JPH10315560A - 印字位置適否判定方法および印字装置 - Google Patents

印字位置適否判定方法および印字装置

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JPH10315560A
JPH10315560A JP9133147A JP13314797A JPH10315560A JP H10315560 A JPH10315560 A JP H10315560A JP 9133147 A JP9133147 A JP 9133147A JP 13314797 A JP13314797 A JP 13314797A JP H10315560 A JPH10315560 A JP H10315560A
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2132Print quality control characterised by dot disposition, e.g. for reducing white stripes or banding
    • B41J2/2135Alignment of dots

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
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  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 往復移動する印字ヘッドが往復双方向におい
て印字するとき、記録紙上での往方向印字と復方向印字
との相対的位置関係の適否を、精度高く、容易に判定で
きるようにする。 【解決手段】 印字ヘッドの移動方向に延びる境界を介
して位置する2つの印字領域43,44に、比較パター
ン46,51と基準パターン47,50とを分けて印字
する。基準パターン47,50は、印字ヘッドの片方向
移動に従って印字され、比較パターン46,51は、印
字ヘッドの双方向印字に従って印字されるものであり、
往方向印字と復方向印字との相対的位置関係が適正であ
るときには基準パターン47,50と同じになるように
される。したがって、比較パターン46,51が基準パ
ターン47,50と等しいか否かを判断し、両者が等し
いと判断したときに相対的位置関係が適当であると判定
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、往復移動しなが
ら往復双方向において印字するようにされた印字ヘッド
による記録紙上での印字位置の適否を判定するための方
法、およびこの方法を実施する印字装置に関するもの
で、特に、印字ヘッドによる往方向での印字と復方向で
の印字との相対的位置関係の適否を判定するための方
法、およびこの方法を実施する印字装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】たとえば、インクジェット方式、または
ワイヤドット方式等の印字ヘッドを備える印字装置にあ
っては、通常、印字動作中において、記録紙が所定の方
向に間欠的に送られながら、印字ヘッドが記録紙の送り
方向とは直交する方向に往復移動し、それによって、記
録紙上の印字すべき全領域に対して、印字ヘッドが所望
の印字を行なえるように構成されている。
【0003】また、印字動作の能率を高めるため、一般
的には、印字ヘッドは、その往復双方向において、印字
を行なうようにされている。この場合、印字ヘッドによ
る記録紙上への往方向での印字と復方向での印字との相
対的位置関係を適正に設定する必要がある。なぜなら、
この相対的位置関係が適正でないと、往方向での印字と
復方向での印字との間でずれが生じ、たとえば、数行に
跨がる縦罫線を印字したとき、この縦罫線が1本の直線
とはならず、極端な場合には、印字ヘッドの移動方向に
関して互いにずれた数本の線分として現れることがある
からである。
【0004】しかしながら、上述した往方向での印字と
復方向での印字との相対的位置関係を適正に設定するこ
とは、比較的難しい。この難しさは、印字ヘッドが印字
動作中において移動していること、また、印字ヘッドと
記録紙との間には隙間を必ず存在させなければならず、
そのため、印字ヘッドによる印字の開始タイミングと記
録紙上での印字の終了タイミングとの間には必ず時間差
があること、また、印字ヘッドを含む部品が有する寸法
誤差や印字ヘッドの取付け位置のばらつき、あるいは用
いる記録紙の厚みによって、印字ヘッドと記録紙との間
の隙間の寸法が変動すること、などに起因する。
【0005】たとえばインクジェット方式の印字ヘッド
についてより具体的に説明すると、印字ヘッドにおける
インクの噴射のタイミングから遅れたタイミングでイン
クが記録紙上に到達することになるが、印字ヘッドは印
字動作中において移動しているので、記録紙上での印字
位置は、印字ヘッドが現にインクを噴射した位置より印
字ヘッドの移動方向に見て前方側にシフトすることにな
る。このシフト量は、印字ヘッドの移動速度、印字ヘッ
ドと記録紙との隙間の寸法、およびこの隙間でのインク
の噴射速度によって決まるが、これらのうち、印字ヘッ
ドと記録紙との隙間の寸法は、部品誤差や印字ヘッドの
取付け位置のばらつきによって、あるいは用いる記録紙
の厚みによって変動するため、このことが原因となっ
て、シフト量も変動してしまう。
【0006】しかも、このシフトは、前述したように、
印字ヘッドが現にインクを噴射した位置より印字ヘッド
の移動方向に見て前方側に生じるものであるので、印字
ヘッドの往方向においてシフトする側と復方向において
シフトする側とは、互いに逆になることにも注目すべき
である。その結果、たとえば印字ヘッドと記録紙との隙
間の寸法の変動によってシフト量に特定の大きさの変動
が生じたとすれば、往方向印字と復方向印字との間で見
たとき、この変動の大きさは2倍となって現れる。
【0007】このような背景の下、往復移動する印字ヘ
ッドを備える印字装置にあっては、まず、出荷前の段階
で、往方向での印字と復方向での印字との相対的位置関
係の適否が判定され、これが不適正であると判定された
ときには、これを適正にすべく調整が行なわれる。この
調整は、通常、印字ヘッドの移動開始から印字開始まで
のタイミングの遅れ量を変えることによって行なわれて
いる。
【0008】また、上述した出荷前の段階では、往方向
印字と復方向印字との相対的位置関係が適正に調整され
ていても、印字装置を実際に使用している段階で、この
相対的位置関係が不適正になることもある。たとえば、
出荷前の段階では、標準的な厚みの記録紙を用いて、こ
の相対的位置関係を適正にすべく調整が行なわれるが、
たとえば、需要者側において特殊な厚みの記録紙を用い
たり、あるいは、稀ではあるが、印字ヘッドの取付け位
置が何らかの要因により変動したりした場合等には、再
度、この相対的位置関係の調整を行なう必要がある。
【0009】このような各段階での相対的位置関係の調
整に際しては、一般的には、実際に記録紙上に印字を行
ない、この印字結果に基づいて往方向印字と復方向印字
との間でのずれがなくなるような調整値が決定され、こ
の調整値に従って、印字ヘッドの移動開始から印字開始
までのタイミングの遅れ量を変更する、という方法が採
用されている。そして、上述のように、印字結果に基づ
いて往方向印字と復方向印字との間でのずれがなくなる
ような調整値が決定するにあたっては、往方向印字と復
方向印字との相対的位置関係の適否を目視により判定す
ることが必要であり、この判定のために、従来、次のよ
うな方法が採用されている。
【0010】すなわち、図21に示すように、実際の印
字により、記録紙上にたとえば3行分の罫線パターンが
形成される。より詳細には、1行目において、複数の縦
罫線1が矢印2で示す印字方向で印字され、次いで、矢
印3で示すように改行した後、矢印4で示すように印字
方向を変えて、同じく複数の縦罫線5が2行目に印字さ
れ、さらに、矢印6で示すように改行した後、矢印2で
示すように1行目と同じ印字方向をもって、同じく複数
の縦罫線7が3行目に印字される。
【0011】このような罫線パターンにおいて、1行目
の縦罫線1と2行目の縦罫線5と3行目の縦罫線7とが
一直線上に並んだとき、往方向印字と復方向印字との相
対的位置関係が適正であると判定する。図21では、縦
罫線1、5および7が一直線上に並んでいないので、往
方向印字と復方向印字との相対的位置関係が不適正であ
ると判定される。したがって、これら縦罫線1、5およ
び7が1本の直線となるような調整値が選択され、この
調整値に従って、たとえば、印字ヘッドの移動開始から
印字開始までのタイミングの遅れ量を変更するように補
正することが行なわれる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のような印字位置
の適否を判定するにあたっては、実際に印字された判定
用のパターンを人間が目視することを行なっている。し
かしながら、上述した図21に示す罫線パターンを用い
ての印字位置の適否の判定を目視により高精度で行なう
ことは、極めて困難である。図21では、往方向印字と
復方向印字との相対的位置関係が不適正にある状態が、
説明の便宜上、誇張されて図示されていて、そのため、
縦罫線1、5および7間のずれがかなり大きく示されて
いるが、実際には、相対的位置関係の適否を判定するた
めには、縦罫線1、5および7が、たとえば、それらの
線の太さの範囲内でしかずれていないような状況におい
て、一直線上に並んでいるかどうかを判定しなければな
らないことになり、そのため、高精度で、かつ目視者が
自信をもって適否を判断することは、極めて困難である
ことが理解されよう。
【0013】また、上述のような罫線パターンを用いて
の判定には、次のような問題もある。これについて、図
22、図23および図24をそれぞれ参照しながら説明
する。なお、図22、図23および図24において、図
21に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を
付し、重複する説明は省略する。図22には、印字ヘッ
ドがその移動方向に対して傾いている場合の罫線パター
ンの印字例が示されている。このような状況において
は、縦罫線1、5および7が一直線上に並ぶことはあり
得ないので、これら縦罫線1、5および7が1本の直線
となるような調整値を選択することすら不可能である。
【0014】図23には、印字ヘッドのヘッド面と記録
面とが平行でない場合の罫線パターンの印字例が示され
ている。この場合には、縦罫線1、5および7を1本の
線でつなげる状態とすることができ、この状態にするた
めの調整値は存在するが、このように縦罫線1、5およ
び7が1本の線でつながっても、それは直線ではないの
で、この状態を判別することが極めて困難である。
【0015】図24には、印字ヘッドの移動速度に変動
が生じた場合の罫線パターンの印字例が示されている。
このような状況においては、各々複数の縦罫線1、5お
よび7のうち、各行間で一直線上に並ぶものとそうでな
いものとが混在するため、相対的位置関係の適否を判定
することが極めて困難である。そこで、この発明の目的
は、上述した種々の問題を解決し得る、印字位置適否判
定方法およびこの方法を実施する印字装置を提供しよう
とすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、往復
移動する印字ヘッドが往復双方向において印字すると
き、記録紙上への往方向での印字と復方向での印字との
相対的位置関係の適否を判定するための方法に向けられ
るものであって、上述した技術的課題を解決するため、
請求項1に記載の発明では、記録紙上の互いに隣接する
2つの印字領域のうち、一方の印字領域には、印字ヘッ
ドの片方向移動に従って基準パターンを印字し、他方の
印字領域には、印字ヘッドの双方向移動に従って上述の
基準パターンと同じパターンとなるべき比較パターンを
印字する印字工程と、この比較パターンを基準パターン
と比較して、両者が等しいか否かを判断し、両者が等し
いと判断したときに相対的位置関係が適当であると判定
する判定工程とを備えることを特徴としている。
【0017】このように、請求項1に記載の発明によれ
ば、印字ヘッドの片方向移動に従って印字される基準パ
ターンと同じパターンとなるべき比較パターンを印字ヘ
ッドの双方向移動に従って印字するので、往方向での印
字と片方向での印字との相対的位置関係に関する情報は
比較パターンに現れるが、相対的位置関係が適当である
