JPH10315911A

JPH10315911A - 車両用シート装置

Info

Publication number: JPH10315911A
Application number: JP9130949A
Authority: JP
Inventors: Kourin Sai; 興林崔
Original assignee: Ikeda Bussan Co Ltd
Current assignee: Ikeda Corp
Priority date: 1997-05-21
Filing date: 1997-05-21
Publication date: 1998-12-02

Abstract

(57)【要約】【課題】見栄えを良くするとともに視界の確保と安全
性を向上させ、さらに良好なシートベルト装着感を得る
ことができる車両用シート装置を提供する。【解決手段】シートバック３の上部にステー４を介し
て高さ調整可能に取り付けられたヘッドレスト５と、シ
ートバック３の上部に設けた導出口９を通ってシートバ
ック３の内側から外側に引き出されているシートベルト
８および、このシートベルト８の一部をシートバック８
内に引き込み可能な巻取り用リトラクタ７とを備えてい
る車両用シート装置１において、ヘッドレスト５は、略
枕状の側部に接近した前後部分の厚さ内に設けられて、
シートバック３の上部の導出口９から引き出されている
シートベルト８を内部に通しているベルトガイド部材１
１，２２を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に設けら
れる車両用シート装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車等のシートベルトは、一般的に巻
取り用リトラクタ内から引き出されているシートベルト
部分にタングを取り付けておき、シートベルトの引き出
し部分を座者の肩から胸の前側を通ってリトラクタと反
対側で車体に固定されているバックルに対しタングを係
合することにより装着する構造になっている。また、リ
トラクタ内から引き出されたシートベルトは、車体のイ
ンナーフレーム等に固定されているショルダーアンカー
のガイド孔を通して配設されており、このショルダーア
ンカーを通すことによってシートベルトを乗員の肩から
胸の前側に導く構造になっている。

【０００３】ところが、このような構造では座高の低い
乗員が着座してシートベットを装着し、更にシートバッ
クをリクライニング動作させて後方に傾倒させた場合、
シートベルトの拘束部分が乗員の首等に当たると言う不
具合がある。そこで、この不具合を取り除く方法として
は、特開平６−１９１３７８号等で知られる如くシート
バックの上部に取り付けられているヘッドレストの側面
にシートベルトガイドを設け、このシートベルトガイド
にシートベルトを通して案内することにより、位置的な
ずれを少なくし、標準体型からずれるような乗員に対し
ても使いやすくした構造も提案されている。

【０００４】なお、従来シート装置には、上記した巻取
り用リトラクタをシートに内蔵すると共に、そのリトラ
クタから引き出されたシートベルトをシートバックの上
部に設けた導出口を通って前記シートバックの内側から
外側に引き出すようにした構造もある。この場合は、シ
ートバックの上側部にシートベルトガイドを突設してお
き、シートベルトをシートバック前面側に迂回するよう
にしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のシート構造では、シートベルトガイドがヘッド
レストの側面やシートバック上側部に突出されているた
め、見栄えを悪くし、また視界をも阻害する。更に、車
両が衝突したような場合を考えると、このシートベルト
ガイドに後部座席の乗員等がぶつかる危険性等もあり、
安全性からも問題がある。

