JPH1031367A - 現像スリーブ、画像形成方法及び現像スリーブの再生方法 - Google Patents

現像スリーブ、画像形成方法及び現像スリーブの再生方法

Info

Publication number
JPH1031367A
JPH1031367A JP20832396A JP20832396A JPH1031367A JP H1031367 A JPH1031367 A JP H1031367A JP 20832396 A JP20832396 A JP 20832396A JP 20832396 A JP20832396 A JP 20832396A JP H1031367 A JPH1031367 A JP H1031367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developing sleeve
toner
powder
developing
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20832396A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
Susumu Honma
奨 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP20832396A priority Critical patent/JPH1031367A/ja
Publication of JPH1031367A publication Critical patent/JPH1031367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写トナーの飛散を抑制し、現像ゴーストの
発生を防止し、現像特性の環境依存性を小さくし、か
つ、素管を廃棄せずに再生可能にした現像スリーブとそ
の再生方法、及び、その現像スリーブを用いた画像形成
方法を提供しようとするものである。 【解決手段】 ステンレス製基体の表面に、トナーに対
する摩擦帯電極性が結着剤の摩擦帯電極性とは逆極であ
る無機粉体を結着剤に分散させた被膜を有する現像スリ
ーブ、該現像スリーブを用いた画像形成方法、及び、該
現像スリーブをステンレス製とし、使用済み現像スリー
ブから被膜を除去して新たな被膜を形成する現像スリー
ブの再生方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等の電子写真機器に使用する現像スリーブ、該現像ス
リーブを用いる画像形成方法、及び、ステンレス製素管
を用いる現像スリーブの再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真機器では、感光ドラムに形成さ
れた静電潜像をトナーで現像し、用紙に転写して画像を
得ている。図2は、一成分磁性トナーを用いる現像装置
の概略断面図である。回転する円筒状現像スリーブ1上
にトナーホッパ3からトナー5を供給し、帯電ブレード
4によりトナーの厚みを均一にすると共に摩擦で帯電さ
せ、感光ドラム6表面に該トナーを飛翔させて現像を行
う。現像スリーブ表面のトナーが消費された部分10
は、スリーブ回転により新たなトナーが供給される。新
たなトナーは前記と同様に帯電ブレードにより摩擦帯電
されるが、同時に、現像スリーブ上に残存する、消費さ
れなかった部分のトナー50は重ねて摩擦帯電されるこ
とになる。そのため、現像スリーブ上のトナーは、現像
履歴に応じて異なる帯電量を持つようになり、現像能力
に差が生じる。
【0003】本来は、現像時に感光ドラムの静電電位に
応じた量のトナーを現像スリーブから飛翔させて現像を
行う必要があるが、小粒径トナーや高帯電量のトナーが
混在すると、現像スリーブ上のトナーに現像能力差が生
じやすく、電位に応じたトナーの飛翔ができなくなる。
転写用紙の長さより短いスリーブ円周長さLの現像スリ
ーブを使用するときには、一枚の用紙を現像するのに、
現像スリーブを複数回転する必要があるが、上記のよう
に現像能力に差があると、現像ゴーストと呼ばれる現象
が発生する。即ち、現像スリーブを1回転した後のトナ
ー(前回の現像で消費されなかった部分のトナー)の現
像能力が高ければ、1回転目の現像部分からLの位置に
ポジゴーストが発生し、逆の場合にはネガゴーストが発
生する。
【0004】このような現像ゴーストの発生を防止する
には、新たに供給されたトナーと消費されなかった部分
のトナーの帯電量の差を無くすことが必要である。換言
すると、現像スリーブ上のトナーは帯電ブレードで帯電
される回数に依らず、一定の帯電量を保持させることが
重要になる。
【0005】そこで、現像ゴースト防止のために、現像
スリーブ表面に導電性微粒子を含有した樹脂層を形成
し、表面の凹凸と導電性によって現像スリーブ上のトナ
ーの供給量と帯電性を適切に制御することが提案された
(特開平1−276174号公報、特開平1−2772
65号公報、特開平2−105183号公報参照)。
【0006】しかし、これらの現像スリーブは、転写工
程においてトナーの飛散を抑えるために必要な帯電量を
トナーに付与することができず、トナー帯電量がより低
くなる傾向があるため、転写トナーの飛散を悪化させる
という問題点があった。また、このような低い帯電量の
