JPH10313929A

JPH10313929A - ベビーホルダー兼用ウエストバッグ

Info

Publication number: JPH10313929A
Application number: JP9132573A
Authority: JP
Inventors: Junichi Higuchi; 順一樋口
Original assignee: Lucky Industry Co Ltd
Current assignee: Lucky Industry Co Ltd
Priority date: 1997-05-22
Filing date: 1997-05-22
Publication date: 1998-12-02
Anticipated expiration: 2017-05-22
Also published as: JP3148150B2; US5934528A; TW392452U

Abstract

(57)【要約】【課題】どのような体格の使用者が左右のどちらに横抱
っこしても、また成長等に伴う幼児の体形変化にかかわ
らず、背ベルトを水平に保ち、常に幼児を安定させた状
態で抱っこすることができベビーホルダー兼用ウエスト
バッグを提供することを目的とする。【解決手段】この発明のベビーホルダー兼用ウエストバ
ッグは、両端に腰回り装着用のウエストベルト２０が連
結され、幼児の臀部を支承可能なウエストバッグ本体１
０と、下端が連結ベルト２１を介して前記ウエストバッ
グ本体１０に連結され、使用者の肩に掛止するためのル
ープ状の吊りベルト６０と、前記吊りベルト６０の下部
に設けられ、幼児の腰部を外側から保持するための尻当
て３０と、前記吊りベルト６０に左右両端部が架け渡さ
れ、幼児の上半身を支えるための背ベルト９０とを備
え、前記吊りベルト６０上において、前記背ベルト９０
と前記尻当て３０との間の距離を左右独立して変更する
ことにより、前記背ベルト９０の高さが左右独立して調
節可能となされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、腰回り装着タイ
プの小物入れとしてはもちろんのこと、幼児を抱っこす
る際の補助具としても使用できるベビーホルダー兼用ウ
エストバッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】図１０に示すように、この種のベビーホ
ルダー（１００）の一般的なものは、両端に腰回り装着
用のウエストベルト（１０２）が接続されたウエストバ
ッグ本体（１０１）を具備し、そのバッグ本体（１０
２）内に、断面略倒Ｌ字状の硬質支承部材（１０６）が
収納され、バッグ本体（１０１）上に、幼児を座らせる
ことができるように構成されている。さらにこのバッグ
には、下端がバッグ本体（１）に連結されたループ状の
吊りベルト（１０３）が設けられ、その吊りベルト（１
０３）の下部に幼児用尻当て（１０４）が設けられるて
いるとともに、尻当て（１０４）の上方に背ベルト（１
０５）が尻当て（１０４）の上端部と平行に吊りベルト
（１０３）に架け渡して設けられている。

【０００３】そして図１１（Ａ）（Ｂ）に示すように、
このバッグを用いて幼児（Ｂ）を抱っこする場合、使用
者（Ｍ）は、ウエストベルト（１０２）を腰回りに巻回
して連結することにより、バッグ本体（１０１）を左右
どちらかの腰部に装着し、その状態で、吊りベルト（１
０３）を反対側の肩に襷掛けにし、バッグ本体（１０
１）上に幼児（Ｂ）を対面状に座らせ、吊りベルト（１
０３）下部の尻当て（１０４）を幼児（Ｂ）の腰部外側
に沿わせるとともに、幼児の腕を背ベルト（１０５）の
上から出させるように配置して抱きかかえる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のようなベビーホ
ルダー（１００）では、幼児の身体を安全に保持するた
め、背ベルト（１０５）が幼児（Ｂ）の背中を水平かつ
腋下の高い位置で支えることが重要である。しかしなが
ら、図１１（Ａ）（Ｂ）に示すように、使用者（Ｍ）が
左右どちらで横抱っこしてもバッグ本体（１０１）の座
面は常に水平に保たれているのに対し、吊りベルト（１
０３）を反対側の肩に掛けることにより、肩の支点から
尻当て（１０４）までの距離（ベルト長さ）が胸側より
も背中側で大きくなって、尻当て（１０４）および背ベ
ルト（１０５）が脇側に下がった状態となる。背ベルト
（１０５）が脇側に下がると、幼児（Ｂ）の腋下から背
ベルト（１０５）までの間が大きく開くことになる。こ
のような状態では、幼児（Ｂ）の身体を安定して保持す
ることができなくなり、幼児（Ｂ）がホルダーから墜落
するおそれさえある。さらに、前記背ベルト（１０５）
の下がり分は使用者（Ｍ）の体格によっても大きく差が
生じるため、たとえ抱っこ方向を決めて背ベルトを斜め
に縫着したとしても、使用者が変わると水平を保つこと
ができない。