ときの比較パターンは基準パターンと同一となる。した
がって、これら比較パターンと基準パターンとを相対比
較して、両者が等しいときに相対的位置関係が適当であ
ると判定することになる。
【0018】請求項2に記載の発明は、記録紙上の互い
に隣接する2つの印字領域のうち、一方の印字領域に
は、印字ヘッドの片方向移動に従って基準パターンを印
字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの双方向移動に
従って上述の基準パターンと同じパターンとなるべき比
較パターンを印字するとともに、これら基準パターンお
よび比較パターンを、相対的位置関係を徐々に変えなが
ら複数組印字する印字工程と、この印字工程によって印
字された各組の基準パターンと比較パターンとをそれぞ
れ比較して、基準パターンと比較パターンとが最も近似
している組を選択し、その選択した組の相対的位置関係
が適当であると判定する判定工程とを備えることを特徴
としている。
【0019】このように印字工程および判定工程が実施
されると、1回の印字工程によって印字された複数組の
基準パターンおよび比較パターンの中から、判定工程に
おいて基準パターンと比較パターンとが最も近似してい
る組を選択して、それに応じた調整値を選択することに
なる。請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明
に適用されるものであって、印字工程において、複数組
の基準パターンおよび比較パターンが、各組ごとに改行
して1枚の記録紙上に印字されることを特徴としてい
る。
【0020】このように印字工程が実施されると、複数
組の基準パターンおよび比較パターンが1枚の記録紙上
に印字されるので、判定工程においては、1枚の記録紙
を見ながら相対的位置関係の最適な組を選択することが
行なわれることになる。請求項4に記載の発明は、請求
項1ないし3のいずれかに記載の比較パターンにおいて
特徴を有している。すなわち、請求項4に記載の発明に
おける比較パターンは、相対的位置関係が最適であると
き、印字ヘッドの往方向移動に従って印字される部分と
印字ヘッドの復方向移動に従って印字される部分とが互
いに完全に重なるものを含んでいることを特徴としてい
る。
【0021】このような比較パターンによれば、相対的
位置関係が不適正であるとき、当該比較パターンは、基
準パターンに比べて太いか、二重の線をもって印字され
ることになる。請求項5に記載の発明は、請求項4に記
載の発明において、基準パターンおよび比較パターン
が、双方によって一連の縦罫線を与えるべきものとされ
ていることを特徴としている。
【0022】このように基準パターンおよび比較パター
ンの形状を選ぶと、相対的位置関係が適正であるときに
は、基準パターンおよび比較パターンの双方によって一
様な太さの縦罫線が現れ、他方、相対的位置関係が不適
正であるときには、縦罫線のうち、比較パターンに相当
する部分においてのみ、太く現れたり、二重の線が現れ
たりする。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項4または
5に記載の発明において、基準パターンの印字において
は、印字ヘッドの片方向移動に従って互いに異なる第1
の色と第2の色とを重ねた印字が行なわれ、比較パター
ンの印字においては、第1の色による印字が印字ヘッド
の往方向移動時に行なわれ、第2の色による印字が印字
ヘッドの復方向移動時に行なわれるようにされることを
特徴としている。
【0024】このように、印字において複数の色が用い
られると、基準パターンにおいては、第1の色と第2の
色とを重ねた色が現れ、他方、比較パターンにおいて
は、相対的位置関係が適正であるときには、基準パター
ンと同様、第1の色と第2の色とを重ねた色が現れる
が、相対的位置関係が不適正であるときには、少なくと
も一部において第1の色と第2の色とがそれぞれ単独で
現れる。したがって、相対的位置関係の適否を、基準パ
ターンと比較パターンとにおける色の差によっても判断
することができる。
【0025】なお、上述の第1および第2の色の組合せ
としては、シアンおよびマゼンタの組合せが有利に用い
られる。請求項7に記載の発明は、請求項1ないし3の
いずれかに記載の発明において、基準パターンの印字に
おいては、印字ヘッドの片方向移動に従って互いに異な
る第1の色と第2の色とを隣接させた印字が行なわれ、
比較パターンの印字においては、第1の色による印字が
印字ヘッドの往方向移動時に行なわれ、第2の色による
印字が印字ヘッドの復方向移動時に行なわれるようにさ
れることを特徴としている。
【0026】このように基準パターンの印字において、
第1の色と第2の色とを隣接させると、比較パターンに
おいては、相対的位置関係が適正であるときには、基準
パターンと同様の態様で第1の色と第2の色とを隣接さ
せた状態が現れるが、相対的位置関係が不適正であると
きには、第1の色と第2の色とが少なくとも一部におい
て重なったり、あるいは第1の色と第2の色との間隔が
基準パターンとは異ならされた状態が現れる。したがっ
て、相対的位置関係の適否を、基準パターンと比較パタ
ーンとにおける色の差あるいは色の混ざり具合の差等に
よっても判断することができる。
【0027】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
7のいずれかに記載の発明に適用されるものであり、基
準パターンおよび比較パターンにおいて特徴を有してい
る。すなわち、請求項8に記載の発明における基準パタ
ーンおよび比較パターンは、それぞれ、複数のドットを
分布させたものを含む。そして、比較パターンに含まれ
るドットは、第1グループのドットと第2グループのド
ットとに分類され、第1グループのドットと第2グルー
プのドットとは、互いに他のグループのドットの間に位
置するように配置され、比較パターンの印字において、
第1グループのドットは印字ヘッドの往方向移動時に印
字され、第2グループのドットは印字ヘッドの復方向移
動時に印字されることを特徴としている。
【0028】このような基準パターンは、典型的には、
薄い灰色の表示を与え、相対的位置関係が適正であると
きには、比較パターンも、同様の薄い灰色の表示を与え
る。したがって、基準パターンと比較パターンとが同一
の濃度または模様の表示を与えているときには、相対的
位置関係が適正であると判定する。他方、相対的位置関
係が不適正であるときには、比較パターンにおいて、基
準パターンとは異なる濃度または模様が現れる。
【0029】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
8のいずれかに記載の発明に適用されるものであり、印
字工程において、第1および第2の印字領域の双方が、
印字ヘッドによる1行分の印字範囲内に入っており、比
較パターンは、改行なしで印字ヘッドを双方向移動させ
ることにより印字されることを特徴としている。このよ
うな態様で印字工程が実施されると、基準パターンおよ
び比較パターンの双方を、印字ヘッドの1行分の印字範
囲内におさめることができる。
【0030】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明に適用されるものであって、印字工程におい
て、印字ヘッドの一方向移動に従って、基準パターンと
比較パターンの一部とが印字され、印字ヘッドの他方向
移動に従って、比較パターンの残部が印字されることを
特徴としている。このような態様で印字工程が実施され
ると、印字ヘッドの1回の往復移動により、基準パター
ンおよび比較パターンの双方を印字することができる。
【0031】請求項11に記載の発明は、請求項1ない
し10のいずれかに記載の発明に適用されるものであっ
て、印字工程において、複数種類の基準パターンおよび
比較パターンの組が印字されることを特徴としている。
このような態様で印字されると、判定工程において、複
数種類の基準パターンおよび比較パターンの組のそれぞ
れについての比較が行なわれる。
【0032】なお、上述のように、複数種類の基準パタ
ーンおよび比較パターンの組が印字される場合、好まし
くは、これら複数種類の組が印字ヘッドの移動方向すな
わち行方向に並ぶように印字され、より好ましくは、こ
れら複数種類の組が印字ヘッドによる1行分の印字範囲
内に入るようにされる。請求項12に記載の発明は、請
求項1ないし11のいずれかに記載の発明に適用される
ものであって、基準パターンが印字される印字領域と比
較パターンが印字される印字領域とが、印字ヘッドの移
動方向に延びる境界を介して位置されていることを特徴
としている。
【0033】このような態様で2つの印字領域が配置さ
れたとき、基準パターンと比較パターンとの比較は、行
方向を横に向けて目視するならば、上下での比較とな
る。請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12の
いずれかに記載の発明に適用されるものであって、基準
パターンが印字される印字領域と比較パターンが印字さ
れる印字領域とが、印字ヘッドの移動方向に並ぶように
位置されていることを特徴としている。
【0034】このような態様で2つの印字領域が配置さ
れたとき、基準パターンと比較パターンとの比較は、行
方向を横に向けて目視するならば、左右での比較とな
る。なお、請求項13に記載の発明が、請求項12に記
載の発明にも適用されることから、これら請求項13お
よび請求項12にそれぞれ記載された技術的特徴を組み
合わせることもできる。この場合には、基準パターンが
印字される印字領域と基準パターンが印字される印字領
域とが、印字ヘッドの移動方向に並ぶとともに、この移
動方向と直交する方向にも並ぶように配置されることに
なる。
【0035】この発明は、また、上述のような印字位置
適否判定方法を実施する印字装置にも向けられる。請求
項14に記載の発明は、往復移動する印字ヘッドが往復
双方向において印字する印字装置に向けられるものであ
って、印字位置適否判定用の印字実行が指示されたと
き、印字ヘッドの移動方向に延びる境界を介して位置す
る記録紙上の2つの印字領域のうち、一方の印字領域に
は、印字ヘッドの片方向移動に従って基準パターンを印
字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの双方向移動に
従って基準パターンと同じパターンとなるべき比較パタ
ーンを印字する印字手段を備えることを特徴としてい
る。
【0036】このような印字手段を備える印字装置によ
れば、印字位置適否判定用の印字実行が指示されたこと
に応答して、請求項1に記載のような印字工程が実施さ
れる。請求項15に記載の発明は、往復移動する印字ヘ
ッドが往復双方向において印字する印字装置に向けられ
るものであって、印字位置適否判定用の印字実行が指示
されたとき、印字ヘッドの移動方向に延びる境界を介し
て位置する記録紙上の2つの印字領域のうち、一方の印
字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従って基準パタ
ーンを印字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの双方
向移動に従って基準パターンと同じパターンとなるべき
比較パターンを印字するとともに、これら基準パターン
および比較パターンを、印字ヘッドによる記録紙上への
往方向での印字と復方向での印字との相対的位置関係を
徐々に変えながら複数組印字する印字手段を備えること
を特徴としている。
【0037】このような印字手段を備える印字装置によ
れば、印字位置適否判定用の印字実行が指示されたこと
に応答して、請求項2に記載のような印字工程が実施さ
れる。請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の
発明に適用されるものであって、印字手段は、複数組の
基準パターンおよび比較パターンに対応させてそれらの
組を相互に区別するための識別記号を印字するように構
成され、さらに、複数組の基準パターンおよび比較パタ
ーンの識別記号に対応する値が指定されると、その値に
基づいて印字ヘッドの往復双方向での印字位置を補正す
るための補正手段を備えることを特徴としている。
【0038】このような構成によれば、複数組の基準パ
ターンおよび比較パターンのうち、選択すべき組を識別
記号によって区別することができるとともに、補正手段
によって補正された後は、この補正に係る印字位置をも
