサ
ン溶液(15wt.%)8.47gを20分かけて室温
付近でゆっくりと滴下した。滴下後、反応液を室温で3
時間保温・攪拌し、(3−tert−ブチル−2−メト
キシ−5−メチルフェニル)クロロジメチルシラン4.
69g(96%純度)のテトラヒドロフラン(30g)
溶液をゆっくりと滴下、徐々に室温まで昇温し、19時
間室温にて攪拌を続けた。上述の反応液をガスクロマト
グラフィーにて分析したところ、(3−tert−ブチ
ル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチル
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランが54.8%の反応収率で生成していること
が確認された。なお、原料である(3−tert−ブチ
ル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロロジメチ
ルシランの転化率は約77.8%であった。
【0072】比較例3 (反応(1)の反応温度の反応
成績への影響2) ノルマルブチルリチウムを滴下後、室温にて5時間攪拌
を続けた以外は比較例4に準拠して実験を行った。3−
tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニ
ル)クロロジメチルシランのテトラヒドロフラン溶液を
滴下後、16時間室温にて攪拌し、得られた反応液をガ
スクロマトグラフィーにて分析したところ、(3−te
rt−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジ
メチル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジ
エニル)シランが50.3%の反応収率で生成している
ことが確認された。なお、原料である(3−tert−
ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロロジ
メチルシランの転化率は約65.3%であった。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、工
程数の少ない工業的に有利なシクロペンタジエン骨格を
有する基を有するシラン化合物の効率的な製造方法が提
供される。さらに本発明によれば、工業的に実施するの
に有効な温度で、工業的なスケールで実施可能かつ高収
率にて目的物を合成することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロペンタジエン骨格を有する基を有す
    るシラン化合物の製造方法であって、(1)20℃以下
    の反応温度でシクロペンタジエン化合物と有機アルカリ
    金属化合物とを反応させてシクロペンタジエン化合物の
    アルカリ金属塩化合物を生成せしめ、次いで(2)該反
    応生成物を単離することなく塩素化シラン化合物と反応
    させることを特徴とするシクロペンタジエン骨格を有す
    る基を有するシラン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】シクロペンタジエン骨格を有する基を有す
    るシラン化合物の製造方法であって、(1)20℃以下
    の反応温度でシクロペンタジエン化合物と有機アルカリ
    金属化合物とを反応させてシクロペンタジエン化合物の
    アルカリ金属塩化合物を生成せしめ、次いで(2)該反
    応生成物を単離することなく塩素化シラン化合物と接触
    させ徐々に室温まで昇温して反応させることを特徴とす
    るシクロペンタジエン骨格を有する基を有するシラン化
    合物の製造方法。
  3. 【請求項3】(1)の反応温度が、−50〜15℃であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のシクロペン
    タジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】(1)のシクロペンタジエン化合物の溶媒
    が、エーテル系溶媒であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のシクロペンタジエン骨格を有する
    基を有するシラン化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】(1)において、有機アルカリ金属化合物
    の溶媒として芳香族または脂肪族炭化水素溶媒を使用
    し、シクロペンタジエン化合物の溶媒としてエーテル系
    溶媒を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のシクロペンタジエン骨格を有する基を有する
    シラン化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】(1)において、エーテル系溶媒の使用量
    が30重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載のシクロペンタジエン骨格を有する基
    を有するシラン化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】(2)の塩素化シラン化合物の溶媒が、エ
    ーテル系溶媒であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載のシクロペンタジエン骨格を有する基を有
    するシラン化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】(1)及び(2)で使用する溶媒全体に占
    めるエーテル系溶媒の比率が、70%重量以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシクロ
    ペンタジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の製
    造方法。
  9. 【請求項9】シクロペンタジエン骨格を有する基を有す
    るシラン化合物が一般式 CpSiR3 で表される化
    合物であり、シクロペンタジエン化合物が一般式 Cp
    −Hで表される化合物であり、塩素化シラン化合物が一
    般式 ClSiR3 で表される化合物であることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシクロペンタ
    ジエン骨格を有する基を有するシラン化合物の製造方
    法。(上記一般式において、Cpはシクロペンタジエン
    骨格を有する基を、Siはケイ素原子を、Hは水素原子
    を、Clは塩素原子を示す。3つのRはそれぞれ独立
    に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキ
    シ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基、及びそ
    れらの基の水素原子をハロゲン原子、アルコキシ基、ア
    リールオキシ基、アミノ基もしくはシリル基で置換した
    基からなる群から選ばれた基を示す。)
  10. 【請求項10】シクロペンタジエン骨格を有する基を有
    するシラン化合物が下記一般式[I]で表される化合物
    であり、シクロペンタジエン化合物が下記一般式[I
    I]、塩素化シラン化合物が下記一般式[III]で表され
    る化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    かに記載のシクロペンタジエン骨格を有する基を有する
    シラン化合物の製造方法。 (式中、Cpはシクロペンタジエン骨格を有する基を示
    し、Hは水素原子を示し、Clは塩素原子を示す。Si
    はケイ素原子を、Oは酸素原子を示す。R1、R2
    3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、ハ
    ロゲン原子、置換されていてもよい炭素原子数1〜20
    のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜2
    0のアラルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6
    〜20のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数
    1〜20のシリル基、置換されていてもよい炭素原子数
    1〜20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素原
    子数7〜20のアラルキルオキシ基、または置換されて
    いてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基を示
    す。R1、R2、R3、R4、R5およびR6は任意に結合し
    て環を形成していてもよい。R7は置換されていてもよ
    い炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数3
    〜30の3置換シリル基を示す。)
  11. 【請求項11】有機アルカリ金属化合物が、アルキルリ
    チウムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    かに記載のシクロペンタジエン骨格を有する基を有する
    シラン化合物の製造方法。
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