【０００５】また、このようなベビーホルダー（１０
０）は、６ケ月から４歳程度の幼児に使用されるが、幼
児の成長に伴い安定して保持するための背ベルト（１０
５）の高さも変化する。しかし、上述した従来のベビー
ホルダー（１００）では、吊りベルト（１０３）、背ベ
ルト（１０５）および尻当て（１０４）が縫着固定され
ているために、乳児期に背ベルト（１０５）が適正な位
置にあっても、次第に背ベルト（１０５）が低くなって
くる。また、成長を見越して背ベルト（１０５）を高く
しておくと、身体の小さいときに尻当て（１０４）と背
ベルト（１０５）との間から身体が抜落ちるおそれがあ
る。このように、１つのベビーホルダーを常に安定した
た状態で長期間使用することはできない。

【０００６】この発明は、このような背景に鑑み、どの
ような体格の使用者が左右のどちらに横抱っこしても、
また成長等に伴う幼児の体形変化にかかわらず、背ベル
トを水平に保ち、常に幼児を安定させた状態で抱っこす
ることができベビーホルダー兼用ウエストバッグを提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明のベビーホルダ
ー兼用ウエストバッグは、前記目的を達成するために、
両端に腰回り装着用のウエストベルトが連結され、幼児
の臀部を支承可能なウエストバッグ本体と、下端が連結
ベルトを介して前記ウエストバッグ本体に連結され、使
用者の肩に掛止するためのループ状の吊りベルトと、前
記吊りベルトの下部に設けられ、幼児の腰部を外側から
保持するための尻当てと、前記吊りベルトに左右両端部
が架け渡され、幼児の上半身を支えるための背ベルトと
を備え、前記吊りベルト上において、前記背ベルトと前
記尻当てとの間の距離を左右独立して変更することによ
り、前記背ベルトの高さが左右独立して調節可能となさ
れていること基本要旨とする。

【０００８】この発明においては、背ベルトの高さを左
右で独立して調節可能となされているため、左右どちら
の横抱っこに使用しても、あるいは幼児や使用者の体格
に合わせて、使用状態において背ベルトが水平となるよ
うに調節することができる。また、幼児の成長に伴い背
ベルトを左右共に高くすることもできる。このため、抱
っこ方向、幼児および使用者の体格に拘らず、常に背ベ
ルトで幼児を安定保持した状態で抱っこすることができ
る。

【０００９】また、この発明において、前記背ベルトの
左右両端部が前記吊りベルトに固着される一方、前記吊
りベルトが前記背ベルトと尻当てとの間で分割されると
ともに、分割された吊りベルトの両端をラダー部材に挿
通し、任意の位置で掛止することにより連結され、前記
ラダー部材における吊りベルトの掛止位置により前記背
ベルトの高さ調節を行う場合は、背ベルトの高さの微調
整が効き、より適正な水平状態を保つことができる上、
調整操作も容易である。

【００１０】また、前記背ベルトが前記吊りベルトから
分離される一方、前記吊りベルトにベルトの長さ方向に
複数の係止具が設けられ、これらの係止具のいずれかに
背ベルトを係止させることによっても、同様に水平状態
を保つことができる他、背ベルトのみの洗濯や部品交換
が可能である。

【００１１】さらに、前記背ベルトに、幼児の上半身に
巻止める補助ベルトが設けられている場合は、幼児をベ
ビーホルダーと一体に保持できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１乃至図６は、この発明の実施
形態であるベビーホルダー兼用ウエストバッグ（１）を
示している。これらの図に示すように、このベビーホル
ダー兼用ウエストバッグ（１）は、両端にウエストベル
ト（２０）が連結されるとともに支承部材（４０）を収
納するウエストバッグ本体（１０）と、連結ベルト（２
１）を介して前記バッグ本体（１０）に連結される吊り
ベルトと（６０）、この吊りベルト（６０）の下端に縫
着固定される尻当て（３０）と、前記吊りベルト（６
０）に架け渡された背ベルト（９０）とを備えている。

