JPH10315017A - 切削工具取付装置およびそれに好適な工具ホルダ - Google Patents

切削工具取付装置およびそれに好適な工具ホルダ

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JPH10315017A
JPH10315017A JP12990397A JP12990397A JPH10315017A JP H10315017 A JPH10315017 A JP H10315017A JP 12990397 A JP12990397 A JP 12990397A JP 12990397 A JP12990397 A JP 12990397A JP H10315017 A JPH10315017 A JP H10315017A
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notch
engaging
cutting tool
piece
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JP12990397A
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English (en)
Inventor
Hajime Mizutani
肇 水谷
Kazuo Nomoto
和男 野本
Motoshi Nakamura
元志 中村
Akinori Tsujino
明範 辻野
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Toyota Motor Corp
Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】切削工具取付装置の信頼性を向上させる。 【解決手段】回転切削工具を保持する工具ホルダ20の
嵌合軸部24をアダプタ10の嵌合穴14に嵌合し、係
合部材80により抜出しを防止するとともに、カラー1
00により相対回転を防止する。カラー100には係合
片124を設け、圧縮コイルスプリング152により作
用位置へ付勢する。作用位置においては、係合片124
がアダプタ10の係合切欠170と工具ホルダ20の係
合切欠72とに跨がって係合する。切削加工時には、係
合片124の基端部130の係合片側傾斜面140と係
合切欠72の切欠側傾斜面142との各一方が当接し、
先端部132の反対側の側面と係合切欠170の側面と
が当接する。係合切欠72と係合切欠170との係合片
124に当接する面間の最小間隔が、係合片124の先
端部132の幅より狭いため、係合片124の係合切欠
170からの離脱が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工作機械に切削工具
を取り付けるための切削工具取付装置およびその構成要
素として好適な工具ホルダに関するものであり、特に、
信頼性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】切削工具取付装置には、切削工具を保持
する部材が別の部材を介して工作機械に取り付けられる
ものがある。そして、この種の切削工具取付装置の中
に、(1)第1嵌合部と、その第1嵌合部の軸線から偏心
した位置においてその軸線に平行な方向に延びる第1係
合切欠とを備え、工作機械側に設けられる第1部材と、
(2) 第1嵌合部と相対回転可能に嵌合可能な第2嵌合部
と、第1係合切欠に対応する位置において前記軸線と平
行な方向に延びる第2係合切欠と、切削工具を保持する
工具保持部とを備え、第1部材と連結,分離可能な第2
部材と、(3) その第2部材に前記軸線に平行な方向に移
動可能に保持された回転防止部材であって、第1嵌合部
と第2嵌合部との嵌合状態において、先端部が第1係合
切欠と基端部が第2係合切欠とそれぞれ係合する作用位
置にある状態では第1,第2部材の相対回転を防止する
一方、先端部が第1係合切欠から離脱した非作用位置に
ある状態では第1,第2部材の相対回転を許容する係合
片を備えたものと、(4) その相対回転防止部材を前記作
用位置に向かって付勢する付勢手段とを含むものがあ
る。
【0003】実公平5−46802号公報に記載の切削
工具取付装置は、その一例である。この切削工具取付装
置は、切削工具を工作機械の主軸に取り付けるための装
置であり、主軸に取り付けられるアダプタと、切削工具
を保持し、アダプタに着脱される工具ホルダとを備えて
いる。工具ホルダは、ホルダ本体と、そのホルダ本体の
外側に嵌合され、アダプタの回転をホルダ本体に伝達す
るカラーとを有している。アダプタには、有底の嵌合穴
が形成されるとともに、嵌合穴の開口側の部分には環状
溝が形成されており、それによりアダプタの先端部には
半径方向内向きの内向きフランジが形成されている。ア
ダプタにはまた、嵌合穴の開口側の端面から軸方向に延
び、内向きフランジの厚さより深く、環状溝に達する深
さを有し、幅が一定の第1係合切欠が4個、等角度間隔
に形成されている。
【0004】ホルダ本体は、切削工具保持部および嵌合
部を備え、嵌合部の切削工具保持部側の端に設けられた
半径方向外向きのフランジ部の外周部には、直径方向に
隔たった2個所にそれぞれ、軸方向に貫通し、幅が一定
の第2係合切欠が形成されている。また、嵌合部のフラ
ンジ部に近い部分には、半径方向外向きに延び出す4個
の半径方向突起が等角度間隔に、かつ第2係合切欠とは
45度位相を異にする位置に設けられている。カラーは
円筒状を成し、軸方向に隔たった2つの端面のうち、一
方の端面の直径方向に隔たった2個所にそれぞれ、幅が
一定の軸方向突起が突設されている。カラーは切削工具
保持部に嵌合されるとともに、ばねにより軸方向突起が
フランジ部の第2係合切欠に係合する向きに付勢されて
いる。
【0005】ホルダ本体のアダプタへの取付け時には、
半径方向突起と第1係合切欠との位相が一致させられた
状態で、嵌合部が嵌合穴内へフランジ部がアダプタの先
端面に当接するまで挿入され、半径方向突起が環状溝に
嵌入させられた後、回転させられ、半径方向突起が内向
きフランジと軸方向に離脱不能に係合させられる。すな
わち、アダプタの内向きフランジがホルダ本体のフラン
ジ部と半径方向突起との間に挟まれた状態になるのであ
り、それによってホルダ本体のアダプタに対する軸方向
の相対移動が防止される。ホルダ本体の嵌合部の嵌合穴
への挿入時には、カラーの軸方向突起とアダプタの第1
係合切欠との位相は45度ずれており、軸方向突起がア
ダプタの先端面に当接し、カラーがフランジ部から離間
させられるが、ホルダ本体が回転させられて軸方向突起
と第1係合切欠との位相が一致させられれば、カラーが
ばねの付勢力により移動させられて軸方向突起が第1係
合切欠に嵌入する。軸方向突起がホルダ本体とアダプタ
とに跨がって係合し、アダプタの回転をホルダ本体に伝
達する状態となるのである。したがって、ホルダ本体は
アダプタを介して主軸に、簡単な操作で、ほぼ相対移動
不能に取り付けられ、主軸の回転に伴ってホルダ本体に
保持された切削工具による加工が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この切
削工具取付装置には信頼性に欠けるという問題がある。
加工中に軸方向突起がアダプタの第1係合切欠から抜け
出し、ホルダ本体がアダプタに対して相対回転可能とな
ってしまうことがあるのである。軸方向突起が設けられ
ているカラーは付勢手段により非作用位置側から作用位
置側へ移動する向きに付勢されているため、軸方向突起
は第1係合切欠から抜け出すはずがないのに、実際は徐
々に抜け出してしまう。その原因は不明であるが、軸方
向突起が第1係合切欠から抜け出せば、ホルダ本体がア
ダプタに対して、すなわち主軸に対して相対回転可能と
なって、加工の続行が不可能になり、場合によってはホ
ルダ本体がアダプタから外れてしまうことすらある。カ