って以後の印字が実施されることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】まず、この発明に係る印字位置適
否判定方法が適用され得る印字装置の一例として、図1
6に主要部を示したインクジェット印字装置11につい
て説明する。インクジェット印字装置11は、想像線で
示した本体カバー12を備え、本体カバー12内には、
本体フレーム13が配置されている。また、この印字装
置11は、基本的な構成として、プラテン14と、キャ
リッジ15を駆動するためのキャリッジ駆動機構16
と、インクカートリッジ17に収容した記録用のインク
を記録紙18に向かって噴射するインク噴射機構19と
を備え、これら要素は、本体フレーム13によって直接
または間接に保持されている。
【0040】プラテン14は、その両端部において、本
体フレーム13に回転可能に支持されている。プラテン
14の図16による左側端部には、プラテンギヤ20が
取り付けられ、このプラテンギヤ20には、図示しない
ギヤ列を介してフィードモータの回転が与えられ、それ
によって、プラテン14が記録紙18を所定の方向へ送
るように回転される。
【0041】キャリッジ15は、プラテン14により近
い側において、ガイドロッド21によって保持され、か
つ、プラテン14からより遠い側において、ガイドレー
ル22によって保持され、それによって、プラテン14
の軸線方向に移動可能とされる。ガイドロッド21は、
本体フレーム13によって支持され、ガイドレール22
は、本体フレーム13の一部として形成されている。
【0042】キャリッジ15の下面側において、エンド
レスベルト23の所定の部位がキャリッジ15に固定さ
れる。エンドレスベルト23は、ガイドロッド21およ
びガイドレール22と平行に延びるように、本体フレー
ム13の両側端部に配置されたプーリ24および25の
間に掛け渡される。一方のプーリ25は、たとえばステ
ッピングモータからなるキャリッジ駆動モータ26の駆
動軸上に取り付けられている。したがって、キャリッジ
駆動モータ26の駆動により、プーリ25およびエンド
レスベルト23を介して、キャリッジ15が、ガイドロ
ッド21およびガイドレール22に沿って、所望の方向
に往復移動されることができる。
【0043】このようなキャリッジ15には、印字ヘッ
ド27が搭載されている。印字ヘッド27は、インクカ
ートリッジ17から供給されたインクを収容するインク
室(図示せず。)の容積を圧電素子等で変化させること
により、このインク室内のインクをノズルから記録紙1
8に向かって噴射させて印字を行なう、インクジェット
ヘッドである。このような印字ヘッド27は、当初から
液体のインクを扱うインクジェットヘッドであっても、
固形のインクペレットを加熱して溶融させて液状のイン
クとするホットメルトタイプのインクジェットヘッドで
あってもよい。
【0044】キャリッジ15の移動経路に沿って、エン
コーダスケール28が配置される。エンコーダスケール
28には、図示しないが、光学的に読み取り可能なスリ
ットが、たとえば1インチあたり90個の密度で、その
長手方向に分布するように設けられている。他方、キャ
リッジ15には、エンコーダスケール28上のスリット
を読み取って、キャリッジ15の速度に対応するエンコ
ーダ信号、すなわち、スリット間の間隔に対応するパル
ス周期であって、スリットの数に対応するパルス数のエ
ンコーダ信号を発生するエンコーダ素子29(図18参
照)が設けられている。このエンコーダ素子29は、た
とえば、2組の発光素子および受光素子からなるフォト
カプラを備え、2個の発光素子間および2個の受光素子
間において、互いの位相が3/4周期ずらされていて、
2個の受光素子から出力されるパルスの位相差によっ
て、キャリッジ15の移動方向を検出できるように構成
されている。
【0045】図17には、インクジェット印字装置11
の制御系がブロック図で示されている。図17に示すよ
うに、CPU30は、データバスやアドレスバス等のバ
ス304を介して、外部の電子機器200との間で種々
のデータの授受を行なうための通信インターフェース部
100、LCDの表示やLEDの表示ランプ等からなる
表示部102と入力スイッチ103からなる操作パネル
101、印字や画像の読み取りにかかわるモータ類を駆
動する駆動回路34、印字ヘッドを駆動する印字ヘッド
駆動回路35、エンコーダ素子29からの信号に基づい
て各種のタイミングを発生させるタイミングパルス発生
装置310、印刷物等の原稿をCCD等の光電変換装置
によって読み取る画像読み取り部400や後述するRO
M301、RAM302、不揮発性メモリ(RAM)3
03等の各部と接続されている。
【0046】ROM301には、外部の電子機器200
から画像データや制御データを受信する受信制御プログ
ラム、作成した記録データに基づいてフィードモータ2
61の紙送り駆動回路341やキャリッジモータ262
のキャリッジ駆動回路342や印字ヘッド駆動回路35
を駆動制御するヘッド制御プログラム、操作パネル10
1への表示や入力を制御するプログラム、画像読み取り
部400を制御し、画像データを取り込むプログラム、
画像データの印刷制御を行なう印刷制御プログラムや、
本案特有の印字タイミング補正のための印刷および補正
量の更新等を行なうプログラムや本案特有の判定パター
ンデータ、補正量テーブル36(図20)等を記憶して
いる。
【0047】また、RAM302には、外部電子機器2
00から受信した画像データや制御データ等や、画像読
み取り部400に読み取られた画像データを格納するた
めのバッファや、印刷制御を行なうための各種のメモリ
やバッファや、本案の種々の処理を実行するための一時
記憶としてのワークエリアが設定されている。さらに、
不揮発性メモリ303には、装置本体の電源をオフした
後も記憶しておきたい各種設定値、たとえば、補正量メ
モリ360等のエリアが設定され、種々の値が記憶され
ている。
【0048】図18には、図17で示した制御系の一部
がさらに詳細に示されている。図17に示したタイミン
グパルス発生装置310は、ゲートアレイ31として構
成されている。ゲートアレイ31は、エンコーダ素子2
9から出力されたエンコーダ信号の立ち上がりエッジを
検出するとともに、その検出タイミングで基準パルスを
発生するエッジ検出回路32と、このエッジ検出回路3
2から出力された基準パルスに基づいて印字タイミング
信号を発生する印字タイミング発生回路33とから構成
されている。
【0049】CPU30は、印字タイミング発生回路3
3から出力された速度データ(エンコーダ信号のパルス
幅のカウント値)を入力として受け、キャリッジ15の
移動速度を規定する、キャリッジ駆動モータ26のため
のモータ駆動回路34へ与えられるべき駆動信号のパル
ス幅の演算を行なう。また、CPU30は、エッジ検出
回路32から出力された位置制御用パルス(基準パル
ス)を入力として受け、キャリッジ15の現在位置の演
算を行なう。さらに、CPU30は、後述するディレイ
カウント値や印字スタート信号の許可、出力パルス選択
信号の指定等を行なうデータをゲートアレイ31内のレ
ジスタ331に書き込む。
【0050】印字タイミング発生回路33から出力され
たタイミングパルスとしての印字タイミング信号は、印
字ヘッド駆動回路35に入力される。印字ヘッド駆動回
路35は、この印字タイミング信号が与えるタイミング
に従って、CPU30により与えられる印字データに基
づいて印字ヘッド27を動作させるために必要なパルス
幅および電圧条件を満たす印字ヘッド駆動パルスを発生
する。印字ヘッド27は、この印字ヘッド駆動パルスを
受けて、所望のタイミングでインクを記録紙18(図1
6)へ噴射する。
【0051】図19には、図18に示した制御系におい
て用いられる信号のタイミング図が示されている。図1
9を参照して、エンコーダ信号は、前述したように、図
18に示したエンコーダ素子29から出力されるもので
あって、キャリッジ15の移動速度に相当する周期を有
している。エッジ検出回路32は、このエンコーダ信号
の立ち上がりエッジを検出し、その検出タイミングで基
準パルスを発生する。
【0052】印字タイミング信号は、前述したように、
印字タイミング発生回路33から出力されるものである
が、この印字タイミング信号は、印字タイミング発生回
路33において次のようにして発生される。まず、印字
タイミング発生回路33は、基準パルスの立ち上がりか
ら次の立ち上がりまでの間、すなわち基準パルスの1周
期ごとに、たとえば16個の内部パルスを発生する内部
パルス発生回路332を備えている。この内部パルスを
そのまま印字タイミング信号として用いると、最大90
dpi×16=1440dpiの解像度の印字が可能と
なる。また、このような内部パルスの発生により、CP
U30は、基準パルスの発生タイミングよりも短いタイ
ミングでキャリッジ15の位置を認識できるようにな
る。
【0053】印字タイミング発生回路33は、また、内
部パルスを所定数カウントするごとに1個の印字タイミ
ング信号を発生させるように制御する出力パルス制御回
路333を備えている。図19では、この出力パルス制
御回路333は、内部パルスを2個カウントするごと
(t5,t6,…)に1個の印字タイミング信号を発生
している。すなわち、出力パルス制御回路333は、1
440dpi÷2=720dpiの解像度となる印字タ
イミング信号を出力していることになる。なお、この出
力パルス制御回路333は、適宜の選択信号の入力によ
り、印字タイミング信号の発生頻度を規定する内部パル
スの個数を変更できるようにされていてもよい。
【0054】印字タイミング発生回路33は、また、内
部パルスをカウントして、所定のカウント値をカウント
した後に、印字タイミング信号を印字ヘッド駆動回路3
5に与えるように機能するディレイカウンタ334を備
えている。すなわち、このディレイカウンタ334は、
印字の開始を指示するスタート信号がハイレベルになっ
た時点(t3)の後、最初の基準パルスが入力された時
(t4)から、予め設定されたディレイカウント値(図
19ではディレイカウント値は7)のカウントダウンを
行ない、このカウントダウンが終わった時(t5)に、
印字タイミング信号を印字ヘッド駆動回路35に与える
ように機能する。
【0055】上述したディレイカウンタ334に設定さ
れるディレイカウント値は、それを増減させることによ
り、印字の開始を指示するスタート信号がハイレベルに
なった時点(t3)の後、最初のエンコーダ信号の立ち
上がり時すなわち基準パルスの発生時(t4)から、最
初の印字タイミング信号の発生時(t5)までの時間間
隔を変更することができる。したがって、このような時
間間隔の変更を印字ヘッド27の往復移動の各方向につ
いて行なうことにより、印字ヘッド27の往方向での印
字と復方向での印字との相対的位置関係のずれを補正す
ることができる。この実施形態では、内部パルスの1周
期単位、すなわち1440dpiの解像度で補正するこ
とができる。
【0056】不揮発性メモリ303は、上述のように相
対的位置関係の補正のために増減されるディレイカウン
ト値を記憶するための補正量メモリ360を備えてい
る。また、ROM301には、後述する印字位置適否判
定用の印字を行なうための判定用パターンデータと、複
数の判定用パターンを区別するための識別番号に対応し
て、ディレイカウント値を記憶している補正量テーブル
36(図20)とを備えている。補正量テーブル36の
詳細については、後述する。
【0057】以上のような背景の下、この発明の一実施
形態による印字位置適否判定方法について以下に説明す
る。図1は、この発明の実施形態による印字位置適否判
定方法に従って所定の記録紙上に印字された判定用パタ
ーンを図解的に示している。判定用パターンは、1枚の
記録紙上に順次改行されて印字された、No.1からN
o.9までの9種類の判定用パターンからなり、これら
判定用パターンは、後述する説明から明らかになるよう
に、印字ヘッドの往方向での印字と復方向での印字との
相対的位置関係を徐々に変えながら印字して得られたも
のである。また、図1において、「No.1」ないし
「No.9」は、複数の判定用パターンを相互に区別す
るための識別記号(識別番号)として機能しており、判
定用パターンの印字工程において、各判定用パターンの
位置に対応させて印字される。
【0058】各判定用パターンは、印字ヘッドによる1
行分の印字範囲内に入っており、縦罫線を基本とする罫
線パターン部41と複数のドットを分布させたドットパ
ターン部42とからなり、罫線パターン部41は、ドッ
トパターン部42の両側に形成されている。図1の部分