【０００６】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
ものであり、その目的は見栄えを良くすると共に視界の
確保と安全性を向上させ、更に良好なシートベルトの装
着感を得ることができる車両用シート装置を提供するこ
とにある。他の目的は、以下に説明する内容の中で順次
明らかにして行く。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、図面に例示する如くシートバック３の上部に
ステー４を介して高さ調整可能に取り付けられたヘッド
レスト５と、シートバック３の上部に設けた導出口９を
通ってシートバック３の内側から外側に引き出されてい
るシートベルト８および、このシートベルト８の一部を
シートバック８内に引き込み可能な巻取り用リトラクタ
７とを備えている車両用シート装置１において、ヘッド
レスト５は、略枕状の側部に接近した前後部分の厚さ内
に設けられて、シートバック３の上部の導出口９から引
き出されているシートベルト８を内部に通しているベル
トガイド部材１１，２２を有している構造である。以上
の本発明は次のような態様として具体化される。つま
り、ベルトガイド部材１１，２２は、図１から図３に例
示する如く略逆Ｌ形の筒体からなり、ヘッドレスト５の
前面５ａと下面５ｄとにそれぞれ筒体の対応する開口１
１ａ，１１ｂを位置した状態で設けられて、シートベル
ト８をヘッドレスト５の下面５ｄから前面５ａに通して
いる構造である。また、ベルトガイド部材２２は、図４
と図５に例示する如くヘッドレスト５の厚さに対応した
長さの略筒体からなり、ヘッドレスト５の前後の面５
ａ，５ｂにそれぞれ筒体の対応する開口２２ａ，２２ｂ
を位置した状態で設けられて、シートベルト８をヘッド
レスト５の後面５ｂから前面５ａに通している構造であ
る。

【０００８】このシート装置構造では、ヘッドレスト５
の内部に設けられたベルトガイド部材１１，２２を使用
するので、従来構造のようにヘッドレストから突出され
ているシートベルトガイドの様な不具合を生じない。す
なわち、ベルトガイド部材１１，２２はヘッドレスト５
の内部に設けられていることから、見栄えの向上と視界
の確保が可能になる。また、車両が衝突したような場合
も、突出された部材がないので安全性が図れる。この本
発明構造では、ヘッドレスト５がシート外観的に左右に
長い枕状に設計されることもあり、そのような場合、ベ
ルトガイド部材１１，２２を枕状の側部に接近した肉厚
内に内蔵しても、ヘッドレスト自体の保持特性を阻害し
ないことが各種保持試験から判明したことに基づくもの
である。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の形態を添付図面に
基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形態は、
本発明の好適な具体例であるから技術的に好ましい種々
の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明
において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、こ
れらの形態に限られるものではない。

【００１０】図１は本発明に係る車両用シート装置の形
態例を示す外観斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿う要
部拡大断面図、図３は前記シート装置の主な部材相互の
関係を示す構成図である。図１及び図３において、この
車両用シート装置１は、車体側に取り付けられるシート
クッション２と、このシートクッション２の後部に前後
方向に傾倒調節可能に取り付けられているシートバック
３と、このシートバック３の上部に一対のステー４を介
して着脱並びに高さ調整可能に取り付けられているヘッ
ドレスト５と、シートバック３内に設けられた巻取り用
リトラクタ７と、リトラクタ７から引き出されているシ
ートベルト８等で構成されている。また、ヘッドレスト
５は、内蔵されたベルトガイド部材１１を有しており、
シートバック３の上部に設けられた導出口である導出部
材９から引き出されているシートベルト８をベルトガイ
ド部材１１を通してシートバック３の前面側へ迂回して
配置している。

【００１１】さらに詳述する。シートバック３は、図３
に示す如くパイプ材を折り曲げたバックフレーム６と、
バックフレーム６の内側に取り付けられて複数本のＳバ
ネ１２を張設している補助フレーム１３と、パイプフレ
ーム６の上部に固定されているステー保持用ホルダー１
４と、右側ホルダー１４に隣接して固定されている前記
した導出部材９と、バックフレーム６の両側下部間に架
設されている取付フレーム１５とで芯材部分を構成して
いる。そして、その芯材部分にはバックパッド１６が前
側から配置されると共に、バックパッド１６を袋状の表
皮１７で被覆処理した構造である。なお、前記した芯材
部分の背面側にはバックガーニッシュが取り付けられる
こともある。ホルダー１４は、ヘッドレスト５のステー
４に対応して対に設けられている。導出部材９は、偏平
筒状をなして、ヘッドレスト５に内蔵されているベルト
ガイド部材１１の垂直部１１Ｂに対応して設けられてい
る。

