JPH1083117A - 現像スリーブ及びその製造方法、画像形成方法 - Google Patents

現像スリーブ及びその製造方法、画像形成方法

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JPH1083117A
JPH1083117A JP8250597A JP8250597A JPH1083117A JP H1083117 A JPH1083117 A JP H1083117A JP 8250597 A JP8250597 A JP 8250597A JP 8250597 A JP8250597 A JP 8250597A JP H1083117 A JPH1083117 A JP H1083117A
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JP
Japan
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developing sleeve
powder
binder resin
coating
toner
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Application number
JP8250597A
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English (en)
Inventor
Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
Junichi Tomonaga
淳一 朝長
Yasushi Sakata
靖 坂田
Masayuki Takei
雅之 武井
Hiroe Okuyama
浩江 奥山
Naoki Ota
直己 太田
Hideyuki Akagi
秀行 赤木
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写トナーの飛散を抑制し、現像ゴーストの
発生を防止し、現像特性の環境依存性が小さく、かつ、
安定した生産を可能にする現像スリーブ及びその製造方
法、並びに、画像形成方法を提供しようとするものであ
る。 【解決手段】 トナーに対する摩擦帯電極性が結着樹脂
と逆極性である片状粉体を結着樹脂中に分散させた被膜
を有し、該被膜の表面に該粉体が露出している現像スリ
ーブ、及び、前記片状粉体を予め界面活性剤及び/又は
炭化水素系オイルで表面処理した後、結着樹脂中に分散
させ、スリーブ上に塗布した現像スリーブの製造方法、
被膜表面を研磨するか、溶剤で溶解処理する現像スリー
ブの製造方法、及び、前記現像スリーブを用いる画像形
成方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等の電子写真機器の現像装置における現像スリーブに
係わり、特に、現像ゴーストを防止できる被覆層を備え
た現像スリーブ、及び、画像形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真機器では、感光ドラムに形成さ
れた静電潜像をトナーで現像し、用紙に転写して画像を
得ている。図2は、一成分磁性トナーを用いた現像装置
の概略断面図である。回転する円筒状の現像スリーブ1
上にトナーホッパ3からトナー5を供給し、帯電ブレー
ド4でトナー5の均一層を形成し、同時に摩擦により帯
電させ、ドラム6表面に飛翔させて現像を行う。トナー
が消費されたスリーブ表面部分10は、スリーブの次の
回転時に新たなトナーが供給され、そのトナーは帯電ブ
レード4により一度だけ摩擦帯電を受ける。一方、消費
されなかったスリーブ上のトナー50は重ねて摩擦帯電
を受ける。このため、スリーブ上のトナーの帯電量は現
像履歴に応じた分布を持つようになり、現像能力に差が
生ずる。
【0003】現像は、ドラムの静電電位に応じた量のト
ナーで行われるが、小粒径トナーや帯電性能が高いトナ
ーを用いると、スリーブ上のトナーには、現像履歴によ
る現像能力差が生じやすく、電位に応じたトナーの飛翔
が行われなくなる。スリーブ円周の長さLが用紙の長さ
より短いときには、一枚の用紙の現像にスリーブを複数
回転することになるが、上記のように現像能力に差があ
ると、現像ゴーストと呼ばれる現象が発生する。即ち、
スリーブ1回転のトナーの現像能力が高ければ、1回転
目の現像部分からLの位置にポジゴーストが発生し、逆
の場合はネガゴーストが発生する。
