JPH10314499A - ロール仕上機 - Google Patents

ロール仕上機

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JPH10314499A
JPH10314499A JP12962997A JP12962997A JPH10314499A JP H10314499 A JPH10314499 A JP H10314499A JP 12962997 A JP12962997 A JP 12962997A JP 12962997 A JP12962997 A JP 12962997A JP H10314499 A JPH10314499 A JP H10314499A
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guide
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belt
suction
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Kazuhiro Nishiwaki
和弘 西脇
Junichi Sugimoto
淳一 杉本
Shigeki Shikayama
茂樹 鹿山
Takuji Arita
卓司 有田
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Tokyo Sensen Kikai Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数段設けられた主ロール1,2と、これに
対応して設けられた加熱ベッド1a,1bとから成るロ
ール仕上機において、主ロールと加熱ベッドとの間から
送り出された被処理物を次段の主ロールと加熱ベッドに
受渡す機構を改良して、ベルトコンベアとして機能する
ベルト部材の早期摩耗を防止する。 【解決手段】 受渡し機構15のサクションロール15
aは矢印r方向に回転する中空部材で、その外周面は通
気性を有し、その内部空間を排気管15fで真空吸引さ
れている。上記サクションロール15aとガイドロール
15cに、通気性を有する無端環状のガイドベルト15
dが巻き掛けられて矢印e方向に周回動している。主ロ
ール1から送り出された被処理物はサクションロール1
5aに吸いつけられてガイドベルト15dの上に載せら
れる。該ガイドベルト15dはサクションロール15a
と一緒に回り、摺動しないので早期に摩耗する虞れが無
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯済みの布製被
処理物(例えばシーツ,包布,ピロケースなど)をプレ
ス仕上するための複数段型のロール仕上機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図4は、洗濯済みの布製被処理物をプレ
ス仕上げするための従来例として示した3段型ロール仕
上機の模式的な側面図である。円柱状の主ロール1,
2,3が3段に、すなわちそれぞれ水平に、相互に平行
に配置され、図示しない支持軸によって回転自在に支承
されるとともに、図示しない駆動装置によってそれぞれ
円弧矢印L方向に回転せしめられる。これらの主ロール
1,2,3は中空状に構成されていて、内部を真空排気
して被処理物から発生した水蒸気を排出できるようにし
たものも有り、また加熱手段を設けられたものも有る。
前記複数の主ロール1,2,3はフエルト状の上巻で外
周面を覆われていて、これらの主ロール1,2,3に
は、それぞれ加熱ベッド1a,2a,3aが設けられて
いる。これらの加熱ベッドは主ロールの外周面に対応す
る凹円柱面状の鏝面を有し、加熱蒸気もしくは加熱油を
流通せしめて加熱できるように構成されている。リボン
テープ6は無端環状に構成され、前記の主ロール1,
2,3、およびリボンガイド5に巻き掛けられて、被処
理物7を誘導しつつ、上記主ロール1,2の周速と同じ
速さで矢印L′方向に回転する。
【0003】前記被処理物7は入口コンベア4によって
搬入され、加熱ベッド1aとリボンテープ6との間に供
給される。供給された被処理物7は、その片側の面7a
とリボンテープ6との摩擦力によって引き動かされ、他
