JPH10309897A - 受像体形成面及びその作製方法 - Google Patents

受像体形成面及びその作製方法

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JPH10309897A
JPH10309897A JP7838398A JP7838398A JPH10309897A JP H10309897 A JPH10309897 A JP H10309897A JP 7838398 A JP7838398 A JP 7838398A JP 7838398 A JP7838398 A JP 7838398A JP H10309897 A JPH10309897 A JP H10309897A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の温度域以外では熱変色層が着色状態で
熱転写された受像体が隠されており、所定の温度域では
無色状態になり隠された受像体が現れる熱変色性印刷物
を用いたオリジナル受像体形成面及びその作製方法を提
供する。 【解決手段】 基材シート上の昇華性染料よりなる画像
を熱転写により受像体を形成する際に用いられる受像体
形成面であって、熱変色層2cを備えている受像体形成
面2aである。該受像体形成面の熱変色層2cは熱変色
性インキによる層であり、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性
樹脂及び熱可塑性樹脂から選択された少なくとも一種の
樹脂を含んでいる。上記熱変色層2cは、所定温度域
で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化する。な
お、受像体形成面が熱変色層2cとともに樹脂層2bを
備えていてもよく、熱変色層2c及び/又は樹脂層2b
は受容層としての機能を有している。なお、前記受像体
形成面2aの熱変色層2cは、熱変色性インキを被塗面
に塗布してを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写により受像体
を形成する際に用いられる受像体形成面に関する。さら
に詳しくは、温度変化により転写した画像が見え隠れす
るおもしろさを発揮する受像体形成面およびその作製方
法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、種々の画像の熱転写方法が知られて
おり、それらの中で昇華性染料を記録剤とした画像をポ
リエステルフィルムなどに担持させたものを熱転写シー
トとし、この熱転写シート上の画像を温度、圧力をもっ
て受像体形成面上に熱転写する方法が提案されている。
ここで、受像体形成面とは昇華性染料を記録剤とした画
像を熱転写により受像体(画像)を形成する受像体形成
面又は受像体形成層(以下、単に「受像体形成面」とい
う)をいう。従って、受像体形成面は熱転写方法を有効
に実施するために設けられているものであり、染料の染
着性を良好にし、かつ染着した染料を固定する必要があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の受像体
形成面は転写された染料を固定するためのみの役割を有
するもので、被塗物に設けられた装飾的興味を引き起こ
すものではなかった。すなわち、受像体形成面を設けた
熱転写方法として更に興味を引き起こす方法が望まれて
おり、例えば、所定の温度域以外では上記受像体形成面
で染色された画像(絵柄や文字など)が隠されている
が、所定の温度域になると上記受像体形成面が無色状態
になり、隠されていた絵柄や文字などが浮かび上がって
くる熱転写方法である。具体的には、マグカップなどの
支持体表面の受像体形成面上に特定の人物に伝えたいオ
リジナルの絵柄やメッセージ等の文字を熱転写する。こ
のとき受像体形成面に形成された絵柄や文字は潜像であ
るが、特定の人物がマグカップに湯を入れて加熱するこ
とで、上記受像体形成面上に描かれた隠し文字や絵柄な
どが現出して、オリジナルの絵柄やメッセージ等を受け
とることができるものである。
【0004】本発明の課題は、所定の温度域以外では熱
変色層が着色状態で熱転写された受像体が隠されてお
り、所定の温度域では無色乃至透明状態になり、隠され
た受像体が現れる熱変色性印刷物を用いたオリジナル受
像体形成面及びその作製方法を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
実現させるべく鋭意検討した結果、以下の受像体形成面
を用いることにより、上記課題を解決できる知見を得、
本発明を完成した。すなわち本発明の要旨は、基材シー
ト上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形
成する際に用いられる受像体形成面であって、熱変色層
を備えている受像体形成面である。
【0006】すなわち、被塗物に形成する受像体形成面
として、例えば加熱し一定の温度域に達すると受像体形
成面の彩色が変化する熱変色性受像体形成面を被塗物上
に形成する。そして、この形成面の上に従来行われてい
る熱転写により画像(文字や絵柄など)を転写する。こ
のようにして受像体形成面に転写された画像は、例えば
常温時、受像体形成面の色と共にある描画面を形成し
て、受像体形成面の色により隠蔽されているが、被塗物
を加熱すると、受像体形成面が変色し、受像体形成面の
変色に伴い上記の転写された描画面が変化する面白さを
有する。
【0007】本発明では、受像体形成面の熱変色層を形
成するには熱変色性インキを用いることができる。本発
明において、熱変色性インキとは温度によって色が変化
するインキ組成物をいう。すなわち、本発明の受像体形
成面において、好ましい態様には、熱変色層が熱変色性
インキによる層である受像体形成面が含まれる。
【0008】本発明において、受像体形成面に熱変色層
を形成するに際して、熱変色性インキを用いる場合、熱
変色性インキを塗布して行う印刷方法や、熱変色性イン
キを基材シート上に設けた転写紙又は転写シートを用い
る熱転写方法などを採用することができる。前記熱転写
方法において、転写紙又は転写シートとしては、例え
ば、特開平7−32797や特開平7−186597等
に開示されている転写紙又は転写シートが好適に用いら
れる。従って、本発明の好ましい態様には、熱変色層が
熱変色性インキによる層であって、熱転写によって形成
されている受像体形成面が含まれる。
【0009】本発明において、受像体形成面における熱
変色層を構成するための熱変色性インキとしては、例え
ば、温度によって色が変化する顔料を熱硬化型の合成樹
脂に分散させたインキ組成物、熱変色性マイクロカプセ
ルと光重合性組成物を基本成分とする紫外線硬化型熱変
色性インキ組成物、また温度によって色が変化する顔料
を紫外線硬化型の合成樹脂に分散させた紫外線硬化型熱
変色性インキ組成物、熱可塑性樹脂に温度によって色が
変化する顔料を分散させたインキ組成物などが挙げられ
る。
【0010】本発明の受像体形成面において、好ましい
態様には、熱変色層が熱転写された昇華性染料を受容す
る層である受像体形成面が含まれる。このように熱変色
層が昇華性染料を受容することができる受容層である
と、熱変色層を備えるだけで、昇華性染料を受容する機
能と、熱変色の機能とを有する受像体形成面を形成する
ことができるため、効率的にしかも容易に受像体形成面
を作製することができる。
【0011】本発明の受像体形成面において、熱変色
層、又は熱変色層を構成するための熱変色性インキに
は、熱変色する着色顔料及び/又は熱転写による昇華性
染料を受像体形成面に定着させるために、合成樹脂が含
まれていてもよい。この合成樹脂としては、特に限定さ
れるものではないが、昇華性染料が転写時において染着
する上で好ましく使用される合成樹脂を用いることがで
きる。本発明において、好ましい態様では、熱変色層が
熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から
選択された少なくとも一種の樹脂を含んでいる受像体形
成面が挙げられる。なお、特に、受像体形成面でにじみ
をなくし、明瞭な画像を定着させる場合は、合成樹脂の
選択に際しては転写後の昇華性染料の固定状態が安定化
していることが重要な要素である。
【0012】具体的には、合成樹脂としては、例えば、
エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂などの熱硬化
性樹脂を好適に使用でき、特にエポキシ樹脂及び/又は
エポキシアクリレート樹脂を好適に使用できる。本発明
では、熱硬化性樹脂は、アクリル樹脂、ポリエステルな
どの熱可塑性樹脂と組み合わせて用いることができる。
従って、本発明において、好ましい態様の受像体形成面
としては、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシ
アクリレート樹脂を含んでいる受像体形成面が挙げられ
る。また、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシ
アクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエス
テルとを含んでいる受像体形成面が例示できる。
【0013】受像体形成面の彩色は特に限定されるもの
ではないが、単に変色するだけではなく、加熱により透
明となるようにすることもできる。この場合、受像体形
成面は加熱により可逆的に変色することが好ましい。従
って、本発明の受像体形成面における好ましい態様に
は、熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆
的に発色及び透明化する受像体形成面が含まれる。すな
わち、被塗物に形成する受像体形成面として、例えば、
常温では熱転写された受像体を隠蔽するが、加熱し一定
の温度域に達すると受像体形成面の隠蔽性が解除される
熱変色性受像体形成面を被塗物上に形成する。そして、
この形成面の上に従来行われている熱転写により画像
(文字や絵柄など)を転写する。このようにして受像体
形成面に転写された文字や絵柄などは、例えば常温時、
受像体形成面の色の隠蔽作用によって、隠し文字や絵柄
等(潜像)となっているが、被塗物を加熱すると、受像
体形成面が消色し、上記の隠し文字や絵柄などが受像体
形成面上に現出する。従って、本発明の好ましい態様に
は、熱変色層が、所定温度域で、画像の隠蔽色と非隠蔽
色とに変色する受像体形成面が含まれる。ここで、受像
体形成面における画像の非隠蔽色に変色するとは、受像
体形成面の隠蔽性が解除されることをいう。
【0014】本発明では、受像体形成面は熱変色層とと
もに樹脂層を備えていてもよい。当該樹脂層としては、