【0004】このような現像ゴーストの発生を防止する
には、新たに供給されるトナーと、消費されずにスリー
ブ上に残存するトナーの帯電量の差をなくすことが必要
である。換言すると、スリーブ上のトナーは帯電ブレー
ドで帯電される回数によらずに、一定の帯電量を保持さ
せる必要がある。
【0005】上記の現像ゴーストを防止するために、現
像スリーブ表面にカーボン等の導電性微粒子を含有した
表面に凹凸を有する樹脂層を形成することにより、現像
スリーブ上のトナーの供給量と帯電性を適切に制御する
ことが提案されている(特開平1─276174号公
報、特開平1─277265号公報、特開平2─105
183号公報参照)。
【0006】しかし、上記の現像スリーブでは、トナー
の帯電量が転写工程でトナーの飛翔を抑えるのに必要な
帯電量が得られず、より低くなる傾向があるため、転写
トナーが飛散するという問題があった。また、高温高湿
環境から低温低湿環境までの全ての条件で現像特性を一
定に保ことが困難であった。
【0007】一方、二硫化モリブデン粒子を含有した被
膜を備えた現像スリーブが提案されている(特開平3─
11380号公報参照)。この現像スリーブは、前記被
膜により微粉トナーを付着しなくなり、スリーブメモリ
の発生が抑えられるとされている。しかし、二硫化モリ
ブデンは比重が4.8と大きいため、結着樹脂中への分
散が難しく、かつ、沈降しやすいために、浸漬塗布にお
いて組成が変化するという問題があった。また、現像ス
リーブを長期間使用してゆくと、現像濃度等の現像特性
が徐々に変化するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題点を解消し、転写トナーの飛散を抑制し、現像
ゴーストの発生を防止し、現像特性の環境依存性及び使
用に伴う現像特性の変化が小さく、かつ、安定した生産
を可能にする現像スリーブ及びその製造方法、並びに、
画像形成方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
採用することにより、上記の課題の解決を可能にしたも
のである。 (1) トナーに対する摩擦帯電極性が結着樹脂と逆極性で
ある片状粉体を結着樹脂中に分散させた被膜を有し、該
被膜の表面に該粉体が露出していることを特徴とする現
像スリーブ。
【0010】(2) 短径が長径の2分の1以下で、長径が
0.1〜5μmの範囲にあり、かつ、短径が0.05〜
0.5μmの範囲にある前記片状粉体を使用したことを
特徴とする上記(1) 記載の現像スリーブ。
【0011】(3) 前記片状粉体が二硫化モリブデン、二
硫化タングステン、窒化ホウ素、炭化ケイ素及びグラフ
ァイトの群から選ばれた1種以上の粉体であることを特
徴とする上記(1) 又は(2) 記載の現像スリーブ。
【0012】(4) 前記現像スリーブ基体の被膜は研磨さ
れた表面を有することを特徴とする上記(1) 〜(3) のい
ずれか1つに記載の現像スリーブ。
【0013】(5) 前記現像スリーブ基体に被膜を形成し
た後、被膜表面の結着樹脂を溶剤で溶解することを特徴
とする上記(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の現像スリ
ーブの製造方法。
【0014】(6) トナーに対する摩擦帯電極性が結着樹
脂と逆極性である片状粉体を結着樹脂中に分散させ、該
分散液を現像スリーブ基体に被覆して、前記粉体の一部
が露出した被膜を形成することを特徴とする現像スリー
ブの製造方法。
【0015】(7) 前記片状粉体を予め界面活性剤及び/
又は炭化水素系オイルで表面処理した後、結着樹脂中に
分散させることを特徴とする上記(6) 記載の現像スリー
ブの製造方法。
【0016】(8) 前記界面活性剤が、高級脂肪酸、高級
アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールのリン酸エ
ステル塩、アルキルベンゼン、α−オレフィンのスルホ
ン酸塩、第4級アンモニウム塩、高級アルキルアミン誘
導アミノ酸、ベタイン型化合物、ポリエチレングリコー
ルのアルキル又はフェニルエーテル又は脂肪酸とのエス
テル、及び、多価アルコールの脂肪酸エステルの群から
選択された1種以上のもの、若しくは、炭化水素系のオ
イルが、パラフィン系高級炭化水素、ナフテン系炭化水
素、及び、パラフィンワックスの群から選択された1種
以上のものを使用することを特徴とする上記(7) 記載の
現像スリーブの製造方法。
【0017】(9) 前記表面処理剤を被膜形成材料の0.