トナーは、高温高湿度環境から低温低湿度環境まで全て
の条件で現像特性を一定に保つことも困難である。
【0007】一方、樹脂層を形成した従来の現像スリー
ブは感光ドラムと同程度の寿命のため、感光ドラムと共
に回収して同様に廃棄していた。即ち、従来の現像スリ
ーブの材質は、主にアルミニウム(Al)であったが、
Alは機械的強度が乏しいため、使用済みの現像スリー
ブは、樹脂層が磨耗するだけでなく、スリーブの寸法精
度が低下し、傷や変形等のために再生して使用すること
は困難であった。スリーブ素管としてステンレス(SU
S)を用いる提案もあるが(特開平2−105183号
参照)、Alより高価であるため、これを使用した例は
なく、特に、この現像スリーブから樹脂層を剥離して再
生使用する発想はなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題点を解消し、転写トナーの飛散を抑制し、現像
ゴーストの発生を防止し、現像特性の環境依存性を小さ
くし、かつ、素管を廃棄せずに再生可能にした現像スリ
ーブとその再生方法、及び、その現像スリーブを用いる
画像形成方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の構成を採
用することにより、上記の課題の解決に成功した。 (1) ステンレス製基体の表面に、トナーに対する摩擦帯
電極性が結着剤の摩擦帯電極性とは逆極である無機粉体
を結着剤に分散させた被膜を有することを特徴とする現
像スリーブ。
【0010】(2) 前記基体の表面粗度(Rmax)が
2.0μm以下であることを特徴とする上記(1) 記載の
現像スリーブ。
【0011】(3) 前記無機粉体として、二硫化モリブテ
ン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、炭化ケイ素、グ
ラファイトの群から選択した1種以上顔料を使用したこ
とを特徴とする上記(1) 又は(2) 記載の現像スリーブ。
【0012】(4) 前記無機粉体が比抵抗105 〜107
Ωcmの範囲の半導電性を有することを特徴とする上記
(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の現像スリーブ。
【0013】(5) 前記無機粉体は、短径が長径の2分の
1以下で、長径が0.1〜5μmの範囲で、短径が0.
05〜0.5μmの範囲の片状粉体であることを特徴と
する上記(1) 〜(4) のいずれか1つに記載の現像スリー
ブ。
【0014】(6) 前記無機粉体を界面活性剤及び/又は
炭化水素系オイルで結着剤に分散させたことを特徴とす
る上記(1) 〜(5) のいずれか1つに記載の現像スリー
ブ。
【0015】(7) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成す
る工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いて現像
する工程、現像されたトナー像を転写体上に転写する工
程を有する画像形成方法において、該現像剤担持体とし
て、上記(1) 〜(6) のいずれか1つに記載の現像スリー
ブを用いることを特徴とする画像形成方法。
【0016】(8) 上記(1) 〜(6) のいずれか1つに記載
の現像スリーブを用いて画像形成を行った使用済み現像
スリーブから、表面に被膜を有するステンレス製基体を
回収する工程と、該基体上の被膜を除去する工程、該基
体表面に新たに被膜を形成する工程とを有することを特
徴とする現像スリーブの再生方法。
【0017】(9) 新たに形成する被膜として、上記(1)
〜(6) のいずれか1つに記載の被膜を形成する工程を有
することを特徴とする上記(8) 記載の現像スリーブの再
生方法。
【0018】(10)前記基体上の被膜を除去する工程にお
いて、水と非相溶性を有し、水よりも比重の大きな溶剤
を用いることを特徴とする上記(8) 又は(9) 記載の現像
スリーブの再生方法。
【0019】(11)前記基体上の被膜を除去する工程にお
いて、前記溶剤上に水を浮かべて溶剤の蒸発を防止する
ことを特徴とする上記(8) 〜(10)のいずれか1つに記載
の現像スリーブの再生方法。
【0020】
【発明の実施の態様】図1は、本発明にかかる現像スリ
ーブの模式断面図である。この現像スリーブは、ステン
レス(SUS)製素管7の表面に、トナーに対する摩擦
帯電極性が結着剤のそれとは逆極である無機粉体8を結
着剤に分散させた被膜9を備えたものであり、使用済み
の現像スリーブは、これを回収し、被膜を剥離した後、
新たに上記被膜を形成して再度使用する。
【0021】本発明で使用するスリーブ素管の材質は、
Alより機械的強度が高いSUSを用いる。素管の材質
をSUSにすると、被膜を剥離したりして再生しても寸
法精度の低下や変形、表面傷が問題となることはなく、
新品と同様に使用することが可能なのである。素管の表
面粗度(Rmax)は、2.0μm以下、好ましくは
1.0〜2.0μmの範囲が適しており、2.0μmを
越えると、被膜を形成した際にハジキ等の欠陥を生じた
り、現像スリーブにバイアス電圧を印加する際に突起部
で異常放電を引き起こすおそれがあるので、2.0μm
以下にすることが好ましい。素管表面のRmaxが2.