ラーをアダプタ側に設けることも可能であり、この場合
にも同様な問題が発生すると考えられる。
【0007】請求項1に係る第1発明は、以上の事情を
背景として、第1嵌合部と、その第1嵌合部の軸線か
ら偏心した位置においてその軸線に平行な方向に延びる
第1係合切欠とを備えた第1部材と、前記第1嵌合部
と相対回転可能に嵌合可能な第2嵌合部と、前記第1係
合切欠に対応する位置において前記軸線と平行な方向に
延びる第2係合切欠とを備え、前記第1部材と連結,分
離可能な第2部材と、その第2部材に前記軸線に平行
な方向に移動可能に保持された回転防止部材であって、
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部との嵌合状態におい
て、先端部が前記第1係合切欠と基端部が前記第2係合
切欠とそれぞれ係合する作用位置にある状態では前記第
1,第2部材の相対回転を防止する一方、先端部が第1
係合切欠から離脱した非作用位置にある状態では第1,
第2部材の相対回転を許容する係合片を備えたものと、
その相対回転防止部材を前記作用位置に向かって付勢
する付勢手段とを含み、第1,第2部材の一方が工作機
械側に設けられ、その一方に対して他方が着脱されると
ともに切削工具を保持する切削工具取付装置において、
切削工具取付装置と被加工物との一方向の相対回転によ
る加工時に係合片の原因不明の抜け出しにより第2部材
が第1部材に対して相対回転可能になってしまうことが
なく、信頼性に優れた切削工具取付装置を得ることを課
題として為されたものである。
【0008】請求項2に係る第2発明の課題は、切削加
工中に係合片、ひいては回転防止部材が軸方向に移動す
ることを完全に防止し得る切削工具取付装置を得ること
であり、請求項3に係る第3発明の課題は、第2発明に
おける回転防止部材の移動の完全防止を第1部材と第2
部材との軸線に平行な方向の相対移動の防止に利用し得
る切削工具取付装置を得ることである。請求項4に係る
第4発明の課題は、切削加工中に係合片、ひいては回転
防止部材が一定距離以上軸方向に移動することを防止し
得る切削工具取付装置を得ることである。
【0009】また、請求項5に係る第5発明の課題は、
第1嵌合部と、その第1嵌合部の軸線から偏心した位置
においてその軸線に平行な方向に延びる第1係合切欠と
を備えた工作機械側部材に対して、着脱される工具ホル
ダであって、(a) 第1嵌合部と相対回転可能に嵌合可能
な第2嵌合部と、第1係合切欠に対応する位置において
前記軸線と平行な方向に延びる第2係合切欠と、切削工
具を保持する工具保持部とを備え、工作機械側部材に着
脱されるホルダ本体と、(b) そのホルダ本体の外側に前
記軸線に平行な方向に相対移動可能に嵌合されたカラー
であって、第1嵌合部と第2嵌合部との嵌合状態におい
て、先端部が第1係合切欠と基端部が第2係合切欠とそ
れぞれ係合する作用位置にある状態ではホルダ本体の前
記工作機械側部材に対する相対回転を防止する一方、先
端部が第1係合切欠から離脱した非作用位置にある状態
では相対回転を許容する係合片を備えたものと、(c) そ
のカラーを前記作用位置に向かって付勢する付勢手段と
を含む工具ホルダにおいて、切削加工中における係合片
の第1係合切欠からの離脱を防止することである。
【0010】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
第1発明は、上記の課題を解決するために、前記の第
1係合切欠を備えた第1部材,の第2係合切欠を備え
た第2部材,の係合片を備えた回転防止部材および
の付勢手段を含む切削工具取付装置において、係合片の
先端部の少なくとも一部の幅を前記基端部の少なくとも
一部の幅より大きくするとともに、第1係合切欠および
第2係合切欠の形状および寸法を、係合片が作用位置に
あり、かつ、第1部材と第2部材との相対回転をそれら
両部材に加えられている一方向の相対回転トルクに抗し
て防止している状態においては、第1係合切欠と第2係
合切欠との係合片の両側面にそれぞれ当接する側の各側
面の間の最小間隔が、係合片の先端部の最大幅より狭く
なって、係合片の非作用位置への移動を防止し、かつ、
第1部材と第2部材とに相対回転トルクが作用していな
い状態では係合片が非作用位置へ移動することを許容す
る形状および寸法としたことを特徴とするものである。
【0011】このように構成された切削工具取付装置
は、切削加工時に切削抵抗に基づいて第1,第2部材に
作用する相対回転トルクの向きが、前記一方向の相対回
転トルクの方向となるように使用される。その場合に
は、第1部材と第2部材とを切削抵抗に基づく大きな相
対回転トルクに抗して相対回転させなければ、係合片が
作用位置から非作用位置へ移動することはできない。係
合片が作用位置にあって第1部材と第2部材との相対回
転を一方向の相対回転トルクに抗して防止している状態
においては、第1係合切欠と第2係合切欠との係合片の
両側面にそれぞれ当接する側の各側面の間の最小間隔
が、係合片の先端部の最大幅より狭くなるようにされて
いるからである。したがって、切削加工中に係合片が作
用位置から非作用位置へ移動することが良好に防止さ
れ、第1部材と第2部材とが相対回転可能となってしま
うことが良好に防止される。
【0012】第2発明は、前記課題を解決するために、
係合片の両側面のうち、第1部材と第2部材との相対回
転防止状態において第1係合切欠と第2係合切欠との側
面と当接する部分の少なくとも一部を基端部側から先端
部側に向かうに従って係合片の幅が増大する向きに傾斜
した係合片側傾斜面とし、第1,第2係合切欠のその係
合片側傾斜面と当接する側面をその係合片側傾斜面に対
応した切欠側傾斜面としたものである。
【0013】この切削工具取付装置においては、係合片
と係合切欠とが係合片側傾斜面と切欠側傾斜面とにおい
て係合するため、係合片が作用位置から非作用位置に向
かって小距離でも移動するためには、第1部材と第2部
材とを切削抵抗に基づく相対回転トルクに抗して相対回
転させることが必要であり、係合片が作用位置から非作
用位置へ移動すること、すなわち第1部材と第2部材と
が相対回転可能になってしまうことが良好に防止され
る。特に、係合片側傾斜面および切欠側傾斜面の係合片
の突出方向に対する傾斜角度が大きい場合には、斜面の
効果により切削抵抗に基づく相対回転トルクが係合片を
基端側から先端側に向かう方向、すなわち係合片の離脱
方向とは逆の方向の力が大きくなるため、係合片の作用
位置から非作用位置に向かう移動が一層確実に防止され
る。
【0014】第3発明は、前記課題を解決するために、
第2発明に係る切削工具取付装置において、第1部材に
第1当接面を、第2部材に第2当接面を、それら両当接
面同士の当接により第1部材と第2部材との軸線に平行
な方向における相対位置を決める状態で設け、かつ、当
該切削工具取付装置に、回転防止部材の付勢手段の付勢
力に基づく軸線に平行な方向の移動力を、第1当接面と
第2当接面とを当接させる力に変換する力変換装置を設
けたものである。
【0015】この切削工具取付装置においては、回転防
止部材の付勢手段の付勢力に基づく軸線に平行な方向の
移動力が、力変換装置により第1当接面と第2当接面と
を当接させる力に変換される。そして、切削抵抗に基づ
く相対回転トルクが作用している状態においては、係合
片と係合切欠とが係合片側傾斜面と切欠側傾斜面とにお
いて係合することにより、回転防止部材の付勢手段の付
勢力に抗する向きの移動が完全に防止されるため、第1
当接面と第2当接面とが互いに完全に当接した状態に保
たれる。第2発明における回転防止部材の移動の完全防
止を第1部材と第2部材との軸線に平行な方向の相対移
動の防止に利用し得るのである。
【0016】第4発明は、前記課題を解決するために、
係合片の基端部と先端部とがそれぞれ幅が一定の一定幅
部を備え、それら一定幅部の側面において第2係合切欠
および第1係合切欠の対応する各側面と係合するものと