001〜5重量%の範囲で添加することを特徴とする上
記(7) 又は(8) 記載の現像スリーブの製造方法。
【0018】(10)前記片状粉体を予め水で洗浄した後、
界面活性剤及び/又は炭化水素系オイルで表面処理する
ことを特徴とする上記(6) 〜(9) のいずれか1つに記載
の現像スリーブの製造方法。
【0019】(11)前記現像スリーブ基体に被膜を形成し
た後、被膜の表面を研磨することを特徴とする上記(6)
〜(10)のいずれか1つに記載の現像スリーブの製造方
法。
【0020】(12)前記現像スリーブ基体に被膜を形成し
た後、被膜表面の結着樹脂を溶剤で溶解することを特徴
とする上記(6) 〜(10)のいずれか1つに記載の現像スリ
ーブの製造方法。
【0021】(13)前記研磨、又は溶剤による溶解処理に
より、被膜表面の結着樹脂を厚さ0.1〜5.0μmの
範囲で除去することを特徴とする上記(11)又は(12)記載
の現像スリーブの製造方法。
【0022】(14)静電潜像担持体上に静電潜像を形成す
る工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いて現像
する工程、現像されたトナー像を転写体上に転写する工
程を有する画像形成方法において、前記現像剤担持体が
上記(1) 〜(5) のいずれか1つに記載の現像スリーブを
用いて現像することを特徴とする画像形成方法。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の1例である現像
スリーブの模式断面図である。この現像スリーブは、ト
ナー5に対する摩擦帯電極性が結着樹脂とは逆極性を有
する片状粉体7を分散した被膜8をスリーブ1上に形成
することにより、現像ゴーストを防止したものである。
スリーブ上の被膜に片状粉体を存在させることにより、
現像スリーブ上のトナーの帯電量が摩擦回数の増加と共
に上昇することを抑制し、一定量レベルに保持すること
を可能にした。その際に、トナーと片状粉体とを確実に
接触するように、粉体の形状を片状とし、被膜の表面に
該粉体の一部を露出させることが有効であることを見出
した。
【0024】本発明で使用する片状粉体は、JISZ2
500で粉末冶金用語として定義されたものに準じ、短
径が長径に比べて非常に短い粉体である。本発明の片状
粉体は、短径が長径の2分の1以下、好ましくは4分の
1以下で、長径が0.1〜5μm、好ましくは0.2〜
2μmの範囲にあり、短径が0.05〜0.5μm、好
ましくは0.05〜0.4μmの範囲にあるものが適し
ている。短径が長径の2分の1を超えると、被膜表面に
粉体の一部を露出させることが難しくなり、結着樹脂中
に埋没しやすい。短径が長径の2分の1以下の片状粉体
は、通常の方法で分散して塗布するだけで容易にその一
部を露出した被膜を得ることができ、上記の効果が確保
することができる。
【0025】本発明で使用する片状粉体は、二硫化モリ
ブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、炭化ケイ素
及びグラファイトの群から選択することができ、その中
でも、負帯電性トナーに用いる逆極帯電性片状粉体とし
ては二硫化モリブデンが特に適している。二硫化モリブ
デン粉体の比抵抗は105 〜107 Ωcmの半導電性を
有しており、これを分散することにより被膜半導電性を
付与することができ、これにより、トナーが飛翔すると
きに現像スリーブ側に生ずる逆極電荷が被膜に蓄積する
ことを防止できる。また、二硫化モリブデンは固体潤滑
性を有しているので、被膜の摩耗を防止する効果もあ
る。
【0026】本発明で使用する結着樹脂は、トナーを正
常の負極性に摩擦帯電させる樹脂であればその種類は問
わないが、具体的には、ポリメチルメタクリレート(P
MMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)、そ
れらの共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアクリルアミ
ド、ポリアミド、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などを挙
げることができる。
【0027】結着樹脂に適した樹脂の重量平均分子量M
wは、1万〜20万、好ましくは4万〜15万程度であ
る。Mwが上記の範囲より小さくなりすぎると、被膜の
摩耗が大きくなり、現像スリーブの寿命が短くなる。ま
た、Mwが大きくなりすぎると、溶融粘度が高くなり、
スリーブへの塗布が困難になる。
【0028】ところで、現像スリーブは、片状粉体と結
着樹脂とでトナーに対する摩擦帯電極性が逆の組み合わ
せの被膜の場合、被膜表面のそれぞれの片状粉体の露出
面積に応じてトナーの帯電量が変化する。一方、現像ス