方の面7bを加熱ベッド1aに押しつけられて滑動す
る。該被処理物7が、主ロール1と加熱ベッド1aとの
間を通過し終えると、次いで主ロール2と加熱ベッド2
aとの間で押しつけられながら進行し、さらに主ロール
3と加熱ベッド3aとの間で押し付けられながら通過し
てプレス処理される。プレス仕上済みの被処理物7′は
ロール仕上機から搬出される。図5は、前掲の図4に示
した従来例のロール仕上機を矢印A方向に見て描いた模
式的な正面図である。この図5においては、主ロール
2,3は主ロール1と重なって隠れている。本図に示す
ように、リボンテープ6およびリボンガイド5は、主ロ
ールの軸心方向に多数配列されている。
【0004】以上に説明した従来例(図4,図5)のロ
ール仕上機においては、リボンテープ6の消耗が激しい
という問題が有り、さらに、被処理物7と主ロール1,
2,3との間にリボンテープ6が挟み込まれるので、該
被処理物の片側の面7aにリボンテープ6の痕跡が残っ
て仕上がり品質を低下させるという問題も有る。前述し
たリボンテープを用いることなく、被処理物を複数段の
主ロールと加熱ベッドとの間に順次に通過せしめるよう
に誘導して搬送する技術として、特開平8−10799
5号公報に開示された「ロールアイロナー」が提案され
ている。説明の便宜上、以下これを公知発明という。図
6は、公知発明(特開平8−107995号公報)に係
るロールアイロナーの1実施例を示す概要的な側面図で
ある。前掲の図4と同一の符号を付した主ロール1,
2、加熱ベッド1a,2a、入口コンベア4、被処理物
7,仕上済被処理物7′および出口コンベア9は、それ
ぞれ前記従来例(図4)の構成部材に対応する類似の部
材である。
【0005】この公知発明においては、主ロール1と加
熱ベッド1aとの間を通過して送り出された被処理物7
を、主ロール2と加熱ベッド2aとの間に誘導して送り
込むために、排気管10によって減圧されている半割円
筒状の通気性のボックス11に、無端環状の通気性のベ
ルト12を巻回して駆動プーリ13で回転させる構造の
吸引ベルトユニットが設けられている。図7は、前掲の
図6に示した公知発明の実施例における吸引ベルトユニ
ットの拡大詳細図である。前掲の図6に概要を示したボ
ックス11は、円筒を縦割りにした形の函状の部材であ
って、その円筒面を上方に向けて設置されており、その
円筒部の壁に多数の透孔が穿たれている。一方、無端環
状のベルト12は通気性を有しており、前記半割円筒状
多孔ボックス11の円筒面を覆うとともに、4個のガイ
ドプーリ14およびベルト駆動プーリ13に巻き掛けら
れて矢印d,d′,d″のように周回動せしめられる。
主ロール1の回転と共に円弧矢印Lのごとく送られた被
処理物7が加熱ベッド1aを通り過ぎると、通気性のベ
ルト12を透して多孔ボックス11に吸いつけられ、該
ベルト12の周回動と共に円弧矢印d′のごとく進行し
て、主ロール2と加熱ベッド2aとの間に送り込まれ
る。図4(従来例)に示したようなリボンテープ6が設
けられていないので、被処理物は直接的に主ロールに接
触し、仕上済被処理物にリボンテープの痕跡が残らな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した先願発
明(図6,図7)によると、リボンテープを用いること
なく主ロールと加熱ベッドとの間から送り出された被処
理物を受け取って次の工程に送り込むことができ、該被
処理物にリボンテープの痕跡が残らない。しかし、図7
から容易に理解されるように無端環状の通気性ベルト1
2が、静止部材である半割円筒状多孔ボックス11に巻
き掛けられて周回動するため、摩擦によって上記無端環
状の通気性ベルトが早期に損耗するという不具合が有
る。該無端環状通気性ベルト12が損耗して切断する
と、受渡し途中の被処理物が次工程へ不正な姿勢で送り
込まれるので、噛み込まれて損傷するなどの被害を生じ
る。しかし、上記無端環状の通気性ベルトが切断しない
うちに早期交換を繰り返すと、交換用部品コストが高価
であるのみでなく、交換作業のためにロール仕上機の運
転を停止しなければならないのでロールプレス作業の能
率が低下し、交換作業の労務コストも多大である。本発
明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、ロール