受容層としての機能を有していることが好ましい。当該
樹脂層が熱転写された昇華性染料を受容することができ
る受容層であると、昇華性染料を熱変色層以外の層でも
受容することができる。このような樹脂層が設けられて
いると、種々の変わった趣向を有している受像体形成面
が得られる。例えば、樹脂層上に熱変色層が部分的に又
は1部分に形成している態様では、熱変色層外にも受像
体を形成することができる。すなわち、熱転写による受
像体において、熱変色層によって隠蔽されている部分
と、隠蔽されていない部分とが得られる。従って、熱変
色層の変色により、隠蔽されている部分の受像体の画像
が現出し、この現出した画像と、隠蔽されていない部分
の画像との相関関係により、趣向をこらした表現の受像
体、すなわち審美性効果が優れた受像体を提供すること
ができる。また、樹脂層上に熱変色層が形成されている
場合、熱変色層による受像体の隠蔽性を高めることがで
きる。
【0015】従って、本発明における好ましい態様で
は、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備えてい
る受像体形成面が例示できる。また、好ましい態様に
は、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当
該熱変色層が樹脂層上に形成されている受像体形成面が
含まれる。また、好ましい態様では、受像体形成面が熱
変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上
に部分的に形成されている受像体形成面が挙げられる。
なお、もちろん、熱変色層は、樹脂層上に、全面的に形
成されていてもよい。
【0016】樹脂層が支持体上に直接に形成されている
ときは、樹脂層としては、支持体に対して接着性を有し
ていることが好ましい。従って、本発明の好ましい態様
には、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、
当該熱変色層が樹脂層上に形成されるとともに、樹脂層
が支持体上に直接形成され、かつ樹脂層が支持体に対し
て接着性を有している受像体形成面が含まれる。
【0017】受像体形成面の樹脂層において、樹脂とし
ては、特に制限されず、種々の合成樹脂を用いることが
できる。このような樹脂としては、例えば、熱硬化性樹
脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択された
少なくとも一種の樹脂を用いることができる。特に、樹
脂層としては、エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリ
レート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルと
を含んでいることが好ましい。従って、本発明におい
て、好ましい態様には、受像体形成面が熱変色層ととも
に樹脂層を備え、当該樹脂層がエポキシ樹脂及び/又は
エポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又は
ポリエステルとを含んでいる受像体形成面が含まれる。
また、好ましい態様の受像体形成面としては、受像体形
成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が
樹脂層上に形成されており、かつ熱変色層がエポキシ樹
脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいると
ともに、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアク
リレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステル
とを含んでいる受像体形成面が挙げられる。
【0018】また、受像体形成面は変色するものであれ
ば、その彩色が変化することのみによっても趣を有する
が、上述のように、受像体形成面上に熱転写により画像
を付すことによっても、両者の重なりにより、さらなる
趣向を演出することが可能である。従って、本発明にお
いて、好ましい態様としては、熱変色層に熱転写された
受像体が形成されている受像体形成面が挙げられる。ま
た、好ましい態様には、熱変色層が、所定温度域で、受
像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、当該熱変色
層に熱転写された受像体が形成されている受像体形成面
が含まれる。
【0019】従って、本発明の受像体形成面において、
好ましい態様には、受像体形成面が熱変色層とともに樹
脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成され、かつ
熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレー
ト樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又は
エポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又は
ポリエステルとを含んでおり、前記熱変色層が、所定温
度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、
前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が
形成されている受像体形成面や、受像体形成面が熱変色
層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部
分的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又
はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエ
ポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、ア
クリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前
記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的
に発色及び透明化し、前記熱変色層及び/又は樹脂層に
熱転写された受像体が形成されている受像体形成面など
が含まれる。
【0020】本発明の受像体形成面を設けた支持体は、
上述のような模様が変化することのみならず、隠し文字
や絵柄などを簡便に付することができる点で趣向を有す
る。本発明では、上記受像体形成面は、支持体表面上に
形成して利用されることができる。本発明には、前記熱
変色層を有する受像体形成面を備えた支持体が含まれ
る。従って、本発明には、基材シート上の昇華性染料よ
りなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられ
る受像体形成面を備えた支持体であって、当該受像体形
成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定温度域
で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化する支持
体が含まれる。
【0021】また、支持体における受像体形成面の熱変
色層には、昇華性染料よりなる画像の熱転写によって形
成された受像体が形成されていてもよい。従って、本発
明において、好ましい態様には、受像体が熱変色層及び
/又は樹脂層に形成されている支持体が含まれる。すな
わち、本発明の支持体における好ましい態様には、基材
シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体
を形成する際に用いられる受像体形成面を備えた支持体
であって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱
変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発
色及び透明化し、前記熱変色層に熱転写された受像体が
形成されている支持体が含まれる。
【0022】もちろん、前記支持体、すなわち、熱転写
された受像体が熱変色層に形成されている支持体、およ
び熱転写された受像体が熱変色層に形成されていない支
持体において、熱変色層は、前述のように、前記熱変色
性インキによる層であることが好ましい。また、前述の
ように、熱変色層、又は当該熱変色層における熱変色性
インキは、特にエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリ
レート樹脂を含んでいることが好ましい。このエポキシ
樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂は、アクリル
樹脂及び/又はポリエステルと組み合わせて用いること
ができる。従って、本発明の支持体において、好ましい
態様には、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシ
アクリレート樹脂を含んでいる支持体が含まれる。
【0023】また、本発明の好ましい態様には、上記の
ように、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え
ている支持体が含まれる。さらに好ましくは、前記熱変
色層は樹脂層上に形成されていることが挙げられる。こ
こで、熱変色層は、前述のように、樹脂層上に全面的に
形成されていてもよく、部分的に形成されていてもよ
い。
【0024】樹脂層としては、前述のように、エポキシ
樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル
樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいることが好ま
しい形態として挙げられる。
【0025】従って、本発明の支持体、すなわち、基材
シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体
を形成する際に用いられる受像体形成面を備えた支持体
であって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱
変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発
色及び透明化する支持体、または、基材シート上の昇華
性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に
