JP4176863B2 - 受像体形成面及びその作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写により受像体を形成する際に用いられる受像体形成面に関する。さらに詳しくは、温度変化により転写した画像が見え隠れするおもしろさを発揮する受像体形成面およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、種々の画像の熱転写方法が知られており、それらの中で昇華性染料を記録剤とした画像をポリエステルフィルムなどに担持させたものを熱転写シートとし、この熱転写シート上の画像を温度、圧力をもって受像体形成面上に熱転写する方法が提案されている。ここで、受像体形成面とは昇華性染料を記録剤とした画像を熱転写により受像体(画像)を形成する受像体形成面又は受像体形成層(以下、単に「受像体形成面」という)をいう。従って、受像体形成面は熱転写方法を有効に実施するために設けられているものであり、染料の染着性を良好にし、かつ染着した染料を固定する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の受像体形成面は転写された染料を固定するためのみの役割を有するもので、被塗物に設けられた装飾的興味を引き起こすものではなかった。すなわち、受像体形成面を設けた熱転写方法として更に興味を引き起こす方法が望まれており、例えば、所定の温度域以外では上記受像体形成面で染色された画像(絵柄や文字など)が隠されているが、所定の温度域になると上記受像体形成面が無色状態になり、隠されていた絵柄や文字などが浮かび上がってくる熱転写方法である。具体的には、マグカップなどの支持体表面の受像体形成面上に特定の人物に伝えたいオリジナルの絵柄やメッセージ等の文字を熱転写する。このとき受像体形成面に形成された絵柄や文字は潜像であるが、特定の人物がマグカップに湯を入れて加熱することで、上記受像体形成面上に描かれた隠し文字や絵柄などが現出して、オリジナルの絵柄やメッセージ等を受けとることができるものである。
【0004】
本発明の課題は、所定の温度域以外では熱変色層が着色状態で熱転写された受像体が隠されており、所定の温度域では無色乃至透明状態になり、隠された受像体が現れる熱変色性印刷物を用いたオリジナル受像体形成面及びその作製方法を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を実現させるべく鋭意検討した結果、以下の受像体形成面を用いることにより、上記課題を解決できる知見を得、本発明を完成した。すなわち本発明の要旨は、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形成面であって、熱変色層を備えている受像体形成面である。
【0006】
すなわち、被塗物に形成する受像体形成面として、例えば加熱し一定の温度域に達すると受像体形成面の彩色が変化する熱変色性受像体形成面を被塗物上に形成する。そして、この形成面の上に従来行われている熱転写により画像(文字や絵柄など)を転写する。このようにして受像体形成面に転写された画像は、例えば常温時、受像体形成面の色と共にある描画面を形成して、受像体形成面の色により隠蔽されているが、被塗物を加熱すると、受像体形成面が変色し、受像体形成面の変色に伴い上記の転写された描画面が変化する面白さを有する。
【0007】
本発明では、受像体形成面の熱変色層を形成するには熱変色性インキを用いることができる。本発明において、熱変色性インキとは温度によって色が変化するインキ組成物をいう。すなわち、本発明の受像体形成面において、好ましい態様には、熱変色層が熱変色性インキによる層である受像体形成面が含まれる。
【0008】
本発明において、受像体形成面に熱変色層を形成するに際して、熱変色性インキを用いる場合、熱変色性インキを塗布して行う印刷方法や、熱変色性インキを基材シート上に設けた転写紙又は転写シートを用いる熱転写方法などを採用することができる。前記熱転写方法において、転写紙又は転写シートとしては、例えば、特開平7−32797や特開平7−186597等に開示されている転写紙又は転写シートが好適に用いられる。従って、本発明の好ましい態様には、熱変色層が熱変色性インキによる層であって、熱転写によって形成されている受像体形成面が含まれる。
【0009】
本発明において、受像体形成面における熱変色層を構成するための熱変色性インキとしては、例えば、温度によって色が変化する顔料を熱硬化型の合成樹脂に分散させたインキ組成物、熱変色性マイクロカプセルと光重合性組成物を基本成分とする紫外線硬化型熱変色性インキ組成物、また温度によって色が変化する顔料を紫外線硬化型の合成樹脂に分散させた紫外線硬化型熱変色性インキ組成物、熱可塑性樹脂に温度によって色が変化する顔料を分散させたインキ組成物などが挙げられる。
【0010】
本発明の受像体形成面において、好ましい態様には、熱変色層が熱転写された昇華性染料を受容する層である受像体形成面が含まれる。このように熱変色層が昇華性染料を受容することができる受容層であると、熱変色層を備えるだけで、昇華性染料を受容する機能と、熱変色の機能とを有する受像体形成面を形成することができるため、効率的にしかも容易に受像体形成面を作製することができる。
【0011】
本発明の受像体形成面において、熱変色層、又は熱変色層を構成するための熱変色性インキには、熱変色する着色顔料及び/又は熱転写による昇華性染料を受像体形成面に定着させるために、合成樹脂が含まれていてもよい。この合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、昇華性染料が転写時において染着する上で好ましく使用される合成樹脂を用いることができる。本発明において、好ましい態様では、熱変色層が熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を含んでいる受像体形成面が挙げられる。なお、特に、受像体形成面でにじみをなくし、明瞭な画像を定着させる場合は、合成樹脂の選択に際しては転写後の昇華性染料の固定状態が安定化していることが重要な要素である。
【0012】
具体的には、合成樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂などの熱硬化性樹脂を好適に使用でき、特にエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を好適に使用できる。本発明では、熱硬化性樹脂は、アクリル樹脂、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂と組み合わせて用いることができる。従って、本発明において、好ましい態様の受像体形成面としては、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいる受像体形成面が挙げられる。また、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいる受像体形成面が例示できる。
【0013】
受像体形成面の彩色は特に限定されるものではないが、単に変色するだけではなく、加熱により透明となるようにすることもできる。この場合、受像体形成面は加熱により可逆的に変色することが好ましい。従って、本発明の受像体形成面における好ましい態様には、熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化する受像体形成面が含まれる。すなわち、被塗物に形成する受像体形成面として、例えば、常温では熱転写された受像体を隠蔽するが、加熱し一定の温度域に達すると受像体形成面の隠蔽性が解除される熱変色性受像体形成面を被塗物上に形成する。そして、この形成面の上に従来行われている熱転写により画像(文字や絵柄など)を転写する。このようにして受像体形成面に転写された文字や絵柄などは、例えば常温時、受像体形成面の色の隠蔽作用によって、隠し文字や絵柄等(潜像)となっているが、被塗物を加熱すると、受像体形成面が消色し、上記の隠し文字や絵柄などが受像体形成面上に現出する。
従って、本発明の好ましい態様には、熱変色層が、所定温度域で、画像の隠蔽色と非隠蔽色とに変色する受像体形成面が含まれる。ここで、受像体形成面における画像の非隠蔽色に変色するとは、受像体形成面の隠蔽性が解除されることをいう。
【0014】