し、かつ、基端部の一定幅部の幅が先端部の一定幅部の
幅より狭くしたものである。
【0017】この切削工具取付装置においては、係合片
が一定幅部において、すなわち係合片の突出方向と平行
な側面において第1係合切欠および第2係合切欠と係合
するため、相対回転防止状態においても係合片が突出方
向に平行な方向に小距離移動可能である。しかし、基端
部の一定幅部の幅が先端部の一定幅部の幅より狭いた
め、先端部が第1係合切欠から離脱することが防止され
る。相対回転防止状態においては、第1係合切欠と第2
係合切欠との係合片の両側面に当接する2つの側面間の
係合片の幅方向の間隔が基端部の幅と等しくなるため、
それより広い先端部は第1係合切欠側から第2係合切欠
側に移動できないからである。
【0018】第5発明は、前記(a) の第2嵌合部,第2
係合切欠および工具保持部とを備えたホルダ本体と、
(b) の係合片を備えたカラー、(c) の付勢手段とを含む
工具ホルダにおいて、係合片の先端部の少なくとも一部
の幅を基端部の少なくとも一部の幅より大きくするとと
もに、第2係合切欠の形状および寸法を、係合片が作用
位置にあり、工作機械側部材と前記ホルダ本体との相対
回転をそれら両部材に加えられている一方向の相対回転
トルクに抗して防止している状態においては、第1係合
切欠と第2係合切欠との係合片の両側面にそれぞれ当接
する側の各側面の間の最小間隔が、係合片の前記先端部
の最大幅より狭くなって、係合片の前記非作用位置への
移動を防止し、かつ、工作機械側部材と前記ホルダ本体
とに相対回転トルクが作用していない状態では係合片が
非作用位置へ移動することを許容する形状および寸法と
したものである。
【0019】この工具ホルダは、前記第1発明に係る切
削工具取付装置の第2部材として使用することができ、
第1発明と同様の効果が得られる。その上、カラーが工
具ホルダ側に取り付けられており、工具ホルダを工作機
械側部材から抜き出す際には、カラーを保持して係合片
を作用位置から非作用位置へ移動させるための力を、ホ
ルダ本体の第2嵌合部を工作機械側部材の第1嵌合部か
ら離脱させるための力としても利用することができる。
工具ホルダが作業者により着脱される場合には、片手に
よる取り外しが可能になり、自動工具交換装置により着
脱される場合には、自動工具交換装置の構成が簡単にな
る効果が得られる。
【0020】
【発明の補足説明】本発明は、上記請求項1ないし5の
態様の他に、下記の態様でも実施可能である。実施の態
様は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項として記
載する。 (1)前記係合片側傾斜面が前記基端部に形成されてお
り、前記切欠側傾斜面が前記第2係合切欠に形成されて
いる請求項2に記載の切削工具取付装置。第2係合切欠
の、相対回転防止状態において係合片に当接する側面全
体を切欠側傾斜面とすることも、一部を切欠側傾斜面と
することも可能である。後者による場合は先端部の幅を
比較的小さく抑えつつ傾斜面の傾斜角度を大きくするこ
とができる。 (2)前記係合片側傾斜面が前記先端部に形成されてお
り、前記切欠側傾斜面が前記第1係合切欠に形成されて
いる請求項2または実施態様項1に記載の切削工具取付
装置。切欠側傾斜面を第1係合切欠と第2係合切欠との
両方に設け、係合片にそれら2つの切欠側傾斜面に対応
する2つの係合片側傾斜面を形成することも可能であ
り、第1係合切欠および第2係合切欠の軸方向の寸法お
よび傾斜面の傾斜角度を同じとした場合に、広い傾斜面
を形成することができる。 (3)前記力変換装置が、前記第2部材に前記軸線に平
行な方向に移動可能に保持され、前記回転防止部材の移
動方向とは逆向きの移動により前記第1部材に係合する
ことによって、前記第1当接部と前記第2当接部とを当
接させる係合部材と、前記回転防止部材の前記第1部材
に接近する向きの移動を、逆向きの前記係合部材の移動
に変換する移動方向反転装置とを含む請求項3に記載の
切削工具取付装置。 (4)前記移動方向反転装置が、前記軸線と交差する方
向に移動する伝達子を含む実施態様項3に記載の切削工
具取付装置。 (5)前記回転防止部材に前記軸線に対して傾斜して形
成された回転防止側傾斜面が形成され、前記係合部材に
前記軸線と直交する直交直線に対して傾斜させられた係
合部材側傾斜面が形成され、前記伝達子がそれら回転防
止側傾斜面と係合部材側傾斜面との間に配設された実施
態様項4に記載の工具取付装置。 (6)前記回転防止側傾斜面の前記軸線に対する傾斜角
度と、前記係合部材側傾斜面の前記直交直線に対する傾
斜角度との少なくとも一方が45度より小さく、前記回
転防止部材の移動力が倍力されて前記係合部材の移動力
とされる実施態様項5に記載の切削工具取付装置。 (7)前記力変換装置が、前記回転防止部材の移動力を
倍力して前記第1当接面と前記第2当接面とを当接させ
る力とする倍力装置を含む請求項3または実施態様項3
に記載の切削工具取付装置。 (8)前記先端部の前記基端部に隣接する部分に幅が漸
変する幅漸変部が形成された請求項4に記載の切削工具
取付装置。第1部材と第2部材との間に相対回転トルク
が作用していない状態で、係合片が作用位置から非作用
位置へ移動させられるとき、幅漸変部の側面に形成され
た傾斜面が先端部の第2係合切欠内への移動を案内する
ガイド部として機能するため、第2部材と第1部材との
分離操作が容易となる。 (9)前記先端部の前記基端部に隣接する部分に幅が段
付状に急変する幅急変部が形成された請求項4に記載の
切削工具取付装置。幅急変部は、断付面が係合片の両側
に形成されるように形成されても、片側に形成されるよ
うに形成されてもよい。前者の場合には、切削工具取付
装置がいずれの回転方向で使用されても差し支えない
が、後者の場合には、相対回転防止状態において係合片
が作用位置から非作用位置へ移動しようとする場合に、
段付面が第2係合切欠の開口縁に当接して係合片の非作
用位置への移動を阻止することとなる回転方向で使用さ
れることが必要である。 (10)前記第1部材が工作機械側に設けられ、前記第
2部材が第1部材に対して着脱されるとともに切削工具
保持部を備えている請求項1ないし4,実施態様項1な
いし9のいずれか1つに記載の切削工具取付装置。 (11)前記第1部材が工作機械の主軸に固定的に設け
られ、前記工具保持部が回転切削工具のシャンクを把持
する工具チャックを含む実施態様項10に記載の切削工
具取付装置。工作機械側部材は、例えば、主軸等工作機
械自体の工具取付部材でもよく、アダプタ等、工作機械
の工具取付部に着脱可能に取り付けられる部材でもよ
い。いずれにしても、発明者の経験では、この形式の工
具取付装置において、回転切削工具にそれの軸線と直交
する方向の成分を有する力を作用させつつ工具取付装置
を回転させる場合に、係合片の第1係合切欠からの離脱
が生じ易い。したがって、この形式の工具取付装置に本
発明を適用した場合に、特に有効に本発明の効果を享受
し得ると推測される。 (12)前記回転防止部材が、前記第2部材の外側に摺
動可能に嵌合された環状本体を備え、前記係合片がその
環状本体の前記第1部材側の端面から突出させられてい
る請求項1ないし4,実施態様項1ないし11のいずれ
か1つに記載の切削工具取付装置。回転防止部材の環状
本体を第2部材の外側に嵌合させれば、回転防止部材を
容易に第2部材に保持させることができる。なお、以上
の実施態様は第5発明にも適用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、第1,第2,第3および第
5発明に共通の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明
する。図1において、10は第1部材としてのアダプタ
であり、図示しない工作機械の工具取付部に着脱可能に
取り付けられている。アダプタ10には、先端部(図1
において左端部)から基端部(図1において右端部)に