用いられる受像体形成面を備えた支持体であって、当該
受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定
温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化
し、前記熱変色層に熱転写された受像体が形成されてい
る支持体において、好ましい態様には、熱変色層が熱変
色性インキによる層である支持体、熱変色層がエポキシ
樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいる
支持体、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備
え、当該熱変色層が樹脂層上に形成されている支持体、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱
変色層が樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ
樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでお
り、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレ
ート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを
含んでいる支持体、受像体形成面が熱変色層とともに樹
脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成さ
れ、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシア
クリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及
び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及
び/又はポリエステルとを含んでいる支持体、受像体形
成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が
樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び
/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層
がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂
と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでお
り、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像
体が形成されている支持体や、受像体形成面が熱変色層
とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分
的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又は
エポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポ
キシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アク
リル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前記
熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が形成
されている支持体などが含まれる。
【0026】本発明にかかる受像体形成面はその支持体
すなわち被塗物に対して特に限定されるものではなく、
金属、木材、ガラス、セラミック、プラスチック、布な
どの繊維などその材料は問わず、あらゆる材料について
あらゆる用途で使用することができる。本発明の具体的
な使用例において、好適な支持体としては、マグカップ
が挙げられ、マグカップに本発明の受像体形成面を形成
させる。すなわち、マグカップは、マグカップ内に温か
い飲料を注ぐことにより、その熱によって本発明の受像
体形成面が変色し、文字などが現出するおもしろさを効
果的に発揮することができるものとして好ましい。従っ
て、好ましい態様の支持体としては、マグカップが挙げ
られる。すなわち、本発明において、好ましい態様に
は、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写し
て受像体を形成する際に用いられる受像体形成面を備え
たマグカップであって、当該受像体形成面が熱変色層を
備え、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色
を可逆的に発色及び透明化するマグカップが含まれる。
【0027】このようなマグカップの受像体形成面とし
ては、前記好ましい態様の受像体形成面を用いることが
できる。従って、本発明のマグカップにおいて、好まし
い態様には、熱変色層が熱変色性インキによる層である
マグカップ、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキ
シアクリレート樹脂を含んでいるマグカップ、受像体形
成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が
樹脂層上に形成されているマグカップ、受像体形成面が
熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層
上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又は
エポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポ
キシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アク
リル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいるマグカ
ップや、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備
え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成され、かつ
熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレー
ト樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又は
エポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又は
ポリエステルとを含んでいるマグカップなど、前記受像
体形成面における好ましい態様に対応した種々の態様の
マグカップが含まれる。
【0028】もちろん、これらのマグカップの受像体形
成面において、熱変色層及び/又は樹脂層には、熱転写
された昇華性染料が受容され、受像体が形成されていて
もよい。すなわち、本発明には、基材シート上の昇華性
染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用
いられる受像体形成面を備えたマグカップであって、当
該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所
定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化
し、前記熱変色層に熱転写された受像体が形成されてい
るマグカップが含まれる。
【0029】従って、本発明の受像体形成面に熱転写さ
れた受像体が形成されているマグカップにおいて、好ま
しい態様には、熱変色層が熱変色性インキによる層であ
るマグカップ、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポ
キシアクリレート樹脂を含んでいるマグカップ、受像体
形成面が熱変色層とともに樹脂層を備えており、受像体
は熱変色層及び/又は樹脂層に形成されているマグカッ
プ、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当
該熱変色層が樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポ
キシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んで
おり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリ
レート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルと
を含んでおり、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写
された受像体が形成されているマグカップや、受像体形
成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が
樹脂層上に部分的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ
樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでお
り、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレ
ート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを
含んでおり、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写さ
れた受像体が形成されているマグカップなどが含まれ
る。
【0030】本発明には、基材シート上の昇華性染料よ
りなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いら
れ、かつ熱変色層を有する受像体形成面を被塗面上に作
製する方法であって、熱変色性インキを被塗面に塗布す
る受像体形成面の作製方法が含まれる。このような受像
体形成面の作成方法では、受像体形成面の作製が容易で
あり、低コストで受像体形成面を種々の支持体に形成す
ることができる。また、基材シート上の昇華性染料より
なる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられ、
かつ熱変色層及び樹脂層を有する受像体形成面を被塗面
上に作製する方法であって、合成樹脂を被塗面上に塗布