本発明では、受像体形成面は熱変色層とともに樹脂層を備えていてもよい。当該樹脂層としては、受容層としての機能を有していることが好ましい。当該樹脂層が熱転写された昇華性染料を受容することができる受容層であると、昇華性染料を熱変色層以外の層でも受容することができる。このような樹脂層が設けられていると、種々の変わった趣向を有している受像体形成面が得られる。例えば、樹脂層上に熱変色層が部分的に又は1部分に形成している態様では、熱変色層外にも受像体を形成することができる。すなわち、熱転写による受像体において、熱変色層によって隠蔽されている部分と、隠蔽されていない部分とが得られる。従って、熱変色層の変色により、隠蔽されている部分の受像体の画像が現出し、この現出した画像と、隠蔽されていない部分の画像との相関関係により、趣向をこらした表現の受像体、すなわち審美性効果が優れた受像体を提供することができる。また、樹脂層上に熱変色層が形成されている場合、熱変色層による受像体の隠蔽性を高めることができる。
【0015】
従って、本発明における好ましい態様では、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備えている受像体形成面が例示できる。また、好ましい態様には、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成されている受像体形成面が含まれる。また、好ましい態様では、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成されている受像体形成面が挙げられる。なお、もちろん、熱変色層は、樹脂層上に、全面的に形成されていてもよい。
【0016】
樹脂層が支持体上に直接に形成されているときは、樹脂層としては、支持体に対して接着性を有していることが好ましい。従って、本発明の好ましい態様には、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成されるとともに、樹脂層が支持体上に直接形成され、かつ樹脂層が支持体に対して接着性を有している受像体形成面が含まれる。
【0017】
受像体形成面の樹脂層において、樹脂としては、特に制限されず、種々の合成樹脂を用いることができる。このような樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を用いることができる。特に、樹脂層としては、エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいることが好ましい。従って、本発明において、好ましい態様には、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいる受像体形成面が含まれる。また、好ましい態様の受像体形成面としては、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成されており、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいるとともに、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいる受像体形成面が挙げられる。
【0018】
また、受像体形成面は変色するものであれば、その彩色が変化することのみによっても趣を有するが、上述のように、受像体形成面上に熱転写により画像を付すことによっても、両者の重なりにより、さらなる趣向を演出することが可能である。従って、本発明において、好ましい態様としては、熱変色層に熱転写された受像体が形成されている受像体形成面が挙げられる。また、好ましい態様には、熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、当該熱変色層に熱転写された受像体が形成されている受像体形成面が含まれる。
【0019】
従って、本発明の受像体形成面において、好ましい態様には、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が形成されている受像体形成面や、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が形成されている受像体形成面
などが含まれる。
【0020】
本発明の受像体形成面を設けた支持体は、上述のような模様が変化することのみならず、隠し文字や絵柄などを簡便に付することができる点で趣向を有する。本発明では、上記受像体形成面は、支持体表面上に形成して利用されることができる。本発明には、前記熱変色層を有する受像体形成面を備えた支持体が含まれる。従って、本発明には、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形成面を備えた支持体であって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化する支持体が含まれる。
【0021】
また、支持体における受像体形成面の熱変色層には、昇華性染料よりなる画像の熱転写によって形成された受像体が形成されていてもよい。従って、本発明において、好ましい態様には、受像体が熱変色層及び/又は樹脂層に形成されている支持体が含まれる。すなわち、本発明の支持体における好ましい態様には、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形成面を備えた支持体であって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、前記熱変色層に熱転写された受像体が形成されている支持体が含まれる。
【0022】
もちろん、前記支持体、すなわち、熱転写された受像体が熱変色層に形成されている支持体、および熱転写された受像体が熱変色層に形成されていない支持体において、熱変色層は、前述のように、前記熱変色性インキによる層であることが好ましい。また、前述のように、熱変色層、又は当該熱変色層における熱変色性インキは、特にエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいることが好ましい。このエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂は、アクリル樹脂及び/又はポリエステルと組み合わせて用いることができる。従って、本発明の支持体において、好ましい態様には、熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいる支持体が含まれる。
【0023】
また、本発明の好ましい態様には、上記のように、受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備えている支持体が含まれる。さらに好ましくは、前記熱変色層は樹脂層上に形成されていることが挙げられる。ここで、熱変色層は、前述のように、樹脂層上に全面的に形成されていてもよく、部分的に形成されていてもよい。
【0024】
樹脂層としては、前述のように、エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいることが好ましい形態として挙げられる。
【0025】
従って、本発明の支持体、すなわち、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形成面を備えた支持体であって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化する支持体、または、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形成面を備えた支持体であって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、前記熱変色層に熱転写された受像体が形成されている支持体において、好ましい態様には、
熱変色層が熱変色性インキによる層である支持体、
熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいる支持体、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成されている支持体、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいる支持体、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいる支持体、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が形成されている支持体や、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が形成されている支持体
などが含まれる。
【0026】