リーブを繰り返し使用すると、被膜が磨耗して各露出面
積が変化してトナーの帯電量が変動し、その結果、現像
濃度が変化したり、メモリや現像ゴーストが発生する原
因となる。特に、塗布形成による被膜の表面部分は、片
状粉体の露出比率が小さいため、被膜の磨耗が進むと、
内部に埋没していた片状粉体が露出し始めるので、その
露出面積が増大する。
【0029】本発明では、これを防止するために、現像
スリーブの使用前(被膜の塗布形成後)に予め被膜の表
面を研磨するか、被膜表面の結着樹脂を溶剤で溶解する
ことにより、図3のように被膜直下の片状粉体を露出さ
せるので、その後の使用により磨耗されても、片状粉体
の露出面積の変化を小さくすることができる。即ち、被
膜表面を研磨した現像スリーブは、繰り返し使用して被
膜が更に磨耗しても、片状粉体の露出面積はほとんど変
化しないのである。
【0030】前記の研磨方法としては、バフ研磨や、目
が細かなサンドペーパーやテープ状研磨部材により、乾
式又は湿式で研磨する方法を挙げることができる。テー
プ状研磨部材とは、ポリエステル等のプラスチックフィ
ルム表面に、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マ
グネシウム、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の研磨材を塗
布したフィルムであり、図4に示すように、研磨フィル
ム20を送り出しロール22から巻き取りロール23へ
順次送り出しながら、押し当てロール21で押し当てて
研磨する。このように、常に新しい研磨面を更新するこ
とにより研磨を行うことができる。
【0031】片状粉体を露出させるもう1つの方法とし
ては、被膜表面の結着樹脂を溶剤で溶解する方法があ
る。ここで使用する溶剤は、塗布溶剤と同じものを使用
することができるが、その他、結着樹脂を溶解するもの
であればその種類を問わない。溶剤の具体例としては、
アセトン、2−ブタノン等のケトン類;酢酸エチル等の
エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族化合物類;
エタノール、プロパノール等のアルコール類;テトラヒ
ドロフランなどを挙げることができる。特に、ケトン類
やエステル類が好ましい。
【0032】溶剤で被膜表面を溶解する方法としては、
溶剤に短時間だけ浸漬する方法、溶剤を吹き付けてから
拭き取る方法、溶剤を含浸させた布や紙などで拭う方法
などを挙げることができる。このような溶解処理によ
り、被膜表面の結着樹脂が除去されて片状粉体の露出面
積が増大し、上記研磨と同様の効果を得ることができ
る。また、溶剤による溶解処理は、不要又は過剰な界面
活性剤及び/又は炭化水素系オイルを除去することもで
きる。
【0033】ところで、上記の片状粉体は、これらの結
着樹脂への分散性があまり良くないので、本発明では分
散性を向上させるために、上記の片状粉体を界面活性剤
及び/又は炭化水素系のオイルで表面処理することが望
ましい。
【0034】界面活性剤としては、高級脂肪酸、高級ア
ルコールの硫酸エステル塩、高級アルコールのリン酸エ
ステル塩、アルキルベンゼン、α−オレフィンのスルホ
ン酸塩等のアニオン系界面活性剤や、第4級アンモニウ
ム塩等のカチオン系界面活性剤や、高級アルキルアミン
誘導アミノ酸、ベタイン型化合物、ポリエチレングリコ
ールのアルキル又はフェニルエーテル又は脂肪酸とのエ
ステル、及び、グリセリン、ソルビタン等の多価アルコ
ール脂肪酸とのエステル等の非イオン系界面活性剤の群
から選択された1種以上のものを使用することができ
る。
【0035】また、炭化水素系のオイルとしては、パラ
フィン系高級炭化水素、ナフテン系炭化水素、及び、パ
ラフィンワックス等のワックスの群から選択された1種
以上のものを使用することができる。
【0036】これらの表面処理剤の添加量は、粉体の
0.001〜5wt%、好ましくは0.01〜2wt%
の範囲が適している。表面処理の方法は、溶媒に溶解し
た表面処理剤中に上記の片状粉体を分散させる方法、上
記の片状粉体に表面処理剤の溶液を降りかける方法、又
は、上記の片状粉体を分散させる時に表面処理剤を、樹
脂を溶解した塗布溶液に添加する方法などを選択するこ
とができる。
【0037】現像スリーブ上の被膜は、外部環境の変化
にかかわらず、トナーとの摩擦帯電特性が一定である必
要があるが、二硫化モリブテン等の片状粉体中には、イ
オン性の不純物が含まれている場合が多く、トナーの帯
電量や帯電特性が環境変化に依存しやすくなるおそれが
ある。特に、二硫化モリブテンの製造時に混入する硫酸
イオンは好ましくない。そこで、表面処理剤中に上記の
片状粉体を分散させる前に、水で十分に洗浄することが
好ましい。洗浄方法としては、片状粉体を水とともに混
合するか、水に分散させるだけでよい。