して樹脂層を形成させた後、熱変色性インキを前記樹脂
層上に塗布する受像体形成面の作製方法も含まれる。
【0031】なお、前記受像体形成面の作製方法におい
て、本発明には、熱変色性インキを被塗面に熱転写して
受像体形成面を作製する方法も含まれる。
【0032】また、本発明には、熱変色層を備えている
受像体形成面において、基材シート上の昇華性染料より
なる画像を熱変色層に熱転写して、受像体を熱変色層に
形成する方法も含まれる。このような受像体形成方法
は、昇華性染料を用いた熱転写による方法であるので、
容易に受像体形成面に受像体を形成することができる。
従って、各家庭においても容易に、種々の画像よりなる
受像体を受像体形成面に作製することができる。
【0033】前述のように、受像体形成面は熱変色層と
ともに樹脂層を備えていてもよく、このような受像体形
成面では、昇華性染料は熱変色層及び/又は樹脂層に受
容される。従って、本発明には、熱変色層及び樹脂層を
備え、かつ熱変色層が樹脂層上に形成されている受像体
形成面において、基材シート上の昇華性染料よりなる画
像を熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写して、受像体を
熱変色層及び/又は樹脂層に形成する方法が含まれる。
【0034】従って、本発明には、熱変色性インキを被
塗面に塗布して、熱変色層を有する受像体形成面を被塗
面上に作製し、基材シート上の昇華性染料よりなる画像
を熱変色層に熱転写して、受像体を熱変色層に形成する
方法や、合成樹脂を被塗面上に塗布して樹脂層を形成さ
せ、当該樹脂層上に熱変色性インキを塗布して、樹脂層
上に熱変色層を有する受像体形成面を被塗面上に作製
し、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色層
及び/又は樹脂層に熱転写して、受像体を熱変色層及び
/又は樹脂層に形成する方法が含まれる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明において、基材シート上の
昇華性染料よりなる画像とは、慣用的にこの種の技術分
野において従来使用されているような、紙、樹脂による
シート(例えば、ポリエステルシートなどの熱可塑性樹
脂によるシートなど)などの基材シート上に、アゾ系や
アントラキノン系などの昇華性の良好な昇華性染料を記
録剤として用いて印刷することにより描かれた画像を意
味する。もちろん、基材シートとしては、前記例示に限
定されるものではなく、また、記録剤としても前記例示
に限定されるものではない。本発明では、特に、ビデオ
プリンターで得られた画像を昇華性染料で印刷して得ら
れた転写シートを用いて、熱転写することが好ましい。
【0036】本発明の受像体形成面における熱変色層
は、特にその彩色において限定されるものではないが、
熱変色性着色組成物により着色されており、常温(例え
ば、20〜25℃程度)で黒色又は灰色等の着色組成物
の画像隠蔽性背景色となっており、加熱することによっ
て、例えば、50〜100℃の温度で、透明又は半透明
等の着色組成物の画像出現性背景色とすることもでき
る。ここで、「画像隠蔽性背景色」とは、受像体形成面
に形成された画像を色彩的に隠蔽することができる色を
意味し、「画像出現性背景色」とは、受像体形成面に形
成された画像を色彩的に隠蔽しない色を意味する。この
点で、本発明における熱変色層としては、常温−加熱間
において、画像隠蔽性背景色(画像隠蔽色)と画像出現
性背景色(画像非隠蔽色)とに可逆的な変色を呈する層
を好適に使用できるが、不可逆的な層であっても用いる
ことができる。また、画像隠蔽性背景色と画像出現性背
景色となる温度領域については、常温で画像隠蔽性背景
色となり、加熱時に画像出現性背景色となるものが好ま
しいが特に限定されるものではない。この受像体形成面
の熱変色層を形成する手段は、既述の通り又は後述する
通り、熱変色性インキを用いて達成することができる。
【0037】なお、熱変色性インキにおいて、加熱時の
変色温度領域の違いを利用して、一定の温度領域で画像
出現性背景色となり、更に加熱することで他の画像出現
性背景色が生じるようにすることもできる。
【0038】また、受像体形成面における熱変色層は少
なくとも1層が被塗面に形成されていればよい。なお、
2層以上の場合は、特定温度における熱変色の違いを利
用して、筆跡等の浮かび上がらせ方を制御することもで
きる。また、受像体形成面の被塗面への付着力を向上さ
せるために、受像体形成面を複数層設けたり、支持体へ
の接着力の高い樹脂層又は非熱変色性樹脂層を介して受
像体形成面を形成することもできる。
【0039】熱変色性インキにおいて用いられている熱
変色性着色料(熱変色性顔料など)としては、各種の熱
変色組成物(熱変色性着色料を含む組成物)を使用する
ことができる。熱変色組成物は単独で又は複数混合して
使用することができる。熱変色組成物としては、前述の
ように、可逆的熱変色組成物を好適に用いることができ
る。熱変色組成物は他の公知の着色料と組み合わせて使
用することができる。
【0040】可逆的熱変色組成物としては、電子供与性
呈色性有機化合物(発色剤)、電子受容性化合物(顕色
剤)及び減感剤で構成されている。もちろん、可逆的熱
変色組成物は特に限定されるものではない。
【0041】より具体的には、熱変色組成物としては、
例えば、商品名:TCパウダーブラック(株式会社サク
ラクレパス製)、商品名:TCパウダーレッド(株式会
社サクラクレパス製)などが挙げられる。
【0042】なお、熱変色組成物(可逆的熱変色組成物
など)は、マイクロカプセル化した状態(すなわち、マ
イクロカプセルに熱変色組成物が内包されている状態)
で使用してもよい。熱変色組成物の使用量は、特に制限
されない。熱変色インキ中に後述する合成樹脂が含まれ
ている場合、熱変色組成物の使用量は、例えば、後述す
る合成樹脂100重量部に対して5〜200重量部、好
ましくは5〜70重量部、さらに好ましくは20〜70
重量部程度である。これらの範囲より多い場合は熱変色
層の被塗面への定着性が確保されにくく、これらの範囲
より少ない場合は常温時における熱変色層の受像体に対
する隠蔽性が確保されにくいため好ましくない。
【0043】被塗面表面の受像体形成面を形成する際
に、熱変色層の受像能力を高めるために、熱変色性イン
キの成分として合成樹脂を用いることができる。このよ
うな合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹
脂及び熱可塑性樹脂から選択された少なくとも一種の樹
脂が挙げられる。合成樹脂としては、特に、該被塗面に
対して接着性を有している合成樹脂(熱可塑性樹脂、紫
外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂など)を好適に使用する
ことができる。合成樹脂は単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。
【0044】合成樹脂のなかでも熱硬化性樹脂を用いる
と、熱可塑性樹脂等に比して、熱的にも安定した受像体
形成面を容易に作製することができる。従って、本発明
では、被塗面上の受像体形成面は加熱、冷却を繰り返す
ため、熱硬化性樹脂を好適に使用できる。
【0045】熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、
例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、熱
硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ポリエステル(例えば、
不飽和ポリエステルなど)、熱硬化性ポリウレタン、熱
硬化性ウレタンアクリレート樹脂などが挙げられる。熱
硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂及び/又はエポキシ
アクリル樹脂(特に、エポキシ樹脂)を好適に用いるこ
とができる。
【0046】より具体的には、エポキシ樹脂としては、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭
素化エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂など
が挙げられる。本発明では、エポキシ樹脂としては、数
平均分子量が200〜5000程度で、かつ(エポキシ
樹脂の数平均分子量)/(1分子中のエポキシ基の個
数)で示される値(以下、エポキシ当量と略記する場合
がある)が100〜1000程度であるビスフェノール
A型エポキシ樹脂が特に好ましい。なかでもエポキシ当
量が100〜500程度のものは常温で液体であるため
最適である。なお、エポキシ当量が500〜1000の
ものであっても希釈剤により溶解させることによって使
用することができる。
【0047】エポキシアクリレート樹脂としては、上記
のようなエポキシ樹脂において、アクリル酸を用いたエ
ステル化によって、官能基(エポキシ基)をアクリロイ
ル基に変換させたものなどが挙げられる。なお、エポキ
シアクリレート樹脂において、エポキシ基とアクリロイ
ル基との割合は特に制限されない。
【0048】熱硬化性樹脂の使用において、硬化に際し
ては触媒や助触媒を用いることができる。特に、エポキ
シ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂(以下、こ
れらを総称して単に「エポキシ系樹脂」と称する場合が
ある)は、当該エポキシ系樹脂と常温で反応性して硬化
する第1硬化剤と、該樹脂と80〜200℃で反応して
硬化する第2硬化剤と組み合わせて使用することが好ま
しい。
【0049】もちろん、エポキシ系樹脂と常温で反応す
る第1硬化剤や第2硬化剤は、必須成分ではない。第1
硬化剤は、エポキシ系樹脂と10〜30℃程度の常温で
緩やかに反応するものであり、熱変色層の表面を硬化さ
せて以後の作業を容易とするものとして使用されてい
る。第1硬化剤としては、脂肪族アミン類、脂環族アミ
ン類、芳香族アミン類、アミンアダクト、酸無水物、ポ
リアミドなどが挙げられる。第1硬化剤は単独で又は2
種以上組み合わせて用いることができる。
【0050】脂肪族アミン類としては、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン,N−アミノエチルピ
ペラジン、ジエチルアミノプロピルアミン等が好適に用
いられる。脂環族アミン類としてはイソホロンアミン、
3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3
−ビスアミノメチルヘキサン、m−キシリレンジアミン