II、III、IVおよびVがそれぞれ拡大されて、図
2、図3、図4および図5に示されている。図2等に
は、ドットマトリックス形式で印字ヘッドから噴射され
たインクによって印字されたドットが示されている。
【0059】各判定用パターンにおいて、罫線パターン
部41およびドットパターン部42のいずれもが、印字
ヘッドの移動方向に延びる境界を介して位置する第1お
よび第2の印字領域43および44に区分される。な
お、上述の境界は、ドットパターン部42においては、
行方向に延びるように印字された境界線45によって表
示されているが、罫線パターン部41においては、特に
印字によって表示するようなことをしていない。
【0060】罫線パターン部41において、第1の印字
領域43には、印字ヘッドの双方向移動に従って比較パ
ターン46が印字され、第2の印字領域44には、印字
ヘッドの片方向移動に従って基準パターン47が印字さ
れる。図6を参照してより具体的に説明すると、まず、
図6(1)に示すように、印字ヘッドの往方向48の移
動に従って、第1の印字領域43には、比較パターン4
6となるべき複数のドット46aが印字され、同時に、
第2の印字領域44には、基準パターン47を構成する
複数のドット47aが印字される。
【0061】次に、改行させることなく、図6(2)に
示すように、印字ヘッドの復方向49の移動に従って、
第1の印字領域43には、比較パターン46となるべき
複数のドット46bが印字される。なお、図6(2)に
おいて、○は図6(1)に示した往方向48での印字に
よるドット46aまたは47aを示している。図6
(2)に示した比較パターン46は、往方向48での印
字ドット46aと復方向49での印字ドット46bとが
ずれて図示されているが、往方向48での印字と復方向
49での印字との相対的位置関係が最適であるときに
は、これら印字ドット46aと印字ドット46bとは互
いに完全に重なるようになる。
【0062】図2には、比較パターン46において、往
方向48での印字ドット46aと復方向49での印字ド
ット46bとが互いに完全に重なった状態が示され、こ
の状態にあるときには、比較パターン46は基準パター
ン47と同じパターンとなり、これら基準パターン47
および比較パターン46の双方によって一連のかつ一様
な太さの縦罫線が与えられる。
【0063】他方、図3には、比較パターン46におい
て、往方向48での印字ドット46aと復方向49での
印字ドット46bとがずれた状態が示されている。この
状態は、往方向48での印字と復方向49での印字との
相対的位置関係が不適正であるときに生じるものであ
り、この状態にあるときは、基準パターン47および比
較パターン46の双方によって与えられた一連の縦罫線
は、比較パターン46の部分において、二重の線として
現れたり、より太くされたりする。
【0064】他方、ドットパターン部42においては、
第1の印字領域43に、印字ヘッドの片方向移動に従っ
て基準パターン50が印字され、第2の印字領域44
に、印字ヘッドの双方向移動に従って比較パターン51
が印字される。図7を参照してより具体的に説明する
と、まず、図7(1)に示すように、印字ヘッドの往方
向48の移動に従って、第1の印字領域43には、基準
パターン50を構成する複数のドット50aが印字さ
れ、同時に、第2の印字領域44には、比較パターン5
1の一部を構成する複数の第1グループのドット51a
が印字される。
【0065】次に、改行させることなく、図7(2)に
示すように、印字ヘッドの復方向49の移動に従って、
第2の印字領域44には、比較パターン51の残部を構
成する複数の第2グループのドット51bが、往方向4
8での印字による第1グループのドット51aの間に位
置するように印字される。なお、図7(2)において、
○は図7(1)に示した往方向48での印字によるドッ
ト50aまたは51aを示している。
【0066】図4には、基準パターン50と比較パター
ン51とが全く同じ表示を与えている状態が示され、こ
の状態にあるときには、これら基準パターン47および
比較パターン46は、双方とも一様な薄い灰色の表示を
与え、かつ、これら表示は、互いに同一の濃度または模
様を有している。この状態は、往方向48での印字と復
方向49での印字との相対的位置関係が最適であるとき
に生じる。
【0067】他方、図5には、比較パターン51が基準
パターン50とは異なる表示を与えている状態が示され
ている。この状態は、往方向48での印字と復方向49
での印字との相対的位置関係が不適正であるときに生じ
るものであり、この状態にあるときは、比較パターン5
1において、基準パターン50とは異なるドット分布が
もたらされている。すなわち、図5において、第2の印
字領域44には、+が図示されているが、これら+は、
上述の相対的位置関係が最適であるときの第2グループ
のドット51bが位置されるべき位置を示している。図
5からわかるように、第2グルーブのドット51bは、
+の位置からずれて位置されている。したがって、図5
に示すように、第2グループのドット51bがずれたと
きには、比較パターン51には、基準パターン50とは
異なる濃度または模様が現れ、典型的には、縦縞が現れ
ることがある。
【0068】図8には、図1に示した判定用パターンの
印字ステップおよびその結果からの往方向印字と復方向
印字との相対的位置関係の調整のためのステップが、フ
ロー図で示されている。このフロー図で示されるステッ
プは、たとえばオペレータが、インクジェット印字装置
11に備える操作パネル101の入力スイッチ103に
より、印字ヘッドの往方向での印字と復方向での印字と
の相対的位置関係の適否を判定するための印字モードの
実行を指示するための操作を行なうことによりスタート
する。
【0069】前述したように、図1に示した判定用パタ
ーンNo.1ないしNo.9は、印字ヘッドの往方向で
の印字と復方向での印字との相対的位置関係を徐々に変
えながら印字して得られたものである。この相対的位置
関係を変えるため、前述した印字タイミング発生回路3
3(図18)に備えるディレイカウンタに設定されるデ
ィレイカウント値を増減することが行なわれる。
【0070】したがって、図8に示したステップS1な
いしS9における判定用パターンの印字に際しては、図
20に示した補正量テーブル36から識別記号No.1
ないしNo.9のそれぞれに対応する補正量(図19に
示した内部パルス数に相当する。)+4ないし−4を順
次読み出し、現在、不揮発性メモリ303の補正量メモ
リ360に記憶されているディレイカウント値、すなわ
ち現在の補正値に対して、これら補正量をそれぞれ加算
することによって増減したものを印字タイミング発生回
路33のディレイカウンタ334に与えながら、順次、
ROM301の判定用パターンデータに基づいて判定用
パターンを印字することが行なわれる。
【0071】これに限らず、補正量テーブルを参照する
ことなく、所定の内部パルス数の範囲内で規則的に変化
させる方法など種々ある。この印字モードのスタートに
より、ステップS1において、現在の補正値+4の補正
値で判定用パターンが印字される。これによって、図1
に示したNo.1の判定用パターンが得られる。
【0072】次に、ステップS2において、現在の補正
値+3の補正値で図1に示したNo.2の判定用パター
ンが印字される。次に、ステップS3において、現在の
補正値+2の補正値で図1に示したNo.3の判定用パ
ターンが印字される。次に、ステップS4において、現
在の補正値+1の補正値で図1に示したNo.4の判定
用パターンが印字される。
【0073】次に、ステップS5において、現在の補正
値のままで図1に示したNo.5の判定用パターンが印
字される。次に、ステップS6において、現在の補正値
−1の補正値で図1に示したNo.6の判定用パターン
が印字される。次に、ステップS7において、現在の補
正値−2の補正値で図1に示したNo.7の判定用パタ
ーンが印字される。
【0074】次に、ステップS8において、現在の補正
値−3の補正値で図1に示したNo.8の判定用パター
ンが印字される。次に、ステップS9において、現在の
補正値−4の補正値で図1に示したNo.9の判定用パ
ターンが印字される。なお、さらに広範囲の補正値でさ
らに多くの判定用パターンを印字するようにしてもよ
く、逆に、より少ない判定用パターンしか印字しないよ
うにしてもよい。
【0075】次に、ステップS10において、最適の補
正値の選択が行なわれ、その番号、すなわち、No.1
ないしNo.9のいずれかがオペレータによって操作パ
ネル101の入力スイッチ103をもって入力される。
この最適の補正値の選択にあたっては、図1に示したN
o.1ないしNo.9の判定用パターンを目視すること
が行なわれる。
【0076】より具体的には、まず、各判定用パターン
における罫線パターン部41を目視し、比較パターン4
6および基準パターン47からなる各縦罫線が1本の一
様な太さの直線となっているものを選ぶ。なお、この実
施形態では、No.3がこれに該当するのであるが、実
際には、たとえばNo.2またはNo.4のものも、目
視上、No.3とほとんど区別がつかないため、オペレ
ータは迷うことになる。往方向印字と復方向印字との相
対的位置関係に関して精度がそれほど高く要求されない
場合には、これらNo.2ないしNo.4のいずれを選
択してもよいが、より高精度が要求される場合には、次
に、ドットパターン部42を目視することが行なわれ
る。
【0077】ドットパターン部42の目視にあたって
は、特に、No.2ないしNo.4付近を目視し、基準
パターン50と比較パターン51とが同一の表示を与え
ているものを選ぶ。この実施形態では、No.3がこれ
に該当する。このようにして、ステップS10におい
て、最適の補正値の番号No.3が選択され、これがオ
ペレータによって指定される。
【0078】このように指定されたとき、ステップS1
1において、この選択された番号No.3に対応する補
正値が、現在、補正量メモリ360に記憶されている補
正量に加えられ、新たな補正量として補正量メモリ36
0に記憶され、ディレイカウンタ334にも設定され、
この補正値に基づいて印字ヘッドの往復双方向での印字
位置が補正される。そして、この補正量メモリ360に
記憶された補正量が、今後の印字に際しての印字開始タ
イミングの基準となる。
【0079】以上のような実施形態では、往方向印字と
復方向印字との相対的位置関係の適否を判定するため、
罫線パターン部41およびドットパターン部42のいず
れにおいても、比較パターン46または51と基準パタ
ーン47または50との相対比較することが行なわれ
る。人間の目は、絶対的な判断よりも相対比較をする方
がより細かい判定ができるため、この点において、この
実施形態によれば、より正確なかつ信頼性の高い判定が
可能であると言える。
【0080】このことに関して、上述の実施形態では、
比較パターン46または基準パターン50が印字される
第1の印字領域43と基準パターン47または比較パタ
ーン51が印字される第2の印字領域44とが、スペー
スを隔てることなく、互いに隣接して位置されているの
で、比較パターン46および51と基準パターン47お
よび50との各比較を狭い視野内で行なうことができ、
このことも、相対比較を容易にし、正確な判定を可能に
することに寄与する。
【0081】また、判定にあたり、罫線パターン部41
とドットパターン部42とを併用しているので、それぞ
れの特性を生かすことができ、この点においても、より
正確な、かつ誤りのない判定を行なうことができる。こ
の実施形態では、前述したように、まず罫線パターン部
41の目視により概略的な判定を行ない、次いでドット
パターン部42の目視により最終的な判定を行なった
が、これには次のような意義がある。すなわち、ドット
パターン部42の比較パターン51は、第1グループの
ドットと第2グループのドットとの間でのずれが大きく
なり、それがある特定の大きさになると、基準パターン
50と等しい表示を与えるときがある。したがって、ド
ットパターン部42のみを目視するときには、この状態
を最適であると誤って判定することがあり得る。これに
対して、罫線パターン部41においては、このような不
都合は通常生じないので、まず罫線パターン部41の目
視により概略的な判定を行なうことに意義がある。
【0082】また、この実施形態によれば、上述したよ
うな罫線パターン部41とドットパターン部42とが、
各判定用パターンについて、1行の範囲内におさめられ
ているので、印字面積の節約を図ることができ、したが
って記録紙の節約を図ることができる。また、多数の判