向かって延び、端面12に開口する第1嵌合部としての
有底の嵌合穴14が形成されている。
【0022】アダプタ10の嵌合穴14には、第2部材
としての工具ホルダ20が着脱可能に嵌合されるように
なっている。工具ホルダ20のホルダ本体22は、第2
嵌合部としての嵌合軸部24と、その先端部(図1にお
いて左端部)に回転切削工具26(図1に二点鎖線で示
す)を保持する工具保持部28とを備え、嵌合軸部24
の後端側(図1において右端側)からアダプタ10の嵌
合穴14に嵌合される。嵌合軸部24の後端部は直径が
僅かに小さくされ、換言すれば、嵌合穴14に対する嵌
合クリアランスが他の部分より大きくされており、嵌合
軸部24の嵌合穴14への嵌合を案内する嵌合案内部3
0とされている。
【0023】ホルダ本体22は概して円筒状を成してお
り、軸方向に延びる工具挿入穴32を有している。工具
挿入穴32の一部は雌ねじ穴34とされており、内部に
はねじ部材たるアジャスト部材36が螺合されている。
アジャスト部材36には、工具挿入穴32の後端側の端
面に横断面形状が非円形の工具係合凹部としての六角穴
37が形成されており、工具挿入穴32の後端部側から
六角棒スパナ等の回転操作工具を挿入してアジャスト部
材36を回転操作することにより、アジャスト部材36
を軸方向に移動させることができる。アジャスト部材3
6の後ろ側において、ホルダ本体22の内周面に円環溝
が形成されて止め輪38が嵌合されることにより、アジ
ャスト部材36の後退限度が規定されている。なお、図
3は、この止め輪38を取り外した状態で図示されてい
る。
【0024】雌ねじ穴34にはまた、工具駆動部材たる
ドライバ40が軸方向に移動可能に嵌合されている。ド
ライバ40は端面42においてアジャスト部材36に当
接させられる一方、端面42とは反対側の端面に工具係
合部としての工具係合溝44を備えており、回転切削工
具26の係合部たるタングと相対回転不能に係合すると
ともに軸方向において互いに当接するようになってい
る。
【0025】ドライバ40の外周面には、断面形状がほ
ぼ半円形の軸方向溝が一対(図1には一方のみ示す)形
成されており、それら軸方向溝に一対の円柱状部材であ
るピン46(図1には一方のみ示す)が嵌合されてい
る。各ピン46は、ドライバ40の軸方向溝に嵌合させ
られた状態で、一部がドライバ40の外周面から半径方
向外向きに突出している。一方、雌ねじ穴34の内周面
には、軸方向に延び、ほぼ半円形の断面形状を有する一
対の案内溝48が形成されており、これら案内溝48に
各ピン46の突出部がそれぞれ係合させられることによ
り、ドライバ40の軸方向の案内が行われる。また、一
対のピン46がドライバ40の雌ねじ穴34内での回転
を阻止する回転阻止突起として機能している。
【0026】したがって、ホルダ本体22に加えられる
回転トルクが、ピン46およびドライバ40を介して回
転切削工具26に伝達される。また、回転切削工具26
の軸方向の位置は、アジャスト部材36の位置を変更す
ることにより調整される。アジャスト部材36を移動さ
せてドライバ40の位置を変更することにより、回転切
削工具26のホルダ本体22からの突出長さを変え得る
のである。
【0027】工具挿入穴32の軸方向の先端部はテーパ
穴50とされており、コレット52が嵌合されている。
コレット52は、図示しない係合ピンによって回転を防
止されている。コレット52は、概して円筒状の部材に
両端面から交互に軸方向の複数本ずつのすり割り溝が、
反対側の端面までは達しない長さで形成されたものであ
り、軸方向のあらゆる部分において縮径が可能である。
テーパ穴50は先端側ほど径が大きくされており、コレ
ット52は、テーパ穴50の内周面に対応して形成され
たテーパ外周面54においてテーパ穴50に嵌合する一
方、軸方向に平行に形成された内周面56において、回
転切削工具26のシャンク部と嵌合する。コレット52
の外周面には、雄ねじ部58が形成されており、この雄
ねじ部58には回転操作部材としてのねじ部材であるク
ランプナット60の先端部の雌ねじ穴部が螺合され、そ
のクランプナット60の後端部はホルダ本体の先端部の
外周面に嵌合されている。これらクランプナット60と
ホルダ本体20との嵌合部は、両者の間に介在する多数
のボール62によって互いに相対回転可能、かつ軸方向
に移動不能とされている。
【0028】したがって、クランプナット60が雄ねじ
部58に締め込まれる方向に回転操作された場合には、
コレット52がホルダ本体22に向かって移動させられ
るとともに、コレット52がテーパ穴50内へ押し込ま
れて、弾性的に縮径させられる。それにより、コレット
52の内周面56に回転切削工具26のシャンク部が把
持され、回転切削工具26の工具挿入穴32から離脱が
防止される。ホルダ本体200の先端部がチャック本体
として機能するのであり、この先端部とコレット52お
よびクランプナット60とにより工具チャックが構成さ
れているのである。コレット52は、回転切削工具26
を工具挿入穴32内に押し込む向きの軸方向力と、回転
トルクとの一部も受けるが、これらは主としてドライバ
40によって受けられる。
【0029】ホルダ本体22のアダプタ10からの突出
端部となる部分には、図5および図6に示すように半径
方向外向きに延び出すフランジ部70が形成されてい
る。フランジ部70には、直径方向に隔たった2個所に
それぞれ、軸方向に貫通する第2係合切欠としての係合
切欠72が形成されている。係合切欠72は、フランジ
部70の前端面74よりさらに軸方向に延びており、係
合切欠72のフランジ部70に形成された部分の底面に
続き、軸方向に延びる平面が形成されている。
【0030】ホルダ本体22のフランジ部70と、前記
クランプナット60との嵌合部との間には、係合部材8
0が軸方向に相対移動可能に嵌合されている。係合部材
80は、図9および図10に示すように、中空円筒状を
成し、内周面には軸方向に延びる円環状溝82が形成さ
れている。円環状溝82は、ホルダ本体22のフランジ
部70が嵌合可能な直径を有している。円環状溝82内
にはまた、後述する伝達子83が収容されている。係合
部材80の軸方向に隔たった2つの端面のうち後ろ側、
すなわち嵌合軸部24側の端面には、直径方向に隔たっ
た2個所からそれぞれ半径方向内向きに延び出す内向き
突起84,86が設けられている。内向き突起84の後
端側に内向き突起86が設けられ、内向き突起86は内
向き突起84よりも半径方向の突出量が大きくされてい
る。係合部材80の前端部には、半径方向内向きのフラ
ンジ部90が形成されており、そのフランジ部90に軸
方向に延びる複数個(図示の例では4個)の嵌合溝部9
2が等角度間隔で形成され、各嵌合溝部92の間に内向
き突部93が形成されることにより構成される。フラン
ジ部90の内周面は先端に向かうほど直径が漸減するテ
ーパ内周面94とされている。
【0031】伝達子83は、図7および図8に示すよう
に、底面がホルダ本体22の外周面に対応する部分円筒
凹面を成し、頂面がその底面と同心の部分円筒面を成す
部分円筒状の部材である。伝達子83の前端部には、係
合部材80のテーパ内周面94に対応するテーパ外周面
96が形成されている。また、中央部を軸方向に貫通す
る係合溝98が形成されている。係合溝98は、その底
面が前端部に向かうにつれて軸線から遠ざかる向きに傾
斜させられた傾斜溝である。係合部材80は、円環状溝
82においてホルダ本体22のフランジ部70に嵌合さ
れている。また、伝達子83は、テーパ外周面96が係
合部材80のテーパ内周面94に対向する状態で円環状
溝82内に配設されている。テーパ内周面94とテーパ
外周面96との係合により、係合部材80の嵌合軸部2
4に向かう向きの移動限度が規定され、内向き突起84
とフランジ部70の後面99との当接により逆向きの移
動限度が規定される。
【0032】ホルダ本体22の外側には、回転防止部材