0μmを超えるときには、表面を回転砥石、サンドペー
パー、研磨ベルト等によって研削し、2.0μm以下に
することが好ましい。
【0022】前記素管上には、トナーに対する摩擦帯電
極性が結着剤とは逆極の無機粉体を含有させた被膜を形
成する。これにより現像ゴーストを防止できる理由は、
トナーと被膜との摩擦帯電量が、通常は摩擦回数の増加
と共に上昇するのに、被膜中に逆極帯電性の無機粉体が
存在することにより、摩擦帯電量の上昇を相殺し、一定
レベルに抑えられるためである。
【0023】このような無機粉体としては、二硫化モリ
ブデン(MoS2 )、二硫化タングステン(WS2 )、
窒化ほう素(BN)、炭化珪素(SiC)、グラファイ
ト等を使用することができる。レーザープリンターには
負帯電性トナーが用いられるため、逆極帯電性粉体とし
て、MoS2 が最適である。MoS2 は、粉体の比抵抗
が105 〜107 Ωcmの半導電性であり、これを分散
した被膜も半導電性となる。これにより、トナーが飛翔
した後に現像スリーブ側に生ずる逆極電荷が、被膜に蓄
積されないという利点がある。また、MoS2 は固体潤
滑性を有するため、被膜の磨耗を防止する効果もある。
【0024】ところで、本発明の現像スリーブによりト
ナーを摩擦帯電させるときには、現像スリーブの被膜中
の無機粉体とトナーとを確実に接触させる必要がある。
そこで、前記無機粉体として片状粉体を使用することに
より、被膜の表面に該粉体の一部を露出させ、前記接触
を確保することが好ましい。片状粉体とは、粉末冶金用
語としてJISZ 2500に規定されたものであり、
厚さが他の部分の寸法に比べて非常に小さい平板状の粒
子を言う。
【0025】本発明に用いる片状粉体は、短径が長径の
2分の1以下、長径が0.1μm〜5μm、短径(厚
さ)が0.05μm〜0.5μmの範囲のもの、好まし
くは短径が長径の2分の1以下、より好ましくは4分の
1以下で、長径が0.2μm〜2μm、短径が0.05
μm〜0.4μmの範囲のものが適している。短径が長
径の2分の1を越えるものは、被膜の表面にその一部が
露出し難く、結着剤に埋没しやすいが、短径が長径の2
分の1以下の片状粉体は、通常の方法で分散して塗布す
るだけで、片状粉体の一部が露出した被膜を容易に得る
ことができ、所期の目的を発揮させることができる。
【0026】本発明で使用する結着剤は、トナーを正常
の負極性に摩擦帯電させる樹脂でなくてはならない。そ
の例としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)及びその
共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアクリルアミド、ポ
リアミド等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0027】本発明の結着剤に適した前記樹脂の重量平
均分子量Mwは、1万〜20万、好ましくは4万〜15
万の範囲である。Mwが小さ過ぎる場合には、被膜の磨
耗が大きくなり、現像スリーブの寿命が短くなる。逆
に、Mwが大きすぎる場合には、溶液粘度が極めて高く
なるので、塗布が困難になるおそれがある。結着剤とし
て、メラミン樹脂やエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂
は、被膜を剥離する時に溶剤に溶解しにくくなるので注
意が必要である。
【0028】結着剤に無機粉体を分散させる時には、分
散性を向上させるために界面活性剤及び/又は炭化水素
系オイルを使用することが有効である。界面活性剤とし
ては、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、
高級アルコールのリン酸エステル塩、アルキルベンゼン