【００１３】前記バッグ本体（１０）は、横長方形の後
面カバー（１０ａ）と、その上下端に連結した上面カバ
ー（１０ｂ）および下面カバー（１０ｃ）と、前面から
両側面を構成する１枚の前面カバー（１０ｄ）とからな
り、全体として前面側が前方に膨出した水平断面Ｄ字状
のものに形成されている。前記上面カバー（１０ｂ）
は、クッション性を向上させるべく上下一対のシート材
（１０ｅ）（１０ｅ）間にクッション材（１０ｆ）を介
在させたものが採用されている。また、前面カバー（１
０ｄ）には、ファスナー付き開閉口（１１）が設けられ
ている。この開閉口（１１）は、ウエストバッグ本体
（１０）の前面の上端中央部よりやや下方位置から両側
面の下部後端、すなわち前面カバー（１０ｄ）と後面カ
バー（１０ａ）の接合部の下部にかけて、アーチ状に形
成されている。そして図２の想像線に示すように、ファ
スナーを開くと、前面ほぼ全域を、下面カバー（１０
ｃ）と共に、その下面カバー（１０ｃ）の後端を中心に
下方に転回して、開閉口（１１）を大きく開放できるよ
うに構成されている。これによりバッグ本体（１０）に
対し、小物類の出し入れ操作や、後に詳述する吊りベル
ト（６０）の出し入れ操作を容易に行えるようになって
いる。

【００１４】さらに、前記開閉口（１１）はバッグ本体
（１０）の前面の上端中央部よりやや下方位置に形成さ
れることにより、上面カバー（１０ｂ）の前周縁部に沿
ってスカート部（１２）が形成されている。また、バッ
グ本体（１０）の前面カバー（１０ｄ）の前面には、上
面にファスナー付きの開閉口（１４）を有する小物入れ
用ポケット（１３）が設けられている。

【００１５】前記バッグ本体（１０）の両端に接続され
るウエストベルト（２０）は、長さ調整自在に構成され
ており、ベルト連結および分離を図るための連結具（２
２）を有している。そしてウエストベルト（２０）を、
腰回りに巻いて連結することにより、バッグ本体（１
０）を腰部に装着できるよう構成されている。また、図
１において（２３）は、ウエストベルト（２０）に挿通
させてウエストベルト（２０）上を任意に移動できる腰
パッドである。

【００１６】前記バッグ本体（１０）内に収納される支
承部材（４０）は、硬質の発泡ポリスチレン等の合成樹
脂製であり、バッグ本体（１０）の上面カバー（１０
ｂ）に対応する大きさおよび形状に形成された座板部
（４１）と、バッグ本体（１０）の後面カバー（１０
ａ）に対応する大きさおよび形状に形成された腰当て部
（４２）とを一体的に有する断面略倒Ｌ字状に形成され
たものである。さらに支承部材（４０）の腰当て部（４
２）には、その下方左右両側に縦長矩形状の挿通孔（４
２ａ）（４２ａ）が厚さ方向に貫通状に形成されるとと
もに、それらの挿通孔（４２ａ）（４２ａ）の間の上方
位置に座板部（４１）下面に連続する態様で１つの横長
矩形状の貫通孔（４２ｂ）が厚さ方向に貫通状に形成さ
れている。

【００１７】この構成の支承部材（４０）は、図２に示
すように、座板部（４１）がバッグ本体（１０）内の前
記スカート部（１２）に適合されて、座板部（４１）お
よび腰当て部（４２）が、上面カバー（１０ｂ）および
後面カバー（１０ａ）に沿うようにして配置されてい
る。

【００１８】さらに、この収納配置状態において、支承
部材（４０）は、図２および図３に示すように、腰当て
部（４２）の貫通孔（４２ａ）（４２ａ）に、バッグ本
体（１０）の後面カバー（１０ａ）に縫着された固定ベ
ルト（５０）の両側部が挿通され、そのベルト（５０）
の両端部がその対応面に設けられた面ファスナー（５
１）（５１）で脱着自在に固定されることによって、バ
ッグ本体（１０）内に固定されている。

【００１９】前記支承部材（４０）の貫通孔（４２ｂ）
内には、座板部（４１）の下面に沿う態様で連結具（８
０）の雌部材（８１）が配置されるとともに、その雌部
材（８１）の挿入側端部がバッグ本体（１０）の後面カ
バー（１０ａ）にベルト（８３）を介して縫着固定され
ている。