等が好適に用いられる。芳香族アミン類としてはメタフ
ェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルホン、トルイレンジアミン等が好適に
用いられる。アミンアダクトとしては上記のアミンと、
アミンに対して反応性を有するエポキシ樹脂などとを反
応させて得られるアミンアダクトが用いられる。ポリア
ミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66などが挙
げられる。酸無水物としては、無水フタル酸、メチルテ
トラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などの芳
香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニ
ル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の環状脂
肪酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸
無水物等の脂肪族酸無水物、クロレンド酸無水物、テト
ラブロモ無水フタル酸などのハロゲン化酸無水物などが
用いられる。
【0051】第1硬化剤は常温でエポキシ系樹脂と反応
するものであれば液状であっても固体状であってもよ
い。これらの第1硬化剤の中ではアミンアダクト及びポ
リアミドがより好ましい。また、第1硬化剤としては、
(硬化剤の分子量)/(1分子中の活性水素の個数)に
より表される値(以下、「活性水素当量」と略記する場
合がある)が20〜600程度であって、常温で液状の
ものがより好ましい。なお、この活性水素当量におい
て、硬化剤が樹脂である場合、前記硬化剤の分子量と
は、数平均分子量を意味する。
【0052】第2硬化剤は、温度が80〜200℃程度
の加熱条件下で、エポキシ系樹脂と反応するものであ
り、熱変色層を完全に又はほぼ完全に硬化させるもので
ある。このような硬化剤としては、エポキシ系樹脂に対
する潜在性硬化剤として、例えば、具体的には、第2硬
化剤としては、ジシアンジアミド又はその誘導体、有機
酸ヒドラジド、イミダゾール類、三フッ化ホウ素−アミ
ン錯体、及びその他のものが例示できる。第2硬化剤は
単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
【0053】ジシアンジアミド又はその誘導体として
は、例えば、ジシアンジアミド、o−トリルビグアニ
ド、フェニルビグアニド、α−ベンジルビグアニド、α
−2,5−ジメチルビグアニド、フェニルビグアニドオ
キサレート等が挙げられる。有機酸ヒドラジドとして
は、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒド
ラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド等が挙げられ
る。イミダゾール類としては、例えば、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−メチルイミダゾリウムイソシアネート等が
挙げられる。三フッ化ホウ素(BF3 )アミン錯体とし
ては、モノメチルアミンのBF3 錯体、n−ヘキシルア
ミンのBF3 錯体、トリエチルアミンのBF3 錯体等が
挙げられる。その他のものとしては、融点80℃以上の
アミンアダクト、ジアリルメラミン及び常温で活性な硬
化剤から選択された少なくとも一種を内包し、80℃以
上で壁材が崩壊することにより硬化剤としての機能を発
揮するカプセル等が例示できる。
【0054】これらの第2硬化剤の中ではジシアンジア
ミド又はその誘導体、有機酸ヒドラジド、融点80℃以
上のアミンアダクトが好ましい。
【0055】熱変色層の形成に際して、熱硬化性樹脂、
特にエポキシ系樹脂(エポキシ樹脂及び/又はエポキシ
アクリレート樹脂)が、熱可塑性樹脂(特に、アクリル
樹脂及び/又はポリエステル)と組み合わせて用いられ
ると、昇華性染料が受像体形成面の熱変色層内に浸透し
やすくなる。すなわち、かかる熱可塑性樹脂(アクリル
樹脂及び/又はポリエステル樹脂)は、昇華性染料によ
る熱転写における染料の固定性を考慮して配合されてい
る場合がある。アクリル樹脂及び/又はポリエステルの
配合量は、例えば、エポキシ系樹脂又は熱硬化性樹脂1
00重量部に対して5〜500重量部程度であることが
好ましい。かかる配合量より少ない場合は熱転写後の染
料の固定が低下し、熱変色層の耐久性が損なわれる場合
がある。一方、かかる配合量より多い場合は、熱変色層
の硬化が十分に行われないため、熱変色層の支持体への
接着性が低下し、熱変色層の耐久性が損なわれる場合が
ある。
【0056】なお、熱硬化性樹脂と併用される熱可塑性
樹脂におけるアクリル樹脂としては、広義に解釈し、例
えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸メチルなどのポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメ
タクリル酸エステルなどが使用できる。また、熱硬化性
樹脂と併用されるポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートや、アル
キド樹脂、ラクトンの開環重合により得られるポリエス
テル等が使用できる。
【0057】また、本発明に係る熱変色性インキにおい
て用いられる紫外線硬化性樹脂としては各種のものが使
用できる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、特開平
8−48923に開示されているような紫外線硬化性樹
脂などが挙げられる。本発明では、紫外線硬化性樹脂も
熱硬化性樹脂と同様、熱的にも安定した受像体形成面を
作製することができるので、好ましく用いられる。
【0058】また、本発明に係る熱変色性インキにおい
て用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限されない
が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブエチレンテレ
フタレートなどの熱可塑性ポリエステル、熱可塑性アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及び
これらの変性物等が好適に使用できる。なお、本発明で
は受像体形成面に対して加熱を繰り返し行うことがある
ため、熱可塑性樹脂Yとしては、熱に強い、すなわち、
優れた耐熱性を有しているものを好適に使用することが
できる。すなわち、熱可塑性樹脂に要求されるガラス転
移温度は、熱変色層の変色域の温度設定よりも高いこと
が必要であるが、種々の用途に応じて選択でき、特に限
定されるものではない。
【0059】本発明では、その他、必要に応じて反応性
希釈剤、体質顔料、接着促進剤、消泡剤等種々の添加剤
を、熱変色性インキ組成物に配合することができる。
【0060】反応性希釈剤としては、特に制限されず、
例えば、バーサディック酸グリシジルエステル、フェニ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、n
−ブチルグリシジルエーテルなどが例示できる。これら
の配合量は、特に制限されない。エポキシ系樹脂などの
熱硬化性樹脂を熱変色性インキの樹脂成分として使用す
る場合、反応性希釈剤の使用量は、例えば、エポキシ系
樹脂などの熱硬化性樹脂100重量部に対して通常5〜
30重量部程度であり、さらに好ましくは5〜10重量
部である。
【0061】体質顔料としては、特に制限されず、例え
ば、シリカ、アルミナ、アルミナシリケート、炭酸カル
シウム、マイカ、石英粉などが例示できる。その使用量
は組成物の流れ性を調整するのに必要な量であればよ
く、特に限定されない。エポキシ系樹脂などの熱硬化性
樹脂を熱変色性インキの樹脂成分として使用する場合、
体質顔料の使用量としては、例えば、エポキシ系樹脂な
どの熱硬化性樹脂100重量部に対し通常2〜20重量
部程度であり、さらに好ましくは2〜4重量部である。
【0062】接着促進剤としては、特に制限されず、例
えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
N−β(アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン等のシラン系カップリング剤が例示できる。そ
の使用量は特に限定されず、エポキシ系樹脂などの熱硬
化性樹脂を熱変色性インキの樹脂成分として使用する場
合、例えば、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂100
重量部に対して通常0.05〜5重量部であり、さらに
好ましくは0.07〜3重量部である。
【0063】消泡剤としては、特に制限されず、例え
ば、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン、
ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンなどのシロキ
サン系消泡剤が例示できる。その使用量は、特に制限さ
れないが、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を熱変色
性インキの樹脂成分として使用する場合、例えば、エポ
キシ系樹脂などの熱硬化性樹脂100重量部に対して通
常0.05〜5重量部程度であり、さらに好ましくは
0.07〜3重量部である。
【0064】本発明において、熱変色性インキ組成物の
調製方法は特に制限されず、例えば、前記成分(熱変色
性着色料、合成樹脂、添加剤など)を、慣用の方法によ
り混合して調製する方法などを採用することができる。
【0065】本発明の受像体形成面は熱変色層を備えて
いる。この熱変色層は、受像体形成面において、全面的
に形成されていてもよく、部分的に形成されていてもよ
い。熱変色層が受像体形成面において全面的に形成され
ている場合、熱変色層が、熱転写による昇華性染料を受
容する役割、すなわち受容層としての役割を有していて
もよい。
【0066】また、受像体形成面が熱転写による昇華性
染料を受容することができる樹脂層を備えることによ
り、樹脂層が昇華性染料を受容する役割を担っていても
よい。なお、このように、樹脂層も備えた受像体形成面
では、熱変色層は受像体形成面の役割を有していてもよ
く、有していなくてもよい。もちろん、熱変色層が昇華
性染料を受容する役割を有しているときは、熱変色層に
は合成樹脂が含まれていることが好ましい。
【0067】また、熱変色層が受像体形成面において部