やα−オレフィンのスルホン酸塩等のアニオン系界面活
性剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性
剤、高級アルキルアミンの誘導アミノ酸及びベタイン型
化合物等の両性界面活性剤、ポリエチレングリコールの
アルキル若しくはフェニルエーテル又は脂肪酸とのエス
テル、グリセリン若しくはソルビタン等の多価アルコー
ル脂肪酸とのエステル等の非イオン系界面活性剤が挙げ
られる。
【0029】炭化水素系オイルとしては、パラフィン系
高級炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素
を挙げることができ、さらに、パラフィンワックス等の
ワックス類でもよい。これら表面処理剤の添加量は、
0.001〜5%、好ましくは0.01〜2%の範囲が
適している。表面処理の方法は、表面処理剤を溶媒に溶
解した中に無機粉体を分散させる方法、無機粉体に表面
処理剤の溶液を降りかける方法、又は、無機粉体分散時
に表面処理剤を溶液に添加する方法など、適宜の方法で
良い。
【0030】無機粉体の含有量及び結着剤の種類、量を
適切化すれば、被膜全体のトナー帯電量を現像のための
適切な量にすることが可能である。無機粉体と結着剤の
重量混合比(PB比)は、トナーと結着剤及び粉体との
帯電性に依存するので一概に規定することはできない
が、被膜強度、製造安定性等の観点から1:5〜2:1
の範囲、好ましくは1:4〜1:1の範囲が適当であ
る。
【0031】被膜の膜厚は、粉体の配合量にもよるが、
0.5〜30μmの範囲、好ましくは2〜20μmの範
囲が適している。現像スリーブの被膜を形成するには、
まず結着剤の溶液に粉体を任意の方法で分散し、次いで
SUS製素管の上にリング塗布法、浸漬塗布法、スプレ
ー塗布法などの方法で塗布する。
【0032】現像スリーブの寿命は、素管の径、トナー
の種類や使用方法にもよるが、10〜50万回転程度で
ある。使用済の現像スリーブは、現像器又はカートリッ
ジと共に回収され、現像器から取り外された後、結着剤
を適宜の溶剤で溶解して被膜を剥離する。被膜が剥離さ
れた素管は、さらに洗浄した後、再び被膜を塗布して再
生することができる。素管がSUS製であるため、被膜
の除去が容易であり、再生しても寸法精度の低下や変
形、表面傷が発生することはなく、また、溶剤による汚
染や腐食も全くないので、新品と同様に使用することが
可能である。
【0033】本発明の現像スリーブの再生方法に使用す
る溶剤は、水と非相溶で、水より比重の大きいものを選
択し、被膜の除去に際して前記溶剤上に水を浮かべるこ
とにより、水面下では溶剤による被膜の溶解と剥離を行
うとともに、その間の溶剤の蒸発を防止して、作業環境
の安全性の確保を可能にする。
【0034】本発明で使用する溶剤としては、塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、モノクロロベンゼ
ン、トリクロロエチレン、トリクロロエタン等を挙げる
ことができる。中でも、塩化メチレンは樹脂の溶解力が
高く、被膜の除去に適しているが、蒸発が激しいので水
を浮かべて蒸発を防止することが望ましい。
【0035】図3は、この方法を説明するためのもの
で、溶剤槽11には、上記の溶剤12とその上に水13
を収容し、かご14に入れた使用済み現像スリーブ1を
浸漬し、必要に応じて、スリーブを揺動させたり、超音
波を印加して、スリーブ1上の被膜を剥離する。溶剤1
2は、水と相溶せず、水より比重が大きいので、水層1
3により周囲の空気から遮断され、溶剤12の蒸発を実
質的に防止することができる。なお、水層13の深さは
1〜20cm程度あればよい。
【0036】
【実施例】
〔実施例1〕直径20mm×長さ322mm×厚さ0.