本発明にかかる受像体形成面はその支持体すなわち被塗物に対して特に限定されるものではなく、金属、木材、ガラス、セラミック、プラスチック、布などの繊維などその材料は問わず、あらゆる材料についてあらゆる用途で使用することができる。本発明の具体的な使用例において、好適な支持体としては、マグカップが挙げられ、マグカップに本発明の受像体形成面を形成させる。すなわち、マグカップは、マグカップ内に温かい飲料を注ぐことにより、その熱によって本発明の受像体形成面が変色し、文字などが現出するおもしろさを効果的に発揮することができるものとして好ましい。従って、好ましい態様の支持体としては、マグカップが挙げられる。すなわち、本発明において、好ましい態様には、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形成面を備えたマグカップであって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化するマグカップが含まれる。
【0027】
このようなマグカップの受像体形成面としては、前記好ましい態様の受像体形成面を用いることができる。従って、本発明のマグカップにおいて、好ましい態様には、
熱変色層が熱変色性インキによる層であるマグカップ、
熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいるマグカップ、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成されているマグカップ、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいるマグカップや、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでいるマグカップ
など、前記受像体形成面における好ましい態様に対応した種々の態様のマグカップが含まれる。
【0028】
もちろん、これらのマグカップの受像体形成面において、熱変色層及び/又は樹脂層には、熱転写された昇華性染料が受容され、受像体が形成されていてもよい。すなわち、本発明には、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられる受像体形成面を備えたマグカップであって、当該受像体形成面が熱変色層を備え、前記熱変色層が、所定温度域で、受像体の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化し、前記熱変色層に熱転写された受像体が形成されているマグカップが含まれる。
【0029】
従って、本発明の受像体形成面に熱転写された受像体が形成されているマグカップにおいて、好ましい態様には、
熱変色層が熱変色性インキによる層であるマグカップ、
熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいるマグカップ、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備えており、受像体は熱変色層及び/又は樹脂層に形成されているマグカップ、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が形成されているマグカップや、
受像体形成面が熱変色層とともに樹脂層を備え、当該熱変色層が樹脂層上に部分的に形成され、かつ熱変色層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでおり、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルとを含んでおり、前記熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写された受像体が形成されているマグカップ
などが含まれる。
【0030】
本発明には、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられ、かつ熱変色層を有する受像体形成面を被塗面上に作製する方法であって、熱変色性インキを被塗面に塗布する受像体形成面の作製方法が含まれる。このような受像体形成面の作成方法では、受像体形成面の作製が容易であり、低コストで受像体形成面を種々の支持体に形成することができる。また、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱転写して受像体を形成する際に用いられ、かつ熱変色層及び樹脂層を有する受像体形成面を被塗面上に作製する方法であって、合成樹脂を被塗面上に塗布して樹脂層を形成させた後、熱変色性インキを前記樹脂層上に塗布する受像体形成面の作製方法も含まれる。
【0031】
なお、前記受像体形成面の作製方法において、本発明には、熱変色性インキを被塗面に熱転写して受像体形成面を作製する方法も含まれる。
【0032】
また、本発明には、熱変色層を備えている受像体形成面において、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色層に熱転写して、受像体を熱変色層に形成する方法も含まれる。このような受像体形成方法は、昇華性染料を用いた熱転写による方法であるので、容易に受像体形成面に受像体を形成することができる。従って、各家庭においても容易に、種々の画像よりなる受像体を受像体形成面に作製することができる。
【0033】
前述のように、受像体形成面は熱変色層とともに樹脂層を備えていてもよく、このような受像体形成面では、昇華性染料は熱変色層及び/又は樹脂層に受容される。従って、本発明には、熱変色層及び樹脂層を備え、かつ熱変色層が樹脂層上に形成されている受像体形成面において、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写して、受像体を熱変色層及び/又は樹脂層に形成する方法が含まれる。
【0034】
従って、本発明には、
熱変色性インキを被塗面に塗布して、熱変色層を有する受像体形成面を被塗面上に作製し、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色層に熱転写して、受像体を熱変色層に形成する方法や、
合成樹脂を被塗面上に塗布して樹脂層を形成させ、当該樹脂層上に熱変色性インキを塗布して、樹脂層上に熱変色層を有する受像体形成面を被塗面上に作製し、基材シート上の昇華性染料よりなる画像を熱変色層及び/又は樹脂層に熱転写して、受像体を熱変色層及び/又は樹脂層に形成する方法
が含まれる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明において、基材シート上の昇華性染料よりなる画像とは、慣用的にこの種の技術分野において従来使用されているような、紙、樹脂によるシート(例えば、ポリエステルシートなどの熱可塑性樹脂によるシートなど)などの基材シート上に、アゾ系やアントラキノン系などの昇華性の良好な昇華性染料を記録剤として用いて印刷することにより描かれた画像を意味する。もちろん、基材シートとしては、前記例示に限定されるものではなく、また、記録剤としても前記例示に限定されるものではない。本発明では、特に、ビデオプリンターで得られた画像を昇華性染料で印刷して得られた転写シートを用いて、熱転写することが好ましい。
【0036】
本発明の受像体形成面における熱変色層は、特にその彩色において限定されるものではないが、熱変色性着色組成物により着色されており、常温(例えば、20〜25℃程度)で黒色又は灰色等の着色組成物の画像隠蔽性背景色となっており、加熱することによって、例えば、50〜100℃の温度で、透明又は半透明等の着色組成物の画像出現性背景色とすることもできる。ここで、「画像隠蔽性背景色」とは、受像体形成面に形成された画像を色彩的に隠蔽することができる色を意味し、「画像出現性背景色」とは、受像体形成面に形成された画像を色彩的に隠蔽しない色を意味する。この点で、本発明における熱変色層としては、常温−加熱間において、画像隠蔽性背景色(画像隠蔽色)と画像出現性背景色(画像非隠蔽色)とに可逆的な変色を呈する層を好適に使用できるが、不可逆的な層であっても用いることができる。また、画像隠蔽性背景色と画像出現性背景色となる温度領域については、常温で画像隠蔽性背景色となり、加熱時に画像出現性背景色となるものが好ましいが特に限定されるものではない。この受像体形成面の熱変色層を形成する手段は、既述の通り又は後述する通り、熱変色性インキを用いて達成することができる。
【0037】
なお、熱変色性インキにおいて、加熱時の変色温度領域の違いを利用して、一定の温度領域で画像出現性背景色となり、更に加熱することで他の画像出現性背景色が生じるようにすることもできる。
【0038】
また、受像体形成面における熱変色層は少なくとも1層が被塗面に形成されていればよい。なお、2層以上の場合は、特定温度における熱変色の違いを利用して、筆跡等の浮かび上がらせ方を制御することもできる。また、受像体形成面の被塗面への付着力を向上させるために、受像体形成面を複数層設けたり、支持体への接着力の高い樹脂層又は非熱変色性樹脂層を介して受像体形成面を形成することもできる。