分的に形成されている場合、1部分に形成されていても
よく、複数の部分に形成されていてもよい。このよう
に、受像体形成面において、部分的に熱変色層が形成さ
れている場合、受像体形成面は、熱変色層と樹脂層とを
備えている。従って、本発明では、受像体形成面におい
て、全面的な熱変色層の形成、部分的な熱変色層の形成
にかかわらず、樹脂層を形成することができる。なお、
本発明では、熱変色層は樹脂層上に形成されている場合
が多い。
【0068】なお、受像体形成面で用いられる樹脂層
は、前記熱変色層において用いられる合成樹脂(熱硬化
性樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)で形成
することができる。当該合成樹脂は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。合成樹脂としては、エポキシ
系樹脂などの熱硬化性樹脂と、アクリル樹脂及び/又は
ポリエステルなどの熱可塑性樹脂とを組み合わせて用い
ることが好ましい。さらに好ましくはエポキシ系樹脂と
アクリル樹脂との組み合わせ、特にエポキシ樹脂とアク
リル樹脂との組み合わせが挙げられる。
【0069】受像体形成面において、樹脂層を設ける場
合、熱変色層と樹脂層との構成は、特に制限されず、い
ずれが支持体側、反支持体側であってもよい。例えば、
支持体上に、樹脂層、熱変色層の順で形成された構成、
熱変色層、樹脂層の順で形成された構成、樹脂層、熱変
色層、樹脂層の順で形成された構成、熱変色層、樹脂
層、熱変色層の順で形成された構成などが挙げられる。
好ましくは、支持体上に樹脂層、熱変色層の順で形成さ
れた2層の構成である。もちろん、熱変色層を受像体形
成面において部分的に形成する場合は、支持体上におい
て、樹脂層上に熱変色層が部分的に形成されている構
成、部分的に形成された熱変色層を覆って樹脂層が形成
されている構成などが挙げられる。樹脂層や熱変色層
は、それぞれ、複数の樹脂で形成された積層であっても
よい。なお、樹脂層を支持体上に形成する場合、支持体
に対して接着性を有している樹脂を用いて樹脂層を形成
することが好ましい。
【0070】本発明の受像体形成面は、熱変色層のみで
形成される場合は、熱変色性インキ組成物を被塗面又は
支持体に塗布して形成することができる。受像体形成面
が樹脂層と熱変色層とで構成される場合は、熱変色性イ
ンキ組成物、合成樹脂をそれぞれ、被塗面(支持体表
面、熱変色層又は樹脂層)の上に塗布して形成すること
ができる。なお、熱変色層は、熱変色性インキを用いた
転写紙又は転写シートによる熱転写によって形成するこ
ともできる。
【0071】本発明では、熱変色層及び/又は樹脂層
は、熱変色性インキ組成物又は合成樹脂を用いた塗布に
よる印刷方法によって形成する場合が多い。熱変色性イ
ンキ組成物又は合成樹脂を用いて、被塗面(支持体表
面、熱変色層又は樹脂層)上に塗工する方法としては、
スクリーン印刷などの印刷方法を好適に採用できる。な
お、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を用いる場合は、
印刷後、加熱又は紫外線照射を施すことにより硬化させ
ることができる。
【0072】また、2種以上の熱変色性インキの印刷層
や樹脂層を設ける場合は同様の操作を必要回数だけ繰り
返し行う。なお、受像体形成面が複数の層で形成され、
各層が熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を含有している
場合、各層を形成するための熱変色性インキ組成物又は
合成樹脂を被塗面に塗布して、熱や紫外線により硬化さ
せた後、次の層を形成することが好ましい。
【0073】なお、受像体形成面内に形成されている画
像を隠蔽できるよう、最上部、中間部又は最下部(好ま
しくは最上部)に設けられる熱変色層は隠蔽率が高い濃
厚な色にすることが好ましい。好ましくは、常温で黒、
もしくは濃紺で、変色温度域では無色透明または有色透
明、若しくはほぼ透明(無色透明又は有色透明)に変色
することが好ましい。
【0074】支持体表面に塗工する受像体形成面の厚さ
は受像体形成面の種類又は構成に応じて適宜選択するこ
とができるが、通常、厚さ10〜200μmで塗工する
のが好ましい範囲である。受像体形成面の厚みにおい
て、さらに好ましくは20〜150μmであり、特に5
0〜100μmが好適である。厚さ10μmより少ない
と、ピンホールができたり、被塗面に樹脂が均一につか
ないことがあり、200μmを越えると表面に凹凸がで
き、膜厚が均一にならないことがあるからである。
【0075】また、受像体形成面において、熱変色層と
ともに樹脂層を備えている場合、熱変色層、樹脂層の厚
みは、それぞれ、特に制限されず、前記受像体形成面の
厚みの範囲において任意に選択できる。もちろん、樹脂
層、熱変色層がそれぞれ複数層設けられている場合で
も、それぞれの層の厚みは、全体としての受像体形成面
の厚みが前記範囲であれば、特に制限されない。なお、
受像体形成面が熱変色層と樹脂層とで構成された2層構
造で、支持体側から樹脂層、熱変色層の順で形成される
とともに、両者が受容層としての機能を有している場
合、樹脂層の厚みは、5〜50μm(好ましくは10〜
40μm)であり、熱変色層の厚みは、10〜150μ
m(好ましくは50〜100μm)である場合が多い。
【0076】また、被塗面に塗工されている合成樹脂の
焼き付け加工の温度は、当該合成樹脂の種類に応じて決
定される。この温度は、通常、100〜200℃が好適
な範囲である。これは合成樹脂の軟化温度又は硬化温度
に応じて選択される。
【0077】本発明の受像体形成面を適用可能な被塗面
即ち支持体の材質は、既述の通り、特に限定されるもの
ではない。支持体の材質としては、ガラス、陶磁器、金
属のほか、合成樹脂、ホーロー、紙類、金属、木材など
各種の材料又は製品を使用できる。支持体としては、特
に、既述の様に、マグカップ、ガラスコップ、湯飲み、
皿、プレート等の食器や、タイル、合成樹脂フィルム・
シートや紙、布類などが好適に使用され、特にマグカッ
プが好適に使用される。
【0078】被塗面の色(着色)は、特に限定されない
が、転写された昇華性染料の画像が透明又は薄い色の受
像体形成面中に現出したとき、受像体形成面の下地を構
成している被塗面の着色が、更に転写された受像体の画
像や筆跡を隠蔽する場合は好ましくない。但し、これは
受像体形成面が透明又は薄い色に変色する場合であっ
て、常温での色が透明又は薄い色でない場合は、被塗面
の着色や色彩は特に制限を受けない。この場合の受像体
形成面における常温での色としては、黒色など比較的濃
い色であることが望ましい。そして、受像体形成面が透
明或は薄い色に変色したとき、被塗面に絵柄等が描かれ
ている場合は、更にこの被塗面の絵柄と、浮かび上がっ
てきた筆跡等とが重なり合って趣向のある面白さを呈す
ることもできる。
【0079】本発明の受像体形成面において、受像体
(画像)の形成方法としては、慣用の熱転写方法を採用
でき、例えば、基材シート上に昇華性染料よりなる画像
を塗布又は印刷などにより形成して画像転写シートを作
製し、この画像転写シート上の昇華性染料が塗布又は印
刷されている面を受像体形成面に接触させて加熱するこ
とにより、熱転写して受像体を形成する方法が採用でき
る。基材シート上の昇華性染料が塗布又は印刷されてい
る面を受像体形成面に接触させて加熱すると、昇華性染
料が昇華して、受像体形成面に移行するため、受像体形
成面に受像体を形成することができる。なお、加熱の温
度は昇華性染料の種類に応じて選択できる。
【0080】図1は、本発明の受像体形成面を塗工した
支持体であるマグカップの概略拡大断面図である。1は
マグカップの被塗面、2はこの被塗面1上に部分的に形
成された1層の熱変色層よりなる受像体形成面である。
図2はこの受像体形成面2に熱転写を用いて描いた状態
を示す塗膜の概略拡大断面図である。図2において、受
像体形成面2には、転写された着色組成物による画像3
が浸透され染着されている。但し、この状態では、図示
の様に、この画像3は、例えば常温時では黒色の受像体
形成面2によって色彩的に隠蔽されており、隠し文字又
は隠し絵柄等(潜像)となっている。そこで、図3に示
す様に、このようにして絵付けされたものを加熱するこ
とで、受像体形成面2が例えば透明となり、受像体形成
面2に浸透染着された画像3の隠し文字又は隠し絵柄等
が現出する。
【0081】なお、前記実施形態では画像が受像体形成
面の熱変色層中に完全に浸透染着されているが、本発明
には画像が受像体形成面の熱変色層の外にも飛び出て形
成された浸透染着状態のものも含まれる。図7は、本発
明の受像体形成面を塗工した支持体であるマグカップに
おいて他の実施形態を示す概略拡大断面図である。1は
マグカップの被塗面、2bはこの被塗面1上に部分的に
形成された樹脂層、2cは樹脂層2b上に部分的に形成
された熱変色層であり、2aは受像体形成面である。す
なわち、図7では、受像体形成面2aは、熱変色層2c
と樹脂層2bとの2層で構成されている。図8は、図7
に係る受像体形成面2aに熱転写によって、受像体であ
る画像3a、3bが形成された受像体形成面2aの状態
を示す概略拡大断面図である。図8では、受像体形成面
2には画像3a、3bが転写、浸透され染着されてお
り、画像3a、3bは、熱変色層2c及び樹脂層2bに
受容されている。従って、受像体形成面2において、熱
変色層2cの外部にも画像3bが形成されている。な
お、図8では、画像3a、3bは、熱変色層2c及び樹
脂層2bの両者に受容されているが、前述のように、画
像は、熱変色層2c及び樹脂層2bのうち少なくともい
ずれかに受容されていてもよい。
【0082】図8では、図示されているように、画像の
うち熱変色層2cに形成されている画像3cは、例えば
常温時では黒色の、受像体形成面2の熱変色層2cによ
って色彩的に隠蔽されており、隠し文字又は隠し絵柄等
となっている。一方、樹脂層2bに形成された画像3b
は色彩的に隠蔽されていない。そこで、図9に示す様
に、このようにして絵付けされたものを加熱すること
で、受像体形成面2の熱変色層2cが、例えば透明とな
り、受像体形成面2の熱変色層2cに浸透染着された画
像3cの隠し文字又は隠し絵柄等が現出すると、隠蔽性
のない樹脂層2bに形成された画像と合わさって趣向の
ある面白さを呈することができる。
【0083】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 (1)転写シートの作成 転写シートの作成の模様を図4に示す。すなわち、スク
リーン5上の被写体4を入力カメラ6でとり、他方スー
パーインポーズ画7として風景写真をカラービデオスキ
ャナ8(ソニー(株)製、UV−T55V)により映像