仕上機における被処理物の受渡しを、リボンテープを使
用せずに行なうことができ、しかも、該被処理物を受渡
しする部材が早期に損耗する虞れの無いロール仕上機を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明者は、前記公知発明(図7)における無端環状
の通気性ベルト12が早期に損耗する原因を探求して、
該原因を取り除いた。すなわち、上記無端環状の通気性
ベルト12が早期に損耗する原因は、(イ)静止部材で
ある半割円筒状多孔ボックスに巻き掛けられて、摩擦し
ながら周回動すること、さらに、(ロ)真空吸引によっ
て該無端環状の通気性ベルト12が半割円筒状多孔ボッ
クスの円筒面に押しつけられるので、前記の摩擦が大き
いこと、による。検討の対象である無端環状通気性ベル
ト12が真空吸着によってガイド部材(今の場合は半割
円筒状多孔ボックス11)に押しつけられることは、被
処理物7を真空吸着して確実に受渡しするために回避で
きない現象である。こうした考察に基づいて本発明は、
前記の無端環状通気性ベルトが、被処理物を真空吸着す
るガイド部材に対して摺動しないように改良した。本発
明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する
図1を参照して略述すると、サクションロール15aは
回転可能に支承された中空状のロールであって、その外
周面は通気性を有しており、その内部空間は排気管15
fによって減圧されている。一方、ガイドベルト15d
も通気性を有して無端環状をなし、前記のサクションロ
ール15aおよびガイドロール15cに巻き掛けられて
いる。上記サクションロール15aはプーリとしての機
能も兼ねていて、主ロール1と反対方向に、かつ該主ロ
ール1とほぼ等しい周速で円弧矢印rのように回転す
る。ガイドベルト15dは上記サクションロール15a
に対してほとんど滑ることなく矢印e方向に周回動して
被処理物(本図1において図示省略)を搬送する。以上
に説明した原理に基づいて本発明に係るロール仕上機の
構成は、平行に配置されて回転せしめられる複数段の主
ロールと、上記主ロールのそれぞれに対向せしめて配置
された加熱ベッドとを具備し、洗濯済みの布製被処理物
を前記複数段の主ロールと加熱ベッドとの間に順次に通
過させてプレス処理するロール仕上機において、上記複
数段の主ロールのそれぞれについて、当該主ロールと次
段の主ロールとの間の受渡し部分、又は、当該主ロール
から次工程への受渡し部分に、当該主ロールに隣接せし
めてこれと平行に配置されたサクションロールと、上記
サクションロールに接続されてその内部の気体を排出す
る手段と、上記サクションロールの下流側に位置して、
当該主ロールから送り出された布製被処理物の重量を支
持するガイドテーブルと、上記ガイドテーブルの下流端
に、回転自在に取り付けられたガイドロールと、前記ガ
イドテーブルの上面に摺触せしめて、前記サクションロ
ールおよびガイドロールに巻き掛けられた、通気性を有
する無端環状のガイドベルトと、前記サクションロール
およびガイドベルトを、主ロールの回転方向と反対の方
向に、かつ、該主ロールとほぼ等しい周速で回転せしめ
る駆動手段と、前記ガイドテーブルの下流端付近に固着
されて、前記ガイドロールおよびガイドベルトと干渉し
ないようにその両側に位置せしめられて、下流側に向け
て突出する嘴(くちばし)状のガイドプレートと、を具
備していることを特徴とする。
【0008】以上に説明した本発明のロール仕上機によ
ると、複数段の主ロールのそれぞれについて、次の工程
への受渡し部分に、サクションロールに巻き掛けられた
ガイドベルトが周回動しており、かつ、該ガイドベルト
が通気性を有しているので、主ロールから送り出された
布製被処理物がガイドベルトに吸いつけられて確実に受
け取られる。そして、該ガイドベルトは主ロールと反対
方向に、ほぼ等しい周速で周回しているのでベルトコン
ベアとして機能し、受け取った布製被処理物を載せ、該
布製被処理物の重量をガイドテーブルに助けられて支持
しつつ、該ガイドテーブルの下流端に設けられているの
ガイドロールまで搬送する。上記のガイドベルトは、ガ
イドロールの両側に設けられたガイドプレートによって
緩やかに挟まれた形になっているので、前記サクション