【００２０】図４に示すように、前記雌部材（８１）と
対をなす連結具（８０）の雄部材（８５）は、後述する
連結ベルト（２１）を長さ調整自在に連結するためのラ
ダー部（８６）が一体的に設けられている。このラダー
部（８６）は、矩形状の枠体（８６ａ）と、その枠体
（８６ａ）の両側辺中央部間に架け渡された架橋片（８
６ｂ）とを有している。

【００２１】またバッグ本体（１０）内には、支承部材
（４０）の前面側を覆うようになされた内部カバー（７
０）が装備されている。この内部カバー（７０）は、そ
の上端縁がバッグ本体（１０）の前記スカート部（１
２）の内側に縫着されており、下端縁に沿ってゴム（７
１）が縫着されている。そしてその下端縁側を支承部材
（４０）の腰当て部（４２）の下端縁部に引っ掛けるこ
とによって、支承部材（４０）を覆うようになされてい
る。なおこの内部カバー（７０）には、支承部材（４
０）の貫通孔（４２ｂ）に対応して、ベルト挿通孔（７
２）が形成されている。

【００２２】前記連結ベルト（２１）は一端側を吊りベ
ルト（６０）に縫着され、他端側は前記バッグ本体（１
０）の内部カバー（７０）の前記ベルト挿通孔（７２）
に挿通されて、内部カバー（７０）内に配置される。そ
して、図４に示すように連結ベルト（２１）の他端側
は、前記連結具（８０）の雄部材（８５）におけるラダ
ー部（８６）の枠体（８６ａ）に、その架橋片（８６
ｂ）に引っ掛けるようにして挿通配置される。こうして
連結ベルト（２１）をラダー部（８６）に対し任意の位
置で掛止できるようにし、幼児の成長に合わせて連結ベ
ルト（２１）の長さを自在に調整できるように構成して
いる。

【００２３】一方、前記吊りベルト（６０）は、上部が
ループ状に形成されて、下端部に前記バッグ本体（１
０）に連結される連結ベルト（２１）の一端側が縫着さ
れている。また、吊りベルト（６０）の下部と連結ベル
ト（２１）の上部を覆うように逆三角形状の幼児用尻当
て（３０）が縫着されるとともに、尻当て（３０）の内
面に前向き抱っこ用の足ぐりパッド（３１）が縫着され
ている。さらに、前記尻当て（３０）の上方には、吊り
ベルト（６０）に架け渡すように背ベルト（９０）が縫
着されている。

【００２４】前記吊りベルト（６０）は、尻当て（３
０）と背ベルト（９０）との間の左右２箇所で長帯（６
０ａ）と短帯（６０ｂ）とに分割され、これら（６０
ａ）（６０ｂ）は、それぞれラダー部材（６１）（６
１）を介して長さ調節自在に連結されている。

【００２５】図５に示すように、前記ラダー部材（６
１）は、矩形状の枠体（６１ａ）と、この枠体（６１
ａ）の両側辺間に平行に架け渡された断面長方形の固定
用架橋片（６１ｂ）および断面台形の送り用架橋片（６
１ｃ）とを有するものである。そして、これらのラダー
部材（６１）は、前記吊りベルト（６０）の短帯（６０
ｂ）の両端を固定用架橋片（６１ｂ）を巻くように挿通
するとともにループ状に縫着することによって、短帯
（６０ｂ）に一体に取付けられている。一方、長帯（６
０ａ）は、その両端を送り用架橋片（６１ｃ）に引っ掛
けるように挿通するとともに任意の長さに送り込み、長
さを自在に調節できようになされている。長帯（６０
ａ）を任意の長さを送り込んだのち、吊りベルト（６
０）に張力がかかって長帯（６０ａ）と短帯（６０ｂ）
とが一直線になると、送り用架橋片（６１ｃ）の鋭角部
（６１ｄ）と枠体（６１ａ）の鋭角部（６１ｅ）とが長
帯（６０ａ）を拘束して掛止される。そして、長帯（６
０ａ）の先端の余剰部分はベルト通し（６２）に通して
長帯（６０ａ）本体に沿わせておく。左右のラダー部材
（６１）（６１）によりこのような長帯（６０ａ）の長
さ調節を行うことによって、尻当て（３０）と背ベルト
（９０）との間の距離、換言すれば背ベルト（９０）の
高さを左右で独立して調節することができる。なお、吊
りベルト（６０）の全体長さは、長帯（６０ａ）上に設
けられたベルト送り（６３）により大まかに調整すると
ともに、前記ラダー部材（６１）と同型のラダー部材
（６４）により微調整を行う。図１において（６５）は
肩当パッドである。