4mmのSUS304製の電気溶接管を用意し、表面を
センタレス研削装置によりRmax=1.8μmとなる
よう研削し、素管とした。外径ふれは20μmであっ
た。
【0037】一方、MMAモノマー50部に開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル0.5部を加え、トルエ
ン100部中で80°Cで10時間反応させて得たMw
約6万の重合体の乾固物を150°Cで4時間加熱して
得たPMMAを用い、このPMMAを2−ブタノンに溶
解し、長径0.8μm、短径0.1μmの片状MoS 2
粉体をPB比1:2にてサンドミルにて分散して塗料化
した。次いで、リング塗布法で前記塗料を前記素管の表
面に塗布して膜厚10μmの被膜を形成して現像スリー
ブを作製した。
【0038】〔比較例1〕実施例1において、前記被膜
を形成せず、SUS304製素管そのままのものを現像
スリーブとして使用した。
【0039】〔比較例2〕実施例1において、片状Mo
2 粉体の配合を省略し、PMMA被膜を形成して現像
スリーブを作製した。
【0040】〔比較例3〕実施例1において、片状Mo
2 粉体の代わりに、粒径約0.1μmの酸化錫粉体を
PMMAに分散した以外は、実施例1と同様にして現像
スリーブを作製した。
【0041】〔比較例4〕実施例1において、SUS製
素管に代えて、同じ寸法のAl製素管を用いた以外は、
実施例1と同様にして現像スリーブを作製した。
【0042】(トナーの帯電量測定とプリント画質の評
価)実施例1及び比較例1〜4の現像スリーブを、磁性
一成分負帯電トナーを使用して反転現像を行う下記仕様
のレーザープリンター(富士ゼロックス製、XP−2
0、毎分20枚出力)に組み込み、現像ゴーストが発生
しやすい低温低湿環境の10℃、15%RHでプリント
試験を行った。 ・プロセススピード:115mm/秒 ・現像スリーブとドラムの周速比:1.17 ・現像バイアス:VDC=−240Vに、VAC=2.
0kVpp(2.4kHzの正弦波)を重畳させた電圧 ・ドラムの電位;VH=−350V、VL=−60V ・DRS(ドラムと現像スリーブの間隔);250μm
【0043】試験は、まず現像スリーブのみを回転さ
せ、その上のトナーの帯電量を測定した。なお、帯電量
が現像スリーブ回転数と共に変化するものは現像量の変
化につながり、ゴーストの原因となるものである。次い
で、プリント画像を取り出して画質の評価を行った。そ
れぞれの結果を表1に示し、表2にはその画質判定基準
を示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】素管をそのまま現像スリーブとして使用し
た比較例1は、トナー帯電量が増加し、ゴーストが発生
した。PMMAのみからなる被膜を有する現像スリーブ
を使用した比較例2は、摩擦帯電回数の増加に伴いトナ
ー帯電量が増加し、ゴーストが発生していた。なお、P
MMAはトナーを本来の極性(負)に帯電させる樹脂で
あることが分かる。比較例3の結果から、酸化錫粉体
が、トナーに対して逆極ではなく、PMMAと同様に負
に帯電させる材料であることが分かる。この現像スリー
ブは、ゴーストが発生して使用に耐えるものではなかっ
た。
【0047】実施例1は、比較例2と比べて、トナー帯
電量が減少しているところから、MoS2 がトナーに対
する逆極への帯電性を有することが分かる。このような
性質を有するMoS2 を適量分散することにより、トナ
ー帯電量の現像スリーブとの摩擦帯電回数依存性を抑え
る効果があることが、比較例1との比較からも明らかで
ある。
【0048】次いで、実施例1の現像スリーブを用い
て、28℃、85%RHという高温高湿度環境で試験を
行うと表3の様な結果になった。このように、環境が変
化しても、トナー帯電量は安定しており、画質も良好で
あった。また、プリント枚数1万枚においても画像濃度
及びゴーストに変化が見られなかった。
【0049】
【表3】
【0050】〔実施例2〕実施例1の現像スリーブを用
いて5万枚のプリント試験を行ったところ、画像に薄く
スジ模様が入っていた。これは被膜が約3μmまで磨耗
し、かつ、被膜表面の一部にスジ状の傷ができたためで
あった。
【0051】そこで、現像スリーブを取り外し、2−ブ
タノンに浸漬して被膜を溶解し、剥離した。その際、超
音波を印加して溶解を促進した。剥離後の素管の表面を
観察したが、素管表面には傷はなく、Rmaxを測定す
ると1.8μmであり、外径ふれは20μmであり、変
化はなかった。この素管を用い、実施例1と同様に被膜
を形成して現像スリーブを作製し、実施例1と同様にプ
リント試験を行ったところ、新しい素管を用いたものと
同様の結果が得られた。
【0052】〔比較例5〕実施例1のSUS素管の代わ
りに、Al製素管を用いた比較例4の現像スリーブを用
いて5万枚のプリント試験を行ったところ、初期特性は
実施例1と同様の結果であったが、5万枚プリント後に