としてのカラー100が軸方向に相対移動可能に嵌合さ
れている。カラー100は、図4に示すように、第1部
材102と第2部材104とを備えている。なお、これ
ら第1部材102および第2部材104は、加工の都合
上別体として製造されているが、第2部材104が第1
部材102に圧入されることにより一体のものとして使
用される。第1部材102は、図14に示すように、概
して中空の円筒状を成し、環状部110と、環状部11
0から軸方向に延び、係合部材80の外周面に嵌合され
る嵌合部112とを備えている。第2部材104は、図
11ないし図13に示すように、第1部材102の環状
部110の内径より僅かに大きい外径を有する環状本体
116と、環状本体116の後端面118の直径方向に
隔たった2個所からフランジ部70に向かって軸方向に
平行に延び出させられた軸方向突起120と、同じく環
状本体116の後端面118の軸方向突起120とは位
相を異にする(図示の例では90度異にする)2個所か
ら軸方向に平行に延び出させられた係合片124とを備
えている。一方、環状本体116の内周面は直径が3段
階に変化させられており、肩面126が形成されてい
る。軸方向突起120は、半径方向外側の面が伝達子8
3の係合溝98の底面に対応する向きに傾斜させられた
傾斜面128とされている。
【0033】係合片124は、軸方向突起120よりも
軸方向に長く突出し、図15に示すように、基端部13
0と先端部132とを備え、基端部130の幅が先端部
132の幅よりも狭くされている。基端部130の先端
部132に隣接する部分の両側面は係合片側傾斜面14
0とされている。これら一対の係合片側傾斜面140の
間隔は先端部132に近い部分ほど広くなるようにされ
ている。そして、ホルダ本体22のフランジ部70に形
成された係合切欠72は、フランジ部70の後面99側
の部分が、後面99に近い部分ほど幅が広くなるように
形成され、その係合切欠72の両側面が、上記係合片側
傾斜面140に対応する切欠側傾斜面142とされてい
る。
【0034】カラー100は、嵌合部112において係
合部材80の外周面に軸方向に相対移動可能に嵌合され
るとともに、軸方向突起120が係合部材80の嵌合溝
部92を通過して伝達子83の係合溝98に軸方向に相
対移動可能かつ周方向に実質的に移動不能に係合させら
れている。軸方向突起120と嵌合溝部92および係合
溝98の各側面との当接により、カラー100と係合部
材80との相対回転、および伝達子83の周方向の移動
が防止され、カラー100の軸方向突起120と、係合
部材80の内向き突起84,86との位相が合致した状
態が保たれる。この状態においては係合片124と係合
切欠72との位相も一致し、係合片124は係合切欠7
2に嵌入可能である。係合片124は、先端部132と
後述するアダプタ10の係合切欠170と、基端部13
0と係合切欠72とがそれぞれ係合する作用位置と、先
端部132が係合切欠170から離脱する非作用位置と
に移動可能である。ホルダ本体22には図4に示すよう
にばね受け150が固定され、ばね受け150と環状本
体116の肩面126との間に配設された付勢手段の一
種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング152
により、カラー100は上記作用位置に向かう向きに付
勢されている。工具ホルダ20がアダプタ10から取り
外された状態では、カラー100に対する圧縮コイルス
プリング152の付勢力により、軸方向突起120が係
合溝98に係合させられるとともに、係合片124の先
端部132がフランジ部70の後面99を超えて嵌合軸
部24側へ突出させられている。
【0035】アダプタ10の先端部には、図4に示すよ
うに、外周面に開口する環状溝160が形成され、それ
によりアダプタ10の先端には半径方向外向きのフラン
ジ部162が形成されている。環状溝160のフランジ
部162を確定する溝側面は係合部材80の内向き突起
86との係合面164を構成している。フランジ部16
2の直径方向に隔たった2個所にはそれぞれ、第1係合
切欠としての係合切欠170が形成されている。係合切
欠170は、端面12から軸方向に平行に延びて環状溝
160に至る深さを有している。係合切欠170は嵌合
穴14の周壁の外周面には開口しているが、その周壁の
内周面には開口していない。
【0036】以上のように構成された切削工具取付装置
の工具ホルダ20のアダプタ10への取付けを説明す
る。工具ホルダ20をアダプタ10に取り付けるのに先
立って、工具ホルダ20に回転切削工具26を取り付け
る。まず、工具挿入穴32内に回転切削工具26のシャ
ンクを挿入し、ドライバ40の工具係合溝44にタング
を係合させる。そして、アジャスト部材36の六角穴3
7に回転操作工具を係合させて回転させ、ドライバ40
を任意の量だけ軸方向に移動させて回転切削工具26の
工具挿入穴32への深さを調節する。その後、クランプ
ナット60に工具を係合させて回転させ、コレット52
を締め付ければ、コレット52がテーパ穴50内へ押し
込まれつつ縮径させられ、回転切削工具26を保持す
る。
【0037】工具ホルダ20のアダプタ10への取付け
時には、係合部材80の内向き突起84,86とアダプ
タ10の係合切欠170との位相を一致させた状態で嵌
合軸部24を嵌合穴14に嵌合する。このとき、係合切
欠72と係合切欠170との回転方向の位相は90度ず
れている。そのため、嵌合軸部24を嵌合穴14に挿入
するとき、内向き突起84,86が係合切欠170内に
進入させられるとともに、係合片124がアダプタ10
の端面12に当接し、カラー100の移動が止められ
る。
【0038】この状態からさらに嵌合軸部24を嵌合穴
14に挿入すれば、工具ホルダ20は圧縮コイルスプリ
ング152を圧縮しつつカラー100に対して移動し、
アダプタ10の端面12とホルダ本体22のフランジ部
70の後面99とが当接するこのとき、内向き突起86
が、フランジ部162を超えてアダプタ10の環状溝1
60の位置に達するとともに、アダプタ10のフランジ
部162が内向き突起84の内周側に位置する状態とな
り、工具ホルダ20をアダプタ10に対して回転させる
ことが可能となる。工具ホルダ20の回転につれて、カ
ラー100および係合部材80がアダプタ10に対して
回転させられ、内向き突起86が環状溝160内へ進入
し、フランジ部162と係合可能な状態となる。やがて
係合切欠72および係合片124と係合切欠170との
位相が一致し、カラー100が圧縮コイルスプリング1
52の付勢力によりアダプタ10側へ移動させられ、図
1に二点鎖線で示すように、係合片124が係合切欠1
70に嵌入させられて作用位置となるとともに、軸方向
突起120が係合溝98に係合する。
【0039】この軸方向突起120の係合溝98への係
合により、伝達子83が半径方向外向きに移動させら
れ、テーパ外周面96とテーパ内周面94との斜面の効
果により、係合部材80の内向き突起86がフランジ部
70の後面99に接近する向きに移動させられ、アダプ
タ10の係合面164に係合し、後面99を端面12に
押し付ける。軸方向突起120の傾斜面128と伝達子
83の係合溝98の底面との軸方向に対する傾斜角度は
45度より小さく、テーパ外周面96とテーパ内周面9
4との半径方向に対する傾斜角度も45度より小さいた
め、圧縮コイルスプリング152がカラー100を付勢
する付勢力は、これら2対の傾斜面の作用で倍力されて
係合部材80に伝達される。そのため、端面12と後面
99とは圧縮コイルスプリング152の付勢力より大き
な力で強固に押し付けられ、工具ホルダ20とアダプタ
10とが軸方向の隙間なく取り付けられる。
【0040】アダプタ10の回転は、係合片124と係
合切欠170および係合切欠72との係合により工具ホ
ルダ20に伝達される。切削加工時にアダプタ10と工
具ホルダ20とに切削抵抗に基づく相対回転トルクが作