【0038】現像スリーブ上の被膜全体のトナー帯電量
は、上記の片状粉体の含有量、結着樹脂の種類と量によ
り適宜調節することができ、現像に適した量にすること
ができる。上記の片状粉体と結着樹脂の重量混合比(P
B比)は、トナーに対する結着樹脂及び片状粉体の帯電
性に依存するので一概に規定することはできないが、被
膜強度や製造安定性の観点から、片状粉体:結着樹脂=
1:5〜2:1の範囲、好ましくは1:4〜1:1の範
囲が適当である。
【0039】被膜の厚さは、片状粉体の配合量にもよる
が、0.5〜30μmの範囲、好ましくは2〜20μm
の範囲が好ましい。スリーブ上に被膜を形成するには、
まず、結着樹脂の溶液に片状粉体を任意の方法で分散
し、次いで、スリーブ上にリング塗布法、浸漬塗布法、
スプレー塗布法などの方法で塗布する。
【0040】
【実施例】
〔実施例1〕 (スリーブへの塗布液の調製)20mmφ×322mm
Lのアルミニウム製素管を用意し、その表面に10μm
厚さで下記の被膜をリング塗布法で塗布し、現像スリー
ブを作製した。なお、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)は、メチルメタクリレート(MMA)モノマー5
0重量部に反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル0.5重量部添加し、トルエン100重量部中で80
℃で10時間反応させて得た。この重合体はMwが約6
万の乾固物であり、これを150℃で4時間加熱して2
−ブタノンに溶解し、二硫化モリブテン粉末を重量混合
比(PB比)を1:2としてサンドミルで分散して塗料
化した。上記二硫化モリブテン粉末は、平均長径が0.
4μmで、平均短径が0.1μmの片状粉体を使用し
た。得られた現像スリーブの抵抗率は約1012Ωcmで
あった。
【0041】〔実施例2〕実施例1において、二硫化モ
リブテン粉末を、平均長径が0.8μmで、平均短径が
0.1μmの片状粉体に変更し、Mwが約1500の高
級パラフィン(二硫化モリブテンの1重量%)で表面処
理した片状粉体を使用した以外は、実施例1と同様にし
て現像スリーブを作製した。得られた現像スリーブの抵
抗率は約1011Ωcmであった。
【0042】〔比較例1〕実施例1において、被膜を形
成せずに、アルミニウム素管をそのまま現像スリーブと
して使用した。
【0043】〔比較例2〕実施例1において、被膜に片
状粉体を添加せずに、PMMAだけの被膜を有する現像
スリーブとして使用した。
【0044】〔比較例3〕実施例1において、そこで使
用した片状二硫化モリブテン粉体を乾式ボールミルで1
時間粉砕処理を行い、平均粒径が約0.1μmで片状で
はない不定形の二硫化モリブテン粉体を用いた以外は、
実施例1と同様にして現像スリーブを作製した。得られ
た現像スリーブの抵抗率は約1013Ωcmであった。
【0045】〔比較例4〕実施例1のポリメチルメタク
リレートの代わりにポリビニルブチラール樹脂(積水化
学社製、商品名BM1)を用いた以外は、実施例1と同
様にして現像スリーブを作製した。得られた現像スリー
ブの抵抗率は約1012Ωcmであった。
【0046】〔実施例3〕実施例1において、片状二硫
化モリブテン粉末を、平均長径が0.5μmで、平均短
径が0.1μmのものを使用し、予め、Mwが約150
0の高級パラフィン(二硫化モリブテンの1重量%)で
表面処理したものを使用し、被膜の塗布法として浸漬塗
布法を採用した以外は、実施例1と同様にして現像スリ
ーブを作製した。得られた現像スリーブの抵抗率は約1
11Ωcmであった。
【0047】〔実施例4〕実施例1において、二硫化モ
リブテン粉末を、平均長径が0.8μmで、平均短径が
0.1μmの片状粉体に変更し、第2級直鎖アルコール
エトキシレート界面活性剤(二硫化モリブテンの1重量
%)で表面処理した片状粉体を使用した以外は、実施例
1と同様にして現像スリーブを作製した。得られた現像
スリーブの抵抗率は約1011Ωcmであった。
【0048】〔実施例5〕実施例3において、片状二硫
化モリブテン粉末を予め100倍量の水で洗浄したもの
を使用した以外は、実施例3と同様にして現像スリーブ
を作製した。得られた現像スリーブの抵抗率は約1011
Ωcmであった。
【0049】(評価試験1)上記の現像スリーブを、磁
性一成分負帯電トナーを使用して反転現像を行う下記仕
様のレーザープリンター(富士ゼロックス社製、XP−
20、毎分20枚出力)に組み込み、現像ゴーストが発
生しやすい低温低湿環境である10℃15%RHで試験
を行った。 ・プロセススピード:115mm/秒 ・現像スリーブとドラムの周速比:1.17 ・現像バイアス:VDC=−240Vに、VAC=2.0k
PP(2.4kHzの正弦波)を重畳させた電圧 ・ドラムの電位:VH =−350V、VL =−60V ・ドラムと現像スリーブの間隔(DRS)=250μm