入力し、カラービデオプリンタ10(ソニー(株)製、
UP−2200R)によりこの両者4,7を一体として
昇華性染料を記録剤としてプリントペーパーに反転プリ
ントして、画像転写シート9を作製した。なお、反転プ
リントの状態をモニター11によって観察した。
【0084】(2)熱変色性インキ組成物の調製例1〜
3 被塗面に受像体形成面の熱変色層を形成するための熱変
色性インキ組成物の調製方法を説明する。後述の熱変色
性顔料であるTC顔料(商品名「TCパウダーブラッ
ク」又は「TCパウダーレッド」、以上、株式会社サク
ラクレパス製熱変色性顔料)や、他の成分を以下に示す
割合で配合し、熱変色性インキ組成物1〜3を調製し
た。より具体的には、TC顔料以外の成分を混合した
後、TC顔料を加えて混合して、それぞれ、熱変色性イ
ンキ組成物1〜3を調製した。
【0085】なお、熱変色性インキ組成物1〜2は、い
ずれも2液硬化型のスクリーン印刷用インキ組成物とし
て調製した。また、熱変色性インキ組成物1〜2には、
下記熱変色性インキ組成物の原液成分75重量部に対し
て硬化剤20重量部、接着促進剤1重量部が配合されて
いる。なお、硬化剤としてはアミンアダクト(活性水素
当量約47、油化シェルエポキシ(株)製 商品名「エ
ピキュアーU」)を用いた。また接着促進剤はγ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン系接着促進剤(信越化学
(株)製 商品名「KBM703」)を用いた。なお、
熱変色性インキ組成物1〜2では、体質顔料としてはシ
リカを用いている。
【0086】(熱変色性インキ組成物1) 原液成分 TC顔料1 35重量部 エポキシ樹脂 60重量部 反応性希釈剤 3.0重量部 消泡剤1 0.5重量部 体質顔料 1.5重量部
【0087】(熱変色性インキ組成物2) 原液成分 TC顔料2 35重量部 エポキシアクリル樹脂 60重量部 反応性希釈剤 3.0重量部 消泡剤1 0.5重量部 体質顔料 1.5重量部
【0088】(熱変色性インキ組成物3) TC顔料1 28.5重量部 光開始剤 1.0重量部 光重合性プレポリマー 40.0重量部 光重合性モノマー 30.0重量部 消泡剤2 0.5重量部
【0089】なお、上記熱変色性インキ組成物1〜3で
用いた熱変色性顔料であるTC顔料1、2、樹脂(エポ
キシ樹脂、エポキシアクリル樹脂)、光重合性プレポリ
マー、光重合性モノマー等は以下の通りである。
【0090】TC顔料1:熱変色性顔料((株)サクラ
クレパス社製 商品名「TCパウダーブラック」) TC顔料2:熱変色性顔料((株)サクラクレパス社製
商品名「TCパウダーレッド」) エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポ
キシ当量約189(油化シェルエポキシ(株)社製 商
品名「エピコート828」) エポキシアクリル樹脂:ビスフェノールA型エポキシア
クリレート 数平均分子量1100(日本化薬(株)社
製 商品名「カヤラッドR131」) 反応性希釈剤:(油化シェルエポキシ(株)社製 商品
名「カージュラE」) 光開始剤:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルフォスフィンオキシド 光重合性プレポリマー:ウレタンアクリレート(日本化
薬(株)社製 商品名「カヤラッドUX8101」) 光重合性モノマー:ネオペンチルグリコールとヒドロキ
シポバリン酸との反応物(日本化薬(株)社製 商品名
「カヤラッドMANDA」) 消泡剤1:エーテル変性メチルアルキルポリシロキサン
(ビッグケミー・ジャパン(株)社製 商品名「BYK
−070」) 消泡剤2:シリコーン(東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)社製 商品名「SH200オイル」)
【0091】(実施例1)熱変色性インキ組成物1を用
いて陶器製マグカップに印刷した後、熱によりインキ組
成物中の熱硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受像体形成
面を形成し、これに上記の画像転写シート9のプリント
面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレスで1
kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を行っ
た。昇華性染料による画像(絵柄)は黒色の受像体形成
面に浸透していた。常温で状態をみたところ、図5のよ
うに画像3は黒色の受像体形成面2で隠蔽され、判読で
きなかった。その後、マグカップに70℃の湯を入れ加
熱したところ、受像体形成面2は透明となり、図6のよ
うに当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。
なお、受像体形成面の厚みは70μmである。
【0092】(実施例2)熱変色性インキ組成物2を用
いてプラスチック製マグカップに印刷した後、熱により
インキ組成物中の熱硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受
像体形成面を形成し、これに上記の画像転写シート9の
プリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプ
レスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写
を行った。昇華性染料による画像は赤色の受像体形成面
に浸透していた。常温で状態をみたところ、図5のよう
に画像3は赤色の受像体形成面2で隠蔽され、判読でき
なかった。その後、マグカップに70℃の湯を入れ加熱
したところ、受像体形成面2は透明となり、図6のよう
に当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。な
お、受像体形成面の厚みは70μmである。
【0093】(実施例3)熱変色性インキ組成物1を用
いてプラスチック製マグカップに印刷した後、熱により
インキ組成物中の熱硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受
像体形成面を形成し、これに上記の画像転写シート9の
プリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプ
レスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写
を行った。図5のように昇華性染料による画像3は黒色
の受像体形成面2に浸透していた。常温で状態をみたと
ころ、図5のように、画像3は黒色の受像体形成面2で
隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップに7
0℃の湯を入れ加熱したところ、受像体形成面2は透明
となり、図6のように当該受像体形成面2中に上記の画
像3が現出した。なお、受像体形成面の厚みは70μm
である。
【0094】(実施例4)PETフィルムに熱変色性イ
ンキ組成物1を用いてインキ転写シートを作成し、当該
インキ転写シートを用いて熱転写して、陶器製マグカッ
プ表面に熱変色性受像体形成面を形成した。これに上記
の画像転写シート9のプリント面を重ね合わせ、200
℃に設定したホットプレスで1kg/cm2 の圧力で2
分間プレスして熱転写を行った。昇華性染料による画像
は黒色の受像体形成面に浸透していた。常温で状態をみ
たところ、図5のように、画像3は黒色の受像体形成面
2で隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップ
に70℃の湯を入れ加熱したところ、受像体形成面2は
透明となり、図6のように当該受像体形成面2中に上記
の画像3が現出した。なお、受像体形成面の厚みは50
μmである。
【0095】(実施例5)熱変色性インキ組成物3を用
いて陶器製マグカップに印刷した後、紫外線によりイン
キ組成物中の紫外線硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受
像体形成面を形成し、これに上記の画像転写シートのプ
リント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレ
スで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を
行った。図5のように、昇華性染料による画像3は黒色
の受像体型成面2に浸透していた。常温で状態を見たと
ころ、図5のように、画像3は黒色の受像体型成面2で
隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップを手
のひらで温めたところ、受像体型成面2は透明となり当
該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。なお、
受像体形成面の厚みは60μmである。
【0096】(実施例6)陶器製マグカップの表面に、
エポキシ樹脂及びアクリル樹脂の混合物を、塗布して、
マグカップ表面に樹脂層を形成させた。このマグカップ
の樹脂層上に、熱変色性インキ組成物1を用いて印刷し
た後、熱によりインキ組成物中の熱硬化性樹脂を硬化さ
せて熱変色性受像体形成面を形成した。この受像体形成
面に上記の画像転写シート9のプリント面を重ね合わ
せ、200℃に設定したホットプレスで1kg/cm2
の圧力で2分間プレスして熱転写を行った。昇華性染料
による画像は黒色の受像体形成面に浸透していた。常温
で状態をみたところ、図5のように、画像3は黒色の受
像体形成面2で隠蔽され、判読できなかった。その後、
マグカップに70℃の湯を入れ加熱したところ、受像体
形成面2は透明となり、図6のように当該受像体形成面
2中に上記の画像3が現出した。なお、樹脂層に係るエ
ポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)社製
商品名「エピコート828」を用い、樹脂層に係るアク
リル樹脂としては、三菱化学社製、商品名「ダイヤナー
ルSE−5661」を用いた。また、樹脂層に係るエポ
キシ樹脂とアクリル樹脂との割合は、エポキシ樹脂/ア
クリル樹脂(重量比)=1/9である。また、樹脂層の
厚みは、20μmであり、熱変色層(熱変色性インキ組
成物1による層)の厚みは50μmである。
【0097】各実施例により得られた塗布面の性質を調
べるため、実施例1〜6で得られたものについて以下の
各種試験を行った。 (接着性試験)各受像体形成面の面上でクロスカットセ
ロテープ剥離試験を行い、受像体形成面の接着性を評価