ロールとガイドロールに巻き掛けられた状態で搬送方向
について左右に偏ることなく、3次元的に位置ぎめされ
て受渡し作用を果たす。ベルトコンベアとして作動して
いるガイドベルトの下流端まで送られて放出された布製
被処理物は、嘴(くちばし)状ガイドプレートによって
次段の主ロールと加熱ベッドとの間に導かれ、もしくは
次工程の機器に送り込まれる。この場合、次段の主ロー
ルと加熱ベッドとの間隔は余り大きくないので正しく挿
入しないと搬送トラブルを生じる虞れが有るが、ベルト
コンベアの放出部に当たるガイドロールの付近から、さ
らに下流方向に嘴状のガイドプレートが突出しているの
で、布製被処理物は該嘴状ガイドプレートに案内されて
正しく下流側の機器に送り込まれて搬送トラブルを生じ
ない。上述のような構造機能によって布製被処理物が受
渡しされ、特に、回転部材であるサクションロールが無
端環状のガイドベルトを巻き掛けられてプーリとしての
機能を果たし、ガイドベルトはサクションロールに対し
てほとんど摺動しない。このため、該ガイドベルトが早
期に摩損する虞れが無く、優れた耐久性が得られるの
で、ランニングコスト中の消耗品コストが低減され、メ
ンティナンスの所要工数が少なく、しかも整備休止時間
が少なくて稼働率が高い。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るロール仕上機
の1実施形態を示し、模式的に描いた断面側面図であ
る。図6(公知発明)におけると同一の符号を付した主
ロール1,2、加熱ベッド1a,2a、入口コンベア
4、および出口コンベア9は前記公知発明における構成
部材に対応する構成部分である。ただし、必ずしも類似
の構成部材ではない。本実施形態においては主ロール1
と主ロール2との間に、本発明を適用して構成した被処
理物の受渡し機構15が設けられている。上記受渡し機
構の構成は、主ロール1に隣接せしめてこれと平行に、
サクションロール15aが回転可能に支承されている。
上記のサクションロール15aは有頂有底の円筒状部材
で、その外周面を通気性の部材によって構成されるとと
もに、排気管15fが接続されていて矢印c′のように
排気され(いわゆる真空引きされ)て、内部空間が減圧
されている。
【0010】前記サクションロール15aの外周壁、お
よび、後に支持するガイドベルト15dは通気性の部材
である。本発明において通気性部材とは、例えば織物や
フェルトなどのような多孔性材料で構成された部材、も
しくは、多数の透孔を配列して穿たれた部材をいい、多
孔性材料製部材に透孔が穿たれていても良い。無端環状
の通気性ガイドベルト15dが、前記サクションロール
15aとガイドロール15cとに巻き掛けられ、テンシ
ョンプーリ15eによって適宜の張力を与えられてい
る。上記サクションロール15aの下流側に位置せしめ
て、その上面をガイドベルト15dにほぼ接せしめてガ
イドテーブル15bが設置されていて、このガイドテー
ブル15bの下流側の端部に前記ガイドロール15cが
回転自在に支承されている。
【0011】本実施形態においては、前記のサクション
ロール15aが図示しない駆動手段によって主ロール1
と反対方向に矢印rのごとく、該主ロール1とほぼ等し
い周速で回転せしめられる。これに伴ってガイドベルト
15dは矢印e方向に周回動せしめられ、ベルトコンベ
アと同様に機能する。前記のガイドテーブル15bは、
ガイドベルト15dの下面に軽く摺触しつつ、該ガイド
ベルト15dに載せて搬送される被処理物(図示省略)
の重量支持を助ける。しかし、このガイドテーブル15
bはガイドベルト15dを真空吸着する構造ではないの
で両者が強く摩擦することは無い。その上、テンション
プーリ15eによってガイドベルト15dに与えられた
張力は、該ガイドベルト15dをガイドテーブル15b
に押圧せしめるように作用しない。これらの理由によ
り、ガイドベルト15dがガイドテーブル15bとの摩
擦によって早期に損耗する虞れは無い。
【0012】主ロール1と加熱ベッド1aとの間を通過
して送り出された被処理物(図示せず)は、サクション
ロール15aにより、通気性のガイドベルト15dを透
して矢印sのように吸いつけられ、ガイドベルト15d
に載せられて矢印eのように搬送され、次段の主ロール
2と加熱ベッド2aとの間に送り込まれる。主ロール2