用する状態では、図15に示すように、係合切欠170
の側面と係合片124の先端部132の一方の側面とが
当接し、係合片124の基端部130の他方の側面と係
合切欠72の側面とが当接することにより、アダプタ1
0と工具ホルダ20との相対回転が相対回転トルクに抗
して防止される。この状態においては、係合切欠170
と係合切欠72との係合片124の両側面にそれぞれ当
接する側の各側面の間の最小間隔Dminが、先端部13
2の幅Wより狭くなるため、係合片124の非作用位置
への移動が防止される。係合片124が図示の作用位置
から左方へ移動して係合切欠170から抜け出すために
は、工具ホルダ20を切削抵抗に基づく大きな回転トル
クに抗して回転させることが必要であり、これは容易な
ことではないからである。また、係合片124と係合切
欠72とは、係合片側傾斜面140と切欠側傾斜面14
2とにおいて係合するため、切削抵抗に基づく回転トル
クが両傾斜面140,142の斜面の効果によって係合
片124を作用位置に向かって移動させる力に変換さ
れ、係合片124の作用位置から非作用位置に向かう移
動が一層確実に防止される。
【0041】工具ホルダ20のアダプタ10からの取外
し時には、カラー100を圧縮コイルスプリング152
の付勢力に抗して後退させ、軸方向突起120を係合溝
98から離脱させるとともに、係合片124を係合切欠
170から離脱する非作用位置へ移動させる。それによ
り係合部材80によるアダプタ10の引付けが解除され
るとともに、工具ホルダ20の回転が許容される。カラ
ー100を回して工具ホルダ20を回転させ、内向き突
起84,86と係合切欠170との位相が一致すれば、
工具ホルダ20は圧縮コイルスプリング152の付勢力
により、アダプタ10から離脱させられる。
【0042】このように工具ホルダ20のアダプタ10
への取付けは、嵌合軸部24を嵌合穴14に挿入すると
ともにカラー100を回転させることにより行うことが
でき、取外しは、カラー100を軸方向に移動させると
ともに回転させることにより行うことができ、工具ホル
ダ20が作業者により着脱される場合には、片手による
取り外しが可能になり、自動工具交換装置により着脱さ
れる場合には、自動工具交換装置の構成が簡単になる効
果が得られる。
【0043】第1,第4および第5発明に共通の一実施
形態を図16〜図19に示す。図16において、200
は回転切削工具202を保持する工具ホルダ204のホ
ルダ本体である。ホルダ本体200は概して円筒状を成
しており、嵌合軸部206より大径の工具保持部208
を有する。嵌合軸部206は、二点鎖線で示すアダプタ
210の嵌合穴212に挿入される。アダプタ210が
第1部材、嵌合穴212が第1嵌合部、ホルダ本体20
0が第2部材、嵌合軸部206が第2嵌合部としてそれ
ぞれ機能するのである。
【0044】アダプタ210の開口近傍部の内周面には
環状溝214が形成されており、それによりアダプタ2
10の開口端には、半径方向内向きのフランジ部216
が形成されている。嵌合穴212の周壁の内周側の部分
には、図示しない2個の嵌合切欠が直径方向に隔たって
形成されている。これら嵌合切欠は、端面218から軸
方向に延びるとともに、フランジ部216の厚さより深
く形成されている。嵌合切欠はアダプタ210の周壁の
内周面に開口させられているが外周面には開口させられ
ていない。
【0045】ホルダ本体200内には、前記実施形態に
おけると同様に、雌ねじ穴220が形成され、アジャス
ト部材222が螺合されるとともに、ドライバ224が
軸方向に移動可能に嵌合されている。ドライバ224に
はドライブピン226が取り付けられている。ドライブ
ピン226は、ドライバ224を直径方向に貫通して取
り付けられ、その両端部がホルダ本体200に形成され
た一対の長穴228に嵌入させられているのであり、工
具ホルダ204の回転は長穴228,ドライブピン22
6,ドライバ224および係合溝229を介して回転切
削工具202に伝達される。
【0046】ホルダ本体200のアダプタ210からの
突出端部の内周面は、先端側ほど径が漸増するテーパ内
周面230とされており、このテーパ内周面230には
コレット232が嵌合されている。コレット232の先
端部の外周面には雄ねじ部234が形成され、この雄ね
じ部234に、ホルダ本体200の先端外周部に多数の
ボール236を介して軸方向に移動不能かつ回転可能に
嵌合されたクランプナット238が螺合されている。し
たがって、このクランプナット238を回転操作するこ
とにより、コレット232を縮径・拡径させ、ホルダ本
体200内に挿入した回転切削工具202を把持・解放
させることができる。
【0047】ホルダ本体200には、半径方向外向きの
フランジ部240が設けられるとともに、フランジ部2
40の直径方向に隔たった2個所にそれぞれ、軸方向に
貫通する第2係合切欠としての係合切欠242が形成さ
れている(図16には1個のみ示されている)。ホルダ
本体200のクランプナット238が嵌合された部分と
フランジ部240との間の部分に、円筒状を成すカラー
244が軸方向に移動可能に嵌合されている。カラー2
44の後端面245の直径方向に隔たった2個所には軸
方向に平行に延びる係合片246が形成されている。ま
た、カラー244はクランプナット238との間に配設
された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイ
ルスプリング248により、フランジ部240に当接す
る向きに付勢されている。係合片246は、係合切欠2
42に軸方向に相対移動可能に嵌入させられるととも
に、その先端部250は、さらにフランジ部240の嵌
合軸部206側の後面252を超えて嵌合軸部206側
へ突出させられている。ホルダ本体200にはまた、フ
ランジ部240の後面252から小距離隔たった位置
に、半径方向外向きの2個の外向き突起254が、直径
方向に隔たって、かつ、カラー244の係合片246と
は90度位相を異にする位置に突設されている。
【0048】図19に拡大して示すように、係合片24
6は、先端部250と基端部260とを備えており、先
端部250と基端部260とは、幅が一定の一定幅部2
62,264をそれぞれ備えている。一定幅部264
は、一定幅部262よりも幅が狭くされている。先端部
250の基端部260と隣接する部分が、基端部260
側から先端部250側に向かうに従って幅が漸増する幅
漸変部266とされ、その両側面はそれぞれ傾斜面26
8となっている。
【0049】アダプタ210の嵌合穴212の周壁の外
周側の部分には、直径方向に隔たって2個の第1係合切
欠としての係合切欠270が形成されている。係合切欠
270は端面218から軸方向に平行に延び、アダプタ
210の外周面には開口させられているが、内周面には
開口させられていない。これら係合切欠270(図16
にはその一方のみを二点鎖線で示す)は、アダプタ21
0の前記嵌合切欠と同位相の位置にそれぞれ設けられて
いるが、嵌合切欠と係合切欠270とは互いに連通する
ことなく形成されている。
【0050】以上のように構成された切削工具取付装置
において、工具ホルダ204をアダプタ210に取り付
けるときには、ホルダ本体200の嵌合軸部206に設
けられた一対の外向き突起254と、アダプタ210に
設けられた一対の嵌合切欠との位相を合わせた状態で嵌
合軸部206を嵌合穴212に挿入する。このとき、カ
ラー244の係合片246とアダプタ210の係合切欠
270との回転方向の位相はずれており、係合片246
はアダプタ210の端面218に当接する。以後、ホル
ダ本体200が圧縮コイルスプリング248を圧縮しつ
つカラー244に対して移動させられ、嵌合軸部206
が嵌合穴212に嵌合される。
【0051】ホルダ本体200のフランジ部240の後
面252がアダプタ210の端面218に当接するまで
嵌合軸部206が嵌合穴212に嵌入されれば、外向き