【００２６】前記背ベルト（９０）は、左右両端を吊り
ベルト（６０）に掛け渡して縫着されとともに、前述の
吊りベルト（６０）と同型のラダー部材により、幼児の
体格に合わせて長さを自在に調節可能になされている
（図示省略）。そして、硬いラダー部材が幼児に直接当
たらないよう、背ベルト（９０）は背当てパッド（９
１）に被覆されている。さらに、背当てパッド（９１）
の内側中央部には、幼児の胸部に巻止める補助ベルト
（９２）が縫着されている。この補助ベルト（９２）
は、中央部にベルトの分離−連結を行うとともに幼児の
体格に合わせてベルト長さを自在に調節可能な連結具
（９３）を有している。このような補助ベルト（９２）
を背ベルト（９０）に付加することにより、幼児（Ｂ）
はベビーホルダー（１）に一体に保持され、万一幼児の
身体がベビーホルダーからずれても墜落等最悪の事態は
免れ、安全が確保される。また、前記補助ベルト（９
２）は、背ベルト（９０）の左右両端に設けるよりも、
この実施形態のように中央部に設ける方が幼児（Ｂ）の
身体に密着させることができ、さらに安定する。

【００２７】本実施形態のベビーホルダー兼用ウエスト
バッグ（１）は、以上のように構成されており、幼児を
左または右に横抱っこする場合には、次のようにして使
用する。

【００２８】まず、図６に示すように、抱っこの位置に
合わせて、吊りベルト（６０）の長帯（６０ａ）、短帯
（６０ｂ）間の前記ラダー部材（６１）（６１）により
背ベルト（９０）の左右の高さを調整する。即ち、背ベ
ルト（９０）は使用者の脇側が下がるので、左抱きのと
きは左を高く、右抱きのときは右を高くして、使用状態
において背ベルト（９０）がバッグ本体（１０）の座面
と平行になるように、かつ幼児の腋下のできるだけ高い
位置で支持できるようにする。図６では右抱っこ用に背
ベルト（９０）の右側（図面に向かって左）を高く調節
した場合を例示している。左右の高さにどの程度差をつ
けるかは、幼児の体格の他、使用者の体格やバッグ本体
（１０）の装着位置によっても異なる。前記ラダー部材
（６１）は任意の位置で掛止可能であるから微調整が可
能であり、幼児あるいは使用者の体格等に適した長さに
合わせることができる。また、吊りベルト（６０）の全
体の長さは、使用時よりも若干長くしておく。この状態
で、バッグ本体（１０）を腰部に沿わせるように配置し
て、ウエストベルト（２０）を腰回りに巻回して連結す
る。

【００２９】次に、バッグ本体（１０）上に幼児を使用
者と対面するように座らせて補助ベルト（９２）を幼児
の上半身に巻き止める。

【００３０】そして、吊りベルト（６０）を使用者の肩
に襷掛けにし、ラダー部材（６４）により吊りベルト
（６０）の全体長さを微調整し、余分なゆるみがないよ
うする。図７（Ａ）（Ｂ）に示す使用状態において、吊
りベルト（６０）が張って各ラダー部材（６１）（６
１）（６４）において吊りベルト（６０）は確実に掛止
されている。そして、背ベルト（９０）は幼児の背中を
水平に支え、安定した姿勢で安全に保持することができ
る。なお、図７（Ａ）は右抱きにおいて背ベルト（９
０）の右側（図面に向かって左）を高くして使用した状
態を示し、図７（Ｂ）は左抱きにおいて背ベルト（９
０）の左側（図面に向かって右）を高くして使用した状
態を示している。