【0039】
熱変色性インキにおいて用いられている熱変色性着色料(熱変色性顔料など)としては、各種の熱変色組成物(熱変色性着色料を含む組成物)を使用することができる。熱変色組成物は単独で又は複数混合して使用することができる。熱変色組成物としては、前述のように、可逆的熱変色組成物を好適に用いることができる。熱変色組成物は他の公知の着色料と組み合わせて使用することができる。
【0040】
可逆的熱変色組成物としては、電子供与性呈色性有機化合物(発色剤)、電子受容性化合物(顕色剤)及び減感剤で構成されている。もちろん、可逆的熱変色組成物は特に限定されるものではない。
【0041】
より具体的には、熱変色組成物としては、例えば、商品名:TCパウダーブラック(株式会社サクラクレパス製)、商品名:TCパウダーレッド(株式会社サクラクレパス製)などが挙げられる。
【0042】
なお、熱変色組成物(可逆的熱変色組成物など)は、マイクロカプセル化した状態(すなわち、マイクロカプセルに熱変色組成物が内包されている状態)で使用してもよい。熱変色組成物の使用量は、特に制限されない。熱変色インキ中に後述する合成樹脂が含まれている場合、熱変色組成物の使用量は、例えば、後述する合成樹脂100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは5〜70重量部、さらに好ましくは20〜70重量部程度である。これらの範囲より多い場合は熱変色層の被塗面への定着性が確保されにくく、これらの範囲より少ない場合は常温時における熱変色層の受像体に対する隠蔽性が確保されにくいため好ましくない。
【0043】
被塗面表面の受像体形成面を形成する際に、熱変色層の受像能力を高めるために、熱変色性インキの成分として合成樹脂を用いることができる。このような合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂が挙げられる。合成樹脂としては、特に、該被塗面に対して接着性を有している合成樹脂(熱可塑性樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂など)を好適に使用することができる。合成樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0044】
合成樹脂のなかでも熱硬化性樹脂を用いると、熱可塑性樹脂等に比して、熱的にも安定した受像体形成面を容易に作製することができる。従って、本発明では、被塗面上の受像体形成面は加熱、冷却を繰り返すため、熱硬化性樹脂を好適に使用できる。
【0045】
熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ポリエステル(例えば、不飽和ポリエステルなど)、熱硬化性ポリウレタン、熱硬化性ウレタンアクリレート樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリル樹脂(特に、エポキシ樹脂)を好適に用いることができる。
【0046】
より具体的には、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂などが挙げられる。本発明では、エポキシ樹脂としては、数平均分子量が200〜5000程度で、かつ(エポキシ樹脂の数平均分子量)/(1分子中のエポキシ基の個数)で示される値(以下、エポキシ当量と略記する場合がある)が100〜1000程度であるビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。なかでもエポキシ当量が100〜500程度のものは常温で液体であるため最適である。なお、エポキシ当量が500〜1000のものであっても希釈剤により溶解させることによって使用することができる。
【0047】
エポキシアクリレート樹脂としては、上記のようなエポキシ樹脂において、アクリル酸を用いたエステル化によって、官能基(エポキシ基)をアクリロイル基に変換させたものなどが挙げられる。なお、エポキシアクリレート樹脂において、エポキシ基とアクリロイル基との割合は特に制限されない。
【0048】
熱硬化性樹脂の使用において、硬化に際しては触媒や助触媒を用いることができる。特に、エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂(以下、これらを総称して単に「エポキシ系樹脂」と称する場合がある)は、当該エポキシ系樹脂と常温で反応性して硬化する第1硬化剤と、該樹脂と80〜200℃で反応して硬化する第2硬化剤と組み合わせて使用することが好ましい。
【0049】
もちろん、エポキシ系樹脂と常温で反応する第1硬化剤や第2硬化剤は、必須成分ではない。第1硬化剤は、エポキシ系樹脂と10〜30℃程度の常温で緩やかに反応するものであり、熱変色層の表面を硬化させて以後の作業を容易とするものとして使用されている。第1硬化剤としては、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類、アミンアダクト、酸無水物、ポリアミドなどが挙げられる。第1硬化剤は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0050】
脂肪族アミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン,N−アミノエチルピペラジン、ジエチルアミノプロピルアミン等が好適に用いられる。脂環族アミン類としてはイソホロンアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3−ビスアミノメチルヘキサン、m−キシリレンジアミン等が好適に用いられる。芳香族アミン類としてはメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、トルイレンジアミン等が好適に用いられる。
アミンアダクトとしては上記のアミンと、アミンに対して反応性を有するエポキシ樹脂などとを反応させて得られるアミンアダクトが用いられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66などが挙げられる。
酸無水物としては、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などの芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の環状脂肪酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等の脂肪族酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラブロモ無水フタル酸などのハロゲン化酸無水物などが用いられる。
【0051】
第1硬化剤は常温でエポキシ系樹脂と反応するものであれば液状であっても固体状であってもよい。これらの第1硬化剤の中ではアミンアダクト及びポリアミドがより好ましい。また、第1硬化剤としては、(硬化剤の分子量)/(1分子中の活性水素の個数)により表される値(以下、「活性水素当量」と略記する場合がある)が20〜600程度であって、常温で液状のものがより好ましい。なお、この活性水素当量において、硬化剤が樹脂である場合、前記硬化剤の分子量とは、数平均分子量を意味する。
【0052】
第2硬化剤は、温度が80〜200℃程度の加熱条件下で、エポキシ系樹脂と反応するものであり、熱変色層を完全に又はほぼ完全に硬化させるものである。このような硬化剤としては、エポキシ系樹脂に対する潜在性硬化剤として、例えば、具体的には、第2硬化剤としては、ジシアンジアミド又はその誘導体、有機酸ヒドラジド、イミダゾール類、三フッ化ホウ素−アミン錯体、及びその他のものが例示できる。第2硬化剤は単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
【0053】
ジシアンジアミド又はその誘導体としては、例えば、ジシアンジアミド、o−トリルビグアニド、フェニルビグアニド、α−ベンジルビグアニド、α−2,5−ジメチルビグアニド、フェニルビグアニドオキサレート等が挙げられる。
有機酸ヒドラジドとしては、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド等が挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリウムイソシアネート等が挙げられる。