【００１２】また、シートバック３内には、取付フレー
ム１５の一側（導出部材９の真下に位置している）に固
定された巻上げ用リトラクタ７と、バックフレーム６の
上下部に両端を固定した状態で、リトラクタ７と導出部
材９との間に配置されているベルト巻き込み防止用のシ
ート状保護板１８とが内蔵されている。ここで、リトラ
クタ７は、この構造自体は一般の巻取り式シートベルト
装置で良く知られている構造であり、シートベルト８の
基端側を付勢手段により自動で巻き取ることができる構
成になっている。同様に、リトラクタ７より引き出され
ているシートベルト８の引き出し先端側は、導出口であ
る導出部材９よりシートバック３の上外側に出されてお
り、その引き出し先端にタング１０が取り付けられてい
ることも従来構造と同じくしている。

【００１３】これに対し、ヘッドレスト５は、前後面５
ａ，５ｂと、上下面５ｃ，５ｄと、両側５ｅ，５ｆとで
輪郭を形成している比較的左右に長い枕状をなしてい
る。構造的には、逆Ｕ形をなしたフレーム１９を緩衝用
パッド２０で覆った状態で、外周部を袋状に形成されて
いる表皮２１で被覆処理していること、一対のステー４
がフレーム１９に固定された状態でヘッドレスト下部か
ら突出されていること、ステー４がホルダー１４に対し
高さ調整可能に設けられている点で従来と同じくしてい
る。そして、この構造を前提として、ヘッドレスト５
は、側部５ｆに接近した前後面５ａ，５ｂの間に筒体な
いしはパイプ状のベルトガイド部材１１がフレーム１９
に固定した状態で内蔵されている。このベルトガイド部
材１１は、水平部１１Ａと垂直部１１Ｂとからなり、水
平部１１Ａの開口１１ａが前面５ａに露出し、垂直部１
１Ｂの開口１１ｂが下面５ｄに露出した状態で配置され
ており、導出部材１１から外へ導出されたシートベルト
８の先端側を筒内を通して下面５ｄから前面５ａ側に引
き出している。

【００１４】以上のように構成された車両用シート装置
１では、乗員が着座し、ベルトガイド部材１１の筒内を
迂回してシートバック３の前面に引き出されているシー
トベルト８を持って引っ張ると、リトラクタ７内に巻き
取られているシートベルト８が引き出される。また、こ
のシートベルト８を乗員の肩から胸の前側を通し、シー
トクッション２を挟んで反対側（図１の左側）で車体に
固定されているバックル２３にタング１０を係合ないし
は掛け止めする、つまり通常の３点ベルト方式と同様な
操作によりシートベルト８で乗員をシートバック３側に
拘束することができる。また、シートベルト８の拘束な
いしは装着を解く場合は、タング１０をバックル２３か
ら外して緩める。すると、シートベルト８の一部がリト
ラクタ７内に巻き取られて、図１に示す初期位置まで戻
される。

【００１５】したがって、この車両用シート装置１では
シートバック３を倒しても、ベルトガイド部材１１の開
口１１ａと乗員に対する位置とは変わることがないの
で、シートベルト８により乗員を常に良好な状態で拘束
することができる。そして、このような構造では、シー
トベルト８を迂回するベルトガイド部材１１がヘッドレ
スト５内に内蔵させているので外観を悪くすることもな
く、従来構造の様にベルトガイドにより視界の妨げにな
ることもない。さらに、ベルトガイド部材１１が外部に
突出されていないので、このベルトガイド部材１１に乗
員がぶつかって怪我をするような虞もなくなる。細部的
には、開口１１ｂから導出部材９までの間にあるシート
ベルト８の部分がヘッドレスト５とシートバック３との
間に位置している関係で外部から見え難くなることから
も、外観の向上が期待できる。