【0050】試験は、まず現像スリーブだけを回転さ
せ、その上のトナーの帯電量を測定した。帯電量がスリ
ーブ回転数と共に変化するものは現像量の変化につなが
り、ゴーストの原因となるものである。次いで、プリン
ト画像を取り出して画質の評価を行った。それぞれの結
果を表1に示した。なお、画質の判定基準は表2のとお
りである。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】(結果)比較例1は、アルミニウム素管を
そのまま現像スリーブとして使用したものであり、ゴー
ストが発生した。比較例2のトナー帯電量の結果から、
PMMAはトナーを本来の極性(負)に帯電させるもの
であることが分かる。ただし、比較例2では、スリーブ
の回転にともなってトナー帯電量が大幅に増加し、ゴー
ストが発生した。
【0054】比較例3は、不定形の二硫化モリブテン粉
体を分散させたものであり、走査型電子顕微鏡(SE
M)で観察すると、被膜表面がなだらかであり、二硫化
モリブテン粉体の露出を認めることはできなかった。そ
して、比較例3は実施例1、2に比べてゴーストが劣っ
ていた。比較例4は、トナーが逆極に帯電しており、結
着樹脂がトナーを逆極に帯電するものである。この場合
は現像ができなかった。
【0055】一方、実施例1は、片状二硫化モリブテン
粉体を分散させたものであり、被膜表面をSEMで観察
すると、前記片状粉体の露出が確認された。それ故、実
施例1の被膜の抵抗率は比較例3より低く、また、トナ
ーとの接触が確実に起こるために、帯電量が減少したも
のと考えられる。この結果から、二硫化モリブテンはト
ナーを逆極に帯電させることが分かる。この性質を利用
して、適量の片状二硫化モリブテン粉体を添加すること
により、トナーの帯電量の現像スリーブとの摩擦帯電回
数依存性が抑制されることは、実施例と比較例を対比す
ることにより明らかである。
【0056】また、実施例2〜4は、二硫化モリブテン
粉体を予め表面処理剤で処理したもので、該粉体が片状
であるため、浸漬塗布法においても凝集や沈降が発生す
ることもなく、PB比の変化も無かった。また、分散が
良好になるため、実施例1よりも抵抗率が低くなり、単
に導電性アップとしての効果だけでなく、トナー帯電量
の現像スリーブとの摩擦帯電回数依存性が抑制される。
さらに、実施例5は、水で洗浄した片状二硫化モリブテ
ン粉体を表面処理剤で処理して使用したため、トナー帯
電量が実施例3、4より向上させることができた。
【0057】(評価試験2)比較試験1において、使用
環境を28℃、85%RHという高温高湿に変えて比較
実験1と同様に試験を行った。その結果を表3に示し
た。表3から明らかなように、環境が変化してもトナー
帯電量は安定しており、画質も極めて良好であった。特
に、実施例5の画像濃度は、実施例3よりも一層高く、
より好ましいものであった。
【0058】
【表3】
【0059】〔実施例6〕実施例1において、被膜を形
成した後、ポリエステルフィルム上にダイヤモンド砥粒
を塗布したテープ状研磨部材(住友3M社製、商品名:
ラッピングフィルム#2500)を用い、図4に示すよ
うな研磨装置で研磨を行った。研磨条件は、現像スリー
ブ1を100rpmで回転させ、ラッピングフィルム2
0を20mm/分の速度で、送り出しローラー22から
巻き取りローラー23に移動させた。20秒間の研磨に
より、約0.5μmの研磨をすることができた。この現
像スリーブについて、評価試験1(低温低湿環境:10
℃15%RH)を行った。
【0060】
【表4】
【0061】実施例6では、トナー帯電量が実施例1よ
りやや減少したが、これは被膜の表面研磨によって片状
粉体の露出面積比が変化したためである。なお、実施例
6の画像濃度は、規定値を満たしているので○印で示し
たが、実施例1と比べると低い濃度であった。また、こ
れらの現像スリーブを用いて連続4000枚、及び、8
000枚の耐久試験を行い、その結果を表5に示した。
【0062】
【表5】
【0063】表5の結果をみると、プリント画質の全て
の項目に○印が付してあるが、画像濃度の変化に着目す
ると、実施例6は実施例1のものより低い濃度であった
が、使用に応じた変化は実施例1より小さかった。画像
濃度の変化が特に重視される場合には、被膜の表面を研
磨することが有効であることが分かる。
【0064】〔実施例7〕実施例6において、テープ状
研磨部材の代わりに、2−ブタノン溶剤を染み込ませた
ポリエステル系不織布を用い、現像スリーブを100r
pmで回転させながら軽く押し当て、5秒間被膜表面を
拭き取った。これにより、厚さ約0.5μmの結着樹脂
層を除去した。このようにして得た現像スリーブは、実
施例6と同様の評価結果を得ることができた。