定用パターンを1枚の記録紙上に印字することができ
る。
【0083】また、この実施形態によれば、複数の判定
用パターンが、改行しながら1枚の記録紙上に印字され
るので、各判定用パターン間での目視による比較が容易
である。また、この実施形態における罫線パターン部4
1にある比較パターン46は、相対的位置関係が不適正
であるとき、基準パターン47に比べて太いか、二重の
線をもって印字されることになるので、両者の比較を容
易に行なうことができる。しかも、この実施形態では、
基準パターン47および比較パターン46が、双方によ
って一連の縦罫線を与えるべきものとされているので、
相対的位置関係が適正であるときには、基準パターン4
7および比較パターン46の双方によって一様な太さの
縦罫線が現れ、他方、相対的位置関係が不適正であると
きには、縦罫線のうち、比較パターン46に相当する部
分においてのみ、太く現れたり、二重の線が現れたりす
るので、相対的位置関係の適否の判定を容易かつ誤りな
く行なうことができる。
【0084】また、この実施形態におけるドットパター
ン部42にある基準パターン50および比較パターン5
1は、それぞれ、複数のドットを分布させたもので構成
されるので、これら基準パターン50と比較パターン5
1との比較は、所定の面積をもった面上での表示全体の
比較になるので、視覚による判定を精度高く行なうこと
ができる。また、このように所定の面積をもった面上で
の表示全体で基準パターン50と比較パターン51とを
比較するので、印字ヘッドの移動速度に変動が生じた場
合であっても、困難なく判定することができる。
【0085】また、この実施形態によれば、印字工程に
おいて、印字ヘッドの一方向移動に従って、基準パター
ン47および50と比較パターン46および51の各一
部とが印字され、印字ヘッドの他方向移動に従って、比
較パターン46および51の残部が印字されるので、印
字ヘッドの1回の往復移動により、基準パターン47お
よび50と比較パターン46および51との双方を印字
することができる。したがって、印字位置適否判定のた
めの印字を能率的に行なうことができる。
【0086】また、この実施形態において、印字ヘッド
がその移動方向に対して傾いている場合には、罫線パタ
ーン部41においては、図10に示すように、比較パタ
ーン46および基準パターン47が行方向に対して傾い
て印字されることがある。しかしながら、この実施形態
によれば、上述の場合であっても、比較パターン46と
基準パターン47とは同じ方向に同じ角度で傾き、かつ
比較パターン46における往方向印字による罫線52と
復方向印字による罫線53とも同じ方向に同じ角度で傾
くだけである。
【0087】したがって、比較パターン46と基準パタ
ーン47との比較に何ら支障を来すことはなく、上述の
ように印字ヘッドが傾かない場合と同様に、これら比較
パターン46と基準パターン47との比較を行なうこと
ができる。また、この実施形態において、印字ヘッドの
ヘッド面と記録面とが平行でない場合には、罫線パター
ン部41において、比較パターン46の往方向印字によ
る罫線52と復方向印字による罫線53とが互いに逆方
向に傾くので、図11に示すように、比較パターン46
がV字状に印字され、そのため、比較パターン46と基
準パターン47とによってy字型のパターンを形成する
ことがある。しかしながら、この場合であっても、上下
の比較パターン46と基準パターン47との線の太さ等
を比較することは不可能ではなく、したがって、適正な
調整値を選択することが可能である。
【0088】なお、図10および図11に示した各状態
は、説明の便宜上、比較的極端に図示したものであり、
実際には、図10に示したほど、比較パターン46およ
び基準パターン47が傾いたり、図11に示したほど、
y字型が明確に現れることはない。したがって、たとえ
ば図11に示した態様で比較パターン46および基準パ
ターン47が印字されても、図11に示すほど、y字の
上端が極端に開くことがなく、上述したような上下の比
較パターン46と基準パターン47との線の太さ等を比
較することは決して不可能ではない。仮に、図11に示
すほど、y字の上端が極端に開くことがあれば、それ
は、全くの不良品であって、印字位置調整以前の問題で
あり、実際の製品レベルではあり得ない。
【0089】この実施の形態においては、インクジェッ
ト印字装置11に備えられている操作パネル101に設
けられた入力スイッチ103をオペレータが操作するこ
とにより、ROM301内に格納された判定用パターン
データや補正量の増減を表すデータを用いて、判定用パ
ターンの印字を行ない、その後の適当な補正値を指示す
るための入力を行なわせているが、これに限らず、次の
ようにしてもよい。
【0090】たとえば、図17に示す通信インターフェ
ース100によってデータの授受が可能となっている外
部電子機器200を用いることで、オペレータは、上述
のような判定用パターンの印字指示や判定用パターンデ
ータの転送および補正量の指示を行なうようにしてもよ
い。この場合も、種々の変形例が考えられるが、外部電
子機器200として、パーソナルコンピュータ(以後、
PCと呼ぶ。)を例にする。
【0091】PC上には、一般的に知られるように、そ
の装置に接続されている装置にデータを送ったり、制御
したりする機能を持つドライバと呼ばれるソフトウェア
が動かされている。このドライバは、プリンタを利用す
る場合であるならば、そのプリンタにPC上で実行して
いる種々のアプリケーションによって作成されたデータ
を印刷できる形のデータに変換して送信したり、そのプ
リンタの持つ種々の機能をプリンタ本体から離れた所か
らリモート制御するための制御コードを送信したりす
る。
【0092】本実施の形態においても、オペレータは、
このようなPC上のドライバ(プリンタドライバ)を用
いて判定用パターンの印刷やその後の補正量の入力を行
なってもよいわけである。この場合、概略、以下の操作
を行なうことになる。まず、オペレータは、PC上でド
ライバを起動させ、そのプリンタドライバでプリンタ設
定画面を選択し、その中から印字タイミング補正の項目
を選択し、実行させる。
【0093】すると、プリンタドライバは、まず、印字
タイミング補正モードに入ることをプリンタすなわちイ
ンクジェット印字装置11に指示するために専用の制御
コマンドを送る。引き続き、PCの記憶部に記憶されて
いる判定用パターンデータとそのパターンをキャリッジ
の往復に際して所定量印字タイミングをずらすことを指
示する制御コードを、その時のずれ量を示すデータと対
応する識別記号の印字データと合わせて、必要な回数、
そのずれ量を変えながインクジェット印字装置11に送
る。
【0094】インクジェット印字装置11では、それら
のデータを受信して、図8のフローで示したのと同様
に、印刷を実行し、補正量の指示を待つ。このとき、プ
リンタドライバでは、判定用パターン等のデータの送信
を終え、補正量に対応する番号の入力を受け付ける画面
表示となっている。オペレータは、印刷された判定用パ
ターンに基づき、最適なものを選択し、その識別記号を
この画面の所定位置に入力する。このとき、プリンタド
ライバでは、許容される入力値の範囲に基づいて、入力
値のチェックを行なう。入力値が範囲外にある場合に
は、エラーを表示し、再度、入力を促す。
【0095】入力値が所定範囲内であるならば、プリン
タドライバは、インクジェット印字装置11に対して、
識別記号に対応する値と、その値に基づいて、現在設定
されている補正量メモリの更新とディレイカウンタの再
設定とを指示する制御コマンドを送り、この印字タイミ
ング補正モードを終了する。インクジェット印字装置1
1では、この制御コードを受信し、前述と同様に、補正
量メモリの更新と、ディレイカウンタの再設定とを行な
い、印字タイミング補正モードを終了し、以後の印字に
備える。
【0096】また、上述の説明においては、判定用パタ
ーンをオペレータの目視によって行なうことを示した
が、これに限るわけではない。最近、外部電子機器から
与えられた印刷データを印刷する機能だけでなく、印刷
装置に画像読み取り装置(イメージスキャナ)を備え
て、コピー機能やイメージ読み取り機能を兼ね備えさせ
た装置がある。本実施の形態のインクジェット印字装置
11も、図17のブロック図で示すように、画像読み取
り部400を備えている。この画像読み取り部400
が、印字ヘッド等によって決まる印字部での解像度相当
の解像度を持っていれば、上述のように、まず、罫線パ
ターン部41により概略的な判定を行ない、次いで、ド
ットパターン部42により最終的な判定を行なうという
判定作業を自動化できる。
【0097】以下に、この画像読み取り部400を用い
た自動判定処理を、図9のフロー図に基づいて説明す
る。このフロー図によって示す処理は、上述のように、
判定用パターンの印刷に引き続き、印刷を行なった装置
に備えられた画像読み取り部400で行なう処理であ
る。
【0098】まず、オペレータは、通常の画像読み取り
動作でないことを示し、判定モードに入ることを示す設
定を操作パネル101の入力スイッチ103で行ない
(S20)、判定用パターンが印刷された用紙を画像読
み取り部400に挿入して(S22)、判定用パターン
の読み取りを行なう。画像読み取り部400では、CP
U30の制御の下、識別番号毎に印字されたパターンを
読み取り、後から識別番号毎に読み出し可能な形でRA
M302に記憶する(S24)。このとき、識別番号に
はバーコードによる表記も併記されており、CPU30
がパターンとの対応付けが容易となるようになってい
る。
【0099】次に、読み込んだ各々の識別番号毎の判定
用パターンについて、その比較パターン部と基準パター
ン部についての比較を行なう。まず、第1のパターン部
について第1の比較基準に基づいて判定する。たとえ
ば、罫線パターン部について上下のパターンの走査方向
でのずれに着目して、その差分(平均値)を求めること
を、すべての識別記号に対応するパターンについて実施
し、その差分を評価する(S26)。
【0100】差分の中に、他の差分と比較して、明らか
に最低となるもの、すなわち2つ以上の差分が所定範囲
内にない場合は(S28でYES)、その差分を持つ識
別番号のものが最適のものであると判断して、補正量の
設定処理に移る。もし、最適のものが存在しない場合は
(S28でNO)、所定範囲内のずれ量を持つものを選
択して(S30)、第2のパターン部について判定を行
なう(S32)。
【0101】このとき、上記第1の比較基準とは別の第
2の比較基準で比較を行なってもよい。たとえば、ドッ
トパターン部42は、ずれ量を検出するよりも、比較パ
ターン部と基準パターン部との濃度差を比較するのに適
したパターンとなっている。一般的に、印刷されたドッ
トは1と0で表されるドットの印字と非印字が同じサイ
ズや形状になるような理想的なものにはならず、印字し
たものがある一定の広がりを持ってしまう傾向がある。
そのため、単位面積当たりに同じドット数の印字を行な
っても、ドットを印字する場所(ドット間距離)、すな
わち、複数のドットの近接状態によっては、互いの広が
りが規制し合って、濃度に違いが発生する。本実施の形
態のドットパターン部42は、このドットを印字すると
きのこのような特性を加味して、各判定用パターン毎に
印字タイミングを少しずらし、印字されるドット間に多
少のゆらぎを設けてあるわけである。
【0102】それに対し、画像読み取り部400は、入
力された光信号をデジタル値に変換するA/Dコンバー
タを備えており、その分解能に応じて、読み取った値が
ドット当たり複数レベルの情報を持つグレー信号として
入力することができるものである。そこで、判定用パタ
ーン読み取り時に、グレー信号として、各パターンをR
AM302に読み取っておき、ドットパターン部42の
比較に際しては、各比較パターンと基準パターンとの所
定エリアの平均濃度を求めることを行なってもよい。
【0103】このようにして、第2のパターン部におい
ても、比較パターン部と基準パターン部との差分に基づ
く比較を行ない(S32)、第1のパターン部と同様
に、最適なものを判定する。ここで、すべての差分が所
定範囲内に入ってしまい、最適なものが選定できない場
合は(S34でNO)、現在の補正量を不揮発性メモリ
303内の補正量メモリより読み出し、その値に近いも
のの1つを選択する。
【0104】このようにして選択された識別番号に応じ
て、補正量メモリを更新し、ディレイカウンタを再設定
して(S38)、印字タイミング補正処理モードを終え
(S40)、通常の待機状態に戻る。また、上記S38