した。その結果、実施例1〜6に係るいずれの受像体形
成面も剥離されず、熱転写により付した画像も消去しな
かった。なお、クロスカットセロテープ剥離試験は、J
IS K 5400に準じて行った。
【0098】(耐温水接着性試験)各受像体形成面が形
成された支持体(マグカップ)被塗面を80℃の温水に
10分間浸漬後、前記接着性試験と同様の方法、すなわ
ち、クロスカットセロテープ剥離試験方法によって接着
性を評価した。その結果、いずれの受像体形成面も剥離
されず、熱転写により付した画像も消去しなかった。 (耐水性試験)各受像体形成面が形成された支持体(マ
グカップ)を水に室温で24時間浸漬後、前記接着性試
験と同様の方法で接着性を評価した。その結果、いずれ
の受像体形成面も剥離されず、熱転写により付した画像
も消去しなかった。 (耐洗剤水性試験)各受像体形成面が形成された支持体
(マグカップ)を、食器洗い用洗剤((株)ライオン社
製 商品名「チャーミーグリーン」)が3ml/lの濃
度で溶かされている液に室温で24時間浸漬後、前記接
着性試験と同様の方法で接着性を評価した。その結果、
いずれの受像体形成面も剥離されず、熱転写により付し
た画像も消去しなかった。 (耐漂白剤水性試験)各受像体形成面が形成された支持
体(マグカップ)を、食器用漂白剤((株)花王製 商
品名「キッチンハイター」)が10ml/lの濃度で溶
かされている液に室温で24時間浸漬後、前記接着性試
験と同様の方法で接着性を評価した。その結果、いずれ
の受像体形成面も全く剥離されず、熱転写により付した
画像も消去しなかった。 (繰り返し試験)実施例1〜6に係る各マグカップに、
90℃の湯を注いだ後捨てる操作を200回行い、受像
体形成面の熱変色層の発色、消色を各200回繰り返
し、このときの各回における受像体形成面の状態及び発
色・消色を観察した。その結果、初めから200回まで
の間では、発色の色、および消色の色に変化がみられ
ず、受像体形成面の状態も変化がなかった。 (食器洗い試験)各受像体形成面が形成された支持体
(マグカップ)被塗面を、日本陶磁器検査協会の食器洗
い試験に基づいて食器洗い試験を行った。その結果、い
ずれの受像体形成面も剥離されず、熱転写により付した
画像も全く変化がなかった。 (安全性試験)各受像体形成面が形成された支持体(マ
グカップ)を、日本陶磁器検査協会の重金属溶出試験に
基づいて当該試験を行った。その結果、判定は安全合格
であった。
【0099】
【発明の効果】本発明は、受像体形成面に関するもので
あり、マグカップ等の被塗面に隠し文字や絵柄を熱転写
により付すことができ、湯等の加熱によって所定の温度
域になると、隠されていた絵柄や文字などが該受像体形
成面上から浮かび上がるおもしろさを有する。従って、
たとえば、この付された隠し文字又は絵柄等のある陶磁
器製のマグカップや合成樹脂製のコップを特定又は不特
定の相手方にプレゼントすれば、当該相手方がコップに
湯等を入れるなどして使用した時にメッセージ等がコッ
プ表面に浮かび上がり、相手方に伝達することができ
る。因って、従来には全くない面白さの絵付けとするこ
とができ、使用者の遊び心をくすぐり、著しく興味を引
き起こす。また、特に、受像体形成面が常温乃至加熱温
度の間で可逆的に変色する熱変色インキを用いて形成さ
れている場合、常温になると再び隠蔽され、隠し文字等
となり、一層面白さを与えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施例において、マグカッ
プ上に形成された受像体形成面を示す概略拡大断面図で
ある。
【図2】 図2は熱転写によって画像を形成した、マグ
カップ上の受像体形成面の状態を示す概略拡大断面図で
ある。
【図3】 図3はマグカップ上の受像体形成面が透明に
なることにより、熱転写により形成された画像が受像体
形成面上に現れた状態を示す概略拡大断面図である。
【図4】 図4は転写シートの作成工程を説明するため
の図である。
【図5】 図5はマグカップ上に設けられた受像体形成
面上の熱転写により付された絵柄が隠蔽されている様子
を示した図である。
【図6】 図6はマグカップ上に設けられた受像体形成
面が透明になり、熱転写により付された絵柄が現出した
様子を示す図である。
【図7】 図7は本発明の他の実施例において、マグカ
ップ上に形成された受像体を示す概略拡大断面図であ
る。
【図8】 図8は熱転写によって画像を形成した、マグ
カップ上の受像体形成面の状態を示す概略拡大断面図で
ある。
【図9】 図9はマグカップ上の受像体形成面が透明に
なることにより、熱転写により形成された画像が受像体
形成面上に現れた状態を示す概略拡大断面図である。
【符号の説明】
1 マグカップの被塗面 2 受像体形成面 2a 受像体形成面 2b 樹脂層 2c 熱変色層 3 画像

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート上の昇華性染料よりなる画像
    を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形
    成面であって、熱変色層を備えている受像体形成面。
  2. 【請求項2】 熱変色層が熱変色性インキによる層であ
    る請求項1記載の受像体形成面。
  3. 【請求項3】 熱変色層が熱転写された昇華性染料を受
    容する層である請求項1又は2記載の受像体形成面。
  4. 【請求項4】 熱変色層が熱硬化性樹脂、紫外線硬化性
    樹脂及び熱可塑性樹脂から選択された少なくとも一種の
    樹脂を含んでいる請求項1乃至3のいずれかの項に記載
    の受像体形成面。
  5. 【請求項5】 熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポ
    キシアクリレート樹脂を含んでいる請求項1乃至3のい
    ずれかの項に記載の受像体形成面。
  6. 【請求項6】 熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポ
    キシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリ
    エステルとを含んでいる請求項1乃至3のいずれかの項
    に記載の受像体形成面。
  7. 【請求項7】 熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠
    蔽色を可逆的に発色及び透明化する請求項1乃至6のい
    ずれかの項に記載の受像体形成面。
  8. 【請求項8】 受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層
    を備えている請求項1乃至7のいずれかの項に記載の受
    像体形成面。
  9. 【請求項9】 熱変色層が樹脂層上に形成されている請
    求項8記載の受像体形成面。
  10. 【請求項10】熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポ
    キシアクリレート樹脂を含んでいるとともに、樹脂層が
    エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、
    アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいる請
    求項8又は9記載の受像体形成面。
  11. 【請求項11】熱変色層が樹脂層上に部分的に形成され
    ている請求項9記載の受像体形成面。
  12. 【請求項12】樹脂層が支持体上に直接形成され、かつ
    樹脂層が支持体に対して接着性を有している請求項8乃
    至11のいずれかの項に記載の受像体形成面。
  13. 【請求項13】熱変色層に熱転写された受像体が形成さ
    れている請求項1乃至12のいずれかの項に記載の受像
    体形成面。
  14. 【請求項14】熱変色層が熱変色性インキによる層であ
    って、熱転写によって形成されている請求項1乃至13
    のいずれかの項に記載の受像体形成面。
  15. 【請求項15】請求項1乃至14のいずれかの項に記載
    の受像体形成面を備えた支持体。
  16. 【請求項16】前記熱変色層に熱転写された受像体が形
    成されている請求項15記載の支持体。
  17. 【請求項17】支持体がマグカップである請求項15又
    は16記載の支持体。
  18. 【請求項18】基材シート上の昇華性染料よりなる画像
    を熱転写して受像体を形成する際に用いられ、かつ熱変
    色層を有する受像体形成面を被塗面上に作製する方法で
    あって、熱変色性インキを被塗面に塗布する受像体形成
    面の作製方法。
  19. 【請求項19】基材シート上の昇華性染料よりなる画像
    を熱転写して受像体を形成する際に用いられ、かつ熱変
    色層及び樹脂層を有する受像体形成面を被塗面上に作製
    する方法であって、合成樹脂を被塗面上に塗布して樹脂
    層を形成させた後、熱変色性インキを前記樹脂層上に塗
    布する受像体形成面の作製方法。
  20. 【請求項20】熱変色層を備えている受像体形成面にお
    いて、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色
    層に熱転写して、受像体を熱変色層に形成する方法。
  21. 【請求項21】熱変色層及び樹脂層を備え、かつ熱変色
    層が樹脂層上に形成されている受像体形成面において、
    基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色層及び
    /又は樹脂層に熱転写して、受像体を熱変色層及び/又
    は樹脂層に形成する方法。
  22. 【請求項22】熱変色性インキを被塗面に塗布して、熱
    変色層を有する受像体形成面を被塗面上に作製し、基材
    シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色層に熱転写
    して、受像体を熱変色層に形成する方法。
  23. 【請求項23】合成樹脂を被塗面上に塗布して樹脂層を
    形成させ、当該樹脂層上に熱変色性インキを塗布して、
    樹脂層上に熱変色層を有する受像体形成面を被塗面上に
    作製し、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変
    色層及び/又は樹脂層に熱転写して、受像体を熱変色層
    及び/又は樹脂層に形成する方法。
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