【００３１】以上のように、この実施形態のベビーホル
ダー兼用ウエストバッグ（１）では、背ベルト（９０）
の高さを左右で独立して調節できるから、左右のどちら
に横抱きしても、あるいは幼児（Ｂ）や使用者（Ｍ）の
体格に拘らず、背ベルト（９０）を水平に保つことがで
きる。そのため、幼児（Ｂ）を安定した状態で保持する
ことができ、安全性が高い。また、安定性が良いため、
使用者（Ｍ）にとっても負担が軽減される。さらに、安
定した水平状態を保持できることにより、図８に示すよ
うに、幼児を前向きに座らせて抱っこすることもでき
る。このとき、幼児（Ｂ）の足は、尻当て（３０）の下
部の連結ベルト（２１）の両脇から出るので、この部分
にクッション性のある足ぐりパッド（３１）を付けてお
くことにより、幼児（Ｂ）の腿を保護することができ
る。

【００３２】また、このベビーホルダー兼用ウエストバ
ッグ（１）を単に小物入れとして使用する際には、吊り
ベルト（６０）をバッグ本体（１０）内に収納してお
き、バッグ本体（１０）を腰部に装着する。また短時
間、幼児を抱きかかえるような場合には、この装着状態
のまま、幼児をバッグ本体（１０）上に座らせて抱きか
えること（ちょっと抱っこ）も可能である。さらに、吊
りベルト（６０）を使用しない場合には、前記連結ベル
ト（２１）に設けられた連結具（８０）の雄部材（８
５）と雌部材（８１）との連結を解除し、吊りベルト
（６０）をバッグ本体（１０）から取り出しておくとと
もに、支承部材（４０）を、それを固定している一対の
固定ベルト（５０）の連結を解除してバッグ本体（１
０）から取り出しておくようにしても良い。この場合に
は、バッグ本体（１０）内の収納空間を大きく確保で
き、その空間を有効に活用することができる。

【００３３】なお、この実施形態において、バッグ本体
（１０）に吊りベルト（６０）を収納可能とし、バッグ
本体（１０）と吊りベルト（６０）とを連結する連結ベ
ルト（２１）の長さを調節可能とするとともにバッグ本
体（１０）から分離可能とし、さらにバッグ本体（１
０）から支承部材（４０）を取出し可能としたものを例
示したが、この発明はこのような形態に限定するもので
はない。また、前記背ベルト（９０）の高さを調節する
ラダー部材（６１）を吊りベルト（６０）の短帯（６０
ｂ）側に固着したが、逆に長帯（６０ａ）側に固着して
短帯（６０ｂ）の長さを調節するように構成しても良
い。

【００３４】図９は、この発明の他の実施形態のベビー
ホルダー兼用ウエストバッグ（２）の要部を示すもので
あり、先のベビーホルダー兼用ウエストバッグ（１）と
は、背ベルトの高さの調整機構が異なる。

【００３５】このベビーホルダー兼用ウエストバッグ
（２）は、ループ状の吊りベルト（６６）において、尻
当て（３０）の左右上方に該ベルト（６６）の長さ方向
一列に３つの環（６７ａ）（６７ｂ）が縫着されてい
る。一方、背ベルト（９４）は前記吊りベルト（６６）
から分離独立したループ状に形成され、分離−連結を行
うとともに長さを自在に調節可能な連結具（９５）を有
している。そして、前記背ベルト（９４）の連結具（９
５）を分離して左右それぞれ任意の位置の環（６７ａ）
（６７ｂ）に挿通して、再び連結具（９５）を連結する
ことにより、背ベルト（９４）の高さ調節を行うととと
もに、背ベルト（９４）を吊りベルト（６６）に係合さ
せる。なお、図９において、（９６）は背ベルトに挿通
される背当てパッドであり、この背当てパッド（９６）
には先の実施形態（１）と同様の補助ベルト（９２）が
取付けられている。

【００３６】このような形態においても、背ベルト（９
４）の高さを左右で独立して調節することができ、背ベ
ルト（９４）を水平に保持することができる。また、背
ベルト（９４）を吊りベルト（６６）から取り外すこと
ができるから、背ベルト（９４）のみの洗濯や、誤用に
より背ベルト（９４）を損傷した場合の部品交換が可能
である。

【００３７】

【発明の効果】以上のように、この発明のベビーホルダ
ー兼用ウエストバッグは、吊りベルト上において、前記
背ベルトと前記尻当てとの間の距離を左右独立して変更
することにより、前記背ベルトの高さが左右独立して調
節可能となされているため、左右どちらの横抱っこに使
用しても、あるいは幼児や使用者の体格に合わせて、使
用状態において背ベルトが水平となるように調節するこ
とができる。また、幼児の成長に伴い背ベルトを左右共
に高くすることもできる。このため、抱っこ方向、幼児
および使用者の体格に拘らず、常に背ベルトで幼児を安
定保持した態で抱っこすることができる。