のステップにおいて、更新すべき補正量を示す識別番号
を操作パネル101上の表示部102に表示し、オペレ
ータに確認させ、その後の入力スイッチ103での確認
指示によって更新処理を行なうようにしてもよい。
【0105】さらに、上述のフローのS26やS32の
各ステップにおいて、比較の基準となるパターンも、イ
メージスキャナ部で読み取った値を用いたが、それに限
らず、インクジェット印字装置11内にパターンの印字
に使用するために保持しているパターンデータを基準と
して用いてもよい。また、ドットパターン部42の比較
によって、候補を絞り、罫線パターン部41で決定する
という順にしてもよい。
【0106】図12は、この発明の他の実施形態を説明
するためのもので、前述した実施形態における罫線パタ
ーン部41に相当する罫線パターン部61を拡大して示
している。この実施形態においても、第1の印字領域4
3には、印字ヘッドの双方向移動に従って比較パターン
62が印字され、第2の印字領域44には、印字ヘッド
の片方向移動に従って基準パターン63が印字される。
この実施形態の特徴となるのは、基準パターン63の印
字においては、印字ヘッドの片方向移動に従って互いに
異なる第1の色と第2の色とを重ねた印字が行なわれ、
比較パターン62の印字においては、第1の色による印
字が印字ヘッドの往方向移動時に行なわれ、第2の色に
よる印字が印字ヘッドの復方向移動時に行なわれるよう
にされることである。
【0107】より具体的に説明すると、まず、印字ヘッ
ドの往方向移動に従って、第1の印字領域43には、●
で示すように、比較パターン62となるべき複数のドッ
ト62aがたとえばシアンをもって印字され、同時に、
第2の印字領域44には、◎で示すように、基準パター
ン63を構成する複数のドット63aがたとえばシアン
およびマゼンタを重ねて印字される。次に、改行させる
ことなく、印字ヘッドの復方向移動に従って、第1の印
字領域43には、○で示すように、比較パターン62と
なるべき複数のドット62bがたとえばマゼンタをもっ
て印字される。
【0108】なお、上述した色の使い方とは逆に、比較
パターン62となるべき往方向印字によるドット62a
がマゼンタをもって与えられ、復方向印字によるドット
62bがシアンをもって与えられてもよい。図12に示
した比較パターン62は、往方向での印字ドット62a
と復方向での印字ドット62bとがずれている。この状
態は、往方向印字と復方向印字との相対的位置関係が不
適正であるときに生じるものであり、この状態にあると
きは、前述した実施形態の場合と同様、比較パターン6
2および基準パターン63の双方によって与えられた一
連の縦罫線が、比較パターン62の部分において、二重
の線として現れたり、より太くされたりするばかりでな
く、この比較パターン62の部分においてシアンおよび
マゼンタの各色が別々に認識される。これに対して、基
準パターン63の部分においては、シアンおよびマゼン
タの各色が重なった色が認識される。
【0109】他方、往方向での印字と復方向での印字と
の相対的位置関係が最適であるときには、比較パターン
62において、往方向での印字ドット62aと復方向で
の印字ドット62bとが互いに完全に重なった状態とな
る。この状態にあるときには、比較パターン62と基準
パターン63との双方によって一連のかつ一様な太さの
縦罫線が与えられるばかりでなく、比較パターン62お
よび基準パターン63の双方においてシアンとマゼンタ
とが重なった色が認識される。
【0110】したがって、この実施形態によれば、往方
向印字と復方向印字との相対的位置関係の適否を、比較
パターン62と基準パターン63とにおける色の差によ
っても判断することができるようになり、判断の正確性
および信頼性を向上させることができる。なお、上述の
実施形態では、シアンおよびマゼンタの組合せを用い
た。この組合せは、他の色、すなわちイエローまたはブ
ラックを含む組合せに比べて、単独色および混合色での
認識がともに容易であるという利点を有しているが、こ
のような利点を望まないならば、他の色の組合せを用い
てもよい。
【0111】図13は、この発明のさらに他の実施形態
を説明するためのもので、前述した図2に相当する拡大
図をもって基準パターン71および比較パターン72を
示している。この実施形態においても、前述した図12
に示した実施形態と同様、印字において2色が用いられ
るが、この実施形態では、基準パターン71の印字にお
いて、印字ヘッドの片方向移動に従って互いに異なる第
1の色と第2の色とを隣接させた印字が行なわれ、比較
パターン72の印字においては、第1の色による印字が
印字ヘッドの往方向移動時に行なわれ、第2の色による
印字が印字ヘッドの復方向移動時に行なわれるようにさ
れることを特徴としている。
【0112】より具体的に説明すると、まず、印字ヘッ
ドの往方向移動に従って、第1の印字領域43には、基
準パターン71を構成する○で示した第1グループのド
ット71aと●で示した第2グループのドット71bと
がともに印字され、同時に、第2の印字領域44には、
比較パターン72の一部を構成する○で示した第1グル
ープのドット72aが印字される。次に、改行させるこ
となく、印字ヘッドの復方向移動に従って、第2の印字
領域44には、比較パターン72の残部を構成する●で
示した第2グループのドット72bが印字される。
【0113】上述した基準パターン71における第1グ
ループのドット71aと第2グループのドット71bと
は、互いに隣接しており、かつ互いに異なる色で印字さ
れる。この基準パターン71における第1グループのド
ット71aの色と同じ色をもって比較パターン72にお
ける第1グループのドット72aが印字され、また、第
2グループのドット71bの色と同じ色をもって比較パ
ターン72における第2グループのドット72bが印字
される。
【0114】これら色の組合せとして、たとえば、シア
ンおよびマゼンタの組合せが用いられる。図13に示し
た比較パターン72は、基準パターン71と同じ表示を
与えている。すなわち、比較パターン72には、基準パ
ターン71と同様の態様で第1の色と第2の色とを隣接
させた状態が現れている。この表示は、往方向での印字
と復方向での印字との相対的位置関係が適正であるとき
に得られるものである。
【0115】他方、往方向印字と復方向印字との相対的
位置関係が不適正であるときには、比較パターン72に
おいて、第1の色で印字された第1グループのドット7
2aと第2の色で印字された第2グループのドット72
bとが少なくとも一部において重なったり、あるいは第
1グループのドット72aと第2グループのドット72
bとの間隔が基準パターン71における対応の間隔とは
相違した状態が現れる。
【0116】したがって、印字ヘッドの往方向印字と復
方向印字との相対的位置関係の適否を、基準パターン7
1と比較パターン72とにおける色の差あるいは色の混
ざり具合の差等によっても判断することができるように
なり、判断の正確性および信頼性を向上させることがで
きる。なお、上述の実施形態においても、他の色の組合
せを用いてもよい。
【0117】また、図1等に示したドットパターン部4
2においても、図13を参照して説明したような2色に
よる印字が採用されてもよい。このことを図7を参照し
て説明すると、まず、図7(1)に示すように、印字ヘ
ッドの往方向48の移動に従って、第1の印字領域43
には、基準パターン50を構成する複数のドット50a
が印字されるが、このとき、これらドット50aが互い
に異なる第1の色または第2の色をもって印字され、第
1の色で印字されたものと第2の色で印字されたものと
が隣接するようにされる。また、同時に、第2の印字領
域44には、比較パターン51の一部を構成する複数の
第1グループのドット51aがたとえば第1の色で印字
される。次に、改行させることなく、図7(2)に示す
ように、印字ヘッドの復方向49の移動に従って、第2
の印字領域44には、比較パターン51の残部を構成す
る複数の第2グループのドット51bが、往方向48で
の印字による第1グループのドット51aの間に位置す
るように第2の色で印字される。
【0118】図14および図15は、それぞれ、この発
明のさらに他の実施形態を示している。前述した各実施
形態では、基準パターンが印字される印字領域と比較パ
ターンが印字される印字領域とが、印字ヘッドの移動方
向に延びる境界を介して位置されていたが、この印字領
域の位置関係は、図14または図15に示すように変更
されてもよい。
【0119】図14では、基準パターンが印字される印
字領域81と比較パターンが印字される印字領域82と
が、印字ヘッドの移動方向に1列に並ぶように位置され
ている。特に、この実施形態では、基準パターンが印字
される複数の印字領域81と比較パターンが印字される
複数の印字領域82とが、交互に配置されている。ま
た、図15では、基準パターンが印字される印字領域8
1と比較パターンが印字される印字領域82とが、印字
ヘッドの移動方向に並ぶばかりでなく、この並びが2列
に形成され、その結果、印字ヘッドの移動方向に延びる
境界を介して位置されるようにもされている。すなわ
ち、基準パターンが印字される印字領域81と比較パタ
ーンが印字される印字領域82とが、印字ヘッドの移動
方向に並ぶとともに、この移動方向と直交する方向にも
並ぶように配置されている。
【0120】特に、図15に示した印字領域81および
82の配置によれば、上下方向と左右方向との双方で比
較することができるので、基準パターンと比較パターン
との差がわずかであっても、これを目視により識別する
ことが容易になり、判定の精度を一層高めることができ
る。これら図14および図15に示したように、基準パ
ターンが印字される印字領域81と比較パターンが印字
される印字領域82との位置関係が変更されても、これ
ら印字領域81および82が互いに隣接している限り、
基準パターンと比較パターンとの容易な比較を妨げるも
のではない。
【0121】なお、上述した印字領域81および82に
それぞれ印字される基準パターンおよび比較パターンと
しては、図1等に示した基準パターン47または50お
よび比較パターン46および51、図12に示した基準
パターン63および比較パターン62、図13に示した
基準パターン71および比較パターン72、などのよう
なパターン、あるいは他の態様のパターンを適用するこ
とができる。
【0122】以上、この発明を、図示した実施形態に関
連して説明したが、この発明の範囲内において、さらに
他の実施形態も可能である。たとえば、図1等を参照し
て説明した実施形態では、判定用パターンが、縦罫線を
基本とする罫線パターン部41と複数のドットを分布さ
せたドットパターン部42とから構成されたが、罫線パ
ターン部またはドットパターン部のいずれか一方が省略
され、いずれか一方のみで判定を行なうようにしてもよ
い。
【0123】また、罫線パターン部41に関して、前述
の実施形態では、基準パターン47と比較パターン46
とが双方によって一連の縦罫線を与えるべきものとされ
ていたが、比較パターンは、相対的位置関係が最適であ
るとき、印字ヘッドの往方向移動に従って印字される部
分と印字ヘッドの復方向移動に従って印字される部分と
が互いに完全に重なるようにされればよいのであり、し
たがって、基準パターンと比較パターンとが一連の縦罫
線を与えるものでない実施形態も可能である。縦罫線以
外のパターンをもって基準パターンと比較パターンとを
与えても、縦罫線の場合と同様、比較パターンにおい
て、基準パターンとは異なる太さや二重の線が現れるこ
とによって、基準パターンとの比較が可能である。
【0124】また、罫線パターン部41において、複数
の縦罫線を配列するとき、これら縦罫線の配列密度は、
任意に変更することができる。また、ドットパターン部
42に関しても、図示の形態とは異なるドットの分布状
態が採用されてもよい。また、図示の実施形態では、比
較パターン46および基準パターン50が印字される第
1の印字領域43と、基準パターン47および比較パタ
ーン51が印字される第2の印字領域44とが、ほぼ互
いに等しい面積を有していたが、第1および第2の印字
領域の各面積が互いに異なっていてもよい。
【0125】また、図示の実施形態では、第1の印字領
域43に、比較パターン46および基準パターン50が
印字され、第2の印字領域44に、基準パターン47お
よび比較パターン51が印字されたが、比較パターン4
6および基準パターン47が印字される印字領域は逆に
されても、あるいは、基準パターン50および比較パタ
ーン51が印字される印字領域は逆にされてもよい。