突起254が嵌合切欠を通過して環状溝214の位置ま
で進入し、この状態でホルダ本体200を90度回転さ
せれば、ホルダ本体200の外向き突起254とアダプ
タ210の内向きフランジ216とが軸方向において係
合するとともに、係合片246と係合切欠270との回
転方向の位相が一致し、カラー244が圧縮コイルスプ
リング248の付勢力により移動させられ、係合片24
6の先端部250が係合切欠270に嵌入させられて、
係合片246が作用位置にある状態になる。
【0052】この状態でアダプタ210が回転させられ
れば、図19に示すように、係合切欠270の側面と係
合片246の先端部250の一定幅部262の一方の側
面とが当接し、基端部260の一定幅部264の他方の
側面と係合切欠242の側面とが当接することにより、
アダプタ10と工具ホルダ20との相対回転を防止する
状態となる。係合片246は各一定幅部262,264
において係合切欠270,242と係合するため、相対
回転防止状態においても係合片246が軸方向に平行な
方向に小距離移動可能である。しかし、係合切欠270
と係合切欠242との係合片246の両側面にそれぞれ
当接する側の各側面の間の最小間隔Dmin が、先端部2
50の一定幅部262の幅Wより狭くなるため、係合片
246が係合切欠270から離脱する非作用位置へ移動
することは防止される。
【0053】工具ホルダ204をアダプタ210から取
り外す場合には、カラー244を圧縮コイルスプリング
248の付勢力に抗して後退させ、係合片246をアダ
プタ210の係合切欠270から離脱させる。それによ
り、工具ホルダ204とアダプタ210との相対回転が
許容され、カラー244を回転させてホルダ本体200
を90度回転させれば、フランジ部216と外向き突起
254との係合を離脱させて工具ホルダ204をアダプ
タ210から取り外すことができる。係合片246の前
記作用位置から前記非作用位置への移動の際、傾斜面2
68が先端部250の係合切欠242内への移動を案内
するガイド部として機能するため、工具ホルダ204と
アダプタ210との分離作業が容易となる。
【0054】上記各実施形態におけるカラーの係合片を
図20または図21に示す形態とすることも可能であ
る。以下に示す切削工具取付装置においては、上記各実
施形態におけると同様、第1部材たるアダプタ300の
第1嵌合部たる嵌合穴に、第2部材たる工具ホルダ30
4の第2嵌合部たる嵌合軸部が嵌合され、工具ホルダ3
04のフランジ部306とアダプタ300とに跨がって
カラー308の係合片が係合させられる。なお、以下に
説明する各係合片は、その先端部がアダプタ300の係
合切欠と、基端部が工具ホルダ304の係合切欠とそれ
ぞれ係合する作用位置と、先端部がアダプタ300の係
合切欠から離脱する非作用位置とにそれぞれ移動可能で
ある。
【0055】図20に示すように、係合片400は、基
端部402と先端部404とを備え、先端部404の一
方の側面には、係合片側傾斜面406が形成されてい
る。係合片側傾斜面406は、基端部402から先端部
404側に向かうに従って係合片400の幅を増大させ
る向きに傾斜させられている。アダプタ300の第1係
合切欠たる係合切欠410は、一方の側面が係合片側傾
斜面406に対応する切欠側傾斜面412とされてい
る。切削加工時には、先端部404側においては、係合
片側傾斜面406と切欠側傾斜面412とが当接し、基
端部402側においては、係合片側傾斜面406とは反
対側の側面と工具ホルダ304の第2係合切欠たる係合
切欠414の側面とが当接して、アダプタ300の回転
が工具ホルダ304に伝達される。また、この状態にお
いては、係合片側傾斜面406と切欠側傾斜面412と
の斜面の効果により、係合片400を作用位置に向かっ
て移動させる向きの力が生じ、係合片400の係合切欠
410からの抜出しが防止される。
【0056】図21に示す係合片500においては、基
端部502と先端部504とがそれぞれ幅が一定の一定
幅部とされ、基端部502の幅が先端部504の幅より
狭くされ、先端部504の一方の側面に、幅が段付状に
増大する幅急変部506が形成されている。切削加工時
の相対回転防止状態においては、アダプタ300の第1
係合切欠たる係合切欠510と、工具ホルダ304の第
2係合切欠たる係合切欠512との係合片500の両側
面に当接する2つの側面間の係合片500の幅方向の間
隔が基端部502の幅と等しくなるため、それより広い
先端部504は係合切欠510側から係合切欠512側
に移動できない。先端部504は、幅急変部506が工
具ホルダ304のフランジ部306の後面に当接するま
では係合切欠510内において軸方向に移動できるので
あるが、幅急変部506の当接後は係合切欠512側へ
の移動を確実に防止されるのである。このように、幅急
変部506は係合片500の係合切欠512側への移動
を妨げるため、工具ホルダ304の取外し時に、係合片
500を係合切欠510から離脱させる際には幅急変部
506が邪魔になる。しかし、幅急変部506は係合片
500の片側にのみ形成されているため、カラー308
を、係合片500の幅急変部506が形成されていない
側の側面が係合切欠512の側面に当接する状態まで回
転させた上で軸方向に移動させれば、幅急変部506が
係合片500の係合切欠510からの離脱を妨げること
はない。
【0057】上記各実施形態においては、主軸に回転切
削工具を取り付ける切削工具取付装置に本発明が適用さ
れていたが、旋盤の心押し台や刃物台に切削工具を取り
付けるための切削工具取付装置や、研削工具を主軸に取
り付ける研削工具取付装置等に本発明を適用することも
可能である。さらに、本発明は、上記各実施形態の構成
要素の組合わせを変えた形態で実施することができる。
その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施
した態様で、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1,第2,第3および第5発明に共通の実施
形態である切削工具取付装置を示す正面(一部断面)図
である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】上記切削工具取付装置の一部を拡大して示す正
面(一部断面)図である。
【図5】上記切削工具取付装置を構成する工具ホルダの
ホルダ本体を示す正面図(一部断面)である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】上記工具ホルダの構成要素である伝達子の左側
面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】上記工具ホルダの構成要素である係合部材の正
面断面図である。
【図10】図9の左側面図である。
【図11】上記工具ホルダの構成要素であるカラーの第
2部材を示す正面図である。
【図12】図11の平面断面図である。
【図13】図11の右側面図である。
【図14】上記カラーの第1部材を示す正面(一部断
面)図である。
【図15】上記切削工具取付装置の一部を拡大して示す
図である。
【図16】第1,第4および第5発明に共通の実施形態
である切削工具取付装置を示す正面(一部断面)図であ
る。
【図17】図16の左側面図である。
【図18】上記切削工具取付装置の構成要素であるホル
ダ本体の側面図である。
【図19】上記切削工具取付装置の一部を拡大して示す
図である。
【図20】第1,第2,第3および第5発明に共通の別
の実施形態である切削工具取付装置の一部を拡大して示
す図である。
【図21】第1,第4および第5発明に共通の別の実施
形態である切削工具取付装置の一部を拡大して示す図で
ある。
【符号の説明】
10:アダプタ 12:端面 14:嵌合穴 2
0:工具ホルダ 22:ホルダ本体 24:嵌合軸
部 26:回転切削工具 28:工具保持部 72:係合切欠 80:係合部材 83:伝達子