【0065】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、現像ゴーストを防止して良好な画像濃度を得るこ
とができ、また、転写トナーの飛散を抑制することがで
きる。特に、片状粉体として二硫化モリブテンを使用す
るときには、その潤滑性により被膜の摩耗を低下させる
ことができ、トナーが被膜の微小の凹凸部に埋まること
もなく、被膜への付着を防止できるところから、現像ゴ
ースト防止効果を長期にわたって維持することが可能に
なった。
【0066】また、表面処理剤で処理した片状粉体を被
膜に分散した現像スリーブを使用するときには、上記の
特徴に加えて、浸漬塗布法により被膜を形成するとき
に、片状粉体の沈降を防止して塗布液への分散性を向上
させることができるので、安定的に現像スリーブの製造
を可能にした。また、本発明では、被膜表面を予め研磨
するか、溶剤で溶解処理することにより、現像特性の変
化の少ない現像スリーブの提供を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像スリーブの構成を示した模式的断
面図である。
【図2】現像装置の概略説明図である。
【図3】本発明の現像スリーブにおいて、被膜の表面を
研磨した現像スリーブの模式的断面図である。
【図4】現像スリーブの被膜を研磨フィルムで研磨する
方法の説明図である。
【符号の説明】
1 現像スリーブ、 2 マグネット、 3 トナーホ
ッパー、 4 帯電フレード、 5 トナー、 6 ド
ラム、 7 片状粉体、 8 被膜、 10現像スリー
ブ上でトナーが消費された部分、 20 研磨フィル
ム、 21押し当てロール、 22 送り出しロール、
23 巻き取りロール、 50現像スリーブ上で現像
されなかったトナー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武井 雅之 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 奥山 浩江 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 太田 直己 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 赤木 秀行 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーに対する摩擦帯電極性が結着樹脂
    と逆極性である片状粉体を結着樹脂中に分散させた被膜
    を有し、該被膜の表面に該粉体が露出していることを特
    徴とする現像スリーブ。
  2. 【請求項2】 トナーに対する摩擦帯電極性が結着樹脂
    と逆極性である片状粉体を結着樹脂中に分散させ、該分
    散液を現像スリーブ基体に被覆して、前記粉体の一部が
    露出した被膜を形成することを特徴とする現像スリーブ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記片状粉体を予め界面活性剤及び/又
    は炭化水素系オイルで表面処理した後、結着樹脂中に分
    散させることを特徴とする請求項2記載の現像スリーブ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記片状粉体を予め水で洗浄した後、界
    面活性剤及び/又は炭化水素系オイルで表面処理するこ
    とを特徴とする請求項3又は4記載の現像スリーブの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記現像スリーブ基体に被膜を形成した
    後、被膜の表面を研磨することを特徴とする請求項2〜
    4のいずれか1項に記載の現像スリーブの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記現像スリーブ基体に被膜を形成した
    後、被膜の表面の結着樹脂を溶剤で溶解することを特徴
    とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の現像スリー
    ブの製造方法。
  7. 【請求項7】 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する
    工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いて現像す
    る工程、現像されたトナー像を転写体上に転写する工程
    を有する画像形成方法において、前記現像剤担持体が請
    求項1記載の現像スリーブを用いて現像することを特徴
    とする画像形成方法。
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