【0126】また、図示した実施形態では、印字ヘッド
の往方向印字により、基準パターン47および50が印
字されると同時に、比較パターン46および51の各一
部が印字され、改行なしでの復方向印字により、比較パ
ターン46および51の各残部が印字されたが、このよ
うな印字の手順は、任意に変更することができる。たと
えば、基準パターン47および50は、印字ヘッドの復
方向において印字されてもよい。また、比較パターンが
印字ヘッドの双方向移動に従って印字される限り、この
ような比較パターンの印字と基準パターンの印字との間
に、改行動作が行なわれてもよい。
【0127】また、前述した実施形態では、図8に示し
たフローに従って、図1に示すように、複数の判定用パ
ターンNo.1ないしNo.9をまず一挙に印字した
後、これら判定用パターンNo.1ないしNo.9の中
から、基準パターン47および50と比較パターン46
および51とが最も近似しているものを選択し、その選
択された判定用パターンに対応する調整値をもって、往
方向印字と復方向印字との相対的位置関係の補正を行な
ったが、この手順に代えて、現在状態での判定用パター
ンの印字、それに基づく相対的位置関係の補正、この補
正された相対的位置関係による判定用パターンの印字、
それに基づく相対的位置関係の補正、…というように、
印字および補正の試行を繰り返して、最適な相対的位置
関係を得るようにしてもよい。
【0128】また、前述した実施形態では、印字ヘッド
の移動開始から印字開始までのタイミングの遅れ量を変
えることによって、往方向印字と復方向印字との相対的
位置関係を調整することを行なったが、このような調整
のための方法は任意に変更することができる。また、前
述した実施形態では、印字ヘッドとして、インクジェッ
トヘッドが意図されていたが、この発明に係る印字位置
適否判定方法は、往復移動し、かつこの往復双方向にお
いて印字を行なう印字ヘッドであれば、どのような印字
ヘッドによる印字にも適用することができる。たとえ
ば、ワイヤドット方式の印字ヘッドに場合にも、インク
ジェットヘッドの場合と同様、ヘッド面と記録紙面との
間に必ず隙間が形成されるので、印字ヘッドにおける印
字開始時点と記録紙上における印字完了時点との間に差
が生じ、そのため、往方向印字と復方向印字との相対的
位置関係がずれることがあり得、この発明に係る印字位
置適否判定方法が有利に適用されるのはもちろん、たと
えば、サーマル方式のヘッドや電子写真方式のヘッドで
あっても、電気的信号伝達や処理の遅れが生じるので、
この発明を有利に適用することができる。
【0129】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、記録紙上の互いに隣接する2つの印字領域のう
ち、一方の印字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従
って基準パターンを印字し、他方の印字領域には、印字
ヘッドの双方向移動に従って上述の基準パターンと同じ
パターンとなるべき比較パターンを印字し、この比較パ
ターンを基準パターンと比較して、両者が等しいか否か
を判断し、両者が等しいと判断したときに往方向印字と
復方向印字との相対的位置関係が適当であると判定する
ようにしているので、この判定においては、比較パター
ンと基準パターンとの相対比較をすることとなって、1
つのパターンの絶対的な判定に比べて、人間の目による
判定の精度および信頼性を向上させることができる。ま
た、比較パターンと基準パターンとを互いに近接した位
置に印字できるので、上述したような相対比較を容易に
行なうことができる。
【0130】請求項2に記載の発明によれば、1回の印
字工程において、基準パターンおよび比較パターンが、
相対的位置関係を徐々に変えながら、複数組印字され、
判定工程においては、各組の基準パターンと比較パター
ンとをそれぞれ比較して、基準パターンと比較パターン
とが最も近似している組を選択し、その選択した組の相
対的位置関係が適当であると判断することが行なわれる
ので、適正な調整値を迅速に選択することができる。
【0131】請求項3に記載の発明によれば、上述の印
字工程において、複数組の基準パターンおよび比較パタ
ーンが、各組ごとに改行して1枚の記録紙上に印字され
るので、判定工程において、基準パターンおよび比較パ
ターンの各組間での目視による比較が容易になる。請求
項4に記載の発明によれば、比較パターンは、印字ヘッ
ドによる往方向印字と復方向印字との相対的位置関係が
最適であるとき、往方向移動に従って印字される部分と
印字ヘッドの復方向移動に従って印字される部分とが互
いに完全に重なるものを含んでいるので、相対的位置関
係が不適正であるとき、当該比較パターンは、基準パタ
ーンに比べて太いか、二重の線をもって印字されること
になり、両者の比較を容易に行なうことができる。
【0132】請求項5に記載の発明によれば、基準パタ
ーンおよび比較パターンが、双方によって一連の縦罫線
を与えるべきものとされているので、往方向印字と復方
向印字との相対的位置関係が適正であるときには、基準
パターンおよび比較パターンの双方によって一様な太さ
の縦罫線が現れ、他方、相対的位置関係が不適正である
ときには、縦罫線のうち、比較パターンに相当する部分
においてのみ、太く現れたり、二重の線が現れたりする
ことになり、相対的位置関係の適否の判定をより容易か
つ誤りなく行なうことができる。また、印字ヘッドがそ
の移動方向に対して傾いている場合にも、印字ヘッドの
ヘッド面と記録面とが平行でない場合にも、比較パター
ンと基準パターンとの比較に何ら支障を来すことはな
い。
【0133】請求項6に記載の発明によれば、基準パタ
ーンの印字において、印字ヘッドの片方向移動に従って
互いに異なる第1の色と第2の色とを重ねた印字が行な
われ、比較パターンの印字において、第1の色による印
字が印字ヘッドの往方向移動時に行なわれ、第2の色に
よる印字が印字ヘッドの復方向移動時に行なわれるよう
にされているので、基準パターンにおいては、第1の色
と第2の色とを重ねた色が現れ、他方、比較パターンに
おいては、相対的位置関係が適正であるときには、基準
パターンと同様、第1の色と第2の色とを重ねた色が現
れるが、相対的位置関係が不適正であるときには、第1
の色と第2の色とがそれぞれ単独で現れる。したがっ
て、相対的位置関係の適否を、基準パターンと比較パタ
ーンとにおける色の差によっても判断することができる
ようになり、判断の正確性および信頼性を向上させるこ
とができる。
【0134】請求項7に記載の発明によれば、基準パタ
ーンの印字において、印字ヘッドの片方向移動に従って
互いに異なる第1の色と第2の色とを隣接させた印字が
行なわれ、比較パターンの印字において、第1の色によ
る印字が印字ヘッドの往方向移動時に行なわれ、第2の
色による印字が印字ヘッドの復方向移動時に行なわれる
ようにされているので、比較パターンにおいては、相対
的位置関係が適正であるときには、基準パターンと同様
の態様で第1の色と第2の色とを隣接させた状態が現れ
るが、相対的位置関係が不適正であるときには、第1の
色と第2の色とが少なくとも一部において重なったり、
第1の色と第2の色との間隔が基準パターンとは異なら
された状態が現れる。したがって、相対的位置関係の適
否を、基準パターンと比較パターンとにおける色の差あ
るいは色の混ざり具合の差によっても判断することがで
きるようになり、判断の正確性および信頼性を向上させ
ることができる。
【0135】請求項8に記載の発明によれば、基準パタ
ーンおよび比較パターンは、それぞれ、複数のドットを
分布させたものを含み、比較パターンに含まれるドット
は、第1グループのドットと第2グループのドットとに
分類され、第1グループのドットと第2グループのドッ
トとは、互いに他のグループのドットの間に位置するよ
うに配置され、比較パターンの印字において、第1グル
ープのドットは印字ヘッドの往方向移動時に印字され、
第2グループのドットは印字ヘッドの復方向移動時に印
字されるので、基準パターンと比較パターンとが同一の
濃度または模様の表示を与えているときには、相対的位
置関係が適正であると判定し、他方、比較パターンに基
準パターンとは異なる濃度または模様が現れているとき
には、相対的位置関係が不適正であると判定することが
できる。しかも、これら基準パターンと比較パターンと
の比較は、所定の面積をもった面上での表示全体の比較
になるので、視覚による判定を精度高く行なうことがで
きる。また、このように所定の面積をもった面上での表
示全体で基準パターンと比較パターンとを比較するの
で、印字ヘッドの移動速度に変動が生じた場合であって
も、容易に判定することができる。
【0136】請求項9に記載の発明によれば、印字工程
において、第1および第2の印字領域の双方が、印字ヘ
ッドによる1行分の印字範囲内に入っており、比較パタ
ーンは、改行なしで印字ヘッドを双方向移動させること
により印字されるので、基準パターンおよび比較パター
ンの双方を、印字ヘッドの1行分の印字範囲内におさめ
ることができ、したがって印字面積の節約ないしは記録
紙の節約を図ることができる。また、多数の判定用パタ
ーンを1枚の記録紙上に印字することもできるようにな
る。
【0137】請求項10に記載の発明によれば、印字工
程において、印字ヘッドの一方向移動に従って、基準パ
ターンと比較パターンの一部とが印字され、印字ヘッド
の他方向移動に従って、比較パターンの残部が印字され
るので、印字ヘッドの1回の往復移動により、基準パタ
ーンおよび比較パターンの双方を印字することができ
る。したがって、印字位置適否判定のための印字を能率
的に行なうことができる。
【0138】請求項11に記載の発明によれば、印字工
程において、複数種類の基準パターンおよび比較パター
ンの組が印字されるので、判定工程において、各種類の
基準パターンおよび比較パターンの特性を生かした比較
を行なうことができ、印字位置適否判定の精度をより高
めることができる。また、このように、複数種類の基準
パターンおよび比較パターンの組が印字される場合、こ
れら複数種類の組が印字ヘッドの移動方向すなわち行方
向に並ぶように印字され、また、これら複数種類の組が
印字ヘッドによる1行分の印字範囲内に入るようにされ
ると、印字動作の効率を高めることができるとともに、
印字面積の節約を図ることができる。
【0139】請求項12に記載の発明によれば、基準パ
ターンが印字される印字領域と比較パターンが印字され
る印字領域とが、印字ヘッドの移動方向に延びる境界を
介して位置されているので、行方向を横に向けて目視す
るならば、基準パターンと比較パターンとを上下で比較
することができるようになる。請求項13に記載の発明
によれば、基準パターンが印字される印字領域と比較パ
ターンが印字される印字領域とが、印字ヘッドの移動方
向に並ぶように位置されているので、行方向を横に向け
て目視するならば、基準パターンと比較パターンとを左
右で比較することができるようになる。
【0140】請求項14に記載の発明に係る印字装置
は、印字位置適否判定用の印字実行が指示されたとき、
記録紙上の互いに隣接する2つの印字領域のうち、一方
の印字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従って基準
パターンを印字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの
双方向移動に従って基準パターンと同じパターンとなる
べき比較パターンを印字する印字手段を備えているの
で、このような印字手段を備える印字装置によれば、印
字位置適否判定用の印字実行が指示されたことに応答し
て、請求項1に記載のような印字工程が実施される。
【0141】請求項15に記載の発明に係る印字装置
は、印字位置適否判定用の印字実行が指示されたとき、
記録紙上の互いに隣接する2つの印字領域のうち、一方
の印字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従って基準
パターンを印字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの
双方向移動に従って基準パターンと同じパターンとなる
べき比較パターンを印字するとともに、これら基準パタ
ーンおよび比較パターンを、印字ヘッドによる記録紙上
への往方向での印字と復方向での印字との相対的位置関
係を徐々に変えながら複数組印字する印字手段を備えて
いるので、このような印字手段を備える印字装置によれ
ば、印字位置適否判定用の印字実行が指示されたことに