【００１６】上記した形態例では、ベルトガイド部材１
１が開口１１ａを前面５ａに、開口１１ｂを下面５ｄに
位置した状態で配置した構造を開示したが、図４と図５
に示す如くベルトガイド部材２２をヘッドレスト５の前
後方向に内蔵されることも可能である。ここで、図４及
び図５において、図１から図３と同一符号を付したもの
は同一ないしは類似するものを示し、以下の説明では上
記形態に対する変更点のみを詳述する。

【００１７】この形態のベルトガイド部材２２は、ヘッ
ドレスト５の前後の厚さに対応した長さの略筒体ないし
はパイプ材からなっている。そして、ベルトガイド部材
２２は、ヘッドレスト５の前後面５ａ，５ｂにそれぞれ
筒体の対応する開口２２ａ，２２ｂを位置した状態でフ
レーム１９に固定されており、シートベルト８をヘッド
レスト５の後面５ｂから前面５ａに通している。なお、
ここでのベルトガイド部材２２の内孔の大きさはシート
ベルト８の幅に比べて大きくなっており、この内孔を通
して後ろ側または前側を覗き見することができるように
なっている。

【００１８】このように、本発明は、請求項１に記載の
要件を具備していればよく、ベルトガイド部材１１，２
２の形状等については種々変更することができ、また、
ベルトガイド部材１１，２２の各端部側に必要に応じ装
飾処理が施されるものである。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
シートベルトがシートバック上部から引き出された構造
において、ヘッドレスト内に設けられたベルトガイド部
材を使用するようにしたので、ベルトガイドをヘッドレ
ストやシートバックに突設した従来構造に対し、シート
ベルトを乗員により合った状態で配置できると共に、外
部に突出した部材がないことから見栄えの向上と視界の
確保が可能になる。更に、仮に車両が衝突したような場
合も、突出された部材がないことからシートベルトをガ
イドしている部材でケガをするようなこともなく、安全
性の向上が図れる等の効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車両用シート装置の形態例を示す
外観斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う要部拡大断面図である。

【図３】前記シート装置を一部破断して示す構成図であ
る。

【図４】本発明シート装置の他の例を示す要部外観斜視
図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線に沿う要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１車両用シート装置２シートクッション３シートバック４ステー５ヘッドレスト５ａ，５ｂ前後面５ｃ，５ｄ上下面５ｅ，５ｆ側面６バックフレーム７巻取り用リトラクタ８シートベルト９導出部材（導出口）１１，２２ベルトガイド部材１１ａ，１１ｂ，２２ａ，２２ｂ開口

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シートバックの上部にステーを介して高
さ調整可能に取り付けられたヘッドレストと、前記シー
トバックの上部に設けた導出口を通って前記シートバッ
クの内側から外側に引き出されているシートベルトおよ
び、このシートベルトの一部を前記シートバック内に引
き込み可能な巻取り用リトラクタとを備えている車両用
シート装置において、前記ヘッドレストは、枕状の側部に接近した前後部分の
厚さ内に設けられて、前記シートバックの上部の導出口
から引き出されている前記シートベルトを内部に通して
いるベルトガイド部材を有している、ことを特徴とする車両用シート装置。
【請求項２】前記ベルトガイド部材が、略逆Ｌ形の筒
体からなり、前記ヘッドレストの前面と下面とにそれぞ
れ筒体の対応する開口を位置した状態で設けられて、前
記シートベルトをヘッドレスト下面から前面に通してい
る請求項１に記載の車両用シート装置。
【請求項３】前記ベルトガイド部材が、前記ヘッドレ
ストの厚さに応じた長さの略筒体からなり、前記ヘッド
レストの前後の面にそれぞれ筒体の対応する開口を位置
した状態で設けられて、前記シートベルトをヘッドレス
トの後面から前面に通している請求項１に記載の車両用
シート装置。