は画像に薄くスジ模様が入っていた。この現像スリーブ
を取り外し、2−ブタノンに浸漬して被膜を溶解して剥
離したところ、素管表面に傷が観察された。その部分の
Rmaxを測定すると3.5μmであった。また、素管
の両端部分が特に磨耗しており、外径ふれは70μmで
あった。
【0053】この素管を用い、実施例1の被膜を形成し
て現像スリーブを作製したが、素管表面の傷のため、被
膜が形成されない部分が生じた。得られた現像スリーブ
を用いて現像を行うと、周期的な濃度むらのほか、部分
的に現像ゴーストが発生し、Al製素管を用いた現像ス
リーブは、再生に適していないことが分かった。
【0054】〔実施例3〕内径300mm×高さ600
mmの溶剤槽に、400mmの深さに塩化メチレン(比
重=1.33)を入れ、その表面に100mmの深さに
水を入れた。そして、5万枚複写試験をした現像スリー
ブを図3のように浸漬して、被膜を溶解させた。その
間、塩化メチレンの蒸発は認められなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、優れた画像濃度を確保することができ、当時に現
像ゴーストを防止することができた。特に、現像スリー
ブの素管の材質として、Alより機械的強度の高いSU
Sを用いることにより、使用済みの現像スリーブを再生
して新品と同様の特性を確保することが可能になった。
【0056】本発明では、現像スリーブの再生に際し
て、水と非相溶で、水より比重の大きな溶剤を使用し、
その表面に水層を設けることにより、溶剤の蒸発を防止
でき、作業環境の安全性を確保することが容易になっ
た。
【0057】また、無機粉体として、片状MoS2 を用
いるときには、その一部を被膜表面に容易に露出させる
ことができ、トナーとの接触を確実にすると共に、Mo
2の潤滑性により被膜の磨耗を低下させることがで
き、かつ、トナーが現像スリーブの被膜に付着し難くな
り、微小トナーが凹凸部に埋まることもなく、現像ゴー
スト防止効果が長期にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像スリーブの構成を示す模式的断面
図である。
【図2】現像装置の概略断面図である。
【図3】現像スリーブの被膜除去に用いる溶剤槽の概略
断面図である。
【符号の説明】
1 現像スリーブ、 2 マグネット、 3 トナーホ
ッパ、 4 帯電ブレード、 5 トナー、 6 感光
ドラム、 7 ステンレス製素管、 8 粉体、 9
被膜、 10 スリーブ上でトナーが消費された部分、
50 スリーブ上で現像されなかったトナー、 11
溶剤槽、 12 溶剤、 13 水、14 かご。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス製基体の表面に、トナーに対
    する摩擦帯電極性が結着剤の摩擦帯電極性とは逆極であ
    る無機粉体を結着剤に分散させた被膜を有することを特
    徴とする現像スリーブ。
  2. 【請求項2】 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する
    工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いて現像す
    る工程、現像されたトナー像を転写体上に転写する工程
    を有する画像形成方法において、前記現像剤担持体とし
    て、請求項1記載の現像スリーブを用いることを特徴と
    する画像形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の現像スリーブを用いて画
    像形成を行った使用済み現像スリーブから、表面に被膜
    を有するステンレス製基体を回収する工程と、該基体上
    の被膜を除去する工程、該基体表面に新たに被膜を形成
    する工程とを有することを特徴とする現像スリーブの再
    生方法。
  4. 【請求項4】 前記基体上の被膜を除去する工程におい
    て、水と非相溶性を有し、水よりも比重の大きな溶剤を
    用いることを特徴とする請求項3記載の現像スリーブの
    再生方法。
  5. 【請求項5】 前記基体上の被膜を除去する工程におい
    て、前記溶剤上に水を浮かべて溶剤の蒸発を防止するこ
    とを特徴とする請求項4記載の現像スリーブの再生方
    法。
JP20832396A 1996-05-15 1996-08-07 現像スリーブ、画像形成方法及び現像スリーブの再生方法 Pending JPH1031367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20832396A JPH1031367A (ja) 1996-05-15 1996-08-07 現像スリーブ、画像形成方法及び現像スリーブの再生方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11991696 1996-05-15