と加熱ベッド2aとの間から送り出された仕上済被処理
物7′は、前述した受渡し機構15と同様に構成された
受渡し機構15′に受け取られて矢印e′のごとく搬送
されて出口コンベア9に送り込まれて矢印fのごとく次
工程の機器(図示せず)に搬送される。
【0013】図2は、受渡し機構の駆動方式を説明する
ために示したもので、(A)は前掲の図1に示した受渡
し機構の拡大詳細図、(B)は上記と異なる実施形態に
おける受渡し機構の模式図である。本図2(A)の実施
形態においては、先に図1について説明したようにサク
ションロール15aが図示しない駆動手段によって回転
せしめられて駆動プーリとしての役目を兼ね、ガイドベ
ルト15dを矢印e方向に周回せしめてコンベアベルト
としての機能を果たさせる。これに比して本図2(B)
の実施形態においては、前記サクションロール15aと
別体に駆動プーリ15hを設けるとともに、前記ガイド
ベルト15dよりも大径の無端環状に構成されたガイド
ベルト15d′をサクションロール15a,ガイドロー
ル15cおよび駆動プーリ15hに巻き掛けるとともに
テンションプーリ15eで適宜の張力を与えてある。前
記(A)図においてサクションロール15aが駆動プー
リとしての役目を兼ねたのに比して、本図(B)におけ
るサクションロール15aはガイドプーリとしての役目
を兼ねることになる。上記(A)図,(B)図いずれの
場合においてもサクションロール15aとガイドベルト
とはほとんど等しい周速で回転し、両者はほとんど相互
に摺動しない。従って早期に摩耗が進行する虞れが無
く、耐久性に優れている。
【0014】本図2に表されているように、ガイドテー
ブル15bの下流方向の端にガイドプレート15gが取
り付けられている。このガイドプレート15gの一部分
は、ガイドベルト(15d,15d′)よりも搬送方向
下流側へ嘴状に突出している。図3は本発明のロール仕
上機におけるガイドプレートの作用を説明するために示
した要部斜視図である。本図3に示されているように、
複数個のガイドベルト15d1〜15d3が平行に配置さ
れており、被処理物7″はこれら複数個のガイドベルト
に跨って搭載されて矢印gのように搬送され、矢印hの
ように次工程の機器に送り込まれる。このような機能を
サポートするために、ガイドプレート15gに求められ
る作用は、(イ)ガイドベルトが搬送方向に関して左右
(往復矢印m−n)に偏らないように規制すること、
(ロ)被処理物7″の矢印g方向搬送に干渉してこれを
妨げることのないこと、(ハ)被処理物7″を矢印h方
向に送り出すように案内すること、である。これらの作
用を果たすために最適なガイドプレートの形状を実験的
に探究した結果、矢印h方向に(すなわち、搬送方向に
ついて下流側に向けて)突出する嘴状とすることが最適
であることを確認した。
【0015】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、本発明のロール仕
上機によると、複数段の主ロールのそれぞれについて、
次の工程への受渡し部分に、サクションロールに巻き掛
けられたガイドベルトが周回動しており、かつ、該ガイ
ドベルトが通気性を有しているので、主ロールから送り
出された布製被処理物がガイドベルトに吸いつけられて
確実に受け取られる。そして、該ガイドベルトは主ロー
ルと反対方向に、ほぼ等しい周速で周回しているのでベ
ルトコンベアとして機能し、受け取った布製被処理物を
載せ、該布製被処理物の重量をガイドテーブルに助けら
れて支持しつつ、該ガイドテーブルの下流端に設けられ
ているのガイドロールまで搬送する。上記のガイドベル
トは、ガイドロールの両側に設けられたガイドプレート
によって緩やかに挟まれた形になっているので、前記サ
クションロールとガイドロールに巻き掛けられた状態で
搬送方向について左右に偏ることなく、3次元的に位置
ぎめされて受渡し作用を果たす。ベルトコンベアとして
作動しているガイドベルトの下流端まで送られて放出さ
れた布製被処理物は、嘴(くちばし)状ガイドプレート
によって次段の主ロールと加熱ベッドとの間に導かれ、
もしくは次工程の機器に送り込まれる。この場合、次段
の主ロールと加熱ベッドとの間隔は余り大きくないので
正しく挿入しないと搬送トラブルを生じる虞れが有る