三フッ化ホウ素(BF3 )アミン錯体としては、モノメチルアミンのBF3 錯体、n−ヘキシルアミンのBF3 錯体、トリエチルアミンのBF3 錯体等が挙げられる。
その他のものとしては、融点80℃以上のアミンアダクト、ジアリルメラミン及び常温で活性な硬化剤から選択された少なくとも一種を内包し、80℃以上で壁材が崩壊することにより硬化剤としての機能を発揮するカプセル等が例示できる。
【0054】
これらの第2硬化剤の中ではジシアンジアミド又はその誘導体、有機酸ヒドラジド、融点80℃以上のアミンアダクトが好ましい。
【0055】
熱変色層の形成に際して、熱硬化性樹脂、特にエポキシ系樹脂(エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂)が、熱可塑性樹脂(特に、アクリル樹脂及び/又はポリエステル)と組み合わせて用いられると、昇華性染料が受像体形成面の熱変色層内に浸透しやすくなる。すなわち、かかる熱可塑性樹脂(アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂)は、昇華性染料による熱転写における染料の固定性を考慮して配合されている場合がある。アクリル樹脂及び/又はポリエステルの配合量は、例えば、エポキシ系樹脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対して5〜500重量部程度であることが好ましい。かかる配合量より少ない場合は熱転写後の染料の固定が低下し、熱変色層の耐久性が損なわれる場合がある。一方、かかる配合量より多い場合は、熱変色層の硬化が十分に行われないため、熱変色層の支持体への接着性が低下し、熱変色層の耐久性が損なわれる場合がある。
【0056】
なお、熱硬化性樹脂と併用される熱可塑性樹脂におけるアクリル樹脂としては、広義に解釈し、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸メチルなどのポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸エステルなどが使用できる。また、熱硬化性樹脂と併用されるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートや、アルキド樹脂、ラクトンの開環重合により得られるポリエステル等が使用できる。
【0057】
また、本発明に係る熱変色性インキにおいて用いられる紫外線硬化性樹脂としては各種のものが使用できる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、特開平8−48923に開示されているような紫外線硬化性樹脂などが挙げられる。本発明では、紫外線硬化性樹脂も熱硬化性樹脂と同様、熱的にも安定した受像体形成面を作製することができるので、好ましく用いられる。
【0058】
また、本発明に係る熱変色性インキにおいて用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブエチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル、熱可塑性アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及びこれらの変性物等が好適に使用できる。なお、本発明では受像体形成面に対して加熱を繰り返し行うことがあるため、熱可塑性樹脂Yとしては、熱に強い、すなわち、優れた耐熱性を有しているものを好適に使用することができる。すなわち、熱可塑性樹脂に要求されるガラス転移温度は、熱変色層の変色域の温度設定よりも高いことが必要であるが、種々の用途に応じて選択でき、特に限定されるものではない。
【0059】
本発明では、その他、必要に応じて反応性希釈剤、体質顔料、接着促進剤、消泡剤等種々の添加剤を、熱変色性インキ組成物に配合することができる。
【0060】
反応性希釈剤としては、特に制限されず、例えば、バーサディック酸グリシジルエステル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテルなどが例示できる。これらの配合量は、特に制限されない。エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を熱変色性インキの樹脂成分として使用する場合、反応性希釈剤の使用量は、例えば、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂100重量部に対して通常5〜30重量部程度であり、さらに好ましくは5〜10重量部である。
【0061】
体質顔料としては、特に制限されず、例えば、シリカ、アルミナ、アルミナシリケート、炭酸カルシウム、マイカ、石英粉などが例示できる。その使用量は組成物の流れ性を調整するのに必要な量であればよく、特に限定されない。エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を熱変色性インキの樹脂成分として使用する場合、体質顔料の使用量としては、例えば、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂100重量部に対し通常2〜20重量部程度であり、さらに好ましくは2〜4重量部である。
【0062】
接着促進剤としては、特に制限されず、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤が例示できる。その使用量は特に限定されず、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を熱変色性インキの樹脂成分として使用する場合、例えば、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂100重量部に対して通常0.05〜5重量部であり、さらに好ましくは0.07〜3重量部である。
【0063】
消泡剤としては、特に制限されず、例えば、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンなどのシロキサン系消泡剤が例示できる。その使用量は、特に制限されないが、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂を熱変色性インキの樹脂成分として使用する場合、例えば、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂100重量部に対して通常0.05〜5重量部程度であり、さらに好ましくは0.07〜3重量部である。
【0064】
本発明において、熱変色性インキ組成物の調製方法は特に制限されず、例えば、前記成分(熱変色性着色料、合成樹脂、添加剤など)を、慣用の方法により混合して調製する方法などを採用することができる。
【0065】
本発明の受像体形成面は熱変色層を備えている。この熱変色層は、受像体形成面において、全面的に形成されていてもよく、部分的に形成されていてもよい。熱変色層が受像体形成面において全面的に形成されている場合、熱変色層が、熱転写による昇華性染料を受容する役割、すなわち受容層としての役割を有していてもよい。
【0066】
また、受像体形成面が熱転写による昇華性染料を受容することができる樹脂層を備えることにより、樹脂層が昇華性染料を受容する役割を担っていてもよい。なお、このように、樹脂層も備えた受像体形成面では、熱変色層は受像体形成面の役割を有していてもよく、有していなくてもよい。もちろん、熱変色層が昇華性染料を受容する役割を有しているときは、熱変色層には合成樹脂が含まれていることが好ましい。
【0067】
また、熱変色層が受像体形成面において部分的に形成されている場合、1部分に形成されていてもよく、複数の部分に形成されていてもよい。このように、受像体形成面において、部分的に熱変色層が形成されている場合、受像体形成面は、熱変色層と樹脂層とを備えている。従って、本発明では、受像体形成面において、全面的な熱変色層の形成、部分的な熱変色層の形成にかかわらず、樹脂層を形成することができる。なお、本発明では、熱変色層は樹脂層上に形成されている場合が多い。
【0068】
なお、受像体形成面で用いられる樹脂層は、前記熱変色層において用いられる合成樹脂(熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)で形成することができる。当該合成樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。合成樹脂としては、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂と、アクリル樹脂及び/又はポリエステルなどの熱可塑性樹脂とを組み合わせて用いることが好ましい。さらに好ましくはエポキシ系樹脂とアクリル樹脂との組み合わせ、特にエポキシ樹脂とアクリル樹脂との組み合わせが挙げられる。