【００３８】また、前記背ベルトの高さ調節を、ラダー
部材により行う場合は、微調整が効き、より適正な水平
状態を保つことができる上、調整操作も容易である。

【００３９】また、前記背ベルトの高さ調節を、吊りベ
ルト上に設けた複数の係止具により行う場合は、背ベル
トを吊りベルトから分離することができ、ラダー部材を
使用した場合と同様に水平状態を保つことができる他、
背ベルトのみの洗濯や部品交換が可能である。

【００４０】さらに、前記背ベルトに、幼児の上半身に
巻止める補助ベルトが設けられている場合は、幼児をベ
ビーホルダーと一体に保持でき、より一層安定した状態
で抱っこでき、背ベルトの位置とともに、二重に安全を
確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態であるベビーホルダー兼
用ウエストバッグを示す斜視図である。

【図２】図１のII−II線断面図である。

【図３】実施形態のウエストバッグを開口させて内部カ
バーをめくり上げた状態を示す斜視図である

【図４】ウエストバッグにおける連結ベルトの連結具周
辺を示す分解斜視図である。

【図５】背ベルトの高さ調節に使用するラダー部材の縦
断面図である。

【図６】ベビーホルダー兼用ウエストバッグにおいて、
右抱っこ用に背ベルトの高さを調節した状態を示す斜視
図である。

【図７】この発明のベビーホルダー兼用ウエストバッグ
の使用状態を示す斜視図であり、（Ａ）は右抱っこを示
し、（Ｂ）は左抱っこを示している。

【図８】この発明のベビーホルダー兼用ウエストバッグ
を前向き抱っこで使用する状態を示す斜視図でる。

【図９】この発明の他の実施形態であるベビーホルダー
兼用ウエストバッグの要部を示す斜視図である。

【図１０】従来のベビーホルダー兼用ウエストバッグを
示す斜視図である。

【図１１】従来のベビーホルダー兼用ウエストバッグの
使用状態を示す斜視図であり、（Ａ）は右抱っこを示
し、（Ｂ）は左抱っこを示している。

【符号の説明】

１０…ウエストバッグ本体２０…ウエストベルト２１…連結ベルト３０…尻当て６０、６６…吊りベルト６１…ラダー部材６７ａ，６７ｂ…係止具（環）９０、９４…背ベルト９３…補助ベルト

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】両端に腰回り装着用のウエストベルトが
連結され、幼児の臀部を支承可能なウエストバッグ本体
と、下端が連結ベルトを介して前記ウエストバッグ本体に連
結され、使用者の肩に掛止するためのループ状の吊りベ
ルトと、前記吊りベルトの下部に設けられ、幼児の腰部を外側か
ら保持するための尻当てと、前記吊りベルトに左右両端部が架け渡され、幼児の上半
身を支えるための背ベルトとを備え、前記吊りベルト上において、前記背ベルトと前記尻当て
との間の距離を左右独立して変更することにより、前記
背ベルトの高さが左右独立して調節可能となされている
ことを特徴とするベビーホルダー兼用ウエストバッグ。
【請求項２】前記背ベルトの左右両端部が前記吊りベ
ルトに固着される一方、前記吊りベルトが前記背ベルト
と尻当てとの間で分割されるとともに、分割された吊り
ベルトの両端をラダー部材に挿通し、任意の位置で掛止
することにより連結され、前記ラダー部材における吊り
ベルトの掛止位置により前記背ベルトの高さ調節を行う
請求項１に記載のベビーホルダー兼用ウエストバッグ。
【請求項３】前記背ベルトが前記吊りベルトから分離
される一方、前記吊りベルトにベルトの長さ方向に複数
の係止具が設けられ、これらの係止具のいずれかに背ベ
ルトを係止させることにより、前記背ベルトの高さ調節
を行う請求項１に記載のベビーホルダー兼用ウエストバ
ッグ。
【請求項４】前記背ベルトに、幼児の上半身に巻止め
る補助ベルトが設けられている請求項１乃至３のいずれ
かに記載のベビーホルダー兼用ウエストバッグ。