が、ベルトコンベアの放出部に当たるガイドロールの付
近から、さらに下流方向に嘴状のガイドプレートが突出
しているので、布製被処理物は該嘴状ガイドプレートに
案内されて正しく下流側の機器に送り込まれて搬送トラ
ブルを生じない。上述のような構造機能によって布製被
処理物が受渡しされ、特に、回転部材であるサクション
ロールが無端環状のガイドベルトを巻き掛けられてプー
リとしての機能を果たし、ガイドベルトはサクションロ
ールに対してほとんど摺動しない。このため、該ガイド
ベルトが早期に摩損する虞れが無く、優れた耐久性が得
られるので、ランニングコスト中の消耗品コストが低減
され、メンティナンスの所要工数が少なく、しかも整備
休止時間が少なくて稼働率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロール仕上機の1実施形態を示
し、模式的に描いた断面側面図である。
【図2】受渡し機構の駆動方式を説明するために示した
もので、(A)は前掲の図1に示した受渡し機構の拡大
詳細図、(B)は上記と異なる実施形態における受渡し
機構の模式図である。
【図3】本発明のロール仕上機におけるガイドプレート
の作用を説明するために示した要部斜視図である。
【図4】洗濯済みの布製被処理物をプレス仕上げするた
めの従来例として示した3段型ロール仕上機の模式的な
側面図である。
【図5】前掲の図4に示した従来例のロール仕上機を矢
印A方向に見て描いた模式的な正面図である。
【図6】公知発明(特開平8−107995号公報)に
係るロールアイロナーの1実施例を示す概要的な側面図
である。
【図7】前掲の図6に示した公知発明の実施例における
吸引ベルトユニットの拡大詳細図である。
【符号の説明】
1,2,3…主ロール、1a,2a,3a…加熱ベッ
ド、4…入口コンベア、5…リボンガイド、6…リボン
テープ、7…被処理物、7′…仕上済被処理物、8…フ
レーム、9…出口コンベア、10…排気管、11…半割
円筒状ボックス、12…吸引ベルト、13…ベルト駆動
プーリ、15…受渡し機構、15a…サクションロー
ル、15b…ガイドテーブル、15c…ガイドロール、
15d…ガイドベルト、15e…テンションプーリ、1
5f…排気管、15g…ガイドプレート、15h…駆動
プーリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 卓司 山梨県山梨市東後屋敷707−1 株式会社 東京洗染機械製作所山梨工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行に配置されて回転せしめられる複数
    段の主ロールと、上記主ロールのそれぞれに対向せしめ
    て配置された加熱ベッドとを具備し、洗濯済みの布製被
    処理物を前記複数段の主ロールと加熱ベッドとの間に順
    次に通過させてプレス処理するロール仕上機において、 上記複数段の主ロールのそれぞれについて、当該主ロー
    ルと次段の主ロールとの間の受渡し部分、又は、当該主
    ロールから次工程への受渡し部分に、 当該主ロールに隣接せしめてこれと平行に配置されたサ
    クションロールと、 上記サクションロールに接続されてその内部の気体を排
    出する手段と、 上記サクションロールの下流側に位置して、当該主ロー
    ルから送り出された布製被処理物の重量を支持するガイ
    ドテーブルと、 上記ガイドテーブルの下流端に、回転自在に取り付けら
    れたガイドロールと、 前記ガイドテーブルの上面に摺触せしめて、前記サクシ
    ョンロールおよびガイドロールに巻き掛けられた、通気
    性を有する無端環状のガイドベルトと、 前記サクションロールおよびガイドベルトを、主ロール
    の回転方向と反対の方向に、かつ、該主ロールとほぼ等
    しい周速で回転せしめる駆動手段と、 前記ガイドテーブルの下流端付近に固着されて、前記ガ
    イドロールおよびガイドベルトと干渉しないようにその
    両側に位置せしめられて、下流側に向けて突出する嘴
    (くちばし)状のガイドプレートと、を具備しているこ
    とを特徴とするロール仕上機。
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