【0069】
受像体形成面において、樹脂層を設ける場合、熱変色層と樹脂層との構成は、特に制限されず、いずれが支持体側、反支持体側であってもよい。例えば、支持体上に、樹脂層、熱変色層の順で形成された構成、熱変色層、樹脂層の順で形成された構成、樹脂層、熱変色層、樹脂層の順で形成された構成、熱変色層、樹脂層、熱変色層の順で形成された構成などが挙げられる。好ましくは、支持体上に樹脂層、熱変色層の順で形成された2層の構成である。もちろん、熱変色層を受像体形成面において部分的に形成する場合は、支持体上において、樹脂層上に熱変色層が部分的に形成されている構成、部分的に形成された熱変色層を覆って樹脂層が形成されている構成などが挙げられる。樹脂層や熱変色層は、それぞれ、複数の樹脂で形成された積層であってもよい。なお、樹脂層を支持体上に形成する場合、支持体に対して接着性を有している樹脂を用いて樹脂層を形成することが好ましい。
【0070】
本発明の受像体形成面は、熱変色層のみで形成される場合は、熱変色性インキ組成物を被塗面又は支持体に塗布して形成することができる。受像体形成面が樹脂層と熱変色層とで構成される場合は、熱変色性インキ組成物、合成樹脂をそれぞれ、被塗面(支持体表面、熱変色層又は樹脂層)の上に塗布して形成することができる。なお、熱変色層は、熱変色性インキを用いた転写紙又は転写シートによる熱転写によって形成することもできる。
【0071】
本発明では、熱変色層及び/又は樹脂層は、熱変色性インキ組成物又は合成樹脂を用いた塗布による印刷方法によって形成する場合が多い。熱変色性インキ組成物又は合成樹脂を用いて、被塗面(支持体表面、熱変色層又は樹脂層)上に塗工する方法としては、スクリーン印刷などの印刷方法を好適に採用できる。なお、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を用いる場合は、印刷後、加熱又は紫外線照射を施すことにより硬化させることができる。
【0072】
また、2種以上の熱変色性インキの印刷層や樹脂層を設ける場合は同様の操作を必要回数だけ繰り返し行う。なお、受像体形成面が複数の層で形成され、各層が熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を含有している場合、各層を形成するための熱変色性インキ組成物又は合成樹脂を被塗面に塗布して、熱や紫外線により硬化させた後、次の層を形成することが好ましい。
【0073】
なお、受像体形成面内に形成されている画像を隠蔽できるよう、最上部、中間部又は最下部(好ましくは最上部)に設けられる熱変色層は隠蔽率が高い濃厚な色にすることが好ましい。好ましくは、常温で黒、もしくは濃紺で、変色温度域では無色透明または有色透明、若しくはほぼ透明(無色透明又は有色透明)に変色することが好ましい。
【0074】
支持体表面に塗工する受像体形成面の厚さは受像体形成面の種類又は構成に応じて適宜選択することができるが、通常、厚さ10〜200μmで塗工するのが好ましい範囲である。受像体形成面の厚みにおいて、さらに好ましくは20〜150μmであり、特に50〜100μmが好適である。厚さ10μmより少ないと、ピンホールができたり、被塗面に樹脂が均一につかないことがあり、200μmを越えると表面に凹凸ができ、膜厚が均一にならないことがあるからである。
【0075】
また、受像体形成面において、熱変色層とともに樹脂層を備えている場合、熱変色層、樹脂層の厚みは、それぞれ、特に制限されず、前記受像体形成面の厚みの範囲において任意に選択できる。もちろん、樹脂層、熱変色層がそれぞれ複数層設けられている場合でも、それぞれの層の厚みは、全体としての受像体形成面の厚みが前記範囲であれば、特に制限されない。なお、受像体形成面が熱変色層と樹脂層とで構成された2層構造で、支持体側から樹脂層、熱変色層の順で形成されるとともに、両者が受容層としての機能を有している場合、樹脂層の厚みは、5〜50μm(好ましくは10〜40μm)であり、熱変色層の厚みは、10〜150μm(好ましくは50〜100μm)である場合が多い。
【0076】
また、被塗面に塗工されている合成樹脂の焼き付け加工の温度は、当該合成樹脂の種類に応じて決定される。この温度は、通常、100〜200℃が好適な範囲である。これは合成樹脂の軟化温度又は硬化温度に応じて選択される。
【0077】
本発明の受像体形成面を適用可能な被塗面即ち支持体の材質は、既述の通り、特に限定されるものではない。支持体の材質としては、ガラス、陶磁器、金属のほか、合成樹脂、ホーロー、紙類、金属、木材など各種の材料又は製品を使用できる。支持体としては、特に、既述の様に、マグカップ、ガラスコップ、湯飲み、皿、プレート等の食器や、タイル、合成樹脂フィルム・シートや紙、布類などが好適に使用され、特にマグカップが好適に使用される。
【0078】
被塗面の色(着色)は、特に限定されないが、転写された昇華性染料の画像が透明又は薄い色の受像体形成面中に現出したとき、受像体形成面の下地を構成している被塗面の着色が、更に転写された受像体の画像や筆跡を隠蔽する場合は好ましくない。但し、これは受像体形成面が透明又は薄い色に変色する場合であって、常温での色が透明又は薄い色でない場合は、被塗面の着色や色彩は特に制限を受けない。この場合の受像体形成面における常温での色としては、黒色など比較的濃い色であることが望ましい。そして、受像体形成面が透明或は薄い色に変色したとき、被塗面に絵柄等が描かれている場合は、更にこの被塗面の絵柄と、浮かび上がってきた筆跡等とが重なり合って趣向のある面白さを呈することもできる。
【0079】
本発明の受像体形成面において、受像体(画像)の形成方法としては、慣用の熱転写方法を採用でき、例えば、基材シート上に昇華性染料よりなる画像を塗布又は印刷などにより形成して画像転写シートを作製し、この画像転写シート上の昇華性染料が塗布又は印刷されている面を受像体形成面に接触させて加熱することにより、熱転写して受像体を形成する方法が採用できる。基材シート上の昇華性染料が塗布又は印刷されている面を受像体形成面に接触させて加熱すると、昇華性染料が昇華して、受像体形成面に移行するため、受像体形成面に受像体を形成することができる。なお、加熱の温度は昇華性染料の種類に応じて選択できる。
【0080】
図1は、本発明の受像体形成面を塗工した支持体であるマグカップの概略拡大断面図である。1はマグカップの被塗面、2はこの被塗面1上に部分的に形成された1層の熱変色層よりなる受像体形成面である。図2はこの受像体形成面2に熱転写を用いて描いた状態を示す塗膜の概略拡大断面図である。図2において、受像体形成面2には、転写された着色組成物による画像3が浸透され染着されている。但し、この状態では、図示の様に、この画像3は、例えば常温時では黒色の受像体形成面2によって色彩的に隠蔽されており、隠し文字又は隠し絵柄等(潜像)となっている。そこで、図3に示す様に、このようにして絵付けされたものを加熱することで、受像体形成面2が例えば透明となり、受像体形成面2に浸透染着された画像3の隠し文字又は隠し絵柄等が現出する。
【0081】
なお、前記実施形態では画像が受像体形成面の熱変色層中に完全に浸透染着されているが、本発明には画像が受像体形成面の熱変色層の外にも飛び出て形成された浸透染着状態のものも含まれる。図7は、本発明の受像体形成面を塗工した支持体であるマグカップにおいて他の実施形態を示す概略拡大断面図である。1はマグカップの被塗面、2bはこの被塗面1上に部分的に形成された樹脂層、2cは樹脂層2b上に部分的に形成された熱変色層であり、2aは受像体形成面である。すなわち、図7では、受像体形成面2aは、熱変色層2cと樹脂層2bとの2層で構成されている。図8は、図7に係る受像体形成面2aに熱転写によって、受像体である画像3a、3bが形成された受像体形成面2aの状態を示す概略拡大断面図である。図8では、受像体形成面2には画像3a、3bが転写、浸透され染着されており、画像3a、3bは、熱変色層2c及び樹脂層2bに受容されている。従って、受像体形成面2において、熱変色層2cの外部にも画像3bが形成されている。なお、図8では、画像3a、3bは、熱変色層2c及び樹脂層2bの両者に受容されているが、前述のように、画像は、熱変色層2c及び樹脂層2bのうち少なくともいずれかに受容されていてもよい。
【0082】