84,86:内向き突起 93:内向き突部 9
4:テーパ内周面 96:テーパ外周面 98:係合溝 99:後面 100:カラー 1
20:軸方向突起 124:係合片 130:基端部 132:先端部
140:係合片側傾斜面 142:切欠側傾斜面
152:圧縮コイルスプリング 170:係合切
欠 200:ホルダ本体 202:回転切削工具
204:工具ホルダ 208:工具保持部 21
0:アダプタ 212:嵌合穴 242:係合切欠
244:カラー 246:係合片 248:圧
縮コイルスプリング 250:先端部 260:基
端部 262,264:一定幅部 270:係合切欠 300:アダプタ 304:工
具ホルダ 308:カラー 400:係合片 4
02:基端部 404:先端部 406:係合片側
傾斜面 410:係合切欠 412:切欠側傾斜面
414:係合切欠 500:係合片 502:
基端部 504:先端部 510:係合切欠 5
12:係合切欠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 元志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 辻野 明範 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1嵌合部と、その第1嵌合部の軸線か
    ら偏心した位置においてその軸線に平行な方向に延びる
    第1係合切欠とを備えた第1部材と、 前記第1嵌合部と相対回転可能に嵌合可能な第2嵌合部
    と、前記第1係合切欠に対応する位置において前記軸線
    と平行な方向に延びる第2係合切欠とを備え、前記第1
    部材と連結,分離可能な第2部材と、 その第2部材に前記軸線に平行な方向に移動可能に保持
    された回転防止部材であって、前記第1嵌合部と前記第
    2嵌合部との嵌合状態において、先端部が前記第1係合
    切欠と基端部が前記第2係合切欠とそれぞれ係合する作
    用位置にある状態では前記第1,第2部材の相対回転を
    防止する一方、先端部が第1係合切欠から離脱した非作
    用位置にある状態では第1,第2部材の相対回転を許容
    する係合片を備えたものと、 その相対回転防止部材を前記作用位置に向かって付勢す
    る付勢手段と を含み、第1,第2部材の一方が工作機械側に設けら
    れ、その一方に対して他方が着脱されるとともに切削工
    具を保持する切削工具取付装置において、 前記係合片の前記先端部の少なくとも一部の幅を前記基
    端部の少なくとも一部の幅より大きくするとともに、前
    記第1係合切欠および前記第2係合切欠の形状および寸
    法を、係合片が前記作用位置にあり、かつ、前記第1部
    材と前記第2部材との相対回転をそれら両部材に加えら
    れている一方向の相対回転トルクに抗して防止している
    状態においては、第1係合切欠と第2係合切欠との係合
    片の両側面にそれぞれ当接する側の各側面の間の最小間
    隔が、係合片の前記先端部の最大幅より狭くなって、係
    合片の前記非作用位置への移動を防止し、かつ、第1部
    材と第2部材とに相対回転トルクが作用していない状態
    では係合片が非作用位置へ移動することを許容する形状
    および寸法としたことを特徴とする切削工具取付装置。
  2. 【請求項2】 前記係合片の両側面のうち、前記相対回
    転防止状態において前記第1係合切欠と第2係合切欠と
    の側面と当接する部分の少なくとも一部が基端部側から
    先端部側に向かうに従って係合片の幅が増大する向きに
    傾斜した係合片側傾斜面とされ、第1,第2係合切欠の
    その係合片側傾斜面と当接する側面がその係合片側傾斜
    面に対応した切欠側傾斜面とされたことを特徴とする請
    求項1に記載の切削工具取付装置。
  3. 【請求項3】 前記第1部材が第1当接面を、前記第2
    部材が第2当接面を、それら両当接面同士の当接により
    第1部材と第2部材との前記軸線に平行な方向における
    相対位置を決める状態で備えており、かつ、当該切削工
    具取付装置が、前記回転防止部材の前記付勢手段の付勢
    力に基づく前記軸線に平行な方向の移動力を、前記第1
    当接面と前記第2当接面とを当接させる力に変換する力
    変換装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の切削
    工具取付装置。
  4. 【請求項4】 前記係合片の前記基端部と前記先端部と
    がそれぞれ幅が一定の一定幅部を備え、それら一定幅部
    の側面において前記第2係合切欠および前記第1係合切
    欠の対応する各側面と係合し、かつ、基端部の一定幅部
    の幅が先端部の一定幅部の幅より狭いことを特徴とする
    請求項1に記載の切削工具取付装置。
  5. 【請求項5】 第1嵌合部と、その第1嵌合部の軸線か
    ら偏心した位置においてその軸線に平行な方向に延びる
    第1係合切欠とを備えた工作機械側部材に対して、着脱
    される工具ホルダであって、 前記第1嵌合部と相対回転可能に嵌合可能な第2嵌合部
    と、前記第1係合切欠に対応する位置において前記軸線
    と平行な方向に延びる第2係合切欠と、切削工具を保持
    する工具保持部とを備え、工作機械側部材に着脱される
    ホルダ本体と、 そのホルダ本体の外側に前記軸線に平行な方向に相対移
    動可能に嵌合されたカラーであって、第1嵌合部と第2
    嵌合部との嵌合状態において、先端部が第1係合切欠と
    基端部が第2係合切欠とそれぞれ係合する作用位置にあ
    る状態ではホルダ本体の前記工作機械側部材に対する相
    対回転を防止する一方、先端部が第1係合切欠から離脱
    した非作用位置にある状態では相対回転を許容する係合
    片を備えたものと、 そのカラーを前記作用位置に向かって付勢する付勢手段
    とを含む工具ホルダにおいて、 前記係合片の前記先端部の少なくとも一部の幅を前記基
    端部の少なくとも一部の幅より大きくするとともに、前
    記第2係合切欠の形状および寸法を、係合片が前記作用
    位置にあり、かつ、前記工作機械側部材と前記ホルダ本
    体との相対回転をそれら両部材に加えられている一方向
    の相対回転トルクに抗して防止している状態において
    は、第1係合切欠と第2係合切欠との係合片の両側面に
    それぞれ当接する側の各側面の間の最小間隔が、係合片
    の前記先端部の最大幅より狭くなって、係合片の前記非
    作用位置への移動を防止し、かつ、工作機械側部材と前
    記ホルダ本体とに相対回転トルクが作用していない状態
    では係合片が非作用位置へ移動することを許容する形状
    および寸法としたことを特徴とする切削工具取付装置。
JP12990397A 1997-05-20 1997-05-20 切削工具取付装置およびそれに好適な工具ホルダ Pending JPH10315017A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009107086A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Fuji Seiko Ltd バルブシート加工工具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009107086A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Fuji Seiko Ltd バルブシート加工工具

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