JP8-119916 1996-05-15
JP20832396A JPH1031367A (ja) 1996-05-15 1996-08-07 現像スリーブ、画像形成方法及び現像スリーブの再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1031367A true JPH1031367A (ja) 1998-02-03

Family

ID=26457571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20832396A Pending JPH1031367A (ja) 1996-05-15 1996-08-07 現像スリーブ、画像形成方法及び現像スリーブの再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1031367A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6687476B2 (en) 2001-01-16 2004-02-03 Canon Kabushiki Kaisha Developer-carrying member, method for regeneration thereof and developing apparatus
JP2008292806A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Canon Inc 現像ローラ、それを用いた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6687476B2 (en) 2001-01-16 2004-02-03 Canon Kabushiki Kaisha Developer-carrying member, method for regeneration thereof and developing apparatus
JP2008292806A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Canon Inc 現像ローラ、それを用いた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007328098A (ja) 画像形成装置
JP2005275166A (ja) 画像形成装置
JPH06202462A (ja) 一成分現像装置
KR100881381B1 (ko) 상담지체 및 화상 형성 장치
JPH1031367A (ja) 現像スリーブ、画像形成方法及び現像スリーブの再生方法
JP3323741B2 (ja) 現像剤担持体及び現像剤担持体の製造方法
JP5578398B2 (ja) トナー担持体、現像装置及び画像形成装置
JP2005010328A (ja) 画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び該画像形成装置に用いられる現像装置
JPH08248663A (ja) 電子写真感光体、電子写真装置用ユニットおよび電子写真装置
JPH11119551A (ja) 現像装置及びプロセスカートリッジ
JP3538652B2 (ja) 画像形成方法
JP3048102B2 (ja) 現像剤担持体の再生方法、その方法で再生された再生現像剤担持体、及びそれを用いた現像装置
JP3563944B2 (ja) 現像剤担持体の再生方法、現像装置、プロセスカートリッジ及び現像剤担持体
JP3774609B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3131755B2 (ja) 現像剤担持体の再生方法、その方法で再生された再生現像剤担持体及びそれを用いた現像装置
JP2601820B2 (ja) 電子写真複写装置
JPH11352755A (ja) 帯電用磁性粒子の再生方法、再生された帯電用磁性粒子及びこれを用いた装置
JP2601819B2 (ja) 電子写真複写装置
JPH10307420A (ja) 電子写真方法および電子写真装置
JP2005017480A (ja) 電子写真感光体用クリーニング装置及び画像形成装置
JP2003208069A (ja) 画像形成装置
JP2003131451A (ja) 電子写真部材に対する塗工膜剥離方法、電子写真部材の再生方法、電子写真部材用金属製基体、再生電子写真部材、再生現像剤担持体及び現像装置
JP3200537B2 (ja) 現像剤担持体、該現像剤担持体の製造方法及びそれを用いた現像装置
JPH1083117A (ja) 現像スリーブ及びその製造方法、画像形成方法
JPH08320614A (ja) 現像剤担持体及び現像装置