図8では、図示されているように、画像のうち熱変色層2cに形成されている画像3cは、例えば常温時では黒色の、受像体形成面2の熱変色層2cによって色彩的に隠蔽されており、隠し文字又は隠し絵柄等となっている。一方、樹脂層2bに形成された画像3bは色彩的に隠蔽されていない。そこで、図9に示す様に、このようにして絵付けされたものを加熱することで、受像体形成面2の熱変色層2cが、例えば透明となり、受像体形成面2の熱変色層2cに浸透染着された画像3cの隠し文字又は隠し絵柄等が現出すると、隠蔽性のない樹脂層2bに形成された画像と合わさって趣向のある面白さを呈することができる。
【0083】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)転写シートの作成
転写シートの作成の模様を図4に示す。すなわち、スクリーン5上の被写体4を入力カメラ6でとり、他方スーパーインポーズ画7として風景写真をカラービデオスキャナ8(ソニー(株)製、UV−T55V)により映像入力し、カラービデオプリンタ10(ソニー(株)製、UP−2200R)によりこの両者4,7を一体として昇華性染料を記録剤としてプリントペーパーに反転プリントして、画像転写シート9を作製した。なお、反転プリントの状態をモニター11によって観察した。
【0084】
(2)熱変色性インキ組成物の調製例1〜3
被塗面に受像体形成面の熱変色層を形成するための熱変色性インキ組成物の調製方法を説明する。後述の熱変色性顔料であるTC顔料(商品名「TCパウダーブラック」又は「TCパウダーレッド」、以上、株式会社サクラクレパス製熱変色性顔料)や、他の成分を以下に示す割合で配合し、熱変色性インキ組成物1〜3を調製した。より具体的には、TC顔料以外の成分を混合した後、TC顔料を加えて混合して、それぞれ、熱変色性インキ組成物1〜3を調製した。
【0085】
なお、熱変色性インキ組成物1〜2は、いずれも2液硬化型のスクリーン印刷用インキ組成物として調製した。また、熱変色性インキ組成物1〜2には、下記熱変色性インキ組成物の原液成分75重量部に対して硬化剤20重量部、接着促進剤1重量部が配合されている。なお、硬化剤としてはアミンアダクト(活性水素当量約47、油化シェルエポキシ(株)製 商品名「エピキュアーU」)を用いた。また接着促進剤はγ−クロロプロピルトリメトキシシラン系接着促進剤(信越化学(株)製 商品名「KBM703」)を用いた。なお、熱変色性インキ組成物1〜2では、体質顔料としてはシリカを用いている。
【0086】
(熱変色性インキ組成物1)
原液成分
TC顔料1 35重量部
エポキシ樹脂 60重量部
反応性希釈剤 3.0重量部
消泡剤1 0.5重量部
体質顔料 1.5重量部
【0087】
(熱変色性インキ組成物2)
原液成分
TC顔料2 35重量部
エポキシアクリル樹脂 60重量部
反応性希釈剤 3.0重量部
消泡剤1 0.5重量部
体質顔料 1.5重量部
【0088】
(熱変色性インキ組成物3)
TC顔料1 28.5重量部
光開始剤 1.0重量部
光重合性プレポリマー 40.0重量部
光重合性モノマー 30.0重量部
消泡剤2 0.5重量部
【0089】
なお、上記熱変色性インキ組成物1〜3で用いた熱変色性顔料であるTC顔料1、2、樹脂(エポキシ樹脂、エポキシアクリル樹脂)、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー等は以下の通りである。
【0090】
TC顔料1:
熱変色性顔料((株)サクラクレパス社製 商品名「TCパウダーブラック」)
TC顔料2:
熱変色性顔料((株)サクラクレパス社製 商品名「TCパウダーレッド」)
エポキシ樹脂:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量約189
(油化シェルエポキシ(株)社製 商品名「エピコート828」)
エポキシアクリル樹脂:
ビスフェノールA型エポキシアクリレート 数平均分子量1100
(日本化薬(株)社製 商品名「カヤラッドR131」)
反応性希釈剤:
(油化シェルエポキシ(株)社製 商品名「カージュラE」)
光開始剤:
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド光重合性プレポリマー:
ウレタンアクリレート(日本化薬(株)社製 商品名「カヤラッドUX8101」)
光重合性モノマー:
ネオペンチルグリコールとヒドロキシポバリン酸との反応物(日本化薬(株)社製 商品名「カヤラッドMANDA」)
消泡剤1:
エーテル変性メチルアルキルポリシロキサン(ビッグケミー・ジャパン(株)社製 商品名「BYK−070」)
消泡剤2:
シリコーン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 商品名「SH200オイル」)
【0091】
(実施例1)
熱変色性インキ組成物1を用いて陶器製マグカップに印刷した後、熱によりインキ組成物中の熱硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受像体形成面を形成し、これに上記の画像転写シート9のプリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を行った。昇華性染料による画像(絵柄)は黒色の受像体形成面に浸透していた。常温で状態をみたところ、図5のように画像3は黒色の受像体形成面2で隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップに70℃の湯を入れ加熱したところ、受像体形成面2は透明となり、図6のように当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。なお、受像体形成面の厚みは70μmである。
【0092】
(実施例2)
熱変色性インキ組成物2を用いてプラスチック製マグカップに印刷した後、熱によりインキ組成物中の熱硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受像体形成面を形成し、これに上記の画像転写シート9のプリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を行った。昇華性染料による画像は赤色の受像体形成面に浸透していた。常温で状態をみたところ、図5のように画像3は赤色の受像体形成面2で隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップに70℃の湯を入れ加熱したところ、受像体形成面2は透明となり、図6のように当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。なお、受像体形成面の厚みは70μmである。
【0093】
(実施例3)
熱変色性インキ組成物1を用いてプラスチック製マグカップに印刷した後、熱によりインキ組成物中の熱硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受像体形成面を形成し、これに上記の画像転写シート9のプリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を行った。図5のように昇華性染料による画像3は黒色の受像体形成面2に浸透していた。常温で状態をみたところ、図5のように、画像3は黒色の受像体形成面2で隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップに70℃の湯を入れ加熱したところ、受像体形成面2は透明となり、図6のように当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。なお、受像体形成面の厚みは70μmである。
【0094】
(実施例4)
PETフィルムに熱変色性インキ組成物1を用いてインキ転写シートを作成し、当該インキ転写シートを用いて熱転写して、陶器製マグカップ表面に熱変色性受像体形成面を形成した。これに上記の画像転写シート9のプリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を行った。昇華性染料による画像は黒色の受像体形成面に浸透していた。常温で状態をみたところ、図5のように、画像3は黒色の受像体形成面2で隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップに70℃の湯を入れ加熱したところ、受像体形成面2は透明となり、図6のように当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。なお、受像体形成面の厚みは50μmである。
【0095】
(実施例5)