応答して、請求項2に記載のような印字工程が実施され
る。
【0142】請求項16に記載の発明に係る印字装置に
よれば、請求項15に記載の印字手段が、複数組の基準
パターンおよび比較パターンに対応させてそれらの組を
相互に区別するための識別記号を印字するように構成さ
れ、さらに、当該印字装置が、複数組の基準パターンお
よび比較パターンの識別記号に対応する値が指定される
と、その値に基づいて印字ヘッドの往復双方向での印字
位置を補正するための補正手段を備えているので、複数
組の基準パターンおよび比較パターンのうち、選択すべ
き組を識別記号によって区別することができるととも
に、補正手段によって補正された後は、この補正に係る
印字位置をもって以後の印字が実施されることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による印字位置適否判定
方法に従って所定の記録紙上に印字された複数の判定用
パターンを図解的に示す図である。
【図2】図1の部分IIの拡大図である。
【図3】図1の部分IIIの拡大図である。
【図4】図1の部分IVの拡大図である。
【図5】図1の部分Vの拡大図である。
【図6】図1に示した罫線パターン部41における比較
パターン46および基準パターン47の印字手順を説明
する、図2に相当する図である。
【図7】図1に示したドットパターン部42における基
準パターン50および比較パターン51の印字手順を説
明する、図4に相当する図である。
【図8】図1に示した判定用パターンの印字ステップお
よびその結果からの往方向印字と復方向印字との相対的
位置関係の調整のためのステップを示すフロー図であ
る。
【図9】画像読み取り部を用いた自動判定処理のステッ
プを示すフロー図である。
【図10】図1に示した実施形態において、印字ヘッド
がその移動方向に対して傾いている場合の罫線パターン
部41の印字結果を図解的に示す図である。
【図11】図1に示した実施形態において、印字ヘッド
のヘッド面と記録面とが平行でない場合の罫線パターン
部41の印字結果を図解的に示す図である。
【図12】この発明の他の実施形態を説明するための図
2に相当する図である。
【図13】この発明のさらに他の実施形態を説明するた
めの図2に相当する図である。
【図14】この発明のさらに他の実施形態を説明するた
めの印字領域81および82の配置態様を図解的に示す
図である。
【図15】この発明のさらに他の実施形態を説明するた
めの印字領域81および82の配置態様を図解的に示す
図である。
【図16】この発明にとって興味あるインクジェット方
式の印字ヘッド27を備える印字装置11の主要部を示
す斜視図である。
【図17】図16に示した印字装置11における制御系
を説明するためのブロック図である。
【図18】図16に示した印字装置11における制御系
の一部をさらに詳細に説明するためのブロック図であ
る。
【図19】図18に示した制御系において用いられる信
号のタイミング図である。
【図20】図18に示した印字タイミング発生回路33
に備える補正量メモリに格納されている補正量テーブル
36を示す図である。
【図21】従来の印字位置適否判定方法に従って所定の
記録紙上に印字された判定用パターンとしての縦罫線
1、5および7を図解的に示す図である。
【図22】印字ヘッドがその移動方向に対して傾いてい
る場合の図21に示した縦罫線1、5および7の印字結
果を図解的に示す図である。
【図23】印字ヘッドのヘッド面と記録面とが平行でな
い場合の図21に示した縦罫線1、5および7の印字結
果を図解的に示す図である。
【図24】印字ヘッドの移動速度に変動が生じた場合の
図21に示した縦罫線1、5および7の印字結果を図解
的に示す図である。
【符号の説明】
11 インクジェット印字装置 15 キャリッジ 18 記録紙 26 キャリッジ駆動モータ 27 印字ヘッド 30 CPU 33 印字タイミング発生回路 35 印字ヘッド駆動回路 36 補正量テーブル 41,61 罫線パターン部 42 ドットパターン部 43,44,81,82 印字領域 45 境界線 46,51,62,72 比較パターン 47,50,63,71 基準パターン 46a,46b,47a,50a,51a,51b,6
2a,62b,63a,71a,71b,72a,72
b 印字ドット 48 往方向 49 復方向

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復移動する印字ヘッドが往復双方向に
    おいて印字するとき、記録紙上への往方向での印字と復
    方向での印字との相対的位置関係の適否を判定するため
    の方法であって、 記録紙上の互いに隣接する2つの印字領域のうち、一方
    の印字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従って基準
    パターンを印字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの
    双方向移動に従って前記基準パターンと同じパターンと
    なるべき比較パターンを印字する印字工程と、 前記比較パターンを前記基準パターンと比較して、両者
    が等しいか否かを判断し、両者が等しいと判断したとき
    に前記相対的位置関係が適当であると判定する判定工程
    とを備える、印字位置適否判定方法。
  2. 【請求項2】 往復移動する印字ヘッドが往復双方向に
    おいて印字するとき、記録紙上への往方向での印字と復
    方向での印字との相対的位置関係の適否を判定するため
    の方法であって、 記録紙上の互いに隣接する2つの印字領域のうち、一方
    の印字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従って基準
    パターンを印字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの
    双方向移動に従って前記基準パターンと同じパターンと
    なるべき比較パターンを印字するとともに、前記基準パ
    ターンおよび前記比較パターンを、前記相対的位置関係
    を徐々に変えながら複数組印字する印字工程と、 この印字工程によって印字された各組の前記基準パター
    ンと前記比較パターンとをそれぞれ比較して、前記比較
    パターンと前記基準パターンとが最も近似している組を
    選択し、その選択した組の前記相対的位置関係が適当で
    あると判定する判定工程とを備える、印字位置適否判定
    方法。
  3. 【請求項3】 前記印字工程において、複数組の前記基
    準パターンおよび前記比較パターンは、各組ごとに改行
    して1枚の記録紙上に印字される、請求項2に記載の印
    字位置適否判定方法。
  4. 【請求項4】 前記比較パターンは、前記相対的位置関
    係が最適であるとき、印字ヘッドの往方向移動に従って
    印字される部分と印字ヘッドの復方向移動に従って印字
    される部分とが互いに完全に重なるものを含む、請求項
    1ないし3のいずれかに記載の印字位置適否判定方法。
  5. 【請求項5】 前記基準パターンおよび前記比較パター
    ンは、双方によって一連の縦罫線を与えるべきものであ
    る、請求項4に記載の印字位置適否判定方法。
  6. 【請求項6】 前記基準パターンの印字においては、印
    字ヘッドの片方向移動に従って互いに異なる第1の色と
    第2の色とを重ねた印字が行なわれ、前記比較パターン
    の印字においては、前記第1の色による印字が印字ヘッ
    ドの往方向移動時に行なわれ、前記第2の色による印字
    が印字ヘッドの復方向移動時に行なわれるようにされ
    る、請求項4または5に記載の印字位置適否判定方法。
  7. 【請求項7】 前記基準パターンの印字においては、印
    字ヘッドの片方向移動に従って互いに異なる第1の色と
    第2の色とを隣接させた印字が行なわれ、前記比較パタ
    ーンの印字においては、前記第1の色による印字が印字
    ヘッドの往方向移動時に行なわれ、前記第2の色による
    印字が印字ヘッドの復方向移動時に行なわれるようにさ
    れる、請求項1ないし3のいずれかに記載の印字位置適
    否判定方法。
  8. 【請求項8】 前記基準パターンおよび前記比較パター
    ンは、それぞれ、複数のドットを分布させたものを含
    み、前記比較パターンに含まれるドットは、第1グルー
    プのドットと第2グループのドットとに分類され、前記
    第1グループのドットと前記第2グループのドットと
    は、互いに他のグループのドットの間に位置するように
    配置され、前記比較パターンの印字において、前記第1
    グループのドットは印字ヘッドの往方向移動時に印字さ
    れ、前記第2グループのドットは印字ヘッドの復方向移
    動時に印字される、請求項1ないし7のいずれかに記載
    の印字位置適否判定方法。
  9. 【請求項9】 前記印字工程において、前記第1および
    第2の印字領域の双方が、印字ヘッドによる1行分の印
    字範囲内に入っており、前記比較パターンは、改行なし
    で印字ヘッドを双方向移動させることにより印字され
    る、請求項1ないし8のいずれかに記載の印字位置適否
    判定方法。
  10. 【請求項10】 前記印字工程において、印字ヘッドの
    一方向移動に従って、前記基準パターンと前記比較パタ
    ーンの一部とが印字され、印字ヘッドの他方向移動に従
    って、前記比較パターンの残部が印字される、請求項9
    に記載の印字位置適否判定方法。
  11. 【請求項11】 前記印字工程において、複数種類の前
    記基準パターンおよび前記比較パターンの組が印字され
    る、請求項1ないし10のいずれかに記載の印字位置適
    否判定方法。
  12. 【請求項12】 前記基準パターンが印字される印字領
    域と前記比較パターンが印字される印字領域とは、印字
    ヘッドの移動方向に延びる境界を介して位置される、請
    求項1ないし11のいずれかに記載の印字位置適否判定
    方法。
  13. 【請求項13】 前記基準パターンが印字される印字領
    域と前記比較パターンが印字される印字領域とは、印字
    ヘッドの移動方向に並ぶように位置される、請求項1な
    いし12のいずれかに記載の印字位置適否判定方法。
  14. 【請求項14】 往復移動する印字ヘッドが往復双方向
    において印字する印字装置であって、 印字位置適否判定用の印字実行が指示されたとき、記録
    紙上の互いに隣接する2つの印字領域のうち、一方の印
    字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従って基準パタ
    ーンを印字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの双方
    向移動に従って前記基準パターンと同じパターンとなる
    べき比較パターンを印字する印字手段を備える、印字装
    置。
  15. 【請求項15】 往復移動する印字ヘッドが往復双方向
    において印字する印字装置であって、 印字位置適否判定用の印字実行が指示されたとき、記録
    紙上の互いに隣接する2つの印字領域のうち、一方の印
    字領域には、印字ヘッドの片方向移動に従って基準パタ
    ーンを印字し、他方の印字領域には、印字ヘッドの双方
    向移動に従って前記基準パターンと同じパターンとなる
    べき比較パターンを印字するとともに、前記基準パター
    ンおよび前記比較パターンを、印字ヘッドによる記録紙
    上への往方向での印字と復方向での印字との相対的位置
    関係を徐々に変えながら複数組印字する印字手段を備え
    る、印字装置。
  16. 【請求項16】 前記印字手段は、前記複数組の基準パ
    ターンおよび比較パターンに対応させてそれらの組を相
    互に区別するための識別記号を印字するように構成さ
    れ、 さらに、前記複数組の基準パターンおよび比較パターン
    の前記識別記号に対応する値が指定されると、その値に
    基づいて印字ヘッドの往復双方向での印字位置を補正す
    るための補正手段を備える、請求項15に記載の印字装
    置。
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