熱変色性インキ組成物3を用いて陶器製マグカップに印刷した後、紫外線によりインキ組成物中の紫外線硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受像体形成面を形成し、これに上記の画像転写シートのプリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を行った。図5のように、昇華性染料による画像3は黒色の受像体型成面2に浸透していた。常温で状態を見たところ、図5のように、画像3は黒色の受像体型成面2で隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップを手のひらで温めたところ、受像体型成面2は透明となり当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。なお、受像体形成面の厚みは60μmである。
【0096】
(実施例6)
陶器製マグカップの表面に、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂の混合物を、塗布して、マグカップ表面に樹脂層を形成させた。このマグカップの樹脂層上に、熱変色性インキ組成物1を用いて印刷した後、熱によりインキ組成物中の熱硬化性樹脂を硬化させて熱変色性受像体形成面を形成した。この受像体形成面に上記の画像転写シート9のプリント面を重ね合わせ、200℃に設定したホットプレスで1kg/cm2 の圧力で2分間プレスして熱転写を行った。昇華性染料による画像は黒色の受像体形成面に浸透していた。常温で状態をみたところ、図5のように、画像3は黒色の受像体形成面2で隠蔽され、判読できなかった。その後、マグカップに70℃の湯を入れ加熱したところ、受像体形成面2は透明となり、図6のように当該受像体形成面2中に上記の画像3が現出した。なお、樹脂層に係るエポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)社製 商品名「エピコート828」を用い、樹脂層に係るアクリル樹脂としては、三菱化学社製、商品名「ダイヤナールSE−5661」を用いた。また、樹脂層に係るエポキシ樹脂とアクリル樹脂との割合は、エポキシ樹脂/アクリル樹脂(重量比)=1/9である。また、樹脂層の厚みは、20μmであり、熱変色層(熱変色性インキ組成物1による層)の厚みは50μmである。
【0097】
各実施例により得られた塗布面の性質を調べるため、実施例1〜6で得られたものについて以下の各種試験を行った。
(接着性試験)
各受像体形成面の面上でクロスカットセロテープ剥離試験を行い、受像体形成面の接着性を評価した。その結果、実施例1〜6に係るいずれの受像体形成面も剥離されず、熱転写により付した画像も消去しなかった。
なお、クロスカットセロテープ剥離試験は、JIS K 5400に準じて行った。
【0098】
(耐温水接着性試験)
各受像体形成面が形成された支持体(マグカップ)被塗面を80℃の温水に10分間浸漬後、前記接着性試験と同様の方法、すなわち、クロスカットセロテープ剥離試験方法によって接着性を評価した。その結果、いずれの受像体形成面も剥離されず、熱転写により付した画像も消去しなかった。
(耐水性試験)
各受像体形成面が形成された支持体(マグカップ)を水に室温で24時間浸漬後、前記接着性試験と同様の方法で接着性を評価した。その結果、いずれの受像体形成面も剥離されず、熱転写により付した画像も消去しなかった。
(耐洗剤水性試験)
各受像体形成面が形成された支持体(マグカップ)を、食器洗い用洗剤((株)ライオン社製 商品名「チャーミーグリーン」)が3ml/lの濃度で溶かされている液に室温で24時間浸漬後、前記接着性試験と同様の方法で接着性を評価した。その結果、いずれの受像体形成面も剥離されず、熱転写により付した画像も消去しなかった。
(耐漂白剤水性試験)
各受像体形成面が形成された支持体(マグカップ)を、食器用漂白剤((株)花王製 商品名「キッチンハイター」)が10ml/lの濃度で溶かされている液に室温で24時間浸漬後、前記接着性試験と同様の方法で接着性を評価した。その結果、いずれの受像体形成面も全く剥離されず、熱転写により付した画像も消去しなかった。
(繰り返し試験)
実施例1〜6に係る各マグカップに、90℃の湯を注いだ後捨てる操作を200回行い、受像体形成面の熱変色層の発色、消色を各200回繰り返し、このときの各回における受像体形成面の状態及び発色・消色を観察した。その結果、初めから200回までの間では、発色の色、および消色の色に変化がみられず、受像体形成面の状態も変化がなかった。
(食器洗い試験)
各受像体形成面が形成された支持体(マグカップ)被塗面を、日本陶磁器検査協会の食器洗い試験に基づいて食器洗い試験を行った。その結果、いずれの受像体形成面も剥離されず、熱転写により付した画像も全く変化がなかった。
(安全性試験)
各受像体形成面が形成された支持体(マグカップ)を、日本陶磁器検査協会の重金属溶出試験に基づいて当該試験を行った。その結果、判定は安全合格であった。
【0099】
【発明の効果】
本発明は、受像体形成面に関するものであり、マグカップ等の被塗面に隠し文字や絵柄を熱転写により付すことができ、湯等の加熱によって所定の温度域になると、隠されていた絵柄や文字などが該受像体形成面上から浮かび上がるおもしろさを有する。従って、たとえば、この付された隠し文字又は絵柄等のある陶磁器製のマグカップや合成樹脂製のコップを特定又は不特定の相手方にプレゼントすれば、当該相手方がコップに湯等を入れるなどして使用した時にメッセージ等がコップ表面に浮かび上がり、相手方に伝達することができる。因って、従来には全くない面白さの絵付けとすることができ、使用者の遊び心をくすぐり、著しく興味を引き起こす。また、特に、受像体形成面が常温乃至加熱温度の間で可逆的に変色する熱変色インキを用いて形成されている場合、常温になると再び隠蔽され、隠し文字等となり、一層面白さを与えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施例において、マグカップ上に形成された受像体形成面を示す概略拡大断面図である。
【図2】 図2は熱転写によって画像を形成した、マグカップ上の受像体形成面の状態を示す概略拡大断面図である。
【図3】 図3はマグカップ上の受像体形成面が透明になることにより、熱転写により形成された画像が受像体形成面上に現れた状態を示す概略拡大断面図である。
【図4】 図4は転写シートの作成工程を説明するための図である。
【図5】 図5はマグカップ上に設けられた受像体形成面上の熱転写により付された絵柄が隠蔽されている様子を示した図である。
【図6】 図6はマグカップ上に設けられた受像体形成面が透明になり、熱転写により付された絵柄が現出した様子を示す図である。
【図7】 図7は本発明の他の実施例において、マグカップ上に形成された受像体を示す概略拡大断面図である。
【図8】 図8は熱転写によって画像を形成した、マグカップ上の受像体形成面の状態を示す概略拡大断面図である。
【図9】 図9はマグカップ上の受像体形成面が透明になることにより、熱転写により形成された画像が受像体形成面上に現れた状態を示す概略拡大断面図である。
【符号の説明】
1 マグカップの被塗面
2 受像体形成面
2a 受像体形成面
2b 樹脂層
2c 熱変色層
3 画像

Claims (10)

  1. マグカップ上に熱変色層を設けてなり、さらに、該熱変色層上に、熱転写された昇華性染料により、常温時熱変色層の色により隠蔽されている画像を形成してなるマグカップ。
  2. 熱変色層が、熱変色性インキによる層である請求項1記載のマグカップ。
  3. 熱変色層が、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を含んでいる請求項1又は2記載のマグカップ。
  4. 熱変色層が、エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいる請求項1乃至3のいずれかの項に記載のマグカップ。
  5. 熱変色層が、所定温度域で、画像の隠蔽色を可逆的に発色及び透明化する請求項1乃至4のいずれかの項に記載のマグカップ。
  6. 熱変色層が、熱転写によって形成されている請求項2乃至5のいずれかの項に記載のマグカップ。
  7. 熱変色層が、樹脂層を介して設けられている請求項1乃至6のいずれかの項に記載のマグカップ。
  8. 熱変色層が、エポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂を含んでいるとともに、樹脂層がエポキシ樹脂及び/又はエポキシアクリレート樹脂と、アクリル樹脂とを含んでいる請求項7記載のマグカップ。
  9. 熱変色層が、樹脂層上に部分的に形成されている請求項7記載のマグカップ。
  10. 樹脂層が、マグカップ上に直接形成され、かつ樹脂層がマグカップに対して接着性を有している請求項7乃至9のいずれかの項に記載のマグカップ。
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